JP6013133B2 - 高気孔率のビトリファイド砥石、およびビトリファイド砥石の均質性評価方法 - Google Patents

高気孔率のビトリファイド砥石、およびビトリファイド砥石の均質性評価方法 Download PDF

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本発明は、難削材研削、ねじ研削、溝研削、ギヤ研削などの分野において、砥石の形状維持性と焼け防止特性が得られる、砥粒率が低く気孔率が高い高気孔率ビトリファイド砥石、およびビトリファイド砥石の均質性評価方法に関するものである。
一般に、砥粒に対して多くの気孔を設けた、高気孔率ビトリファイド砥石が知られている。たとえば、特許文献1に記載された多孔性ビトリファイド砥石がそれである。このような高気孔率ビトリファイド砥石は、砥粒よりも十分に大きな気孔が人工的に形成されているため、研削液下の研削において研削熱が放出され易く、また、粒子間の距離が広くなることから高能率の研削が可能となり、難削材であっても高い研削能率で研削可能とされている。
このため、特許文献1に記載の高気孔率ビトリファイド砥石では、砥粒よりも十分に大きな気孔が人工的に形成されていて、砥粒率が45体積%を下回るような高い気孔率を有しているため加工負荷が低く、また大気孔の存在のために切り屑の排出性が高いため、高気孔率ビトリファイド砥石の目詰まりおよび研削焼けが防止される利点があった。
特開2003−181764号公報
しかしながら、上記従来の高気孔率ビトリファイド砥石では、砥粒よりも十分に大きな気孔の部位と砥粒が密集した部位との間の境界付近で局所的な砥粒の粗密差が発生することが避けられず、加工条件によっては、砥粒の密集している部分において、砥粒の摩滅面積が局所的に大きくなることで、砥粒が目こぼれすることによる砥石の形状摩耗や、被削材の焼けを誘発する場合があった。
本発明は以上の事情を背景としてなされたものであり、その目的とするところは、砥粒率が45体積%を下回るような高気孔率ビトリファイド砥石において、砥石の局所的な目詰まりおよび目つぶれと脱落、および被削材の焼けが発生し難い高気孔率ビトリファイド砥石を提供することにある。
本発明者等は、上記事情を背景とし、砥粒率が45体積%を下回るような高気孔率ビトリファイド砥石の局所的な目詰まりおよび目つぶれや被削材の焼けを抑制することについて種々検討を重ねた結果、気孔の大きさを小さくし、砥石断面における砥粒面積率分布の均質性が上がるほど、砥石の局所的な目つぶれと脱落、および被削材の焼けが好適に抑制されるという事実を見いだした。本発明はこの知見に基づいて為されたものである。
すなわち、第1発明のビトリファイド砥石の要旨とするところは、気孔が砥粒の間に形成された状態で該砥粒がビトリファイドボンドにより結合され、45体積%以下の砥粒率を有する高気孔率のビトリファイド砥石であって、砥石断面における複数箇所の単位面積当たりの前記砥粒を含む固形物の割合である砥粒面積率の度数分布図において10以下の標準偏差を有する均質性を備え、前記度数分布図は、前記ビトリファイド砥石断面における所定の焦点深度位置での顕微鏡写真の拡大画像を2値化処理することで白黒断面画像を生成し、前記砥粒の平均粒径をDとし、砥粒体積率をVgとするとき、前記白黒断面画像を次式(i)で表される1辺xの枡目で分割して複数の単位領域を設定し、前記単位領域毎に、白色部分の固型物の面積割合を算出し、前記面積割合の大きさを横軸とし、前記分割領域の累計数を縦軸とした度分布図であることを特徴とする。
x=(500πD/4Vg)0.5 ・・・ (i)
また、第2発明のビトリファイド砥石の均質性評価方法の要旨とするところは、砥粒がビトリファイドボンドにより結合されたビトリファイド砥石の均質性を評価する評価方法であって、前記ビトリファイド砥石断面における所定の焦点深度位置での顕微鏡写真の拡大画像を2値化処理することで白黒断面画像を生成し、前記砥粒の平均粒径をDとし、砥粒体積率をVgとするとき、前記白黒断面画像を次式(i)で表される1辺xの枡目で分割して複数の単位領域を設定し、前記単位領域毎に、白色部分の固型物の面積割合を算出し、前記面積割合の大きさを横軸とし、前記分割領域の累計数を縦軸とした度分布図を作成し、前記度数分布図に示される度数分布の広がりを表す標準偏差または半値幅を算出し、前記標準偏差または半値幅の大きさに基づいて前記ビトリファイド砥石の均質性を評価することを特徴とする。
x=(500πD/4Vg)0.5 ・・・ (i)
第1発明のビトリファイド砥石によれば、気孔が砥粒の間に形成された状態で該砥粒がビトリファイドボンドにより結合され、45体積%以下の砥粒率を有する高気孔率のビトリファイド砥石であって、砥石断面における所定の焦点深度位置での顕微鏡写真の拡大画像を2値化処理した白黒断面画像を、前記砥粒の平均粒径をDとし、砥粒体積率をVgとするとき、式(i)で表される1辺xの枡目で分割した複数箇所の単位面積当たりの前記砥粒を含む固形物の割合である砥粒面積率の度数分布図において10以下の標準偏差を有する均質性を備えることから、ビトリファイド砥石断面における砥粒面積率の高い均質性が得られ、砥石の局所的な目詰まりおよび目つぶれや脱落、被削材の焼けが好適に抑制される。
ここで、好適には、前記標準偏差は、前記度数分布図において9以下の標準偏差を有する均質性を備える。また、好適には前記砥粒は、35乃至45体積%の砥粒体積率を備える。より好ましくは35乃至43体積%の砥粒体積率を備える。これにより、砥粒面積率の高い均質性を有し、砥石の局所的な目詰まりおよび目つぶれと脱落、および被削材の焼けが好適に抑制される高気孔率のビトリファイド砥石が得られる。
また、第2発明のビトリファイド砥石の均質性評価方法によれば、前記ビトリファイド砥石断面における所定の焦点深度位置での顕微鏡写真の拡大画像を2値化処理することで白黒断面画像が生成され、前記砥粒の平均粒径をDとし、砥粒体積率をVgとするとき、前記白黒断面画像が式(i)で表される1辺xの枡目で分割されて複数の単位領域が設定され、前記単位領域毎に、白色部分の固型物の面積割合が算出され、前記面積割合の大きさを横軸とし前記分割領域の累計数を縦軸とした度分布図が作成され、前記度数分布図に示される度数分布の広がりを表す標準偏差または半値幅が算出され、前記標準偏差または半値幅の大きさに基づいて前記ビトリファイド砥石の均質性が評価されることから、度数分布の広がりに基づいて評価するので、容易且つ正確にビトリファイド砥石の均質性を評価することができる。
ここで、好適には、前記度数分布から算出された標準偏差値が小さい程、前記均質性が高く評価される。また、好適には、前記度数分布から算出された半値幅が小さい程、前記均質性が高く評価される。
本実施例の一実施例の高気孔率のビトリファイド砥石を示す正面図である。 図1のビトリファイド砥石の製造方法の要部を説明する工程図である。 ビトリファイド砥石内において最密充填状態で規則的に配列できる砥粒の単位格子を説明する図であって、(a)は4個で構成される単位格子、(b)は6個で構成される単位格子を示している。 ビトリファイド砥石内において均質充填状態で規則的に配列できる砥粒の単位格子を説明する図であって、(a)は4個で構成される単位格子、(b)は6個で構成される単位格子を示している。 ビトリファイド砥石の均質性を評価する評価方法を説明する工程図である。 図5の度数分布図算出工程において、ビトリファイド砥石の断面画像の分割画像(単位面積)を設定する方法を説明する図である。 図2の工程に従って作成された実施例1乃至実施例6および比較例1乃至比較例6の組成と、それの均質性を示す標準偏差値を説明する図である。 研削加工試験のために、図2の工程に従って作成された実施例7乃至実施例8および比較例7乃至比較例8の組織を体積率で説明する図である。 図8の実施例7の均質性を評価するための2値化処理後の断面写真を示す。 図8の実施例7の均質性を評価するために、図9の断面写真から得られた度数分布図を示している。 図8の比較例7の均質性を評価するための2値化処理後の断面写真を示す。 図8の比較例7の均質性を評価するために、図11の断面写真から得られた度数分布図を示している。 図8の実施例7および8、比較例7および8の研削加工試験結果から、消費電力軸と研削比軸との二次元座標上で、研削性能を示す図である。 図8の実施例7および8、比較例7および8の研削加工試験結果からそれらビトリファイド砥石の角の消耗状態を説明する図であって、(a)は実施例7を、(b)は比較例7をそれぞれ示している。
以下、本発明の一実施例を図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施例の高気孔率のビトリファイド砥石10を示す正面図である。ビトリファイド砥石10は、厚肉円板状を成し、研削面12を外周面に備え、取付穴14を中央部に備えている。この取付穴14が図示しない研削装置の主軸に取り付けられることにより、ビトリファイド砥石10が回転駆動される。ビトリファイド砥石10は、205mm程度の外径と、76.2mm程度の内径と、10mm程度の厚みとを備える円板状砥石である。
ビトリファイド砥石10は、熔融アルミナ質砥粒(アランダム)や炭化珪素質砥粒(カーボランダム)等の一般砥粒がガラス質のビトリファイドボンドにより結合されて成る、多孔質のビトリファイド砥石組織を備えている。このビトリファイド砥石10は、後述するように、45体積%以下の砥粒率を有する高気孔率のビトリファイド砥石である。
上記砥粒は、たとえばF46〜F120の粒度、すなわち100μm〜360μm程度の平均砥粒径を有するものであり、たとえば35乃至45体積%の割合で上記多孔質のビトリファイド砥石組織を構成している。また、ビトリファイドボンドは、たとえば5乃至12体積%の割合で上記多孔質のビトリファイド砥石組織を構成している。そして、残部の気孔は、たとえば43乃至56体積%の割合で上記多孔質のビトリファイド砥石組織内に形成されている。
ビトリファイドボンドは、たとえばよく知られた珪酸ガラス、ホウ珪酸ガラス或いは結晶化ガラスから構成される。上記ビトリファイドボンドとして好ましいガラス組成は、たとえば、SiO2 :40〜70重量部、Al2 3 :10〜20重量部、B2 3 :0〜20重量部、RO(アルカリ土類金属):20〜10重量部、R2 O:2〜10重量部である。
図2は、ビトリファイド砥石10の製造工程を説明する工程図である。図2において、先ず、原料調合撹拌工程P1では、ビトリファイド砥石10の砥石原料が用意される。たとえば、JISR6001でF46〜F120(平均粒径Dが106〜355μm)の粒度を有し、アルミナ砥粒として知られるAl2 3 系などの一般砥粒と、ZrO2 −B2 3 系、B2 3 −Al2 3 −SiO2 系、R2 O−Al2 3 −SiO2 系などのガラス質のビトリファイドボンド(無機結合剤)と、成形時においてある程度の相互粘結力を発生させるためのデキストリン、カルボキシルメチルセルローズなどの成形用有機バインダー(粘結剤或いは糊量)と、平均粒径Pが砥粒の平均粒径Dの等倍よりも小さい径を有する気孔形成材とを、予め設定された割合で秤量して、それぞれ混合し、砥石原料を用意する。表1は、原料調合撹拌工程P1における砥石原料の調合割合の一例を示している。
[表1]
原材料名 割合
アルミナ砥粒(平均粒径200μm) 40容量部
気孔形成材(平均粒径46〜200μm) 10容量部
ビトリファイドボンド 14容量部
糊量 6容量部
上記気孔形成材は、後述の焼成工程P4における焼成処理後にビトリファイド砥石組織内で実質的に気孔(空間)を人工的或いは積極的に形成させる材質、たとえば中空或いは中実のナフタリン、DMT、アルミナバルーン(アルミナ中空体)、胡桃の粉体、ポリスチレン、架橋アクリルなどである。その気孔形成材は、砥粒の分散に寄与し且つ砥粒の偏在或いは偏析を抑制に寄与する径を有するものである。すなわち、気孔形成材の径は、最密充填状態(凝集状態)の砥粒間に形成される空隙の径よりも大きくなければ砥粒の分散に寄与できず、また、均質充填状態の砥粒間に形成される気孔径以下でなければ砥粒の偏在或いは偏析の抑制に寄与できない。ここで、砥粒および気孔は球形であるという前提で検討すると、充填理論的には、最密充填状態(砥粒の粒径および中心間距離がD、砥粒率Vg=74.0%)で規則的に配列できる砥粒の単位格子は図3の(a)或いは(b)に示すように4個の砥粒からなる四面体、或いは6個の砥粒からなる八面体の格子であり、砥粒径Dに対して四面体中央の空隙に入る最大粒子径は0.23D、八面体中央に入る最大粒径は0.41Dとなる。よって、気孔形成材の平均粒径Pは砥粒の平均粒径Dに対して0.23D或いは0.41Dよりも大きいことで砥粒の分散に寄与できる。また、均質充填状態(砥粒の粒径がD、中心間距離が1.18〜1.28D、砥粒率Vg:45〜35%)で規則的に配列できる砥粒の単位格子も同様に、4個の砥粒からなる四面体、或いは6個の砥粒からなる八面体の格子とすると、砥粒径Dに対して四面体中央の空隙に入る最大粒子径は0.43D〜0.54D、八面体中央に入る最大粒子径は0.63D〜0.75Dとなる。気孔形成材の平均粒径Pが0.43D〜0.54D或いは0.63D〜0.75Dよりも小さいことで砥粒の偏在或いは偏析の抑制に寄与できる。したがって、気孔形成材の平均粒径粒Pは、1D以下であると一応の効果が得られるが、好適には、砥粒の平均粒径Dに対して0.23〜0.75倍、さらに好適には、0.41〜0.63倍である。このような観点から、表1で用いられている砥粒の平均粒径Dは200μmであるので、表1の気孔形成材の平均粒径Pは、46〜150μmの範囲内が好適であり、80〜126μmの範囲内がさらに好適となる。ビトリファイド砥石10の気孔体積率(%)は、上記気孔形成材により人工的に形成された気孔と自然気孔とにより形成される。
次いで、成形工程P2では、所定の成形金型の成形キャビティー内に上記混合された砥石原料を充填し、プレス装置でその砥石原料を加圧することにより、図1に示すビトリファイド砥石10と同様の形状の成形体を成形する。次いで、成形体を乾燥する乾燥工程P3を経て、焼成工程P4では、上記成形体をたとえば900乃至1050℃の温度で2時間焼成することにより、図1に示すビトリファイド砥石10が得られる。そして、仕上げ工程P5において寸法仕上げが行なわれ、検査工程P6において製品検査が行なわれる。
図5は、評価用コンピュータによるビトリファイド砥石10の組織における均質性を砥粒面積率の度数分布の評価方法を説明する工程図である。図5において、断面撮像工程P11では、ビトリファイド砥石10の断面が、顕微鏡を通して拡大された状態で撮像された画像が入力される。次いで、画像処理工程P12では、断面撮像工程P11で得られた顕微鏡写真にコンピュータによる画像処理を用いて、その所定の焦点深度位置での画像を2値化処理することにより、図6の左側に示す白黒の断面画像が生成される。この断面画像においては、黒色部分は空間すなわち気孔を示し、白色部分は固形物たとえば砥粒とビトリファイドボンドを示している。続く度数分布図算出工程P13では、上記断面画像を、枡目で分割して1辺がx(μm)である分割領域(単位画像)の大きさが次式(2)から砥粒体積率Vgおよび砥粒径Dに基づいて算出される。続いて、図6の右側に示すような分割領域毎に、白色部分の固形物の面積割合Sg(%)が算出され、その面積割合Sgの大きさを横軸とし、分割領域の累計数を縦軸とする度数分布図が、図10に示すように作成される。そして、標準偏差算出工程P14では、作成された上記度数分布図に示される分布からその標準偏差σまたは半値幅(%)が算出される。この標準偏差σまたは半値幅(%)が小さいほど、ビトリファイド砥石組織の均質性を評価する評価値が高くされる。なお、(1)の左辺は砥粒体積率Vgの砥石断面において1辺の長さxの正方形の分割領域に含まれる砥粒面積の計算値、(1)の右辺は5粒分の砥粒の平均粒径Dの砥粒断面積、(2)式は(1)式の変形式である。画像断面から均質性を評価するためには、5個程度以上の砥粒数を区切りとして画像を分割することが望ましい。砥粒数がこれより少ないと、砥粒数粒が密集する偏析部分を正確に反映できず、一方で砥粒数を多く定義すると度数分布図の分布幅が狭まり、局所的な砥粒の偏析の違いが見分けられなくなる。精度の高い度数分布図の作成のために断面画像は100以上の分割数が必要であり、より好ましくは200以上の分割が望ましい。
2 (Vg/100)=5×(πD2 /4) ・・・ (1)
x=(500πD2 /4Vg) 0.5 ・・・ (2)
図7および図8に示す実施例1乃至8と比較例1乃至8とは、45体積%以下の砥粒率を有する点で、共通している。図7は、砥石の粒度がF46〜F120の範囲で相互に異なり且つ砥粒体積率Vgが45体積%以下すなわち35乃至45体積%の範囲で相互に異なる6個の砥石試料を図2に示す工程に従って作成した実施例1乃至6と、同様の砥石粒度で同様の工程に従って作成されたが、前記範囲1Dを超える粒径を有する点で相違する比較例1乃至6とについて、図5に示す評価方法により算出された分割領域の1辺xと標準偏差σとを示す図である。これによれば、気孔形成材の平均粒径Pが0.23D≦P≦0.75Dの範囲内であれば、前記度数分布図において標準偏差σが10以下、より正確には9以下となり、標準偏差σが10.2〜11.7である比較例1乃至6に比較して、均質なビトリファイド砥石組織が得られた。また、気孔形成材の平均粒径Pが0.23D≦P≦0.75Dの範囲内であれば、半値幅が26〜32である比較例1乃至6に比較して、度数分布図において半値幅が20以下の均質なビトリファイド砥石組織が得られた。
次に、図8に示す4種のビトリファイド砥石試料すなわち実施例7、実施例8、比較例7、および比較例8は、以下の表2に示す試験条件下で研削加工試験を行なうためのものである。実施例7および実施例8と比較例7および比較例8とは、砥粒の種類、砥粒の粒度および砥粒体積率Vgが同じであり、ビトリファイドボンドの体積率が実施例7および比較例7と実施例8および比較例8とで相違する他、実施例7および実施例8は気孔形成材(120μm)を砥石原料に含むために均質に構成された砥石である点で、比較例7および比較例8と相違する。この結果、図5に示す砥粒面積率の度数分布の評価方法によると、実施例7の標準偏差σは8.56、実施例8の標準偏差σは8.44であるが、比較例7の標準偏差σは11.4、比較例8の標準偏差σは11.2である。因みに、図9は実施例7の断面画像を示し、図10はその実施例7の断面画像から得られた度数分布図および標準偏差を示している。また、図11は比較例7の断面画像を示し、図12はその比較例7の断面画像から得られた度数分布図および標準偏差を示している。
[表2]
研削加工試験条件
研削機械 平面研削盤
研削方法 湿式プランジ研削
加工物 耐熱鋼
テーブル送り速度 20m/min
切込み量 10μm/pass
総切込み 3mm
砥石寸法 205×19×76.2
研削油 水溶性研削液
砥石回転数 3000rpm
図13は、本発明者等が行なった研削加工試験の結果を示している。図13は、砥石単位幅当たりの消費電力を示す軸と研削比を示す軸との二次元座標であって、菱形印は実施例7および実施例8の性能を示し、三角印は比較例7および比較例8の性能を示している。実施例7および実施例8のビトリファイド砥石は、比較例7および比較例8に比較して、消費電力が低く且つ研削比が高い、すなわち切れ味が高く減りにくいという性能を備えている。
図14も、本発明者等が行なった研削加工試験の結果を示している。図14は、砥石幅方向寸法を示す軸と砥石径方向寸法を示す軸との二次元座標に、ビトリファイド砥石の研削面の端すなわちビトリファイド砥石の径方向断面の角を示した図である。白色部分は、研削によって消耗した角形状を示している。図14の(a)は、実施例7の研削加工試験後の角形状を示し、図14の(b)は比較例7の研削加工試験後の角形状を示している。実施例7は、比較例7に比較して70%以下の消耗量である。このことからも、実施例7は、切れ味が高く減りにくいという性能を備えていることが明らかである。
上述のように、本実施例によれば、気孔が砥粒の間に形成された状態で該砥粒がビトリファイドボンドにより結合され、45体積%以下の砥粒率を有する高気孔率のビトリファイド砥石であって、砥石断面における複数箇所の単位面積当たりの前記砥粒を含む固形物の割合である砥粒面積率の度数分布において9以下の標準偏差を有する均質性を備えることから、ビトリファイド砥石断面における砥粒面積率の高い均質性が得られ、砥石の局所的な目詰まりおよび目つぶれと脱落、および被削材の焼けが好適に抑制される。
また、本実施例によれば、砥粒、ビトリファイドボンド、気孔形成材の混合物を成形した後、焼成することにより、気孔が砥粒の間に形成された状態で該砥粒がビトリファイドボンドにより結合され、45体積%以下の砥粒率を有する高気孔率のビトリファイド砥石を製造する高気孔率のビトリファイド砥石の製造方法であって、前記気孔形成材は、前記砥粒の平均粒径の等倍以下の平均粒径を有することから、ビトリファイド砥石断面における砥粒面積率の高い均質性が得られ、砥石の局所的な目詰まりおよび目つぶれと脱落、および被削材の焼けが好適に抑制される。
また、本実施例によれば、気孔形成材は、前記砥粒の分散に寄与し且つ砥粒の偏在に寄与しない範囲の平均粒径が選択され、前記砥粒の平均粒径の0.23倍以上且つ0.75倍以下、或いは、前記砥粒の平均粒径の0.41倍以上且つ0.63倍以下の平均粒径を有するものである。このため、一層、ビトリファイド砥石断面における砥粒面積率の高い均質性が得られ、砥石の局所的な目詰まりおよび目つぶれと脱落、および被削材の焼けが好適に抑制される。気孔形成材の平均粒径が砥粒の平均粒径の0.41倍或いは0.23倍を下まわる場合には、気孔形成材が砥粒の分散に寄与しない割合が高くなる。反対に、気孔形成材の平均粒径が砥粒の平均粒径の0.63倍或いは0.75倍を上まわる場合には、気孔形成材の存在が砥粒の偏在を発生させる割合が高くなる。
また、本実施例によれば、砥粒がビトリファイドボンドにより結合されたビトリファイド砥石の均質性を評価する評価方法であって、前記ビトリファイド砥石断面における複数箇所の単位面積当たりの前記砥粒を含む固形物の割合をそれぞれ測定し、該割合の度数分布の広がりに基づいて評価することから、容易且つ正確にビトリファイド砥石の均質性が評価される。
また、本実施例によれば、前記度数分布から標準偏差値または半値幅が算出され、その標準偏差値または半値幅が小さい程、前記均質性が高く評価されるので、ビトリファイド砥石の均質性が容易且つ正確に評価される。
以上、本発明の一実施例を図面を参照して詳細に説明したが、本発明はこの実施例に限定されるものではなく、別の態様でも実施され得る。
たとえば、前述の実施例では、本発明のビトリファイド砥石が、下地層或いはコアを備えず、全体がビトリファイド砥石組織で構成されたものであったが、下地層或いはコアの上に固着された砥石層に対して適用されてもよい。また、カップ状砥石、ブロック状砥石などの他の種類の砥石の全体または表層に対して適用されてもよい。
なお、上述したのはあくまでも一実施形態であり、その他一々例示はしないが、本発明は、その主旨を逸脱しない範囲で当業者の知識に基づいて種々変更、改良を加えた態様で実施することができる。
10:高気孔率のビトリファイド砥石

Claims (5)

  1. 気孔が砥粒の間に形成された状態で該砥粒がビトリファイドボンドにより結合され、45体積%以下の砥粒率を有する高気孔率のビトリファイド砥石であって、
    砥石断面における複数箇所の単位面積当たりの前記砥粒を含む固形物の割合である砥粒面積率の度数分布図において10以下の標準偏差を有する均質性を備え、
    前記度数分布図は、前記ビトリファイド砥石断面における所定の焦点深度位置での顕微鏡写真の拡大画像を2値化処理することで白黒断面画像を生成し、前記砥粒の平均粒径をDとし、砥粒体積率をVgとするとき、前記白黒断面画像を次式(i)で表される1辺xの枡目で分割して複数の単位領域を設定し、前記単位領域毎に、白色部分の固型物の面積割合を算出し、前記面積割合の大きさを横軸とし、前記分割領域の累計数を縦軸とした度数布図である
    ことを特徴とする高気孔率のビトリファイド砥石。
    x=(500πD/4Vg)0.5 ・・・ (i)
  2. 前記砥粒は、35乃至45体積%の砥粒体積率を備えることを特徴とする請求項1の高気孔率のビトリファイド砥石。
  3. 前記砥粒は35乃至45体積%の砥粒体積率を備えることを特徴とし、前記度数分布図で9以下の標準偏差を有する請求項1の高気孔率のビトリファイド砥石。
  4. 砥粒がビトリファイドボンドにより結合されたビトリファイド砥石の均質性を評価する評価方法であって、
    前記ビトリファイド砥石断面における所定の焦点深度位置での顕微鏡写真の拡大画像を2値化処理することで白黒断面画像を生成し、
    前記砥粒の平均粒径をDとし、砥粒体積率をVgとするとき、前記白黒断面画像を次式(i)で表される1辺xの枡目で分割して複数の単位領域を設定し、
    前記単位領域毎に、白色部分の固型物の面積割合を算出し、
    前記面積割合の大きさを横軸とし、前記分割領域の累計数を縦軸とした度数分布図を作成し、
    前記度数分布図に示される度数分布の広がりを表す標準偏差または半値幅を算出し、
    前記標準偏差または半値幅の大きさに基づいて前記ビトリファイド砥石の均質性を評価する
    ことを特徴とするビトリファイド砥石の均質性評価方法。
    x=(500πD/4Vg)0.5 ・・・ (i)
  5. 前記度数分布から算出された標準偏差値または半値幅が小さい程、前記均質性を高く評価することを特徴とする請求項4のビトリファイド砥石の均質性評価方法。
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