JP4969729B2 - 改良されたおろし器およびおろし装置を作製する方法 - Google Patents

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Description

【0001】
本発明は、チーズ、チョコレートなどの食品を摺りおろすおろし装置またはおろし器およびそのようなおろし装置を作製するための方法に関する。本考案のおろし装置またはおろし器においては、食品の塊がおろし装置の全面に擦りつけられ、食品は微細な薄片にそぎ落とされる。
【0002】
従来技術のおろし装置は、おろし装置の開口に様々に異なる種類の穿孔を用いて、食品を摺りおろす。米国特許第3,581,790号は、プレートの表面を貫通することによりおろし部材が形成され、隆起した尖頭がプレートから実質的にかなりの距離突出しているおろし面を記載している。
【0003】
米国特許第2,804,896号は、金属を貫通または押し出して鋭利な切削エッジを形成することにより、開口が形成されるおろし面を記載している。
【0004】
米国特許第3,589,421号は、開口の周りのおろし面に円周状に配置成型されたスパイクを記載している。
【0005】
他のおろし装置はおろし器の表面にカップ状の開口を形成するか、または鋭利なエッジをまったく備えない扁平な表面を使用している。
【0006】
独国特許第596,405号は、ホールが突出部上に位置するおろし装置を開示する。
【0007】
米国特許第4,185,486号は、いぼ状の孔を形成するための穿刺ツールを開示する。
【0008】
全てのこれらの従来技術のおろし装置は、食品、特にチーズの塊をおろすかまたは粉砕するが、その食品を具合良く削り、そしてそれはおろし装置越しにその食品を押している人により必要とされる努力が最小である様式で、その食品をおろしたり粉砕するものはないようである。
本発明は上記を鑑みてなされたものであり、その目的は、ほどよいそぎ落とし動作を提供し、フレーク状の薄片を生成するが、食品、特にチーズまたはチョコレートの塊をおろし面上にわたり動かすのに最小限の力しか要さない、おろしプレートまたは表面を提供することである。
この目的は、請求項1に従うおろし装置、および請求項13に従うようなおろし装置の製造のための方法により達成される。
本考案のおろし装置は、開口を有するプレートより成り、開口の外辺部に隆起した鋭いエッジを備えるものであって、本考案の重要な特徴は、この隆起したエッジが鋭利であるが、プレートの表面からはわずかに0.508mm(0.02インチ)未満しか延出していないことである。この開口は、プレートにおける穴に隆起したエッジを備えるものでも、プレートにおける穴に挿入物を挿入するものでもよい。
【0009】
(本発明の詳細な説明)
図1は、開口14の複数の列12を有するプレート10を示す。列12は千鳥になっており、隣接する列との間で開口が互いに斜めに並ぶ。プレート10は、好ましくはステンレス鋼からなり、約3.175mm(1/8インチ)以下の厚さである。もちろん正確な寸法は、素材の種類および製作技術によって異なり得る。
【0010】
プレート10は、堅固に取っ手18に取り付けられた延長16を有する。
【0011】
各開口14プレートの穴の対向端24および26のそれぞれの外辺部22に、各開口14が鋭利な隆起エッジ20を備えていることは、本発明の独自の特徴である。食品が片面にのみにわたって擦りつけられることによりプレートが常に使用される場合、所望によりプレートの片面にのみ鋭利な隆起エッジを施してもよい。次いで鋭利な隆起エッジを、開口の対向端24および26の両方に備える場合、プレートを反転させユーザの都合に合わせいずれかの面で使用すればよいという利点を有する。さらに、図13〜図18に示すように、開口は、穴に嵌合するリベットまたは挿入物の形態でもよい。開口とは、隆起した外辺エッジを備える穴、もしくはこの穴に挿入物またはリベットを嵌合した穴を意味し得ることを理解されたい。
【0012】
この開口の鋭利な隆起エッジが、従来技術のように、単に貫通された、あるいは成型された突起またはスパイクではなく、約0.508mm(50分の1インチ)(0.020インチ以下の非常に小さな量のみプレートの側表面から延出する鋭利な隆起エッジの様態で成形されていることも、本考案独自の特徴である。ある実施形態では、鋭利な隆起エッジは、好ましくは0.254mm(100分の1インチ)(0.010インチ)のみ延出する。この鋭いがプレートの表面より僅かのみしか延出しないエッジは、他の種類のおろし器における薄片またはより大きな捻れた断片とは異なり、表面に擦りつけられた食品にそぎ落とし動作を提供し、食品を小さな薄片に粉砕する。
【0013】
好ましい実施形態においては、この鋭利な隆起エッジが開口の端の外辺部全体に沿って備わるが、図10Aおよび図10Bに示すように、外辺部の主要部に沿ってのみ、開口の上の食品の動きに対向する方向に鋭利な隆起エッジを延出するだけでも可能である。図13〜図15も参照されたい。
【0014】
鋭利な隆起エッジは、図6に示すように、まずプレートに穴を形成することを含むプロセスによりステンレス鋼の金属に独特に形成される。次に、穴が形成されたあとで、テーパ状の金属工具または部材30を、図7に示すように第1の方向から穴に押し込んで回転させ、隆起エッジを形成する。穴の対向端にも隆起した鋭利なエッジを望む場合、図8に示すように穴を通じて工具30を反対方向に押し戻す。
【0015】
工具30は、周囲に細長い切削エッジ31を配置され、穴の端の縁に押し当てられ回転されたときに、鋭利な隆起エッジ20を形成する。
【0016】
また、本発明独自のおろしプレートは、図4Aに示すように湾曲した形状に製作することもできる。図4Aでは、湾曲したプレート40が、図1〜図3および図6〜図8の実施形態と同様の様態で鋭利な隆起エッジを形成された開口を有する開口42を、片面のみに備える。本実施形態では、プレートの片面のみに隆起した鋭利なエッジを必要とする。湾曲したプレートは、ハンドル44により回転され得、その上に据えられたホッパーユニット46がチーズの塊50などの食品の片を支持する。突起54を有するプッシャ52が、周知のように回転する湾曲したおろしプレート40に対してチーズを押すために使用され得る。
【0017】
図5Aおよび図5Bは、プレートが円盤60の形である別の実施形態を示し、ここでも図3Aに示す種類の鋭利な隆起エッジを有する開口62を片面にのみ備える。プレート60およびプレート40においては、鋭利な隆起エッジが、プレートの上面にのみ備わっているが、これはこの面が柔らかい食品と接触し得る唯一の表面だからである。このように、プレートの片側のみが使用される場合は、プレートの開口の対向面に鋭利な隆起エッジを有する必要はない。
【0018】
図5Aは、チーズを把持するための突起74を有する回転プレート72を備える従来の円筒形本体70をも示す。プレート72を回転させ、おろしプレート60上でチーズを回転させるためにハンドル78が用いられているあいだ、バネ76はプレート72を下げて保持する。
【0019】
図4および図5の実施形態は、開口の外辺部に鋭利な隆起エッジを備える本発明によるおろしプレートが、静止的(即ち動かずに保持された)または可動的のいずれか、および手動またはモータにより駆動のいずれか等、任意の種類のおろし面に使用し得ることを示すために提供されている。
【0020】
隆起エッジは、開口の外辺部全体に沿って備わる必要はないが、これが開口を形成する好ましい様態である。開口は、本発明による鋭利なエッジが開口の端に形成され得る限り、正方形、三角形、楕円形、および矩形、または任意の非円形の形状であり得る。例えば、図10Aおよび図10Bは、正方形の穴を用い、プレートに沿って食品を擦りつける方向に向かい合って対向した縁にのみ、鋭利な隆起エッジが備わる実施形態である。正方形または矩形の穴に対する鋭利な隆起エッジは、図10Cおよび図10Dに示すように、向かい合って対向する2面のみテーパ状であり他の2つの対向面はテーパ状でないテーパ状部材80を穴に押し込み前後に揺り動かすことで形成し得る。
【0021】
図9は、アルミニウムのようなより柔らかい金属から成るプレート10aの実施形態を示す。本実施形態では、回転するドリルビット85を、プレート10aに直径のより小さい穴を貫通して十分な圧力で押し当て、開口の片側のみの外辺部に沿って鋭利な隆起エッジ20aを形成するよう金属を押す。より大きなドリルビットは、元の開口の直径より約0.381〜0.508mm(0.015インチ〜0.020インチ)大きい。
【0022】
図13は、図1と同様の実施形態であるが、87におけるように鋭利な隆起エッジが切り欠きを有する。本実施形態では、擦りおろしのときに形成される薄片が、より小さな紐状に切断または寸断される。
【0023】
図16〜図18は、プレート10bが湾曲しプラスチックから成る本考案の別の形態を示す。このプレートは、ユーザの掌に適合し得るハウジングまたは取っ手18aに取り付けられる。ハウジングは中空であり、粉砕された食品を放出するための開口端19を有する。しかしながら、図1のような直線の取っ手とともに、湾曲したプレートが使用され得ることを理解されたい。本考案のこの形態では、開口14は、ステンレス鋼などの圧着金属、挿入物またはリベット90などを穴14aに入れることにより形成される。リベットは、硬質プラスチックなど他の硬質素材からも製作し得る。リベットは、プレート10bの内部表面に位置し、プラスチック92の第2層により穴に封入される広がった頭部91を有する。このリベットの下端は、他の実施形態と同量だけ、即ち0.508mm(0.020インチ)以下、好ましくは0.254mm(0.010インチ)、プレートの下側表面に延出する。挿入物またはリベットは、従来のリベット製造技術により製作され得る。このプレートと食品そぎ落とし挿入物の実施形態は、図1のような単一のプレートに直接隆起エッジを形成するものより安価に製造できる。
【0024】
本発明の特定の実施形態を図示、説明してきたが、図示されたこれらの特定の実施形態に本発明が限定されないことは、当業者には明白である。実施形態では、アルミニウムまたはステンレス鋼、好適にはステンレス鋼、などの金属から製作される場合を説明したが、プラスチックから鋭利な隆起エッジを備えるプレートを成型したり、金属、プラスチックまたは他の素材を使用して、図17に示すように、プラスチックまたは他の金属に挿入物を埋め込むことも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 取っ手を備え本発明の原理を実施したおろし器の図である。
【図2】 図1に示すおろし器の側面図である。
【図3A】 図1に示すおろし器の開口の1つを拡大した部分の細部を示す図である。
【図3B】 図3Aに示す細部の上面図である。
【図4A】 本発明の原理を示すおろし器の別の実施形態を表す図である。
【図4B】 図3Aと同様の方法において形成されているが、隆起したエッジを片面のみに有する開口の1つを拡大した断片の細部を示す図である。
【図5A】 本発明の原理を示すさらに別の実施形態を示す図である。
【図5B】 図3Aと同様の方法において形成されているが、隆起したエッジを片面のみに有する開口の1つを拡大した断片の細部を示す図である。
【図6】 おろしプレートの開口の外辺に所望の鋭利なエッジを形成するのに用いられる方法の1つの方法ステップを示す図である。
【図7】 おろしプレートの開口の外辺に所望の鋭利なエッジを形成するのに用いられる方法の1つの方法ステップを示す図である。
【図8】 おろしプレートの開口の外辺に所望の鋭利なエッジを形成するのに用いられる方法の1つの方法ステップを示す図である。
【図9】 アルミニウムなどの軟金属の片面のみに備わる、開口の外辺に所望の鋭利なエッジを形成するのに用いられる別の方法ステップを示す図である。
【図10A】 正方形の開口を備える別の実施形態の図である。
【図10B】 正方形の開口を備える別の実施形態の図である。
【図10C】 図10Aおよび図10Bの実施形態を作成する方法の図である。
【図10D】 図10Aおよび図10Bの実施形態を作成する方法の図である。
【図11】 穴の周辺に隆起エッジを形成するための、ステンレス鋼などの素材による独自の切削工具の図である。
【図12】 図11の工具の底面端面図である。
【図13】 本発明の別の実施形態の上面図である。
【図14】 図13の線14−14に沿った断面図である。
【図15】 図14の矢印15−15の方向から見た断片的上面図である。
【図16】 本発明の別の実施形態の長手軸方向の断面図である。
【図17】 図16の参照符号17に沿った断片的細部の図である。
【図18】 図16に示すおろし器の底面図である。

Claims (12)

  1. 食品のためのおろし器であって、
    対向する側面を有するプレートと、
    該プレートにおける複数の開口であって、それぞれの開口が外辺部および内部側壁を備える端を有する開口と、
    を備える、食品のためのおろし器であって、
    それぞれの開口は、鋭利な隆起エッジを備え、該鋭利な隆起エッジは、該プレートの側面から外向きに延出し、そして該開口の実質的に外辺部全体に沿ってり端で終端し、該開口は、該プレートの側面に対して実質的に垂直に位置する内部側壁を有し、
    り端は、該プレートの該側面から外へ0.508mm(0.020インチ)以下延出し、
    り端は、食物をおろすための削りエッジを提供する、
    食品のためのおろし器。
  2. それぞれの開口が外辺部を備えた第2の対向端を有し、該第2の対向端のそれぞれに同様の隆起エッジが形成される、請求項1に記載のおろし器。
  3. 前記プレートが扁平であり、該プレートに取り付けられた取っ手を含む、請求項1に記載のおろし器。
  4. 前記プレートが曲率中心に沿って湾曲し、その曲率中心に沿って該プレートを回転させる手段を含む、請求項1に記載のおろし器。
  5. 前記プレートが扁平かつ円形であり、該円形プレートに沿って食品を動かすための手段を含む、請求項1に記載のおろし器。
  6. 前記開口が前記プレートの穴に嵌合される挿入物を含み、該挿入物の端が該プレートの前記側面を超えて外側に延出し前記り端を形成している、請求項1に記載のおろし器。
  7. 前記り端が前記プレートの表面から0.254mm(0.010インチ)以下で延出する、請求項6に記載のおろし器。
  8. 前記プレートが僅かに湾曲しており、中空のハウジングが取り付けられて該プレートを支持し、該ハウジングは摺り下ろされた食品を放出する開口部を有する、請求項1に記載のおろし器。
  9. 前記り端が前記開口の端の全外辺部に沿って完全に備わる、請求項1に記載のおろし器。
  10. 前記開口が四角形である、請求項1に記載のおろし器。
  11. 前記り端が、前記開口の前記外辺部の径の向かい合う対向面のみに備わる、請求項10に記載のおろし器。
  12. 前記り端が前記プレートの前記側面から0.254mm(0.010インチ)以下で延出する、請求項1に記載のおろし器。
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