JP4915068B2 - 耐食性、密着性に優れるアルミニウム合金缶蓋及びその製造方法 - Google Patents

耐食性、密着性に優れるアルミニウム合金缶蓋及びその製造方法 Download PDF

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本発明は、アルミニウム合金板の少なくとも片側表面に、耐食性及び密着性の付与を目的とした有機−無機複合樹脂被膜層、さらに、その上に塗装あるいはフィルムラミネート等による樹脂被覆層を有し、厳しい加工をしても優れた耐食性、密着性を有するアルミニウム合金製缶蓋に関する。
飲料缶等に用いられる缶蓋には、アルミニウム板又はアルミニウム合金板が使用される。蓋材としてアルミニウムは加工性や風味保持性に優れているが、表面処理を施した鋼材に比して耐食性で劣るという問題がある。
一方、アルミニウム板の表面処理としては、リン酸クロメート系表面処理剤が使用されてきた。このリン酸クロメート系表面処理剤により形成される化成皮膜は、皮膜単独の耐食性に優れており、また、各種樹脂系塗料を塗装した後の耐食性、密着性に優れているため、建材向け、家電向け、フィン材向け、カーエバポレーター向け、飲料缶材向け等アルミニウム材の広範囲な用途において使用されている。
しかし、近年、環境保護の観点から、リン酸クロメート系表面処理剤と同等の高い耐食性、密着性を付与することができるノンクロム系表面処理剤が求められている。
ノンクロム表面処理剤としては、例えば、飲料缶ボディ向けとして、ジルコニウム又はチタニウム化合物とリン酸化合物とを併用した系が用いられている。しかしながら、これらの系により形成される化成皮膜は、リン酸クロメート系表面処理剤により形成される皮膜と比べて、塗装後の耐食性、密着性が劣るため、広範囲な用途に使用できるものではなかった。
特公昭56−33468号公報(特許文献1)には、ジルコニウム及び/又はチタン、フォスフェート並びにフッ化物を含有するアルミニウム用表面処理剤が開示されている。しかしながら、この技術では、塗料との高い密着性及び塗装材としての防食性が不充分であった。
特公昭63−30218号公報(特許文献2)には、水溶性チタン及び/又はジルコニウム化合物と、タンニン及び/又は水溶性若しくは水分散性高分子からなるノンクロム系表面処理剤が開示されている。しかしながら、このようなノンクロム系表面処理剤は、塗装材としての防食性が不充分であった。
特開2002−275648号公報(特許文献3)には、水溶性ジルコニウム化合物、水溶性又は水分散性アクリル樹脂及び水溶性又は水分散性熱硬化型架橋剤を含有する金属表面処理剤が開示されている。
特開2003−239079号公報(特許文献4)には、ジルコニウムイオンと、有機ホスホン酸化合物を含有し、水溶液のpHが1.8以上4.0以下であることを特徴とする金属表面化成処理剤が開示されている。しかしながらこれらはいずれも十分な耐食性、密着性を得られるものではなかった。
特公昭56−33468号公報 特公昭63−30218号公報 特開2002−275648号公報 特開2003−239079号公報
本発明は、従来技術の抱えるこれらの問題点を解決するためのものであり、具体的には、食料缶及び飲料缶を対象にして、表面処理層にクロムを使用せず、水系塗料にて塗膜を形成させた後に、あるいは熱可塑性ポリエステル樹脂にてラミネートした後に絞り加工、絞りしごき加工やストレッチドロー加工による厳しい加工をして成形しても耐食性がよく、缶蓋成型時に塗料や熱可塑性ラミネートフィルムとの密着性に優れるアルミニウム合金製缶蓋の提供を目的とするものである。
本発明者は、前記従来技術の抱える問題点を解決するための手段について鋭意検討した。その結果、特定のアルミニウム素材を用い、該表面に特定の有機−無機複合表面処理層を形成させ、その表面処理層に特定の組成の塗膜あるいは熱可塑性樹脂層を特定の方法で形成させた板材を用いて、その後、絞り加工、しごき加工による厳しい加工を行って成形しても、耐食性、密着性に優れるアルミニウム合金製缶蓋を提供し得ることを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明のアルミニウム合金製缶蓋は、請求項1に記載するように、
アルミニウム合金板からなる缶蓋において、アルミニウム合金板の状態で、少なくとも片側表面有機−無機複合表面処理液に接触させて、
その後、該アルミニウム合金板の表面に、
ジルコニウム化合物をジルコニウム原子換算で2〜20mg/m、リン化合物をリン原子換算で1〜10mg/m、有機化合物を炭素原子換算で5〜60mg/m含有し、該有機化合物が下記式(I):
[式中、Xはそれぞれの構成単位において独立に水素原子又は下記式(II)
(式中、R1及びR2は、互いに独立に、水素原子、C1〜C10のアルキル基、又はC1〜C10のヒドロキシアルキル基を表す)で表されるZ基を表し、Z基の導入率はベンゼン環1個あたり0.3〜1.0個である。]で表される構造単位よりなる有機重合体で、該有機重合体の平均分子量がXを全て水素原子とした時1,000〜100,000である有機−無機複合表面処理層を形成させ、さらにその上に有機樹脂被覆層を形成させてアルミニウム合金缶蓋用素材とし、該アルミニウム合金缶蓋用素材を缶蓋に加工することを特徴とする。
また、請求項2の樹脂被覆アルミニウム合金缶蓋は、請求項1において、前記アルミニウム合金板が、重量%で、Mg:0.2〜5.5%、Si:0.05〜1%、Fe:0.05〜1%、Cu:0.01〜0.35%、Mn:0.01〜2%、Cr:0.01〜0.4%を含有するアルミニウム合金板であることを特徴とする。
請求項3に記載するように、前記表面処理層の上に形成させる有機樹脂被覆層が塗膜であっても良いし、請求項4に記載するように、前記表面処理層の上に形成させる有機樹脂被覆層が熱可塑性樹脂であっても良い。
本発明のアルミニウム合金製缶蓋の製造方法は、請求項5に記載するように、 アルミニウム合金板の状態で、少なくとも片側表面有機−無機複合表面処理液に接触させて、
その後、該アルミニウム合金板の表面に、
ジルコニウム化合物をジルコニウム原子換算で2〜20mg/m、リン化合物をリン原子換算で1〜10mg/m、有機化合物を炭素原子換算で5〜60mg/m含有し、該有機化合物が下記式(I):
[式中、Xはそれぞれの構成単位において独立に水素原子又は下記式(II)
(式中、R1及びR2は、互いに独立に、水素原子、C1〜C10のアルキル基、又はC1〜C10のヒドロキシアルキル基を表す)で表されるZ基を表し、Z基の導入率はベンゼン環1個あたり0.3〜1.0個である。]で表される構造単位よりなる有機重合体で、該有機重合体の平均分子量がXを全て水素原子とした時1,000〜100,000である有機−無機複合表面処理層を形成し、さらにその上に有機樹脂からなる塗膜層を形成してアルミニウム合金缶蓋用素材とし、該アルミニウム合金缶蓋用素材を缶蓋に加工することを特徴とする。
また、本発明のアルミニウム合金製缶蓋の製造方法は、請求項6に記載するように、 アルミニウム合金板の状態で、少なくとも片側表面有機−無機複合表面処理液に接触させて、
その後、該アルミニウム合金板の表面に、
ジルコニウム化合物をジルコニウム原子換算で2〜20mg/m、リン化合物をリン原子換算で1〜10mg/m、有機化合物を炭素原子換算で5〜60mg/m含有し、該有機化合物が下記式(I):
[式中、Xはそれぞれの構成単位において独立に水素原子又は下記式(II)
(式中、R1及びR2は、互いに独立に、水素原子、C1〜C10のアルキル基、又はC1〜C10のヒドロキシアルキル基を表す)で表されるZ基を表し、Z基の導入率はベンゼン環1個あたり0.3〜1.0個である。]で表される構造単位よりなる有機重合体で、該有機重合体の平均分子量がXを全て水素原子とした時1,000〜100,000である有機−無機複合表面処理層を形成し、さらにその上に有機樹脂からなる熱可塑性樹脂層を形成してアルミニウム合金缶蓋用素材とし、該アルミニウム合金缶蓋用素材を缶蓋に加工することを特徴とする。
以下、本発明のアルミニウム合金缶蓋について詳細に説明する。
(蓋の構造)
図1は本発明のアルミニウム合金缶蓋の例を示す平面図であり、図2は、図1におけるA−A断面の拡大図である。
本発明のアルミニウム合金缶蓋の例としては、図1に示すようなイージーオープン缶蓋が挙げられる。4は、図1及び図2に示すように、中央パネル部5、強化環状溝6及び最外周の巻締部からなり、中央パネル部5には、スコア7で囲まれた開口予定部8があり、また開封用タブ9がリベット10を介して固着されている。
開封用タブ9は、把持用リング11と、押込用先端12と、リベット固定用舌片13と、を備えており、押込用先端12が開口予定部8と重なるように取付けられている。
強化環状溝6は、内壁部14、ラジアス部15及び外壁部(チャックウォール)16とからなり、この外壁部16は、シーミングパネル部17及びカール部18に接続されている。
シーミングパネル部17及びカール部18の裏側は、溝19となっており、この溝19には、密封用ゴム組成物(図示せず)がライニングされ、缶胴フランジ(図示せず)との間に二重巻締による密封が行われることになる。
また、本発明のアルミニウム合金缶蓋4は、アルミニウム合金板の少なくとも片側表面に、ジルコニウム化合物をジルコニウム原子換算で2〜20mg/m、リン化合物をリン原子換算で1〜10mg/m、有機化合物を炭素原子換算で5〜60mg/m含有し、
該有機化合物が下記式(I):
[式中、Xはそれぞれの構成単位において独立に水素原子又は下記式(II)
(式中、R1及びR2は、互いに独立に、水素原子、C1〜C10のアルキル基、又はC1〜C10のヒドロキシアルキル基を表す)で表されるZ基を表し、Z基の導入率はベンゼン環1個あたり0.3〜1.0個である。]で表される構造単位よりなる有機重合体で、該有機重合体の平均分子量がXを全て水素原子とした時1,000〜100,000である有機−無機複合表面処理層を有し、さらにその上に有機樹脂被覆層を有することを特徴とする。
以下に本発明の内容について詳しく説明する。
(アルミニウム合金板の構成)
前記アルミニウム合金板は、重量%で、Mg:0.2〜5.5%、Si:0.05〜1%、Fe:0.05〜1%、Cu:0.01〜0.35%、Mn:0.01〜2%、Cr:0.01〜0.4%、を含有するアルミニウム合金であることを特徴とする。
合金組成を前記のごとく限定したのは次の理由による。
Mgは強度を向上させるために添加するものである。その含有量を重量%で、0.2〜5.5重量%と限定したのは、0.2重量%未満では所望の強度が得られず、5.5重量%を超えると圧延の際に耳割れが大きくなるためである。
Si及びFeは成形性を改善するために添加するものである。その含有量をSi:0.05〜1重量%、Fe:0.05〜1重量%と限定したのは、何れも不可避的に混入され、0.05重量%未満に規制するのは通常処理では困難であり、一方、1重量%を超えると巨大晶出物をつくりやすくなり、成形性を劣化するためである。
Cuは強度を向上するために添加するものである。その含有量を0.01〜0.35重量%と限定したのは、添加しなければ強度に乏しく、上限を超えると鋳造時に割れが発生するようになるためである。
Mn、Crは強度と耐熱性を向上し、更に限界絞り比を向上させるとともに、結晶粒を微細化するために添加するものである。その含有量を、Mn:0.01〜2重量%、Cr:0.01〜0.4重量%と限定したのは、いずれも下限未満では上記効果が少なく、上限を超えると限界絞り比が減少し、製蓋工程で割れが発生するようになるためである。
本発明では、一般に厚みが0.15〜0.40mm、好ましくは0.20〜0.30mmの厚みのアルミニウム合金板が使用可能である。
0.15mm未満では、蓋成形が困難で、かつ所望の蓋強度が得られず、一方0.40mmを超えると、経済性が悪くなるためである。
上記アルミニウム合金板としては、具体的には、アルミニウム、アルミニウム−銅合金、アルミニウム−マンガン合金、アルミニウム−珪素合金、アルミニウム−マグネシウム合金、アルミニウム−マグネシウム−珪素合金、アルミニウム−亜鉛合金、アルミニウム−亜鉛−マグネシウム合金等を挙げることができる。
上記アルミニウム合金板としては、例えば、アルミニウム合金5182材、アルミニウム合金5021材、アルミニウム合金5022材、アルミニウム合金5052材、アルミニウム合金3004材、アルミニウム合金3005材、アルミニウム合金3104材、アルミニウム合金1100材等が好適に用いられる。
アルミニウム材料の形状については特に制限はないが、フィルムをラミネートしやすい形状、例えば、板状、シート状、コイル状が好ましい。
(有機−無機複合表面処理層)
有機−無機複合表面処理層(本明細書において表面処理層という)は、耐食性の付与と、アルミニウム材及び塗膜あるいは熱可塑性樹脂との密着性付与の二つの効果を主な目的としている。この有機−無機複合表面処理層の形成には、有機物が下記式(I)で示される有機重合体を用いることが好ましい。
[式中、Xはそれぞれの構成単位において独立に水素原子又は下記式(II)
で表されるZ基を表す。式(II)中のR1及びR2は、互いに独立に、水素原子、C1〜C10のアルキル基、又はC1〜C10のヒドロキシアルキル基であることが好ましい。C11以上のアルキル基又はヒドロキシアルキル基ではミクロポーラス的な部位が多くなり、緻密な皮膜が形成されないために耐食性の劣化を引き起こす。さらに、アルキル基部が長いために、疎水性が大きくなりフィルムとの密着性が弱くなる。
Xで表されるZ基の導入率はベンゼン環1個あたり0.3〜1.0であることが好ましい。Z基の導入率が0.3未満では密着性が充分でない。
Z基の導入率は通常用いられる方法により算出され、特に限定される物ではない。例えば、CHNS−O元素分析により有機化合物を完全燃焼させ、生成したガス(CO、HO、N、SO)を測定することにより各元素の定量を行い、定量結果より導入率を算出することができる。
有機重合体の分子量は、前記Xを全て水素原子にした時、1,000〜100,000の範囲にあることが好ましい。分子量が1,000未満では、加熱生成物の柔軟性に不足し、加工時に有機−無機複合被膜内で凝集破壊を起こし密着性が不足する。分子量が100,000以上では被膜を構成する無機成分との反応が充分でなく、耐食性が不足する。より好ましい有機重合体の分子量は、1,000〜10,000の範囲である。
前記有機重合体は平均分子量が1種のものを用いても良いし、平均分子量が2種以上の重合体を混合して用いても良い。
分子量の測定は、皮膜を剥離した後、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによって行うことができる。
有機−無機複合皮膜中の有機物の付着量は耐食性と密着性を左右する。有機物の付着量は炭素原子に換算して5〜60mg/mの範囲が好ましい。炭素の付着量が5mg/m未満では、アルミニウム合金の表面を充分に覆うことができず充分な密着性と耐食性が得られない。60mg/mを超えても性能上問題はないが、外観に望まれない変化を生じたり、コスト高となる。
前記炭素付着量の測定は、市販の表面炭素分析装置を用いて測定することができる。表面炭素分析装置はサンプルを昇温し、表面に存在する炭素を酸化してガス化し、このガスをIR(赤外吸収)で定量する原理となっている。測定条件は表面の炭素を酸化してガス化させる条件であれば良いが、一般に400〜500℃で5〜10分の条件で測定することが好ましい。
式(I)で表される重合体は、常法により製造することができる。例えば、式(I)で表される重合体は、フェノール化合物またはナフトール化合物とホルムアルデヒドとを重縮合し、ついでホルムアルデヒドとアミンを用いて官能基Xを導入することにより製造する。ホルムアルデヒドとしては通常ホルマリンを用いる。重合体の分子量については特に制限はないが、前記Xを全て水素原子としたときの分子量が通常1,000〜100,000程度、好ましくは1,000〜10,000程度であるのが適当である。
前記、有機−無機複合表面処理層(表面処理層)にはジルコニウム化合物を含む。ジルコニウム化合物の付着量は耐食性と密着性を左右する。ジルコニウム原子換算で2〜20mg/mの範囲が好ましい。ジルコニウムの付着量が2mg/m未満では前記炭素と同様にアルミニウム合金表面を充分に覆うことができず耐食性が不足する。20mg/mを超えると加工時に表面処理皮膜内部での凝集破壊を起こしやすくなり、密着性に問題が出る場合がある。
上記表面処理層に用いられるジルコニウム化合物としては、ジルコニウムを含有する化合物であれば特に限定されないが、当該pHでの安定性が良好で、皮膜形成性に優れることから、フッ素を含有している水溶性ジルコニウム化合物が好ましい。
上記フッ素を含有している水溶性ジルコニウム化合物としては特に限定されず、例えば、HZrF、(NHZrF、KZrF、NaZrF、LiZrF等を挙げることができる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記、有機−無機複合表面処理層(表面処理層)にはリン化合物を含む。表面処理皮膜中のリン化合物の付着量は、リン原子換算で1〜10mg/mの範囲が好ましい。リンの付着量が1mg/m未満では前記ジルコニウムの付着量と同様の理由で耐食性が不足する。リン付着量が10mg/mを超えると密着性が問題となる場合がある。
上記、表面処理皮膜中のリン化合物は、リン酸系化合物であることが、有機樹脂層と金属材料との密着性を高める観点から好ましい。かかる目的に使用し得るリン酸系化合物としては、リン酸もしくはその塩、縮合リン酸もしくはその塩、リン酸ジルコニウム、リン酸チタン等を挙げることができる。ここで塩としてはアンモニウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩を挙げることができる。また、密着性を向上させる目的で有機ケイ素化合物を配合できる。有機ケイ素化合物としては、ビニルエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
上記ジルコニウム化合物の付着量、及びリン化合物の付着量は、市販の蛍光X線分析装置で定量することができる。すなわち、ジルコニウム又はリンの付着量が既知で付着量の異なるサンプルを複数測定し、この際の強度より、強度−付着量の検量線を作成する。同様の条件で本発明の被覆金属材料からサンプルを切り出し、測定する。この測定強度を検量線に基づき付着量に変換することにより、上記ジルコニウム化合物の付着量、及びリン化合物の付着量を測定することができる。
前記有機−無機複合表面処理層の厚みについては、皮膜厚が5〜500nmであることが必要であり、15〜300nmであることが好ましく、50〜300nmであることがさらに好ましい。皮膜厚が5nm未満では塗膜若しくはラミネートフィルムの優れた密着性が得られず、500nmを超えると金属材料の有する色調を損ねる可能性が高い。
さらに、前記有機−無機複合表面処理層は、アルミニウム合金材料の表面の90%以上を被覆していることが好ましい。90%未満の被覆率では加工時にフィルムが剥離しやすい。
上記表面処理層の皮膜厚および被覆率は、常法により、市販のXPS(X線光電子分光分析)装置で定量することができる。XPSとはサンプルを超高真空(10−5Pa以下)においてX線で励起し、この際に放出される光電子を分析する装置である。この光電子の強度と感度係数より表面に存在する原子の比率を計算することができる。
(処理液)
上記有機−無機複合表面処理被膜は、有機−無機複合表面処理液を、アルミニウム合金板に皮膜処理することにより得られる。
上記処理液は、上記重合体、ジルコニウム化合物及びリン化合物を溶媒である水に溶解させることにより作製する。以下上記処理液の調整について述べる。
上記処理液には、有機化合物を皮膜として形成させるために水溶性の重合体を使用することができる。これにリン酸イオン、ジルコニウムの錯フッ化物とを共存させることが好ましい。また、水溶性重合体とリン酸、錯フッ化物が沈殿しやすいpHに調整することが好ましい。この処理液をアルミニウム合金板に接触させることにより処理を行う。処理時、フッ素化合物によりアルミニウム表面がエッチングされ、この際に界面でpH上昇が起こる。これにより共存する水溶性重合体及びリン化合物が表面に析出し、皮膜となる。表面処理されたアルミニウム板は未反応物を除去するため水で洗浄し、更に純水等で洗浄し乾燥後、表面処理アルミニウム合金板を得ることができる。
上記処理液において、上記重合体の濃度は100mg/L以上であることが必要であり、100〜10,000mg/Lであることが好ましく、300〜3,000mg/Lであることがさらに好ましい。重合体の濃度が100mg/L未満であると皮膜の形成が充分でなく、10,000mg/Lを超えるとコストが高くなる。
上記処理液において、上記ジルコニウム化合物の含有量は、ジルコニウムとして、100〜10,000mg/L、好ましくは300〜1,000mg/Lである。100mg/L未満であると、短時間処理で充分なジルコニウム皮膜量が得られず、密着性、耐食性が低下するおそれがある。一方、10,000mg/Lを超えると、性能向上、処理時間の短縮は認められず、かつコスト高となるおそれがある。
上記処理液において、上記リン化合物の含有量は、リンとして100〜10,000mg/L、好ましくは300〜1,000mg/Lである。100mg/L未満であると、形成される皮膜中に適切なリン皮膜量が得られず、塗装後の塗膜密着性が低下するおそれがあり、10,000mg/Lを超えても、過剰に存在することになるだけで密着性、耐食性を向上させる効果は見られず、コスト高となるおそれがある。
上記処理液のpHは、下限2.5、上限5.5の範囲内である。pHが2.5未満の場合は、金属表面のエッチングが促進され過ぎるため、皮膜外観が不良となり、また、得られる皮膜の耐食性も悪化する。pHが5.5を超えると、化成反応が満足に進行せず、化成皮膜が形成されにくくなる。上記下限は、2.8であることが好ましく、上記上限は、4.0であることが好ましい。
上記有機−無機複合表面処理液には、上記成分の他に必要に応じて、更に、エッチング助剤、キレート剤、pH調整剤を使用することができる。
上記エッチング助剤としては、例えば、過酸化水素、フッ化水素酸、フッ化水素酸塩、フッ化硼酸等を挙げることができる。なお、フッ素イオンの供給源として、上記水溶性ジルコニウム化合物として挙げたジルコニウムの錯体を用いる場合には、生成するフッ素イオンの量が不充分であるので、上記フッ素化合物を併用することが好ましい。
上記キレート剤としては、例えば、クエン酸、酒石酸、グルコン酸等、アルミニウムと錯体を形成する酸及びそれらの金属塩等を挙げることができる。
上記pH調整剤としては、例えば、リン酸、縮合リン酸、フッ化水素酸、硝酸、過塩素酸、硫酸、硝酸ナトリウム、水酸化アンモニウム、水酸化ナトリウム、アンモニア等の表面処理に悪影響を与えない酸又は塩基を挙げることができる。
(樹脂被覆アルミニウム合金缶蓋の製造方法)
本発明の樹脂被覆アルミニウム合金缶蓋の製造は、調整した上記有機−無機複合表面処理液をアルミニウム合金板に被覆処理し、化成処理アルミニウム合金板を作製した後、該化成処理アルミニウム合金板の表面に有機樹脂層を形成させ、該樹脂被覆アルミニウム合金板を蓋に成形することにより行うことができる。以下、具体的な工程を追って説明する。
(アルミニウム合金板への被覆処理)
上記有機−無機複合表面処理液を、アルミニウム合金板に皮膜処理する過程について説明する。
アルミニウム合金板に上記有機−無機複合表面処理液を施してアルミニウム化成処理材料を製造するに先立ち、まずアルミニウム合金板表面を洗浄することにより、圧延油や防錆油等を除去(脱脂)する。脱脂方法としては特に制限されず、一般的に使用される溶剤脱脂、アルカリ脱脂または酸系脱脂を採用することができる。
具体的には、上記アルミニウム合金板の処理が行われる前には、まず上記アルミニウム合金板を酸で洗浄する工程が行われることが好ましい。更に酸で洗浄する工程の前に上記アルミニウム合金板をアルカリで洗浄する工程が行われることが好ましい。最も好ましい態様は、アルカリ洗浄→水洗→酸洗浄→水洗→ノンクロム金属表面処理→水洗→乾燥の各工程を順次行う方法である。
上記アルカリ洗浄処理としては特に限定されず、例えば、従来アルミニウムやアルミニウム合金等の金属のアルカリ洗浄処理に用いられてきた処理を行うことができる。上記アルカリ洗浄処理において、通常、アルカリ洗浄はアルカリ性クリーナーを用いて行われる。また、上記酸洗浄は酸性クリーナーを用いて行われる。
上記アルカリ性クリーナーとしては特に限定されず、通常のアルカリ洗浄に用いられるものを用いることができ、例えば、日本パーカライジング株式会社製「ファインクリーナー4377」(商標)等を挙げることができる。上記酸性クリーナーとしては特に限定されず、例えば、硫酸、硝酸、塩酸等の無機酸;日本パーカライジング株式会社製「パルクリーン500:」等を挙げることができる。
上記酸洗浄及びアルカリ洗浄処理は、通常、スプレー法で行われる。上記酸洗浄又はアルカリ洗浄処理を行った後は、基材表面に残存する酸洗浄剤又はアルカリ洗浄剤を除去するために、水洗処理を行う。
アルミニウム合金板への皮膜処理としては、上記有機−無機複合表面処理液をアルミニウム合金板の表面に接触させて該表面と反応させることにより皮膜を形成させることにより行うことができる。上記アルミニウム合金板を処理する方法としては、上記アルミニウム合金板を上記処理液に接触させる方法であれば特に限定されず、ロールコート法、スプレー法、浸漬法等の通常の方法を挙げることができる。なかでも、スプレー法で行うことが好ましい。
上記アルミニウム合金板の処理は、下限30℃、上限80℃の温度範囲で行うことが好ましい。30℃未満であると、反応速度が低下し、皮膜の析出性が悪くなるため、充分な皮膜量を得るために処理時間を延長する必要が生じ、生産性を低下させる。80℃を超えると、エネルギーのロスが大きくなる可能性がある。上記下限は、50℃であることがより好ましい。上記上限は、70℃であることがより好ましい。
上記アルミニウム合金板の処理は、スプレー法で処理する場合は、処理時間が下限1秒、上限20秒の範囲内であることが好ましい。1秒未満であると、形成される皮膜量が充分でなく、耐食性や密着性が低下するおそれがあり、20秒を超えると、皮膜形成時のエッチングが過度に進行し、密着性、耐食性が低下するおそれがある。また、より好ましくは上記下限は3秒であり、上記上限は8秒である。
上記アルミニウム合金板の処理の後、必要に応じて水洗処理を行うことができる。
上記水洗処理は、皮膜外観等に悪影響を及ぼさないようにするために、1回又はそれ以上行われるものである。この場合、最終の水洗は、純水で行われることが適当である。この水洗処理においては、スプレー水洗又は浸漬水洗のどちらでもよく、これらの方法を組み合わせて水洗することもできる。
上記アルミニウム合金板の処理により得られる皮膜は、水洗後に乾燥させることが好ましい。上記皮膜を乾燥する方法としては加熱乾燥が好ましく、例えば、オーブン乾燥及び/又は熱空気の強制的循環による加熱乾燥を挙げることができる。これらの加熱乾燥は、通常、40〜120℃で6秒〜60秒間行われる。
また、乾燥温度によっては表面上で重合体が更に高分子化する。より高い耐食性が要求される場合には、乾燥温度を180℃以上とすることにより、表面上で重合度を高めることもできる。
なお、加熱する際には、重合度は表面処理液中での値より大きくなる。また、この際に前記Z基が脱離するため、Z基置換数も表面処理液中での値(0.3〜1.0)より小さくなる。有機化合物に起因する炭素の付着量、リン付着量、及びジルコニウム付着量は、処理液中の水溶性重合体の濃度やリン酸化合物の濃度、処理温度、処理時間等により調整することができる。
皮膜厚、皮膜付着量および被覆率、ジルコニウム化合物若しくはリン化合物の付着量は、本発明の被覆金属材料について説明した範囲になるように適宜調整することができる。調整は、上記水系組成物中の重合体の濃度、エッチング剤の濃度、リン化合物の濃度、処理温度、処理時間等を調整することにより行うことができる。
(有機樹脂被覆層の形成)
上記有機−無機複合表面処理層の上には、有機樹脂被覆層を形成させる。前記有機樹脂被覆層は、塗膜又は熱可塑性樹脂であることが好ましい。
(有機樹脂層(塗膜))
前記塗膜としては、熱硬化性樹脂塗料、例えば、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、フラン−ホルムアルデヒド樹脂、キシレン−ホルムアルデヒド樹脂、ケトン−ホルムアルデヒド樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、アルキド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ビスマレイミド樹脂、トリアリルシアヌレート樹脂、熱硬化型アクリル樹脂、シリコーン樹脂、油性樹脂、或いは熱可塑性樹脂塗料、例えば塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体部分ケン化物、塩化ビニル−マレイン酸共重合体、塩化ビニル−マレイン酸−酢酸ビニル共重合体、アクリル重合体、飽和ポリエステル樹脂等を挙げることができる。これらの樹脂塗料は単独でも2種以上の組合せでも使用される。これらの中でも、エポキシアクリル系塗料、エポキシフェノール系塗料、ポリエステル系塗料、エポキシユリア系塗料、ビニルオルガノゾル系塗料等が特に好適である。
エポキシアクリル系塗料、エポキシフェノール系塗料、ポリエステル系塗料、エポキシユリア系塗料、ビニルオルガノゾル系塗料の塗膜の好適な乾燥塗膜質量を以下に述べる。エポキシアクリル系塗料の塗膜の乾燥塗膜質量は、10〜160mg/dmであることが好ましい。エポキシフェノール系塗料及びポリエステル系塗料の塗膜の乾燥塗膜質量は、30〜140mg/dmであることが好ましい。エポキシユリア系塗料の塗膜の乾燥塗膜質量は、30〜70mg/dmであることが好ましい。ビニルオルガノゾル系塗料の塗膜の乾燥塗膜質量は、30〜160mg/dmであることが好ましい。
上記塗膜は、ローラコート、ブレードコート、スプレーコート等の手段により有機−無機複合表面処理層の上に被覆される。さらに、被覆された塗膜は、熱風炉、赤外線加熱炉等で焼き付けられ、アルミニウム合金缶蓋用素材とされる。
上記塗膜の一例と、乾燥条件、乾燥後の塗膜重量を表1に示す。

(有機樹脂層(熱可塑性フィルム))
上記熱可塑性樹脂としては、ポリエステル系樹脂が挙げられる。熱可塑性ポリエステル系樹脂としては特に限定されず、例えば、エチレンテレフタレート単位、エチレンナフタレート単位、エチレンイソフタレート単位、ブチレンテレフタレート単位、1,4シクロへキサンジメタノールテレフタレート単位等の構成単位からなる熱可塑性ポリエステル系樹脂を挙げることができる。2以上の上記構成単位を有する共重合熱可塑性ポリエステル系樹脂であってもよい。これらのうちでも、エチレンテレフタレート単位からなるポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレンイソフタレート共重合樹脂、ポリエチレンテレフタレート/ポリブチレンテレフタレート共重合樹脂、ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレンナフタレート共重合樹等が好適である。
上記熱可塑性ポリエステル樹脂は、融点が130℃〜255℃であることが好ましい。130℃以下では耐レトルト性が劣るようになり、255℃以上では金属へのラミネートが困難となるためである。
上記熱可塑性ポリエステル樹脂は、フィルムを形成した後金属にラミネートするものであっても、加熱溶融した上記熱可塑性ポリエステル樹脂を押出し成形機の押出し幅の狭いスリットによってフィルム状に押出し、直接金属板上にラミネートするダイレクトラミネーションによるものであってもよい。上記フィルムを形成した後でラミネートする場合、上記フィルムとしては特に限定されず、例えば、未延伸フィルムであっても一軸延伸フィルムであっても二軸延伸フィルムであってもよい。
また、上記熱可塑性樹脂は、エポキシフェノール樹脂系、エポキシアクリル系、ポリエステルフェノール系、ポリエステルアミノ系、ポリエステルウレタン系等の接着プライマー層を介して、有機−無機複合表面処理層の上に形成しているものであっても良い。接着プライマーは、金属素材とフィルムとの両方に優れた接着性を示すものである。エポキシフェノール樹脂系の接着プライマーとしては、特にフェノール樹脂とエポキシ樹脂を50:50乃至1:99の重量比、特に40:60乃至5:95の重量比で含有する塗料であることが、密着性と耐腐食性との両方に優れていることから好ましい。上記接着プライマー層は一般に0.01乃至10μmの厚みに設けるのがよい。接着プライマー層は予めアルミニウム合金板上に設けても良く、あるいは上記ポリエステルフィルム上に設けても良い。
(蓋の成形)
本発明のアルミニウム合金缶蓋の成形は、前述したアルミニウム合金缶蓋用素材を使用して、プレス成形法などの公知の成形法で行うことができる。
先ず、被覆アルミニウム板乃至コイルを所定の形状及び寸法に打抜き、次いで、或いは同時にプレス型で蓋に成形する。一般に、ステイ・オン・タブタイプのイージーオープン蓋や、フルオープンタイプのイージーオープン蓋に適用される。
以下に本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。また実施例中、「部」は特に断りのない限り「質量部」を意味する。
(実施例1)
(表面処理液の調製)
・重合体の調整
水溶性重合体において、Xは、式(I)で表されるそれぞれの構成単位において独立に、水素原子またはZ=−CHN(CH、Z基の導入率がベンゼン環1個あたり0.5個である式(I)で表される重合体であって、Xを全て水素原子とした時の平均分子量が3000のものとした。
・Z基の導入率の算出
FISONS社製EA1108型元素分析装置を用いて、調整した前記重合体中に含まれるC、H、N、S元素の定量を行った。定量結果よりZ基導入率を算出した。
・処理液の調整
常温のイオン交換水を攪拌装置付きベッセルに仕込んだ。常温にて攪拌しながら、40%フッ化ジルコニウム水素酸(Zrとして17.6%含有)71g/L、85%リン酸15g/L、55%フッ化水素酸9g/Lを加え、続いて、上記重合体40g/Lを攪拌しながら溶解した。その後、イオン交換水を用いて4%に希釈した後、アンモニアを添加してpH3.0に調整し、淡黄色の水溶液を得た。
(実施例2)
水溶性重合体において、Xは、式(I)で表されるそれぞれの構成単位において独立に、水素原子またはZ=−CHN(CH、Z基の導入率がベンゼン環1個あたり0.5個である式(I)で表される重合体であって、Xを全て水素原子とした時の平均分子量が1500のものとした以外は、実施例1と同様とした。
(実施例3〜16、比較例1〜8)
前記実施例1において、ジルコニウム成分、リン成分、重合体濃度、pH、重合体の平均分子量、及び重合体のZ基導入率を表に示すように変化させ、その他は実施例1と同様とした。
(アルミニウム合金板の洗浄)
市販のアルミニウム−マンガン合金板(JIS A5182 板厚:0.25mm 板寸法:200×300mm)を、市販の強アルカリ系脱脂剤「ファインクリーナー4377」(商標、株式会社日本パーカライジング社製)を用いて、薬剤濃度:20g/L、処理温度60℃、処理時間7秒の条件でスプレー処理した。その後、表面に残存しているアルカリ分を水道水により洗浄した。
(アルミニウム合金板への処理)
得られたアルミニウム合金板に、実施例及び比較例の表面処理液を用いスプレーにて温度50℃〜60℃、処理時間1秒〜5秒にて表面処理した後、未反応物を水道水により洗浄後、更に3000,000Ω以上の脱イオン水にて洗浄し、その後80℃で乾燥し、有機−無機複合表面処理層を形成させた表面処理金属板を得た。
(比較例9,10)
処理剤として、日本パーカライジング社製「アロジンN−405」(比較例9:リン酸ジルコニウム系処理剤)、日本パーカライジング社製「アルクロムK702」(比較例10:リン酸クロメート系処理剤)を使用した他は、いずれも、上述の洗浄工程、スプレー処理と同条件にて化成皮膜を形成させた表面処理金属板を得た。
(皮膜量測定)
上記下地皮膜のジルコニウム、リン、クロムの付着量(mg/m)を、島津製作所社製 蛍光X線分析装置「XRF−1700」を用いて測定した。炭素の付着量(mg/m)は、米国LECO社製 形態別炭素/水分分析装置「RC412」を用いて測定した。サンプルサイズは32cmで測定条件は400℃−8分とした。結果を表2に示す。
(有機樹脂層の形成(塗膜))
得られた有機−無機複合表面処理層を形成させた表面処理金属板に、エポキシアクリル系塗料、エポキシフェノール系塗料、ポリエステル系塗料、エポキシユリア系塗料、ビニルオルガノゾル系塗料をローラコーターを用いて塗装し、表1に示した条件にて熱風炉で焼き付けることにより、塗膜を被覆したアルミニウム合金缶蓋用素材を得た。
(有機樹脂層の形成(熱可塑性樹脂(ポリエステル系)))
得られた有機−無機複合表面処理層を形成させた表面処理金属板に、あらかじめラミネート面側にエポキシフェノール系接着プライマーを1μm塗布したポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム、ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレンイソフタレート共重合樹脂フィルム、ポリエチレンテレフタレート/ポリブチレンテレフタレート共重合樹脂フィルム、ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレンナフタレート共重合樹フィルムを、ラミネートロール温度150℃、通板速度150m/分で熱ラミネートし直ちに水冷することにより、熱可塑性有機樹脂層を被覆したアルミニウム合金缶蓋用素材を得た。
(缶蓋の作製)
作製した樹脂被覆アルミニウム合金缶蓋用素材を、上記樹脂被覆面が少なくとも蓋の内面側に存在する方向で直径68.7mmに打ち抜き、次いで蓋の外面側にパーシャル開口型のスコア加工(幅22mm、スコア残厚110μm、スコア幅20μm)、リベット加工並びに開封用タブの取り付けを行い、SOT蓋の作製を行った。
(評価方法)
下記評価を行い、結果を表3に示した。
1.皮膜外観
上記により得た樹脂被覆アルミニウム合金缶蓋の表面を目視で評価した。
表3において、はじき、ムラ、著しい変色等の異常の無い、良好な外観が得られたものを「O」で表し、異常があったものはその状態を表記した。
2.フェザリング評価(密着性)
上記により得た熱可塑性樹脂被覆アルミニウム合金缶蓋について、レトルト殺菌処理(130℃で50分間)を実施した後、実際に缶蓋を開口し、開口部分のフェザリングの発生を評価した。
また、上記により得た塗膜被覆アルミニウム合金缶蓋について、煮沸処理(30分間)を実施した後、実際に缶蓋を開口し、開口部分のフェザリングの発生を評価した。
各n=50枚実施し、評価結果は、
○:平均フェザリング長さ0.5mm未満
△:平均フェザリング長さ0.5mm以上、1.0mm未満
×:平均フェザリング長さ1.0mm以上
で示し、表3にまとめた。製品としての使用可能範囲は○及び△で示した製品である。
3.開口性評価
上記により得た熱可塑性樹脂被覆アルミニウム合金缶蓋について、レトルト殺菌処理(130℃で50分間)を実施した後、開口性評価を実施した。
また、上記により得た塗膜被覆アルミニウム合金缶蓋について、煮沸処理(30分間)を実施した後、開口性評価を実施した。
評価結果は、タブ折れなどによる開口不良数/開口数で示し、表3にまとめた。
4.パック試験
一般食缶用溶接缶胴に、内容物コーンスープを充填し常法に従い、上記により得た熱可塑性樹脂被覆アルミニウム合金缶蓋を巻締め、130℃−90分間殺菌処理した。倒立で55℃−2カ月貯蔵後開缶機で巻締部を切断し、蓋を缶胴から離した後、該内面の腐食状態を顕微鏡で観察し評価した。
スチール製絞りしごき缶胴に、内容物コカコーラ(商標)を充填し常法に従い、上記により得た塗膜被覆アルミニウム合金缶蓋を巻締めた。倒立で37℃−3カ月貯蔵後開缶機で巻締部を切断し、蓋を缶胴から離した後、該内面の腐食状態を顕微鏡で観察し評価した。
n=50で実施した。評価結果を、表3にまとめた。
上記のように、実施例により得られたアルミニウム合金缶蓋は、密着性、開口性、耐食性、共に優れるものであった。
本発明においては、アルミニウム合金板の少なくとも片側表面に、ジルコニウム化合物をジルコニウム原子換算で2〜20mg/m、リン化合物をリン原子換算で1〜10mg/m、有機化合物を炭素原子換算で5〜60mg/m含有する有機−無機複合表面処理層を有し、さらにその上に有機樹脂被覆層を有する樹脂被覆アルミニウム合金缶蓋とすることにより、アルミニウム合金板にリン酸クロム酸被膜を付与し、更にその上を有機樹脂層で被覆した場合と同等の密着性及び耐食性を有するアルミニウム合金缶蓋を得ることができる。
本発明の実施形態に係る樹脂被覆アルミニウム合金缶蓋の一例の上面図である。 図1の樹脂被覆アルミニウム合金缶蓋の線A−Aにおける拡大断面図である。
符号の説明
4: イージーオープン缶蓋
5: 中央パネル部
6: 強化環状溝
7: スコア
8: 開口予定部
9: 開封用タブ
10: リベット

Claims (6)

  1. アルミニウム合金板からなる缶蓋において、アルミニウム合金板の状態で、少なくとも片側表面有機−無機複合表面処理液に接触させて、
    その後、該アルミニウム合金板の表面に、
    ジルコニウム化合物をジルコニウム原子換算で2〜20mg/m、リン化合物をリン原子換算で1〜10mg/m、有機化合物を炭素原子換算で5〜60mg/m含有し、該有機化合物が下記式(I):
    [式中、Xはそれぞれの構成単位において独立に水素原子又は下記式(II)
    (式中、R1及びR2は、互いに独立に、水素原子、C1〜C10のアルキル基、又はC1〜C10のヒドロキシアルキル基を表す)で表されるZ基を表し、Z基の導入率はベンゼン環1個あたり0.3〜1.0個である。]で表される構造単位よりなる有機重合体で、該有機重合体の平均分子量がXを全て水素原子とした時1,000〜100,000である有機−無機複合表面処理層を形成させ、さらにその上に有機樹脂被覆層を形成させてアルミニウム合金缶蓋用素材とし、該アルミニウム合金缶蓋用素材を缶蓋に加工することを特徴とする、耐食性、密着性に優れる樹脂被覆アルミニウム合金缶蓋。
  2. 前記アルミニウム合金板が、重量%で、Mg:0.2〜5.5%、Si:0.05〜1%、Fe:0.05〜1%、Cu:0.01〜0.35%、Mn:0.01〜2%、Cr:0.01〜0.4%を含有するアルミニウム合金板であることを特徴とする請求項1に記載の樹脂被覆アルミニウム合金缶蓋。
  3. 前記表面処理層の上に形成させる有機樹脂被覆層が、塗膜である請求項1又は2に記載の樹脂被覆アルミニウム合金缶蓋。
  4. 前記表面処理層の上に形成させる有機樹脂被覆層が、熱可塑性樹脂である請求項1又は2に記載の樹脂被覆アルミニウム合金缶蓋。
  5. アルミニウム合金板の状態で、少なくとも片側表面有機−無機複合表面処理液に接触させて、
    その後、該アルミニウム合金板の表面に、
    ジルコニウム化合物をジルコニウム原子換算で2〜20mg/m、リン化合物をリン原子換算で1〜10mg/m、有機化合物を炭素原子換算で5〜60mg/m含有し、該有機化合物が下記式(I):
    [式中、Xはそれぞれの構成単位において独立に水素原子又は下記式(II)
    (式中、R1及びR2は、互いに独立に、水素原子、C1〜C10のアルキル基、又はC1〜C10のヒドロキシアルキル基を表す)で表されるZ基を表し、Z基の導入率はベンゼン環1個あたり0.3〜1.0個である。]で表される構造単位よりなる有機重合体で、該有機重合体の平均分子量がXを全て水素原子とした時1,000〜100,000である有機−無機複合表面処理層を形成し、さらにその上に有機樹脂からなる塗膜層を形成してアルミニウム合金缶蓋用素材とし、該アルミニウム合金缶蓋用素材を缶蓋に加工することを特徴とする、耐食性、密着性に優れる樹脂被覆アルミニウム合金缶蓋の製造方法。
  6. アルミニウム合金板の状態で、少なくとも片側表面有機−無機複合表面処理液に接触させて、
    その後、該アルミニウム合金板の表面に、
    ジルコニウム化合物をジルコニウム原子換算で2〜20mg/m、リン化合物をリン原子換算で1〜10mg/m、有機化合物を炭素原子換算で5〜60mg/m含有し、該有機化合物が下記式(I):
    [式中、Xはそれぞれの構成単位において独立に水素原子又は下記式(II)
    (式中、R1及びR2は、互いに独立に、水素原子、C1〜C10のアルキル基、又はC1〜C10のヒドロキシアルキル基を表す)で表されるZ基を表し、Z基の導入率はベンゼン環1個あたり0.3〜1.0個である。]で表される構造単位よりなる有機重合体で、該有機重合体の平均分子量がXを全て水素原子とした時1,000〜100,000である有機−無機複合表面処理層を形成し、さらにその上に有機樹脂からなる熱可塑性樹脂層を形成してアルミニウム合金缶蓋用素材とし、該アルミニウム合金缶蓋用素材を缶蓋に加工することを特徴とする、耐食性、密着性に優れる樹脂被覆アルミニウム合金缶蓋の製造方法。
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