JP4622018B2 - 樹脂被覆金属板、金属缶及び缶蓋 - Google Patents

樹脂被覆金属板、金属缶及び缶蓋 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は樹脂被覆金属板、金属缶及び缶蓋に関するもので、より詳細には優れた加工性、密着性、耐食性、耐高温湿熱性及び耐衝撃性、特にレトルト殺菌後の耐衝撃性を有する樹脂被覆金属板、並びにこの樹脂被覆金属板から形成された上記特性を有する金属缶並びに缶蓋に関する。
【0002】
【従来の技術】
金属素材を熱可塑性ポリエステルフィルムで被覆した樹脂被覆金属板は、製缶用素材として古くから知られており、この積層体を絞り加工或いは絞り・しごき加工に付して、飲料等を充填するためのシームレス缶とし、或いはこれをプレス成形してイージーオープンエンド等の缶蓋とすることもよく知られている。
【0003】
金属素材に積層する熱可塑性ポリエステルとしては、加工性、耐腐食性、香味保持性等の見地から、エチレンテレフタレート単位を主体とし、所望により、他のエステル単位を含むポリエステル或いは共重合ポリエステルが使用されてきた。
【0004】
本発明者等の提案に係る特開平3−101930号公報には、金属板と、エチレンテレフタレート単位を主体とするポリエステルフィルム層と、必要により金属板とポリエステルフィルム層の間に介在する接着プライマー層との積層体から成り、該ポリエステルフィルム層は、式(1)
RX =IA /IB ‥(1)
式中、IA はポリエステルフィルム表面に平行な、面間隔約0.34nm(CuKαX線回折角が24゜から28゜)の回折面によるX線回折強度、IB はポリエステルフィルム表面に平行な面間隔約0.39nm(CuKαX線回折角が21.5゜から24゜)の回折面によるX線回折強度、
で定義されるX線回折強度比が0.5乃至15の範囲内にあり且つ結晶の面内配向の異方性指数が30以下であるフィルム層から成ることを特徴とする缶用被覆金属板が記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
熱可塑性ポリエステルを被覆した積層体から形成されたシームレス缶は、飲料缶として耐腐食性については、一応満足できる評価は得られているものの、未だ被覆樹脂層の金属基体への密着性の一層の向上、高速製缶に対応できる加工性の一層の向上が求められている。更に、充填する内容物の保存性の一層の向上のために、レトルト殺菌やその後の経時に耐える耐高温湿熱性の向上や、レトルト殺菌後の耐衝撃性の向上、レトルト殺菌や衝撃を受けた後での耐食性の向上も重要な技術的課題となってきている。
【0006】
しかしながら、これらの特性を熱可塑性ポリエステルの組成や物性の調節で同時に達成することは次第に困難な状態に至っている。エチレンテレフタレート単位やエチレンナフタレート単位を主体とするポリエステルは、内容物中の芳香成分の吸着が少なく、腐食成分に対するバリアー性にも優れ、更に耐衝撃性にも優れたものであるが、高度の配向状態では、耐高温湿熱性にはある程度優れているものの、密着性や加工性に劣る傾向があり、一方未配向の或いは低配向の状態では、高温湿熱処理により白化(熱結晶化)し、耐衝撃性が著しく劣ったものとなる。
【0007】
この問題を解消する試みも既に多くなされており、例えば種々のポリエステルのブレンド物を用いる方法、種々のポリエステルの積層体を使用する方法等が試みられているが、未だ上記の技術的課題を抜本的に解決するには至っていない。
【0008】
従って、本発明の目的は、レトルト殺菌やその後の高温及び高湿条件での経時に耐える耐高温湿熱性を有し、しかもレトルト殺菌後の耐衝撃性にも顕著に優れた樹脂被覆金属板を提供するにある。
本発明の他の目的は、被覆樹脂層の金属基体への密着性や耐食性が一層向上し、更に高速製缶に対応できる加工性をも備えた樹脂被覆金属板を提供するにある。
本発明の更に他の目的は、これらの特性を備えた金属缶及び缶蓋を提供するにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、金属基体と該金属基体表面に設けられたポリエステル被覆層からなる樹脂被覆金属板において、前記ポリエステル被覆層が少なくとも、芳香族ジカルボン酸と脂肪族ジオールとから誘導された熱可塑性ポリエステルと該ポリエステル当たり0.05乃至25重量%のフェノール樹脂とが相溶した組成物からなる変性ポリエステル層と熱可塑性ポリエステル層との共押出積層体を含み、前記変性ポリエステル層が少なくとも金属基体と接する側に位置していることを特徴とする樹脂被覆金属板が提供される。
本発明の樹脂被覆金属板においては、
1.前記芳香族ジカルボン酸の50モル%以上がテレフタール酸成分からなり且つ前記脂肪族ジオールの50モル%以上がエチレングリコール成分からなること、
2.前記フェノール樹脂が200乃至5000の数平均分子量を有するものであること、
3.前記フェノール樹脂が単環1価フェノール類とホルムアルデヒド乃至その機能性誘導体とから誘導されたノボラック型及び/またはレゾール型フェノール樹脂、最も好適にはオルトクレゾールのような二官能性フェノールのノボラック樹脂であること、
4.前記変性ポリエステル層が、エチレン系重合体、熱可塑性エラストマー、ポリアリレート及びポリカーボネートからなる群より選択された樹脂改質剤の少なくとも1種を更に含有するものであること、
5.前記樹脂改質剤前記変性ポリエステル層の熱可塑性ポリエステル当たり50重量%迄の量で含有されていること、
が好ましい。
本発明によればまた、上記樹脂被覆金属板から形成された金属缶及び缶蓋が提供される。
【0010】
【発明の実施形態】
[作用]
本発明では、種々の樹脂改質剤の内でもフェノール樹脂を選択し、このフェノール樹脂を熱可塑性ポリエステル当たり0.05乃至25重量%の量で組合せ、この変性ポリエステル層を金属板に対するポリエステル被覆層として用いるのが特徴である。本発明によれば、この特徴により、加工性や密着性、更には耐食性を向上させ、レトルト殺菌やその後の高温高湿での経時に耐える耐高温湿熱性を付与し、しかもレトルト殺菌後の耐衝撃性をも顕著に向上させることができる。
【0011】
本発明では、種々の樹脂改質剤の内でも、フェノール樹脂を選択することが上記特性の点で重要である。
これを確認するため、ホモポリエチレンテレフタレート(PET)に1重量%の樹脂改質剤をブレンドしてフィルムに製膜し、このフィルムをティンフリースチール(TFS)にラミネートし、公称歪約25%で圧延し、220℃で3分間熱固定し、205℃で2分間熱処理し、その後125℃で30分間レトルト処理した樹脂被覆金属板に、クロスカット腐食試験を行った。
この結果によると、ノボラック型エポキシ樹脂を配合したポリエステルフィルムでは89%のフィルム剥離を発生し、またビスフェノールF型エポキシ樹脂を配合したポリエステルフィルムでも57%のフィルム剥離を発生するのに対して、o−クレゾールノボラック樹脂を配合したポリエステルフィルムではこのフィルム剥離率が9%、またp−クレゾールレゾール樹脂を配合したポリエステルフィルムでもこのフィルム剥離率が21%に抑制できるのであって、本発明の変性ポリエステル層を設けた被覆金属板では、苛酷な機械的加工や熱処理を受けた後にも、優れたフィルムの密着性と耐食性を維持していることが理解される。
【0012】
また、フェノール樹脂を配合したポリエステルフィルムは、レトルト殺菌後の高温高湿での経時に耐える耐高温湿熱性にも優れている。
例えば、ホモPETフィルムを125℃で30分間レトルト処理し、その後90℃の温度で湿熱下に経時させた場合、ポリエステルの分子量の保持率が1週間後には60%、2週間後には40%に低下するのに対して、o−クレゾールノボラック樹脂を1重量%配合した同様の条件でのポリエステルの分子量の保持率が1週間後には70%、2週間後には60%に留まるのであって、耐高温湿熱性にも優れていることが分かる。
【0013】
ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステルがレトルト後の高温湿熱処理により劣化する原因は、上述したとおり、この条件下でポリエステルの加水分解による減成反応が生じること、及び分子量の減少により熱結晶化も促進されることによるが、本発明によると、ポリエステル中に少量のフェノール樹脂を配合するという簡単な操作で樹脂被覆層の劣化傾向が顕著に抑制されるのであって、これは配合されたフェノール樹脂がポリエステルの加水分解による減成を抑制するのにも有効に作用していることを物語っている。
【0014】
実際の缶詰製品に要求される実用的な耐衝撃性として、耐デント性と呼ばれるものがある。これは、缶詰製品を落下して、或いは缶詰製品同士が相互に衝突して、缶詰製品に打痕と呼ばれる凹みが生じた場合にもなお、被覆の密着性やカバレージが完全に保たれることが要求されるという特性である。即ち、デント試験で被覆が剥離し或いは被覆にピンホールやクラックが入る場合には、この部分から金属溶出や孔食による漏洩等を生じて、内容物の保存性を失うという問題を生じるのである。
一般に、耐内容物性に優れたポリエステルの場合、一般にデント試験の際の衝撃を吸収し或いは緩和させるという特性に欠けており、これらの特性の付与が重要な課題となる。
特に、ポリエステル被覆ツーピース缶においては、缶成形後の被覆の残留歪みを除去する目的での熱固定や、印刷インキ焼き付けなどの目的での種々の熱処理が必要となるが、これらの熱処理温度が高くなると、耐デント性が大きく低下する傾向が認められる。
【0015】
ポリエチレンテレフタレート単独キャストフィルムを積層した樹脂被覆金属板を、220乃至240℃で3分間熱固定し、205℃で2分間熱処理し、次いでレトルト処理及び37℃水中で2週間経時させ、高さ40mmからの鉄球落下試験に付した後、エナメルレータ試験を行うと、電流値(ERV)はそれぞれ220℃では3mA、230℃では6mA、240℃では9mAであって、熱処理温度が高くなる程、耐デント性が低下することが分かる。
これに対して、o−クレゾールノボラック樹脂を1重量%配合したポリエチレンテレフタレートフィルムを積層した樹脂被覆金属板について、上記と同様のデント試験及びエナメルレータ試験を行うと、電流値(ERV)はそれぞれ220℃では0.7mA、230℃では0.7mA、240℃では0.9mAであって、熱処理温度の上昇にもかかわらず、耐デント性が満足すべき一定レベルに維持されているという驚くべき事実が明らかとなる。
【0016】
以上の実験事実から、ポリエステル被覆層中の変性ポリエステル層に配合されたフェノール樹脂成分は、金属板に対するポリエステル層の密着性を高めると共に、被覆金属板の耐食性を向上させ、レトルト処理後の高温高湿条件での耐加水分解性を向上させ、更に熱処理やレトルト処理を受けた後での樹脂被覆金属板の耐衝撃性(耐デント性)を顕著に向上させていることが明らかとなる。
【0017】
更に、フェノール樹脂を含有する変性ポリエステル層を設けた樹脂被覆金属板は、絞り・深絞り成形、絞り・しごき成形等により缶胴に成形し、或いはネックイン加工、フランジ加工、ビード加工、周状多面体壁加工、バルジ加工等の二次加工に付した場合にも、亀裂、ピンホール、剥離等を発生することなく、加工性、密着性に顕著に優れている。これは、樹脂被覆金属板をプレス成形、スコア加工、リベット加工等に付して、缶蓋に成形した場合にも同様である。
【0018】
本発明に用いる変性ポリエステル層には、エチレン系重合体、熱可塑性エラストマー、ポリアリレート及びポリカーボネートからなる群より選択された改質樹脂成分の少なくとも1種を更に含有させることができ、これにより膜揺れやネッキングを防止して、製膜性を向上させると共に、被覆金属板の缶や缶蓋への成形性を一層向上させ、更に耐高温湿熱性や耐衝撃性を一層向上させることができる。
【0019】
[樹脂被覆金属板の概略]
樹脂被覆金属板の断面構造の一例を示す図1において、この樹脂被覆金属板1は、本発明の範囲外のものであり、金属基体2と、容器としたとき内面側となる側に設けられた変性ポリエステル層3とから成っている。金属基体2の容器外面側にも熱可塑性ポリエステル層4が形成されているが、この外面側のポリエステル層4は変性ポリエステルからなっていても、或いはそれ以外のポリエステル被覆層からなっていてもよい。
【0020】
本発明の樹脂被覆金属板の断面構造を示す図2において、容器内面となる側には、金属基体と接する側に位置する変性ポリエステル下地層3とそれ以外のポリエステル表面層5との共押出により形成された積層樹脂層6を設けている以外は、図1の場合と同様である。
【0021】
[金属板]
本発明では、金属板としては各種表面処理鋼板やアルミニウム等の軽金属板が使用される。
【0022】
表面処理鋼板としては、冷圧延鋼板を焼鈍後二次冷間圧延し、亜鉛メッキ、錫メッキ、ニッケルメッキ、電解クロム酸処理、クロム酸処理等の表面処理の一種または二種以上行ったものを用いることができる。好適な表面処理鋼板の一例は、電解クロム酸処理鋼板であり、特に10乃至200mg/mの金属クロム層と1乃至50mg/m(金属クロム換算)のクロム酸化物層とを備えたものであり、このものは塗膜密着性と耐腐食性との組合せに優れている。表面処理鋼板の他の例は、0.5乃至11.2g/mの錫メッキ量を有する硬質ブリキ板である。このブリキ板は、金属クロム換算で、クロム量が1乃至30mg/mとなるようなクロム酸処理或いはクロム酸−リン酸処理が行われていることが望ましい。
【0023】
更に他の例としては、アルミニウムメッキ、アルミニウム圧接等を施したアルミニウム被覆鋼板が用いられる。
【0024】
軽金属板としては、所謂アルミニウム板の他に、アルミニウム合金板が使用される。耐腐食性と加工性との点で優れたアルミニウム合金板は、Mn:0.2乃至1.5重量%、Mg:0.8乃至5重量%、Zn:0.25乃至0.3重量%、及びCu:0.15乃至0.25重量%、残部がAlの組成を有するものである。これらの軽金属板も、金属クロム換算で、クロム量が20乃至300mg/mとなるようなクロム酸処理或いはクロム酸/リン酸処理が行われていることが望ましい。
【0025】
金属板の素板厚(缶の場合には缶底部の厚み)(tB )は、金属の種類、容器の用途或いはサイズによっても相違するが、一般に0.10乃至0.50mmの厚みを有するのがよく、この内でも表面処理鋼板の場合には、0.10乃至0.30mmの厚み、また軽金属板の場合には0.15乃至0.40mmの厚みを有するのがよい。
【0026】
[変性ポリエステル層]
本発明において、変性ポリエステル層を形成するポリエステルベース樹脂としては、芳香族ジカルボン酸と脂肪族ジオールとから誘導された熱可塑性ポリエステル、特に前記芳香族ジカルボン酸成分の50モル%以上がテレフタール酸成分からなり且つ前記脂肪族ジオール成分の50モル%以上がエチレングリコール成分からなるポリエステルが挙げられる。上記条件を満足する限り、このポリエステルは、ホモポリエステルでも、共重合ポリエステルでも、或いはこれらの2種類以上のブレンド物であってもよい。
【0027】
テレフタル酸成分以外のカルボン酸成分としては、イソフタール酸、ナフタレンジカルボン酸、P−β−オキシエトキシ安息香酸、ビフェニル−4,4’−ジカルボン酸、ジフェノキシエタン−4,4’−ジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、アジピン酸、セバシン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等を挙げることができる。
【0028】
一方、エチレングリコール以外のジオール成分としては、1,4−ブタンジオール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物などのジオール成分を挙げることができる。
【0029】
適当な熱可塑性ポリエステルの例は、決してこれに限定されないが、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート、ポリエチレンテレフタレート/イソフタレート、ポリブチレンテレフタレート/イソフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート/テレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート/アジペート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート/イソフタレート、ポリブチレンテレフタレート/アジペート、或いはこれらの2種以上のブレンド物である。
【0030】
ポリエステル層のベースポリマーは、フィルム形成範囲の分子量を有するべきであり、溶媒として、フェノール/テトラクロロエタン混合溶媒を用いて測定した固有粘度〔η〕は0.5以上、特に0.6乃至1.5の範囲にあるのが腐食成分に対するバリアー性や機械的性質の点でよい。
【0031】
[フェノール樹脂]
フェノール樹脂とは、フェノール類とホルムアルデヒド乃至その機能誘導体とから誘導される樹脂であり、大別して酸触媒の存在下に得られるノボラック樹脂と、アルカリ触媒の存在下に得られるレゾール樹脂とがある。本発明では、ノボラック樹脂単独、レゾール樹脂単独、或いはこれらの混合物の何れをも用いることができる。
【0032】
樹脂の製造に用いるフェノール類としては、三官能性、二官能性、一官能性のフェノール類或いはこれらの2種類以上の混合物が使用される。
フェノール類の官能性とは、次の意味でのものである。すなわち、フェノール類がホルムアルデヒドと反応しうる位置は、水酸基に対して2個のオルト位と1個のパラ位との3カ所であり、これら3カ所が未置換であれば三官能性、これら3カ所の内1カ所が置換されていれば二官能性ということになる。
また、水酸基の数に対応して1価フェノール類や多価フェノール類があり、更に芳香環の数に対応して、単環フェノール類や多環フェノール類がある。
【0033】
具体的には、単環1価フェノール類として、フェノール(石炭酸)、m−クレゾール、m−エチルフェノール、3,5−キシレノール、m−メトキシフェノール等の3官能性フェノール類;o−クレゾール、p−クレゾール、p−tertブチルフェノール、p−エチルフェノール、2,3−キシレノール、2,5−キシレノール、p−tert−アミルフェノール、p−ノニルフェノール、p−フェニルフェノール、p−シクロヘキシルフェノール等の2官能性フェノール;2,4−キシレノール、2,6−キシレノール等の1官能性フェノール類;が挙げられる。
また、多環多価フェノール、すなわちフェノール性水酸基が結合した環を複数個有するフェノール類としては、式(1)
HO−Φ−Z−Φ−OH ‥‥(1)
式中、Zは直接結合或は2価の橋絡基を表わし、Φはフェニレン基(オル
ソ、メタ及び/またはパラ)を表す。
で表わされる2価フェノールが代表的なものである。2価の橋絡基Rとしては、式−CR’R’−(式中、R’の各々は水素原子、ハロゲン原子、炭素数4以下のアルキル基、またはパーハロアルキル基である)のアルキリデン基、−O−、−S−、−SO−、−SO−、−NR−(式中、Rは水素原子または炭素数4以下のアルキル基である)の基等を挙げることができるが、一般にはアルキリデン基又はエーテル基が好ましい。
このような2価フェノールの適当な例は、
2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノ−ルA)、
2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン(ビスフェノールB)、
1,1’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、
ビス(4−,3−または2−ヒドロキシフェニル)メタン(ビスフェノールF)、
4−ヒドロキシフェニルエーテル、
p−(4−ヒドロキシ)フェノール、
等がある。
【0034】
本発明においては、用いるフェノール類は、特に限定されないが、単環1価フェノール類、特に下記式(2)
Figure 0004622018
式中、Rは水素原子又は炭素数4以下のアルキル基又はアルコキシ基であって、3個のRの内2個は水素原子であり、かつ1個はアルキル基又はアルコキシ基であるものとし、Rは水素原子又は炭素数4以下のアルキ
ル基である。
で表わされる2官能性フェノール、例えば、o−クレゾール、p−クレゾール、p−tertブチルフェノール、p−エチルフェノール、2,3−キシレノール、2,5−キシレノール等の2官能性フェノールの1種又は2種以上を主体とする(50重量%よりも多い量で含有する)ものが好適であり、特にo−クレゾールを主体とするものが望ましい。
【0035】
一方、反応に用いるホルムアルデヒドは一般にホルマリン溶液として入手できるものが使用され、一方ホルムアルデヒドの機能誘導体としては、パラホルムアルデヒド、トリオキサンなどが挙げられる。
【0036】
本発明に用いるノボラック型フェノール樹脂は、それ自体公知の方法、すなわち上述したフェノール類とホルムアルデヒドまたはその機能誘導体とを酸触媒及び水の存在下に反応させることにより得られる。酸触媒としては、塩酸、硫酸、リン酸、トルエンスルホン酸、シュウ酸、乳酸などが使用される。フェノール類に対するホルムアルデヒドの使用量には特に制限はなく、従来ノボラック樹脂の製造に使用されている量比で用いることができ、例えばフェノール類1モル当たり0.8乃至1モルの量比であってよい。反応は、一般に反応系を還流下に加熱することにより行われ、生成した樹脂は、脱水、中和、洗浄、精製などの処理を行って、固形の樹脂分として回収する。
【0037】
また、本発明に用いるレゾール型フェノール樹脂も、それ自体公知の方法、すなわち、上述したフェノール類とホルムアルデヒドとを塩基性触媒の存在下に反応させることにより得られる。フェノールに対するアルデヒドの使用量には特に制限はなく、従来レゾール型樹脂の製造に使用されている量比で用いることができ、例えばフェノール類1モル当たり1モル以上、特に1.5乃至3.0モルの量比のアルデヒドを好適に用いることができるが、1モルよりも少ないアルデヒドを用いても特に不都合はない。
縮合は、一般に適当な反応媒体中、特に水性媒体中で行うのが望ましい。塩基性触媒としては、従来レゾール型樹脂の製造に使用されている塩基性触媒のいずれもが使用でき、就中、アンモニアや、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、酸化マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム、塩基性塩化マグネシウム、塩基性酢酸マグネシウム等のアルカリ土類金属等の水酸化物、酸化物或は塩基性塩等が好適に使用される。これらの塩基性触媒は、反応媒体中に触媒量、特に0.01乃至0.5 モル%の量で存在させればよい。縮合条件は、特に制限はなく、一般に80乃至130℃の温度で1乃至10時間程度の加熱を行えばよい。
生成する樹脂はそれ自体公知の手段で精製することができ、例えば、反応生成物たる樹脂分を例えばケトン、アルコール、炭化水素溶媒或はこれらの混合物で反応媒体から抽出分離し、必要により水で洗浄して未反応物を除去し、更に共沸法或は沈降法により水分を除去して、ポリエステル樹脂に混合し得る形のレゾール型フェノール樹脂とすることができる。
【0038】
本発明に用いるフェノール樹脂は、数平均分子量(Mn)が200乃至5000の範囲にあることが好ましい。
【0039】
[変性ポリエステル組成物]
本発明では、ポリエステルに上記フェノール樹脂を、ポリエステル100重量%当たり0.05乃至25重量%、特に0.1乃至15重量%となる割合でブレンドする。
フェノール樹脂のブレンド比が上記範囲を下回ると、上記範囲内にある場合に比して耐高温湿熱性や耐衝撃性の改善が不十分であり、一方上記範囲を上回ると被覆層の機械的性質や腐食成分に対するバリアー性が低下する傾向がある。
【0040】
変性ポリエステル組成物中には、エチレン系重合体、熱可塑性エラストマー、ポリアリレート及びポリカーボネートからなる群より選択された改質樹脂成分の少なくとも1種を更に含有させ、耐高温湿熱性や耐衝撃性を更に向上させることができる。この改質樹脂成分は、一般にポリエステル100重量%当たり50重量%迄の量、特に好適には5乃至35重量%の量で用いるのが望ましい。
【0041】
エチレン系重合体として、例えば低−、中−或いは高−密度のポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、線状超低密度ポリエチレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン−1共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン−1共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、イオン架橋オレフィン共重合体(アイオノマー)、エチレン−アクリル酸エステル共重合体等が挙げられる。
これらの内でも、アイオノマーが好適なものであり、アイオノマーのベースポリマーとしては、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体やエチレン−(メタ)アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸共重合体、イオン種としては、Na、K、Zn等のものが使用される。
【0042】
熱可塑性エラストマーとしては、例えばスチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、水素化スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、水素化スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体等が使用される。
【0043】
ポリアリレートとしては、二価フェノールと二塩基酸とから誘導されたポリエステルとして定義され、二価フェノールとしては、ビスフェノール類としては、2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)、2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン(ビスフェノールB)、1,1’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン(ビスフェノールF)、4−ヒドロキシフェニルエーテル、p−(4−ヒドロキシ)フェノール等が使用されるが、ビスフェノールA及びビスフェノールBが好適である。二塩基酸としては、テレフタール酸、イソフタール酸、2, 2−(4−カルボキシフェニル)プロパン、4, 4’−ジカルボキシジフェニルエーテル、4, 4’−ジカルボキシベンゾフェノン等が使用される。
ポリアリレートは、上記単量体成分から誘導されたホモ重合体でもよく、また共重合体でもよい。また、その本質を損なわない範囲で、脂肪族グリコールと二塩基酸とから誘導されたエステル単位との共重合体であってもよい。これらのポリアリレートは、ユニチカ社のUポリマーのUシリーズ或いはAXシリーズ、UCC社のArdelD−100、Bayer社のAPE、Hoechst社のDurel、DuPont社のArylon、鐘淵化学社のNAP樹脂等として入手できる。
【0044】
ポリカーボネートは、二環二価フェノール類とホスゲンとか誘導される炭酸エステル樹脂であり、高いガラス転移点と耐熱性とを有することが特徴である。ポリカーボネートとしては、ビスフェノール類、例えば、 2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)、
2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン(ビスフェノールB)、
1,1’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、
ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン(ビスフェノールF)、
1, 1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、
1, 1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、
1, 1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルメタン、
1, 1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、
1, 2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン等から誘導されたポリカーボネートが好適である。
【0045】
ポリエステルとフェノール樹脂或いは更に改質樹脂成分とのブレンドは、フェノール樹脂の性状に応じて、ドライブレンドやメルトブレンドで行うことができ、前者の場合、樹脂をブレンダー、ヘンシェルミキサーやスーパーミキサー等で混合し、直接押出機のホッパーに供給すればよく、また後者の場合、一軸或いは二軸の押出機、ニーダー、バンバリーミキサー等で混練すればよい。これら何れの場合でも、ポリエステルとフェノール樹脂とは、最終的には、ポリエステルの溶融温度以上の温度でブレンドが行われることになる。フェノール樹脂を比較的高濃度で含有するポリエステル/フェノール樹脂のマスターバッチを製造し、このマスターバッチをポリエステルにブレンドすることもできる。
【0046】
ポリエステルとフェノール樹脂とのブレンドに際して、ポリエステルとフェノール樹脂との間に反応が生じても本発明の効果に差異がないことが注目されるべきである。即ち、ポリエステル中には、末端水酸基や末端カルボキシル基等の官能基が存在し、ポリエステルとフェノール樹脂とがポリエステルの溶融温度以上の高温(一般に200℃以上)で接触している条件では、これらの官能基とフェノール基との間に反応が生じていると信じられる。この反応により、ポリエステル分子鎖には、分子間架橋が生じている可能性もある。ポリエステルの加水分解による減成には、末端カルボキシル基が悪い影響を与えるという説もあるが、フェノール樹脂との反応は加水分解を抑制する上でよい影響を与えている可能性がある。
【0047】
本発明で用いる変性ポリエステル層には、それ自体公知の樹脂用配合剤を配合することができる。例えば、酸化防止剤、特に分子量が400以上の酸化防止剤を配合することにより、製缶用積層体の耐熱性を顕著に向上させることができる。
【0048】
上記の高分子フェノール系酸化防止剤としては、例えば、
テトラキス[メチレン−3(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)メタン(分子量1177.7)、
1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン(分子量544.8)、
1,3,5−トリメチルー2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン(分子量775.2)、
ビス[3,3’−ビス−(4’−ヒドロキシ−3’−t−ブチルフェニル)ブチリックアシッド]グリコールエステル(分子量794.4)、
1,3,5−トリス(3’5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシベンジル)−s−トリアジン 2,4,6−(1H,3H,5H)トリオン(分子量783.0)、
トリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](分子量586.8)、
1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3、5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(分子量638.9)
等を用いることができる。中でも特に、テトラキス[メチレン−3(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)メタンが好適である。
【0049】
分子量400以上の酸化防止剤の他の例として、トコフェロール系酸化防止剤、例えばα−型、β−型、γ−型、δ−型等のトコフェロールを挙げることができる。α−トコフェロールが特に好適である。
【0050】
これらの酸化防止剤は、ポリエステル100重量%当たり0.01乃至1.5重量%の量で用いるのがよい。
【0051】
勿論、このポリエステル組成物には、それ自体公知の他の樹脂用配合剤、例えば非晶質シリカ等のアンチブロッキング剤、二酸化チタン(チタン白)等の顔料、各種帯電防止剤、滑剤等を公知の処方に従って配合することができる。
【0052】
本発明の樹脂被覆金属板において、金属基体上に設けるポリエステル被覆は、変性ポリエステル層とそれ以外の少なくとも1個のポリエステル層との積層体から成るこの積層体において、変性ポリエステル層は、少なくとも金属基体と接する側に存在することが耐高温湿熱性及び耐衝撃性の点で必要である。
【0053】
例えば、変性ポリエステル層とそれ以外のポリエステル層との積層体からなる被覆層において、変性ポリエステル層が下地層となり、それ以外のポリエステル層が表面層となるべきであり、しかもポリエステル表面層は耐内容物性に優れたポリエステル層からなるのがよい。
【0054】
具体的には、ポリエステル表面層は、カルボン酸成分の50モル%以上、特に70モル%以上がテレフタル酸或いはナフタレンジカルボン酸成分からなり、アルコール成分の50モル%以上、特に70モル%以上がエチレングリコール成分からなるポリエステルであって、ガラス転移点が50℃以上、特に60℃以上であるものがよい。
ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート/イソフタレート、ポリエチレンナフタレンジカルボキシレート、ポリエチレンナフタレンジカルボキシレート/テレフタレート等が適当な例である。
これらのポリエステル表面層も、既に述べた範囲の固有粘度を有するのがよい。
【0055】
本発明において、ポリエステル被覆層は、全体として1乃至60μm、特に2乃至40μmの厚みを有するのが金属基体の保護と加工性とのバランスの点でよく、変性ポリエステル層とそれ以外のポリエステル層とは、1:40乃至40:1の厚み比、特に1:20乃至20:1の厚み比で存在するのが、耐高温湿熱性及び耐衝撃性と耐内容物性とのバランスの点で好ましい。
尚、以下の説明では、変性ポリエステルを含むポリエステルを、煩雑さを避けるため、単にポリエステルと呼ぶことにする。
【0056】
[樹脂被覆金属板及びその製造]
金属基体へのポリエステル被覆層の形成は、任意の手段で行うことができ、例えば、押出コート法、キャストフィルム熱接着法、二軸延伸フィルム熱接着法等により行うことができる。
【0057】
押出コート法の場合、樹脂層の種類に対応する数の押出機を使用し、ダイを通してポリエステルを押出すると共に、これを溶融状態で金属基体上に押出しコートして、熱接着させる。
【0058】
樹脂被覆金属板の押出コート法による製造方法を説明するための図3において、金属板11を必要により加熱ロール12a、12bにより予備加熱し、チルロール13とニップロール14間に供給する。一方、ポリエステルは、押出機のダイヘッド15を通して薄膜16の形に押し出し、チルロール13とニップロール14間に金属板11と重ねられるように供給される。チルロール13とニップロール14は、強制冷却されており、金属板11に複合ポリエステルから成る薄膜16を圧着して両者を熱接着させると共に両側から急冷することにより積層体17を得る。熱接着後の被覆金属板は、冷却水槽に導いて急冷し、熱結晶化を防止する。
【0059】
金属基体に対する複合ポリエステル組成物の熱接着は、溶融ポリエステル層が有する熱量と、金属板が有する熱量とにより行われる。金属板の加熱温度(T)は、一般に90乃至290℃、特に100乃至280℃の温度が適当である。
【0060】
ポリエステルフィルムを用いる製造法の場合、図3のダイヘッドの代わりに、ポリエステルフィルムのロールを設け、巻き戻したフィルムをチルロール13とニップロール14間に供給するようにすればよい。
【0061】
上記積層フィルムは、前述した共押出物をT−ダイ法やインフレーション製膜法でフィルムに成形することにより得られる。フィルムとしては、押し出したフィルムを急冷した、キャスト成形法による未延伸フィルムを用いることもでき、また、このフィルムを延伸温度で、逐次或いは同時二軸延伸し、延伸後のフィルムを熱固定することにより製造された二軸延伸フィルムを用いることもできる。
【0062】
ポリエステル系フィルムの二軸配向の程度は、X線回折法、偏光蛍光法、複屈折法、密度勾配管法密度等でも確認することができる。フィルムの二軸延伸の程度は、表面層ポリエステルが0.04乃至0.18の複屈折を有するものが適当である。フィルムの延伸は一般に80乃至130℃の温度で、面積延伸倍率が2.5乃至16.0、特に4.0乃至14.0となる範囲から、ポリエステルの種類や他の条件との関連で、複屈折が前記範囲となる延伸倍率を選ぶ。また、フィルムの熱固定は、130乃至240℃、特に150乃至230℃の範囲から、やはり前記条件が満足されるような熱固定温度を選ぶ。
【0063】
ポリエステルフィルムと金属素材の間には、一般に必要でないが、所望により接着プライマー層を設けておくこともできる。この接着プライマーは、金属素材とフィルムとの両方に優れた接着性を示すものである。密着性と耐腐食性とに優れたプライマー塗料の代表的なものは、種々のフェノール類とホルムアルデヒドから誘導されるレゾール型フェノールアルデヒド樹脂と、ビスフェノール型エポキシ樹脂とから成るフェノールエポキシ系塗料であり、特にフェノール樹脂とエポキシ樹脂とを50:50乃至1:99の重量比、特に40:60乃至5:95の重量比で含有する塗料である。
接着プライマー層は、一般に0.01乃至10μmの厚みに設けるのがよい。
接着プライマー層は予め金属素材上に設けてよく或いは予めポリエステルフィルム上に設けてもよい。
【0064】
[金属缶及びその製造方法]
本発明の金属缶は、前述した樹脂被覆金属板から形成されている限り、任意の製缶法によるものでよい。この金属缶は、側面継ぎ目を有するスリーピース缶であることもできるが、一般にシームレス缶(ツーピース缶)であることが好ましい。このシームレス缶は、絞り加工、絞り・深絞り加工、絞り・しごき加工等の手段で製造される。その側壁部は、樹脂被覆金属板の絞り−再絞り加工による曲げ伸ばし或いは更にしごき加工により、積層体元厚の20乃至95%、特に30乃至85%の厚みとなるように薄肉化されているのが好ましい。
【0065】
本発明のシームレス缶は、上記の樹脂被覆金属板をポンチとダイスとの間で、有底カップに絞り−深絞り成形し、深絞り段階で曲げ伸し或いは更にしごきによりカップ側壁部の薄肉化を行なうことにより製造される。即ち、薄肉化のための変形を、缶軸方向(高さ方向)の荷重による変形(曲げ伸ばし)と缶厚み方向の荷重による変形(しごき)との組み合わせでしかもこの順序に行う。上記の加工により、缶軸方向への分子配向が付与される。
【0066】
樹脂被覆金属板の絞り−しごき成形は次の手段で行われる。即ち、図4に示す通り、被覆金属板から成形された前絞りカップ30は、このカップ内に挿入された環状の保持部材31とその下に位置する再絞り−しごきダイス32とで保持される。これらの保持部材31及び再絞り−しごきダイス32と同軸に、且つ保持部材31内を出入し得るように再絞り−しごきポンチ33が設けられる。再絞り−しごきポンチ33と再絞り−しごきダイス32とを互いに噛みあうように相対的に移動させる。
【0067】
再絞り−しごきダイス32は、上部に平面部34を有し、平面部の周縁に曲率半径の小さい作用コーナー部35を備え、作用コーナー部に連なる周囲に下方に向けて径の減少するテーパー状のアプローチ部36を有し、このアプローチ部に続いて曲率部37を介して円筒状のしごき用のランド部(しごき部)38を備えている。ランド部38の下方には、逆テーパ状の逃げ39が設けられている。
【0068】
前絞りカップ30の側壁部は、環状保持部材31の外周面40から、その曲率コーナ部41を経て、径内方に垂直に曲げられて環状保持部材31の環状底面42と再絞りダイス32の平面部34とで規定される部分を通り、再絞りダイス32の作用コーナ部35により軸方向にほぼ垂直に曲げられ、前絞りカップ30よりも小径の深絞りカップに成形される。この際、作用コーナー部35において、コーナー部35と接する側の反対側の部分は、曲げ変形により伸ばされ、一方、作用コーナー部35と接する側の部分は、作用コーナー部を離れた後、戻し変形で伸ばされ、これにより側壁部の曲げ伸ばしによる薄肉化が行われる。
【0069】
曲げ伸ばしにより薄肉化された側壁部は、その外面が径の次第に減少する小テーパー角のアプローチ部36と接触し、その内面がフリーの状態で、しごき部38に案内される。側壁部がアプローチ部を通過する行程は続いて行うしごき行程の前段階であり、曲げ伸ばし後のラミネートを安定化させ、且つ側壁部の径を若干縮小させて、しごき加工に備える。即ち、曲げ伸ばし直後のラミネートは、曲げ伸ばしによる振動の影響があり、フィルム内部には歪みも残留していて、未だ不安定な状態にあり、これを直ちにしごき加工に付した場合には、円滑なしごき加工を行うことができないが、側壁部の外面側をアプローチ部36と接触させてその径を縮小させると共に、内面側をフリーの状態にすることにより、振動の影響を防止し、フィルム内部の不均質な歪みも緩和させて、かつ曲げ伸ばしにより発生した熱も奪い、円滑なしごき加工を可能にするものである。
【0070】
アプローチ部36を通過した側壁部は、しごき用のランド部(しごき部)38と再絞り−しごきポンチ33との間隙に導入され、この間隙(C1)で規制される厚みに圧延される。最終側壁部の厚みC1は積層体元厚(t)の20乃至95%、特に30乃至85%の厚みとなるように定める。尚、しごき部導入側の曲率部37は、しごき開始点を有効に固定しながら、しごき部38への積層体の導入を円滑に行うものであり、ランド部38の下方の逆テーパ状の逃げ39は、加工力の過度の増大を防ぐものである。
【0071】
再絞り−しごきダイス32の曲率コーナー部35の曲率半径Rdは、曲げ伸ばしを有効に行う上では、ラミネートの肉厚(t)の2.9倍以下であるべきであるが、この曲率半径があまり小さくなるとラミネートの破断が生じることから、ラミネートの肉厚(t)の1倍以上であるべきである。
【0072】
テーパー状のアプローチ部36のアプローチ角度(テーパー角度の1/2)αは1乃至8゜を有するべきである。このアプローチ部角度が上記範囲よりも小さいと、ポリエステルフィルム層の配向緩和やしごき前の安定化が不十分なものとなり、アプローチ部角度が上記範囲よりも大きいと、曲げ伸ばしが不均一な(戻し変形が不十分な)ものとなり、何れの場合もフィルムの割れや剥離を生じることなしに、円滑なしごき加工が困難となる。
【0073】
しごき用のランド部38と再絞り−しごきポンチ33とクリアランスは前述した範囲にあるが、ランド長Lは、一般に0.5乃至3mmの長さを有しているのがよい。この長さが上記範囲よりも大きいと加工力が過度に大きくなる傾向があり、一方上記範囲よりも小さいとしごき加工後の戻りが大きく、好ましくない場合がある。
【0074】
本発明のシームレス缶において、フランジ部のポリエステル層は、過酷な巻締加工を受けることから、缶側壁部のポリエステル層に比して、マイルドな加工を受けていることが好ましい。これにより、巻締部の密封性及び耐腐食性を向上させることができる。この目的のため、しごき後の缶側壁部の上端に、缶側壁部の厚みよりも厚いフランジ形成部が形成されるようにする。即ち、缶側壁部の厚みをt1 及びフランジ部の厚みをt2 とすると、t2 /t1 の比は、1.0乃至2.5、特に1.0乃至2.0の範囲に定めるのがよい。
【0075】
本発明のシームレス缶を製造するに際して、表面の複合ポリエステル層は十分な潤滑性能を付与するものであるが、より潤滑性を高めるために、各種油脂類或いはワックス類等の潤滑剤を少量塗布しておき、固体表面潤滑で前記加工を行うことができる。勿論、潤滑剤を含有する水性クーラント(当然冷却も兼ねる)を使用することもできるが、操作の簡単さの点では避けた方がよい。
【0076】
また、再絞り−しごき加工時の温度(しごき終了直後の温度)は、ポリエステルのガラス転移点(Tg)よりも50℃高い温度以下で且つ10℃以上の温度であることが好ましい。このため、工具の加温を行ったり、或いは逆に冷却を行うことが好ましい。
【0077】
本発明によれば、次いで絞り成形後の容器を、少なくとも一段の熱処理に付することができる。この熱処理には、種々の目的があり、加工により生じるフィルムの残留歪を除去すること、加工の際用いた滑剤を表面から揮散させること、表面に印刷した印刷インキを乾燥硬化させること等が主たる目的である。この熱処理には、赤外線加熱器、熱風循環炉、誘導加熱装置等それ自体公知の加熱装置を用いることができる。また、この熱処理は一段で行ってもよく、2段或いはそれ以上の多段で行うこともできる。熱処理の温度は、180乃至300℃の範囲が適当である。熱処理の時間は、一般的にいって、1乃至10分のオーダーである。
【0078】
熱処理後の容器は急冷してもよく、また放冷してもよい。即ち、フィルムや積層板の場合には急冷操作が容易であるが、容器の場合には、三次元状でしかも金属による熱容量も大きいため、工業的な意味での急冷操作はたいへんであるが、本発明では急冷操作なしでも、結晶成長が抑制され、優れた組合せ特性が得られるのである。勿論、所望によっては、冷風吹付、冷却水散布等の急冷手段を採用することは任意である。
【0079】
得られた缶は、所望により、一段或いは多段のネックイン加工に付し、フランジ加工を行って、巻締用の缶とする。また、ネックイン加工に先立って、ビード加工や、特公平7−5128号公報に記載された周状多面体壁加工を施すことができる。
【0080】
[缶蓋及びその製造]
本発明の樹脂被覆金属板は、イージイオープン蓋等の缶蓋の製造にも適用することができる。
【0081】
本発明のイージイオープン缶蓋の上面を示す図5及び断面を拡大して示す図6において、この蓋50は、前述した樹脂被覆金属板から形成されており、缶胴側面内面に嵌合されるべき環状リム部(カウンターシンク)51を介して外周側に密封用溝52を備えており、この環状リム部51の内側には開口すべき部分53を区画するスコア54が設けられている。この開口すべき部分53の外部には、これに近接して、蓋材を缶蓋外面側に突出させて形成したリベット55が形成され、開口用タブ56がこのリベット55のリベット打ちにより以下に示すように固定されている。即ち、開口用タブ56は、一端に押し裂きによる開口用先端57及び他端に保持用リング58を有し、開口用先端57に近接してリベット55で固定される支点部分59が存在する。開口すべき部分53はおおむねスコア54によって囲まれているが、一部は蓋材にスコア54を経ることなく蓋50に結合されている。
前述した密封用溝52には、密封用ゴム組成物のコンパウンド(シーラント)がライニングされていて、缶胴フランジとの間に密封が行われる。
【0082】
開口に際しては、開口用タブ56のリング58を保持して、これを上方に持上げる。これにより開口用タブ56の開口用先端57が下方に押込まれ、スコア54の一部が剪断開始される。次いで、リング58を保持してこれを上方に引張ることにより、スコア54の残留部が破断されて開口が容易に行われる。このタイプの蓋50では、タブ56が開口部分53と共に蓋から離脱することなく、蓋に残ることになる。
【0083】
上記具体例の蓋は、いわゆるステイ・オン・タブであるが、勿論フルオープンのイージイオープン蓋にも適用可能である。
【0084】
本発明の缶蓋は、前述した樹脂被覆金属板を用いる点を除けば、それ自体公知の手段で行われる。この工程を説明すると、先ずプレス成形工程で、樹脂被覆金属板を円板の形に打抜くと共に、所望の蓋形状に成形する。
【0085】
次いで、スコア刻印工程で、スコアダイスを用いて、蓋の外面側からスコアが金属素材の途中に達するようにスコアの刻印を行う。スコアにおける金属素材の残留厚み(t2)は、金属素材の元厚み(t1)に対して、t2/t1 ×100が10乃至50%で、t2が20乃至150μmとなるようにするのがよい。
また、スコアの底部巾(d)は75μm以下、特に50μm以下とすることがフィルム層への傷の発生を防止する上で重要である。
【0086】
リベット形成工程において、リベット形成ダイスを用いてスコアで区画された開口用部に外面に突出したリベットを形成させ、タブ取付工程で、リベットに開口タブを嵌合させ、リベットの突出部を鋲出してタブを固定させる。
リベット形成工程の代りに、接着タブの場合には、開口用部或いはタブにナイロン系接着剤テープ等の接着剤を施こし、タブ取付工程でタブと開口用部とを熱接着させる。
最後にライニング工程において、蓋の密封用溝に、ノズルを通して、密封用コンパウンドをライニング塗布し、乾燥して密封剤層を形成させる。この蓋と缶胴との二重巻締工程を説明すると、缶胴部材のフランジとイージイオープン蓋の密封用溝部とを嵌合させると共に、一次巻締用ロールを用いてフランジの周囲に溝部を一次巻締させる。次いで、二次巻締工程において、このフランジ部を更に、缶胴側壁部に沿って更に90°巻締して缶体とする。
【0087】
【実施例】
本発明を次の例で説明する。
尚、以下の実施例1〜29において、実施例22及び実施例27が本発明例であり、その他の実施例は本発明範囲外の参考例である。
【0088】
[平均分子量]
フェノール樹脂の濃度が0.3重量%のテトラヒドロフラン(THF)溶液を調製し,下記測定装置および測定条件にてGPCチャートを得た。平均分子量は、ポリスチレン換算で算出した。
GPC装置;HLC8020 (東ソー(株))
カラム;TSKgel G4000HXL/G3000HXL /G2000HXL /G1000HXL (東ソー(株))
カラム温度;40℃
溶媒;THF
溶媒流量;1ml/分
注入量;20μl
検出器;RI
用いたフェノール樹脂の分子量測定結果は、表2にまとめた。
【0089】
[エポキシ当量]
用いたエポキシ樹脂のエポキシ当量は、下記により求めた。
使用するエポキシ樹脂をクロロホルム及び酢酸で溶解し、その溶液に臭化テトラエチルアンモニウム酢酸溶液を加えガラス電極と比較電極を用いて、0.1N過塩素酸酢酸溶液で滴定した。
この際、電位差計の読みと、これに対する0.1N過塩素酸酢酸溶液の滴定量との関係を作図し、滴定曲線に得られた変曲点を終点とし、消費した0.1N過塩素酸酢酸溶液の量によってエポキシ当量を算出した。
算出方法は、次の式によった。
EE=1000×m2/(0.1×f×(V3−V4)
EE:エポキシ当量(g/eq)
m2:試料の質量(g)
f:0.1N過塩素酸酢酸溶液のファクター
V3:終点までの滴定に消費した0.1N過塩素酸酢酸溶液の量(ml)
V4:空試験によるVに相当する量(ml)
【0090】
[積層体の作製]
実施例1〜4、6〜26比較例1〜9については、表3に示した組成になるよう第1成分のポリエステルとして、ポリエチレンテレフタレートに対し表1に示した共重合乃至ブレンドした組成のポリエステル樹脂(ポリエステルGはポリブチレンテレフタレート)、第2成分として表2に示した組成のフェノール樹脂および第3成分のあるものについては、第3成分をヘンシェルミキサーで予備混合した後、ピンミル等にて粉砕したものを二軸押出機に投入して溶融混練し、Tダイを通して厚さ20μmとなるように押し出したものを冷却ロールにて冷却して得られたフィルムを巻きとり、キャストフィルムとした。この際、温度条件は、各樹脂にあった最適温度条件を選定した。
但し、実施例22については、2台の二軸押出機および2層Tダイを用い、表3で示した樹脂を表層にし、表層5μm、下層15μmの2層のキャストフィルムを作製した。
【0091】
実施例1〜4、6〜22比較例1〜7については、これら作製したキャストフィルムを、TFS鋼鈑(板厚0.18mm、金属クロム量120mg/m、クロム水和酸化物量15mg/m)の両面に、熱ラミネートし,ただちに水冷することにより積層体を得た。この時、ラミネート前の金属板の温度は、ポリエステル樹脂の融点より15℃高く設定した。また、ラミネートロール温度は150℃、通板速度は40m/min.でラミネートを行った。
【0092】
実施例23,24、比較例8については、板厚0.24mmのアルミ合金板(A3004H39材)を用いた以外は、実施例1〜4,6〜21比較例1〜7と同様に積層体を得た。
【0093】
実施例25,26については、板厚0.25mmのアルミニウム合金(A5052H38材)を用いた以外は、実施例1〜4、6〜21比較例1〜7と同様に積層体を得た。
【0094】
実施例5については、250℃に加熱したTFS鋼鈑(板厚0.18mm、金属クロム量120mg/m、クロム水和酸化物量15mg/m)上に、表3に示した組成の樹脂をドライブレンドして押出コート設備を備えたφ65mm押出機に供給し、外面側として、厚さ20μmとなるように溶融押出しを行いTFS片面側にラミネートした。次いで、内面側として、同じ樹脂成分を押出コート設備を備えたφ65mm押出機に供給した後、板温度を樹脂の融点より30℃低い温度に加熱し、厚さ20μmとなるように溶融押出しを行い、もう一方の面にラミネートし積層体を得た。
【0095】
[平板デントERV試験]
積層体を、5℃、湿潤下にて、厚み3mm、硬度50゜のシリコンゴムに評価すべき被覆面を接触させて、金属板をはさんだ反対側に直径5/8インチの鋼球を置き、1kgのおもりを40mmから落下させて衝撃張り出し加工を行った。
衝撃加工部の樹脂皮膜割れの程度を電圧6.00Vでの電流値で測定し、6個の平均を取り、加工による金属露出の評価を行った。
評価結果は、
○:平均電流値<0.1mA
×:平均電流値>0.1mA
で示し表3にまとめた。
【0096】
[密着性試験]
積層体を元厚みの50%の厚みになるまで圧延加工し、その圧延加工した積層体にカッターでクロスカットを入れ,その部分にセロテープ(ニチバン社製 24mm幅)を貼り,そのセロテープを剥離した。
評価はセロテープ剥離後の樹脂皮膜の剥離状態から評価した。
評価結果は、
○:フィルムの剥離がない
×:フィルムの剥離がある
で示し表3にまとめた。
【0097】
[レトルト処理試験]
95℃で蒸留水を充填後、135℃30分のレトルト処理を行い、室温に戻し蒸留水を抜き取り、評価が金属缶である場合は缶内面、蓋である場合は蓋内面の腐食状態を観察した。
【0098】
[パック試験]
評価が金属缶である場合は、コーラを充填した缶を横向きに静置した後、5℃において、金属板の圧延方向に対し直角となる缶軸線上で、缶のネック加工部の缶底側終点に、径65.5mmの球面を有する1kgのおもりを40mmの高さから球面が缶に当たるように落下させて衝撃を与えた。その後、37℃の温度で貯蔵試験を行い、1年後の缶内面の状態を観察した。
評価が蓋である場合は、コーラを充填した缶を37℃の温度で貯蔵試験を行い、1年後の蓋内面の状態を観察した。
【0099】
<実施例1〜22>
作製した積層体を平板デントERV試験、密着性試験に供した。その結果を表3にまとめた。どの積層体も耐デント性、密着性に優れたものであった。
これらの積層体にワックス系潤滑剤を塗布し、直径166mmの円盤を打ち抜き、浅絞りカップを得た。次いでこの浅絞りカップを再絞り・しごき加工を行い、深絞り−しごきカップを得た。
この深校りカップの諸特性は以下の通りであった。
カップ径:66mm
カップ高さ:128mm
素板厚に対する缶壁部の厚み65%
素板厚に対するフランジ部の厚み77%
この深絞りしごきカップを、常法に従いドーミング成形を行い、220℃にて熱処理を行った後、カップを放冷後、開口端縁部のトリミング加工、曲面印刷および焼き付け乾燥、ネック加工、フランジ加工、を行って350g用のシームレス缶を得た。成形上、問題はなかった。
次いで、パック試験及び蒸留水充填によるレトルト処理試験に供した。
表2に示したように、パック試験におけるデント部腐食、レトルト試験による腐食の発生は認められず、良好であった。これらの結果より、ここで得られたシームレス缶は、飲料保存用に優れたものであると評価された。
【0100】
<実施例23,24>
作製した積層体を平板デントERV試験、密着性試験に供した。その結果を表3にまとめた。どの積層体も耐デント性、密着性に優れたものであった。
これらの積層体にワックス系潤滑剤を塗布し、直径152mmの円盤を打ち抜き、浅絞りカップを得た。次いでこの浅絞りカップを再絞り・しごき加工を行い、深絞り−しごきカップを得た。
この深校りカップの諸特性は以下の通りであった。
カップ径:66mm
カップ高さ:127mm
素板厚に対する缶壁部の厚み45%
素板厚に対するフランジ部の厚み77%
この深絞りしごきカップを、常法に従いドーミング成形を行い、220℃にて熱処理を行った後、カップを放冷後、開口端縁部のトリミング加工、曲面印刷および焼き付け乾燥、ネック加工、フランジ加工、を行って350g用のシームレス缶を得た。成形上、問題はなかった。
次いで、パック試験及び蒸留水充填によるレトルト処理試験に供した。
表2に示したように、パック試験におけるデント部腐食、レトルト試験による腐食の発生は認められず、良好であった。これらの結果より、ここで得られたシームレス缶は、飲料保存用に優れたものであると評価された。
【0101】
<実施例25,26>
作製した積層体を平板デントERV試験,密着性試験に供した。その結果を表3にまとめた。どの積層体も耐デント性、密着性に優れたものであった。
次いで、積層体を、樹脂被覆面が蓋の内面側となるように直径68.7mmの蓋を打ち抜き、次いで蓋の外面側にパーシャル開口型のスコア加工(幅22mm、スコア残厚110μm、スコア幅20μm)、リベット加工ならびに開封用タブの取り付けを行い、SOT蓋の作製を行った。成形上、問題はなかった。
次いで、作製したSOT蓋をもちい、パック試験、耐レトルト試験を行った。
いずれも腐食の発生はみとめられず、金属缶用の蓋として優れたものであると評価された。
【0102】
<比較例1〜4>
作製した積層体を平板デントERV試験、密着性試験に供した。その結果を表3にまとめた。実施例に比較し、耐デント性、密着性は、劣るものであった。
また、この積層体を用いて、実施例1〜22と同様の条件にて、シームレス缶の作製を試みたが、深絞りカップ成形途中で、フィルムの破断、デラミが発生し、後の評価に供せるシームレス缶を得ることが出来なかった。
【0103】
<比較例5>
作製した積層体を平板デントERV試験,密着性試験に供した。その結果を表3にまとめた。実施例に比較し、耐デント性は、劣るものであった。
また、この積層体を用いて、実施例1〜22と同様の条件にて、シームレス缶の作製をした。成形上、問題はなかった。
次いで、パック試験及び蒸留水充填によるレトルト処理試験に供した。
表3に示したように、パック試験におけるデント部腐食、レトルト試験による腐食の発生が認められた。これらの結果より、ここで得られたシームレス缶は、飲料保存用に不適であると評価された。
【0104】
<比較例6>
作製した積層体を平板デントERV試験、密着性試験に供した。その結果を表3にまとめた。耐デント性、密着性に優れたものであった。
また、この積層体を用いて、実施例1〜22と同様の条件にて、シームレス缶の作製をした。成形上、問題はなかった。
次いで、パック試験及び蒸留水充填によるレトルト処理試験に供した。
表3に示したように、パック試験におけるデント部腐食、レトルト試験による腐食の発生が認められた。これらの結果より、ここで得られたシームレス缶は、飲料保存用に不適であると評価された。
【0105】
<比較例7>
作製した積層体を平板デントERV試験,密着性試験に供した。その結果を表3にまとめた。実施例に比較し、密着性は、劣るものであった。
また、この積層体を用いて、実施例1〜22と同様の条件にて、シームレス缶の作製を試みたが、深絞りカップ成形途中で、フィルムの破断、デラミが発生し、後の評価に供せるシームレス缶を得ることが出来なかった。
【0106】
<比較例8>
作製した積層体を平板デントERV試験、密着性試験に供した。その結果を表3にまとめた。実施例に比較し、耐デント性、密着性は、劣るものであった。
また、この積層体を用いて、実施例23,24と同様の条件にて、シームレス缶の作製を試みたが、深絞りカップ成形途中で、フィルムの破断、デラミが発生し、後の評価に供せるシームレス缶を得ることが出来なかった。
【0107】
<比較例9>
作製した積層体を平板デントERV試験,密着性試験に供した。その結果を表3にまとめた。実施例に比較し、耐デント性,密着性は、劣るものであった。
実施例25,26と同様にSOT蓋の作製を試みた結果、スコア部でフィルムの亀裂が認められた。また、パック試験、レトルト試験において、腐食が認められた。
このため、金属缶用の蓋として不適ものであると評価された。
【0108】
【表1】
Figure 0004622018
【0109】
【表2】
Figure 0004622018
【0110】
【表3】
Figure 0004622018
【0111】
<実施例27>
熱可塑性ポリエステルとしてポリエチレンテレフタレート(PET)84重量%、フェノール樹脂としてp−tert−ブチルフェノール・ノボラック樹脂(数平均分子量2200)1重量%、第3成分としてアイオノマー(三井デュポン社製ハイミラン1557)15重量%をヘンシェルミキサーで予備混合した。
次いで、2台の2軸押出機および2層Tダイを備えた押出機を用い、前記混合樹脂を下層側に、ポリエチレンテレフタレートを表層側にして共押出しし、冷却ロールにて冷却して得られたフィルムを巻取り、表層5μm、下層15μmの2層のキャストフィルムを作成した。
このフィルムをTFS鋼板(板厚0.18mm、金属クロム量120mg/m、クロム水和酸化物15mg/m)の両面に熱ラミネートし、ただちに水冷することにより樹脂被覆金属板を得た。
作成した樹脂被覆金属板を平板デントERV試験、密着性試験に供した。その結果を表4にまとめた。どの樹脂被覆金属板も耐デント性、密着性に優れたものであった。
これらの樹脂被覆金属板にワックス系潤滑剤を塗布し、直径166mmの円盤を打抜き、浅絞りカップを得た。ついでこの浅絞りカップを再絞り・しごき加工を行い、深絞り−しごきカップを得た。
この深絞りカップの諸特性は以下の通りであった。
カップ径 :66mm
カップ高さ :128mm
素板厚に対する缶壁部の厚み :65%
素板厚に対するフランジ部の厚み :77%
この深絞りしごきカップを、常法に従いドーミング成形を行い、220℃にて熱処理を行った後、カップを放冷後、開口端縁部のトリミング加工、曲面印刷、仕上げニス塗布、焼き付け乾燥、ネック加工、フランジ加工を行って350g用の金属缶をえた。成形上の問題はなかった。
次いで、パック試験および蒸留水充填によるレトルト処理試験に供した。
表4で示したように、パック試験におけるデント部腐食、レトルト試験による腐食の発生は認められず良好であった。これらの結果より、ここで得られた金属缶は、飲料保存用に優れたものであると評価された。
【0112】
<実施例28>
熱可塑性ポリエステルとしてイソフタル酸5mol%共重合ポリエチレンテレフタレート(PET)84重量%、フェノール樹脂としてp−tert−ブチルフェノール・ノボラック樹脂(数平均分子量2200)1重量%、第3成分としてアイオノマー(三井デュポン社製ハイミラン1557)15重量%をヘンシェルミキサーで予備混合した。
250℃に加熱したTFS鋼板(板厚0.18mm、金属クロム量120mg/m、クロム水和酸化物15mg/m)上に、前記樹脂を押出しコート設備を備えたφ65mm押出機に供給し、外面側として厚さ20μmとなるように溶融押出しを行いTFS片面にラミネートした。次いで、内面側として同じ樹脂を押出しコート設備を備えたφ65mm押出機に供給した後、板温度を220℃に加熱し、厚さ20μmとなるように溶融押出しを行いもう一方の面にラミネートし樹脂被覆金属板を得た。
作成した樹脂被覆金属板を平板デントERV試験、密着性試験に供した。その結果を表4にまとめた。どの樹脂被覆金属板も耐デント性、密着性に優れたものであった。
次いで実施例27と同様にして金属缶を作成し、その性能を評価した。結果を表4に示す。ここで得られた金属缶は、飲料保存用に優れたものであると評価された。
【0113】
<実施例29>
フェノール樹脂としてp−フェニルフェノール・ノボラック樹脂(数平均分子量1800)を用いた以外は実施例28と同様にして樹脂被覆金属板および金属缶を作成し、その性能を評価した。結果を表4に示す。ここで得られた金属缶は、飲料保存用に優れたものであると評価された。
【0114】
【表4】
Figure 0004622018
【0115】
【発明の効果】
本発明によれば、金属基体と該基体表面に設けられた熱可塑性ポリエステル層とからなる樹脂被覆金属板において、熱可塑性ポリエステル層として、熱可塑性ポリエステルと該ポリエステル当たり0.05乃至25重量%のフェノール樹脂との組成物からなる変性ポリエステル層を含有するものを用いることにより、レトルト殺菌に耐える耐高温湿熱性を付与し、しかも耐衝撃性、特にレトルト後の耐衝撃性をも顕著に向上させることができる。
この樹脂被覆金属板では、被覆樹脂層の金属基体への密着性や耐腐食性が一層向上し、更に高速製缶に対応できる加工性をも備えているため、金属缶や缶蓋の製造に特に適している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の範囲外の樹脂被覆金属板の断面構造の一例を示す拡大断面図である。
【図2】本発明に用いる樹脂被覆金属板の断面構造の他の例を示す拡大断面図である。
【図3】樹脂被覆金属板の製造工程の一例を示す説明図である。
【図4】金属缶の製造に用いる曲げ伸ばし・しごき工程を示す説明図である。
【図5】本発明のイージイオープン缶蓋の一例を示す上面図である。
【図6】図5の缶蓋の断面を拡大して示す拡大断面図である。
【符号の説明】
1 樹脂被覆金属板
2 金属基体
3 変性ポリエステル層
4 熱可塑性ポリエステル層
5 ポリエステル表面層
6 積層樹脂層
11 金属板
12a、12b 加熱ロール
13 チルロール
14 ニップロール
15 ダイヘッド
16 薄膜
17 積層体
30 前絞りカップ
31 保持部材
32 しごきダイス
33 しごきポンチ
34 平面部
35 作用コーナー部
36 アプローチ部
37 曲率部
38 ランド部
39 逆テーパ状逃げ部
40 外周面
41 曲率コーナー部
42 環状底面
50 蓋
51 環状リム部
52 密封用溝
53 開口すべき部分
54 スコア
55 リベット
56 開口用タブ
57 開口用先端
58 保持用リング
59 支点部分

Claims (9)

  1. 金属基体と該金属基体表面に設けられたポリエステル被覆層からなる樹脂被覆金属板において、前記ポリエステル被覆層が少なくとも、芳香族ジカルボン酸と脂肪族ジオールとから誘導された熱可塑性ポリエステルと該ポリエステル当たり0.05乃至25重量%のフェノール樹脂とが相溶した組成物からなる変性ポリエステル層と熱可塑性ポリエステル層との共押出積層体からなり、前記変性ポリエステル層が少なくとも金属基体と接する側に位置していることを特徴とする樹脂被覆金属板。
  2. 前記芳香族ジカルボン酸の50モル%以上がテレフタール酸成分からなり且つ前記脂肪族ジオールの50モル%以上がエチレングリコール成分からなることを特徴とする請求項1に記載の樹脂被覆金属板。
  3. 前記フェノール樹脂が200乃至5000の数平均分子量を有するものであることを特徴とする請求項1または2に記載の樹脂被覆金属板。
  4. 前記フェノール樹脂が単環1価フェノール類とホルムアルデヒド乃至その機能性誘導体とから誘導されたノボラック型及び/またはレゾール型フェノール樹脂であることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の樹脂被覆金属板。
  5. 前記フェノール樹脂が二官能性フェノールのノボラック樹脂であることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の樹脂被覆金属板。
  6. 前記変性ポリエステル層が、エチレン系重合体、熱可塑性エラストマー、ポリアリレート及びポリカーボネートからなる群より選択された樹脂改質剤の少なくとも1種を更に含有するものであることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の樹脂被覆金属板。
  7. 前記樹脂改質剤前記変性ポリエステル層の熱可塑性ポリエステル当たり50重量%迄の量で含有されていることを特徴とする請求項6に記載の樹脂被覆金属板。
  8. 請求項1乃至7の何れかに記載の樹脂被覆金属板から形成されていることを特徴とする金属缶。
  9. 請求項1乃至7の何れかに記載の樹脂被覆金属板から形成されていることを特徴とする金属蓋。
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