JPH08325514A - 樹脂被覆金属板、およびこれからなる絞りしごき缶または絞り缶 - Google Patents

樹脂被覆金属板、およびこれからなる絞りしごき缶または絞り缶

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JPH08325514A
JPH08325514A JP13693595A JP13693595A JPH08325514A JP H08325514 A JPH08325514 A JP H08325514A JP 13693595 A JP13693595 A JP 13693595A JP 13693595 A JP13693595 A JP 13693595A JP H08325514 A JPH08325514 A JP H08325514A
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metallic plate
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Koji Takahashi
橋 浩 二 高
Takayuki Hiraoka
岡 孝 之 平
Koji Niimi
美 宏 二 新
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、絞りしごきまたは絞り成形性に優
れ、金属板との密着性に優れるとともに耐衝撃性にも優
れ、さらにピンホールを生じないような樹脂で被覆され
た樹脂被覆金属板、およびこれからなる絞りしごき缶ま
たは絞り缶を提供することを目的としている。 【構成】 本発明に係る樹脂被覆金属板は、金属板と、
該金属板片面または両面上に設けられた樹脂組成物被膜
とからなり、この樹脂組成物被膜は、[A]飽和ポリエ
ステル樹脂60〜98重量部、および[B]スチレン系
ブロック共重合体2〜40重量部からなることを特徴と
している。本発明に係る絞りしごき缶または絞り缶は、
上記のような樹脂被覆金属板からなることを特徴として
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、樹脂被覆金属板およびこ
れからなる絞りしごき缶または絞り缶に関し、さらに詳
しくは特定の樹脂組成物が被覆されてなる樹脂被覆金属
板およびこれからなる絞りしごき缶または絞り缶に関す
る。
【0002】
【発明の技術的背景】従来より、ブリキ板などの鋼板あ
るいはアルミニウム板を絞りしごき加工または絞り加工
して得られる絞りしごき缶(以下DI缶という)または
絞り缶(DRD缶)は、継ぎ目がなく諸物性に優れてお
り、広く用いられている。
【0003】このようなDI缶およびDRD缶などに
は、金属板からの金属溶出による味の低下、フレーバー
の低下、内容物の変質およびピンホールの発生などを防
止するために、缶内面側に樹脂層を設けることがある。
このような缶内面側に樹脂層が設けられた缶およびこの
ような缶を形成しうる樹脂被覆金属板としては、たとえ
ば特開昭51−130647号公報には、飽和ポリエス
テル層で被覆された鋼板およびこれから得られる容器が
提案されている。また特開平1−180336号公報に
は、ポリブチレンテレフタレート層で被覆された鋼板が
提案されており、特開平1−192545号公報、特開
平2−57339号公報、特開平3−10835号公報
には、特定の飽和共重合ポリエステル層で被覆された鋼
板およびこれから得られる容器が提案されている。
【0004】ところで、絞りしごき缶用鋼板に用いられ
る被覆用樹脂には、絞りしごき加工および絞り加工に追
従しうる優れた成形性が要求されると共に、鋼板から剥
離しないような優れた密着性が要求される。さらにこの
樹脂には、打缶時、缶詰工程および運搬時の衝撃に耐え
得るような優れた耐衝撃性が要求される。また保存時に
腐食の原因となるピンホールがないとともに、飲料の味
に影響を及ぼさないすなわちフレーバー性に優れること
などの特性が要求される。
【0005】しかしながら従来の缶用鋼板に被覆される
樹脂は、このような要求を必ずしも満足するものではな
かった。たとえば、絞りしごき加工または絞り加工時に
樹脂被膜中にピンホールを生じることがあった。また製
缶後、乾燥、印刷、焼き付けなどの工程において加熱さ
れた缶は、耐衝撃性が低下することがあった。
【0006】
【発明の目的】本発明は、上記のような従来技術に鑑み
てなされたものであり、絞りしごき性あるいは絞り成形
性に優れ、金属板との密着性に優れるとともに耐衝撃性
にも優れ、さらにピンホールがなく、フレーバー性に優
れるなどの特性を有する樹脂が積層された樹脂被覆金属
板、およびこのような樹脂被覆金属板からなる絞りしご
き缶または絞り缶を提供することを目的としている。
【0007】
【発明の概要】本発明に係る樹脂被覆金属板は、金属板
と、該金属板片面または両面上に設けられた樹脂組成物
被膜とからなり、この樹脂組成物被膜は、[A]飽和ポ
リエステル樹脂60〜98重量部、および[B]スチレ
ン系ブロック共重合体2〜40重量部からなることを特
徴としている。
【0008】本発明に係る絞りしごき缶または絞り缶
は、上記のような樹脂被覆金属板からなる。
【0009】
【発明の具体的説明】以下に本発明に係る樹脂被覆金属
板、およびこの樹脂被覆金属板からなる絞りしごき缶ま
たは絞り缶について説明する。
【0010】本発明に係る樹脂被覆金属板は、金属板
と、金属板片面または両面上に設けられた樹脂組成物被
膜とからなる。本発明では、金属板として、一般的に缶
用途に用いられている従来公知の金属板が広く用いら
れ、具体的に、表面が公知の方法でSn(錫)メッキさ
れた鋼板(ブリキ)、錫無し鋼板(ティンフリースチー
ル、電解クロム酸処理鋼板)あるいはアルミニウム板な
どが用いられる。
【0011】この金属板は、厚さが、通常0.01〜5
mm、好ましくは0.1〜2mmである。この金属板片
面または両面上には、[A]飽和ポリエステル樹脂と、
[B]スチレン系ブロック共重合体とからなる樹脂組成
物が被覆されてなる。
【0012】本発明で用いられる[A]飽和ポリエステ
ルは、テレフタル酸またはそのエステル誘導体(たとえ
ば低級アルキルエステル、フェニルエステルなど)など
のジカルボン酸と、エチレングリコールまたはそのエス
テル誘導体(たとえばモノカルボン酸エステルエチレン
オキサイドなど)などのジヒドロキシ化合物とから誘導
される構成単位から形成されている。
【0013】この飽和ポリエステルは、他のジカルボン
酸および/または他のジヒドロキシ化合物から誘導され
る構成単位を40モル%以下の量で含有していてもよ
い。テレフタル酸以外のジカルボン酸としては、具体的
に、フタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン
酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカ
ルボン酸などの芳香族ジカルボン酸;アジピン酸、セバ
シン酸、アゼライン酸、デカンジカルボン酸などの脂肪
族ジカルボン酸;シクロヘキサンジカルボン酸などの脂
環族ジカルボン酸などが挙げられる。
【0014】これらのテレフタル酸以外のジカルボン酸
は、そのエステル誘導体として用いてもよい。またエチ
レングリコール以外のジヒドロキシ化合物としては、具
体的には、トリメチレングリコール、プロピレングリコ
ール、テトラメチレングリコール、ネオペンチルグリコ
ール、ヘキサメチレングリコール、ドデカメチレングリ
コール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコー
ル、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコー
ルなどの脂肪族グリコール;シクロヘキサンジメタノー
ルなどの脂環族グリコール;ビスフェノール類、ハイド
ロキノン、2,2-ビス(4-β-ヒドロキシエトキシフェニ
ル)プロパンなどの芳香族ジオール類などが挙げられ
る。
【0015】これらのジヒドロキシ化合物は、そのエス
テル誘導体として用いてもよい。また本発明で用いられ
る(a) 飽和ポリエステルは、トリメシン酸、ピロメリッ
ト酸、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパ
ン、トリメチロールメタン、ペンタエリスリトールなど
の多官能化合物から誘導される構成単位を少量、たとえ
ば2モル%以下の量で含んでいてもよい。
【0016】このような(a) 飽和ポリエステルは、実質
上線状であり、このことは該飽和ポリエステルが、o-ク
ロロフェノールに溶解することによって確認される。本
発明で用いられる飽和ポリエステルは、o-クロロフェノ
ール中で25℃で測定した極限粘度[η]は、通常0.
5〜1.4dl/g、好ましくは0.5〜1.0dl/g、
さらに好ましくは0.6〜1.0dl/gであることが望
ましい。
【0017】このような極限粘度[η]を有する(a) 飽
和ポリエステルは、溶融成形性および絞りしごき成形性
に優れるとともに耐衝撃性などの機械的強度にも優れて
いて好ましい。
【0018】本発明で用いられる(a) 飽和ポリエステル
樹脂は、ガラス転移温度(Tg)が、通常50〜120
℃、好ましくは60〜100℃であることが望ましい。
この(a) 飽和ポリエステル樹脂は、非晶性であっても結
晶性であってもよく、結晶性である場合には、結晶融解
温度(Tm)が、通常210〜265℃、好ましくは2
20〜260℃であり、低温結晶化温度(Tc)が、通
常110〜220℃、好ましくは120〜215℃であ
ることが望ましい。
【0019】本発明で用いられる[B]スチレン系ブロ
ック共重合体は、通常ポリスチレンブロック単位とゴム
ブロック単位とからなるいわゆる熱可塑性エラストマー
である。このような[B]スチレン系ブロック共重合体
では、ハードセグメントであるポリスチレンブロック単
位が物理架橋(ドメイン)を形成してゴムブロック単位
の橋かけ点として存在しており、このポリスチレンブロ
ック単位間に存在するゴムブロック単位はソフトセグメ
ントであってゴム弾性を有している。
【0020】このゴムブロック単位としては、ポリブタ
ジエン、ポリイソプレンあるいはこれらの完全または不
完全水素化物が挙げられる。このような[B]スチレン
系ブロック共重合体としては、具体的に、SBS(PS
−ポリブタジエン−PS)、SIS(PS−ポリイソプ
レン−PS)およびSBSの水添物であるSEBS(P
S−ポリエチレン/ポリブチレン−PS)(ここでPS
はポリスチレンである)が挙げられ、より具体的に、ク
レイトン、キャリフレックスTR(シェル化学(株)
製、)、ソルプレン(フィリップスペトロリアム社
製)、ユーロプレンSOLT(アニッチ社製)、タフプ
レン(旭化成(株)製)、ソルプレン−T(日本エラス
トマー社製)、JSRTR(日本合成ゴム社製)、電化
STR(電気化学社製)、クイタック(日本ゼオン社
製)、クレイトンG(シェル化学(株)製)、タフテッ
ク(旭化成(株)製、)(商品名)などが挙げられる。
【0021】これらのうち、SEBS(PS−ポリエチ
レン/ポリブチレン−PS)が好ましく、具体的に、ク
レイトンG(シェル化学(株)製、商品名)、タフテッ
ク(旭化成(株)製、商品名)などが挙げられる。
【0022】本発明において、金属板上に被覆される樹
脂組成物は、[A]飽和ポリエステル樹脂と[B]スチ
レン系ブロック共重合体との合計は100重量部とした
ときに、上記のような[A]飽和ポリエステル樹脂を6
0〜98重量部、好ましくは80〜98重量部の量で、
[B]スチレン系ブロック共重合体を2〜40重量部、
好ましくは2〜20重量部の量で含有している。
【0023】樹脂組成物は、成分[A]と[B]とをこ
のような量で含有することにより、耐衝撃性に優れると
ともに押出成形、絞りしごきまたは絞り加工に追従しう
る優れた成形性を有し、かつ金属板への密着性に優れ、
しかもピンホールのない均一な被膜を形成しうる。
【0024】本発明では、上記のような樹脂組成物を金
属板片面または両面上に公知の複合材積層方法により被
覆することができ、特に被覆方法は限定されない。具体
的には、たとえば下記のように行われる。
【0025】(1) [A]飽和ポリエステル樹脂と[B]
スチレン系ブロック共重合体とを、タンブラーブレンダ
ー、ヘンシェルミキサー、V型ブレンダーなどにより混
合した後、さらに押出機、ニーダーバンバリーミキサー
などで溶融混合し、次いで先端にTダイを有する押出機
あるいはギヤーポンプで定量的に押出すことにより金属
板上に被覆することができる。
【0026】(2) [A]飽和ポリエステル樹脂と[B]
スチレン系ブロック共重合体とをタンブラーブレンダ
ー、ヘンシェルミキサー、V型ブレンダーなどにより混
合した後、直接Tダイを有する押出機あるいはギヤーポ
ンプで定量的に押出すことにより金属板上に被覆するこ
ともできる。
【0027】(3) [A]飽和ポリエステル樹脂と[B]
スチレン系ブロック共重合体とからなる樹脂組成物を一
旦フィルムにした後、このフィルムと金属板と貼り合わ
せてもよい。
【0028】上記のような樹脂組成物を金属板に被覆す
るに際しては、押出機から溶融状態で押し出されて金属
板上に被覆された樹脂組成物は、急冷して樹脂組成物の
結晶化を防止することが好ましい。
【0029】このように被覆された樹脂組成物層の厚さ
は、通常5〜500μm、好ましくは10〜100μ
m、特に好ましくは20〜60μmである。本発明に係
る樹脂被覆金属板は、上記のように金属板と、この片面
または両面上に設けられた樹脂組成物とからなり、優れ
た耐衝撃性を有するとともに成形性特に絞りしごきおよ
び絞り成形性に優れ、成形時に被膜中にピンホールを生
じることなく均一加工される。また樹脂組成物は、金属
板との密着性にも優れており、成形時の加工追従性に優
れるため、外観に優れた缶が得られる。
【0030】本発明に係る絞りしごき缶または絞り缶
は、このような樹脂被覆組成物金属板が絞りしごき加工
または絞り加工されてなる。絞りしごき缶(DI缶)ま
たは絞り缶(DRD缶)を製造する際には公知の各種方
法を特に限定することなく採用して、上記のような樹脂
被覆金属板を、絞りしごき成形または絞り成形すればよ
い。なお片面のみに樹脂被膜を有する金属板を用いると
きには、樹脂被膜が缶内面側になるように絞りしごき成
形または絞り成形する。最も一般的な方法としては、し
ごきポンチを用いて一段階もしくは数段階しごき加工す
る方法により製造することができる。
【0031】たとえば、絞りしごき加工は、下記のよう
な条件下に行うことができる。 プランク径 …120〜150mm 絞り条件 …1段絞り比 H/D=20〜40/70〜95mmφ 2段絞り比 H/D=30〜60/50〜80mmφ 絞りしごき径…3段アイアニング 50〜80mmφ 総しごき率 …60〜80%
【0032】
【発明の効果】本発明に係る樹脂組成物被覆金属板は、
樹脂と金属板との密着性に優れており絞りしごき成形性
または絞り成形性に優れ成形加工時の樹脂の追従性に優
れており、外観に優れた缶を形成しうる。
【0033】また本発明に係る絞りしごき缶または絞り
缶は、打缶、缶詰工程および運搬時の衝撃に耐え得る優
れた耐衝撃性を有しており、製缶後、乾燥、印刷、焼付
などの工程において加熱されても、優れた耐衝撃性を保
持している。
【0034】本発明に係る絞りしごき缶または絞り缶
は、ピンホールがなく、内容物の長期保存性に優れると
ともに内容物の香り、フレーバー性(保香性)などの保
持性にも優れている。
【0035】
【実施例】次に本発明を実施例により具体的に説明する
が、本発明はこれら実施例により限定されるものではな
い。
【0036】
【実施例1〜3】表1に示す飽和ポリエステル樹脂90
重量部と、スチレン系ブロック共重合体(クレイトンG
1652:シェル化学(株)製)10重量部とからなる
樹脂組成物を得た。
【0037】得られた樹脂組成物について、Tg(ガラ
ス転移温度)、Tm(融点)、Tc(低温結晶化温度)
を測定した。結果を表1に示す。なおTg、Tm、Tc
は、示差熱分析計(Perkin Elmer-7型)を用いて、10
℃/分で昇温条件下に測定した。
【0038】両面に片面あたり2.8g/m2のSnメ
ッキが施された鋼板(板厚み0.30mm、硬度T−1相
当)の片面上に、上記のような樹脂組成物を、押出Tダ
イを用いて30μmの厚みで被覆した。
【0039】このとき、Tダイでの樹脂溶解温度は26
5℃〜300℃であり、被覆時の鋼板温度は、150℃
〜200℃であった。またTダイで樹脂が被覆された鋼
板は10秒以内に100℃以下まで急冷した。
【0040】
【表1】
【0041】表中、*1 J125;三井ペット樹脂
(株)製 結晶性ポリエステル *2 共重合PET−1;コポリエステル (ジヒドロキシ成分として、シクロヘキサンジメタノー
ルを20モル%含有、三井ペット樹脂(株)製) *3 共重合PET−2;コポリエステル (ジヒドロキシ成分として、シクロヘキサンジメタノー
ルを30モル%含有、三井ペット樹脂(株)製) *4 クレイトンG1652:シェル化学(株)製 このようにして得られた常温の樹脂被覆鋼板について、
被膜の密着性試験を行った。
【0042】<樹脂組成物被膜の密着性試験>常温の樹
脂被覆鋼板を、クエン酸1.5重量%、食塩1.5重量
%水溶液(UCC液)に24時間浸した後、フィルムの
はがれた長さを測定し、その長さ(mm)で評価した。
【0043】0.0mmを◎とし、0.0〜0.5を○と
し、0.5〜2.0を△とし、2.0〜を×とした。密
着性試験の結果を表2に示す。
【0044】上記のようにして得られた常温の樹脂被覆
鋼板を、缶内面が樹脂被覆面となるようにして下記のよ
うな成形条件で、絞りしごき加工を行って絞りしごき缶
(DI缶)を製造した。
【0045】<成形条件> 1.絞りしごき加工直前の樹脂温度:常温 2.プランク径:137mm 3.絞り条件:1段絞り比 H/D=33/86mmφ 2段絞り比 H/D=50/65mmφ 4.しごきポンチ径:3段アイアニング65.5mmφ 5.総しごき率:70.5% <缶内面(樹脂被覆面)の硫酸銅試験>このようにして
得られたDI缶について、缶内面(樹脂被覆面)の健全
性を評価するために、以下のような硫酸銅試験を行っ
た。
【0046】缶の中に硫酸20g/リットル、硫酸銅
(CuSO4・7H2O)50g/リットルを含むCuの
化学メッキ液を入れて10分間放置し、液を除去、水洗
した後、析出したCuを観察した。
【0047】缶内面の樹脂層に欠如(ピンホール)があ
れば、欠如部から鉄が溶出して、Cuが置換メッキされ
る。硫酸銅試験の結果を表2に示す。
【0048】<樹脂組成物被膜の耐衝撃性の評価>製缶
後に、乾燥、印刷、焼き付け工程などにより缶が加熱さ
れる状態を想定して、以下のように樹脂組成物被覆鋼板
を加熱した後、衝撃後電流試験を行った。
【0049】製缶後に、乾燥、印刷、焼き付け工程など
により缶が加熱される状態を想定して、以下のように樹
脂被覆鋼板を加熱した後、衝撃後電流試験を行った。樹
脂被覆鋼板を210℃、10分のオーブンで加熱した
後、常温まで冷却し、樹脂組成物を被覆していない鋼板
側から30cmの高さから0.5kgの鉄球を落とした。凸
状に膨らんだ側が上面となるように鋼板を底面にして、
鋼板の端に柔らかいゴム状の樹脂で壁を形成した後、凸
状に膨らんだ側に1.0%食塩水を入れ、鋼板を陽極と
し、膨らみの近くに設置した白金を陰極として+6Vの
電圧をかけたときに流れる電流値(mA)を測定した。
【0050】衝撃後電流試験の結果を表2に示す。
【0051】
【比較例1】実施例1において、樹脂組成物に代えて、
結晶性ポリエステルJ125を用いた以外は、実施例1
と同様にして樹脂被覆鋼板およびこれからなる缶を製造
した。実施例と同様の試験を行った。
【0052】結果を表2に示す。また結晶性ポリエステ
ルJ125の固有粘度およびTg、Tm、Tcを表1に
示す。
【0053】
【比較例2】実施例2において、樹脂組成物に代えて、
共重合PET−1(ジヒドロキシ成分として、シクロヘ
キサンジメタノール20モル%を含有する。)を用いた
以外は、実施例2と同様にして樹脂被覆鋼板およびこれ
からなる缶を製造した。
【0054】実施例と同様の試験を行った。結果を表2
に示す。またこの共重合PET−1の固有粘度およびT
gを表1に示す。
【0055】
【比較例3】実施例3において、樹脂組成物に代えて、
共重合PET−2(ジヒドロキシ成分として、シクロヘ
キサンジメタノール30モル%を含有する。)を用いた
以外は、実施例3と同様にして樹脂被覆鋼板およびこれ
からなる缶を製造した。
【0056】実施例と同様の試験を行った。結果を表2
に示す。またこの共重合PET−2の固有粘度およびT
gを表1に示す。
【0057】
【表2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C08L 53/02 LLY C08L 53/02 LLY

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属板と、 該金属板片面または両面上に設けられた樹脂組成物被膜
    とからなり、 この樹脂組成物被膜は、[A]飽和ポリエステル樹脂6
    0〜98重量部、および[B]スチレン系ブロック共重
    合体2〜40重量部からなることを特徴とする樹脂被覆
    金属板。
  2. 【請求項2】金属板が、鋼板またはアルミニウム板であ
    ることを特徴とする請求項1に記載の樹脂被覆金属板。
  3. 【請求項3】請求項1または2に記載の樹脂被覆金属板
    を、樹脂組成物被膜が缶内面側になるように、絞りしご
    き成形または絞り成形して絞りしごき缶または絞り缶。
JP13693595A 1995-06-02 1995-06-02 樹脂被覆金属板、およびこれからなる絞りしごき缶または絞り缶 Pending JPH08325514A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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