JP4979997B2 - ビトリファイド超砥粒加工工具および製造方法 - Google Patents

ビトリファイド超砥粒加工工具および製造方法 Download PDF

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Description

最も固い材料の中で、化学蒸着法によって得られるダイヤモンド皮膜(CVDダイヤモンド)、多結晶ダイヤモンド(PCD)、結晶窒化硼素(CBN)、および多結晶窒化硼素(PCBN)などの材料が知られている。PCDまたは他の硬質材料のチップインサート(植刃)で作られる切削工具は製造することが難しい。一般的な切削工具のプロセスは、異なった研削ホイールで行なわれる2つの研削操作、即ち粗研削および仕上げ研削を必要とする。これらの材料を粗削りおよび仕上げ削りするのに用いられる慣用の砥粒加工工具の多くは、金属結合超砥粒を含む。一般に、金属結合砥粒加工工具が研削する1時間当りの部品はガラス結合工具よりも少ない。
ガラス結合超砥粒加工工具は魅力的な温度特性を有するが、脆くて、金属結合工具より急速に磨耗する傾向がある。さらに、ガラス結合ダイヤモンド工具は、ダイヤモンドとガラスの不十分な結合によって性能不足が引き起こされる場合がある。さらに、ガラス結合ダイヤモンド工具を製造するための既存の方法は、高温、長いサイクルおよび非酸化性もしくは還元性雰囲気を通常必要とする。
したがって、上記の問題を減少または除去する、固い製造品を粗削りまたは仕上げ削りできる砥粒加工工具ならびにそのような工具を製造する方法に対する必要性が存在している。
本発明は、一般に、砥粒加工工具および砥粒加工工具の製造方法に関する。
砥粒加工工具は、超砥粒成分、中空体を含むフィラー成分、およびガラス質の結合剤成分を含む。ガラス質の結合剤成分は酸化亜鉛および少なくとも2種類のアルカリ金属酸化物を含む。本発明の一つの態様では、砥粒加工工具はコアおよびコアの周囲の砥粒リムを含む。別の態様では、砥粒加工工具は約850℃未満の温度で焼成されたガラス質の結合剤成分を含む。
砥粒加工工具を製作する方法は、超砥粒成分、フィラー成分および酸化亜鉛ならびに少なくとも2種類のアルカリ金属酸化物を含むガラス質結合剤成分を混合することを含む。混合した成分を、約600℃〜約850℃の範囲の温度で焼成する。得られる焼成された成分をコアに取り付けることができる。
切削工具インサートを研削することに本発明の砥粒加工工具を使用することができる。ダイヤモンドベースの切削工具インサートを研削する方法は、上述したような砥粒加工工具を選択すること、その砥粒加工工具をインサートと接触させることおよびインサートのエッジを研削することを含む。本発明の方法で得られるインサートのエッジには実質的に切りくずおよび/または異常がない。
本発明は多数の利点を有する。例えば、ガラス質結合剤は一般にガラスとダイヤモンドの良好な結合を提供して、例えば多結晶ダイヤモンド、ダイヤモンド皮膜、窒化硼素、セラミックスや硬化金属などのような硬い材料の粗削りおよび精密研削に十分適している砥粒加工工具が得られる。使用に際し、本発明の砥粒加工工具を金属コアに取り付けることができ、そして一般に改良された生産性、良好なエッジ品質および減少した砥石磨耗を提供する。同じ砥粒加工工具を粗削りおよび仕上げ削りの操作に使うことができる。本発明の方法は、比較的低い温度で行なうことができ、そして比較的短い均熱(または焼成)時間を採用することができる。さらに、例えば窒素ガスまたは還元性炭素源などの非酸化性雰囲気の必要性を製造プロセスからかなり減少または排除することができる。
一般に、本発明は砥粒加工工具に関する。砥粒加工工具に関する例は、ホイール、ディスク、ホイールセグメント、砥石、およびホーニング用砥石を含む。また、本発明は砥粒加工工具を製造する方法に関する。
本発明の砥粒加工工具は超砥粒成分、中空体を含むフィラー成分、および酸化亜鉛ならびに少なくとも2種類の金属酸化物を含有するガラス質結合剤成分を含む。一般に、砥粒加工工具は例えばコート砥粒工具と対照するものとしての固定砥粒工具である。
本明細書で用いられる用語「超砥粒」は、ヌープ硬度計で測定された硬度が少なくとも立方晶窒化硼素(CBN)の硬度、すなわち、K100が少なくとも4700である砥粒を意味する。立方晶窒化硼素に加えて、超砥粒材料の他の例は天然および合成ダイヤモンドを含む。適当なダイヤモンドまたは立方晶窒化硼素材料は結晶または多結晶であることができる。好ましくは、超砥粒材料はダイヤモンドである。
超砥粒材料は粒子の形態であって、また、「グリット」として知られている。本発明の超砥粒成分は市販品から得ることができるか、または注文生産することができる。一般に、本発明で用いる超砥粒は、平均粒子径が約0.5マイクロメーター(ミクロン、μm)〜約500μmの範囲である。好ましくは、粒子径は約2μm〜約200μmの範囲である。
一つの態様では、超砥粒成分は、超砥粒加工工具の少なくとも約5容量%の量で存在する。別の態様では、超砥粒成分は、超砥粒加工工具の約5〜約50容量%、さらに好ましくは超砥粒加工工具の約20〜約40容量%の範囲の量で存在する。
ガラス質結合剤成分は酸化亜鉛(ZnO)および少なくとも2種類のアルカリ金属酸化物を含む。ガラス質結合剤は、当業界で知られているように、例えばシリカ(SiO2)、粘土、長石および混合して処理することができる他の材料などの原料を溶融することによって、通常形成される。ガラスを一旦製造すると、「フリット」として一般的に知られる粉体へそれを粉砕することができる。シリカアルミナガラス結合剤はビトリファイド結合剤粒加工工具で一般的に使用される。
一つの態様では、ガラス質結合剤成分は砥粒加工工具の約28容量%以下の量で存在する。別の態様では、ガラス質結合剤成分は砥粒加工工具の約14〜約28容量%、さらに好ましくは砥粒加工工具の約15〜約22容量%の範囲で存在する。
本発明のガラス質結合剤は、ガラス質結合剤成分の約1〜6重量%の量でZnOを含む。好ましい態様では、ZnOはガラス質結合剤成分の約2〜4重量%の量で存在する。
ガラス質結合剤成分の適当なアルカリ金属酸化物の例およびアルカリ金属の適当な量は、酸化ナトリウム(Na2O、約3〜6重量%)、酸化カリウム(K2O、約4〜7重量%)、および酸化リチウム(Li2O、約1〜5重量%)を含む。一つの態様では、ガラス質結合剤成分のアルカリ金属酸化物は酸化ナトリウムおよび酸化カリウムを含む。別の態様では、ガラス質結合剤成分のアルカリ金属酸化物はさらに酸化リチウムを含む。
一つの態様では、混合されたアルカリ金属酸化物の量は、ガラス質結合剤成分の約5〜15重量%、好ましくは8〜12重量%である。別の態様では、混合されたアルカリ金属酸化物の量はガラス質結合剤成分の約9重量%より多い。
さらに別の態様では、ガラス質結合剤成分は酸化バリウム(BaO)を1〜6重量%の量でさらに含む。特に好ましい態様では、酸化バリウムはガラス質結合剤成分の約2〜4重量%の量で存在する。特に好ましい態様では、酸化亜鉛および酸化バリウムの混合量は、ガラス質結合剤成分の少なくとも約5%である。
また、ガラス質結合剤成分は、シリカ(SiO2)、アルミナ(Al23)、酸化硼素(B23)、酸化カルシウム(CaO)、酸化マグネシウム(MgO)、ならびに酸化ニッケル(NiO)、および通常ガラス組成物中に少量存在する他の酸化物を含むことができる。
一つの態様では、ガラス質成分は低温焼成シリカアルミナ系ガラスのフリットを含む。アルミナは、ガラス質成分中に約1〜約10重量パーセントの範囲の量存在することができる。シリカおよびアルミナの総量は、一般に、約51から約80重量パーセントまでの範囲である。
一つの例では、ガラス質結合剤成分は、約50〜70重量%、好ましくは約55〜約65重量%のSiO2、約16〜約25、好ましくは約18〜22重量%のB23、約5〜約15%、好ましくは約8〜約12%のアルカリ金属酸化物、約1〜約6重量%、好ましくは約2〜約4重量%のBaO、および約1〜約6重量%、好ましくは約2〜約4重量%のZnOを含む。好ましい態様では、ガラス質結合剤は850℃未満の温度で砥粒に融合される。融合されるによって、ガラス質結合剤成分が溶解されて砥粒を被覆し、そして砥粒に接着し、冷却によって固定砥粒品を生じることが意味される。
本発明の砥粒加工工具のフィラー成分は中空体を含有する。本明細書に使用される用語「中空」は、本質的に液体不浸透性の壁の中に空きスペースまたは空洞を有することを意味する。中空体は如何なる形のものであることもできる。適当な形の例は球形である。一つの態様では、フィラー成分の中空体は約30〜約75%の範囲の空隙容積を有する。ある態様では、中空体の圧砕強度は13790kPa(2000psi34475kPa(5000psiの範囲である。
中空体の適当な材料の例は、ガラスセラミックムライト、アルミナ、ガラス、セラミックの気泡および球を含んでいる。砥粒加工工具の成型および焼成中の圧砕に耐える中空体が好ましい。適当な中空体は、エンビロンスフェア社(Environsphere Co.)、ジーランド産業(Zeeland Industries)、3−M特殊材料(3-M Specialty Materials)、およびPQ社(PQ Corp)によって供給される。一つの例では、中空体は3−M特殊材料によって生産されるZ−ライトスフェアセラミック微小球(Z-Light Spheres Ceramic Microspheres)である。
一つの態様では、中空体は平均直径が約10μm〜約150μmの範囲である。好ましくは、中空体の少なくとも約90%は粒径が約20μm〜約120μmの範囲内である。
一つの態様では、中空体は少なくとも約10容量%の量で砥粒加工工具中に存在する。別の態様では、中空体は約10〜約30容量%の範囲の量で砥粒加工工具中に存在する。少なくとも90重量%の完全な中空体を含む砥粒加工工具が好ましい。
本発明の一つの態様では、砥粒加工工具は、中空体の空隙スペースを入れずに、少なくとも約15容量%の空隙スペースを含む。例えば、空隙スペースは砥粒加工工具の開放気孔であることができる。
本発明の方法は、超砥粒成分、中空体を有するフィラー成分、および酸化亜鉛および少なくとも2種類のアルカリ金属酸化物を含有するフリット結合剤成分を混合することを含む。中空体を篩いに掛けて、壊れた部分を除去することができる。
約600℃〜約850℃の範囲の最高温度で混合された成分を焼成する。一つの態様では、約2〜約7時間の範囲の時間、混合された成分を焼成する。総焼成サイクルは約12時間である。全く思いがけないことに、そのような比較的低いガラス焼成温度で、シリカ、酸化亜鉛、混合アルカリ金属酸化物およびをBaO含むガラス質結合剤成分に必要な焼成サイクル時間が、ダイヤモンド砥粒を含む工具に使用される市販のガラス状結合剤に必要な時間の約半分である。
特定の態様では、混合した成分を周囲空気雰囲気中で焼成する。この明細書で使用する語句「周囲空気雰囲気」は、周囲から処理なしで得られた空気を指す。
一つの態様では、成分は機械混合によって混合される。例えば、当業界で知られる有機バインダーなどの追加成分を含むことができる。連続的にまたは単一工程で成分を混合することができる。任意的に、得られた混合物を篩いに掛けて、混合中に泡立つ場合の集塊を除去することができる。
加圧成型用の適当な型の中に混合物を入れる。通常、成形プランジャーを用いて、混合物をキャップオフする。一つの例では、混合した成分を研削ホイールリムに適した形に加圧成型する。如何なる手段、例えばコールドプレスおよびホットプレスなどによって加圧することができる。中空体をつぶすことを避ける成型および加圧方法が好ましい。
コールドプレスが好ましく、そして一般に、室温で、金型アセンブリを一体化できるに十分な初期圧力の適用を含む。一般に用いられる初期圧力は、約7.8〜約23.3トン/平方センチ(約50〜約150トン/平方インチ(tsi)の範囲である。得られる砥粒加工工具のグリーン体をその後焼成する。本明細書で用いられる用語「グリーン」は、次の処理工程の間形を維持するが、永久に形を維持するに十分な強度を有していない物体を指す。例えば、空気中で、15時間未満、そして約850℃未満の温度で、好ましくは約600℃〜約750℃の範囲で焼成することができる。
ホットプレスは、例えば、米国特許第4,157,897号および同第2,986,455号明細書に記載されており、そしてそれらの教示は引用することによりそっくりそのまま本明細書に組み込まれる。また、ホットプレスは、カーク−オスマー、「化学技術の百科事典」、第3版、1979年、263頁(Kirk-Othmer, Encyclopedia of Chemical Technology, 3rd Ed., 1979, p.263)および「材料科学と工学の百科事典」、第3巻、2205〜2208頁(Encyclopedia of Materials Science and Engineering, Vol. 3, Pergamon Press Ltd., 1986, pp. 2205-2208)に記載されている。一つの態様では、焼成前ならびに焼成中、圧力を適用する。別の態様では、焼成中のみ、圧力を適用する。「ホットコイニング」と呼ばれる更に別の態様では、製品を窯炉から除去した後に、圧力を金型アセンブリに適用する。本明細書で用いられる用語「ホットプレス」は、「ホットコイニング」手順を含む。焼成は非酸化性雰囲気を必要としない。
一般に、ホットプレスを用いるならば、焼成は約500℃〜約750℃の温度であり、そして一般に、最終成型圧力は約0.11トン/平方センチ(0.7トン/平方インチ(tsi)〜約0.23トン/平方センチ(1.5tsiの範囲である。一般に、最終温度および圧力条件下における型内での保持時間は、約10分未満、好ましくは約4〜約8分の範囲である。
中空体をつぶすことを避ける成型および加圧方法は不可欠である。本発明の一つの態様では、少なくとも90重量%の中空体が成型および加圧後に損なわれずに残る。
砥粒製品を金型から取り出し、そして空冷する。後の工程で、標準方法に従って、焼成した工具を縁取りし、仕上げをすることができ、そして、次に、使用前の回転試験をすることができる。
使用する際に、本発明の砥粒加工工具は、一般に、コアの周辺に取り付けられた砥粒リムを含む。本発明の工具はタイプ6A2H、1A1、6A1、4A2、および他のホイール型を含む。砥粒リムは上述の砥粒、ガラス質結合剤およびフィラー成分を含む。結合した砥粒、例えば、成型された砥粒セグメントをコアへ取り付ける方法は、当業界で周知であり、例えば、ろう付け、レーザー溶接、にかわ接合またはセメンティングを含む。セメンティングが好ましい。
金属、セラミック、樹脂、および組み合わせコアが当業界で知られている。本発明の砥粒加工工具用の適当な材料の例は、一般に、良好な工具振動減少を提供するアルミニウム樹脂複合材料である。一つの態様では、アルミニウム樹脂コアは重量パーセントで以下の組成、約8.3%のフェノール樹脂、約90%のアルミニウム粉、および約1.7%の石灰を有する。当業界で知られているように、コア前駆体をコアの形に成型し、そしてアルミニウムの溶融温度未満の温度で焼結することによってコアを作ることができる。アルミニウムコアもまた本発明の砥粒加工工具およびその用途に十分適している。
一つの態様では、本発明の工具はPCD、CDVまたは他の固い超砥粒材料から作られた切削工具のインサートを研削することに使用される。同じ工具で粗削りおよび表面仕上げ法の両方を行なうことができる。本発明の砥粒加工工具による研削の利益はPCDインサートのエッジを研削することにおいて最も顕著であるが、切削工具のインサートの表面もまたこれらの工具で研削することができる。一般に、研削操作は、切り屑または異常が実質的にないインサートの表面およびエッジをもたらす。
本発明を以下の実施例によってさらに説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
(実施例1)
組成物AおよびBを用いて比較テスト用のビトリファイドテストバーを作製した。組成物Aは、PCDおよびPCBN材料を研削するために用いられる市販のダイヤモンドホイール、特にダイヤモンドベースの切削工具のインサート、例えばPCD、CVDおよび他の物の中で用いられるフリット結合剤材料であった。組成物Aは、59〜72重量%のSiO2/Al23、20〜23重量%のB23、1〜2重量%のCaOおよび約5.0重量%のNa2Oを含有した。組成物Aは、ZnO、混合アルカリ金属酸化物、またはBaOを含有しなかった。組成物Bは、本発明のビトリファイド結合剤であり、重量パーセントで表1に示す。
Figure 0004979997
焼成前のテストバー組成(容量%)は、28%のダイヤモンド、15%のセラミックの中空球、24.5%のガラス結合剤、および32.5%の気孔率であった。用いたセラミックの中空球は、エンバイロンスフェア(Environsphere)から入手したタイプSL150(60〜100μm)であった。ダイヤモンド(15/25μm)は、サン−ゴバンセラミックス&プラスチックス社(Saint-Gobain Ceramics & Plastics, Inc., Worcester, MA)から入手した。
テストバーを作るために、材料を秤量し、ボール中でかき混ぜることによって混合し、次に、105メッシュスクリーン(米国標準サイズ)を通して二度篩いに掛けた。次に、寸法が0.61cm(0.24インチ×0.65cm(0.254インチ×6.67cm(2.625インチのテストサンプルを作るために適当なデザインの鋼製金型にそれらを入れた。次に、グリーン体を窯炉の中に移して、室温から所望の温度まで100℃/時間の焼成サイクルで焼成し、4時間その温度で維持した。用いた焼成温度および雰囲気を表2に示す。サンプルは窯炉の中で冷やした。
外側スパン5.08cm(2インチの3点ベンディングジグを有する機械試験機インストロンモデル4204(Instron Model 4204)によって、クロスヘッド速度が0.13cm/分(0.050インチ/分の負荷率で破壊応力(MOR)を測定した。
テストされたサンプルの曲げ強度を、それらを作製する際に用いた処理条件と共に表2に示す。
Figure 0004979997
表2に示された結果は、より低い焼成温度を要求する本発明のビトリファイドホイールは、非酸化性雰囲気なしで処理することができ、そして優れた曲げ強度を有したことを示す。
(実施例2)
表1に示したガラス質結合剤組成物Bを使用して研削ホイールタイプ6A2HAを以下の通り作製した。管状ミキサーを使用して、162gの原材料をふた付きのプラスチックコンテナの中で10分間混合し、結合剤混合物を形成した。混合物をダイヤモンド砥粒およびガラス/セラミック球のグレードSL150と混合した。ダイヤモンド砥粒は、S−Gセラミックス&プラスチック社(S-G Ceramics & Plastics, Inc.)から入手し、そして公称15/25のミクロンサイズであった。ガラス/セラミックス球はオーストラリアのエンバイロンスフェア社(Environsphere Co., Australia)から入手し、そして平均直径は60〜100μmであった。混合物を24メッシュスクリーン(米国標準サイズ)を通して篩いに掛け、如何なる塊も分けた。次に、混合物を成型リングに圧入し、そしてリングを空気中で、温度を最大800℃まで100℃/時間で上昇し、800℃で4時間リングを保持することによって、焼成した。焼成後、砥粒リング(またはリム)を冷却し、金型を剥がし、そしてコアに膠付けした。
アルミニウムコアまたはアルミニウム樹脂複合材コア(90重量%のAl粉末、8.3重量%のフェノール樹脂および1.7重量%の石灰)のどちらかを用いた。ホイールの焼成砥粒リムの組成は、全て容量基準で、ダイヤモンドが30%、中空体が20%、ガラス結合剤が17.5%および気孔率が32.5%であった。
複合材またはアルミニウムコア上の本発明の砥粒ホイールを、工作機械用のPCDインサートのエッジ研削用に指定された市販ホイールである比較ホイール−1と比較した。比較ホイール−1は不明なビトリファイド結合剤中に30〜40容量%のダイヤモンド粒子を含有した。ホイールをコボーンRG6自動研削盤(Coborn RG6 Automatic Grinding Machine)に取り付けた。すべてのホイールは15.24cm(6インチ×3.81cm(11/2インチ×40mmの6A2HA型ホイールであった。GE1500PCDと呼ばれるPCD材料を含む4個の多結晶ダイアモンドチップを備えた切削工具を研削するために各ホイールを用いた。すべてのテストは、1分当り2000回転(RPM)のホイール速度設定、5の研削圧力設定およびノートン社(Norton Company, Worcester, MA)によって提供される1.91cm(3/4インチ×1.91cm(3/4インチ×15.24cm(6インチNMVC600J8VCA目直しスティックを用いた。結果を表3に示す。表3に見られるように、本発明の複合材およびアルミニウムコアホイールの両方がテストされた市販のホイールと同様に機能した。
Figure 0004979997
また、複合材またはアルミニウムコア上の本発明の砥粒ホイールを、エバグ(Ewag)RS12手動研削盤に取り付けられた市販のPCD研削ホイールである比較ホイール−2と比較した。比較ホイール−2は、不明なビトリファイド結合剤組成物中に30〜40容量%のダイヤモンド粒子を含有し、そして工作機械用のPCDインサートのエッジの研削に使用するために特に指定されていた。すべてのホイールが6A2HA型ホイールであった。GE製のそしてGE1500PCDと呼ばれるPCD材料を含む4個の多結晶チップを備えた切削工具を研削するために各ホイールを用いた。すべてのテストは、2400RPMのホイール速度設定、400ニュートンの一定の研削圧力設定およびノートン社によって提供される2.54cm(1インチ×2.54cm(1インチ×15.24cm(6インチのNSA800H2VM目直しスティックを用いた。結果を表4に示す。
Figure 0004979997
表4に見られるように、複合材およびアルミニウムコアの両方における本発明のホイールは市販ホイールに比較して改良された性能を示した。約1/2の1工具当りの砥石磨耗および約30%少ない研削時間が観察された。
同等物
その好ましい態様を参照して、本発明を詳細に示し、そして記載したが、添付の特許請求の範囲によって包含される本発明の範囲から離れずに、形式および細部の各種変更をその中で行なうことができることは、当業者に理解されるであろう。

Claims (7)

  1. a)金属コア、およびb)コアの周囲の砥粒リムを含んでなる砥粒ホイールであって、該リムはダイヤモンドからなる超砥粒成分、中空体を含むフィラー成分および850℃未満の温度で焼成されたガラス質結合剤成分を含み、かつ開放気孔率が少なくとも15容量%であり、該ガラス質結合剤は酸化亜鉛および少なくとも2種類のアルカリ金属酸化物を含み、該混合されたアルカリ金属酸化物の量がガラス質結合剤成分の5〜15重量%であることを特徴とする砥粒ホイール。
  2. 金属コアがアルミニウムから形成されることを特徴とする請求項1に記載の砥粒ホイール。
  3. 中空体の少なくとも90重量%は粒径が20μm〜120μmの範囲内であることを特徴とする請求項1または2に記載の砥粒ホイール。
  4. 中空体が10〜30容量%の範囲の量で存在することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の砥粒ホイール。
  5. 混合されたアルカリ金属酸化物の量がガラス質結合剤成分の8〜12重量%であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の砥粒ホイール。
  6. a)酸化亜鉛および5〜15重量%の少なくとも2種類のアルカリ金属酸化物を含むフリットガラス結合剤成分を選択すること、b)ダイヤモンドからなる超砥粒成分、中空体を有するフィラー成分および該ガラス質結合剤成分を混合すること、およびc)少なくとも15容量%の開放気孔率を有する固定砥粒ホイールを形成するに十分な時間、混合された成分を600℃〜850℃の範囲の温度で焼成することの各工程を含んでなる固定砥粒ホイールの製造方法。
  7. a)少なくとも5容量%の量で存在するダイヤモンドからなる超砥粒成分、中空体を有しそして少なくとも10容量%の量で存在するフィラー成分、および酸化亜鉛および5〜15重量%の少なくとも2種類のアルカリ金属酸化物を含みそして28容量%よりも少ない量で存在するガラス質結合剤成分を混合すること、b)該混合された成分を、中空体の10重量%よりも多くを押し潰すことを避けるに有効な圧力で成型すること、およびc)少なくとも15容量%の開放気孔率を有する固定砥粒ホイールを形成するに十分な時間、600℃〜850℃の範囲の温度で該混合された成分を焼成することの各工程を含んでなる固定砥粒ホイールの製造方法。
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