JP2007196317A - ビトリファイド超仕上砥石の製造方法 - Google Patents

ビトリファイド超仕上砥石の製造方法 Download PDF

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博之 篠田
Seishichi Tanaka
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Abstract

【課題】研磨加工中の砥粒の破砕や脱落が安定して円滑に進行するビトリファイド超仕上砥石の製造方法を提供する。
【解決手段】超仕上砥石(ビトリファイド超仕上砥石)の製造方法において、溶融ガラス体の材料として、85重量%以上のガラスフリットを含むビトリファイド結合剤が用いる。ビトリファイド結合剤に占めるガラスフリットの割合が十分に高くなって、ガラスフリット又は長石と相互に溶融せず、砥粒間に残存する粘土成分が少なくなるので、砥粒の保持強度が安定し、研磨加工中の砥粒の破砕や脱落が安定して円滑に進行するビトリファイド超仕上砥石が得られる。
【選択図】図2

Description

本発明は、砥粒が溶融ガラス体により結合されたビトリファイド超仕上砥石の製造方法に関し、特に安定した加工精度を得ることが可能なビトリファイド超仕上砥石に関するものである。
たとえば、特許文献1、特許文献2、特許文献3に記載されているように、比較的細粒の一般砥粒を主として使用した超仕上砥石が提案されている。このような超仕上砥石では、研磨方向に対して交差する方向に振動させられることにより、被研磨面において高精度の研磨面、たとえば鏡面が得られる。
ビトリファイド砥石を用いた研磨加工においては、加工物の品質が安定していることが重要であり、研磨加工中において砥粒が脱落すると被加工物の表面を傷つけることになり、十分な加工精度を得ることができない。このような砥粒の脱落により被加工物の表面に傷が発生すると、耐久性に影響がでるだけでなく、たとえばボールベアリングのボールを受ける凹溝の研磨の場合には、音響が大きくなるという不都合も発生する。すなわち、ビトリファイド超仕上砥石において研磨加工中の砥粒の破砕や脱落は切れ刃を再生させるために必須ではあるが、それが安定して円滑に進行することが望まれる。
一般に、従来において、砥粒が溶融ガラス体により結合された多孔質構造を有するビトリファイド砥石では、ビトリファイド結合剤は、ガラスフリットだけでなく、焼成前の成形体の可塑性および強度を向上させるための粘土と、焼成時の溶剤として機能する長石とを含む。そのフリットは、長石と同様に焼成時の溶剤として用いられている。特に、ほう酸成分を使用したいときはその原料であるホウ砂が水に溶解しやすいために予め他成分とフリット化しておく事で不可溶性のボンドとされる。このほう酸成分は多くても20重量%前後であり、効果が飽和し原料価格が上昇するという点でフリットは多くてもも80重量%程度まで混入される。また、焼成後のガラスを目的の組成とするために、粘土、長石、フリットが適宜調整される。この粘土成分は焼成時において長石或いはフリットの溶融に取り込まれることにより、最終的な組成のガラスが得られる。それらビトリファイド結合剤の原料は、2〜100μmの平均粒径を有するものである。
特開昭62−057873号公報 特開平03−239475号公報 特公平06−069669号公報
ところで、ビトリファイド超仕上砥石のように、被研磨面の面精度を高めるために用いられる砥粒の粒径がたとえば45μm以下の細粒となると、研磨加工中において砥粒が脱落し易くなって被加工物の表面を傷つけることになり、十分な加工精度を得ることができない場合があった。
本発明は以上の事情を背景として為されたものでり、その目的とするところは、研磨加工中の砥粒の破砕や脱落が安定して円滑に進行するビトリファイド超仕上砥石の製造方法を提供することにある。
本発明者等は、以上の事情を背景として種々検討を重ねた結果、被研磨面の面精度を高めるために用いられる砥粒の粒径がたとえば45μm以下のビトリファイド超仕上砥石となると、砥粒よりも大きな粒径の粒子がビトリファイド結合剤に含まれることになり、上記一般のビトリファイド砥石とは砥粒の保持構造に変化が発生するという仮説を創造した。すなわち、本発明者等は、従来の一般のビトリファイド砥石では、たとえば図7の模式図に示すように、ビトリファイド結合剤を構成するガラスフリットGおよび長石、粘土成分Cが相互に溶融した溶融ガラス体Lが形成され、それが砥粒Aの表面を覆うとともに砥粒A相互を結合させるように機能するので、砥粒Aが比較的安定した強度で保持されるけれども、上記のように砥粒Aの粒径が45μm以下のビトリファイド超仕上砥石では、たとえば図8の模式図に示すように、粘土成分CがガラスフリットG又は長石とが相互に溶融せず、粘土成分Cが単体で独立して砥粒A間に残存する部分が発生するので、比較的低い強度で保持される砥粒Aが発生し、それが脱落し易くなり、研磨加工中の砥粒Aの破砕や脱落が不安定となるという仮説に到達した。そして、本発明者等は、上記粘土成分Cが単体で独立して砥粒A間に残存する部分を抑制するために、予め溶融したガラスを粉砕して得たガラスフリットの割合を高める一方で、成形性を維持できる範囲で粘土成分を可及的に少なくすると、粒径が45μm以下のビトリファイド超仕上砥石でも、研磨中における砥粒の脱落が好適に抑制されるという事実を見出した。本発明はこのような知見に基づいて為されたものである。
すなわち、上記目的を達成するための請求項1に係る発明の要旨とするところは、砥粒が溶融ガラス体により結合されたビトリファイド超仕上砥石の製造方法であって、前記溶融ガラス体の材料として、85重量%以上のガラスフリットを含むビトリファイド結合剤が用いられることを特徴とする。
また、請求項2に係る発明の要旨とするところは、前記ビトリファイド結合剤は、85重量%乃至95重量%のガラスフリットを含むことを特徴とする。
また、請求項3に係る発明の要旨とするところは、(a) 前記砥粒、前記ビトリファイド結合剤、成形バインダー、気孔形成剤を混合する攪拌工程と、(b) その攪拌工程において混合された混合材料を所定の形状に加圧成形して成形品を作成する成形工程と、(c) その成形工程において成形された成形品を焼成して前記ビトリファイド結合剤を溶融させ、その成形品を焼結させる焼成工程とを、含むことを特徴とする。
また、請求項4に係る発明の要旨とするところは、前記砥粒は45μm以下の平均粒径を有するものであることを特徴とする。
また、請求項5に係る発明の要旨とするところは、前記砥粒は、アルミナまたはシリコンカーバイト、或いはそれらの混合物であることを特徴とする。
また、請求項6に係る発明の要旨とするところは、前記ビトリファイド結合剤は、前記ガラスフリット、蛙目粘土を含む混合物であることを特徴とする。
上記請求項1に係る発明のビトリファイド超仕上砥石の製造方法によれば、前記溶融ガラス体の材料として、85重量%以上のガラスフリットを含むビトリファイド結合剤が用いられることから、ビトリファイド結合剤に占めるガラスフリットの割合が十分に高くなって、ガラスフリット又は長石と相互に溶融せず、砥粒間に残存する粘土成分が少なくなるので、砥粒の保持強度が安定し、研磨加工中の砥粒の破砕や脱落が安定して円滑に進行するビトリファイド超仕上砥石が得られる。
また、請求項2に係る発明のビトリファイド超仕上砥石の製造方法によれば、前記ビトリファイド結合剤は、85重量%乃至95重量%のガラスフリットを含むことから、ビトリファイド結合剤に占めるガラスフリットの割合が十分に且つ一層高くなって、ガラスフリット又は長石と相互に溶融せず、砥粒間に残存する粘土成分が一層少なくなるので、砥粒の保持強度が安定し、研磨加工中の砥粒の破砕や脱落が安定して円滑に進行するビトリファイド超仕上砥石が得られる。ガラスフリットが95重量%となって残部が蛙目粘土となると、焼成前に生砥石強度が低下してハンドリングが困難となり、製造歩留りが低下する。
また、請求項3に係る発明のビトリファイド超仕上砥石の製造方法によれば、(a) 前記砥粒、前記ビトリファイド結合剤、成形バインダー、気孔形成剤を混合する攪拌工程と、(b) その攪拌工程において混合された混合材料を所定の形状に加圧成形して成形品を作成する成形工程と、(c) その成形工程において成形された成形品を焼成して前記ビトリファイド結合剤を溶融させ、その成形品を焼結させる焼成工程とを、含むことから、ビトリファイド結合剤に占めるガラスフリットの割合が十分に高くなって、ガラスフリット又は長石と相互に溶融せず、砥粒間に残存する粘土成分が少なくなるので、砥粒の保持強度が安定し、研磨加工中の砥粒の破砕や脱落が安定して円滑に進行するビトリファイド超仕上砥石が得られる。
また、請求項4に係る発明のビトリファイド砥石の製造方法によれば、前記砥粒は45μm以下の平均粒径を有するものであることから、超仕上加工において細かい面粗さの被加工面が得られ、高精度の研磨精度を得ることができる。
また、請求項5に係る発明のビトリファイド砥石の製造方法によれば、前記砥粒は、アルミナまたはシリコンカーバイト、或いはそれらの混合物であることから、超砥粒をそれ程用いなくても、超仕上加工において高い仕上比と細かい面粗さの被加工面とが同時に得られる超仕上用のビトリファイド砥石を製造することができる。
また、請求項6に係る発明のビトリファイド砥石の製造方法によれば、前記ビトリファイド結合剤は、前記ガラスフリットおよび蛙目粘土を含む混合物であることから、砥粒の保持強度が安定して研磨加工中の砥粒の破砕や脱落が安定して円滑に進行するビトリファイド超仕上砥石が得られるとともに、成形時における安定した保型性が得られるので、高い歩留りが得られる。
ここで、前記ビトリファイド結合剤は、好適には高い耐衝撃性及び耐熱性に優れたガラスの粉末であり、たとえば酸化物組成がSiO50〜80重量%、B10〜20重量%、Al5〜15重量%、CaO,MgO,KO,NaOから選択される金属酸化物の合計が8〜15重量%とされたガラスフリット、或いは酸化物組成がSiO70〜90重量%、B10〜20重量%、Al1〜5重量%、Na1〜5重量%とされたガラスフリットなど、すなわち溶融後にフリット化した粉末ガラスから構成される。
また、前記砥粒としては、一般砥粒、超砥粒などが用いられるが、WA砥粒で代表される酸化アルミニウム(Al)系のもの、GC砥粒で代表される炭化ケイ素(SiC)系のもの、ジルコニアなどが好適に用いられる。また、必要に応じて、CBNやダイヤモンドなどの超砥粒、その他の砥粒が上記酸化アルミニウム系の砥粒および/または炭化ケイ素系の砥粒の混入されてもよい。
また、上記砥粒は、45μm以下の最大粒径を有するものとすることにより超仕上げが好適に可能とされるが、たとえば#400〜#6000程度(メッシュ換算で平均粒径40〜2μm程度)の粒度が使用目的に応じて用いられる。たとえば、荒仕上(Rmax 0.6 〜0.8 μ)には#800〜#1500程度の粒度が選択され、中仕上(Rmax 0.3 〜0.5 μ)には#1200〜#2500程度の粒度が選択され、上仕上(Rmax 0.2 μ以下)には#2000〜#6000程度の粒度が選択される。
また、前記ビトリファイド結合剤は、好適には、前記砥粒の平均粒径に対して、1.3乃至3.0の範囲内、好適には1.5乃至2.5の範囲内、さらに好適には2.0乃至2.5の範囲内の十分に大きい平均粒径を有するものとされる。これによれば、一層、複数の砥粒が溶融ガラス体によって結合された砥粒凝集体が好適に多数形成されるので、一層高い仕上比と細かい面粗さの被加工面とが同時に得られる。
また、前記ビトリファイド結合剤は、好適には、60乃至110%の範囲内、さらに好適には70乃至100%の範囲内の変動係数を有するものとされる。これによれば、一層、複数の砥粒が溶融ガラス体によって結合された砥粒凝集体が好適に多数形成されるので、一層高い仕上比と細かい面粗さの被加工面とが同時に得られる。
なお、前記変動係数は、全分布に対して使用したビトリファイド結合剤の粒度のばらつきの範囲の割合を示す指標であり、累積曲線で示される体積分布における16累積%値と84累積%値との和を体積分布における中央値(50累積%値)で割った値の百分率である。すなわち、変動係数は、粉末粒子の体積分布における標準偏差相当の幅の上限値および下限値の中心値に対する割合を示す値であり、分布の拡がりを示す指標である。
また、前記ビトリファイド結合剤および砥粒の平均粒径は、累積曲線で示される体積分布における中央値(50累積%値)の径を示している。この体積分布や平均粒径は、レーザー回折/散乱法を原理とするマイクロトラック粒度分析計を用いて測定されたものである。
以下、本発明の一実施例を図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の実施例において図は適宜簡略化或いは変形されており、各部の寸法比および形状等は必ずしも正確に描かれていない。
図1は、超仕上げの一例であって、本発明の一実施例の超仕上砥石10を用いて、ボール軸受の内周輪12の外周面にボール(鋼球)を受けるために形成された断面円弧状の凹溝14の内壁面を超仕上げにより研磨する状態を説明する図である。本実施例の超仕上砥石10は、全体として長手状の角柱形状を成し、上記内周輪12の凹溝14の内壁面と同じ曲率半径を有する断面円弧状の研磨面20を端面として備えている。
超仕上研磨装置では、上記内周輪12が軸心Cまわりに回転駆動される一方で、上記超仕上砥石10は、その研磨面20が凹溝14の内壁面に対して比較的低い所定の面圧で当接し、且つ油性或いは水性の所定の工作液が十分に供給された状態で、その研磨面20の曲率中心を通る回動中心線Kまわりに所定角度だけ所定の周波数で往復駆動される。これにより、被削材である内周輪12の凹溝14の内壁面は、その周方向に対して双方向に交差する方向において超仕上砥石10により研磨され、超仕上げが施される。上記超仕上砥石10は、たとえば図2に示す工程図に従って製造される。
以下、ビトリファイド結合剤におけるガラスフリットの割合の範囲について本発明者等が行った実験例を、複数種類の試料を上記図2と同じ製造工程を用いて製造することにより説明する。複数種類の試料のうち、実施例1という名称は上記超仕上砥石10に対応するものであり、比較例1、2という名称は、ガラスフリットの含有量において実施例とは異なるビトリファイド結合剤が用いられている。
先ず、ビトリファイド結合剤調整工程P0では、表1に示す割合の原料をポットミルにて混合し、実施例1および比較例1、2のためのビトリファイド結合剤がそれぞれ調整される。このようにして調整されたビトリファイド結合剤は、表2に示す化学成分を有するものである。表1および表2において、重量(wt)%で混合割合が示されている。上記ビトリファイド結合剤は、表1に示す割合で耐衝撃性及び耐熱性の高い所定のガラスフリットに蛙目粘度(粉体)を混合したものであり、結果としての酸化物組成は、表2に示すものである。砥粒の粒度は表3に示すように#3000(マイクロトラック粒度分析計による平均粒径4μm)が用いられ、ビトリファイド結合剤の平均粒径として約10μmが用いられているので、この場合のビトリファイド結合剤と砥粒との間の粒径比は、2.5(=10μm/4μm)となっている。
(表1)
wt% フリット 蛙目粘土 ベントナイト カリ長石
実施例1 90 10 0 0
比較例1 80 5 5 10
比較例2 55 5 10 30
(表2)
wt% 実施例1 比較例1 比較例2
SiO 60 62 65
Al 13 13 13
CaO,MgO,
O,NaO 12 12 12
15 13 10
次に、攪拌工程P1では、上記調整工程P0において調整されたビトリファイド結合剤、予め用意された砥粒、成形助剤、および気孔形成剤がたとえば表3の調合割合に示すように所定の割合で調合された後攪拌されることにより、混練或いは混合される。表3において、重量(wt)%で混合割合が示されており、気孔形成剤は焼成後の砥石内に気孔を形成するためのスチロール、ポリエステル、エポキシ等の合成樹脂から成るレジンボールやクルミ粉等であり、デキストリン(合成澱粉)、水、フェノールレジン、PEG(ポリエチレングリコール)は混合性、成形性、保形性等を高めるための成形バインダー或いは成形助剤として機能する。
(表3)
原材料名 混合割合
アルミナ砥粒#3000 65.7
SiC砥粒#3000 7.3
ビトリファイド結合剤 14.9
気孔形成剤 7.0
デキストリン 0.7
水 2.0
フェノールレジン 1.5
PEG 0.9
続く成形工程P2では、上記攪拌工程P1の攪拌により得られた混合材料から分割された予め設定された一定の分量に対して、プレス装置を用いて加圧され、所定の形状の成形品が作成される。次いで、乾燥工程P3では、その成形品が所定の乾燥温度たとえば60℃で24時間乾燥された。その後、焼成工程P4において、所定の焼成炉内において実施例1は900℃、比較例2は950℃、比較例2は1000℃の2時間保持で示される焼成条件で焼成され、ビトリファイド結合剤が溶融させられて成形品が焼結され、図3に示す長方形の形状すなわち長さ95mm×幅48mm×厚み20mmの砥石30が得られる。そして、仕上げ工程P5において所定寸法に切り出されるとともに仕上げられ、且つ検査工程P6において所定の検査項目の検査が行われることにより、各試料(ビトリファイド超仕上砥石)である実施例1、比較例1、2が得られる。
(表4)
RH硬度 嵩密度/ g×cm −3
実施例1 −59 1.49
比較例1 −65 1.49
比較例2 −60 1.50
次いで、上記各試料について、砥石硬度(RH)および嵩密度(g/cm−3)を測定した。それらの測定値(砥石物性値)は表4に示されている。RH硬度は、通常1/8インチ径の鋼球を使用する(Hスケール)が、マイナス硬度の場合では砥石が軟らか過ぎて測定中に破損が発生することがあるため、1/4インチ径の鋼球を使用してRL硬度を求め、換算式RH=(RL−59)/0.59から実際に測定されたRL硬度に基づいてRH硬度を算出した。また、嵩密度は、水銀法により測定した。表4に示すように、各試料間において、RH硬度および嵩密度についは格別の差異は認められない。
次に、上記各試料から前記超仕上砥石10と同様の形状すなわち5.5mm×5.5mm×Lmmの小片の角柱状の超仕上砥石をそれぞれ切り出し、表5に示す加工条件にて図1に示す装置で、被加工物(被削材)である内周輪12の凹溝14の内壁面に対して超仕上げ加工を行った。表6、図4、図5、図6はその加工結果を示している。表6の加工結果においては実施例1、比較例1、2の間に顕著な差異は見られないが、加工個数と各物性(面粗度Ra、研削量/μm、摩耗量/μm)の推移(変化)を図4、図5、図6で比較すると、図4の面粗さRaでは実施例1が最も安定的に優れており、研削量/μmでは、実施例1がばらつきが少なく相対的に中間値であり、摩耗量/μmでは、実施例1がばらつきが少なく相対的に低い値であるため、総合的には比較例1、2よりも実施例1の方が安定していることが明らかである。なお、図4、図5、図6において、◆印および実線は実施例1を、□印および破線は比較例1を、○印および1点鎖線は比較例2をそれぞれ示している。
(表5)
加工条件
研削機械: 超仕上盤
被加工物: #6203内輪
被加工物材料名: SUJ−2
被加工物硬度: HRC60以上
砥石寸法: 5.5mm×5.5mm×Lmm
研削油: 不活性型不水溶性
被加工物回転速度:5700rpm
砥石揺動数: 粗:500rpm、仕上:100rpm
砥石振り角: ±15度
砥石面圧: 粗:2.4MPa、仕上:1.5MPa
加工時間: 粗:3sec、仕上:4sec
加工個数: 30個
(表6)
加工試験結果
試料名称 削除量μm 砥石摩耗μm 面粗さRaμm
実施例1 6.6 9.3 0.031
比較例1 6.8 9.9 0.033
比較例2 6.8 9.4 0.033
上述のように、本実施例の超仕上砥石(ビトリファイド超仕上砥石)10の製造方法によれば、溶融ガラス体の材料として、85重量%以上のガラスフリットを含むビトリファイド結合剤が用いられることから、ビトリファイド結合剤に占めるガラスフリットの割合が十分に高くなって、ガラスフリット又は長石と相互に溶融せず、砥粒間に残存する粘土成分が少なくなるので、砥粒の保持強度が安定し、研磨加工中の砥粒の破砕や脱落が安定して円滑に進行するビトリファイド超仕上砥石10が得られる。
また、本実施例の超仕上砥石(ビトリファイド超仕上砥石)10の製造方法によれば、ビトリファイド結合剤は、85重量%乃至95重量%のガラスフリットを含むことから、ビトリファイド結合剤に占めるガラスフリットの割合が十分に且つ一層高くなって、ガラスフリット又は長石と相互に溶融せず、砥粒間に残存する粘土成分が一層少なくなるので、砥粒の保持強度が安定し、研磨加工中の砥粒の破砕や脱落が安定して円滑に進行するビトリファイド超仕上砥石が得られる。
また、本実施例の超仕上砥石(ビトリファイド超仕上砥石)10の製造方法によれば、(a) 前記砥粒、前記ビトリファイド結合剤、成形バインダー、気孔形成剤を混合する攪拌工程P1と、(b) その攪拌工程において混合された混合材料を所定の形状に加圧成形して成形品を作成する成形工程P2と、(c) その成形工程において成形された成形品を焼成して前記ビトリファイド結合剤を溶融させ、その成形品を焼結させる焼成工程P4とを、含むことから、ビトリファイド結合剤に占めるガラスフリットの割合が十分に高くなって、ガラスフリット又は長石と相互に溶融せず、砥粒間に残存する粘土成分が少なくなるので、砥粒の保持強度が安定し、研磨加工中の砥粒の破砕や脱落が安定して円滑に進行するビトリファイド超仕上砥石10が得られる。
また、本実施例の超仕上砥石(ビトリファイド超仕上砥石)10の製造方法によれば、砥粒は45μm以下の平均粒径を有するものであることから、超仕上加工において細かい面粗さの被加工面が得られ、高精度の研磨精度を得ることができる。
また、本実施例の超仕上砥石(ビトリファイド超仕上砥石)10の製造方法によれば、砥粒は、アルミナまたはシリコンカーバイト、或いはそれらの混合物であることから、超砥粒をそれ程用いなくても、超仕上加工において高い仕上比と細かい面粗さの被加工面とが同時に得られる超仕上用のビトリファイド砥石10を製造することができる。
また、本実施例の超仕上砥石(ビトリファイド超仕上砥石)10の製造方法によれば、ビトリファイド結合剤は、ガラスフリットおよび蛙目粘土を含む混合物であることから、砥粒の保持強度が安定して研磨加工中の砥粒の破砕や脱落が安定して円滑に進行するビトリファイド超仕上砥石が得られるとともに、成形時における安定した保型性が得られるので、高い歩留りが得られる。
以上、本発明を図面を参照して詳細に説明したが、本発明は更に別の態様でも実施でき、その主旨を逸脱しない範囲で種々変更を加え得るものである。
本発明の一適用例で製造した超仕上砥石を用いて、ボール軸受の内周輪の外周面に形成されている凹溝の内周面を超仕上げ研磨する状態を説明する正面図である。 図1の超仕上砥石の製造工程を説明する工程図である。 本発明者の実験例において作成された砥石試料の外形を示す斜視図である。 本発明者の実験例において作成された砥石試料である実施例1、比較例1、比較例2の性能試験結果であって、面粗度Raと加工数との関係を示すグラフである。 本発明者の実験例において作成された砥石試料である実施例1、比較例1、比較例2の性能試験結果であって、研削量/μmと加工数との関係を示すグラフである。 本発明者の実験例において作成された砥石試料である実施例1、比較例1、比較例2の性能試験結果であって、摩耗量/μmと加工数との関係を示すグラフである。 砥粒が45μmよりも大きいビトリファイド砥石における構造を模式的に説明する図である。 砥粒が45μm以下のビトリファイド砥石における構造を模式的に説明する図である。
符号の説明
10:超仕上砥石(ビトリファイド砥石)
12:内周輪(被削材)
14:凸溝
20:研磨面

Claims (6)

  1. 砥粒が溶融ガラス体により結合されたビトリファイド超仕上砥石の製造方法であって、
    前記溶融ガラス体の材料として、85重量%以上のガラスフリットを含むビトリファイド結合剤が用いられることを特徴とするビトリファイド超仕上砥石の製造方法。
  2. 前記ビトリファイド結合剤は、85重量%乃至95重量%のガラスフリットを含むことを特徴とする請求項1のビトリファイド超仕上砥石の製造方法。
  3. 前記砥粒、前記ビトリファイド結合剤、成形バインダー、気孔形成剤を混合する攪拌工程と、
    該攪拌工程において混合された混合材料を所定の形状に加圧成形して成形品を作成する成形工程と、
    該成形工程において成形された成形品を焼成して前記ビトリファイド結合剤を溶融させ、該成形品を焼結させる焼成工程と
    を、含むことを特徴とする請求項1または2のビトリファイド超仕上砥石の製造方法。
  4. 前記砥粒は45μm以下の平均粒径を有するものであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかのビトリファイド砥石の製造方法。
  5. 前記砥粒は、アルミナまたはシリコンカーバイト、或いはそれらの混合物であることを特徴とする請求項4のビトリファイド超仕上砥石の製造方法。
  6. 前記ビトリファイド結合剤は、前記ガラスフリット、蛙目粘土を含む混合物であることを特徴とする請求項4のビトリファイド超仕上砥石の製造方法。
JP2006016951A 2006-01-25 2006-01-25 ビトリファイド超仕上砥石の製造方法 Pending JP2007196317A (ja)

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