JP5436741B2 - 耐食性、密着性に優れるアルミニウム合金缶蓋及びその製造方法 - Google Patents
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一方、アルミニウム板の表面処理としては、リン酸クロメート系表面処理剤が使用されてきた。このリン酸クロメート系表面処理剤により形成される化成皮膜は、皮膜単独の耐食性に優れており、また、各種樹脂系塗料を塗装した後の耐食性、密着性に優れているため、建材向け、家電向け、フィン材向け、カーエバポレーター向け、飲料缶材向け等アルミニウム材の広範囲な用途において使用されている。
しかし、近年、環境保護の観点から、リン酸クロメート系表面処理剤と同等の高い耐食性、密着性を付与することができるノンクロム系表面処理剤が求められている。
缶蓋開口時の開口部分のフェザリング性を向上させた表面処理を施したアルミニウム合金板からなる缶蓋であって、
重量%で、Mg:0.2〜5.5%、Si:0.05〜1%、Fe:0.05〜1%、Cu:0.01〜0.35%、Mn:0.01〜2%、Cr:0.01〜0.4%を含有するアルミニウム合金板の状態で、
少なくとも缶蓋内面側となるアルミニウム合金板表面に、
ジルコニウム原子換算で3〜30mg/m2、
リン原子換算で5〜10mg/m2、を含有した、
リン酸ジルコニウム系化合物の下記条件1の無機表面処理皮膜を形成し、
該無機表面処理皮膜の上に、
下記条件2の硬化触媒を添加したエポキシアクリル樹脂塗料またはポリエステル系樹脂塗料を塗布後乾燥して樹脂被覆アルミニウム合金板を得て、
該樹脂被覆アルミニウム合金板を打ち抜いて、缶蓋外面となる側にスコア加工を施し、
リベット加工並びに開封用タブを取り付けてなることを特徴とするアルミニウム合金缶蓋。
条件1:無機表面処理皮膜は、X線光電子分光分析法で測定したときに、アルミニウム合金板表面の90%以上を被覆している。
条件2:硬化触媒の配合量は、エポキシアクリル樹脂塗料またはポリエステル系樹脂塗料の樹脂固形分100重量部に対して0.1−1.0重量部である。
缶蓋開口時の開口部分のフェザリング性を向上させた表面処理を施したアルミニウム合金板からなる缶蓋の製造方法であって、
アルミニウム合金板の状態で、
少なくとも缶蓋内面側となるアルミニウム合金板表面に、
水溶性ジルコニウム化合物と水溶性リン酸化合物と水溶性フッ化物を主成分とする水系組成物を用いて、
ジルコニウム原子換算で3〜30mg/m2、
リン原子換算で5〜10mg/m2、を含有した、
リン酸ジルコニウム系化合物の下記条件1の無機表面処理皮膜を形成し、
該無機表面処理皮膜の上に、
下記条件2の硬化触媒を添加したエポキシアクリル樹脂塗料またはポリエステル系樹脂塗料を塗布後乾燥して樹脂被覆アルミニウム合金板を得て、
該樹脂被覆アルミニウム合金板を打ち抜いて、缶蓋外面となる側にスコア加工を施し、
リベット加工並びに開封用タブを取り付けることを特徴とするアルミニウム合金缶蓋の製造方法。
条件1:無機表面処理皮膜は、X線光電子分光分析法で測定したときに、アルミニウム合金板表面の90%以上を被覆している。
条件2:硬化触媒の配合量は、エポキシアクリル樹脂塗料またはポリエステル系樹脂塗料の樹脂固形分100重量部に対して0.1−1.0重量部である。
(蓋の構造)
図1は本発明のアルミニウム合金缶蓋の平面図であり、図2は、図1におけるA−A断面の拡大図である。
本発明のアルミニウム合金缶蓋(イージーオープン缶蓋 )4は、図1及び図2に示すように、中央パネル部5、強化環状溝6及び最外周の巻締部からなり、中央パネル部5には、スコア7で囲まれた開口予定部8があり、また開封用タブ9がリベット10を介して固着されている。
開封用タブ9は、把持用リング11と、押込用先端12と、リベット固定用舌片13と、を備えており、押込用先端12が開口予定部8と重なるように取付けられている。
シーミングパネル部17及びカール部18の裏側は、溝19となっており、この溝19には、密封用ゴム組成物(図示せず)がライニングされ、缶胴フランジ(図示せず)との間に二重巻締による密封が行われることになる。
前記アルミニウム合金板は、重量%で、Mg:0.2〜5.5%、Si:0.05〜1%、Fe:0.05〜1%、Cu:0.01〜0.35%、Mn:0.01〜2%、Cr:0.01〜0.4%、を含有するアルミニウム合金であることを特徴とする。
Mgは強度を向上させるために添加するものである。その含有量を重量%で、0.2〜5.5%と限定したのは、0.2重量%未満では所望の強度が得られず、5.5重量%を超えると圧延の際に耳割れが大きくなるためである。
0.15mm未満では、蓋成形が困難で、かつ所望の蓋強度が得られず、一方0.40mmを超えると、経済性が悪くなるためである。
上記無機表面処理皮膜(本明細書では表面処理層という)は、耐食性の付与と、アルミニウム合金板及び塗膜との密着性付与との二つの効果を主な目的としている。
表面処理層にはジルコニウム化合物を含む。ジルコニウム化合物の付着量は耐食性と密着性を左右する。表面処理層に用いられるジルコニウム化合物としては、ジルコニウムを含有する化合物であれば特に限定されないが、当該pHでの安定性が良好で、皮膜形成性に優れることから、フッ素を含有している水溶性ジルコニウム化合物が好ましい。
リン酸ジルコニウム系化合物としては、フルオロジルコニウム酸と燐酸の反応で燐酸ジルコニウムを析出させたものが挙げられる。
リン成分の含有量は、上記表面処理被膜中で、リン原子換算で1〜15mg/m2であることが好ましい。1mg/m2未満であると、処理皮膜の密着性、耐食性が低下するおそれがある。15mg/m2を超えると、処理皮膜の密着性が低下するおそれがあり、また、性能向上は認められず、コスト高となるおそれもある。上記下限は、5mg/m2であることが好ましく、上記上限は、10mg/m2であることが好ましい。
より詳しくは、ジルコニウム又はリンの付着量が既知で付着量の異なるサンプルを複数測定し、この際の強度より、強度−付着量の検量線を作製する。同様の条件で本発明の被覆金属材料からサンプルを切り出し測定する。この測定強度を検量線に基づき付着量に変換することにより、上記ジルコニウム化合物の付着量、及びリン化合物の付着量を測定することができる。
さらに、前記表面処理層は、アルミニウム合金材料の表面の90%以上を被覆していることが好ましい。90%未満の被覆率では加工時にフィルムが剥離しやすい。
上記表面処理層は、表面処理液を、アルミニウム合金板に皮膜処理することにより得られる。
上記処理液において、上記ジルコニウム化合物の含有量は、ジルコニウムイオンとして、50〜1000mg/L、好ましくは100〜300mg/Lである。50mg/L未満であると、短時間処理で充分なジルコニウム皮膜量が得られず、密着性、耐食性が低下するおそれがある。一方、1000mg/Lを超えると、性能向上、処理時間の短縮は認められず、かつコスト高となるおそれがある。なお、上記水溶性ジルコニウム化合物の含有量とは、ノンクロム金属表面処理剤中に含まれるジルコニウムの含有量である。
上記エッチング助剤としては、例えば、フッ化水素酸、フッ化水素酸塩、フッ化硼酸等を挙げることができる。なお、フッ素イオンの供給源として、上記水溶性ジルコニウム化合物として挙げたジルコニウムの錯体を用いる場合には、生成するフッ素イオンの量が不充分であるので、上記フッ素化合物を併用することが好ましい。
本発明の樹脂被覆アルミニウム合金缶蓋の製造は、調整した上記表面処理液をアルミニウム合金板に被覆処理し、化成処理アルミニウム合金板を作製した後、該化成処理アルミニウム合金板の表面に塗膜を形成させ、該樹脂被覆アルミニウム合金板を蓋に成形することにより行うことができる。以下、具体的な工程を追って説明する。
上記表面処理アルミニウム板は、前記処理液でアルミニウム合金板を処理することにより得られる。この処理皮膜を施すことにより、上記アルミニウム合金板に優れた塗装後の耐食性、塗膜密着性を付与することができる。
上記水洗処理は、皮膜外観等に悪影響を及ぼさないようにするために、1回又はそれ以上行われるものである。この場合、最終の水洗は、純水で行われることが適当である。この水洗処理においては、スプレー水洗又は浸漬水洗のどちらでもよく、これらの方法を組み合わせて水洗することもできる。
上記表面処理層の上には、塗膜を形成させる。塗膜としては、熱硬化性樹脂塗料、例えば、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、フラン−ホルムアルデヒド樹脂、キシレン−ホルムアルデヒド樹脂、ケトン−ホルムアルデヒド樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、アルキド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、エポキシアクリル樹脂、ビスマレイミド樹脂、トリアリルシアヌレート樹脂、熱硬化型アクリル樹脂、シリコーン樹脂、油性樹脂、或いは熱可塑性樹脂塗料、例えば塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体部分ケン化物、塩化ビニル−マレイン酸共重合体、塩化ビニル−マレイン酸−酢酸ビニル共重合体、アクリル重合体、飽和ポリエステル樹脂等を挙げることができる。これらの樹脂塗料は単独でも2種以上の組合せでも使用される。
無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸などの二塩基酸および、必要に応じて併用する三価以上の多塩基酸と、 エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、3-メチルペンタジオール、1,4-ヘキサンジオール、1,6-ヘキサンジオール、などの二価アルコールおよび、必要に応じて併用する三価以上の多価アルコールとのエステル化反応により製造される。
このような水可溶性溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、またはジアセトンアルコールのような種々のケトン類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、または、プロピレングリコールジメチルエーテルのような各種のグリコール類;あるいは、i−プロパノール、n−ブタノール、i−ブタノールのような種々のアルコール類が挙げられる。これらは、単独使用でも2種以上の併用でもよいことは勿論であり、さらに、少量のその他の水不溶性溶媒を混合した形態で使用してもよい。
さらに、被覆された塗膜は、通常約130〜250℃程度の温度で、約5秒間〜10分間といった加熱条件下で、熱風炉、赤外線加熱炉等で焼き付けられ、アルミニウム合金缶蓋用素材とされる。
上記塗膜の一例と、乾燥条件、乾燥後の塗膜重量を表1に示す。
本発明のアルミニウム合金缶蓋の成形は、前述したアルミニウム合金缶蓋用素材を使用して、プレス成形法などの公知の成形法で行うことができる。
先ず、被覆アルミニウム板乃至コイルを所定の形状及び寸法に打抜き、次いで、或いは同時にプレス型で蓋に成形する。一般に、ステイ・オン・タブタイプのイージーオープン蓋や、フルオープンタイプのイージーオープン蓋に適用される。
本発明のアルミニウム合金缶蓋の成形方法を以下説明する。
本発明のアルミニウム合金缶蓋の成形は、前述したアルミニウム合金缶蓋用素材を使用して、プレス成形法などの公知の成形法で行うことができる。
先ず、被覆アルミニウム板乃至コイルを所定の形状及び寸法に打抜き、次いで、或いは同時にプレス型で蓋に成形する。一般に、ステイ・オン・タブタイプのイージーオープン蓋や、フルオープンタイプのイージーオープン蓋に適用される。
(実施例1、10)
常温のイオン交換水を攪拌装置付きベッセルに仕込んだ。常温にて攪拌しながら、40%フッ化ジルコニウム水素酸(Zrとして17.6%含有)35.5g/L、85%リン酸23.2g/L、55%フッ化水素酸9g/Lの割合で加え攪拌した。その後、イオン交換水を用いて4%に希釈した後、アンモニアを添加してpH2.6に調整し、微褐色の水溶液を得た。
40%フッ化ジルコニウム水素酸(Zrとして17.6%含有)を14.2g/L、85%リン酸 9.3g/Lとした以外は実施例1、10と同様にして行った。
前記実施例1において、ジルコニウム成分及びリン成分を表2に示すように変化させ、その他は実施例1と同様とした。
市販のアルミニウム−マンガン合金板(JIS A5182 板厚:0.25mm 板寸法:200×300mm)を、市販の強アルカリ系脱脂剤「ファインクリーナー4377」(商標、株式会社日本パーカライジング社製)を用いて、薬剤濃度:20g/L、処理温度60℃、処理時間7秒の条件でスプレー処理した。その後、表面に残存しているアルカリ分を水道水により洗浄した。
得られたアルミニウム合金板に、実施例及び比較例の表面処理液を用いスプレーにて温度50℃〜60℃、処理時間1秒〜5秒にて表面処理した後、未反応物を水道水により洗浄後、更に3000,000Ω以上の脱イオン水にて洗浄し、その後80℃で乾燥し、有機−無機複合表面処理層を形成させた表面処理金属板を得た。
処理剤として、日本ペイント社製「アルサーフ4130」(比較例7:リン酸ジルコニウム系処理剤)、日本ペイント社製「アルサーフ402」(比較例8:ジルコニウム系処理剤(リン酸化合物含有せず))、日本ペイント社製「アルサーフ401/45」(比較例9:リン酸クロメート処理剤)を使用した他は、いずれも、上述の洗浄工程、スプレー処理と同条件にて化成皮膜を形成させた表面処理金属板を得た。
実施例及び比較例によって得られた乾燥皮膜のジルコニウム及びリンの質量を、島津製作所社製 蛍光X線分析装置「XRF−1700」を用いて測定した。
得られた表面処理アルミニウム板に、エポキシアクリル系塗料、エポキシフェノール系塗料、ポリエステル系塗料、エポキシユリア系塗料、ビニルオルガノゾル系塗料を、ローラコーターを用いて塗装し、表1に示した条件にて熱風炉で焼き付けることにより、塗膜を被覆したアルミニウム合金缶蓋用素材を得た。
作製した樹脂被覆アルミニウム合金缶蓋用素材を、上記樹脂被覆面が少なくとも蓋の内面側に存在する方向で直径68.7mmに打ち抜き、次いで蓋の外面側にパーシャル開口型のスコア加工(幅22mm、スコア残厚110μm、スコア幅20μm)、リベット加工並びに開封用タブの取り付けを行い、SOT蓋の作製を行った。
下記評価を行い、結果を表3に示した。
1.皮膜外観
上記により得た樹脂被覆アルミニウム合金缶蓋の表面を目視で評価した。
表3において、はじき、ムラ、著しい変色等の異常の無い、良好な外観が得られたものを「O」で表し、異常があったものはその状態を表記した。
上記により得た熱可塑性樹脂被覆アルミニウム合金缶蓋について、レトルト殺菌処理(130℃で50分間)を実施した後、実際に缶蓋を開口し、開口部分のフェザリングの発生を評価した。
また、上記により得た塗膜被覆アルミニウム合金缶蓋について、煮沸処理(30分間)を実施した後、実際に缶蓋を開口し、開口部分のフェザリングの発生を評価した。
各n=50枚実施し、評価結果は、
○:平均フェザリング長さ0.5mm未満
△:平均フェザリング長さ0.5mm以上、1.0mm未満
×:平均フェザリング長さ1.0mm以上
で示し、表3にまとめた。製品としての使用可能範囲は○及び△で示した製品である。
上記により得た熱可塑性樹脂被覆アルミニウム合金缶蓋について、レトルト殺菌処理(130℃で50分間)を実施した後、開口性評価を実施した。
また、上記により得た塗膜被覆アルミニウム合金缶蓋について、煮沸処理(30分間)を実施した後、開口性評価を実施した。
評価結果は、タブ折れなどによる開口不良数/開口数で示し、表3にまとめた。
一般食缶用溶接缶胴に、内容物コーンスープを充填し常法に従い、上記により得た熱可塑性樹脂被覆アルミニウム合金缶蓋を巻締め、130℃−90分間殺菌処理した。倒立で55℃−2カ月貯蔵後開缶機で巻締部を切断し、蓋を缶胴から離した後、該内面の腐食状態を顕微鏡で観察し評価した。
スチール製絞りしごき缶胴に、内容物コカコーラ(商標)を充填し常法に従い、上記により得た塗膜被覆アルミニウム合金缶蓋を巻締めた。倒立で37℃−3カ月貯蔵後開缶機で巻締部を切断し、蓋を缶胴から離した後、該内面の腐食状態を顕微鏡で観察し評価した。
n=50で実施した。評価結果を、表3にまとめた。
5: 中央パネル部
6: 強化環状溝
7: スコア
8: 開口予定部
9: 開封用タブ
10: リベット
Claims (2)
- 缶蓋開口時の開口部分のフェザリング性を向上させた表面処理を施したアルミニウム合金板からなる缶蓋であって、
重量%で、Mg:0.2〜5.5%、Si:0.05〜1%、Fe:0.05〜1%、Cu:0.01〜0.35%、Mn:0.01〜2%、Cr:0.01〜0.4%を含有するアルミニウム合金板の状態で、
少なくとも缶蓋内面側となるアルミニウム合金板表面に、
ジルコニウム原子換算で3〜30mg/m2、
リン原子換算で5〜10mg/m2、を含有した、
リン酸ジルコニウム系化合物の下記条件1の無機表面処理皮膜を形成し、
該無機表面処理皮膜の上に、
下記条件2の硬化触媒を添加したエポキシアクリル樹脂塗料またはポリエステル系樹脂塗料を塗布後乾燥して樹脂被覆アルミニウム合金板を得て、
該樹脂被覆アルミニウム合金板を打ち抜いて、缶蓋外面となる側にスコア加工を施し、
リベット加工並びに開封用タブを取り付けてなることを特徴とするアルミニウム合金缶蓋。
条件1:無機表面処理皮膜は、X線光電子分光分析法で測定したときに、アルミニウム合金板表面の90%以上を被覆している。
条件2:硬化触媒の配合量は、エポキシアクリル樹脂塗料またはポリエステル系樹脂塗料の樹脂固形分100重量部に対して0.1−1.0重量部である。 - 缶蓋開口時の開口部分のフェザリング性を向上させた表面処理を施したアルミニウム合金板からなる缶蓋の製造方法であって、
アルミニウム合金板の状態で、
少なくとも缶蓋内面側となるアルミニウム合金板表面に、
水溶性ジルコニウム化合物と水溶性リン酸化合物と水溶性フッ化物を主成分とする水系組成物を用いて、
ジルコニウム原子換算で3〜30mg/m2、
リン原子換算で5〜10mg/m2、を含有した、
リン酸ジルコニウム系化合物の下記条件1の無機表面処理皮膜を形成し、
該無機表面処理皮膜の上に、
下記条件2の硬化触媒を添加したエポキシアクリル樹脂塗料またはポリエステル系樹脂塗料を塗布後乾燥して樹脂被覆アルミニウム合金板を得て、
該樹脂被覆アルミニウム合金板を打ち抜いて、缶蓋外面となる側にスコア加工を施し、
リベット加工並びに開封用タブを取り付けることを特徴とするアルミニウム合金缶蓋の製造方法。
条件1:無機表面処理皮膜は、X線光電子分光分析法で測定したときに、アルミニウム合金板表面の90%以上を被覆している。
条件2:硬化触媒の配合量は、エポキシアクリル樹脂塗料またはポリエステル系樹脂塗料の樹脂固形分100重量部に対して0.1−1.0重量部である。
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