JP4774599B2 - 開口性に優れたラミネート蓋及びその製造方法 - Google Patents

開口性に優れたラミネート蓋及びその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、開口性に優れたラミネート蓋及びその製造方法に関するもので、より詳細にはスコアを切断して開口を行う際に、スコア部におけるデラミネーションやフェザリングの発生が防止されて、開口性が向上し、しかもこのデラミネーションやフェザリングの防止が耐圧性や耐内容物性を低下させることがないラミネート蓋並びにその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、格別の道具を用いることなく、手で容易に開口できるイージーオープン蓋付き缶体が広く使用されている。この缶蓋は、金属素材としてアルミやアルミ含金、ブリキ、TFSを用い、この金属板からなる缶蓋に、金属板の厚みの方向の途中に達するようにスコアを設けて、開ロ用部分を形成している。開口部分を把手で引きちぎり缶体と分離するテアーオフ式と、開口部分を缶体に付着させたまま残すスティオンタブ(SOT)式がある。
【0003】
このイージーオープン蓋では、スコア加工やリベット加工に際して内面塗膜に傷が入ることから、加工後に補正塗りを行うことが必要となる。
【0004】
このような補正塗りが不要でしかも耐腐食性に優れた缶蓋として、特開昭62−52045号公報には、アルミニウム基質と、該基質の缶詰内部となる側に位置する厚さ10乃至40μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム層と、アルミニウム基質及びフィルム層の間に介在する厚みが0.3 乃至3μmのエポキシ−フェノール樹脂系接着プライマー層との複合材から成り、該アルミニウム基質にはその厚み方向の途中に達するようにスコアが形成されていることを特徴とするイージーオープン蓋が記載されている。
【0005】
また、特開昭63−12445号公報には、上記複合材が工具や移送具と接触する際に、フィルム上にピンホールやクラックが発生するのを防止するために、フィルム表面に滑剤含有エポキシ系熱硬化性樹脂塗膜の層を設けることが提案されている。
【0006】
更に、特開平3−63124号公報には、開封片によりスコアを切断して開口を行う易開口性金属蓋において、蓋用金属素材と、該金属素材の少なくとも容器用内面側に設けられたエチレンテレフタレート単位を主体とするポリエステル二軸配向フィルムとから成るラミネートから構成され、前記フィルムは、下記式
17≧I(100)/I(110)≧4
ここで、
(100) はポリエステル被膜に平行な(100)によるX線回折強度、
(110) はポリエステル被膜に平行な(110)によるX線回折強度
であり、
を満足するX線回折強度比を有し、且つ、結晶の面内配向の異方性指数が30以下であることを特徴とする耐腐食性、開口性、耐フェザリング性に優れたイージーオープン容器蓋が記載されている。
【0007】
易開口性容器蓋(イージーオープン蓋)としては、切り取られた開口片が路上等にポイ捨てされるおそれを解消するため、開封用タブや開口片が蓋に結合したまま残るようにした所謂スティオンタブ(SOT)形式の易開口性容器蓋も広く用いられるようになっている。
【0008】
特開平7−51779には結晶性飽和ポリエステル系樹脂をラミネートし押圧加工による加工欠陥の防止と開口時の耐フェザリング性を両立するために、押圧加工後に冷結晶化開始温度〜融点未満の温度で加熱処理することを特徴とする金属製易開缶性蓋材の製造方法が記載されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
SOT形式の易開口性容器蓋では、開封用タブ先端の押し込みによりスコアを切断して開口を行うが、この開ロ操作では、ラミネート板の内面側樹脂層が引き伸ばされる形でスコアの切断が行われるため、金属基材と内面樹脂層との間でデラミネーションが発生する傾向がある。
【0010】
食缶で一般的なフルオープン缶はテアーオフ式であり、開口初期においてはSOT形式と同様に開封用タブ先端の押し込みによりスコアを切断して開口を行うが、その後は開口部分を把手で引きちぎり缶体と分離する。この場合でもSOT形式と同様の理由により、金属基材と内面樹脂層との間でデラミネーションが発生する傾向がある。
【0011】
また、金層基材と内面樹脂層との間の密着カが大きく、顕著なデラミネーションを生じない場合でも、開ロ部周辺に伸びた有機被膜が残る、所謂フェザリング現象を生じる。フェザリング現象は外観上不衛生なイメージを与えるため嫌われる。この現象は従来の塗装金層板を加工した缶蓋でもしばしば問題とされることがあり、特に未延伸ポリエステル系樹脂をラミネートした場合に顕著である。
【0012】
特に内容物として、緑茶飲料、紅茶飲料、コーヒー飲料、スープ、お汁粉、ミートソース等を充填した缶詰製品では、ホットベンダー或いは湯の中で温めた状態で取り出し、開ロ操作を行う場含が多く、この場合には室温状態に比べて内面樹脂層が伸びやすい状態となっているため上記フェザリング現象が顕著である。
【0013】
一方、上記ラミネート板を使用する従来の提案は、成形前の金属素材に樹脂を積層すればよく、通常の塗装処理のように、塗膜の焼き付け炉や塗料排ガスの処理設備が不要で、大気汚染がなく、蓋製造時の作業環境に優れるという利点を与える。
【0014】
また、加工欠陥を防止するために、結晶化程度が小さく伸びが大きい状態で押圧加工を施すという提案は、加工性、耐食性を確保する上できわめて有効である。
しかし、押圧加工後の冷熱処理により結晶化を進めて伸びを抑制することでフェザリングを防止することは工業的には困難である。すなわち、ポリエステルの結晶化度は十分な時間と温度条件の下でもたかだか60%であり、残りは非結晶構造のため伸びを保持しているためである。そのため、フェザリングを十分に抑制することができず開口性という点では十分ではない。
【0015】
一方、加工後のラミネート蓋を加熱処理する方法は、スコア加工部におけるデラミネーションを抑制する上ではかなり有効な手段であるが、金属基体、特にアルミニウムを用いたラミネート蓋では、この加熱処理により、金属の硬度が低下して耐圧性能が低下したり、或いは樹脂層の配向消失により耐内容物性が低下するという問題が生じる。
【0016】
従って、本発明の目的は、スコアを切断して開口を行うラミネート蓋において、スコア部における樹脂層のデラミネーションやフェザリング等の発生が抑制され、しかもこの開口性の向上が、耐圧性能や耐内容物性を損なうことがないラミネート蓋及びその製造方法を提供するにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、金属基体の少なくとも蓋内面となる側に設けられた樹脂層とのラミネート材から形成され、パネル部にスコア加工部を備えたラミネート蓋において、少なくともスコア部乃至その近傍の樹脂層の重量平均分子量(Mw)が70000以下であり、且つその多分散度(Mw/Mn)から下式(1)により得られる値Rが1.0より大きいことを特徴とする開口性に優れたラミネート蓋が提供される。
R=d/d0 ・・・(1)
但し、d0 :材料樹脂の多分散度、
d:蓋のスコア部乃至その近傍の樹脂層の多分散度
本発明のラミネート蓋においては、少なくともスコア部乃至その近傍の樹脂層の重量平均分子量(Mw)が25000乃至70000の範囲にあることが好ましい。
本発明のラミネート蓋においては、樹脂層がラジカル分解性の熱可塑性樹脂、特にポリエステル系樹脂であることが好ましい。
本発明によればまた、金属基体の少なくとも蓋内面となる側に設けられた熱可塑性樹脂層とのラミネート材から形成され、パネル部にスコア加工部を備えたラミネート蓋の少なくともスコア部乃至その近傍の熱可塑性樹脂層に紫外線を照射することを特徴とする開口性に優れたラミネート蓋の製造方法が提供される。
本発明の製造方法においては、紫外線のピーク波長が100乃至400nmの範囲にあること、また紫外線を3乃至200J/cmのエネルギーで照射することが好ましい。
【0018】
【発明の実施形態】
[作用]
本発明は、金属基体の少なくとも蓋内面となる側に設けられた樹脂層とのラミネート材から形成され、パネル部にスコア加工部を備えたラミネート蓋に関するが、少なくともスコア部乃至その近傍の樹脂層の重量平均分子量(Mw)が70000以下であり、且つその多分散度(Mw/Mn)から下式で定義される値Rが特徴1.0より大きいことに特徴を有するものであり、この特徴により、スコア切断による開口の際のデラミネーションやフェザリングの発生を有効に抑制し、開口性を顕著に向上させることができる。
R=d/d0 ・・・(1)
但し、d0 :材料樹脂の多分散度、d:蓋のスコア部乃至その近傍の樹脂
層の多分散度
ラミネート蓋におけるスコア部乃至その近傍の樹脂層の重量平均分子量(Mw)及び多分散度(Mw/Mn)を上述した範囲に規制するためには、パネル部にスコア加工部を備えたラミネート蓋の少なくともスコア部乃至その近傍の樹脂層に紫外線を照射する手段が採用される。
【0019】
本発明は、ラジカル分解性の熱可塑性樹脂、特にポリエステル系樹脂では、紫外線照射により、紫外線照射による樹脂の減成の挙動がきわめて特異的であるという性質を利用するものである。
【0020】
一般にポリエステルの場合、その重量平均分子量(Mw)及び多分散度(Mw/Mn)はその重合法などによって種々の値をとりうるが、ラミネート蓋に一般に用いられているものについて言えば、重量平均分子量(Mw)と多分散度(Mw/Mn)との関係では、重量平均分子量(Mw)が減少するにつれて、多分散度(Mw/Mn)も低下する傾向を示すものである。
【0021】
また、本発明者らの研究によると、ポリエステルの分子量の低下、即ち減成は、熱によっても、また紫外線照射によっても生じるが、図1の概念図に示すとおり、熱減成の場合には、熱履歴にかかわらず、多分散度(Mw/Mn)は殆ど変化せず、重量平均分子量(Mw)が単調に低下するのに対して、紫外線照射による減成では、紫外線照射量の増大に伴って、重量平均分子量(Mw)が単調に低下すると共に、多分散度(Mw/Mn)も単調に増大するという極めて興味のある事実が明らかとなった。
即ち、この事実は、紫外線照射による減成では、ポリエステルの重量平均分子量(Mw)の低下の程度よりも大きな割合でポリエステルの数平均分子量(Mn)の低下が生じていることを示している。
【0022】
一方、樹脂層の多分散度(Mw/Mn)を増大させることは、スコア破断の際の樹脂層の伸びを小さく抑制して、フェザリングの発生を防止し、開口性を向上させるに役立つものである。
図2は、ポリエステル樹脂層についての紫外線照射時間(秒)と樹脂層の破断伸び(%)との関係を示したものであり、紫外線照射量と共に樹脂層の破断伸びが直線的に減少していることが明らかとなる。既に指摘したとおり、紫外線照射量の増大に伴ってポリエステル樹脂層の多分散度(Mw/Mn)は単調に増大するから、図2は樹脂層の多分散度(Mw/Mn)の増大が樹脂層の破断伸びの抑制に有効であることを示している。
【0023】
本発明においては、スコア加工部に沿った部分の内面樹脂層の重量平均分子量(Mw)が70000以下の範囲にあることが、開口性の点で重要である。
即ち、この内面樹脂層の重量平均分子量(Mw)が70000を上回ると、スコア加工部での切断による開口に際して、開口部にフェザリングを発生し、また開口部にデラミネーションを発生する傾向が増大して好ましくない。
一方、この樹脂層の重量平均分子量(Mw)が25000を下回ると、ラミネート蓋の耐食性が低下し、更に内面樹脂層の被膜物性、特に機械的強度などが低下するので、Mwは25000以上の範囲にあるのが好ましい。
【0024】
本発明においては、樹脂の分子量が上記範囲にある限り、実質上未配向の未延伸フィルムでも、或いは分子配向された二軸延伸フィルムでも用いることができる。
しかしながら、少なくとも内面側の樹脂層、好適には両方の樹脂層が実質上未延伸である場合には、金属基体との接着性に優れ、更に加工性にも優れた缶蓋が得られるという利点がある。更に、未延伸フィルムを押出コートの形で蓋用金属素材に施したものを用いる場合には、延伸フィルムを用いる場合に比して製膜及び延伸の費用が節約され、また金属基体の上に直接溶融押出コートが行われるので缶蓋の生産性に優れ、更に塗料排ガスなどが発生しないので環境適合性があるという利点がある。
【0025】
本発明の方法では、金属基体と基体の少なくとも蓋内面となる側に設けられた樹脂層とのラミネート材から形成され、パネル部にスコア加工部を備えたラミネート蓋の少なくともスコア部乃至その近傍の樹脂層に紫外線を照射することにより、上記樹脂層に所定の重量平均分子量(Mw)と多分散度(Mw/Mn)とを与えるものである。
紫外線照射手段は、装置コストも低くまた操作も簡単であり、生産性が高いという利点を有しているが、樹脂層の熱減成手段では到底達成されない次の利点を有している。
【0026】
即ち、ラミネート蓋を加熱することにより、樹脂層の減成を行う場合には、樹脂層と共に基体である金属も加熱され、金属の焼鈍による硬度の低下、及びこれに伴う耐圧性の低下をもたらすが、本発明で用いる紫外線照射では、金属基体に対するこのような悪影響を生じないので、加工後のラミネート蓋は耐熱性にも優れたものとなる。
【0027】
本発明の製造方法においては、紫外線のピーク波長が100乃至400nmの範囲にあるのが、エネルギー効率の点で好都合である。また、被覆する樹脂層の厚みにもよるが、ラミネート蓋の樹脂層に紫外線を3乃至200J/cmのエネルギーで照射することが好ましい。照射エネルギーが上記範囲を下回ると、得られるラミネート蓋の開口性が不十分となり、一方上記範囲を上回るとラミネート蓋の耐内容物性が低下するので何れも好ましくない。
【0028】
[金属素材]
本発明において、金属素材としては各種アルミ材や各種鋼板等の従来イージーオープン蓋に使用されている金属素材は全て使用できる。
【0029】
アルミ材としては、例えば純アルミやアルミと他の合金用金属、特にマグネシウム、マンガン等の少量を含むアルミ合金が使用される。
通常のアルミニウム素材は、電気化学的に鋼よりも卑の状態にあり、両金属が電解質系に共存すると、アルミニウムの腐食が進行する。
かかる見地から、本発明においては、Cu 0〜0.8%、Mg 0〜2.8%、Mn 0〜1.5%、Fe 0〜0.5%、Si 0〜0.5%(%は重量基準)を含むアルミ合金をアルミ材として用いることにより、前記系での腐食を有効に防止できる。
即ち、合金成分として含有されるCuは0%乃至0.8%、特に0.05乃至0.4%の範囲にあることが耐食性の点より望ましい。このCuはアルミニウム素材を電気化学的に貴な状態にもたらす作用をし、鋼−アルミ系の腐食がより有効に防止されることになる。
また、Mgは0乃至2.8%の範囲が耐食性の点より望ましい。2.8%を越えると鋼とカップルされたときに孔食を生じ易くなる。Mnは0%乃至1.5%が加工性の点より望ましい。1.5%を越えるとリベット加工等の加工が困難となる。
勿論、巻締に用いる缶が、アルミニウム製である場合には、このような制限は特に受けない。
【0030】
アルミニウム材の厚みは、蓋の大きさ等によっても相違するが一般に0.20乃至0.50mm、特に0.23乃至0.30mmの範囲内にあるのがよい。
アルミ材への内面材の密着性や耐腐食性の見地からは、アルミ材の表面に表面処理膜を形成させることが一般に望ましい。表面処理としては、クロメート処理、ジルコニウム処理、リン酸処理、ポリアクリル酸処理、陽極酸化処理等が好ましい例である。表面処理被膜の形成例として一例を挙げると、クロメート処理膜の形成は、それ自体公知の手段、例えば、アルミ材を、苛性ソーダで脱脂と若干のエッチングを行なった後、CrO 4g/L、HPO 12g/L、F 0.65g/L、残りは水のような処理液に浸漬する化学処理により行われる。クロメート処理膜の厚みは、表面積当りのCr原子の重量で表わして、5乃至50mg/dm、特に10乃至35mg/dmの範囲内にあることが密着性の点より望ましい。
【0031】
一方、各種鋼板類としては、クロメート表面処理鋼板、特に電解クロム酸処理鋼板、クロメート処理ニッケルめっき鋼板、クロメート処理鉄・錫合金めっき鋼板、クロメート処理錫ニッケル合金めっき鋼板、クロメート処理鉄・錫ニッケル合金めっき鋼板、クロメート処理アルミニウムめっき鋼板、クロメート処理ぶりき等が使用される。
鋼板基質の厚みは、耐圧変形性と加工性及び易開口性との兼合いにより決定され、一般に0.1乃至0.4mm、特に0.12乃至0.35mmの範囲にあるのが望ましい。
これらの内でも、電解クロム酸処理鋼板が好ましいものであり、このものは、鋼板基質の上に金属クロム層とその上の非金属クロム層とを備えている。金属クロム層の厚みは、耐腐食性と加工性との兼合いにより決定され、その量は30乃至300mg/m、特に50乃至250mg/mの範囲にあることが望ましい。また非金属クロム層の厚みは、塗膜密着性や接着剥離強度に関連するものであり、クロム量として表わして4乃至40mg/m、特に7乃至30mg/mの範囲にあることが望ましい。
【0032】
[樹脂層]
樹脂としては、製膜可能な熱可塑性樹脂、例えば低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ1−ブテン、ポリ4−メチル−1−ペンテンあるいはエチレン、ピロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン等のα−オレフィン同志のランダムあるいはブロック共重合体等のポリオレフィン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・ビニルアルコール共重合体、エチレン・塩化ビニル共重合体等のエチレン・ビニル化合物共重合体、ポリスチレン、アクリロニトリル・スチレン共重合体、ABS、α−メチルスチレン・スチレン共重合体等のスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニル・塩化ビニリデン共重合体、ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル等のポリビニル化合物、ナイロン6、ナイロン6−6、ナイロン6−10、ナイロン11、ナイロン12等のポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等の熱可塑性ポリエステル、ポリカーボネート、ポリフエニレンオキサイド等あるいはそれらの混合物からなる樹脂が何れも使用される。
本発明では、これらの樹脂の内でも、ラジカル分解性の樹脂、例えばプロピレン系重合体のようなラジカル分解性オレフィン系樹脂、熱可塑性ポリエステル、ポリアミド等に好適に適用されるが、熱可塑性ポリエステルであることが最も好ましい。したがって、以下には専らポリエステルについて説明するが、この例に限定されるものではない。
【0033】
ポリエステル樹脂としては、エチレングリコールやブチレングリコールを主体とするアルコール成分と、芳香族二塩基酸、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の酸成分とから誘導される熱可塑性ポリエステルが挙げられる。
【0034】
ポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレートそのものも制限されたラミネート条件下で使用可能であるが、フィルムの到達し得る最高結晶化度を下げることが耐衝撃性や加工性の点で望ましく、この目的のためにポリエステル中にエチレンテレフタレート以外の共重合エステル単位を導入するのがよい。
エチレンテレフタレート単位或いはブチレンテレフタレート単位を主体とし、他のエステル単位の少量を含む融点が210乃至252℃の共重合ポリエステルを用いることが特に好ましい。尚、ホモポリエチレンテレフタレートの融点は一般に255〜265℃である。
【0035】
一般に共重合ポリエステル中の二塩基酸成分の70モル%以上、特に75モル%以上がテレフタル酸成分から成り、ジオール成分の70モル%以上、特に75モル%以上がエチレングリコールまたはブチレングリコールから成り、二塩基酸成分の1乃至30モル%、特に5乃至25モル%がテレフタル酸以外の二塩基酸成分から成ることが好ましい。
【0036】
テレフタル酸以外の二塩基酸としては、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸:シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸:コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、ドデカンジオン酸等の脂肪族ジカルボン酸:の1種又は2種以上の組合せが挙げられ、エチレングリコールまたはブチレングリコール以外のジオール成分としては、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、1,6−ヘキシレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物等の1種又は2種以上が挙げられる。勿論、これらのコモノマーの組合せは、共重合ポリエステルの融点を前記範囲とするものでなければならない。
【0037】
また、このポリエステルは、成形時の溶融流動特性を改善するために、三官能以上の多塩基酸及び多価アルコールから成る群より選択された少なくとも1種の分岐乃至架橋成分を含有することができる。これらの分岐乃至架橋成分は、3.0モル%以下、好適には0.05乃至3.0モル%の範囲にあるのがよい。
【0038】
三官能以上の多塩基酸及び多価アルコールとしては、トリメリット酸、ピロメリット酸、ヘミメリット酸、1,1,2,2−エタンテトラカルボン酸、1,1,2−エタントリカルボン酸、1,3,5−ペンタントリカルボン酸、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸、ビフェニル−3,4,3’,4’−テトラカルボン酸等の多塩基酸や、ペンタエリスリトール、グリセロール、トリメチロールプロパン、1,2,6−ヘキサントリオール、ソルビトール、1,1,4,4−テトラキス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン等の多価アルコールが挙げられる。
【0039】
ラミネート蓋に好適なポリエステル樹脂として、イソフタール酸成分を5乃至20モル%含有するポリエチレンテレフタレート/イソフタレート、シクロヘキサンジメタノール成分を1乃至10モル%含有するポリエチレン/シクロへキシレンジメチレンテレフタレート等が挙げられる。
【0040】
本発明に用いるポリエステル樹脂層は、上述したポリエステル或いはコポリエステル単独から形成されていても、或いはポリエステル或いはコポリエステルの2種以上のブレンド物、或いはポリエステル或いはコポリエステルと他の熱可塑性樹脂とのブレンド物から形成されていてもよい。
ポリエステル或いはコポリエステルの2種以上のブレンド物としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート/イソフタレート、ポリエチレン/シクロへキシレンジメチレンテレフタレートの2種以上の組合せなどが挙げられるが、勿論この例に限定されない。
【0041】
ポリエステル中に配合できる他の熱可塑性樹脂としては、エチレン系重合体、熱可塑性エラストマー、ポリアリレート、ポリカーボネート等を挙げることができる。これらの改質樹脂成分の少なくとも1種を更に含有させ、耐高温湿熱性や耐衝撃性を更に向上させることができる。この改質樹脂成分は、一般にポリエステル100重量部当たり50重量部迄の量、特に好適には5乃至35重量部の量で用いるのが望ましい。
【0042】
エチレン系重合体として、例えば低−、中−或いは高−密度のポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、線状超低密度ポリエチレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン−1共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン−1共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、イオン架橋オレフィン共重合体(アイオノマー)、エチレン−アクリル酸エステル共重合体等が挙げられる。
これらの内でも、アイオノマーが好適なものであり、アイオノマーのベースポリマーとしては、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体やエチレン−(メタ)アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸共重合体、イオン種としては、Na、K、Zn等のものが使用される。
熱可塑性エラストマーとしては、例えばスチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、水素化スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、水素化スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体等が使用される。
【0043】
ポリアリレートとしては、二価フェノールと二塩基酸とから誘導されたポリエステルとして定義され、二価フェノールとしては、ビスフェノール類としては、2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)、2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン(ビスフェノールB)、1,1’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン(ビスフェノールF)、4−ヒドロキシフェニルエーテル、p−(4−ヒドロキシ)フェノール等が使用されるが、ビスフェノールA及びビスフェノールBが好適である。二塩基酸としては、テレフタール酸、イソフタール酸、2, 2−(4−カルボキシフェニル)プロパン、4, 4’−ジカルボキシジフェニルエーテル、4, 4’−ジカルボキシベンゾフェノン等が使用される。
ポリアリレートは、上記単量体成分から誘導されたホモ重合体でもよく、また共重合体でもよい。また、その本質を損なわない範囲で、脂肪族グリコールと二塩基酸とから誘導されたエステル単位との共重合体であってもよい。これらのポリアリレートは、ユニチカ社のUポリマーのUシリーズ或いはAXシリーズ、UCC社のArdelDー100、Bayer社のAPE、Hoechst社のDurel、DuPont社のArylon、鐘淵化学社のNAP樹脂等として入手できる。
【0044】
ポリカーボネートは、二環二価フェノール類とホスゲンとか誘導される炭酸エステル樹脂であり、高いガラス転移点と耐熱性とを有することが特徴である。ポリカーボネートとしては、ビスフェノール類、例えば、 2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)、
2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン(ビスフェノールB)、
1,1’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、
ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン(ビスフェノールF)、
1, 1−ビス(4ーヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、
1, 1−ビス(4ーヒドロキシフェニル)シクロペンタン、
1, 1−ビス(4ーヒドロキシフェニル)−1−フェニルメタン、
1, 1−ビス(4ーヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、
1, 2−ビス(4ーヒドロキシフェニル)エタン等から誘導されたポリカーボネートが好適である。
【0045】
本発明に用いるポリエステル樹脂層は、また単層の樹脂層であってもよく、また同時押出などによる多層の樹脂層であってもよい。
多層のポリエステル樹脂層を用いると、下地層、即ち金属基体に接する側に金属基体に対する接着性に優れた組成のポリエステル樹脂を選択し、表層に耐内容物性、即ち耐抽出性やフレーバー成分の非吸着性に優れた組成のポリエステル樹脂を選択できるので有利である。
【0046】
多層ポリエステル樹脂層の例を示すと、表層/下層として表示して、ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレンテレフタレート・イソフタレート、ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレン・シクロへキシレンジメチレン・テレフタレート、イソフタレート含有量の少ないポリエチレンテレフタレート・イソフタレート/イソフタレート含有量の多いポリエチレンテレフタレート・イソフタレート等であるが、勿論上記の例に限定されない。
表層:下層の厚み比は、5:95乃至95:5の範囲にあるのが望ましい。
【0047】
上記ポリエステル樹脂層には、それ自体公知の樹脂用配合剤、例えば非晶質シリカ等のアンチブロッキング剤、無機フィラー、各種帯電防止剤、滑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等を公知の処方に従って配合することができる。
【0048】
また、ポリエステル樹脂層の厚みは、一般に3乃至50μm、特に5乃至40μmの範囲にあることが望ましい。即ち、厚みが上記範囲を下回ると、耐腐食性が不十分となり、厚みが上記範囲を上回ると加工性の点で問題を生じやすい。
【0049】
[ラミネート板]
本発明のラミネート蓋の製造に用いるラミネート板の断面構造の一例を示す図3において、このラミネート板1は、アルミニウム基体2の容器蓋内面となる側に施されたポリエステル樹脂層3及び容器蓋外面となる側に施された外面保護層4を備えている。ポリエステル樹脂層3と金属基体2との間には、一般に必要でないが、図示していないプライマー層が設けられていてもよい。
【0050】
外面保護層4としては、内面側と同様にポリエステル樹脂層が使用されるが、この保護層は、熱硬化性樹脂塗料、例えば、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、フラン−ホルムアルデヒド樹脂、キシレン−ホルムアルデヒド樹脂、ケトン−ホルムアルデヒド樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、アルキド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ビスマレイミド樹脂、トリアリルシアヌレート樹脂、熱硬化性アクリル樹脂、シリコーン樹脂、油性樹脂、或は熱可塑性樹脂塗料、例えば、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−マレイン酸共重合体、塩化ビニル−マレイン酸−酢酸ビニル共重合体、アクリル重合体、飽和ポリエステル樹脂等で形成されていてもよい。これらの樹脂塗料は単独でも2種以上の組合せでも使用される。また、アンダーコートと、トップコートの2層に設けることもできる。
外面保護層4の厚みは、特に制限されないが、一般に0.5乃至20μmの厚みに設けるのが好ましい。
【0051】
本発明のラミネート蓋の製造に用いるラミネート板の断面構造の他の例を示す図3において、このラミネート板1は、金属基材2の容器蓋内面となる側に施されたポリエステル樹脂層3及び容器蓋外面となる側に施された外面保護層4を備えている点では、図2のものと同様であるが、ポリエステル樹脂層3がポリエステル樹脂表層3aとポリエステル樹脂下層3bとの積層構造となっている。ポリエステル樹脂表層3aとしては金属基体との接着性に優れたものが使用され、一方ポリエステル樹脂下層3bとしては耐内容物性に優れたものが使用されることは既に述べたとおりである。
【0052】
本発明に用いる樹脂−金属ラミネート板は、ポリエステル樹脂を溶融状態で金属基体上に押出コートして、熱接着させることにより製造することができる。
即ち、ポリエステル樹脂を押出機で溶融混練した後、T−ダイから薄膜状に押し出し、押し出された溶融樹脂膜を金属基体と共に一対のラミネートロール間に通して冷却下に押圧一体化させ、次いで急冷する。
多層のポリエステル樹脂層を押出コートする場合には、表層樹脂用の押出機及び下層樹脂用の押出機を使用し、各押出機からの樹脂流を多重多層ダイ内で合流させ、以後は単層樹脂の場合と同様に押出コートを行えばよい。
また、一対のラミネートロール間に垂直に金属基体を通し、その両側に溶融樹脂ウエッブを供給することにより、金属基体両面にポリエステル樹脂の被覆層を形成させることができる。
【0053】
樹脂−金属ラミネート板の押出コート法による製造は具体的には次のように行われる。金属板を必要により加熱装置により予備加熱し、一対のラミネートロール間のニップ位置に供給する。一方、ポリエステル樹脂は、押出機のダイヘッドを通して薄膜の形に押し出し、ラミネートロールと金属板との間に供給され、ラミネートロールにより金属板に圧着される。ラミネートロールは、一定の温度に保持されており、金属板にポリエステル等の熱可塑性樹脂から成る薄膜を圧着して両者を熱接着させると共に両側から冷却して積層体を得る。一般に、形成される積層体を更に冷却用水槽等に導いて、熱結晶化を防止するため、急冷を行う。
【0054】
この押出コート法では、樹脂組成の選択とロールや冷却槽による急冷とにより、ポリエステル樹脂層は、結晶化度が低いレベル、非晶密度との差が0.05以下に抑制されているため、ついで行うボタン加工乃至リベット加工等に対する十分な加工性が保証される。勿論、急冷操作は上記例に限定されるものではなく、形成されるラミネート板に冷却水を噴霧して、ラミネート板を急冷することもできる。
【0055】
金属基体に対するポリエステル樹脂の熱接着は、溶融樹脂層が有する熱量と、金属板が有する熱量とにより行われる。金属板の加熱温度(T)は、一般に90℃乃至290℃、特に100℃乃至280℃の温度が適当であり、一方ラミネートロールの温度は10℃乃至150℃の範囲が適当である。
【0056】
また、本発明に用いる樹脂−金属ラミネート板は、予め製膜された未延伸のポリエステル樹脂フィルムを金属基体に熱接着させることによっても製造することができる。この場合、ポリエステル樹脂をT−ダイ法でフィルムに成形し、過冷却された未配向のキャストフィルムとする。この未配向のフィルムを用いて、前記と同様に熱接着させて、ラミネートを製造することができる。
【0057】
本発明によれば、後述する実施例に示すとおり、金属基体とポリエステル樹脂層との間に格別のプライマー層を設けることなしに、金属基体とポリエステル樹脂層とを強固に接着させることが可能である。
このため、本発明によれば、接着用プライマーの塗装や焼き付けなどの従来の工程が省略され、溶剤や塗料ミストの作業環境への飛散や塗料焼き付けに伴う塗装排ガスの発生がなく、環境適合性に優れている。
【0058】
勿論、一般に必要ではないが、所望によっては、樹脂層と金属素材の間に接着プライマーを設けることもでき、このような接着プライマーは、金属素材とポリエステル樹脂層との両方に優れた接着性を示すものである。密着性と耐腐食性とに優れたプライマー塗料の代表的なものは、種々のフェノール類とホルムアルデヒドから誘導されるレゾール型フェノールアルデヒド樹脂と、ビスフェノール型エポキシ樹脂とから成るフェノールエポキシ系塗料であり、特にフェノール樹脂とエポキシ樹脂とを50:50乃至5:95重量比、特に40:60乃至10:90の重量比で含有する塗料である。
接着プライマー層は、一般に0.3乃至5μmの厚みに設けるのがよい。接着プライマー層は予め金属素材上に設けてもよく或いはフィルムを用いる場合には、予めフィルム上に設けてもよい。
【0059】
[易開口性ラミネート蓋及びその製造]
本発明のイージーオープン容器蓋の上面を示す図5及び断面を拡大して示す図6において、この蓋10は、前述した図3のラミネート板から形成されており、外周側から中心に向けて、缶胴フランジ部と巻締られるフランジ部11、缶胴上部内面と係合するチヤックウォール部12、チヤックウォール部の下端に連なるチヤックウォールラジアス部13、チヤックウォールラジアス部13よりも内周側のセンターパネルウォール部14及びセンターパネル部15からなっている。
このパネル部には開口すべき部分16を区画するスコア17が設けられている。この開口すべき部分(開口区画部)16の外部には、これに近接して、蓋材を缶蓋外面側に突出させて形成したリベット18が形成され、開口用タブ20がこのリベット18のリベット打ちにより以下に示すように固定されている。
即ち、開口用タブ20は、一端に押し裂きによる開口用先端21及び他端に保持用リング22を有し、開口用先端21に近接してリベット18で固定される支点部分23が存在する。開口すべき部分16はおおむねスコア17によって囲まれているが、一部は蓋材にスコア17を経ることなく蓋10に結合されている。
前述したフランジ部11の裏側は溝となっていて、密封用ゴム組成物のコンパウンド(シーラント)がライニングされていて、缶胴フランジとの間に密封が行われる。
本発明の蓋10においては、少なくとも蓋内面側のスコア加工部17乃至その近傍が、紫外線照射処理され、そのためスコア加工部17の破断に際し、フェザリングの発生が抑制されている。
尚、本発明においては、蓋10の内面側全面に紫外線照射処理を行ってもよい。
【0060】
開口に際しては、開口用タブ20のリング22を保持して、これを上方に持上げる。これにより開口用タブ20の開口用先端21が下方に押込まれ、スコア17の一部が剪断開始される。次いで、リング22を保持してこれを上方に引張ることにより、スコア17の残留部が破断されて開口が容易に行われる。
即ち、スコア17の部分でフィルムのデラミネーションやフェザリングが発生することなく、開口性に優れている。
また、このタイプの蓋10では、タブ20が開口部分16と共に蓋から離脱することなく、蓋に残ることになる。
【0061】
上記具体例の蓋は、いわゆるスティ・オン・タブであるが、勿論フルオープンのイージーオープン蓋にも適用可能である。
【0062】
本発明のイージーオープン蓋の成形は、前述した積層体を用い且つ特定の位置関係で樹脂層に紫外線照射を行う点を除けば、それ自体公知の手段で行われる。この工程を説明すると、先ずプレス成形工程で、積層体シートを円板の形に打抜くと共に、所望の蓋形状に成形する。
【0063】
次いで、スコア刻印工程で、スコアダイスを用いて、蓋の外面側からスコアが金属素材の途中に達するようにスコアの刻印を行う。スコアにおける金属素材の残留厚み(t)は、金属素材の元厚み(t)に対して、t/t ×100が10乃至50%で、tが20乃至150μmとなるようにするのがよい。
また、スコアの底部巾(d)は、開口性の点から50μm以下が好ましい。
【0064】
リベット形成工程において、リベット形成ダイスを用いてスコアで区画された開口用部に外面に突出したリベットを形成させ、タブ取付工程で、リベットに開口タブを嵌合させ、リベットの突出部を鋲出してタブを固定させる。
【0065】
[紫外線照射処理]
本発明では、以上のように成形したラミネート蓋に対して、スコア加工後に、少なくとも開口部分乃至その近傍のポリエステル樹脂層に紫外線が当たるように、紫外線照射処理する。この紫外線照射処理の目的は、既に指摘したとおり、スコア加工部乃至その近傍の樹脂層の重量平均分子量(Mw)を低下させ、多分散度(Mw/Mn)を増加させて、フェザリングの発生を防止することにある。
【0066】
紫外線としては、一般に波長400nm以下、特に200乃至350nmの紫外線を用いる。
紫外線源としては、ポリエステル樹脂等の樹脂によく吸収される波長、即ち320nm以下の光を放出するランプが適している。例えば、高圧水銀灯、低圧水銀灯、アルゴンランプ、キセノンランプ、カドミウムランプ、ハロゲンランプ、メタルハライドランプ、タングステンランプ、重水素ランプ等の光源や、太陽光を用いることができる。
【0067】
照射する紫外線の強度は、もとの樹脂の重量平均分子量(Mw)や化学的組膜厚によっても相違するが、一般的にいって、10乃至1000J/cmの範囲、特に50乃至300J/cmの範囲にあるのが望ましい。また、照射時間は、紫外線の強度、開口性の向上の程度などによっても相違するが、5乃至180秒の範囲にあるのが望ましい。
【0068】
最後にライニング工程において、蓋の密封用溝に、ノズルを通して、密封用コンパウンドをライニング塗布し、乾燥して密封剤層を形成させる。この蓋と缶胴との二重巻締工程を説明すると、缶胴部材のフランジとイージーオープン蓋の密封用溝部とを嵌合させると共に、一次巻締用ロールを用いてフランジの周囲に溝部を一次巻締させる。次いで、二次巻締工程において、このフランジ部を更に、缶胴側壁部に沿って更に巻締して缶体とする。
【0069】
缶胴部材としては、側面に接着剤(ナイロン系接着剤)による継目や溶接による継目を備え、上下に巻締用フランジを備えたテイン・フリー・スチール(TFS、電解クロム酸処理鋼板)製のスリーピース缶用缶胴部材や、絞り成形或いは深絞り成形で形成された所謂ツーピース缶用のTFS或いはアルミニウム製缶胴が好適に使用される。
その他、本発明の蓋は、錫メッキ鋼板(ブリキ)から形成され、ハンダ付或いは溶接による継目を備えたスリーピース缶用缶胴や、絞りしごき加工、深絞り加工、衝撃押出加工等により形成されたアルミニウム製或いはブリキ製のシームレス缶胴にも等しく適用できる。
【0070】
【実施例】
本発明を次の例で説明するが、これらの例は説明のためのものであり、いかなる意味においても以下の例に限定されるものではない。
【0071】
[評価及び測定方法]
(1)開口性評価
40℃の水中にサンプル蓋を10分間浸漬し、その後40℃の水中でタブをフックで固定し、通常の開口動作を模する方向に、リベット部を通るパネル面内の直線を軸に、毎秒7.5度の速度で蓋を回転させて開口する。開口部周辺を目視で観察して下記の基準で評価した。
◎:デラミ、フェザリングともに認められない
○:フェザリングが認められるがわずかである
△:フェザリングが認められる
×:デラミが認められる
【0072】
(2)分子量、多分散度
分子量測定高速GPC装置HLC―8120GPC(東ソー製)を用い、カードカラムの後にTSK―GEL SuperHM―H(東ソー製)を2本接続したカラム構成とした。検出装置には紫外線検出装置UV―8020(東ソー製)を使用し、測定波長は254nmとした。測定温度条件は40℃である。
常法により缶蓋から樹脂層を単離し、約5mgを0.3mlのヘキサフルオロイソプロパノール(HFIP)に溶解し、クロロホルム4mlを加えて試料溶液を調整した。溶離液にはクロロホルムを用い、毎分0.6mlの流速とした。
得られた溶出曲線から常法により重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)を求め、多分散度(d)をd=Mw/Mnとして求めた。
【0073】
(3)耐圧性評価:図7参照
[手順]
▲1▼ 直径65mmの2ピースアルミ缶に蓋を巻締める。
▲2▼ 缶のおよそ下半分部を切り取った後、缶上部をホルダに固定する。
▲3▼ このとき空気が入らないように注意しながら缶内部に水を満たす。
▲4▼ 徐々に水圧をかける。
▲5▼ 蓋のセンターパネルもしくはチャックウォール部がバックリングしたときの水圧を蓋の耐圧として評価する。
【0074】
[樹脂材料]
実施例では被覆樹脂として、イソフタレート成分12モル%のポリエチレンテレフタレート/イソフタレートを用いた。原料ペレットのMwは75000である。
【0075】
[ラミネート金属材の製造方法]
250℃に加熱した上記アルミニウム合金板上に、上記樹脂材料をエクストリュージョン・ラミネーション設備を備えた45mmφ単軸押出機に供給し、バレル及びTダイの温度を250℃でアルミニウム合金板の内外面に同時に溶融押出を行い、直ちに水冷することでラミネート金属材を得た。このとき、蓋内面側樹脂厚みが4.5μmとなるようにした。
【0076】
[蓋の製造方法]
上記ラミネート金属材について、直径75mmブランクから蓋を成形し、これに蓋の外面からパーシャル開口型のスコア加工(幅約25mm、残厚110μm、スコア幅30μm)、リベット加工ならびに開封用タブの取付けを行い、SOT蓋を作製した。
【0077】
[UV照射装置]
(1)スポットUV照射装置
スコア部など蓋の一部にUV照射する場合には、主波長(ピーク波長)240〜380nmのUVを発生する高圧水銀灯、発生したUVを集光したUVを伝搬する光ファイバーケーブル、伝搬したUVを適切な照射径にするためのレンズからなるスポット式UV照射装置を用いた。照射径はおよそ10mmであり、このときの出力はおよそ1000mw/cm2である。
なお、UVを集光するミラーには熱線カット機能を付与してあり、UV照射による蓋の加熱はほとんどない。
【0078】
(2)フラッシュ式UV照射装置
蓋全体に対してUV照射する場合には、クセノンフラッシュランプ(1パルス当り100mJ/cm2)を用いて主波長200〜400nmのUVをフラッシュ式に発生する装置を用いた。照射径はおよそ100mmであり、蓋の全面を照射することができる。
なお、UV照射時には熱線カットフィルターを用い、さらに照射時間の間隔を十分にとることによって、蓋の加熱を極力抑えるようにした。
【0079】
[実施例1]
スポットUV照射装置を用いて、前記SOT蓋の内面側スコア部の初期開口部分(図8参照)にUVを60秒照射したところ、開口性、耐圧性ともに良好なラミネート蓋を得た。
【0080】
[実施例2]
スポットUV照射装置を用いて、前記SOT蓋の内面側スコア部の初期開口部分にUVを120秒照射したところ、開口性、耐圧性ともに良好なラミネート蓋を得た。
【0081】
[実施例3]
スポットUV照射装置を用いて、前記SOT蓋の内面側スコア部の初期開口部分にUVを300秒照射したところ、開口性、耐圧性ともに良好なラミネート蓋を得た。
【0082】
[実施例4]
フラッシュ式UV照射装置を用いて、前記SOT蓋の内面側全面にUVを50パルス照射したところ、開口性、耐圧性ともに良好なラミネート蓋を得た。
【0083】
[比較例1]
実施例1乃至3で用いた蓋をUV照射せずに評価した。この蓋の耐圧性能は良好であるが、開口時にデラミが生じ開口性は不良であった。
【0084】
[比較例2]
内面側樹脂厚み4.5μmのSOT蓋を、240℃×30秒の条件でオーブン加熱処理をした。この蓋の開口性は良好であったが、耐圧性能が低下した。
【0085】
[比較例3]
内面側樹脂厚み4.5μmのSOT蓋を、260℃×30秒の条件でオーブン加熱処理をした。この蓋の開口性は良好であったが、耐圧性能が低下した。
【0086】
前記実施例及び比較例における蓋の開口性、耐圧性を表1に示す。
【0087】
【表1】
Figure 0004774599
【0088】
前記実施例及び比較例における蓋の内面側樹脂の分子量、UV処理部の多分散度(d)、材料樹脂の多分散度(d0)及びR(d/d0)を表2に示す。
【0089】
【表2】
Figure 0004774599
【0090】
【発明の効果】
本発明によれば、スコアを切断して開口を行うラミネート蓋において、開口時のスコア部における樹脂層のデラミネーションやフェザリング等の発生が抑制され、しかもこの開口性の向上が、耐圧性能や耐内容物を損なうことがないラミネート蓋とすることができる。また、本発明によれば、前記ラミネート蓋を容易に製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ポリエステルの熱減成及び紫外線減成について重量平均分子量(Mw)と多分散度(Mw/Mn)との関係を示す概念図である。
【図2】ポリエステル樹脂について、紫外線照射時間と破断伸びとの関係を示すグラフである。
【図3】本発明のラミネート蓋の製造に用いるラミネートの断面構造の一例を示す断面図である。
【図4】本発明のラミネート蓋の製造に用いるラミネートの断面構造の他の例を示す断面図である。
【図5】本発明のイージーオープン容器蓋の上面図である。
【図6】図5のイージーオープン容器蓋の断面図である。
【図7】耐圧測定方法の概略図である。
【図8】UV照射位置の参考図である。

Claims (7)

  1. 金属基体の少なくとも蓋内面となる側に設けられた樹脂層とのラミネート材から形成され、パネル部にスコア加工部を備えたラミネート蓋において、少なくともスコア部乃至その近傍の樹脂層の重量平均分子量(Mw)が70000以下であり、且つその多分散度(Mw/Mn)から下式(1)により得られる値がRが1.0より大きいことを特徴とする開口性に優れたラミネート蓋。
    R=d/d0 ・・・(1)
    但し、d0 :材料樹脂の多分散度、d:蓋のスコア部乃至その近傍の樹脂層
    の多分散度
  2. 少なくともスコア部乃至その近傍の樹脂層の重量平均分子量(Mw)が25000乃至70000の範囲にあることを特徴とする請求項1に記載のラミネート蓋。
  3. 樹脂層がラジカル分解性の熱可塑性樹脂から成ることを特徴とする請求項1又は2に記載のラミネート蓋。
  4. 樹脂層がポリエステル系樹脂であることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のラミネート蓋。
  5. 金属基体の少なくとも蓋内面となる側に設けられた熱可塑性樹脂層とのラミネート材から形成され、パネル部にスコア加工部を備えたラミネート蓋の少なくともスコア部近傍の熱可塑性樹脂層に紫外線を照射することを特徴とする開口性に優れたラミネート蓋の製造方法。
  6. 紫外線のピーク波長が100乃至400nmの範囲にあるものであることを特徴とする請求項5に記載の製造方法。
  7. 紫外線を3乃至200J/cmのエネルギーで照射することを特徴とする請求項5又は6に記載の製造方法。
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