JP2007217509A - バリア性に優れた熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】燃料バリア性、耐衝撃性に優れた熱可塑性樹脂組成物成形体を提供する。
【解決手段】ポリオレフィン(A)50〜97重量%、メタキシリレン基含有ポリアミド(B)2〜45重量%ならびに変性ポリオレフィンおよび/またはスチレン系共重合体(C)1〜45重量%からなる熱可塑性樹脂組成物層を有する成形体であって、該熱可塑性樹脂組成物層中にメタキシリレン基含有ポリアミド(B)が層状を呈して分散しており、かつ該メタキシリレン基含有ポリアミド(B)中にリン原子として0.1〜100ppmの範囲内のリン化合物が含有されていることを特徴とする、バリア性に優れた熱可塑性樹脂組成物成形体。
【選択図】 無
【解決手段】ポリオレフィン(A)50〜97重量%、メタキシリレン基含有ポリアミド(B)2〜45重量%ならびに変性ポリオレフィンおよび/またはスチレン系共重合体(C)1〜45重量%からなる熱可塑性樹脂組成物層を有する成形体であって、該熱可塑性樹脂組成物層中にメタキシリレン基含有ポリアミド(B)が層状を呈して分散しており、かつ該メタキシリレン基含有ポリアミド(B)中にリン原子として0.1〜100ppmの範囲内のリン化合物が含有されていることを特徴とする、バリア性に優れた熱可塑性樹脂組成物成形体。
【選択図】 無
Description
本発明は、バリア性に優れた熱可塑性樹脂組成物成形体に関するものである。さらに詳しくは、ポリオレフィンのバリア性を向上させ、優れた耐衝撃性を有する、特にアルコール含有燃料用容器やチューブ、部品用材料として優れた熱可塑性樹脂組成物成形体に関するものである。
近年、燃料保存用容器として、軽量化、防錆処理不要化、形状の自由度向上、加工工数の削減や製造の全自動化などの面から、ブロー成形などからなる樹脂製燃料用容器が注目され、金属製燃料用容器からの代替が進んでいる。
しかし、用いられるポリエチレン(高密度ポリエチレン)は、機械的強度、成形加工性、経済性に優れるものの、燃料に対するバリア性能が乏しいため、燃料透過量に対する規制に対応できなくなっている。
そのため、容器の内面をフッ素処理する方法や、ポリエチレンとポリアミド樹脂などをブレンドする方法によって燃料の透過を抑制する試みがなされている(特許文献1〜3参照)。これらのうち、フッ素処理に対しては、有害ガス取り扱い上の安全性確保や、処理後の回収方法などが問題となり現在はほとんど使用されていない。ポリエチレンとブレンドする方法については、バリア性樹脂を層状に分散させることにより燃料の透過量はある程度減らすことができるものの、この場合、バリア性能が不十分であったり、逆にバリア性能が十分であっても衝突時の衝撃吸収が低下したり、成形性が低下するなどの課題があり、今後ますます強化される規制に十分に応えていくことが困難であった。特に、ガソリンにエタノール等のアルコール類を添加することにより、化石燃料の使用量を減らし二酸化炭素の排出量を削減できるため、エタノールの燃料としても利用検討が進められているが、ナイロン6やエチレン−ビニルアルコール共重合などのバリア性樹脂は、アルコール類に対するバリア性が劣るために、よりバリア性能を高めた材料が望まれている。
特開昭55−121017号公報
特開平5−156036号公報
特開平10−279752号公報
しかし、用いられるポリエチレン(高密度ポリエチレン)は、機械的強度、成形加工性、経済性に優れるものの、燃料に対するバリア性能が乏しいため、燃料透過量に対する規制に対応できなくなっている。
そのため、容器の内面をフッ素処理する方法や、ポリエチレンとポリアミド樹脂などをブレンドする方法によって燃料の透過を抑制する試みがなされている(特許文献1〜3参照)。これらのうち、フッ素処理に対しては、有害ガス取り扱い上の安全性確保や、処理後の回収方法などが問題となり現在はほとんど使用されていない。ポリエチレンとブレンドする方法については、バリア性樹脂を層状に分散させることにより燃料の透過量はある程度減らすことができるものの、この場合、バリア性能が不十分であったり、逆にバリア性能が十分であっても衝突時の衝撃吸収が低下したり、成形性が低下するなどの課題があり、今後ますます強化される規制に十分に応えていくことが困難であった。特に、ガソリンにエタノール等のアルコール類を添加することにより、化石燃料の使用量を減らし二酸化炭素の排出量を削減できるため、エタノールの燃料としても利用検討が進められているが、ナイロン6やエチレン−ビニルアルコール共重合などのバリア性樹脂は、アルコール類に対するバリア性が劣るために、よりバリア性能を高めた材料が望まれている。
本発明は、燃料用容器における以上のような課題を解決し、バリア性、耐衝撃性に優れた熱可塑性樹脂組成物成形体を提供しようとするものである。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、ポリオレフィンとリン化合物を含む特定のメタキシリレン基含有ポリアミドを用いることで、バリア性及び耐衝撃性に優れた成形体が得られることを見出し、本発明を完成するに到った。
すなわち、本発明は、ポリオレフィン(A)50〜97重量%、メタキシリレン基含有ポリアミド(B)2〜45重量%ならびに変性ポリオレフィンおよび/またはスチレン系共重合体(C)1〜45重量%からなる熱可塑性樹脂組成物層を有する成形体であって、該熱可塑性樹脂組成物層中にメタキシリレン基含有ポリアミド(B)が層状を呈して分散しており、かつ該メタキシリレン基含有ポリアミド(B)中にリン原子として0.1〜100ppmの範囲内のリン化合物が含有されていることを特徴とする、バリア性に優れた熱可塑性樹脂組成物成形体に関する。
本発明で得られる熱可塑性樹脂組成物成形体は、バリア性、耐衝撃性に優れており、燃料用容器、チューブ、部品等、種々の成形体に利用できる。
本発明において、ポリオレフィン(A)としては、種々のものが挙げられるが、好ましくは低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、1−ポリブテン、1−ポリメチルペンテンなどの炭素数2以上、好ましくは2〜8のエチレン系炭化水素の単独重合体;炭素数3〜20のα−オレフィンの単独重合体;炭素数3〜20のα−オレフィンを使用した共重合体(エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体、エチレン・1−ブテン共重合体、エチレン・4−メチル−1−ペンテン共重合体、エチレン・1−ヘキセン共重合体、エチレン・1−オクテン共重合体、エチレン・1−デセン共重合体、プロピレン・1−ブテン共重合体、プロピレン・4−メチル−1−ペンテン共重合体、プロピレン・1−ヘキセン共重合体、プロピレン・1−オクテン共重合体、プロピレン・1−デセン共重合体など);炭素数2〜20のα−オレフィンと環状オレフィンの共重合体(ノルボルネンとの共重合体など)などが挙げられる。これらのポリオレフィンは単独で用いることもできるし、2種類以上の混合物として使用することもできる。これらのポリオレフィンの中で、ポリエチレン、ポリプロピレン、1−ポリブテン等の樹脂、またはα−オレフィンと環状オレフィンとの共重合体等のガラス転移点の高い樹脂が好ましい。本発明で用いられるポリオレフィン(A)は、190℃、2.16kgfの荷重におけるメルトフローレート(MFR)が、0.001〜10g/10分の範囲にあることが望ましい。MFRが0.001g/10分より小さい場合、製造が困難であり、また、成形時に過大な負荷がかかるため好ましくない。またMFRが10g/10分を越える場合、中空成形方法などで多層成形体を作製する際にドローダウンが生じたり、機械的強度が低下するなどの問題があり好ましくない。
本発明で用いられる変性ポリオレフィンは、上記ポリオレフィンに不飽和カルボン酸またはその無水物でグラフト変性されたもので、一般に相溶化剤や接着剤として広く用いられているものである。不飽和カルボン酸またはその無水物の具体例として、アクリル酸、メタクリル酸、α−エチルアクリル酸、マレイン酸、フマール酸、イタコン酸、シトラコン酸、テトラヒドロフタル酸、クロロマレイン酸、ブテニルコハク酸など、およびこれらの酸無水物が挙げられる。中でも、マレイン酸および無水マレイン酸が好ましく用いられる。上記不飽和カルボン酸またはその無水物をポリオレフィンにグラフト共重合して変性ポリオレフィンを得る方法としては、従来公知の種々の方法を用いることができる。例えば、ポリオレフィンを押出機等を用いて溶融させ、グラフトモノマーを添加して共重合させる方法、あるいはポリオレフィンを溶媒に溶解させてグラフトモノマーを添加して共重合させる方法、ポリオレフィンを水懸濁液とした後グラフトモノマーを添加して共重合させる方法等を挙げることができる。
本発明で用いられるスチレン系共重合体としては、ビニル芳香族化合物と共役ジエン化合物とからなる共重合体の一部または全部に水素化した水添ブロック共重合体からなるスチレンブロック共重合体が挙げられる。共役ジエン化合物としては、1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、イソプレンなどが挙げられるが、1,3−ブタジエンが好ましい。また、本発明で用いられるスチレン系共重合体には、不飽和カルボン酸またはその無水物で変性処理をおこなってもよい。
本発明で用いられる変性ポリオレフィンおよび/またはスチレン系共重合体(C)は、190℃、2.16kgfの荷重におけるメルトフローレート(MFR)が、3g/10分以下であることが好ましく、さらに2g/10分以下であることが好ましい。上記範囲から外れる場合、得られる熱可塑性樹脂組成物成形体のバリア性が不十分となる恐れがある。本発明においては、前記(C)として変性ポリオレフィンを使用することが好ましい。
本発明で用いられるメタキシリレン基含有ポリアミド(B)は、メタキシリレンジアミンとジカルボン酸からなるポリアミドが挙げられる。メタキシリレンジアミンとジカルボン酸からなるポリアミドとしては、ジアミンに由来する構成単位の70モル%以上がメタキシリレンジアミンに由来するものであり、ジカルボン酸に由来する構成単位の70モル%以上が炭素数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸とイソフタル酸のモル比率が30:70〜100:0であるジカルボン酸に由来するものであるものが好ましく、DSC(示差走査熱量測定、25〜300℃、10℃/分)での測定による結晶化度が25%以上であるポリアミドが好ましい。
該ポリアミドは、メタキシリレンジアミンを70モル%以上(100モル%を含む)含むジアミン成分と、炭素数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸とイソフタル酸のモル比率が30:70〜100:0であるジカルボン酸を70モル%以上(100モル%を含む)含むジカルボン酸成分を重縮合させることにより得られる。炭素数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸とイソフタル酸のモル比率は30:70〜95:5であることがより好ましい。
該ポリアミドは、メタキシリレンジアミンを70モル%以上(100モル%を含む)含むジアミン成分と、炭素数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸とイソフタル酸のモル比率が30:70〜100:0であるジカルボン酸を70モル%以上(100モル%を含む)含むジカルボン酸成分を重縮合させることにより得られる。炭素数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸とイソフタル酸のモル比率は30:70〜95:5であることがより好ましい。
本発明において、前記メタキシリレン基含有ポリアミド(B)の原料として用いるメタキシリレンジアミン以外のジアミンとして、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、2−メチルペンタンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,2,4−トリメチル−ヘキサメチレンジアミン、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、等の脂肪族ジアミン;1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,3−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、ビス(アミノメチル)デカリン(構造異性体を含む。)、ビス(アミノメチル)トリシクロデカン(構造異性体を含む。)等の脂環族ジアミン;ビス(4−アミノフェニル)エーテル、パラフェニレンジアミン、パラキシリレンジアミン、ビス(アミノメチル)ナフタレン(構造異性体を含む。)等の芳香環を有するジアミン類等を例示することができる。これらは全ジアミン成分中に30モル%を超えない範囲で使用することができる。
本発明において、炭素数4〜12のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸として、例えばコハク酸、グルタル酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、アジピン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸等の脂肪族ジカルボン酸が例示できるが、これら中でもアジピン酸が好ましい。
前記メタキシリレン基含有ポリアミド(B)における炭素数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸単位とイソフタル酸単位のモル比は、30:70〜100:0、好ましくは30:70〜95:5、より好ましくは40:60〜95:5、さらに好ましくは60:40〜90:10である。
イソフタル酸単位をこの範囲で含むと、熱可塑性樹脂組成物層のバリア性、特にメタノール、エタノールやメチル tert−ブチル エーテル(MTBE)に対するバリア性が向上する。
イソフタル酸単位をこの範囲で含むと、熱可塑性樹脂組成物層のバリア性、特にメタノール、エタノールやメチル tert−ブチル エーテル(MTBE)に対するバリア性が向上する。
また、炭素数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸のみの場合に比べ、得られるポリアミド樹脂の融点が低下し、より低温で成形でき、製造エネルギーの低減や成形サイクルの短縮化が図られるばかりでなく、溶融粘度が高くなり、該樹脂のドローダウン等に対する成形加工性が向上する。
本発明において、上記、イソフタル酸以外のジカルボン酸成分としては、テレフタル酸、オルソフタル酸等のフタル酸化合物;1,2−ナフタレンジカルボン酸、1,3−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、1,6−ナフタレンジカルボン酸、1,7−ナフタレンジカルボン酸、1,8−ナフタレンジカルボン酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸といった異性体等のナフタレンジカルボン酸;安息香酸、プロピオン酸、酪酸等のモノカルボン酸;トリメリット酸、ピロメリット酸等の多価カルボン酸;無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸等のカルボン酸無水物等を全ジカルボン酸成分の30モル%以下の範囲で使用してもよい。
前記メタキシリレン基含有ポリアミド(B)を製造する際には、ε−カプロラクタム、ω−ラウロラクタム、ω−エナントラクタムなどのラクタム類、6−アミノカプロン酸、7−アミノヘプタン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸、9−アミノノナン酸、パラアミノメチル安息香酸などのアミノ酸などを、性能を損なわない範囲で加えても良い。
前記メタキシリレン基含有ポリアミド(B)は、メタキシリレンジアミンを70モル%以上含むジアミン成分と、モル比率が30:70〜100:0である炭素数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸とイソフタル酸を70モル%以上含むジカルボン酸成分とを溶融重縮合して製造され、その製造方法は特に限定されるものではなく、常圧溶融重合法、加圧溶融重合法などの従来公知の方法、重合条件により製造される。例えば、メタキシリレンジアミンとアジピン酸、あるいは、メタキシリレンジアミン、アジピン酸およびイソフタル酸からなるナイロン塩を水の存在下に、加圧下で昇温し、加えた水よび縮合水を取り除きながら溶融状態で重合させる方法により製造される。また、メタキシリレンジアミンを溶融状態のアジピン酸、または、アジピン酸とイソフタル酸混合物に直接加えて、常圧下で重縮合する方法によっても製造される。この場合、反応系を固化させる事の無いように、メタキシリレンジアミンを連続的に加えて、その間の反応温度が生成するオリゴアミドおよびポリアミドの融点以上となるように反応系を昇温しつつ、重縮合が進められる。
溶融重縮合によって得られる比較的低分子量のメタキシリレン基含有ポリアミド(ポリアミド(I)と称する。)の相対粘度(ポリアミド樹脂1gを96%硫酸溶液100mlに溶解し測定した値、以下同じ)は、通常、2.28以下である。溶融重縮合後の相対粘度が2.28以下であると、ゲル状物質の生成が少なく、色調が良好な高品質のポリアミドが得られる。しかし、フィルムやシートおよびボトル等の多層容器を作製するには溶融粘度が低過ぎる場合もある。このような場合には固相重合などにより溶融粘度を増大させるのが好ましい。イソフタル酸を上記範囲内で加えた場合は、溶融粘度を増大させ、融点を低下させることができる。従って、成形温度(融点+10〜融点+30℃、非晶の場合は180+10℃〜180+30℃)を低下させることができ、成形温度において十分な溶融粘度を得ることができる。そのため、固相重合等の増粘工程が不要となり、経済性に優れた材料を提供することができる。
前記メタキシリレン基含有ポリアミド(B)の融点は160℃〜240℃の範囲に制御することが好ましく、より好ましくは170〜235℃、さらに好ましくは180〜230℃である。該ポリアミドの融点をポリオレフィン(A)や変性ポリオレフィンおよび/またはスチレン系共重合体(C)の融点に近づけることにより、多層成形体作製時の樹脂間の成形温度差による厚みムラ等の不良発生や、樹脂劣化による臭気及び着色を抑えることが可能となる。
また、前記メタキシリレン基含有ポリアミド(B)のガラス転移点は80〜130℃の範囲であることが好ましい。ポリアミドのガラス転移点を80℃以上とすることで高温下でのバリア性に優れたものが得らえる。
本発明で用いられるメタキシリレン基含有ポリアミド(B)は、リン原子として0.1〜100ppm、好ましくは0.5〜80ppm、より好ましくは1〜50ppmのリン化合物を含有する。リン原子濃度が上記範囲から外れた場合、得られた成形体のバリア性や強度が低下する。リン化合物としては、次亜リン酸、亜リン酸、リン酸の元素周期律表第1族または第2族金属または遷移金属のリン化合物、エステル化合物が好適に使用され、リン酸、亜リン酸または次亜リン酸の、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩およびエステル化合物が特に好ましい。該アルカリ金属塩あるいはアルカリ土類金属塩としては、例えば、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム等のリン酸塩、次亜リン酸塩あるいは亜リン酸塩、が挙げられる。本発明においては、リン化合物としてアルカリ金属またはアルカリ土類金属の次亜リン酸塩を使用したものが特に好ましく用いられる。本発明においてはリン化合物の添加方法としては、溶融重合時に添加する方法や、押出機を用いて溶融混練する方法があるが、溶融重合時に添加する方法が好ましく用いられる。
本発明で用いられるメタキシリレン基含有ポリアミド(B)は、ゲルやフィッシュアイの生成を抑え、溶融粘度を安定化する目的で、該ポリアミドを主に構成するジカルボン酸の第1解離定数より低い解離定数を示す弱酸のアルカリ金属化合物をリン化合物に対して0.5〜1.0倍モル加えることができる。使用できる弱酸の一例として、ポリアミドを構成するジカルボン酸がコハク酸、アジピン酸、アセライン酸である場合、炭酸、ホウ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、クロトン酸、吉草酸、カプロン酸、イソカプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、ステアリン酸、シクロペンタンカルボン酸、シクロヘキサンカルボン酸、ヒドロケイ皮酸、γ−フェニル酪酸、p−フェノキシ安息香酸、o−オキシケイ皮酸、o−β−クロルフェニルプロピオン酸、m−クロルフェニルプロピオン酸のアルカリ金属化合物が例示されるが、これらの化合物に限定されるものではない。
本発明で用いられるメタキシリレン基含有ポリアミド(B)は、下記式(1)及び(2)を満たすものが好ましく用いられる。下記式(1)を満たすことで、分子同士の絡み合いの度合いが小さいために押出機で溶融され引き伸ばされた時に切れやすくなることを防止でき、熱可塑性樹脂組成物層中においてメタキシリレン基含有ポリアミド(B)の層状分散が十分になる。また、下記式(2)を満たすことで、低分子量成分が先に溶融して微分散化することを防止でき、十分な層状分散性が得られるのでバリア性能が向上する。
Mw≧20000・・・・・・(1)
Mw/Mn≦2.5・・・・・(2)
(式(1)中、Mwはメタキシリレン基含有ポリアミドの重量平均分子量を、Mnはメタキシリレン基含有ポリアミドの数平均分子量を表す。)
Mw≧20000・・・・・・(1)
Mw/Mn≦2.5・・・・・(2)
(式(1)中、Mwはメタキシリレン基含有ポリアミドの重量平均分子量を、Mnはメタキシリレン基含有ポリアミドの数平均分子量を表す。)
本発明において、メタキシリレン基含有ポリアミド(B)は、DSC(示差走査熱量測定、25〜300℃、10℃/分)での測定による結晶化度が25%以上のものが好ましく用いられる。結晶化度が25%を下回る場合、押出機等での押出成形加工時に、溶融、可塑化しやすくなるため熱可塑性樹脂組成物中でのポリアミドの分散の進展に伴う粒化、微粒子化が進行し、層状分散性が低下するため、得られる熱可塑性樹脂組成物成形体のバリア性が低下する問題がある。
本発明において、メタキシリレン基含有ポリアミド(B)は、DSC(示差走査熱量測定、25〜300℃、10℃/分)での測定による総熱量が−20J/g以下のものが好ましく用いられ、−25J/g以下のものがさらに好ましく用いられる。総熱量が−20J/gを越える場合、押出機等での押出成形加工時に、溶融、可塑化しやすくなるため熱可塑性樹脂組成物中でのポリアミドの分散の進展に伴う粒化、微粒子化が進行し、層状分散性が低下するため、得られる熱可塑性樹脂組成物成形体のバリア性が低下する問題がある。
本発明において用いられるメタキシリレン基含有ポリアミド(B)は、末端アミノ基濃度が40μ当量/g未満、好ましくは10〜30μ当量/gである。さらに、カルボキシル基濃度40〜100μ当量/g以上のものが好ましく用いられる。末端基が上記範囲を越える場合、得られる熱可塑性樹脂組成物成形体のバリア性が低下する問題がある。
本発明においては、メタキシリレン基含有ポリアミド(B)は、加熱処理したポリアミドが好ましく用いられる。加熱処理する方法として、例えば、回転ドラム等の回分式加熱装置を用いて、不活性ガス雰囲気中もしくは減圧下において、水の存在下で緩やかに加熱し、融着を回避しつつ結晶化させた後、更に加熱処理を行う方法;溝型攪拌加熱装置を用いて、不活性ガス雰囲気中で加熱し、結晶化させた後、ホッパー形状の加熱装置を用いて、不活性ガス雰囲気中で加熱処理する方法;溝型攪拌加熱装置を用いて結晶化させた後、回転ドラム等の回分式加熱装置を用いて加熱処理を行う方法などが挙げられる。中でも、回分式加熱装置を用いて、結晶化ならびに加熱処理を行う方法が好ましい。処理条件としては、溶融重縮合で得られたポリアミド(I)に対して1〜30重量%の水の存在下、かつ、0.5〜4時間かけて70から120℃まで昇温することにより結晶化し、次いで、不活性ガス雰囲気中または減圧下で、ポリアミド(I)の融点−50℃〜ポリアミド(I)の融点−10℃の温度で1〜12時間加熱処理する条件が好ましい。
本発明で用いられるメタキシリレン基含有ポリアミド(B)には、ポリカルボジイミド系樹脂を0.1〜10重量%加えることができる。ポリカルボジイミド系樹脂としては、カルボジイミド基を含有していれば特に限定はされず、芳香族系や脂肪族系など分子中に1個以上のカルボジイミド基を有するものが用いられるが、中でも脂肪族系が好ましく用いられる。添加量は、0.1重量%未満の場合、増粘効果が低く、得られた成形品のバリア性が低くなる恐れがある。また、添加量が10重量%を超える場合は、粘度が著しく増加するため、製造が困難となるだけでなく、得られた成形品のバリア性が不十分となる。
ポリカルボジイミド系樹脂は、有機ジイソシアネートなどを用いて公知の方法で合成することができ、末端を封止して重合度を制御してもよい。
ポリカルボジイミド系樹脂は、有機ジイソシアネートなどを用いて公知の方法で合成することができ、末端を封止して重合度を制御してもよい。
本発明で用いられるメタキシリレン基含有ポリアミド(B)は、必要に応じて、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン666等の他のポリアミドや、エチレン−ビニルアルコール共重合樹脂、ビニルアルコール系共重合樹脂、アクリロニトリル樹脂などを添加しても良い。
本発明では、前記ポリオレフィン、メタキシリレン基含有ポリアミド、変性ポリオレフィンおよびスチレン系共重合体から選ばれる成分を少なくとも1種含有する樹脂固形物である再使用樹脂を前記熱可塑性樹脂組成物に混合して用いることができる。該樹脂固形物の由来には特に制約はないが、例えば、前記成分を含有する樹脂を成形する工程で発生した樹脂固形物を回収して使用できる。該樹脂固形物には、成形時に発生するバリや不良品などを回収したものも含まれ、回収後に粉砕させたもの、あるいは単軸や二軸押出機などでペレット状に再加工されたものも含まれる。サイズは特に限定されないが、押出時にブロッキング等の問題が生じないよう1cm角程度以下のサイズとしたものが好ましい。また、ポリアミドが含有される場合、吸湿による発泡が生じる恐れもあるので、成形直後のものや除湿乾燥などを行って吸水率を0.5%以下にしたものが好ましく用いられる。
再使用樹脂の混合量は前記ポリオレフィン(A)、メタキシリレン基含有ポリアミド(B)ならびに変性ポリオレフィンおよび/またはスチレン系共重合体(C)の合計100重量部に対して、5〜300重量部が好ましい。300重量部を越えるとバリア性能が低下する問題が生じる恐れがあるため、好ましくない。また、再使用樹脂中のバリア性樹脂含有量が少ない場合は、本発明の熱可塑性樹脂組成物中のバリア性樹脂の含有比率が低下するためにバリア性能が悪化する恐れがあり、逆に、再使用樹脂中のバリア性樹脂の含有比率が高い場合は、熱可塑性樹脂組成物の機械的性能が低下する恐れがあるが、添加するバリア性樹脂や変性ポリオレフィンの添加量を調整することで補うことができる。同様に変性ポリオレフィンおよび/またはスチレン系共重合体についても、添加量を調整することで性能を補うことができる。
本発明における熱可塑性樹脂組成物は、前記ポリオレフィン(A)、メタキシリレン基含有ポリアミド(B)ならびに変性ポリオレフィンおよび/またはスチレン系共重合体(C)を混合することで得られる。該熱可塑性樹脂組成物中に、前記ポリオレフィン(A)、メタキシリレン基含有ポリアミド(B)ならびに変性ポリオレフィンおよび/またはスチレン系共重合体(C)を、(A)50〜97重量%、(B)2〜45重量%および(C)1〜45重量%の割合で含み、好ましくは(A)55〜95重量%、(B)3〜40重量%および(C)2〜40重量%であり、さらに好ましくは(A)60〜92重量%、(B)4〜35重量%および(C)4〜35重量%である。(A)が50重量%未満の場合、樹脂組成物の衝撃強度や成形性が低下する問題が生じ、また97重量%を超えるとバリア性が低下するので好ましくない。また、(B)が2重量%未満では、バリア性が低く、45重量%を越える場合は衝撃強度が低下するので好ましくない。また、(C)が1重量%未満では、ポリオレフィンとバリア性樹脂の親和性が低下し、それに伴い衝撃強度が低下する問題が生じ、また、45重量%を越える場合は、メタキシリレン基含有ポリアミド(B)が層状の分散状態を構成し難くなるので好ましくない。
本発明の熱可塑性樹脂組成物成形体では、メタキシリレン基含有ポリアミド(B)が前記熱可塑性樹脂組成物層中で層状を呈して分散しており、特に該層中でメタキシリレン基含有ポリアミド(B)と他の樹脂が多層状構造を形成していることが好ましい(メタキシリレン基含有ポリアミド(B)層は、必ずしも連続層である必要はないが、多層状構造を形成していることが好ましい)。
本発明における熱可塑性樹脂組成物は、有機膨潤化剤で処理したスメクタイト(D)を任意成分として含んでいてもよく、特に有機膨潤化剤で処理したスメクタイト(D)がバリア性樹脂(B)中に均一に分散していることが好ましい。スメクタイトは、0.25〜0.6の電荷密度を有する2−八面体型や3−八面体型の層状珪酸塩であり、2−八面体型としては、モンモリロナイト、バイデライト等、3−八面体型としてはヘクトライト、サボナイト等が挙げられる。これらの中でも、モンモリロナイトが好ましい。
有機膨潤化剤で処理したスメクタイト(D)とは、高分子化合物、有機化合物系の有機膨潤化剤を、予め層状珪酸塩に接触させて、層状珪酸塩の層間を拡げたものである。
有機膨潤化剤として、第4級アンモニウム塩が好ましく使用できるが、好ましくは、炭素数12以上のアルキル基を少なくとも一つ以上有する第4級アンモニウム塩、特に好ましくは第4級アンモニウムハライド(クロライド、ブロマイド)が用いられる。
有機膨潤化剤で処理したスメクタイト(D)とは、高分子化合物、有機化合物系の有機膨潤化剤を、予め層状珪酸塩に接触させて、層状珪酸塩の層間を拡げたものである。
有機膨潤化剤として、第4級アンモニウム塩が好ましく使用できるが、好ましくは、炭素数12以上のアルキル基を少なくとも一つ以上有する第4級アンモニウム塩、特に好ましくは第4級アンモニウムハライド(クロライド、ブロマイド)が用いられる。
有機膨潤化剤の具体例として、トリメチルドデシルアンモニウム塩、トリメチルテトラデシルアンモニウム塩、トリメチルヘキサデシルアンモニウム塩、トリメチルオクタデシルアンモニウム塩、トリメチルエイコシルアンモニウム塩等のトリメチルアルキルアンモニウム塩;トリメチルオクタデセニルアンモニウム塩、トリメチルオクタデカジエニルアンモニウム塩等のトリメチルアルケニルアンモニウム塩;トリエチルドデシルアンモニウム塩、トリエチルテトラデシルアンモニウム塩、トリエチルヘキサデシルアンモニウム塩、トリエチルオクタデシルアンモニウム塩等のトリエチルアルキルアンモニウム塩;トリブチルドデシルアンモニウム塩、トリブチルテトラデシルアンモニウム塩、トリブチルヘキサデシルアンモニウム塩、トリブチルオクタデシルアンモニウム塩等のトリブチルアルキルアンモニウム塩;ジメチルジドデシルアンモニウム塩、ジメチルジテトラデシルアンモニウム塩、ジメチルジヘキサデシルアンモニウム塩、ジメチルジオクタデシルアンモニウム塩、ジメチルジタロウアンモニウム塩等のジメチルジアルキルアンモニウム塩;ジメチルジオクタデセニルアンモニウム塩、ジメチルジオクタデカジエニルアンモニウム塩等のジメチルジアルケニルアンモニウム塩;ジエチルジドデジルアンモニウム塩、ジエチルジテトラデシルアンモニウム塩、ジエチルジヘキサデシルアンモニウム塩、ジエチルジオクタデシルアンモニウム塩等のジエチルジアルキルアンモニウム塩;ジブチルジドデシルアンモニウム塩、ジブチルジテトラデシルアンモニウム塩、ジブチルジヘキサデシルアンモニウム塩、ジブチルジオクタデシルアンモニウム塩等のジブチルジアルキルアンモニウム塩;メチルベンジルジヘキサデシルアンモニウム塩等のメチルベンジルジアルキルアンモニウム塩;ジベンジルジヘキサデシルアンモニウム塩等のジベンジルジアルキルアンモニウム塩;トリドデシルメチルアンモニウム塩、トリテトラデシルメチルアンモニウム塩、トリオクタデシルメチルアンモニウム塩等のトリアルキルメチルアンモニウム塩;トリドデシルエチルアンモニウム塩等のトリアルキルエチルアンモニウム塩;トリドデシルブチルアンモニウム塩等のトリアルキルブチルアンモニウム塩;4−アミノ−n−酪酸、6−アミノ−n−カプロン酸、8−アミノカプリル酸、10−アミノデカン酸、12−アミノドデカン酸、14−アミノテトラデカン酸、16−アミノヘキサデカン酸、18−アミノオクタデカン酸等のω−アミノ酸などが挙げられる。また、水酸基及び/又はエーテル基含有のアンモニウム塩、中でも、メチルジヒドロキシエチル水素化タロウアンモニウム塩、および、メチルジアルキル(PAG)アンモニウム塩、エチルジアルキル(PAG)アンモニウム塩、ブチルジアルキル(PAG)アンモニウム塩、ジメチルビス(PAG)アンモニウム塩、ジエチルビス(PAG)アンモニウム塩、ジブチルビス(PAG)アンモニウム塩、メチルアルキルビス(PAG)アンモニウム塩、エチルアルキルビス(PAG)アンモニウム塩、ブチルアルキルビス(PAG)アンモニウム塩、メチルトリ(PAG)アンモニウム塩、エチルトリ(PAG)アンモニウム塩、ブチルトリ(PAG)アンモニウム塩、テトラ(PAG)アンモニウム塩(ただし、アルキルはドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、エイコシルなどの炭素数12以上のアルキル基を表し、PAGはポリアルキレングリコール残基、好ましくは、炭素数20以下のポリエチレングリコール残基またはポリプロピレングリコール残基を表す)などの少なくとも一のアルキレングリコール残基を含有する4級アンモニウム塩も有機膨潤化剤として使用することができる。中でもトリメチルドデシルアンモニウム塩、トリメチルテトラデシルアンモニウム塩、トリメチルヘキサデシルアンモニウム塩、トリメチルオクタデシルアンモニウム塩、ジメチルジドデシルアンモニウム塩、ジメチルジテトラデシルアンモニウム塩、ジメチルジヘキサデシルアンモニウム塩、ジメチルジオクタデシルアンモニウム塩、ジメチルジタロウアンモニウム塩、メチルジヒドロキシエチル水素化タロウアンモニウム塩が好ましい。なお、これらの有機膨潤化剤は、単独でも複数種類の混合物としても使用できる。
本発明における有機膨潤化剤で処理したスメクタイト(D)の配合割合は、熱可塑性樹脂組成物中の前記メタキシリレン基含有ポリアミド(B)100重量部に対し、0.3〜20重量部となる様に添加するのが好ましく、1〜15重量部がさらに好ましい。有機膨潤化剤で処理したスメクタイト(D)の配合割合が上記0.3重量部以上であれば、ガスバリア性をさらに向上させることができる。又上記20重量部を越えると、これ以上増やしても、それに見合ったバリア性効果が期待できない。
有機膨潤化剤で処理したスメクタイト(D)は、メタキシリレン基含有ポリアミド(B)と溶融混練した後、ポリオレフィン(A)、ならびに変性ポリオレフィンおよび/またはスチレン系共重合体(C)と混合するのが好ましい。メタキシリレン基含有ポリアミド(B)中に含有されるスメクタイトは局所的に凝集することなく均一に分散している必要がある。ここでいう均一分散とは、バリア性樹脂(B)中において層状珪酸塩が平板状に分離し、それらの50%以上が5nm以上の層間距離を有することをいう。この層間距離とは平板状物の重心間距離をいう。この距離が大きい程分散状態が良好となり、最終的にフィルム、シート、中空容器としたときの透明性等の外観が良好で、かつ酸素、炭酸ガス等のガス状物質に対する遮断性を向上させることができる。
メタキシリレン基含有ポリアミド(B)とスメクタイト(D)を溶融混練する方法については、単軸もしくは二軸押出機等の通常用いられる種々の押出機を用いて溶融混練する方法等が挙げられるが、これらのなかでも、生産性、汎用性等の点から二軸押出機を用いる方法が好ましい。また、溶融重合中にスメクタイト(D)を添加し攪拌する方法も好ましい。
その際の溶融混練温度は180〜260℃、滞留時間は5分以下に調整し、スクリューは少なくとも一カ所以上の逆目スクリューエレメント及び/またはニーディングディスクを有し、該部分において一部滞留させながら行うことが好ましい。
溶融混練温度が上記範囲から外れる場合、有機膨潤化剤で処理したスメクタイト(D)の分散不良が生じやすくなるため好ましくない。また、スクリューに滞留部を設けることにより、有機膨潤化剤で処理したスメクタイト(D)の分散性が向上する。分散性、熱分解とゲル発生の抑制の点から、一般的に溶融混練時間は、1〜5分に調整するのが特に望ましい。
本発明におけるメタキシリレン基含有ポリアミド(B)は、好ましくはペレット状のものが用いられる。更に、ポリオレフィンとの相溶性を高め、成形体の強度を向上させるために、例えば外側が変性ポリオレフィンおよび/またはスチレン系共重合体、内側が前記メタキシリレン基含有ポリアミド(B)からなる多層ペレットを用いることができる。多層ペレットの変性ポリオレフィンおよび/またはスチレン系共重合体と前記メタキシリレン基含有ポリアミド(B)の重量比率は、95:5〜5:95が好ましい。
本発明の熱可塑性樹脂組成物成形体は、従来公知の成形方法により製造することが出来る。例えば、押出機によるダイレクトブロー成形、円筒ダイによる成形やTダイによるシート成形などを挙げることができる。押出機による成形の際には、ブレーカープレート等による混練効果を高める構造とはせず、バリア性樹脂の層状分散性を損なわないように温度やスクリュー回転数を適度に調整することができる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物成形体は、前記熱可塑性樹脂組成物からなるバリア性に優れた層を有するものであり、特に成形体の強度の観点からは、該熱可塑性樹脂組成物層を少なくとも1層含み、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリエステル、ポリカーボネートあるいはポリアミド等からなる補強層を少なくとも一層積層した多層成形体であることが好ましい。補強層に使用するポリオレフィンとしては、直鎖状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、超高分子量高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、あるいはエチレン、プロピレン、ブテン等から選ばれる2種類以上のオレフィンの共重合体、およびそれらの混合体が例示できる。中でも、ポリエチレン、ポリプロピレン、超高分子量高密度ポリエチレンが中空成形時のドローダウン防止、耐衝撃性、耐燃料膨潤性、耐水性に優れるため好ましく用いられる。また、上記補強層において例示したポリオレフィン、ポリエステル、ポリカーボネートおよびポリアミドは、互いに混合したり、エラストマー等の他の樹脂との混合や、例えばカーボンブラックや難燃剤等の他の添加剤と混合して使用することも可能である。
本発明において、バリア性に優れた熱可塑性樹脂組成物層と補強層等、多層成形体を構成する各層の間に接着性樹脂層(接着層)を設けることができる。該層を構成する接着性の樹脂としては、例えば、バリア性に優れた熱可塑性樹脂組成物層とポリオレフィン類からなる補強層と接着する場合であれば、変性したポリエチレンやポリプロピレンあるいはエチレン、プロピレン、ブテン類のオレフィン類の共重合体等が使用可能である。また、バリア性に優れた熱可塑性樹脂組成物層とポリエステルあるいはポリカーボネートからなる補強層と接着する場合であれば、エチレン−酢酸ビニル系共重合体、エチレン−アクリル酸系共重合体のアルカリまたはアルカリ土類金属架橋体およびエチレン−アクリル酸エステル系共重合体等が例示できるが、特に限定されるものではない。
各層の厚さは多層成形体の形状に応じて選択されるが、バリア性に優れた熱可塑性樹脂組成物層は平均で0.005〜5mm、補強層は平均で0.005〜10mm、接着層は平均で0.005〜5mmであるのが好ましい。
各層の厚さは多層成形体の形状に応じて選択されるが、バリア性に優れた熱可塑性樹脂組成物層は平均で0.005〜5mm、補強層は平均で0.005〜10mm、接着層は平均で0.005〜5mmであるのが好ましい。
本発明における多層成形体は、バリや成形時の不良品を再度溶融し、リサイクル層として導入することも可能である。この場合、強度面からバリア性に優れた熱可塑性樹脂組成物層より外側層に配置することが好適である。
尚、本発明の目的を損なわない限り、前記熱可塑性樹脂組成物には、滑剤、離型剤、酸化防止剤、加工安定剤、耐熱安定剤、紫外線吸収剤、層状珪酸塩、結晶核剤、Co、Mn、Znなどの無機または有機金属塩、錯体等を加える事が出来る。
本発明における多層成形体は、前記熱可塑性樹脂組成物からなる少なくとも一層のバリア性に優れた熱可塑性樹脂組成物層、少なくとも一層の補強層および任意の接着層が積層してなるボトル状、カップ状、トレイ状、タンク状等の多層容器、多層チューブ、多層部品等である。これらの成形方法には特に制限はないが、多層押出成形法、押出成形後さらに熱成形を行う方法、多層ブロー成形等の溶融成形法、サンドイッチ成形および二色成形と呼ばれる共射出成形等により製造される。具体的には、Tダイ押出機を用いて多層シートを製造し、さらに熱成形を行い、接着や溶着によって容器を得る方法、射出成形機あるいは押出機を用いて多層の円筒状パリソンを成形し、該パリソンをブロー成形する方法、金型内に2種以上の溶融樹脂を順次射出する共射出成形等により製造される。
以下、実施例等により本発明を具体的に説明する。尚、実施例等において、ポリアミド及び成形体の評価方法は、下記の方法によった。
・燃料透過量
ポリオレフィン、ポリアミドならびに変性ポリオレフィンをドライブレンドした後、60mm単軸押出機からなる中空成形機を使用し、重量約120g、容量400cc、平均厚み約2mmの熱可塑性樹脂組成物成形体(ブロー容器)を作製した。得られた容器に、燃料(イソオクタン/トルエン/エタノール=45/45/10vol%)を300cc充填し、口部を閉じた。該燃料充填容器を、40℃/65%RHに調整した防爆型恒温恒湿槽に30日間放置し、重量変化量から燃料透過量を求めた。
ポリオレフィン、ポリアミドならびに変性ポリオレフィンをドライブレンドした後、60mm単軸押出機からなる中空成形機を使用し、重量約120g、容量400cc、平均厚み約2mmの熱可塑性樹脂組成物成形体(ブロー容器)を作製した。得られた容器に、燃料(イソオクタン/トルエン/エタノール=45/45/10vol%)を300cc充填し、口部を閉じた。該燃料充填容器を、40℃/65%RHに調整した防爆型恒温恒湿槽に30日間放置し、重量変化量から燃料透過量を求めた。
・分散状態
ポリオレフィン、ポリアミドならびに変性ポリオレフィンをドライブレンドした後、60mm単軸押出機からなる中空成形機を使用し、重量約120g、容量400cc、平均厚み約2mmの熱可塑性樹脂組成物成形体(ブロー容器)を作製した。得られた容器の断面を切り出し、希ヨードチンキ(月島薬品株式会社製)でポリアミドを染色させた後、顕微鏡でポリアミドの分散状態を観察した。
ポリオレフィン、ポリアミドならびに変性ポリオレフィンをドライブレンドした後、60mm単軸押出機からなる中空成形機を使用し、重量約120g、容量400cc、平均厚み約2mmの熱可塑性樹脂組成物成形体(ブロー容器)を作製した。得られた容器の断面を切り出し、希ヨードチンキ(月島薬品株式会社製)でポリアミドを染色させた後、顕微鏡でポリアミドの分散状態を観察した。
・衝撃強度
ポリオレフィン、ポリアミドならびに変性ポリオレフィンをドライブレンドした後、60mm単軸押出機からなる中空成形機を使用し、重量約120g、容量400cc、平均厚み約2mmの熱可塑性樹脂組成物成形体(ブロー容器)を作製した。得られた容器に、水を約400cc充填し、口部を閉じた。該充填容器を、2mの高さから落下させ、割れに至るまでの落下回数を測定した。
ポリオレフィン、ポリアミドならびに変性ポリオレフィンをドライブレンドした後、60mm単軸押出機からなる中空成形機を使用し、重量約120g、容量400cc、平均厚み約2mmの熱可塑性樹脂組成物成形体(ブロー容器)を作製した。得られた容器に、水を約400cc充填し、口部を閉じた。該充填容器を、2mの高さから落下させ、割れに至るまでの落下回数を測定した。
<参考例1>
攪拌機、分縮器、冷却器、温度計、滴下槽および窒素ガス導入菅を備えたジャケット付きの50L反応缶に、アジピン酸14.87kg、次亜リン酸ナトリウム0.36g(ポリマー理論収量に対してリン原子として5ppm)、炭酸ナトリウム0.3gを秤量して仕込み、十分窒素置換し、さらに少量の窒素気流下で昇温し、170℃でアジピン酸を溶解させ均一な流動状態とした。これに、メタキシリレンジアミン13.77kgを攪拌下に160分を要して滴下した。この間、内温を連続的に245℃まで昇温させ、またメタキシリレンジアミンの滴下とともに留出する水は分縮器および冷却器を通して系外に除いた。
メタキシリレンジアミン滴下終了後、内温を連続的に255℃まで昇温し、15分間反応を継続した。その後、反応系内圧を600mmHgまで10分間で連続的に減圧し、その後、40分間反応を継続した。この間、反応温度を260℃まで連続的に昇温させた。
反応終了後、反応缶内を窒素ガスにて0.2MPaの圧力をかけポリマーを重合槽下部のノズルよりストランドとして取り出し、水冷後ペレット形状に切断し、溶融重合ポリアミド1(融点240℃)を得た。
次に、得られたペレット1をステンレス製の回転ドラム式の加熱装置に仕込み、さらにペレットに対して水を1wt%仕込み、5rpmで回転させた。十分窒素置換し、さらに少量の窒素気流下にて反応系内を室温から140℃まで昇温した。反応系内温度が140℃に達した時点で1Torr以下まで減圧を行い、さらに系内温度を110分間で200℃まで昇温した。系内温度が200℃に達した時点から、同温度にて20分間反応を継続した。反応終了後、減圧を終了し窒素気流下にて系内温度を下げ、60℃に達した時点でペレットを取り出し、ポリアミド1を得た。
攪拌機、分縮器、冷却器、温度計、滴下槽および窒素ガス導入菅を備えたジャケット付きの50L反応缶に、アジピン酸14.87kg、次亜リン酸ナトリウム0.36g(ポリマー理論収量に対してリン原子として5ppm)、炭酸ナトリウム0.3gを秤量して仕込み、十分窒素置換し、さらに少量の窒素気流下で昇温し、170℃でアジピン酸を溶解させ均一な流動状態とした。これに、メタキシリレンジアミン13.77kgを攪拌下に160分を要して滴下した。この間、内温を連続的に245℃まで昇温させ、またメタキシリレンジアミンの滴下とともに留出する水は分縮器および冷却器を通して系外に除いた。
メタキシリレンジアミン滴下終了後、内温を連続的に255℃まで昇温し、15分間反応を継続した。その後、反応系内圧を600mmHgまで10分間で連続的に減圧し、その後、40分間反応を継続した。この間、反応温度を260℃まで連続的に昇温させた。
反応終了後、反応缶内を窒素ガスにて0.2MPaの圧力をかけポリマーを重合槽下部のノズルよりストランドとして取り出し、水冷後ペレット形状に切断し、溶融重合ポリアミド1(融点240℃)を得た。
次に、得られたペレット1をステンレス製の回転ドラム式の加熱装置に仕込み、さらにペレットに対して水を1wt%仕込み、5rpmで回転させた。十分窒素置換し、さらに少量の窒素気流下にて反応系内を室温から140℃まで昇温した。反応系内温度が140℃に達した時点で1Torr以下まで減圧を行い、さらに系内温度を110分間で200℃まで昇温した。系内温度が200℃に達した時点から、同温度にて20分間反応を継続した。反応終了後、減圧を終了し窒素気流下にて系内温度を下げ、60℃に達した時点でペレットを取り出し、ポリアミド1を得た。
<参考例2>
攪拌機、分縮器、冷却器、滴下槽、および窒素ガス導入管を備えたジャケット付きの50L反応缶にアジピン酸14.2kg(97.1mol)とイソフタル酸1.0kg(6.2mol)、次亜リン酸ナトリウム2.13g(ポリマー理論収量に対してリン原子として30ppm)、炭酸ナトリウム1.38g秤量して仕込み、十分窒素置換し、さらに少量の窒素気流下に160℃で溶融アジピン酸とイソフタル酸からなる均一なスラリーにした。これに、メタキシリレンジアミン14.0kg(102.6mol)を撹拌下に1時間を要して滴下した。この間、内温は連続的に247℃まで上昇させた。メタキシリレンジアミンの滴下とともに留出する水は、分縮器および冷却器を通して系外に除いた。メタキシリレンジアミン滴下終了後、内温を260℃まで昇温し、1時間反応を継続した。得られたポリマーは反応缶下部のノズルからストランドとして取り出し、水冷した後ペレット形状に切断し、溶融重合ポリアミド1(融点232℃)を得た。
次に、このペレットをステンレス製の回転ドラム式の加熱装置に仕込み、さらにペレットに対して水を1wt%仕込み、10rpmで回転させた。十分窒素置換し、さらに少量の窒素気流下にて反応系内を室温から150℃まで昇温させたが、その際、1時間かけて70〜120℃まで昇温し結晶化させた。反応系内温度が150℃に達した時点で1torr以下まで減圧を行い、更に系内温度を110分間で210℃まで昇温した。系内温度が210℃に達した時点から、同温度にて180分間、反応を継続した。反応終了後、減圧を終了し窒素気流下にて系内温度を下げ、60℃に達した時点でペレットを取り出し、ポリアミド2を得た。
攪拌機、分縮器、冷却器、滴下槽、および窒素ガス導入管を備えたジャケット付きの50L反応缶にアジピン酸14.2kg(97.1mol)とイソフタル酸1.0kg(6.2mol)、次亜リン酸ナトリウム2.13g(ポリマー理論収量に対してリン原子として30ppm)、炭酸ナトリウム1.38g秤量して仕込み、十分窒素置換し、さらに少量の窒素気流下に160℃で溶融アジピン酸とイソフタル酸からなる均一なスラリーにした。これに、メタキシリレンジアミン14.0kg(102.6mol)を撹拌下に1時間を要して滴下した。この間、内温は連続的に247℃まで上昇させた。メタキシリレンジアミンの滴下とともに留出する水は、分縮器および冷却器を通して系外に除いた。メタキシリレンジアミン滴下終了後、内温を260℃まで昇温し、1時間反応を継続した。得られたポリマーは反応缶下部のノズルからストランドとして取り出し、水冷した後ペレット形状に切断し、溶融重合ポリアミド1(融点232℃)を得た。
次に、このペレットをステンレス製の回転ドラム式の加熱装置に仕込み、さらにペレットに対して水を1wt%仕込み、10rpmで回転させた。十分窒素置換し、さらに少量の窒素気流下にて反応系内を室温から150℃まで昇温させたが、その際、1時間かけて70〜120℃まで昇温し結晶化させた。反応系内温度が150℃に達した時点で1torr以下まで減圧を行い、更に系内温度を110分間で210℃まで昇温した。系内温度が210℃に達した時点から、同温度にて180分間、反応を継続した。反応終了後、減圧を終了し窒素気流下にて系内温度を下げ、60℃に達した時点でペレットを取り出し、ポリアミド2を得た。
<参考例3>
次亜リン酸ナトリウム10.65g(ポリマー理論収量に対してリン原子として150ppm)、炭酸ナトリウム8.58gとした以外は、参考例1と同様に行い、ポリアミド3を得た。
次亜リン酸ナトリウム10.65g(ポリマー理論収量に対してリン原子として150ppm)、炭酸ナトリウム8.58gとした以外は、参考例1と同様に行い、ポリアミド3を得た。
<実施例1>
ポリオレフィンとして高密度ポリエチレン“ノバテックHB−431”(日本ポリエチレン(株)製):75wt%、ポリアミド1:5wt%、変性ポリオレフィンとして“アドマーGT6”(三井化学(株)製、190℃、2.16kgfの荷重におけるMFR=0.9g/10分):20wt%とを混合した後、60mm単軸押出機からなる中空成形機を用いて、容量400ccの容器を作製し、得られた容器の燃料透過量、衝撃強度を測定し、分散状態を観察した。結果を表1に示す。
ポリオレフィンとして高密度ポリエチレン“ノバテックHB−431”(日本ポリエチレン(株)製):75wt%、ポリアミド1:5wt%、変性ポリオレフィンとして“アドマーGT6”(三井化学(株)製、190℃、2.16kgfの荷重におけるMFR=0.9g/10分):20wt%とを混合した後、60mm単軸押出機からなる中空成形機を用いて、容量400ccの容器を作製し、得られた容器の燃料透過量、衝撃強度を測定し、分散状態を観察した。結果を表1に示す。
<実施例2>
ポリアミド2をポリアミド1の代わりに用いた以外は、実施例1と同様に容器を得て、燃料透過量、分散状態、衝撃強度を評価した。結果を表1に示す。
ポリアミド2をポリアミド1の代わりに用いた以外は、実施例1と同様に容器を得て、燃料透過量、分散状態、衝撃強度を評価した。結果を表1に示す。
<比較例1>
ポリアミド3をポリアミド1の代わりに用いた以外は、実施例1と同様に容器を得て、燃料透過量、分散状態、衝撃強度を評価した。結果を表2に示す。
ポリアミド3をポリアミド1の代わりに用いた以外は、実施例1と同様に容器を得て、燃料透過量、分散状態、衝撃強度を評価した。結果を表2に示す。
<比較例2>
溶融重合ポリアミド1をポリアミド1の代わりに用いた以外は、実施例1と同様に容器を得て、燃料透過量、分散状態、衝撃強度を評価した。結果を表2に示す。
溶融重合ポリアミド1をポリアミド1の代わりに用いた以外は、実施例1と同様に容器を得て、燃料透過量、分散状態、衝撃強度を評価した。結果を表2に示す。
<比較例3>
高密度ポリエチレン“ノバテックHB−431”(日本ポリエチレン(株)製)のみを用いて実施例1と同様に容器を得て、燃料透過量、分散状態、衝撃強度を評価した。結果を表2に示す。
高密度ポリエチレン“ノバテックHB−431”(日本ポリエチレン(株)製)のみを用いて実施例1と同様に容器を得て、燃料透過量、分散状態、衝撃強度を評価した。結果を表2に示す。
<表1>
実施例 1 2
分散状態 層状 層状
燃料透過量(g) 0.7 0.8
衝撃強度(回数) >10 >10
実施例 1 2
分散状態 層状 層状
燃料透過量(g) 0.7 0.8
衝撃強度(回数) >10 >10
<表2>
比較例 1 2 3
分散状態 層状 粒化
燃料透過量(g) 0.9 4.7 19
衝撃強度(回数) 7 2 >10
比較例 1 2 3
分散状態 層状 粒化
燃料透過量(g) 0.9 4.7 19
衝撃強度(回数) 7 2 >10
本発明で得られる熱可塑性樹脂組成物成形体は、バリア性、耐衝撃性に優れており、燃料用容器、チューブ、部品等、種々の成形体に利用できる。
Claims (6)
- ポリオレフィン(A)50〜97重量%、メタキシリレン基含有ポリアミド(B)2〜45重量%ならびに変性ポリオレフィンおよび/またはスチレン系共重合体(C)1〜45重量%からなる熱可塑性樹脂組成物層を有する成形体であって、該熱可塑性樹脂組成物層中にメタキシリレン基含有ポリアミド(B)が層状を呈して分散しており、かつ該メタキシリレン基含有ポリアミド(B)中にリン原子として0.1〜100ppmの範囲内のリン化合物が含有されていることを特徴とする、バリア性に優れた熱可塑性樹脂組成物成形体。
- 前記リン化合物が、リン酸、亜リン酸または次亜リン酸の、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩およびエステル化合物より選ばれた少なくとも一つの化合物である請求項1記載の熱可塑性樹脂組成物成形体。
- メタキシリレン基含有ポリアミド(B)が、ジアミンに由来する構成単位の70モル%以上がメタキシリレンジアミンに由来するものであり、ジカルボン酸に由来する構成単位の70モル%以上が炭素数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸とイソフタル酸のモル比率が30:70〜100:0であるジカルボン酸に由来するものであるポリアミドである請求項1記載の熱可塑性樹脂組成物成形体。
- 炭素数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸とイソフタル酸のモル比率が30:70〜95:5である請求項3に記載の熱可塑性樹脂組成物成形体。
- 前記メタキシリレン基含有ポリアミドの融点が160〜240℃である請求項1〜4のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物成形体。
- 前記熱可塑性樹脂組成物層を少なくとも一層含む多層成形体である請求項1〜5のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物成形体。
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-
2006
- 2006-02-15 JP JP2006038286A patent/JP2007217509A/ja active Pending
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