JP4923727B2 - 車載用割込み情報交換装置、プログラム及び方法 - Google Patents

車載用割込み情報交換装置、プログラム及び方法 Download PDF

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Description

本発明は、割込み要求を他車に送信する場合には該割込み要求に対して自車の運転者に関する情報を付加するとともに、割込み要求を他車から受信した場合には、割込みが希望されている旨とともに、該他車の運転者に関する情報を併せて提示するようにした車載用割込み情報交換装置、プログラム及び方法に関する。
近年、カーナビゲーションシステムは目覚しい発展を遂げ、ユーザはカーナビゲーションシステムを介して様々な情報を取得することができる。しかし、これらの情報は何らかの測定に基づいて得られるものであり、他のドライバの意思や感情のような、測定することができない情報については、カーナビゲーションシステムからは得ることはできない。他の車両に対して自分の意思や感情を伝えるには、従来、クラクションを鳴らす、ヘッドライトをパッシングさせる、手を挙げる、頭を下げる等の方法が用いられているが、どの方法を用いるにしても、相手に気付かれなければ意味がない。そこで、枝道から幹道への割込み時や、狭道での他車との対向時等において、ドライバの意思を相手に伝えるために車車間通信を利用する提案がなされている(たとえば特許文献1参照)。
特開2004−118608号公報
しかしながら、上述の車車間通信を利用する従来技術によれば、割込みを行う場合、割込みを行いたいという基本的な情報は伝えることはできるが、割込みのためにどの程度の時間待っているのか、割込み待ちをしているのはどのようなドライバ、たとえば初心者であるのか又は高齢者であるのか等の、ドライバの状態に関する情報までは伝えることができない。したがって、割込み許可を与える側では、相手側ドライバの状態等を知ることができず、どのような相手に対しても一意的な判断しかすることができない。また、互いの意思を表現する手段としては、パッシング等の機械的なものしかないため、感謝の意を表すにしても人間味が足りない。
本発明の目的は、このような従来技術の問題点に鑑み、車両間において割込み要求や割込み許可等に関する情報を交換する際に、割込みを許可するか否かの判断を、より多面的な見地から行うことができるようにすることにある。
上記目的を達成するため、第1の発明に係る車載用割込み情報交換装置は、他車に搭載された通信手段との間で通信を行う通信手段と、割込みを希望する旨を示す割込み要求を前記通信手段により他車に送信する割込み要求送信手段と、前記割込み要求送信手段により送信する割込み要求に対し、自車の運転者に関する情報を付加する情報付加手段と、他車からの前記割込み要求を前記通信手段により受信する割込み要求受信手段と、前記割込み要求受信手段により受信した割込み要求に基づき、割込みが希望されている旨及び該割込み要求に含まれる運転者に関する情報の内容を提示する割込み要求提示手段とを具備することを特徴とする。
ここで、車載用割込み情報交換装置としては、たとえば、カーナビゲーション装置に組み込まれたものが該当する。通信手段としては、たとえば、無線LANや、DSRC(専用狭域通信)、ブルートゥース、赤外線を利用したものが該当する。運転者に関する情報としては、たとえば、運転者が割込み待ちを行っている時間や運転者の運転技能に関する情報が該当する。
この構成において、割込み要求の送信に際しては、割込み要求に対し、自車の運転者に関する情報が付加され、同時に送信される。一方、このような割込み要求を受信した場合には、受信した割込み要求に基づき、割込みが希望されている旨及び該割込み要求に含まれる運転者に関する情報の内容が提示される。したがって、運転者は、割込みを希望する場合には、相手側の運転者に対し、自身に関する情報を伝え、より多面的な観点から、割込み許否の判断を行ってもらうことができる。また、割込み要求を受けた場合には、相手側の運転者に関する情報を参照し、より多面的な観点から、割込み許否の判断を行うことができる。
第2の発明に係る車載用割込み情報交換装置は、第1発明において、前記運転者に関する情報には、運転者が割込み待ちをしている時間、運転者の運転技量、運転者が初心者であるか否か、又は運転者が高齢者であるか否かに関する情報が含まれることを特徴とする。
第3の発明に係る車載用割込み情報交換装置は、第1又は第2発明において、前記情報付加手段は、前記割込み要求送信手段により送信する割込み要求に対し、自車の車種及び車色に関する情報を付加するものであり、前記割込み要求提示手段は、前記割込み要求受信手段により受信した割込み要求に含まれる車種及び車色に関する情報に基づき、該割込み要求を送信した他車を模した画像を表示するものであることを特徴とする。
第4の発明に係る車載用割込み情報交換装置は、第3発明において、前記割込み要求提示手段は、前記他車を模した画像を、前記割込み要求受信手段により受信した割込み要求に含まれる運転者に関する情報に基づき、該運転者の様子を現す擬人化したものとして表示するものであることを特徴とする。
第5の発明に係る車載用割込み情報交換装置は、第1〜第4のいずれかの発明において、前記割込み要求送信手段は、自車について、ウィンカの点滅が開始され、かつブレーキ操作により車速が所定以下になった場合に、前記割込み要求の送信を行うものであることを特徴とする。
第6の発明に係る車載用割込み情報交換装置は、第1〜第5のいずれかの発明において、前記割込み要求提示手段は、前記受信した割込み要求に基づく提示を、割込み地点までの距離が所定距離以下であることを条件として行うものであり、かつ該所定距離を、自車の走行速度に応じて変更するものであることを特徴とする。
第7の発明に係る車載用割込み情報交換装置は、第1〜第6のいずれかの発明において、前記他車からの割込み要求の受信があったとき、ブレーキ操作により自車が減速又は停止したことに応答して、割込みを許可する旨を示す割込み許可を前記通信手段により当該他車に送信する割込み許可送信手段を有することを特徴とする。
第8の発明に係る車載用割込み情報交換装置は、第1〜第6のいずれかの発明において、前記他車からの割込み要求の受信があったとき、運転者の操作に基づいて、割込みを許可する旨を示す割込み許可を前記通信手段により当該他車に送信する割込み許可送信手段と、他車から前記割込み許可を前記通信手段により受信する割込み許可受信手段と、前記割込み許可受信手段により割込み許可を受信したことに応答して、お礼を示す動作を行っているキャラクタの画像データ又はお礼を述べるメッセージの音声データを含むお礼情報を前記通信手段により該他車に対して送信するお礼情報送信手段と、他車から前記お礼情報を前記通信手段により受信するお礼情報受信手段と、前記お礼情報受信手段が受信したお礼情報に基づき、お礼を示す動作を行っているキャラクタの画像データの表示又はお礼を述べるメッセージの音声出力を行うお礼提示手段とを有することを特徴とする。ここで運転者の操作としては、たとえば、音声コマンドによる入力やブレーキ操作が該当する。キャラクタの画像データは、静止画又は動画のいずれの画像データであってもよい。
第9の発明に係る車載用割込み情報交換装置は、第1〜第6のいずれかの発明において、前記他車からの割込み要求の受信があったとき、運転者の操作に基づいて、割込みを許可する旨を示す割込み許可を前記通信手段により当該他車に送信する割込み許可送信手段と、前記割込み許可送信手段による割込み許可の送信により割込みを許可した回数を記録する許可回数記録手段とを備えることを特徴とする。
第10の発明に係る車載用割込み情報交換装置は、第1〜第9の発明に係るいずれかの装置における各手段としてコンピュータを機能させることを特徴とする。
第11の発明に係る車載用割込み情報交換方法は、他車に搭載された通信手段との間で通信を行う通信工程と、割込みを希望する旨を示す割込み要求を前記通信工程により他車に送信する割込み要求送信工程と、前記割込み要求送信工程において送信する割込み要求に対し、自車の運転者に関する情報を付加する情報付加工程と、他車からの前記割込み要求を前記通信工程により受信する割込み要求受信工程と、前記割込み要求受信工程により受信した割込み要求に基づき、割込みが希望されている旨及び該割込み要求に含まれる運転者に関する情報の内容を提示する割込み要求提示工程とを具備することを特徴とする。
本発明によれば、送信する割込み要求に対し運転者に関する情報を付加するとともに、受信した割込み要求に含まれる運転者に関する情報を提示するようにしたため、割込み要求を受信した側の運転者は、割込み拒否の判断を、より多面的な見地から行うことができる。
また、運転者に関する情報には、運転者が割込み待ちをしている時間、運転者の運転技量、運転者が初心者であるか否か、又は運転者が高齢者であるか否かに関する情報が含まれるようにしたため、割込み要求を受信した側の運転者は、割込み許否の判断を、より人間的な見地から行うことができる。
また、割込み要求に含まれる車種及び車色に関する情報に基づき、該割込み要求を送信した他車を模した画像を表示するようにしたため、割込み要求を受信した側の運転者は、割込み要求を発した車両を容易に特定することができる。
また、他車を模した画像を、受信した割込み要求に含まれる運転者に関する情報に基づき、該運転者の様子を現す擬人化したものとして表示するようにしたため、割込み要求を受信した側の運転者は、割込み要求を発した側の運転者の様子を、視覚的に一目で認識することができる。
また、ウィンカの点滅が開始され、かつブレーキ操作により車速が所定以下になった場合に、割込み要求の送信を行うようにしたため、適切な状況において、運転者の指示によることなく、割込み要求の送信を行うことができる。
受信した割込み要求に基づく提示を、割込み地点までの距離が所定距離以下であることを条件として行う場合に、該所定距離を、自車の走行速度に応じて変更するようにしたため、走行速度に応じた適切なタイミングで割込み要求に基づく提示を行うことができる。
割込み要求の受信があったとき、ブレーキ操作により自車が減速又は停止したことに応答して割込み許可を送信するようにしたため、適切な状況において、運転者の指示によることなく、割込み許可の送信を行うことができる。
また、割込み許可を受信したことに応答してお礼情報を送信するとともに、お礼情報を受信した場合には、該お礼情報に基づき、お礼を示す動作を行っているキャラクタの画像データの表示又はお礼を述べるメッセージの音声出力を行うようにしたため、謝意をより人間的に表すことができる。
また、割込みを許可した回数を記録するようにしたため、その回数に応じた種々のサービスの提供を受けることができるようにして、譲合いの精神を向上させ、慣習化させるのに寄与することができる。
図1は本発明の一実施形態に係るエージェント装置を示すブロック図である。なお本実施形態においては、エージェントとは、ユーザの行動に基づいてユーザの意思を推測し、ユーザによる機器の操作を補助する機能であって、そのキャラクタを具現化した画像及び音声データを有するものを意味する。また、エージェント装置は、そのような機能を有する専用の装置である必要はなく、ナビゲーション装置等において、同様の機能を有するものとして組み込まれたものであってもよい。
同図に示すように、このエージェント装置は、装置各部の制御を行い、装置各部からの情報に基づいて必要な情報処理を行うエージェント処理部11、エージェント処理部11が外部との通信を行うための通信装置12、並びにユーザとのインタフェースとして機能する入力装置13及び出力装置14を備える。また、エージェント処理部11における処理に必要な計時情報、車両に関する情報、及び現在位置に関する情報をエージェント処理部11にそれぞれ提供するタイマ15、車両情報検出部16、及び位置情報検出部17を備える。さらに、エージェント処理部11が使用するデータベースとして、ナビゲーション用の地図データベース18、エージェント画像のデータベース19、及びユーザ情報に関するデータベース20を備える。地図データベース18としては、エージェント装置が組み込まれたナビゲーション装置において使用されるものを用いることができる。
入力装置13は、ユーザによる入力を受け付ける装置であり、リモコンやタッチパネルを用いて構成することもできるが、本実施形態においてはマイク等の音声入力装置により構成される。入力装置13及びエージェント装置11間には、入力装置13からの音声信号に対して音声認識処理を行い、その結果をエージェント処理部11に供給する言語解析部21が設けられている。
出力装置14はユーザに対し、画像表示による出力を行うための画像表示部14a及び音声による出力を行うための音声出力部14bを備える。画像表示部14aはたとえばディスプレイを用いて構成される。音声出力部14bはたとえばスピーカを用いて構成される。エージェント処理部11及び画像処理部14a間にはエージェント処理部11から供給される画像データに基づいて画像表示部14aに対する描画処理を行う描画処理部22が設けられている。また、エージェント処理部11及び音声出力部14b間には、エージェント処理部11から供給されるテキストデータに基づいて音声データを生成し、音声出力部14bに出力する音声合成処理部23が設けられている。音声合成処理部23は、エージェント音声データベース24を複数参照し、複数の話者としての発話を行う機能を有する。音声出力部14bは、音声合成処理部23から供給される音声データをD/A変換してアナログ音声信号をスピーカに供給し、音声を出力する。画像表示部14aは視覚的な面でのインタフェースをサポートする。
エージェント画像データベース19には、ディスプレイに出力するエージェントの画像データが格納されている。エージェントの画像データとして複数のキャラクタの画像データを用意することによって、複数のエージェントを再現することができる。なお、その場合、それぞれ個別のエージェント音声データベース24を用意する必要がある。
ユーザ情報のデータベース20には、車車間通信時に送信される自車両やユーザに関する情報が記録されている。これらの情報は、ユーザによって予め入力装置等により入力される。車両情報検出部16は、各種センサの出力に基づき、車両の現在の状態、たとえばウィンカやブレーキの状態、車速等を取得し、エージェント処理部11に供給する機能を有する。位置情報検出部17は、GPS等により自車両の現在の位置情報を検出し、エージェント処理部11に供給する機能を有する。通信装置12は、同様のエージェント機能を有する他の車載装置との通信を行うためのものである。通信方式としては、無線LAN、DSRC、ブルートゥース、赤外線等の種々のものを採用することができる。
図2は割込みが必要な状況を例示する。図中の26は脇道、27は脇道26が合流している幹線道路、Aは脇道26から幹線道路27上の車列に対して割込みを行おうとしている車両、Bは脇道26から幹線道路27への合流地点へ近づきつつある車両である。車両B及びその後続車両は車両Aの割込みを許可し得る状況にある。車両A及びBは本実施形態にかかるエージェント装置を搭載している。
図3及び図4はエージェント装置のエージェント処理部11における処理の一部を示すフローチャートである。図3では、車両が脇道から幹線道路へ合流したり、駐車場から道路へ出たりするために、割込みを行うことが必要な状況となり得る場合の処理を示している。図4では、このような割込みを許可し得る状況となるような場合の処理を示している。今、図2のような状況において、車両Aにおいて図3の処理が行われ、車両Bにおいて図4の処理が行われるものとする。これらの処理は、所定のプログラムに従って行うことができる。
車両Aにおいては図3に示すように、エージェント処理部11は、ステップ31において、車両Aが割込みが必要な状態となるのを待機している。たとえば図2に示すように、脇道26から幹線道路27へ出ようとするとき、車両Aのドライバは、ウィンカを点滅させ、車両Aを停止させる。したがって、エージェント処理部11は、位置情報検出部17からの情報に基づき、車両が停止し、ウィンカの点滅の開始を検出したとき、割込みが必要な状況に至ったと判定することができる。なお、ドライバによる「入れて」等の音声コマンドの発話を言語解析部21を経て認識し、この音声コマンドの入力に基づいて、割込みが必要な状況になったことを判定するようにしてもよい。
割込みが必要な状況に至ったことを検出すると、車両Aのエージェント処理部11はステップ32へ進み、周囲の車両に対し、割込みを希望する旨を示す割込み要求の送信を行う。このとき、割込み要求に対し、他車がその割込み要求を許可するか否かの判断材料となるような種々の情報を付加し、これらの情報を同時に送信する。この付加情報としてはたとえば、大型、小型等の車両の種類、車両の色、位置、ウィンカの指示方向、進行方向等の車両に関する情報や、車両Aのドライバに関する情報や、車両Aのナビゲーション装置において設定されているルートに関する情報が該当する。ドライバに関する情報してはたとえば、割込み待ちをどの程度の時間継続して行っているか(以下、「割込み待時間」という。)、初心者であるか、高齢者であるかといった情報が該当する。割込み待時間はたとえば、割込み要求の送信を開始してからの経過時間として取得することができる。
そして、エージェント処理部11は、ステップ33において割込みの終了を検出し、又はステップ34において他車たとえば車両Bから割込みを許可する旨を示す割込み許可を受信したことを検出するまで、ステップ35において割込み待時間をカウントしながら、ステップ32における割込み要求の発信を継続する。割込みが終了したことの検出は、たとえば、ウィンカの点滅が停止したことや、車両の位置、ドライバが発する「ありがとう」等の音声コマンドに基づいて行うことができる。
ステップ33において割込みの終了を検出すると、ステップ36へ進み、割込み要求の発信を停止し、図3の処理を終了する。ステップ34において割込み許可を受信したことを検出した場合には、ステップ37へ進んで割込み要求の発信を停止する。さらにステップ38において、受信した割込み許可に付随する、割込み許可を送信した車両たとえば車両Bに関する情報を画像表示部14aにおいて表示するとともに、音声出力部14bにより、その情報が表示されている車両により割込みが許可された旨を案内する所定の音声案内を出力する。なお、割込み許可に付随する情報としては、たとえば、割込み許可を送信した車両の車種や色が該当する。割込み許可を送信した車両に関する情報の表示に際しては、その車両の車種や色に基づき、その車両を模した図形を表示するようにしてもよい。
次に、ステップ39において、割込みが終了するのを待機する。割込みが終了したことを検出すると、ステップ40において、割込み許可を送信した車両に対し、割込みを許可してくれたことに対する謝意を示すためのお礼情報を送信し、図3の処理を終了する。お礼情報には、お礼のメッセージを述べる動作を行っているエージェントを現したキャラクタの画像データ、及びそのメッセージの音声データが含まれる。
割込みが終了したことの検出は、ウィンカの点滅が停止したことや、車両の位置情報、ドライバが発する「ありがとう」などの音声コマンドのいずれか又はそれらの任意の組合せに基づいて行うことができる。なお、エージェントの画像データや音声データの代わりに、ドライバ本人の画像データやドライバ本人の発話による音声データを送信するようにしてもよい。その場合、お礼に込められる人間味がより増加することになる。
一方、車両Bのエージェント装置におけるエージェント処理部11は、図4に示すように、ステップ41において、割込み要求の受信を待機している。車両Aからの割込み要求を受信すると、ステップ42へ進み、その割込み要求が車両Bに関係があり、割込みを許可し得る状況にあるか否かを判定する。この判定は、受信した割込み要求に付随する車両Aの位置及び進行方向に関する情報、車両Bの位置及び進行方向に関する情報、並びに地図データベース18の地図情報等に基づいて行うことができる。
ステップ42において割込みを許可し得る状況にあると判定した場合には、ステップ43において、車両Aに関する情報を表示し、割込みを希望する車両Aがある旨の音声案内を行うとともに、車両Bのドライバに対し、割込みを許可するか否かの判断を求める。車両Aに関する情報の表示には、受信した割込み要求に付随する情報に基づき、車両Aの車種やその色を模倣した車両Aのアイコン、及び割込み待時間等の車両Aのドライバに関する情報の表示を含めることができる。
この場合、表示する車両Aのアイコンとして車を擬人化したものなどを用い、ドライバに関する情報の内容に応じてそのアイコンを変化させることにより、割込み待ちをしている車両Aのドライバの感情や状態をより詳細に表現することができる。たとえばアイコンを、割込み待時間の経過に伴い、徐々にくたびれた顔つきのものに変化させたり、車両Aのドライバが初心者であれば、子供っぽい顔つきのものとしたり、高齢者であれば年寄り風の顔つきのものにしたりすることができる。
次に、ステップ44において、ドライバが割込みを許可すると判断したかどうかを判定する。車両Bのドライバは、表示された割込み待時間や初心者かどうか等のドライバに関する情報を参考にして、割込みを許可するか否かを判断することがでる。そして、割込みを許可する場合には、車両Bを減速させ又は一時停止させる。したがって、エージェント処理部11は、この減速や一時停止の検出に基づいて、ドライバが割込みを許可したことを判定することができる。この場合、ステップ45へ進み、車両Aに対して割込み許可を送信し、同時にヘッドライトをパッシングさせることにより、車両Aを含む周囲の車両に対して、割込みを許可した旨の意思表示を行う。
なお、ドライバが割込みを許可したかどうかの判定は、ブレーキ操作や車速に基づいて行うのみならず、ドライバが発する「オーケー」、「どうぞ」等の音声コマンドに基づいて行うようにしてもよい。また、ステップ42において車両Aの割込みに関係がないと判定した場合や、ステップ44において車両Aの割込みを拒否したと判定した場合には、直ちに図4の処理を終了し、再度ステップ41における割込み希望の受信を待機する状態に戻る。
ステップ45の処理の後、ステップ46において、車両Aのエージェント装置からのお礼情報の受信を待機する。お礼情報を受信すると、ステップ47へ進み、お礼情報に含まれるデータに基づき、画像表示部14aの画面上に車両Aのエージェント装置によるエージェントを現わす画像を表示するとともに、車両Aからのお礼のメッセージを再生する。この後、図4の処理を終了する。
なお、割込みを許可し、お礼情報を受信した車両Bに対してポイントを付与するとともに、そのポイントを利用したサービスなどを提供するようにすることによって、混雑時における譲り合いの精神を向上させる効果をも期待することができる。つまり、割込み許可の送信又はお礼情報の受信又はこれらの双方を行った回数をポイント値としてエージェント処理部11がカウントし、得られた累計ポイント数に応じたサービスを、ガソリンスタンド等において受けることができるようにすることができる。また、割込み要求の送信時に、それまでの累計ポイントも併せて送信するようにすれば、相手側に対し、割込みを希望するドライバの人となりを伝えるのに役立たせることもできる。
図5は図3及び図4の処理において画像表示部14aに表示され、及び音声出力部14bにより出力される音声を例示する。図5中の(a)はステップ43の処理により車両Bにおいて提示される画像及び音声を示しており、(b)はステップ38の処理により車両Aにおいて提示される画像及び音声を示しており、(c)はステップ47の処理により車両Bにおいて提示される画像及び音声を示している。
車両Bのエージェント装置は、車両Aからの割込み要求を受信すると、図5(a)に示すように、「割込み希望あり」の文字列51を表示するとともに、割込み要求に付随するデータに基づき、車両Aのアイコン52、並びに、割込み待ち時間及びドライバが初心者である旨を示す文字53を表示する。また、車両Bのエージェント処理装置によるエージェントを現すキャラクタ54を表示するとともに、その音声として、「割込みを希望している車が居ます。割込みを許可しますか?」との音声出力55を行う。
一方、車両Bからの割込み許可を受信すると、車両Aのエージェント装置は、図5(b)に示すように、「割込みOK!」の文字列56、及びエージェントを現すキャラクタ57を表示するとともに、キャラクタ57の音声として、「割込みを許可してくれる車がありました。」との音声出力58を行う。なお、図では示されていないが、割込み許可に付随するデータに基づき、車両Bやそのドライバに関する情報を併せて表示するようにしてもよい。
この後、割込みが終了した車両Aからお礼情報を受信すると、図5(c)に示すように車両Bのエージェント装置は、お礼情報に含まれるデータに基づき、「Thanks!」の文字列59、及び車両Aのエージェント装置によるエージェントを現すキャラクタ60を表示すると同時に、キャラクタ60の音声として、「ありがとうございました。」の音声出力61を行う。
図6は図4中のステップ42における処理を、ナビゲーション装置における設定ルートに基づいて行う場合の詳細を示すフローチャートである。ステップ62において、車両Aから割込み要求を受信すると、ステップ63において、車両Bのエージェント処理部11は、車両Aに対して車両Bが近づきつつあるかどうかを、車両Bの位置及び割込み要求に付随する車両Aの位置情報に基づいて判定する。近づきつつあると判定した場合には、ステップ64に進み、割込み地点以降における車両A及びBの進行予定方向が同一か否かを判定する。
この判定は、車両Aからの割込み要求に付随する車両Aのナビゲーション装置において設定されているルートに関する情報、及び車両Bのナビゲーション装置において設定されているルートに関する情報を用いて行う。すなわち両設定ルートを比較し、割込み地点以降のルートが同一であれば、車両A及びBの進行予定方向が同一であると判定することができる。進行予定方向が同一であると判定した場合には、ステップ65において、車両Bは車両Aの割込みに関係しており、割込みを許可し得る状況にある旨の決定を行い、図6の処理を終了する。
ステップ63において車両Aに対し車両Bが近づきつつあることはないと判定した場合には、車両Bは車両Aの割込みとは無関係であるため、ステップ66において、割込みを許可し得る立場にはない旨の決定を行い、図6の処理を終了する。また、車両Aに対して車両Bが近づきつつあるにしても、ステップ64において車両A及びBの進行予定方向が同一ではないと判定した場合にはやはり車両Bは車両Aの割込みとは無関係であるため、ステップ66において、割込みを許可し得る立場にはない旨の決定を行い、図6の処理を終了する。
図6の処理によれば、車両Bにおいて、車両Aの割込みに関係するかどうかの判定を、確実に行うことができる。たとえば、図7のように、幹線道路27に対して脇道26が合流している地点とほぼ同一地点において、脇道26とは反対方向から脇道71が合流しており、かつ車両Aの割込み待ちと同時に車両Cが脇道71からの割込み待ちをしているとすれば、双方の脇道26及び71との合流地点に近づきつつある車両Bは、車両A及びC双方からの割込み要求をほぼ同時に受信することになる。
この場合、車両Bのエージェント装置は、車両A及びCからの割込み要求に付随する各ルート情報と、車両Bのナビゲーションン装置に設定されているルート情報とに基づき、割込み地点以降のルートが一致するのは車両Aのルートである旨を判定し、車両Aに対しては割込み許可を与え得る状況にあり、車両Cに対しては割込み許可を与え得る状況にはない旨の決定を行うことができる。車両Bのエージェント装置は、この決定、及び車両Aからの割込み要求に付随する車両Aの位置情報やルート情報等に基づき、ナビゲーション装置のナビゲーション画面において、車両Aの位置、進行方向、割込み方向等を矢印等によって表示することができる。その際、矢印を点滅させて、割込み待ちである旨を一目で認識できるように現すこともできる。
なお、車両Aの進行ルートを、車両Aからの割込み要求に付随する設定ルートの情報によって把握する代わりに、車両Aからの割込み要求に付随するウィンカの指示方向に関する情報等に基づいて把握するようにしてもよい。ただし、高速道路等への侵入等のように併走しながら割り込んでゆく場合には、上述の脇道からの割込みの場合とは、ウィンカの指示方向が逆になる点を考慮する必要がある。このような場合があることを考慮すると、上述のように、ナビゲーション装置における設定ルートに基づいて車両Aの進行ルートを把握するのが好ましい。
本実施形態によれば、車両Aが送信する割込み要求に対し、割込み待時間や運転技量等のドライバに関する情報を付加するようにしたため、割込み要求を受信する車両Bに対して車両Aの状況を詳細に伝えることができる。また、割込み待時間の長さや運転技量の如何によっては、これらの情報は、車両Bのドライバが割込みを許可するかどうかの判断を行ううえでの好材料にもなり得る。たとえば、進行方向に対し、両側の脇道の各車両から同時に割込み要求を受信した場合、いずれか一方の車両のドライバが初心者であったり、割り込み待時間が長時間であったりすれば、その車両に対してのみ割込みを許可するといったような判断を容易に行うことができる。
また、割込みを許可された車両Aがエージェントの画像データ及び音声データを含むお礼情報を車両Bに送信し、車両Bではお礼情報に基づいて車両Aのエージェントによるお礼を再生するようにしたため、車両間の通信によるものであるにも拘わらず、割込み情報の交換を人間味のある表現をもって行うことができる。
また、割込みを許可した車両Bに対し、ポイント数に応じた内容の各種サービスを受けることができるポイントを付与するようにしたため、譲り合いを促進し、譲り合いの習慣を定着させることができるという効果も期待することができる。
また、車両Aからの割込み要求に対し、車両Aのナビゲーション装置において設定されているルートに関する情報を付随させるようにしたため、車両Bにおいて、車両Aの割込みに関係するかどうかの判定を、確実に行うことができる。
なお、本発明は上述の実施形態に限定されることなく適宜変形して実施することができる。たとえば、上述においては、受信した割込み要求に基づく図4のステップ43における提示(図5(a))を、自車が割込みを許可し得る状況にあると判定した場合に行うようにしているが、これに加え、割込み地点までの距離が所定距離以下となったことをも条件とし、この所定距離を、走行速度に応じて変化させるようにしてもよい。たとえば図5(a)の表示を、高速走行中に割込み要求を受信した場合には、割込み地点よりもかなり前で行うようにし、低速走行中に割込み要求を受信した場合には、割込み地点に対して、より接近してから行うようにすることができる。
本発明の一実施形態に係るエージェント装置を示すブロック図である。 割込みが必要な状況を例示する図である。 図1の装置のエージェント処理部における処理の一部を示すフローチャートである。 図1の装置のエージェント処理部における処理の別の一部を示すフローチャートである。 図3及び図4の処理において表示され、及び出力される音声を例示する図である。 図4中のステップ42における処理を、ナビゲーション装置における設定ルートに基づいて行う場合の詳細を示すフローチャートである。 割込みが必要な別の状況を例示する図である。
符号の説明
11:エージェント処理部、12:通信装置、13:入力装置、14:出力装置、15:タイマ、16:車両情報検出部、17:位置情報検出部、18:地図データ、19:エージェント画像データベース、20:ユーザ情報データベース、21:言語解析部、22:描画処理部、23:音声合成処理部、24:エージェント音声データベース、26,71:脇道、27:幹線道路、A,B:車両、51,56,59:文字列、52:車両のアイコン、53:文字、54,57,60:キャラクタ、55,58,61:音声出力。

Claims (10)

  1. 他車に搭載された通信手段との間で通信を行う通信手段と、
    割込みを希望する旨を示す割込み要求を前記通信手段により他車に送信する割込み要求送信手段と、
    前記割込み要求送信手段により送信する割込み要求に対し、自車の運転者に関する情報を付加する情報付加手段と、
    他車からの前記割込み要求を前記通信手段により受信する割込み要求受信手段と、
    前記割込み要求受信手段により受信した割込み要求に基づき、割込みが希望されている旨及び該割込み要求に含まれる運転者に関する情報の内容を提示する割込み要求提示手段とを具備し、
    前記割込み要求提示手段は、前記受信した割込み要求に基づく提示を、割込み地点までの距離が所定距離以下であることを条件として行うものであり、かつ該所定距離を、自車の走行速度に応じて変更するものであることを特徴とする車載用割込み情報交換装置。
  2. 前記他車からの割込み要求の受信があったとき、運転者の操作に基づいて、割込みを許可する旨を示す割込み許可を前記通信手段により当該他車に送信する割込み許可送信手段と、
    前記割込み許可送信手段による割込み許可の送信により割込みを許可した回数を記録する許可回数記録手段とを備えることを特徴とする請求項に記載の車載用割込み情報交換装置。
  3. 前記運転者に関する情報には、運転者が割込み待ちをしている時間、運転者の運転技量、運転者が初心者であるか否か、又は運転者が高齢者であるか否かに関する情報が含まれることを特徴とする請求項1又は2に記載の車載用割込み情報交換装置。
  4. 前記情報付加手段は、前記割込み要求送信手段により送信する割込み要求に対し、自車の車種及び車色に関する情報を付加するものであり、
    前記割込み要求提示手段は、前記割込み要求受信手段により受信した割込み要求に含まれる車種及び車色に関する情報に基づき、該割込み要求を送信した他車を模した画像を表示するものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の車載用割込み情報交換装置。
  5. 前記割込み要求提示手段は、前記他車を模した画像を、前記割込み要求受信手段により受信した割込み要求に含まれる運転者に関する情報に基づき、該運転者の様子を現す擬人化したものとして表示するものであることを特徴とする請求項に記載の車載用割込み情報交換装置。
  6. 前記割込み要求送信手段は、自車について、ウィンカの点滅が開始され、かつブレーキ操作により車速が所定以下になった場合に、前記割込み要求の送信を行うものであることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の車載用割込み情報交換装置。
  7. 前記他車からの割込み要求の受信があったとき、ブレーキ操作により自車が減速又は停止したことに応答して、割込みを許可する旨を示す割込み許可を前記通信手段により当該他車に送信する割込み許可送信手段を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の車載用割込み情報交換装置。
  8. 車から前記割込み許可を前記通信手段により受信する割込み許可受信手段と、
    前記割込み許可受信手段により割込み許可を受信したことに応答して、お礼を示す動作を行っているキャラクタの画像データ又はお礼を述べるメッセージの音声データを含むお礼情報を前記通信手段により該他車に対して送信するお礼情報送信手段と、
    他車から前記お礼情報を前記通信手段により受信するお礼情報受信手段と、
    前記お礼情報受信手段が受信したお礼情報に基づき、お礼を示す動作を行っているキャラクタの画像データの表示又はお礼を述べるメッセージの音声出力を行うお礼提示手段とを有することを特徴とする請求項に記載の車載用割り込み情報交換装置。
  9. 請求項1〜のいずれかの装置における各手段としてコンピュータを機能させることを特徴とする割込み情報交換プログラム。
  10. 他車に搭載された通信手段との間で通信を行う通信工程と、
    割込みを希望する旨を示す割込み要求を前記通信工程により他車に送信する割込み要求送信工程と、
    前記割込み要求送信工程において送信する割込み要求に対し、自車の運転者に関する情報を付加する情報付加工程と、
    他車からの前記割込み要求を前記通信工程により受信する割込み要求受信工程と、
    前記割込み要求受信工程により受信した割込み要求に基づき、割込みが希望されている旨及び該割込み要求に含まれる運転者に関する情報の内容を提示する割込み要求提示工程とを具備し、
    前記割込み要求提示工程では、前記受信した割込み要求に基づく提示を、割込み地点までの距離が所定距離以下であることを条件として行うものであり、かつ該所定距離を、自車の走行速度に応じて変更するものであることを特徴とする車載用割込み情報交換方法。
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