JP2019181613A - 粗組織均質構造のビトリファイド砥石 - Google Patents

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Abstract

【課題】難削材であっても、形状維持性を保持しつつ焼けを発生させることなく研削可能な粗組織(多気孔)均質構造のビトリファイド砥石を提供する。【解決手段】粗組織均質構造のビトリファイド砥石によれば、砥粒は、23〜35vol%の割合で、無機中空フィラー22と共に充填されており、ビトリファイド砥石の断面における複数箇所の単位面積当たりの砥粒を含む固形物の割合である砥粒面積率の度数分布図において8.7以下の標準偏差σを有する均質性を備えている。【選択図】図4

Description

本発明は、研削負荷が高く、ワークに研削焼けが発生し易い分野に好適に適用される、低砥粒体積率で多気孔である粗組織均質構造のビトリファイド砥石に関するものである。
一般に、内面研削、アンギュラー研削などの、研削負荷が高く、ワークに研削焼けが発生し易い分野に好適に適用される砥石として、高気孔率ビトリファイド砥石が知られている。たとえば、特許文献1に記載された高気孔率のCBNビトリファイド砥石がそれである。このような高気孔率のビトリファイド砥石によれば、気孔形成剤により気孔が人工的に形成されて高気孔率とされている結果、研削液下の研削において研削熱が放出され易く、ワークの研削焼けが好適に抑制される。
ところで、タービンブレードやベアリング溝の研削など、砥石形状付けやドレスによる目潰れが発生しやすい研削加工や、被加工物の熱伝導率が低く加工中の熱が逃げにくい研削加工の場合には、上記従来の高気孔率のビトリファイド砥石であっても、依然として焼けや形状摩耗が早いなどといった問題が未だ残されていた。
また、砥粒率を下げることで加工抵抗の低減を狙う場合には、広い砥粒間隔を維持するために結果として大気孔を形成する粗組織のビトリファイド砥石となる。上記従来技術では、大気孔を形成するために砥石構造は不均質となり易いという欠点があった。また、気孔形成のために、砥石焼成中に燃え抜けるような有機気孔形成材を使用すると、焼成収縮によって砥粒が再配列する際に、砥粒の凝集が発生しやすいという欠点もあった。
特許第3987719号公報 特許第6013133号公報
これに対して、特許文献2では、アルミナバルーンを用いて気孔を形成して均質な砥石構造とすることで、砥粒間の接触割合を高めて砥粒体積率をある程度まで低下させた低砥粒率、多気孔且つ均質構造のビトリファイド砥石が構成されている。これにより、焼成収縮によって砥粒が再配列する際の砥粒の凝集が抑制されて、研削焼けや形状摩耗の発生が抑制される。
しかしながら、上記の特許文献2に記載のビトリファイド砥石であっても、インコネル(登録商標)、ヘインズ社のハステロイ(登録商標)、ステンレス鋼、チタン合金等の難削材を研削する場合など、研削条件によっては、形状維持性(砥石摩耗量)の低下や研削焼けが十分に解消できない場合があり、研削品質および砥石寿命についての課題が残されていた。
本発明は以上の事情を背景としてなされたものであり、その目的とするところは、難削材であっても、形状維持性を保持しつつ焼けを発生させることなく研削可能な粗組織(多気孔)均質構造のビトリファイド砥石を提供することにある。
本発明者等は、以上の事情を背景とし、砥粒体積率がたとえば40体積%を下回るような多気孔、粗組織のビトリファイド砥石の形状維持性を低下させないで被削材の焼けを抑制することについて、砥粒体積率および砥石構造の均質性について種々検討を重ねた結果、無機中空フィラーを利用して、従来では形状維持性が得られないと思われていた低い砥粒体積率としても、砥石構造の均質性を高めれば、形状維持性(砥石摩耗量の減少)が維持されるとともに、難削材であっても研削焼け抑制効果が得られるという意外な事実を見いだした。本発明はこの知見に基づいて為されたものである。上記砥粒体積率が低くされることで、その砥粒体積率に対して所定範囲内の割合で充填された無機中空フィラーの分散が促進されると、砥粒と無機中空フィラーとが相互に近接した均質な構造が得られることにより、形状維持性が維持されつつ、被削材の焼けが好適に抑制されたものと推察される。
すなわち、第1発明の粗組織均質構造のビトリファイド砥石の要旨とするところは、砥粒および無機中空フィラーが無機結合剤によって結合された粗組織均質構造のビトリファイド砥石であって、前記砥粒は、体積率23〜35vol%の割合で充填されており、ビトリファイド砥石の断面における複数箇所の単位面積当たりの前記砥粒を含む固形物の割合である砥粒面積率の度数分布図において10以下の標準偏差を有する均質性を備えていることにある。
第2発明の要旨とするところは、第1発明において、前記無機中空フィラーは、前記砥粒に対して1.6倍以下の平均粒径を有していることにある。
第3発明の要旨とするところは、第1発明または第2発明において、前記無機中空フィラーは、前記砥粒の体積率に対して0.2倍〜1.7倍の体積率で充填されていることにある。
第4発明の要旨とするところは、前記第1発明から第3発明のいずれか1の発明において、前記無機結合剤は、10〜15vol%の体積率で混入されていることにある。
第5発明の要旨とするところは、第1発明から第4発明のいずれか1の発明において、砥石断面における複数箇所の単位面積当たりの前記砥粒を含む固形物の割合である砥粒面積率の度数分布図において、6.5〜8.7の標準偏差を有する均質性を備えることにある。
第6発明の要旨とするところは、第1発明から第5発明のいずれか1の発明において、前記無機中空フィラーは、体積率4〜45vol%の割合で充填されていることにある。
第7発明の要旨とするところは、第1発明から第6発明のいずれか1の発明において、前記無機中空フィラーは、前記砥粒に対して、0.6〜1.6倍の平均粒径を有していることにある。
第8発明の要旨とするところは、第1発明から第7発明のいずれか1の発明において、前記無機中空フィラーは、前記砥粒に対して、0.2〜1.67倍の体積比を有していることにある。
第9発明の要旨とするところは、第1発明から第7発明のいずれか1の発明において、前記砥粒は、アルミナ質研削材または炭化珪素質研削材であり、前記砥粒の粒度は、F80乃至F120である。
第1発明によれば、砥粒および無機中空フィラーが無機結合剤によって結合された粗組織均質構造のビトリファイド砥石であって、前記砥粒は、23〜35vol%の割合で充填されており、ビトリファイド砥石の断面における複数箇所の単位面積当たりの前記砥粒を含む固形物の割合である砥粒面積率の度数分布図において8.5以下の標準偏差を有する均質性を備えている。これにより、低い砥粒体積率であっても、砥石構造の均質性が高く形状維持性(砥石摩耗量の減少)が維持されるので、難削材であっても、形状維持性が維持されつつ、被削材に焼けを発生させることが抑制される。
第2発明によれば、前記無機中空フィラーは、前記砥粒に対して1.6倍以下の平均粒径を有している。このことから、均質性の高い砥石構造を備えた多気孔且つ均質構造のビトリファイド砥石が得られる。
第3発明によれば、前記無機中空フィラーは、前記砥粒の体積率に対して0.2倍〜1.7倍の体積率で充填されている。このことから、均質性の高い砥石構造を備えた多気孔且つ均質構造のビトリファイド砥石が得られる。
第4発明によれば、前記無機結合剤は、10〜15vol%の体積率で混入されている。このことから、気孔率の高い多気孔且つ均質構造のビトリファイド砥石が得られる。
第5発明によれば、砥石断面における複数箇所の単位面積当たりの前記砥粒を含む固形物の割合である砥粒面積率の度数分布図において、6.5〜8.7の標準偏差を有する均質性を備えることにある。これにより、低い砥粒体積率であっても、砥石構造の均質性が高く形状維持性(砥石摩耗量の減少)が維持される。
第6発明によれば、前記無機中空フィラーは、体積率4〜45vol%の割合で充填されている。このことから、低い砥粒体積率で多気孔のビトリファイド砥石が得られる。
第7発明によれば、前記無機中空フィラーは、前記砥粒に対して、0.6〜1.6倍の平均粒径を有している。このことから、低い砥粒体積率で多気孔のビトリファイド砥石が得られる。
第8発明によれば、前記無機中空フィラーは、前記砥粒に対して、0.2〜1.67倍の体積比を有している。このことから、低い砥粒体積率で多気孔のビトリファイド砥石が得られる。
第9発明の要旨とするところは、第1発明から第7発明のいずれか1の発明において、前記砥粒は、アルミナ質研削材または炭化珪素質研削材であり、前記砥粒の粒度は、F80乃至F120である。これにより、一般砥粒を用いて研削焼けを伴うことなく難削材を研削することが可能となる。
本実施例の一実施例の多気孔且つ均質構造のビトリファイド砥石を示す正面図である。 図1のビトリファイド砥石を用いた研削装置による研削例を説明する図である。 図1のビトリファイド砥石の製造方法の要部を説明する工程図である。 図1のビトリファイド砥石の粗組織を拡大して説明する模式図である。 砥粒体積率と砥石組織の均質性との関係を確認するために、図1のビトリファイド砥石の組成を変更した複数種類の試験片(実施例品1−4、比較例品1−3)についての組成および砥石構成の均質性を示す標準偏差をそれぞれ示す図表である。 図5の試験結果を、砥粒体積率を示す横軸と、砥石構成の均質性を示すための標準偏差を示す縦軸との二次元座標に示すグラフである。 砥粒に対する無機中空フィラーの粒径比と砥石構成の均質性との関係を示すために、図1のビトリファイド砥石の組成を変更した複数種類の試験片(実施例品2、5−10)についての組成および砥石構成の均質性を示す標準偏差をそれぞれ示す図表である。 図7の試験結果を、砥粒に対する無機中空フィラーの粒径比を示す横軸と、砥石構成の均質性を示すための標準偏差を示す縦軸との二次元座標に示すグラフである。 砥粒に対する無機中空フィラーの体積比と砥石組織の均質性との関係を確認するために、図1のビトリファイド砥石の組成を変更した複数種類の試験片(実施例品1−3、11−21)についての組成および砥石構成の均質性を示す標準偏差をそれぞれ示す図表である。 図9の試験結果を、砥粒に対する無機中空フィラーの体積比を示す横軸と、砥石構成の均質性を示すための標準偏差を示す縦軸との二次元座標に示すグラフである。 形状維持特性に対応する砥石摩耗量を評価するために作成した砥石試験片である、比較例品4−6、および実施例品22における砥粒体積率および均質性(標準偏差)を示す図である。 図11のうちの砥粒体積率差の大きい比較例品4および実施例品22の砥石研削試験結果である砥石摩耗量を対比して示すグラフである。 図11のうちの均質性差の大きい比較例品5、比較例品6、および実施例品22の砥石研削試験結果である砥石摩耗量を対比して示すグラフである。 図11の比較例品4による研削試験における被削材の焼け状態を示す写真である。 図11の比較例品5による研削試験における被削材の焼け状態を示す写真である。 図11の比較例品6による研削試験における被削材の焼け状態を示す写真である。 図11の実施例品22による研削試験における被削材の焼け状態を示す写真である。
発明を実施するための一形態において、前記無機中空フィラーは、たとえば、シラスバルーン、アルミナバルーン、ムライトバルーン、ガラスバルーンなどが好適に用いられる。
以下、本発明の一実施例を図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の実施例において図は適宜簡略化或いは概念化されており、各部の寸法比および形状等は必ずしも正確に描かれていない。
図1は、本発明の一実施例の多気孔且つ均質構造の高気孔率ビトリファイド砥石であるビトリファイド砥石10の一例を示している。このビトリファイド砥石10は、全体として円板状を成し、その中央部に形成された取付穴12を用いて研削盤の主軸に取り付けられた状態で、軸線Cまわりに回転駆動される。ビトリファイド砥石10のテーバ状の外周研削面14に被削材16を摺接させることで、被削材16が研削されるようになっている。
図2は、たとえばインコネル(登録商標)のような耐熱合金製である直方体状の被削材16の角18を研削する場合を示している。ビトリファイド砥石10が回転した状態で、その外周研削面14を直方体状の被削材16の角に押し当てつつ、被削材16をその長手方向すなわち図2の紙面に垂直な方向に送ることで、被削材16の角18が研削される。
図3は、ビトリファイド砥石10の構造を拡大して説明する模式図である。図3において、たとえばアルミナ質研削材や炭化珪素質研削材等の一般砥粒からなる砥粒20、およびたとえば、シラスバルーン、アルミナバルーン、ムライトバルーン、ガラスバルーンなどからなる無機中空フィラー22が、ガラス質の無機結合剤であるビトリファイドボンド24の溶融によって相互に結合されている。それら砥粒20、無機中空フィラー22、およびビトリファイドボンド24の間には、製造工程において粘結剤(成形助剤)の消失等により自然に形成される気孔26が、形成されている。
砥粒20は、23〜35vol%の砥粒体積率で充填されており、ビトリファイド砥石10の断面における複数箇所の単位面積当たりの砥粒20を含む固形物の割合である砥粒面積率の度数分布図において8.5以下の標準偏差を有する均質性を備えている。このように、ビトリファイド砥石10は、きわめて低い砥粒体積率を有していて、それにも拘わらず砥石構造の均質性によって砥石形状維持性が維持されている、多気孔且つ均質構造のビトリファイド砥石である。
ビトリファイド砥石10において、無機中空フィラー22は、砥粒体積率に対して0.2倍〜1.7倍のフィラー体積率で充填されている。また、無機中空フィラー22は、4〜45vol%の割合で充填されている。また、無機中空フィラー22は、砥粒20の平均粒径に対して1.6倍以下の平均粒径を有していて、好適には、0.6〜1.4倍の範囲内の平均粒径を有している。また、ビトリファイド砥石10において、砥粒20の体積に対して、0.2〜1.67倍、好適には、0.43〜1.4倍の体積比を有している。
ビトリファイド砥石10において、ビトリファイドボンド(無機結合剤)24は、10〜15vol%の体積率で混入されている。
このような組成により、ビトリファイド砥石10は、砥石断面における複数箇所の単位面積当たりの砥粒20を含む固形物の割合である砥粒面積率の度数分布図において、10以下、好適には6.5〜8.5の標準偏差を有する均質性を備えている。
ビトリファイド砥石10は、たとえば図3に示す工程図に従って製造される。すなわち、先ず、砥粒ボンドコーティング工程P1では、砥粒20と、溶融後にフリット化した高い耐衝撃性及び耐熱性に優れたガラスの粉末であってたとえば砥粒20の1/10以下の平均粒径を有する粉体状のビトリファイドボンド24とが、デキストリンに代表される合成糊料等の良く知られた粘結剤(成形助剤)とともに混合されることにより、そのビトリファイドボンド(無機結合剤)24および粘結剤から成るコーティングが砥粒20の外表面に層状に形成され、必要に応じて乾燥されることにより、一層の流動性が付与される。また、充填剤粒子ボンドコーティング工程P2でも、たとえばムライトバルーン等から成る無機中空フィラー22が、上記と同様のビトリファイドボンド24とがデキストリン等の良く知られた粘結剤とともに混合されることにより、そのビトリファイドボンド24および粘結剤から成るコーティングが無機中空フィラー22の外周面に層状に形成され、必要に応じて乾燥されることにより、一層の流動性が付与される。
ビトリファイドボンド24は、高い耐衝撃性及び耐熱性に優れたガラスの粉末であり、たとえば酸化物組成がSiO50〜80重量%、B10〜20重量%、Al5〜15重量%、CaO,MgO,KO,NaOから選択される金属酸化物の合計が8〜15重量%とされたガラスフリット、或いは酸化物組成がSiO70〜90重量%、B10〜20重量%、Al1〜5重量%、Na1〜5重量%とされたガラスフリットなど、すなわち溶融後にフリット化した粉末ガラスから構成される。また、ビトリファイドボンド24は、上記のような粉末ガラスに蛙目粘土等が添加されてもよい。また、このビトリファイドボンド24は、好適には、湿式粉砕により得られた角が取れた粒子であり、300kg/mmの成形圧力を加えたときの単体体積率が55vol%以上であり、ASTM D2840の規格に準拠する測定による見掛け密度(かさ比重)1.2以上である。
砥粒20は、たとえばF80乃至F120の範囲内の粒度、たとえば平均粒径180μm〜106μm程度の範囲内の粒径を有するものであり、23〜35vol%の割合で充填される。
無機中空フィラー22は、たとえば、0.5〜1.0g/cmの見掛け密度、0.25〜0.45g/cmのかさ密度、70N/mmの圧縮強度、1200℃以上の融点、略零の吸水率を備えた閉鎖型中空粒子である。
無機中空フィラー22は、砥粒20の前記砥粒体積率に対して0.4倍〜1.7倍のフィラー体積率、15〜45vol%の容積割合、且つ砥粒20の体積に対して、0.43〜1.67倍の体積比を有するように、調合される。
次いで、混合工程P3では、上記コーティングがそれぞれ施された砥粒20と無機中空フィラー22とが、デキストリン等の良く知られた粘結剤とともに混合機に投入され、そこで均一に混合される。次に、成形工程P4では、円筒状の成形空間を形成するための所定のプレス型内に上記混合材料が充填され、プレス機によって加圧されることにより成形される。焼成工程P5では、成形工程P4を経た成形品が、所定の焼成炉内においてたとえば900℃程度の温度が0.5時間保持される焼成条件で焼結させられる。この焼結によって、粘結剤が焼失させられるとともに、ビトリファイドボンド24が溶融させられて溶融ガラス体となるので、図3のビトリファイド砥石組織図に示すように、砥粒20、無機中空フィラー22が溶融したビトリファイドボンド24を介して相互に結合されてビトリファイド砥石10が形成される。次いで、仕上工程P6では、外周面および端面等の外形寸法が所定の製品規格となるように切削或いは研削工具を用いて機械的に仕上げられることにより前記ビトリファイド砥石10が製造され、検査工程P7を経て出荷される。
上記のようにして製造されることにより図3に示すような砥石組織を備えたビトリファイド砥石10によれば、研削性能に相対的に大きく寄与する砥粒20と、その砥粒20とともに砥石組織を構成する無機中空フィラー22とが所定の空間内に均質に満たされた状態でビトリファイドボンド24により結合されたビトリファイド砥石組織が形成されており、砥粒20および無機中空フィラー22は、前述の配合によって均質とされるとともに、砥粒20間には無機中空フィラー22を介して比較的均質な距離が形成され、研削焼けの発生が少なく且つ長い砥石寿命が得られる。また、砥粒20と無機中空フィラー22とが均質に分散されて相互に接触或いは近接した状態でビトリファイドボンド24により結合されているので、形状維持性が高められている。
本発明者等は、ビトリファイド砥石10の砥石組織において、砥粒体積率および気孔形成材の材質の変化、砥粒の粒度の変化、無機中空フィラーの体積率の変化について砥粒20の分散性をそれぞれ評価するために、以下に示す均質性評価試験1、均質性評価試験2、均質性評価試験3を行なった。これらの試験では、ことなる組成を用いて図3に示すものと同様の工程を用いて作成し、それらの断面画像をデジタルマイクロスコープで撮像し、その断面画像から得られる2値化処理された白黒断面画像を分割した複数の分割(単位)領域毎において、白色部分の固形物の面積割合を算出し、面積割合の大きさを横軸とし且つ分割領域の累計数を縦軸とした度数分布図を作成し、その度数分布図の標準偏差σを、分散状態を示す値として算出し、その標準偏差σ用いて均質性の評価試験を行なった。なお、上記分割領域の一辺xは、たとえば、砥粒の平均粒径Dと砥粒堆積率Vgの関数(x=(500πD/4Vg)0.5)である。標準偏差σが小さいほど、ビトリファイド砥石10の砥石組織の均質性が高いことを示している。
(均質性評価試験1)
砥粒体積率および無機中空フィラーの材質を変化させた場合のビトリファイド砥石の均質性を評価するために、代表的なアルミナ系砥粒であるアランダム(登録商標)の粒度F100の砥粒を砥粒体積率23%、27%、31%、35%(組織20、18、16、14に相当する低砥粒率すなわち粗組織)にて気孔形成材と共に混合して図3と同様の工程を用いて作成したビトリファイド砥石の試験片である、実施例品1から実施例品4および比較例品1〜比較例品3をそれぞれ作製し、それら試験片の断面画像から上記のように標準変化σをそれぞれ測定した。図5はそれら試験片の組成および標準偏差σをそれぞれ示し、図6は、それらの評価結果をグラフで示している。実施例品1から実施例品4には、気孔形成材として平均粒径が125μmのムライトバルーン(無機中空フィラー)が用いられている。これに対して比較例品1〜比較例品3には、気孔形成材として平均粒径が250μmの有機気孔形成材が用いられている。比較例品1〜比較例品3に平均粒径が125μmの有機気孔形成材を用いると、砥粒同士の接点が少ないので、焼成時の収縮が大きく、砥石破壊の起点となるクラック等が発生するので、それを回避するために平均粒径が250μmの有機気孔形成材が用いられた。なお、図5には示されていないが、10〜15vol%の範囲内の相互に一定割合のビトリファイドボンドが充填されている。図5および図6に示すように、27〜35vol%の低砥粒体積率において、有機気孔形成材を用いた比較例品1〜比較例品3では、焼成収縮が相対的に大きく均質となり標準偏差σが10以上であるのに対して、無機中空フィラーを用いた実施例品1〜実施例品4では、焼成収縮が相対的に小さく砥粒間隔を維持することができ、標準偏差σは10を十分に下回って、7.6〜8.4であった。
(均質性評価試験2)
難削材の研削加工や溝加工に用いる、代表的なアルミナ系砥粒であるアランダム(登録商標)の粒度F80〜F120の範囲において、低砥粒体積率(粗組織)に対応する組織16(砥粒体積率31%)のビトリファイド砥石試験片(実施例品2、実施例品5〜実施例品10)を図3と同様の工程を用いてそれぞれ作成し、それらの均質性を評価するためにそれら試験片の断面画像から上記のように標準変化σをそれぞれ測定した。図7は、それら試験片の組成および標準偏差σをそれぞれ示し、図8は、それらの評価結果をグラフで示している。図7および図8に示すように、0.6〜1.6倍の気孔形成材と砥粒との粒径比(=気孔形成材/粒径)において、標準偏差σが10以下、具体的には6.8〜9.4であった。図8では、砥粒の粒度に拘わらず、無機中空フィラー(ムライトバルーン)と砥粒との粒径比(=気孔形成材/粒径)が小さくなるほど、標準偏差σが減少する傾向が示されている。
(均質性評価試験3)
難削材の研削加工や溝加工に用いる、代表的なアルミナ系砥粒であるアランダム(登録商標)の粒度F100を用いた低砥粒体積率(粗組織)に対応する組織14、16、18、19(砥粒体積率35%、31%、27%、26%)において、図9に示すように無機中空フィラーの体積率を変化させた実施例品1〜3、実施例品11〜21を図3に示す工程を用いてそれぞれ作製し、それらの均質性を評価するためにそれら試験片の断面画像から上記のように標準変化σをそれぞれ測定した。図9は、それら試験片の組成および標準偏差σをそれぞれ示し、図10は、それら試験片の評価結果を示すグラフで示している。図9および図10に示すように、砥粒体積率35%、31%、27%、26%のいずれにおいても、砥粒に対する無機中空フィラー(ムライトバルーン)の体積比が0.43〜1.67の範囲で、標準偏差σが8.5以下であった。図10では、低砥粒体積率(砥粒体積率35%、31%、27%、26%)においては、砥粒体積率に拘わらず、砥粒に対する無機中空フィラーの体積比が低下するほど、標準偏差σが増加する双曲線状の傾向特性が示されていて、その傾向特性の線状では、砥粒に対する無機中空フィラーの体積比が0.35であっても、10以下の標準偏差σが得られている。
次に、本発明者等は、アランダム(登録商標)である砥粒の粒度F80を用いた、組織12(砥粒体積率39%)である比較例品4および組織14(砥粒体積率35%)である比較例品5、6および実施例品22を、図3に示す工程を用いてそれぞれ作製し、それらの均質性を評価するためにそれら試験片の断面画像から上記のように標準変化σをそれぞれ測定した。比較例品5、6および実施例品22は、ビトリファイドボンドの体積割合の変化によって標準偏差σが相違させられている。図11は、それら試験片の組成および標準偏差σをそれぞれ示している。比較例品4、5、6の標準偏差σは、8.8、11.3、10.6であったのに対して、実施例品22の標準偏差σは、10以下の9.8であった。
次いで、本発明者等は、図11に示す試験片(比較例品4、比較例品5、比較例品6、および実施例品22)を用いてたとえば図2に湿す研削試験を以下に示す条件で行なった。
(研削試験条件)
研削盤 : 平面研削盤
研削方式 : 湿式スピードストローク
被削材 : インコネル(スペシャルメタルズ社の登録商標)
テーブル送り速度 : 平均20m/min
切込み量 : 5.5mm/min
砥石寸法 : 255×19×76.2(mm)
切削液 : 水溶性研削液
砥石周速 : 45m/sec
図12は、比較例品4と実施例品22との研削結果である、比較例品4を100%とした場合の砥石摩耗体積比(%)を示すグラフである。砥石摩耗体積は、ビトリファイド砥石の形状維持性を表している。図12から明らかなように、実施例品22は、砥石の組織差に起因して、同様の均質性(10以下の標準偏差)を有する比較例品4よりも形状維持性が優れている。
図13は、比較例品5および比較例品6と実施例品22との研削結果である、比較例品5を100%とした場合の砥石摩耗体積比(%)を示すグラフである。図13から明らかなように、実施例品22は、砥石の均質性に起因して、同様の組織(砥粒体積率)を有する比較例品4よりも形状維持性が優れている。
図14、図15、図16、および図17は、比較例品4、比較例品5、比較例品6、および実施例品22による研削試験後の上記被削材の焼け状態を示す写真をそれぞれ示している。各写真において、白色部分が焼けを示している。図14、図15、図16、および図17に示すように、実施例品22の研削焼けは最も少なく、比較例品6および比較例品5は順に焼けが大きくなる。このことは、組織(砥粒体積率)は同様であっても、砥石の均質性が低下するほど、標準偏差が大きくなるほど、焼けが大きくなることを示している。また、実施例品22の研削焼けは、比較例品4よりも焼けが少ない。このことは、標準偏差が10以下という同等の均質性であっても、組織差により、すなわち砥粒体積率が小さくなるほど、焼けが少なくなることを示している。
上述のように、本実施例の粗組織均質構造のビトリファイド砥石10によれば、砥粒20は、23〜35vol%の割合で充填されており、ビトリファイド砥石10の断面における複数箇所の単位面積当たりの前記砥粒を含む固形物の割合である砥粒面積率の度数分布図において8.5以下の標準偏差σを有する均質性を備えている。これにより、低い砥粒体積率の粗組織あっても、砥石構造の均質性が高く形状維持性(砥石摩耗量の減少)が維持されるので、難削材であっても、形状維持性が維持されつつ、被削材に焼けを発生させることが抑制される。
また、本実施例の粗組織均質構造のビトリファイド砥石10によれば、無機中空フィラー22は、砥粒20に対して1.6倍以下の平均粒径を有している。このため、均質性の高い砥石構造を備えた気孔率の高い粗組織均質構造のビトリファイド砥石10が得られる。
本実施例の粗組織均質構造のビトリファイド砥石10によれば、無機中空フィラー22は、砥粒体積率に対して0.4倍〜1.7倍のフィラー体積率で充填されている。このため、均質性の高い砥石構造を備えた気孔率の高い粗組織均質構造のビトリファイド砥石10が得られる。
本実施例の粗組織均質構造のビトリファイド砥石10によれば、ビトリファイドボンド(無機結合剤)24は、10〜15vol%の体積率で混入されている。このことから、気孔率の高い粗組織均質構造のビトリファイド砥石10が得られる。
本実施例の粗組織均質構造のビトリファイド砥石10によれば、砥石断面における複数箇所の単位面積当たりの前記砥粒を含む固形物の割合である砥粒面積率の度数分布図において、6.5〜8.5の標準偏差を有する均質性を備えることにある。これにより、低い砥粒体積率であっても、砥石構造の均質性が高く形状維持性(砥石摩耗量の減少)が維持される。
本実施例の粗組織均質構造のビトリファイド砥石10によれば、無機中空フィラー22は、15〜45vol%の割合で充填されていることから、低い砥粒体積率で高気孔率の粗組織均質構造のビトリファイド砥石が得られる。
本実施例の粗組織均質構造のビトリファイド砥石10によれば、無機中空フィラー22は、砥粒20に対して、0.6〜1.6倍の平均粒径を有していることから、低い砥粒体積率で高気孔率の粗組織均質構造のビトリファイド砥石が得られる。
本実施例の粗組織均質構造のビトリファイド砥石10によれば、無機中空フィラー22は、砥粒20に対して、0.43〜1.67倍の体積比を有していることから、低い砥粒体積率で高気孔率の粗組織均質構造のビトリファイド砥石が得られる。
本実施例の粗組織均質構造のビトリファイド砥石10によれば、砥粒20は、アルミナ質研削材または炭化珪素質研削材であり、砥20粒の粒度は、F80乃至F120である。これにより、被削材が難削材であっても、一般砥粒を用いて研削焼けを伴うことなく難切削材を研削することが可能となる。
以上、本発明の一実施例を図面に基づいて説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
たとえば、前述の実施例のビトリファイド砥石10は、たとえば図1に示されるような円盤状であったが、カップ状やブロック状などの他の形状であっても差し支えない。
なお、上述したのはあくまでも一実施形態であり、その他一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で当業者の知識に基づいて種々変更、改良を加えた態様で実施することができる。
10:ビトリファイド砥石
20:砥粒
22:無機中空フィラー
24:ビトリファイドボンド(無機結合剤)
すなわち、第1発明の粗組織均質構造のビトリファイド砥石の要旨とするところは、砥粒および無機中空フィラーが無機結合剤によって結合された粗組織均質構造のビトリファイド砥石であって、前記砥粒は、砥石体積に対する体積率23〜35vol%の割合で充填されており、ビトリファイド砥石の断面における複数箇所の単位面積当たりの前記砥粒を含む固形物の割合である砥粒面積率の度数分布図において10以下の標準偏差を有する均質性を備えていることにある。
第4発明の要旨とするところは、前記第1発明から第3発明のいずれか1の発明において、前記無機結合剤は、砥石体積に対する体積率が10〜15vol%の割合で混入されていることにある。
第6発明の要旨とするところは、第1発明から第5発明のいずれか1の発明において、前記無機中空フィラーは、砥石体積に対する体積率4〜45vol%の割合で充填されていることにある。
第1発明によれば、砥粒および無機中空フィラーが無機結合剤によって結合された粗組織均質構造のビトリファイド砥石であって、前記砥粒は、砥石体積に対する体積率が23〜35vol%の割合で充填されており、ビトリファイド砥石の断面における複数箇所の単位面積当たりの前記砥粒を含む固形物の割合である砥粒面積率の度数分布図において8.5以下の標準偏差を有する均質性を備えている。これにより、低い砥粒体積率であっても、砥石構造の均質性が高く形状維持性(砥石摩耗量の減少)が維持されるので、難削材であっても、形状維持性が維持されつつ、被削材に焼けを発生させることが抑制される。
第4発明によれば、前記無機結合剤は、砥石体積に対する体積率が10〜15vol%の割合で混入されている。このことから、気孔率の高い多気孔且つ均質構造のビトリファイド砥石が得られる。
第6発明によれば、前記無機中空フィラーは、砥石体積に対する体積率が4〜45vol%の割合で充填されている。このことから、低い砥粒体積率で多気孔のビトリファイド砥石が得られる。
図4は、ビトリファイド砥石10の構造を拡大して説明する模式図である。図4において、たとえばアルミナ質研削材や炭化珪素質研削材等の一般砥粒からなる砥粒20、およびたとえば、シラスバルーン、アルミナバルーン、ムライトバルーン、ガラスバルーンなどからなる無機中空フィラー22が、ガラス質の無機結合剤であるビトリファイドボンド24の溶融によって相互に結合されている。それら砥粒20、無機中空フィラー22、およびビトリファイドボンド24の間には、製造工程において粘結剤(成形助剤)の消失等により自然に形成される気孔26が、形成されている。
上記のようにして製造されることにより図4に示すような砥石組織を備えたビトリファイド砥石10によれば、研削性能に相対的に大きく寄与する砥粒20と、その砥粒20とともに砥石組織を構成する無機中空フィラー22とが所定の空間内に均質に満たされた状態でビトリファイドボンド24により結合されたビトリファイド砥石組織が形成されており、砥粒20および無機中空フィラー22は、前述の配合によって均質とされるとともに、砥粒20間には無機中空フィラー22を介して比較的均質な距離が形成され、研削焼けの発生が少なく且つ長い砥石寿命が得られる。また、砥粒20と無機中空フィラー22とが均質に分散されて相互に接触或いは近接した状態でビトリファイドボンド24により結合されているので、形状維持性が高められている。
(均質性評価試験1)
砥粒体積率および無機中空フィラーの材質を変化させた場合のビトリファイド砥石の均質性を評価するために、代表的なアルミナ系砥粒であるアランダム(登録商標)の粒度F100の砥粒を気孔形成材と共に混合して図3と同様の工程を用いて作成したビトリファイド砥石の試験片である、実施例品1から実施例品4および比較例品1〜比較例品3をそれぞれ作製し、それら試験片の断面画像から上記のように標準変化σをそれぞれ測定した。図5はそれら試験片の組成および標準偏差σをそれぞれ示し、図6は、それらの評価結果をグラフで示している。実施例品1から実施例品4には、図5に示すように、焼成後の砥石体積に対して、35%、31%、27%、23%(組織14、16、18、20に相当する低砥粒率すなわち粗組織)の砥粒体積率が備えられ、気孔形成材として平均粒径が125μmのムライトバルーン(無機中空フィラー)が用いられている。これに対して比較例品1〜比較例品3には、気孔形成材として平均粒径が250μmの有機気孔形成材が用いられている。比較例品1〜比較例品3に平均粒径が125μmの有機気孔形成材を用いると、砥粒同士の接点が少ないので、焼成時の収縮が大きく、砥石破壊の起点となるクラック等が発生するので、それを回避するために平均粒径が250μmの有機気孔形成材が用いられた。なお、図5には示されていないが、10〜15vol%の範囲内の相互に一定割合のビトリファイドボンドが充填されている。図5および図6に示すように、27〜35vol%の低砥粒体積率において、有機気孔形成材を用いた比較例品1〜比較例品3では、焼成収縮が相対的に大きく均質となり標準偏差σが10以上であるのに対して、無機中空フィラーを用いた実施例品1〜実施例品4では、焼成収縮が相対的に小さく砥粒間隔を維持することができ、標準偏差σは10を十分に下回って、7.6〜8.4であった。

Claims (9)

  1. 砥粒および無機中空フィラーが無機結合剤によって結合された粗組織均質構造のビトリファイド砥石であって、
    前記砥粒は、体積率23〜35vol%の割合で充填されており、ビトリファイド砥石の断面における複数箇所の単位面積当たりの前記砥粒を含む固形物の割合である砥粒面積率の度数分布図において10以下の標準偏差を有する均質性を備えている
    ことを特徴とする粗組織均質構造のビトリファイド砥石。
  2. 前記無機中空フィラーは、前記砥粒に対して1.6倍以下の平均粒径を有している
    ことを特徴とする請求項1に記載の粗組織均質構造のビトリファイド砥石。
  3. 前記無機中空フィラーは、前記砥粒の体積率に対して0.2倍〜1.7倍の体積率で充填されている
    ことを特徴とする請求項1または2の粗組織均質構造のビトリファイド砥石。
  4. 前記無機結合剤は、10〜15vol%の体積率で混入されている
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1の粗組織均質構造のビトリファイド砥石。
  5. 砥石断面における複数箇所の単位面積当たりの前記砥粒を含む固形物の割合である砥粒面積率の度数分布図において、6.5〜8.7の標準偏差を有する均質性を備える
    ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1の粗組織均質構造のビトリファイド砥石。
  6. 前記無機中空フィラーは、体積率4〜45vol%の割合で充填されている
    ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1の粗組織均質構造のビトリファイド砥石。
  7. 前記無機中空フィラーは、前記砥粒に対して、0.6〜1.6倍の平均粒径を有している
    ことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1の粗組織均質構造のビトリファイド砥石。
  8. 前記無機中空フィラーは、前記砥粒に対して、0.2〜1.67倍の体積比を有している
    ことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1の粗組織均質構造のビトリファイド砥石。
  9. 前記砥粒は、アルミナ質研削材または炭化珪素質研削材であり、前記砥粒の粒度は、F80乃至F120である
    ことを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1の粗組織均質構造のビトリファイド砥石。
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