JP4981563B2 - 遊技機 - Google Patents
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Description
この設定変更の操作は、通常は遊技場の管理者などが、開店前、閉店後などに行うものであるが、遊技中に遊技機の前扉を僅かに開き、針金などの不正器具を挿入して設定変更装置のスイッチを操作し、当選確率を不正に高めるという、いわゆる設定変更ゴトと呼ばれる不正行為が知られている。このような不正行為を防止するため、特許文献1に示すように、設定変更装置を遊技者の目に触れにくい場所に設ける発明がなされている。
そこで、本発明は、この点に着目してなされたものであり、以下のような目的を有する。すなわち、請求項1記載の発明は、補助メダル容器に設定変更のための操作手順に関わる役割を持たせて、不正な設定変更操作を抑制することを目的とする。
なお、括弧内の符号は、発明の実施の形態において用いた符号を示し、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
(請求項1)
(特徴点)
請求項1記載の発明は、次の点を特徴とする。
すなわち、請求項1記載の発明は、メダルを投入して遊技を行い、当選か否かの当選判定の抽選の結果が当選の場合に入賞する可能性が与えられ、入賞によりメダルを払い出す遊技機であって、正面側が開口する筐体(1)と、この筐体(1)の開口部(11)を閉塞可能かつ開閉自在な前扉(3)と、前記筐体(1)内に設置され、メダルを貯留するとともに払い出し可能な払い出し貯留装置(ホッパーユニット5)と、この払い出し貯留装置(5)に隣接して設置され、前記払い出し貯留装置(5)から溢れたメダルを受け入れるための補助メダル容器(補助メダルタンク7)と、遊技機の想定払い出し量に関する設定を変更するための設定変更スイッチ(91)及び設定変更スイッチの操作を有効化するためのスイッチ(設置確認スイッチ92)を少なくとも有する設定変更操作部(90)と、前記当選判定の抽選を行い遊技機の作動を制御するとともに、前記設定変更操作部(90)の操作に基づいて遊技機の設定を変更するための制御装置(6)と、を少なくとも備える遊技機に係る。
ここで、「抽選結果が当選の場合に入賞する可能性が与えられる」とは、当選しなければ入賞することが無く、当選しても必ず入賞するとは限らないという意味である。スロットマシンを例にすると、当選時に当選図柄を所定の入賞ライン上に揃えて停止させれば入賞するが、そのように停止させることができなかった場合には当選であっても入賞しない。逆に、当選していない場合には、入賞の態様に図柄を揃えられない。
前記前扉(3)は、筐体(1)の正面に位置する板状の扉体であって、遊技機の作動を操作するための操作部(41)や遊技内容を表示したり演出を行ったりするための表示部などが設けられていてもよい。
また、前記補助メダル容器(7)は、箱形の容器とすることができ、払い出し貯留装置(5)から溢れたメダルを受け入れ可能な受け口を有している。この受け口は、例えば上面に形成された開口で部であってもよいし、側面上方に形成された開放孔であってもよい。
またここで、「遊技機の想定払い出し量に関する設定」とは、いわゆる出玉率の設定のことである。設定は、具体的には、当選判定の抽選において当選となる確率(当選確率)をランク分けしたものであり、設定を変更するとは、当選判定に用いる当選判定テーブルを変更することと同義である。そして、当選確率の高い当選判定テーブルを用いる設定にすれば(設定値を高くすれば)、当選する確率が高いので結果として入賞の可能性が増え、出玉率(相対的払い出し量)が高くなる。逆に、当選確率の低い当選判定テーブルを用いる設定にすれば(設定値を低くすれば)、当選する確率が低いので結果として入賞の可能性が減り、出玉率(相対的遊技媒体払い出し量)が低くなる。
さらに、本発明においては、前記設定変更操作部(90)の少なくとも1つを、前記筐体(1)内部であって前記補助メダル容器(7)を定位置に設置したときに当該補助メダル容器(7)によって覆い隠される部分に配置するとともに、前記補助メダル容器(7)の外面又は前記筐体(1)の内面には、前記設定変更操作部(90)を収納可能な凹部(78)を設け、前記補助メダル容器(7)が定位置にあるときには、前記凹部(78)に収納されている設定変更操作部(90)を操作することができず、前記補助メダル容器(7)を定位置から移動させることにより、前記設定変更操作部(90)を表出させた状態で、前記設定変更操作部(90)が操作可能となるように形成したことを特徴とする。
(作用)
本発明によれば、設定変更を行う場合には、前扉(3)を開放するだけでなく、補助メダル容器(7)を筐体(1)から取り出す必要がある。このような目立つ行為を周囲に気づかれずに行うのは極めて困難であり、不正な設定変更を躊躇させることができる。
すなわち、請求項1記載の発明によれば、補助メダル容器に設定変更のための操作手順に関わる役割を持たせて、不正な設定変更操作を抑制することができる。
(図面の説明)
図1乃至図9は、本発明の実施の形態を示すものである。
図1乃至図3はスロットマシンSの斜視図、図4はスロットマシンSの断面図、図5は設置確認スイッチ92を示す断面図、図6は固定手段80の他の例を示す斜視図、図7はスロットマシンSの制御装置6の入力出力の概略を示すブロック図、図8は設定変更操作の手順を示す流れ図である。なお、図9は本実施の形態の変形例を示す斜視図である。
(筐体1)
筐体1は、底板15及び側板16及び天板17及び裏板18(図3参照)からなる正面側に開口する箱であり、図1に示すように、高さ方向略中央部には、二つの側板16の間に水平方向に中板12が設けられている。この中板12の下側である開口下部14には、底板15の上に電源装置4及びホッパーユニット5が載置されており、ホッパーユニット5の隣には補助メダルタンク7が設置されている。また、上記側板16の正面左側には、前扉3を係合させ、回転自在に支持するためのヒンジが設けられている。
前記ホッパーユニット5は、図1に示すように、メダルを貯留するための箱形のメダルタンク50の底部に、複数のメダル孔を有しホッパーモータ(図示せず)により回転する回転ディスク51を備えており、ホッパーモータの駆動で回転ディスク51が回転することにより、メダル孔に嵌入したメダルが順次1枚ずつメダル排出口53から排出されるようになっている。メダル排出口53から排出されたメダルは、図2に示す下扉40の下部に設けられたメダル払い出し口45からメダル皿43に払い出される。また、前記メダルタンク50の側面上側には、メダルタンク50に貯留されているメダルが一定以上の高さになると、隣接する補助メダルタンク7に落下するように形成された溢れメダル通路52が設けられている。
(リールユニット2)
リールユニット2は、図1に示すように、支持枠に固定された3個のリールモータ(図示せず)と、このリールモータの駆動軸に軸着された3個の回転リール20を有している。また、リールユニット2の支持枠には、制御装置6が取り付けられている。前記回転リール20は、円筒形のリールドラムの表面に複数の図柄を表示したリールテープを貼付したものである。また、前記制御装置6は、スロットマシンSの遊技及び演出を制御するためのものであるが、これについては後述する。
(上扉30)
上扉30は、筐体1の側板16に回動自在かつ着脱自在に取り付けられた板状の扉であり、図示しないロック機構により筐体1に対してロック可能に形成されている。そして、上扉30は、図2に示すように、略中央部に前記回転リール20の図柄を正面側から見ることができる図柄表示窓31を有し、図柄表示窓31の周囲には、報知などを行うためのランプ33が形成されている。そして、図柄表示窓31の下方には、7セグメント表示器や液晶表示装置を用いて、遊技に関する数字その他を表示するための数値表示部32が設けられている。さらに、図柄表示窓31の上方には、液晶表示装置やCRT、ドットマトリックスなどを用いて遊技に付随する演出を行うための画像表示部34が設けられている。
(下扉40)
下扉40は、筐体1の開口下部14を塞ぐための、上扉30よりも幅厚の扉であり、筐体1の側板16に回動自在に固定されているとともに、図示しないロック機構により筐体1に対してロック可能に形成されているものである。
下扉40の上部は、図2に示すように、スロットマシンを作動させるための操作部41となっており、下扉40の上面は、閉扉時においては、上扉30よりも前側に突出するようになっている。ここで、前記操作部41としては、遊技メダルを投入するためのメダル投入口42、貯留メダル数を減じてメダル投入に代えるためのベットスイッチ41A、貯留した投入メダルを払い出すための精算スイッチ41D、回転リール20の回転を開始させるためのスタートスイッチ41B、回転リール20の回転を停止させるためのストップスイッチ41Cが設けられている。
ここで、下扉40のロック機構は、下扉40を閉めることにより自動的にロックされ、前記操作部41の正面右側に設けられた鍵穴に所定の鍵を差し込んで回すことによりロック解除されるようになっている。さらに、前記上扉30のロック機構も下扉40のロック機構とほぼ同様の構成を有しているが、上扉30のロック機構は、下扉40を開放してロック解除操作を行うようになっている。すなわち、上扉30は、下扉40を開放しないと開くことができないものである。
次に、補助メダルタンク7について詳述する。
補助メダルタンク7は、図3に示すように、2枚の側面板71、底面板72及び背面板73及び正面板75を備えた箱形の容器である。前記正面板75の下側は正面開口76を形成する切り欠き部75Aとなっており、前記底面板73は、背面側から正面側に向かって下り傾斜して形成されている。
ここで、前記正面開口76は、補助メダルタンク7の横幅内寸すなわち2枚の側面板71の間の長さより若干短い横幅を有する塞ぎ板81を、上方から差し込むことにより塞がれるようになっている。塞ぎ板81は、補助メダルタンク7の高さ寸法よりも長い高さを有する平板状の部材であり、一方の端部には直角に屈曲して形成されたつまみ部81Aが設けられている。そして、このつまみ部81Aと反対側(下端部)の端部を、補助メダルタンク7の正面板75の裏面(容器内部側)に添って側面板71の間から挿入すると、塞ぎ板81の正面は正面板75の裏面に当接し、塞ぎ板81の背面は側面板71の正面(切り欠き部75A)と当接して、正面開口76を隙間無く塞ぐことができるものである。
さらに、筐体1の底板15には、補助メダルタンク7を定位置に設置したときにちょうど補助メダルタンク7の底面板73の前端部の手前側となる位置に、横長溝状の受け部150が形成されている。受け部150は、前記塞ぎ板81の下端部を差し込み可能な内径寸法を有し、定位置に設置した補助メダルタンク7に前記塞ぎ板81を取り付けると、図4に示すように、塞ぎ板81の下端部が受け部150に嵌入し、塞ぎ板81が底板15に固定されるようになっている。塞ぎ板81が底板15に固定されることにより、補助メダルタンク7は前後方向及び左右方向への移動を規制され、塞ぎ板81を取り外さないと筐体1から取り出せないようになる。すなわち、塞ぎ板81は、補助メダルタンク7の正面開口76を塞ぐ閉塞部材として機能するとともに、補助メダルタンク7を筐体1に固定するための固定手段80として機能するものである。
さて、補助メダルタンク7の底面板73の下側には、図4に示すように、側面板71及び背面板72及び底面板73とによって囲まれた側面視三角形状の収納空間77が形成されている。つまり補助メダルタンク7の底面に凹部78が形成されている。この凹部78により形成される収納空間77には、後述する設定変更操作部90としての設定変更スイッチ91が位置するようになっている。
ここで、オーバーフローセンサ60は、図4に示すように、平面視略コ字型の遮光センサであって、受光部及び発光部からなる検知部61を有している。そして、検知部61の間に置かれた補助メダルタンク7の貯留部70のメダルが、センサ孔74の高さまで溜まると発光部からの光線がメダルによって遮られ、受光部がそれ(遮光)を検知するものである。スロットマシンSは、受光部が遮光を検知した場合には、補助メダルタンク7の満杯を知らせる所定の報知を、例えば満杯ランプの点灯や警報音の出力などにより行うことかできるようになっている。
そして、本実施の形態においては、補助メダルタンク7を定位置から取り除かないと、設定変更操作部90によるスロットマシンSの設定変更操作ができないようになっている。
(設定変更操作部90)
以下、設定変更操作部90について説明する。
ここで、スロットマシンSの設定は、設定値1から設定値6までにランク分けされていて、設定値の違いにより、当選役が当選する確率(当選確率)が異なるようになっている。例えば、設定値1よりも設定値6の方が、「あたり」となる確率が大きくなるように形成されているものである。具体的には、当選確率が高ければ、当然入賞の可能性も増えるので、設定値を調整することにより、その遊技機の相対的払い出しメダルの量が変わってくる。
なお、「遊技モード」とは、メダル投入及びスタートスイッチ41Bの操作によって回転リール20を回転開始させることができる遊技機状態のことであり、「設定変更モード」とは、遊技を行うことはでず、設定変更に係る操作が有効化する遊技機状態のことである。スロットマシンSが遊技モードのときに設定変更スイッチ91や設定変更確定スイッチ93を操作しても無効である。
設定変更スイッチ91は、スロットマシンの設定値を変更するためのスイッチである。具体的には、図4及び図5に示すように、筐体1の底板15に設けられた押しボタン式のスイッチであり、スイッチを押圧する毎に設定値が変更されるように形成されている。なお、変更された設定値は、スロットマシンSが設定変更モードの場合には、上扉30の数字表示部32に表示される。
設定変更スイッチ91は、図1及び図4に示すように、補助メダルタンク7によって覆い隠される位置に設置されているので、補助メダルタンク7を定位置から移動させないと操作することができない。
(設置確認スイッチ92)
設置確認スイッチ92は、補助メダルタンク7が定位置にないことを検知することにより、スロットマシンSの遊技機モードを設定変更モードに変更し、前記設定変更スイッチ91や設定変更確定スイッチ93の操作を有効化するためのスイッチである。
具体的には、設置確認スイッチ92は、図3に示すように、裏板18のオーバーフローセンサ60の下側に設けられたボタンスイッチであって、図5に示すように、裏板18の内部に形成された空間部から正面側に突出する押圧ボタン92Aと、押圧ボタン92Aを突出方向に付勢するバネ92Bと、接触により通電する接点92C,92C'とを備えている。
そして、押圧ボタン92Aは、図4に示すように補助メダルタンク7が筐体1の定位置に有る場合、すなわちセンサ孔74とオーバーフローセンサ60の検知部61が合致している場合には、図5(A)に示すように、補助メダルタンク7の背面板72によって裏板18内部に押入されており、接点92Cと接点92C'が離れている(設置確認スイッチ92はOFFである)。
そして、本実施の形態では、この設置確認スイッチ92がONとなっていなければ、スロットマシンSが設定変更モードにならないので、設定変更操作が行えないようになっている。つまり、主電源投入後、設置確認スイッチ92がONになることによって、スロットマシンSが遊技モードから設定変更モードに切り替わり、設定変更スイッチ91の操作で数字表示部32に設定値の表示がされるように形成されている。すなわち、設置確認スイッチ92は、設定変更許可入力操作部として機能する。
ところで、設置確認スイッチ92の設置位置は、裏板18に限られない。筐体1の底板15や側板16に設けてもよい。さらに、設置確認スイッチ92の構成は、上記したものに限られない。例えば、特に図示しないが、ヒンジ部を中心に揺動する断面略への字型の板状の揺動板を設け、これを補助メダルタンク7の底板73の下面に設けた突出棒によって押圧するように形成したものでもよい。あるいは、遮光センサなどを用いたものでもよいが、上記したような接触スイッチだと、補助メダルタンク7の設置時に電力消費がないという利点がある。
設定変更確定スイッチ93は、設定変更スイッチ91の操作によって変更されたスロットマシンSの設定値を確定させるためのスイッチであり、本実施の形態においては、スタートスイッチ41Bと兼用させている(図2参照)。すなわち、スロットマシンSが設定変更モードになっている場合には、設定変更スイッチ91の操作後、スタートスイッチ41Bを操作することにより、設定変更スイッチ91によっていわば仮決定された設定値がスロットマシンSの設定値として確定するようになっているものである。
なお、設定変更確定スイッチ93を他の操作スイッチと兼用にせず、設定変更確定スイッチ93としての専用スイッチを設けても構わない。
ここで、制御装置6の概略を説明する。
制御装置6は、図7に示すように、スタートスイッチ41B及びストップスイッチ41Cの操作に基づき遊技を制御するための遊技制御装置6Aと、遊技制御装置6Aからの諸信号に基づいて演出を行わせるための演出制御装置6Bを有している。
そして、遊技制御装置6Aは、通常遊技及び特別遊技を制御するための遊技実行制御手段100、当選か否かの当選判定の抽選を行うための当選抽選手段110、遊技の設定を変更するための設定変更手段120を有している。遊技制御装置6Aとしては、上記以外の手段、例えば回転リール20の回転及び停止を制御するリール制御手段や、ホッパーユニット5の作動を制御するホッパー制御手段等を有していてもかまわない。
前記演出制御装置6Bは、演出データに基づいて、当選時、入賞時、あるいは演出を行うか否かの抽選に当選したとき等に、演出用のランプ33や画像表示部34、スピーカ35等の演出表示装置36を作動させて、報知その他の遊技に付随する演出の実行を制御するためのものである。
前記制御装置6の入力段には、図7に示すように、メタルセンサ44A、ベットスイッチ41A、スタートスイッチ41B、ストップスイッチ41C、精算スイッチ41D、設定変更スイッチ91、設置確認スイッチ92、電源スイッチ4A、の8つのパーツが接続されている。なお、入力段としては、上記したパーツに限定されるものではない。
(出力段)
前記制御装置6の出力段には、図7に示すように、リールユニット2、ホッパーユニット5、数値表示部32、演出表示装置36(ランプ33及び画像表示部34及びスピーカ35)、の4つのパーツが接続されている。なお、出力段としては、上記したパーツに限定されるものではない。
(当選抽選手段110)
当選抽選手段110は、乱数を用いて当選に関する抽選を行うものである。そして、当選抽選手段110による抽選の結果、所定の当選役に当選である場合に当選フラグが成立し、この当選フラグ成立中に、回転リール20の停止図柄の組み合わせが予め定められた入賞の態様と一致したことを条件に入賞し、遊技者にメダルの払い出しや、特別遊技等の利益が付与されるように設定されている。
(1)抽選テーブル111
(2)判定手段112
(3)設定値対応抽選テーブル取得手段113
なお、当選抽選手段110としては、上記手段に限定されるものではない。
(抽選テーブル111)
抽選テーブル111は、乱数発生手段が発生する乱数の全領域中に、各当選項目の当選領域を有するものである。すなわち、各当選役についての「当選」の領域と、「ハズレ」の領域を有している。
(判定手段112)
判定手段112は、特に図示しない乱数抽出手段が抽出した抽出乱数データと、前記抽選テーブル111を対比し、当選の判定を行うためのものである。具体的には、乱数発生手段がとる乱数の全領域中の各当選項目の当選領域からなる当選判定領域データと、前記抽出乱数データとを照合し、当該抽出乱数データが所定の当選領域に属する場合には当該当選領域に対応する当選を決定し、当該抽出乱数データがいずれの当選領域にも属さない場合には、「ハズレ」の決定をするものである。
設定値対応抽選テーブル取得手段113は、設定値に応じた抽選テーブル111のグループからなる設定値対応抽選テーブルを取得するためのものである。すなわち、以下に述べる設定変更手段120からの出力信号に応じ、各設定値毎に設けられた設定値対応抽選テーブルを選択可能に形成されている。そして、設定値対応抽選テーブル取得手段113の取得した設定値対応抽選テーブルに係る抽選テーブル111を用いて前記判定手段112が当選判定を行う。
(設定変更手段120)
設定変更手段120は、設定変更操作部90からの操作信号に基づき、遊技の設定を変更するためのものである。そして、設定変更手段120は、図7に示すように、以下の手段を有している。
(2)設定値変更手段122
(3)設定値確定手段123
(4)遊技開始許可手段124
なお、設定変更手段120としては、上記(1)乃至(4)の手段に限られない。
(設定変更許可手段121)
設定変更許可手段121は、設定変更許可処理を行うための手段、すなわち、設置確認スイッチ92からの信号に基づき、設定変更操作や操作に基づく設定変更に関する制御を可能とさせるためのものである。
なお、設置確認スイッチ92は、スロットマシンSの主電源がONのときに補助メダルタンク7を取り出して図5(B)に示すように接点92C,92C'が接触してもスイッチONにならず、接点92C,92C'が接触している状態で主電源がOFFからONになったときのみ、スイッチONになる。
設定値変更手段122は、設定変更処理を行うための手段、すなわち、設定変更スイッチ91からの出力信号に基づき、設定に係る数値を変更するためのものである。
具体的には、設定変更スイッチ91が操作され、その操作信号を受信した場合に、1乃至6までの数値のなかから一の数値を決定し、記憶するものである。例えば、設定変更スイッチ91の操作信号を受信するたびに記憶されている数値を順次インクリメントしてゆく。すなわち、設定変更前の記憶値が例えば「3」であった場合、設定変更スイッチ91の押圧毎に、「4」「5」「6」と記憶する数値を変え、「6」の次には「1」を記憶する。また、設定値変更手段122が記憶した数値は、数値表示部32に表示される。
設定値確定手段123は、設定変更確定処理を行うための手段、すなわち、設定変更確定入力操作部としてのスタートスイッチ41Bのからの出力信号に基づき、設定に係る数値を確定するためのものである。
具体的には、スタートスイッチ41Bが操作され、その操作信号を受信した場合に、前記設定値変更手段122が記憶している設定値を、設定に係る数値として決定し、当該数値データを当選抽選手段110に送出する。なお、この数値データに基づいて、設定値対応抽選テーブル取得手段113が設定値に対応する設定値対応抽選テーブルを選択し、使用可能とすることにより、設定変更が行われたものとなる。
遊技開始許可手段124は、前記設定値確定手段123が設定に係る数値データを出力後、設置確認スイッチ92がOFFとなることにより、スロットマシンSの状態を設定変更モードから遊技モードに切り替えるためのものである。
(設定変更操作手順)
本実施の形態に係るスロットマシンSの設定変更の操作手順を、図8に基づき説明する。
(1)設定変更許可処理(S1〜S5)
まず、下扉40を開放して、電源スイッチ4AをOFFにする(S1)。それから補助メダルタンク7を筐体1から取り出すのであるが、補助メダルタンク7は、図4に示すように、塞ぎ板81によって筐体1に固定されており、取り出すことができない。そこで、塞ぎ板81のつまみ部81を上方に引き上げ、塞ぎ板81を取り外す。このとき、補助メダルタンク7に溢れメダルが貯留されている場合には、スロットマシンSの正面側に内部のメダルが飛散してしまう。従って、底板15の下方にあらかじめ容器をあてがっておき、補助メダルタンク7から流れ出るメダルを受け止めるようにするとよい。そして、補助メダルタンク7を筐体内の定位置から取り出す(S2)。補助メダルタンク7を取り出すことにより、図5(B)に示すように、設置確認スイッチ92がON位置になる。そして、電源スイッチ4Aを再びONにする(S3)ことにより、設置確認スイッチ92がONになる(S4)。このとき、スロットマシンSが設定変更モードに切り替わり、複数の数値表示部32のうちいずれかの数値表示部32に、現在の設定値が、例えば「−3−」のように表示される(S5)。
次に、補助メダルタンク7を取り出したことにより筐体1の底板15に表出した設定変更スイッチ91を押圧操作する(S6)。操作の度に設定値が変更され、変更後の設定値は、数値表示部32に表示される(S7)。
(3)設定変更確定処理(S8〜S9)
数値表示部32に設定したい数値が表示されたら、スタートスイッチ41Bを押下することにより設定値が確定し(S8)、数値表示部32の表示が、例えば「5」のように、設定が確定されたことを示す表示に変わる(S9)。
最後に、再び補助メダルタンク7を筐体内の定位置に設置(S10)することにより、設置確認スイッチ92がOFFになる(S11)。これにより、設定変更モードが遊技モードに切り替わり、数値表示部32に表示されていた設定値が消灯する(S12)。その後、下扉40を閉じてロックすれば、遊技が開始可能な状態となる。
このように、本実施の形態によれば、設定変更操作を行うためには補助メダルタンク7を取り出さなければならないので、設定変更操作が困難になり、不正な設定変更操作を行い難くすることができる。
さらに、設置確認スイッチ92は、いったん電源をOFFにしてからでないと補助メダルタンク7を位置移動させても(接点92C,92C'が接触しても)ONにならないので、補助メダルタンク7を取り出す場合、誤って設定変更スイッチ91に触れてしまっても、意図せず設定が変更されてしまうというトラブルを防ぐことができる。
なお、上記した実施の形態では、補助メダルタンク7の収納空間77の内部に設定変更スイッチ91を隠してあったが、設定変更スイッチ91以外の設定変更操作部90をそのような場所に設置してもよい。例えば、設置確認スイッチ92の代わりに設けた操作によってスイッチONとなる設定変更許可スイッチや、設定変更確定スイッチ93を、補助メダルタンク7の収納空間77に位置するように設置してもよい。これ以外の操作部であっても、設定変更の流れの中で操作される操作部であって当該操作が設定変更のために必須の条件となっている操作部であれば、どのような種類の操作部を設置してもよい。要は、補助メダルタンク7を取り出さないと結果的に設定変更が行えなくなるのであればよい。
ところで、上記した実施の形態おいて、補助メダルタンク7の底面板73に傾斜を設けない場合でも、傾斜を設けたと比べると劣るものの、貯留部70に貯留されたメダルの飛散に関し、近似した効果をもたらすことができる。すなわち、塞ぎ板81の取り外しによって補助メダルタンク7の正面開口76が開放されることから、補助メダルタンク7の貯留部70にメダルがある程度溜まっていた場合は、底面板73が下り傾斜していなくても内部のメダルが流れ出てくるからである。
この場合には、図9に示すように、設定変更スイッチ71を筐体1の側板16に設け、補助メダルタンク7の側面板71には、図9(B)に示すような外側が凹んだ凹部78を設けて、収納空間77を形成することができる。なお、図9(A)では設置確認スイッチ92を省略しているが、これは筐体1の底板15に設けてもよいし側板16あるいは裏板18に設けてもよい。また、設定変更スイッチ91を底板15又は裏板18に設け、補助メダルタンク7の対応する底面板73又は背面板72に凹部78を形成してもよい。また、補助メダルタンク7に凹部78を設けず、筐体1側に凹部を設けてもよい。例えば、底板15や側板16、裏板18に凹部を設け、この中に設定変更操作部90を設置してもよい。
また、図9の例では、オーバーフローセンサ60として、上下に並べて設けられた金属棒62を補助メダルタンク7の背面板72に設けられたセンサ孔74に貫通させ、通電によりメダルの満杯を検知する接触センサを設けてある。オーバーフローセンサ60としては、図3に示すような遮光センサを設けてもよい。
上記した実施の形態は、補助メダルタンク7に正面開口76を設け、固定手段80としての塞ぎ板81を取り外すことにより貯留部70の内部のメダルが飛散するように形成してあったが、本発明は、補助メダルタンク7に正面開口76を有しないものも含むものである。すなわち、補助メダルタンク7が筐体1に固定されていて、この固定を解除しないと設定変更操作ができないようになっていればよいのである。
例えば、図10(A)に示すように、補助メダルタンク7に上下に貫通するピン孔170を設け、ここに固定ピン82を挿入してその先端部を筐体1の底板15に設けた孔である受け部150に差し込み、補助メダルタンク7を筐体1に固定することができる。なお、ピン孔170を補助メダルタンク7の左右に貫通するように形成し、筐体1の側板16に固定ピン82が嵌入可能な孔である受け部を設けてもよい。
なお、図10では補助メダルタンク7の収納空間77及び凹部78、設定変更スイッチ91などの設定変更操作部90を省略しているが、筐体1の定位置に設置した補助メダルタンク7によって隠される位置にいずれかの設定変更操作部90が配置され、補助メダルタンク7にはその設定変更操作部90を覆い収納可能な凹部78が設けられていればよい。
本発明は、前扉3が上扉30と下扉40に分割されていないスロットマシンにも利用できる。また、スロットマシン以外のメダル遊技機にも応用できる。
1 筐体 2 リールユニット
3 前扉 4 電源装置
4A 電源スイッチ
5 ホッパーユニット(払い出し貯留装置)6 制御装置
7 補助メダルタンク(補助メダル容器)
11 開口部 12 中板
13 開口上部 14 開口下部
15 底板 16 側板
17 天板 18 裏板
20 回転リール
30 上扉 31 図柄表示窓
32 数値表示部 33 飾り部
34 画像表示部 35 スピーカ
36 演出表示装置
40 下扉 41 操作部
41A ベットスイッチ 41B スタートスイッチ
41C ストップスイッチ 41D 精算スイッチ
42 メダル投入口 43 メダル皿
44 メダルセレクター 44A メダルセンサ
45 メダル払い出し口
50 メダルタンク 51 回転ディスク
52 溢れメダル通路 53 メダル排出口
60 オーバーフローセンサ 61 検知部
62 金属棒
70 貯留部 71 側面板
72 背面板 73 底面板
74 センサ孔 75 正面板
76 正面開口(開放部) 77 収納空間
78 凹部
80 固定手段 81 塞ぎ板
81A つまみ部 81B 脚部
82 固定ピン 83 クリップ
84 フック
90 設定変更操作部 91 設定変更スイッチ
92 設置確認スイッチ 92A 押圧ボタン
92B バネ 92C 接点
93 設定変更確定スイッチ
100 遊技実行制御手段 110 当選抽選手段
120 設定変更手段 150,160 受け部
170 ピン孔
Claims (1)
- メダルを投入して遊技を行い、当選か否かの当選判定の抽選の結果が当選の場合に入賞する可能性が与えられ、入賞によりメダルを払い出す遊技機であって、
正面側が開口する筐体と、この筐体の開口部を閉塞可能かつ開閉自在な前扉と、
前記筐体内に設置され、メダルを貯留するとともに払い出し可能な払い出し貯留装置と、
この払い出し貯留装置に隣接して設置され、前記払い出し貯留装置から溢れたメダルを受け入れるための補助メダル容器と、
遊技機の想定払い出し量に関する設定を変更するための設定変更スイッチ及び設定変更スイッチの操作を有効化するためのスイッチを少なくとも有する設定変更操作部と、
前記当選判定の抽選を行い遊技機の作動を制御するとともに、前記設定変更操作部の操作に基づいて遊技機の設定を変更するための制御装置と、を少なくとも備える遊技機において、
前記設定変更操作部の少なくとも1つを、前記筐体内部であって前記補助メダル容器を定位置に設置したときに当該補助メダル容器によって覆い隠される部分に配置するとともに、前記補助メダル容器の外面又は前記筐体の内面には、前記設定変更操作部を収納可能な凹部を設け、
前記補助メダル容器が定位置にあるときには、前記凹部に収納されている設定変更操作部を操作することができず、
前記補助メダル容器を定位置から移動させることにより、前記設定変更操作部を表出させた状態で、前記設定変更操作部が操作可能となるように形成したことを特徴とする遊技機。
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