JP2004035924A - 熱交換器用アルミニウム及びその合金製フィン材及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は熱交換器用アルミニウム合金製フィン材及びその製造方法に関するものである。より詳細に述べるならば本発明は、クロムを含有せずとも良好な耐食性を有し環境保全上優れた性質を有する熱交換器用アルミニウム合金製フィン材、及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、熱交換器用アルミニウム合金製フィン材には種々の特性が求められてきたが、中でも重要な特性は、表面親水性及び耐食性である。熱交換器の多くは、放熱あるいは冷却効果を向上させる為に放熱部及び冷却部の単位体積当たりの表面積を可能な限り大とする様設計されており、このために、フィンの間隔が極めて狭いものとなっている。このために、フィン材を冷却用に用いる場合、大気中の水分が熱交換器表面、特にフィン間隙に凝縮し、凝縮した水はフィン表面が疎水性面であるほど水滴となりやすく、フィン間隙で目詰まりを起こして通風抵抗が増加し、熱交換効率が低下してしまう。という問題を生ずる。そこで表面の親水性を高くして、上記現象を抑制する為の親水性皮膜形成技術が数多く提案されている(例えば特開平6−322552号公報が開示する内容など)。また、親水性付与に伴う耐食性の劣化を補うことや、親水性皮膜の素材への固着性向上等を目的として、特開平6−322552号をはじめとする多くの従来技術はクロメート下地処理を行うことを推奨又は例示している。このように、市場製品の要求品質を勘案するとクロメート下地処理はほぼ必須と言えるのが現状である。
【0003】
クロメート下地処理に関しては、環境汚染の問題によりその代替技術の開発が長期間にわたって検討され多くの提案がなされている。例えば特開昭54−24232号公報は、チタン塩又はジルコニウム塩の1種または2種以上と過酸化水素と特定のリン酸化合物を含有する酸性溶液による表面処理方法を開示している。このような従来技術はクロムを含有しない点で環境保全上優れた性質を有するものであるが、前述した親水性皮膜形成技術と組み合わせた場合に充分な耐食性を発揮するものではなかった。
【0004】
また近年、例えば特開2001−234352号公報は、ノンクロム型化成処理剤を使用し、耐食性、耐湿性等の要求性能を満たしたアルミニウム製フィン材の製造方法及びこの方法によって製造されたアルミニウム製フィン材について開示し、特開2001−303267号公報は、親水性皮膜形成技術と組み合わせた場合においても充分な耐食性を示すノンクロム型防錆処理剤について開示している。しかし特開2001−234352号公報が開示する技術は、熱交換器用アルミニウム合金製フィン材の製造工程が高速での操業が望まれている関係上、表面処理液の接触時間が制限された中で適用しようとした場合、実用上充分な耐食性を得るためには、化成処理後の水洗を行わないで化成処理液成分を残留させることにより、相応な皮膜量を得ることが必要となる場合がある。そのためロール絞り条件等による皮膜付着量制御や、それにまつわるロールのメンテナンスが煩雑である等の欠点を有していた。また特開2001−303267号公報は塗布型処理のためスプレー処理には適さない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記従来技術の有する問題点を解決するためのものであり、より具体的には、親水性皮膜形成技術と組み合わせた場合においてもクロムを含有せず充分な耐食性を発揮し、品質安定な熱交換器用アルミニウム合金製フィン材及びその製造方法を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記従来技術の有する問題点を解決するために、熱交換器用アルミニウム合金製フィン材表面に、親水性皮膜形成技術と組み合わせた場合においても充分な耐食性を発揮するような耐食皮膜の形成技術について鋭意検討した。その結果、特定の成分からなる有機−無機複合皮膜を耐食下地皮膜層として形成させることにより、目的を達成可能であることを見出し、それを熱交換器用アルミニウムフィン材に適用することによって本発明を完成させた。
【0007】
本発明の熱交換器用アルミニウム合金製フィン材は、アルミニウム合金を加工して得られる熱交換器用フィン材基体と、その表面上に形成され、かつ少なくとも1種の有機重合体と、りん化合物と、ジルコニウム化合物とを含む有機−無機複合下地皮膜層と、その上に形成され、少なくとも1種の親水性皮膜形成性材料を含む少なくとも1層の上塗り皮膜層とを有し、前記有機−無機複合下地皮膜の有機重合体の付着量が炭素原子に換算して3〜60mg/m2 であり、りん化合物の付着量がりん原子に換算して0.5〜15mg/m2 であり、ジルコニウム化合物の付着量が、ジルコニウム原子に換算して2〜30mg/m2 であることを特徴とするものである。
本発明の熱交換器用アルミニウム又はその合金製フィン材において、前記有機−無機複合下地皮膜層に含まれる有機重合体が、下記一般式(I):
【化3】
〔但し、上記一般式(I)において、Xは水素原子、ヒドロキシル基、C1 〜C5 のアルキル基、C1 〜C5 のヒドロキシアルキル基、C6 〜C12のアリール基、ベンジル基、ベンザル基、あるいはベンゾ基を表し、Yは水素原子又は下記一般式(II)で表されるZ基:
【化4】
(但し、上記一般式(II)中、R1 及びR2 は、それぞれ互いに独立に、水素原子、C1 〜C10アルキル基、またはC1 〜C10ヒドロキシアルキル基を表す)
を表し、Z基の、ベンゼン環1ヶ当たりの平均導入率は0.2〜1.0であり、nは2〜50の整数を表す。〕
で表される有機高分子化合物から選ばれた少なくとも1種の加熱生成物であることが好ましい。
本発明の熱交換器用アルミニウム又はその合金製フィン材において、前記りん化合物が、りん酸、りん酸塩、縮合りん酸、縮合りん酸塩から選ばれることが好ましい。
本発明の熱交換器用アルミニウム又はその合金製フィン材において、前記上塗り皮膜層が、有機系耐食性皮膜層、有機系親水性皮膜層、無機系親水性皮膜層、有機/無機複合系親水性皮膜層、有機系潤滑性皮膜層から選ばれる1種以上の皮膜層からなることが好ましい。
本発明の熱交換器用アルミニウム又はその合金製フィン材の製造方法は、0.5〜10g/リットルのりん酸イオン及び/又は縮合りん酸イオンと、0.05〜5g/リットルのジルコニウムの錯フッ化物イオンと、0.1〜10g/リットルの前記一般式(I)により表される重合体(但し、重合体分子中のベンゼン環の前記Z基平均置換数は0.2〜0.8であり、且つnは2〜50の整数を表す。)と、フッ化水素供給源化合物とを含み、且つ、pHが1.8〜4.5で有効フッ化水素酸濃度が30〜200ppm の表面処理液を、35〜70℃に加温し、この加温表面処理液を、熱交換器用アルミニウム又はその合金製フィン材基体の表面上に1〜30秒間スプレー処理し、水洗し、加温乾燥して、有機−無機下地皮膜層を形成し、その上に少なくとも1種の親水性皮膜形成性材料を含む上塗り皮膜層を形成することを特徴とするものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明のフィン材とは、家庭用エアーコンディショナー等が具備する熱交換器フィンを成形加工する前の状態、即ち板材の状態をいい、アルミニウム合金製板材状基体の表面に下地皮膜層と上塗り皮膜層とが形成されているものである。本発明において、フィン材は下地皮膜層か特定の有機−無機複合皮膜により形成されていることが重要である。この有機−無機複合皮膜は有機化合物と無機化合物から成るものであって、複合皮膜中の有機化合物の付着量は複合皮膜の耐食性を左右するために重要である。有機化合物の付着量は、炭素原子に換算して(以下Cとして記す)3〜60mg/m2 の範囲であり、より好ましくは10〜40mg/m2 の範囲である。この付着量が3mg/m2 未満では充分な耐食性が得られない。また、それが60mg/m2 を超えても性能上問題はないが、外観に望まれない変化を生じたり、コスト高となる。
【0009】
複合皮膜中の無機化合物は、りん化合物及びジルコニウム化合物を含むことを必須とする。りん化合物の表面存在量は、りん原子に換算して(以下Pとしてと記す)0.5〜15mg/m2 の範囲であり、より好ましくは2〜7mg/m2 の範囲である。この付着量が0.5mg/m2 未満では耐食性が充分に得られない。また、それが15mg/m2 を超えても性能上は問題ないが、コストが高くなるために経済的に不利である。ジルコニウム化合物の表面存在量はジルコニウム原子に換算して(以下Zrと記す)2〜30mg/m2 の範囲であり、より好ましくは、4〜20mg/m2 の範囲である。この付着量が2mg/m2 未満では耐食性が充分に得られない。また、それが30mg/m2 を超えても性能上は問題ないが、コストが高くなるために経済的に不利である。
【0010】
次に本発明で特定されている有機化合物付着量(以下C付着量と記す)、りん化合物付着量(以下P付着量と記す)、ジルコニウム化合物の付着量(以下Zr付着量と記す)の測定方法について以下に説明する。
C付着量の測定は市販の表面炭素分析装置(例えばLECO社製 RC−212型)を用いて測定する。先ず本発明のアルミニウム合金製フィンの上塗り皮膜層を形成しない状態にあるフィン材を適当なサイズ(20〜50mm2 程度)に切り出してサンプルを採取する。表面炭素分析装置はサンプルを昇温し、サンプル表面に存在する炭素を酸化しガス化して、このガスをIR(赤外線吸収)にて定量する原理により分析が行われる。測定条件は、サンプル表面の炭素を酸化しガス化させる条件であればよいが、一般に500℃−5分程度の条件で測定することが好ましい。定量された全C量〔mg〕をサンプルのサイズ〔m2 〕で除し、C付着量〔mg/m2 〕を得る。
【0011】
P及びZrの付着量は、市販の蛍光X線分析装置にて定量する。P及びZrの付着量〔mg/m2 〕が既知で付着量の異なるサンプルを複数測定し、この際の強度より、強度−付着量の検量線を作成する。同様の条件で本発明のアルミニウム合金製フィンの上塗り皮膜層を形成しない状態にあるフィン材を適当なサイズ(φ3cm程度の円盤体)に切り出して測定する。この測定強度を前述の検量線に基づき付着量に変換する。
【0012】
本発明に使用する有機重合体は、密着性や耐食性を考慮し、これらの性能を満足する構造を有していなければならない。好ましい有機重合体として式(I)に示される有機高分子化合物の加熱生成物が挙げられる。
【0013】
前記式(I)の有機高分子化合物の分子中のn個のベンゼン環にY基として、結合している式(II)のZ基の各々は、互いに他から異なっていてもよく、あるいは他と同一であってもよく、前記有機高分子化合物分子中の各ベンゼン環の前記Z基置換数(導入率)の平均値は0.2〜1.0であり、0.2〜0.8であることが好ましい。例えばXがベンゼン環を持たず、nが10の高分子にZが8個導入されていれば、導入率は0.8となる。この導入率が0.8を超える場合は、バルキーすぎて皮膜が粗となり耐食性が低下することもある。また導入率が0.8以下であっても、R1 ,R2 として11個以上の炭素原子を有するアルキル基またはヒドロキシアルキル基を有するZ基を有する場合は、バルキーすぎて皮膜が粗となり耐食性が低下することもある。
一般式(I)で表される有機高分子化合物を含む表面処理液が、熱交換器用アルミニウム又はその合金製フィン材基体の表面に接触、付着され、加熱乾燥され、必要によりさらに加熱処理(焼付)されたとき、式(I)の有機高分子化合物の分子中のベンゼン環にY基として、Z基が含まれているときは、上記加熱により互に隣接する分子のZ基が互に、R1 −NH−R2 の解離を伴って、−CH2 −CH2 −結合を形成して、縮合し、有機高分子化合物が、さらに高分子化して加熱生成物を生成する。
【0014】
本発明のフィン材は、その使用目的に応じた種々の上塗り皮膜層を有するが、いずれも少なくとも1種の親水性皮膜形成性材料を含み、上塗り皮膜層は主に親水性皮膜層、潤滑性皮膜層、耐食性皮膜層に大別される。
親水性皮膜層を形成する材料は前述のように表面を親水性とし、フィン間隙の通風抵抗の増加を抑制することが可能であれば特にその種類を限定するものではなく、有機系親水性皮膜形成性材料、無機系親水性皮膜形成性材料、有機/無機複合系親水性皮膜形成性材料などが挙げられる。有機系親水性皮膜形成性材料には、例えばポリ(メタ)アクリル酸系、ポリビニルアルコール系、ポリビニルピロリドン系、ポリアクリルアミド系、ポリアミド系、ポリエチレングリコール系、セルロース系、あるいはこれら成分の複合系等がある。無機系親水性皮膜形成性材料としては主として水ガラス系が挙げられ、皮膜形成のしやすさや形成された皮膜の物理的性質を向上させるために前述の有機系親水性皮膜成分であるポリ(メタ)アクリル酸系、ポリビニルアルコール系、ポリビニルピロリドン系、ポリアクリルアミド系、ポリアミド系、ポリエチレングリコール系、セルロース系等から選ばれる1種以上の成分との複合系としてもよい。有機/無機複合系親水性皮膜形成性材料は前述の有機系親水性皮膜形成性材料に、さらに親水性の向上を図るべく無機微粒子を配合したものであり、無機微粒子の具体例としては、例えばコロイダルシリカ、アルミナゾルなどが挙げられる。
【0015】
次に潤滑性皮膜層は、本発明のフィン材を熱交換器フィンとする際の成形加工を円滑に行うべく必要に応じてフィン材が最外面に有する皮膜層であって、表面の潤滑性(すべり性、低摩擦係数)を向上させ、かつ親水性皮膜形成性を有するものであれば特にその種類に限定はなく、例えばポリ(メタ)アクリル酸系、ポリビニルアルコール系、ポリビニルピロリドン系、ポリアクリルアミド系、ポリアミド系、ポリエチレングリコール系、セルロース系等から選ばれる1種以上の成分からなる皮膜層が挙げられる。
【0016】
次に耐食性皮膜層は、熱交換器フィンが高レベルの耐食性を要求される場合に、本発明のフィン材に有せしめるものであり、通常は下地皮膜層に次いで形成されるものであって、アルミニウム素材に対する水分などの腐食要因を遮断するバリア効果を発現するものであり、かつ親水性皮膜形成性を有するものであれば特にその種類に限定はなく、例えば(メタ)アクリル系、エポキシ系、ウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の有機系耐食性、親水性皮膜層が好適に用いられる。また用途によっては耐食性皮膜層のみで上塗り皮膜層をなす場合もある。
本発明の熱交換器用アルミニウム又はその合金製フィン材において、上塗り皮膜層は、単一層又は複数層であってもよいが、その合計量は0.03〜20g/m2 であることが好ましく、0.1〜5g/m2 であることが好ましい。
【0017】
次いで本発明のアルミニウム又はその合金製フィン材の製造方法について記載する。基材となるアルミニウム又はその合金製フィン原板の組成は特にその種類を問うものではないが、通常JIS−A1000番台のいわゆる純アルミ系列のものが好適に用いられ、本発明の皮膜形成処理に先立ち、必要に応じ表面に付着した汚染物質(圧延油、塵等)を洗浄除去する。洗浄方法には水系スプレー洗浄、水系浸漬洗浄、溶剤浸漬洗浄、溶剤蒸気洗浄等があるが、アルミニウム素材表面近傍の溶解除去を伴い効率良く汚染物質を除去する方法として、アルカリ性または酸性の洗浄液を用いた水系スプレー洗浄を用いるのが一般的である。洗浄後、付着した洗浄液を充分に濯いで除去する。
【0018】
本発明方法において、りん酸イオン及び/又は縮合りん酸イオン、ジルコニウムの錯フッ化物イオン、一般式(I)の水溶性重合体、フッ化水素供給源化合物とを含む表面処理液を基材の所望表面に塗布し、それによって形成された表面処理液層を1〜30秒間加温処理することにより、下地皮膜層を形成する。表面処理液中のりん酸及び/又は縮合りん酸イオンの含有量は、0.5〜10g/リットルである。この含有量が0.5g/リットル未満の場合、目的の下地皮膜層形成が困難となり、又10g/リットルを超えても目的上問題はないが、コストアップとなり経済的に不利になる。りん化合物の供給源としては、りん酸、ピロりん酸、トリポリりん酸、テトラポリりん酸等のりん酸及び縮合りん酸の他、それらの各種塩類を用いることができる。
【0019】
表面処理液中のジルコニウムの錯フッ化物イオンの含有量は0.05〜5g/リットルである。この含有量が0.05g/リットル未満の場合、目的の下地皮膜層形成が困難となり、又5g/リットルを超えても目的上問題はないが、コストアップとなり経済的に不利になる。ジルコニウム化合物の供給源としては、ジルコニウムフッ化水素酸及びその各種塩類を用いることができる。
また表面処理液中の一般式(I)の水溶性重合体の含有量は0.1〜10g/リットルである。この含有量が0.1g/リットル未満の場合、目的の下地皮膜層形成が困難となり、又10g/リットルを超えても目的上問題はないが、コストアップとなり経済的に不利になる。一般式(I)に示す重合体分子の重合度nは、2〜50の範囲内であることが好ましい。
【0020】
また本発明方法において、表面処理液中の有効フッ化水素酸濃度は30〜200ppm の範囲内であることが必要である。ここでいう有効フッ化水素酸濃度は、以下のようにして測定される。市販されているフッ化物イオン標準液を、市販されているpH・イオン強度調整液で希釈して、3水準のF− 濃度、すなわちF− :10ppm 、F− :100ppm およびF− :500ppm の標準液を調製し、所定温度に保温し、これらを用いてフッ素イオンメーターの測定値を校正する。次に表面処理液のサンプルを所定温度に保温し、上記フッ素イオンメーターによって得られるF− 濃度値をモル濃度に換算し、これをもって〔F− 〕濃度とする。さらに処理液のpHを測定し、これから〔H+ 〕濃度を算出する。この様にして、実験および計算により得られた〔HF〕濃度をppm 単位で表したものが、有効フッ化水素酸濃度である。
H+ +F− =HF,logKHF=3.17, pH=log10〔H+ 〕
【数1】
【0021】
表面処理液中の上記有効フッ化水素酸濃度が30ppm を下回ると、処理液が老化してアルミニウムイオン濃度が高くなった時に、処理液中に含まれるジルコニウムの沈殿を抑制することができなくなるという不都合を生じ、またそれが200ppm を超えると皮膜の生成効率が劣化する。そのより好ましい範囲は50〜150ppm の範囲内である。
【0022】
上述の各種成分を含有する表面処理液のpHは1.8〜4.5の範囲内に調整される。pHが1.8を下回るとエッチング過剰となり皮膜形成が充分でなく、またそれが4.5を上回ると表面処理液の安定性が不十分になる。また加温条件は35〜70℃の範囲内である。この温度が35℃を下回ると反応性が不足し皮膜形成が充分でなく、またそれが70℃を超えても皮膜形成上の問題は無いが、熱コストが余分にかかり経済的に不利となる。
【0023】
上記表面処理液とフィン基材表面との接触方法に特に制限はないが、通常、表面処理液をフィン基材表面にスプレーする方法が用いられる。スプレー法の場合、処理時間は1〜30秒の範囲内で実施される。この時間が1秒未満では皮膜形成が充分でなく、またそれが30秒を超えて処理を行っても皮膜形成上の問題は無いが、設備コストアップもしくは作業効率が劣化し経済的に不利となる。スプレー時間は、より好ましくは1〜10秒の範囲内である。
【0024】
本発明方法によって下地皮膜層を形成したのち、水洗して未反応の表面処理液を除去後、これに加温乾燥を行い、この下地皮膜層の上に親水性上塗り皮膜層を形成するための溶液を塗布し、焼付け乾燥して上塗り皮膜層を形成して目的のフィン材を得る。上塗り皮膜層形成用溶液の塗布方法は特に制限されず、ロール塗布、浸漬塗布、シャワー塗布、バー塗布、スプレー塗布、フロー塗布等を用いることができるが、ロールコートが一般的に用いられる。
【0025】
【実施例】
実施例と比較例とを挙げ、本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例により限定されるものではない。
【0026】
実施例及び比較例において、共通事項を下記に示す。
〈フィン材の基材作成方法〉
JIS−A1100アルミニウムフィン材(210mm幅×300mm長×板圧0.115mm)を、アルカリ洗浄剤(商標:FC−4477、日本パーカライジング製)の20g/リットル水溶液を用いて、液温65℃で6秒間スプレー洗浄し、水道水をスプレーして濯ぎ、その後、各実施例に記載の方法によって下地皮膜層用液を塗布し、再度水道水をスプレーして濯いだのち、80℃に設定した電気オーブンで5分間加温し、乾燥して下地皮膜層を形成した。その後、各実施例に記載の方法により上塗り皮膜層を形成することにより、フィン材を得た。また各実施例において形成された下地皮膜層中のC,P及びZrを定量するために、上塗り皮膜層を形成しない試験片を作製した。
【0027】
〈下地皮膜層のC,P及びZr付着量の定量〉
上塗り皮膜層を形成しない試験片を用い、前記段落〔0010〕〜〔0011〕に記載の方法にて各元素の付着量を測定した。
〈耐食性評価〉
JIS−Z2371:塩水噴霧試験方法に基づき、35℃に設定された試験槽内で5%の塩水を500時間噴霧し、試験片の耐食性を以下の基準で評価して◎及び○を合格とした。
◎ :白錆発生面積率0%
○ :白錆発生面積率5%未満
△ :白錆発生面積率5%以上25%未満
× :白錆発生面積率25%以上50%未満
××:白錆発生面積率50%以上
【化5】
【0028】
実施例1
下記の皮膜層形成条件のもとに表面処理フィン材を作製し評価を行った。
−下地皮膜層形成条件−
処理液 :表1に記載の処理液 No.1を使用した
処理方法:スプレー接触
処理時間:2秒
−上塗り皮膜層形成条件−
塗布液 :ビニルアルコール系樹脂50g/リットル(固形分)とエチレンオキサイド系樹脂50g/リットル(固形分)を主成分として含む水溶液
塗布方法:ロールコーティング
焼付条件:電気オーブン10秒パス、最高到達板温200℃
塗布量 :Dry皮膜量700mg/m2
【0029】
実施例2
下記の皮膜層形成条件のもと、表面処理フィン材を作製し、評価を行った。
−下地皮膜層形成条件−
処理液 :表1に記載の処理液 No.2を使用した
処理方法:スプレー接触
処理時間:8秒
−上塗り皮膜層(第一層)の形成条件−
塗布液 :珪酸ソーダ3号60g/リットル(固形分)とアクリル系樹脂20g/リットル(固形分)を主成分として含む水溶液
塗布方法:ロールコーティング
焼付条件:電気オーブン10秒パス、最高到達板温200℃
塗布量 :Dry皮膜量SiO2 量で200mg/m2
−上塗り皮膜層(第二層)の形成条件−
塗布液 :エチレンオキサイド系樹脂50g/リットル(固形分)を主成分として含む水溶液
塗布方法:ロールコーティング
焼付条件:電気オーブン10秒パス、最高到達板温160℃
塗布量 :Dry皮膜量250mg/m2
【0030】
実施例3
下記の皮膜層形成条件のもと、表面処理フィン材を作製し、評価を行った。
−下地皮膜層形成条件−
処理液 :表1に記載の表面処理液 No.3を用いた
処理方法:スプレー接触
処理時間:6秒
−上塗り皮膜層(第一層)の形成条件−
塗布液 :アクリルエポキシ系樹脂250g/リットル(固形分)を主成分として含む水溶液
塗布方法:ロールコーティング
焼付条件:電気オーブン10秒パス、最高到達板温240℃
塗布量 :Dry皮膜量2000mg/m2
−上塗り皮膜層(第二層)の形成条件−
塗布液 :セルロース系樹脂50g/リットル(固形分)を主成分として含む水溶液
塗布方法:ロールコーティング
焼付条件:電気オーブン10秒パス、最高到達板温160℃
塗布量 :Dry皮膜量200mg/m2
【0031】
実施例4
下記の皮膜層形成条件のもと、表面処理フィン材を作製し、評価を行った。
−下地皮膜層形成条件−
処理液 :表1に記載の表面処理液 No.4を用いた
処理方法:スプレー接触
処理時間:8秒
−上塗り皮膜層(第一層)の形成条件−
塗布液 :珪酸ソーダ3号60g/リットル(固形分)とアクリル系樹脂20g/リットル(固形分)を主成分として含む水溶液
塗布方法:ロールコーティング
焼付条件:電気オーブン10秒パス、最高到達板温200℃
塗布量 :Dry皮膜量SiO2 量で200mg/m2
−上塗り皮膜層(第二層)の形成条件−
塗布液 :エチレンオキサイド系樹脂50g/リットル(固形分)を主成分として含む水溶液
塗布方法:ロールコーティング
焼付条件:電気オーブン10秒パス、最高到達板温160℃
塗布量 :Dry皮膜量250mg/m2
【0032】
実施例5
下記の皮膜層形成条件のもと、表面処理フィン材を作製し、評価を行った。
−下地皮膜層形成条件−
処理液 :表1に記載の処理液 No.5を用いた
処理方法:スプレー接触
処理時間:6秒
−上塗り皮膜層形成条件−
塗布液 :コロイダルシリカ70g/リットル(固形分)とビニルアルコール系樹脂30g/リットル(固形分)を主成分として含む水溶液
塗布方法:ロールコーティング
焼付条件:電気オーブン10秒パス、最高到達板温200℃
塗布量 :Dry皮膜量SiO2 量で500mg/m2
【0033】
実施例6
下記の皮膜層形成条件のもと、表面処理フィン材を作製し、評価を行った。
−下地皮膜層形成条件−
処理液 :表1に記載の処理液 No.6を用いた
処理方法:スプレー接触
処理時間:4秒
−上塗り皮膜層(第一層)の形成条件−
塗布液 :珪酸ソーダ3号60g/リットル(固形分)とアクリル系樹脂20g/リットル(固形分)を主成分として含む水溶液
塗布方法:ロールコーティング
焼付条件:電気オーブン10秒パス、最高到達板温200℃
塗布量 :Dry皮膜量SiO2 量で200mg/m2
−上塗り皮膜層(第二層)の形成条件−
塗布液 :エチレンオキサイド系樹脂50g/リットル(固形分)を主成分として含む水溶液
塗布方法:ロールコーティング
焼付条件:電気オーブン10秒パス、最高到達板温160℃
塗布量 :Dry皮膜量250mg/m2
【0034】
実施例7
下記の皮膜層形成条件のもと、表面処理フィン材を作製し、評価を行った。
−下地皮膜層形成条件−
処理液 :表1に記載の処理液 No.7を用いた
処理方法:スプレー接触
処理時間:12秒
−上塗り皮膜層形成条件−
塗布液 :ビニルアルコール系樹脂50g/リットル(固形分)とエチレンオキサイド系樹脂50g/リットル(固形分)を主成分とする水溶液塗布方法:ロールコーティング
焼付条件:電気オーブン10秒パス、最高到達板温200℃
塗布量 :Dry皮膜量700mg/m2
【0035】
比較例1
下記の皮膜層形成条件のもと、表面処理フィン材を作製し、評価を行った。
−下地皮膜層形成条件−
処理液 :表1に記載の処理液 No.8を用いた
処理方法:スプレー接触
処理時間:3秒
−上塗り皮膜層(第一層)の形成条件−
塗布液 :珪酸ソーダ3号60g/リットル(固形分)とアクリル系樹脂20g/リットル(固形分)とを主成分として含む水溶液
塗布方法:ロールコーティング
焼付条件:電気オーブン10秒パス、最高到達板温200℃
塗布量 :Dry皮膜量SiO2 量で200mg/m2
−上塗り皮膜層(第二層)の形成条件−
塗布液 :エチレンオキサイド系樹脂50g/リットル(固形分)を主成分として含有する水溶液
塗布方法:ロールコーティング
焼付条件:電気オーブン10秒パス、最高到達板温160℃
塗布量 :Dry皮膜量250mg/m2
【0036】
比較例2
下記の皮膜層形成条件のもと、表面処理フィン材を作製し、評価を行った。
−下地皮膜層形成条件−
処理液 :表1に記載の処理液 No.9を用いた
処理方法:スプレー接触
処理時間:4秒
−上塗り皮膜層形成条件−
塗布液 :ビニルアルコール系樹脂50g/リットル(固形分)とエチレンオキサイド系樹脂50g/リットル(固形分)を主成分として含む水溶液
塗布方法:ロールコーティング
焼付条件:電気オーブン10秒パス、最高到達板温200℃
塗布量 :Dry皮膜量700mg/m2
【0037】
比較例3
下記の皮膜層形成条件のもと、表面処理フィン材を作製し、評価を行った。
−下地皮膜層形成条件−
処理液 :表1に記載の処理液 No.10を用いた
処理方法:スプレー接触
処理時間:4秒
−上塗り皮膜層(第一層)の形成条件−
塗布液 :珪酸ソーダ3号60g/リットル(固形分)とアクリル系樹脂20g/リットル(固形分)を主成分として含有する水溶液
塗布方法:ロールコーティング
焼付条件:電気オーブン10秒パス、最高到達板温200℃
塗布量 :Dry皮膜量SiO2 量で200mg/m2
−上塗り皮膜層(第二層)の形成条件−
塗布液 :エチレンオキサイド系樹脂50g/リットル(固形分)を主成分として含む水溶液
塗布方法:ロールコーティング
焼付条件:電気オーブン10秒パス、最高到達板温160℃
塗布量 :Dry皮膜量250mg/m2
【0038】
比較例4
下記の皮膜層形成条件のもと、表面処理フィン材を作製し、評価を行った。
−下地皮膜層形成条件−
処理液 :表1に記載の処理液 No.11を用いた
処理方法:スプレー接触
処理時間:4秒
−上塗り皮膜層形成条件−
塗布液 :コロイダルシリカ70g/リットル(固形分)とビニルアルコール系樹脂30g/リットル(固形分)とを主成分として含む水溶液
塗布方法:ロールコーティング
焼付条件:電気オーブン10秒パス、最高到達板温200℃
塗布量 :Dry皮膜量SiO2 量で500mg/m2
【0039】
比較例5
下記の皮膜層形成条件のもと、表面処理フィン材を作製し、評価を行った。
−下地皮膜層形成条件−
処理液 :表1に記載の処理液 No.12を用いた
処理方法:スプレー接触
処理時間:4秒
−上塗り皮膜層形成条件−
塗布液 :珪酸ソーダ3号60g/リットル(固形分)とアクリル系樹脂20g/リットル(固形分)を主成分として含有する水溶液
塗布方法:ロールコーティング
焼付条件:電気オーブン10秒パス、最高到達板温200℃
塗布量 :Dry皮膜量SiO2 量で200mg/m2
【0040】
上記実施例1〜7および比較例1〜5の下地皮膜層のC,P及びZr付着量定量結果、及び耐食性評価結果を表2に示す。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】
表2の結果より明らかなように、本発明の範囲内の実施例1〜7の表面処理フィン材は全て耐食性に優れており、特に実施例1に示すように下地皮膜層形成処理液のスプレー接触時間が2秒という短時間であっても、その耐食性試験結果は合格であった。
一方、比較例1〜5の表面処理フィン材は、いずれも特許請求範囲を逸脱し、これらは、すべて、耐食性不合格となった。皮膜例1は、下地皮膜層形成処理液の有効F− 濃度が高すぎ、Zrの液中安定度が増した為に、また比較例2はZrの錯フッ化物自体を添加していないが為に、Zr付着量が2mg/m2 未満となった場合である。また比較例3は水溶性重合体の添加量が少なすぎる為に、C付着量が3mg/m2 未満となった場合である。また比較例4は、pHが高すぎる為に表面処理液に濁りが生じた上Zr付着量が2mg/m2 未満となった場合である。さらに比較例5は、Zrの錯フッ化物と水溶性重合体を添加していないが為に、Zr付着量が2mg/m2 未満となり、かつC付着量が3mg/m2 未満となった場合である。
【0044】
【発明の効果】
上記の説明から明らかなように、本発明により、クロムを一切使用せずクロムを含む廃液や廃水をも産生しないで、環境保全や廃液処理コスト削減の面でも極めて有効で、且つ耐食性に優れた熱交換器用フィン材を提供することができる。さらに、耐食下地皮膜層の形成の為のスプレー接触時間を非常に短時間とすることができるため、ライン速度を早くすることができ、生産性も良好という優れた効果を奏する。
【発明の属する技術分野】
本発明は熱交換器用アルミニウム合金製フィン材及びその製造方法に関するものである。より詳細に述べるならば本発明は、クロムを含有せずとも良好な耐食性を有し環境保全上優れた性質を有する熱交換器用アルミニウム合金製フィン材、及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、熱交換器用アルミニウム合金製フィン材には種々の特性が求められてきたが、中でも重要な特性は、表面親水性及び耐食性である。熱交換器の多くは、放熱あるいは冷却効果を向上させる為に放熱部及び冷却部の単位体積当たりの表面積を可能な限り大とする様設計されており、このために、フィンの間隔が極めて狭いものとなっている。このために、フィン材を冷却用に用いる場合、大気中の水分が熱交換器表面、特にフィン間隙に凝縮し、凝縮した水はフィン表面が疎水性面であるほど水滴となりやすく、フィン間隙で目詰まりを起こして通風抵抗が増加し、熱交換効率が低下してしまう。という問題を生ずる。そこで表面の親水性を高くして、上記現象を抑制する為の親水性皮膜形成技術が数多く提案されている(例えば特開平6−322552号公報が開示する内容など)。また、親水性付与に伴う耐食性の劣化を補うことや、親水性皮膜の素材への固着性向上等を目的として、特開平6−322552号をはじめとする多くの従来技術はクロメート下地処理を行うことを推奨又は例示している。このように、市場製品の要求品質を勘案するとクロメート下地処理はほぼ必須と言えるのが現状である。
【0003】
クロメート下地処理に関しては、環境汚染の問題によりその代替技術の開発が長期間にわたって検討され多くの提案がなされている。例えば特開昭54−24232号公報は、チタン塩又はジルコニウム塩の1種または2種以上と過酸化水素と特定のリン酸化合物を含有する酸性溶液による表面処理方法を開示している。このような従来技術はクロムを含有しない点で環境保全上優れた性質を有するものであるが、前述した親水性皮膜形成技術と組み合わせた場合に充分な耐食性を発揮するものではなかった。
【0004】
また近年、例えば特開2001−234352号公報は、ノンクロム型化成処理剤を使用し、耐食性、耐湿性等の要求性能を満たしたアルミニウム製フィン材の製造方法及びこの方法によって製造されたアルミニウム製フィン材について開示し、特開2001−303267号公報は、親水性皮膜形成技術と組み合わせた場合においても充分な耐食性を示すノンクロム型防錆処理剤について開示している。しかし特開2001−234352号公報が開示する技術は、熱交換器用アルミニウム合金製フィン材の製造工程が高速での操業が望まれている関係上、表面処理液の接触時間が制限された中で適用しようとした場合、実用上充分な耐食性を得るためには、化成処理後の水洗を行わないで化成処理液成分を残留させることにより、相応な皮膜量を得ることが必要となる場合がある。そのためロール絞り条件等による皮膜付着量制御や、それにまつわるロールのメンテナンスが煩雑である等の欠点を有していた。また特開2001−303267号公報は塗布型処理のためスプレー処理には適さない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記従来技術の有する問題点を解決するためのものであり、より具体的には、親水性皮膜形成技術と組み合わせた場合においてもクロムを含有せず充分な耐食性を発揮し、品質安定な熱交換器用アルミニウム合金製フィン材及びその製造方法を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記従来技術の有する問題点を解決するために、熱交換器用アルミニウム合金製フィン材表面に、親水性皮膜形成技術と組み合わせた場合においても充分な耐食性を発揮するような耐食皮膜の形成技術について鋭意検討した。その結果、特定の成分からなる有機−無機複合皮膜を耐食下地皮膜層として形成させることにより、目的を達成可能であることを見出し、それを熱交換器用アルミニウムフィン材に適用することによって本発明を完成させた。
【0007】
本発明の熱交換器用アルミニウム合金製フィン材は、アルミニウム合金を加工して得られる熱交換器用フィン材基体と、その表面上に形成され、かつ少なくとも1種の有機重合体と、りん化合物と、ジルコニウム化合物とを含む有機−無機複合下地皮膜層と、その上に形成され、少なくとも1種の親水性皮膜形成性材料を含む少なくとも1層の上塗り皮膜層とを有し、前記有機−無機複合下地皮膜の有機重合体の付着量が炭素原子に換算して3〜60mg/m2 であり、りん化合物の付着量がりん原子に換算して0.5〜15mg/m2 であり、ジルコニウム化合物の付着量が、ジルコニウム原子に換算して2〜30mg/m2 であることを特徴とするものである。
本発明の熱交換器用アルミニウム又はその合金製フィン材において、前記有機−無機複合下地皮膜層に含まれる有機重合体が、下記一般式(I):
【化3】
〔但し、上記一般式(I)において、Xは水素原子、ヒドロキシル基、C1 〜C5 のアルキル基、C1 〜C5 のヒドロキシアルキル基、C6 〜C12のアリール基、ベンジル基、ベンザル基、あるいはベンゾ基を表し、Yは水素原子又は下記一般式(II)で表されるZ基:
【化4】
(但し、上記一般式(II)中、R1 及びR2 は、それぞれ互いに独立に、水素原子、C1 〜C10アルキル基、またはC1 〜C10ヒドロキシアルキル基を表す)
を表し、Z基の、ベンゼン環1ヶ当たりの平均導入率は0.2〜1.0であり、nは2〜50の整数を表す。〕
で表される有機高分子化合物から選ばれた少なくとも1種の加熱生成物であることが好ましい。
本発明の熱交換器用アルミニウム又はその合金製フィン材において、前記りん化合物が、りん酸、りん酸塩、縮合りん酸、縮合りん酸塩から選ばれることが好ましい。
本発明の熱交換器用アルミニウム又はその合金製フィン材において、前記上塗り皮膜層が、有機系耐食性皮膜層、有機系親水性皮膜層、無機系親水性皮膜層、有機/無機複合系親水性皮膜層、有機系潤滑性皮膜層から選ばれる1種以上の皮膜層からなることが好ましい。
本発明の熱交換器用アルミニウム又はその合金製フィン材の製造方法は、0.5〜10g/リットルのりん酸イオン及び/又は縮合りん酸イオンと、0.05〜5g/リットルのジルコニウムの錯フッ化物イオンと、0.1〜10g/リットルの前記一般式(I)により表される重合体(但し、重合体分子中のベンゼン環の前記Z基平均置換数は0.2〜0.8であり、且つnは2〜50の整数を表す。)と、フッ化水素供給源化合物とを含み、且つ、pHが1.8〜4.5で有効フッ化水素酸濃度が30〜200ppm の表面処理液を、35〜70℃に加温し、この加温表面処理液を、熱交換器用アルミニウム又はその合金製フィン材基体の表面上に1〜30秒間スプレー処理し、水洗し、加温乾燥して、有機−無機下地皮膜層を形成し、その上に少なくとも1種の親水性皮膜形成性材料を含む上塗り皮膜層を形成することを特徴とするものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明のフィン材とは、家庭用エアーコンディショナー等が具備する熱交換器フィンを成形加工する前の状態、即ち板材の状態をいい、アルミニウム合金製板材状基体の表面に下地皮膜層と上塗り皮膜層とが形成されているものである。本発明において、フィン材は下地皮膜層か特定の有機−無機複合皮膜により形成されていることが重要である。この有機−無機複合皮膜は有機化合物と無機化合物から成るものであって、複合皮膜中の有機化合物の付着量は複合皮膜の耐食性を左右するために重要である。有機化合物の付着量は、炭素原子に換算して(以下Cとして記す)3〜60mg/m2 の範囲であり、より好ましくは10〜40mg/m2 の範囲である。この付着量が3mg/m2 未満では充分な耐食性が得られない。また、それが60mg/m2 を超えても性能上問題はないが、外観に望まれない変化を生じたり、コスト高となる。
【0009】
複合皮膜中の無機化合物は、りん化合物及びジルコニウム化合物を含むことを必須とする。りん化合物の表面存在量は、りん原子に換算して(以下Pとしてと記す)0.5〜15mg/m2 の範囲であり、より好ましくは2〜7mg/m2 の範囲である。この付着量が0.5mg/m2 未満では耐食性が充分に得られない。また、それが15mg/m2 を超えても性能上は問題ないが、コストが高くなるために経済的に不利である。ジルコニウム化合物の表面存在量はジルコニウム原子に換算して(以下Zrと記す)2〜30mg/m2 の範囲であり、より好ましくは、4〜20mg/m2 の範囲である。この付着量が2mg/m2 未満では耐食性が充分に得られない。また、それが30mg/m2 を超えても性能上は問題ないが、コストが高くなるために経済的に不利である。
【0010】
次に本発明で特定されている有機化合物付着量(以下C付着量と記す)、りん化合物付着量(以下P付着量と記す)、ジルコニウム化合物の付着量(以下Zr付着量と記す)の測定方法について以下に説明する。
C付着量の測定は市販の表面炭素分析装置(例えばLECO社製 RC−212型)を用いて測定する。先ず本発明のアルミニウム合金製フィンの上塗り皮膜層を形成しない状態にあるフィン材を適当なサイズ(20〜50mm2 程度)に切り出してサンプルを採取する。表面炭素分析装置はサンプルを昇温し、サンプル表面に存在する炭素を酸化しガス化して、このガスをIR(赤外線吸収)にて定量する原理により分析が行われる。測定条件は、サンプル表面の炭素を酸化しガス化させる条件であればよいが、一般に500℃−5分程度の条件で測定することが好ましい。定量された全C量〔mg〕をサンプルのサイズ〔m2 〕で除し、C付着量〔mg/m2 〕を得る。
【0011】
P及びZrの付着量は、市販の蛍光X線分析装置にて定量する。P及びZrの付着量〔mg/m2 〕が既知で付着量の異なるサンプルを複数測定し、この際の強度より、強度−付着量の検量線を作成する。同様の条件で本発明のアルミニウム合金製フィンの上塗り皮膜層を形成しない状態にあるフィン材を適当なサイズ(φ3cm程度の円盤体)に切り出して測定する。この測定強度を前述の検量線に基づき付着量に変換する。
【0012】
本発明に使用する有機重合体は、密着性や耐食性を考慮し、これらの性能を満足する構造を有していなければならない。好ましい有機重合体として式(I)に示される有機高分子化合物の加熱生成物が挙げられる。
【0013】
前記式(I)の有機高分子化合物の分子中のn個のベンゼン環にY基として、結合している式(II)のZ基の各々は、互いに他から異なっていてもよく、あるいは他と同一であってもよく、前記有機高分子化合物分子中の各ベンゼン環の前記Z基置換数(導入率)の平均値は0.2〜1.0であり、0.2〜0.8であることが好ましい。例えばXがベンゼン環を持たず、nが10の高分子にZが8個導入されていれば、導入率は0.8となる。この導入率が0.8を超える場合は、バルキーすぎて皮膜が粗となり耐食性が低下することもある。また導入率が0.8以下であっても、R1 ,R2 として11個以上の炭素原子を有するアルキル基またはヒドロキシアルキル基を有するZ基を有する場合は、バルキーすぎて皮膜が粗となり耐食性が低下することもある。
一般式(I)で表される有機高分子化合物を含む表面処理液が、熱交換器用アルミニウム又はその合金製フィン材基体の表面に接触、付着され、加熱乾燥され、必要によりさらに加熱処理(焼付)されたとき、式(I)の有機高分子化合物の分子中のベンゼン環にY基として、Z基が含まれているときは、上記加熱により互に隣接する分子のZ基が互に、R1 −NH−R2 の解離を伴って、−CH2 −CH2 −結合を形成して、縮合し、有機高分子化合物が、さらに高分子化して加熱生成物を生成する。
【0014】
本発明のフィン材は、その使用目的に応じた種々の上塗り皮膜層を有するが、いずれも少なくとも1種の親水性皮膜形成性材料を含み、上塗り皮膜層は主に親水性皮膜層、潤滑性皮膜層、耐食性皮膜層に大別される。
親水性皮膜層を形成する材料は前述のように表面を親水性とし、フィン間隙の通風抵抗の増加を抑制することが可能であれば特にその種類を限定するものではなく、有機系親水性皮膜形成性材料、無機系親水性皮膜形成性材料、有機/無機複合系親水性皮膜形成性材料などが挙げられる。有機系親水性皮膜形成性材料には、例えばポリ(メタ)アクリル酸系、ポリビニルアルコール系、ポリビニルピロリドン系、ポリアクリルアミド系、ポリアミド系、ポリエチレングリコール系、セルロース系、あるいはこれら成分の複合系等がある。無機系親水性皮膜形成性材料としては主として水ガラス系が挙げられ、皮膜形成のしやすさや形成された皮膜の物理的性質を向上させるために前述の有機系親水性皮膜成分であるポリ(メタ)アクリル酸系、ポリビニルアルコール系、ポリビニルピロリドン系、ポリアクリルアミド系、ポリアミド系、ポリエチレングリコール系、セルロース系等から選ばれる1種以上の成分との複合系としてもよい。有機/無機複合系親水性皮膜形成性材料は前述の有機系親水性皮膜形成性材料に、さらに親水性の向上を図るべく無機微粒子を配合したものであり、無機微粒子の具体例としては、例えばコロイダルシリカ、アルミナゾルなどが挙げられる。
【0015】
次に潤滑性皮膜層は、本発明のフィン材を熱交換器フィンとする際の成形加工を円滑に行うべく必要に応じてフィン材が最外面に有する皮膜層であって、表面の潤滑性(すべり性、低摩擦係数)を向上させ、かつ親水性皮膜形成性を有するものであれば特にその種類に限定はなく、例えばポリ(メタ)アクリル酸系、ポリビニルアルコール系、ポリビニルピロリドン系、ポリアクリルアミド系、ポリアミド系、ポリエチレングリコール系、セルロース系等から選ばれる1種以上の成分からなる皮膜層が挙げられる。
【0016】
次に耐食性皮膜層は、熱交換器フィンが高レベルの耐食性を要求される場合に、本発明のフィン材に有せしめるものであり、通常は下地皮膜層に次いで形成されるものであって、アルミニウム素材に対する水分などの腐食要因を遮断するバリア効果を発現するものであり、かつ親水性皮膜形成性を有するものであれば特にその種類に限定はなく、例えば(メタ)アクリル系、エポキシ系、ウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の有機系耐食性、親水性皮膜層が好適に用いられる。また用途によっては耐食性皮膜層のみで上塗り皮膜層をなす場合もある。
本発明の熱交換器用アルミニウム又はその合金製フィン材において、上塗り皮膜層は、単一層又は複数層であってもよいが、その合計量は0.03〜20g/m2 であることが好ましく、0.1〜5g/m2 であることが好ましい。
【0017】
次いで本発明のアルミニウム又はその合金製フィン材の製造方法について記載する。基材となるアルミニウム又はその合金製フィン原板の組成は特にその種類を問うものではないが、通常JIS−A1000番台のいわゆる純アルミ系列のものが好適に用いられ、本発明の皮膜形成処理に先立ち、必要に応じ表面に付着した汚染物質(圧延油、塵等)を洗浄除去する。洗浄方法には水系スプレー洗浄、水系浸漬洗浄、溶剤浸漬洗浄、溶剤蒸気洗浄等があるが、アルミニウム素材表面近傍の溶解除去を伴い効率良く汚染物質を除去する方法として、アルカリ性または酸性の洗浄液を用いた水系スプレー洗浄を用いるのが一般的である。洗浄後、付着した洗浄液を充分に濯いで除去する。
【0018】
本発明方法において、りん酸イオン及び/又は縮合りん酸イオン、ジルコニウムの錯フッ化物イオン、一般式(I)の水溶性重合体、フッ化水素供給源化合物とを含む表面処理液を基材の所望表面に塗布し、それによって形成された表面処理液層を1〜30秒間加温処理することにより、下地皮膜層を形成する。表面処理液中のりん酸及び/又は縮合りん酸イオンの含有量は、0.5〜10g/リットルである。この含有量が0.5g/リットル未満の場合、目的の下地皮膜層形成が困難となり、又10g/リットルを超えても目的上問題はないが、コストアップとなり経済的に不利になる。りん化合物の供給源としては、りん酸、ピロりん酸、トリポリりん酸、テトラポリりん酸等のりん酸及び縮合りん酸の他、それらの各種塩類を用いることができる。
【0019】
表面処理液中のジルコニウムの錯フッ化物イオンの含有量は0.05〜5g/リットルである。この含有量が0.05g/リットル未満の場合、目的の下地皮膜層形成が困難となり、又5g/リットルを超えても目的上問題はないが、コストアップとなり経済的に不利になる。ジルコニウム化合物の供給源としては、ジルコニウムフッ化水素酸及びその各種塩類を用いることができる。
また表面処理液中の一般式(I)の水溶性重合体の含有量は0.1〜10g/リットルである。この含有量が0.1g/リットル未満の場合、目的の下地皮膜層形成が困難となり、又10g/リットルを超えても目的上問題はないが、コストアップとなり経済的に不利になる。一般式(I)に示す重合体分子の重合度nは、2〜50の範囲内であることが好ましい。
【0020】
また本発明方法において、表面処理液中の有効フッ化水素酸濃度は30〜200ppm の範囲内であることが必要である。ここでいう有効フッ化水素酸濃度は、以下のようにして測定される。市販されているフッ化物イオン標準液を、市販されているpH・イオン強度調整液で希釈して、3水準のF− 濃度、すなわちF− :10ppm 、F− :100ppm およびF− :500ppm の標準液を調製し、所定温度に保温し、これらを用いてフッ素イオンメーターの測定値を校正する。次に表面処理液のサンプルを所定温度に保温し、上記フッ素イオンメーターによって得られるF− 濃度値をモル濃度に換算し、これをもって〔F− 〕濃度とする。さらに処理液のpHを測定し、これから〔H+ 〕濃度を算出する。この様にして、実験および計算により得られた〔HF〕濃度をppm 単位で表したものが、有効フッ化水素酸濃度である。
H+ +F− =HF,logKHF=3.17, pH=log10〔H+ 〕
【数1】
【0021】
表面処理液中の上記有効フッ化水素酸濃度が30ppm を下回ると、処理液が老化してアルミニウムイオン濃度が高くなった時に、処理液中に含まれるジルコニウムの沈殿を抑制することができなくなるという不都合を生じ、またそれが200ppm を超えると皮膜の生成効率が劣化する。そのより好ましい範囲は50〜150ppm の範囲内である。
【0022】
上述の各種成分を含有する表面処理液のpHは1.8〜4.5の範囲内に調整される。pHが1.8を下回るとエッチング過剰となり皮膜形成が充分でなく、またそれが4.5を上回ると表面処理液の安定性が不十分になる。また加温条件は35〜70℃の範囲内である。この温度が35℃を下回ると反応性が不足し皮膜形成が充分でなく、またそれが70℃を超えても皮膜形成上の問題は無いが、熱コストが余分にかかり経済的に不利となる。
【0023】
上記表面処理液とフィン基材表面との接触方法に特に制限はないが、通常、表面処理液をフィン基材表面にスプレーする方法が用いられる。スプレー法の場合、処理時間は1〜30秒の範囲内で実施される。この時間が1秒未満では皮膜形成が充分でなく、またそれが30秒を超えて処理を行っても皮膜形成上の問題は無いが、設備コストアップもしくは作業効率が劣化し経済的に不利となる。スプレー時間は、より好ましくは1〜10秒の範囲内である。
【0024】
本発明方法によって下地皮膜層を形成したのち、水洗して未反応の表面処理液を除去後、これに加温乾燥を行い、この下地皮膜層の上に親水性上塗り皮膜層を形成するための溶液を塗布し、焼付け乾燥して上塗り皮膜層を形成して目的のフィン材を得る。上塗り皮膜層形成用溶液の塗布方法は特に制限されず、ロール塗布、浸漬塗布、シャワー塗布、バー塗布、スプレー塗布、フロー塗布等を用いることができるが、ロールコートが一般的に用いられる。
【0025】
【実施例】
実施例と比較例とを挙げ、本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例により限定されるものではない。
【0026】
実施例及び比較例において、共通事項を下記に示す。
〈フィン材の基材作成方法〉
JIS−A1100アルミニウムフィン材(210mm幅×300mm長×板圧0.115mm)を、アルカリ洗浄剤(商標:FC−4477、日本パーカライジング製)の20g/リットル水溶液を用いて、液温65℃で6秒間スプレー洗浄し、水道水をスプレーして濯ぎ、その後、各実施例に記載の方法によって下地皮膜層用液を塗布し、再度水道水をスプレーして濯いだのち、80℃に設定した電気オーブンで5分間加温し、乾燥して下地皮膜層を形成した。その後、各実施例に記載の方法により上塗り皮膜層を形成することにより、フィン材を得た。また各実施例において形成された下地皮膜層中のC,P及びZrを定量するために、上塗り皮膜層を形成しない試験片を作製した。
【0027】
〈下地皮膜層のC,P及びZr付着量の定量〉
上塗り皮膜層を形成しない試験片を用い、前記段落〔0010〕〜〔0011〕に記載の方法にて各元素の付着量を測定した。
〈耐食性評価〉
JIS−Z2371:塩水噴霧試験方法に基づき、35℃に設定された試験槽内で5%の塩水を500時間噴霧し、試験片の耐食性を以下の基準で評価して◎及び○を合格とした。
◎ :白錆発生面積率0%
○ :白錆発生面積率5%未満
△ :白錆発生面積率5%以上25%未満
× :白錆発生面積率25%以上50%未満
××:白錆発生面積率50%以上
【化5】
【0028】
実施例1
下記の皮膜層形成条件のもとに表面処理フィン材を作製し評価を行った。
−下地皮膜層形成条件−
処理液 :表1に記載の処理液 No.1を使用した
処理方法:スプレー接触
処理時間:2秒
−上塗り皮膜層形成条件−
塗布液 :ビニルアルコール系樹脂50g/リットル(固形分)とエチレンオキサイド系樹脂50g/リットル(固形分)を主成分として含む水溶液
塗布方法:ロールコーティング
焼付条件:電気オーブン10秒パス、最高到達板温200℃
塗布量 :Dry皮膜量700mg/m2
【0029】
実施例2
下記の皮膜層形成条件のもと、表面処理フィン材を作製し、評価を行った。
−下地皮膜層形成条件−
処理液 :表1に記載の処理液 No.2を使用した
処理方法:スプレー接触
処理時間:8秒
−上塗り皮膜層(第一層)の形成条件−
塗布液 :珪酸ソーダ3号60g/リットル(固形分)とアクリル系樹脂20g/リットル(固形分)を主成分として含む水溶液
塗布方法:ロールコーティング
焼付条件:電気オーブン10秒パス、最高到達板温200℃
塗布量 :Dry皮膜量SiO2 量で200mg/m2
−上塗り皮膜層(第二層)の形成条件−
塗布液 :エチレンオキサイド系樹脂50g/リットル(固形分)を主成分として含む水溶液
塗布方法:ロールコーティング
焼付条件:電気オーブン10秒パス、最高到達板温160℃
塗布量 :Dry皮膜量250mg/m2
【0030】
実施例3
下記の皮膜層形成条件のもと、表面処理フィン材を作製し、評価を行った。
−下地皮膜層形成条件−
処理液 :表1に記載の表面処理液 No.3を用いた
処理方法:スプレー接触
処理時間:6秒
−上塗り皮膜層(第一層)の形成条件−
塗布液 :アクリルエポキシ系樹脂250g/リットル(固形分)を主成分として含む水溶液
塗布方法:ロールコーティング
焼付条件:電気オーブン10秒パス、最高到達板温240℃
塗布量 :Dry皮膜量2000mg/m2
−上塗り皮膜層(第二層)の形成条件−
塗布液 :セルロース系樹脂50g/リットル(固形分)を主成分として含む水溶液
塗布方法:ロールコーティング
焼付条件:電気オーブン10秒パス、最高到達板温160℃
塗布量 :Dry皮膜量200mg/m2
【0031】
実施例4
下記の皮膜層形成条件のもと、表面処理フィン材を作製し、評価を行った。
−下地皮膜層形成条件−
処理液 :表1に記載の表面処理液 No.4を用いた
処理方法:スプレー接触
処理時間:8秒
−上塗り皮膜層(第一層)の形成条件−
塗布液 :珪酸ソーダ3号60g/リットル(固形分)とアクリル系樹脂20g/リットル(固形分)を主成分として含む水溶液
塗布方法:ロールコーティング
焼付条件:電気オーブン10秒パス、最高到達板温200℃
塗布量 :Dry皮膜量SiO2 量で200mg/m2
−上塗り皮膜層(第二層)の形成条件−
塗布液 :エチレンオキサイド系樹脂50g/リットル(固形分)を主成分として含む水溶液
塗布方法:ロールコーティング
焼付条件:電気オーブン10秒パス、最高到達板温160℃
塗布量 :Dry皮膜量250mg/m2
【0032】
実施例5
下記の皮膜層形成条件のもと、表面処理フィン材を作製し、評価を行った。
−下地皮膜層形成条件−
処理液 :表1に記載の処理液 No.5を用いた
処理方法:スプレー接触
処理時間:6秒
−上塗り皮膜層形成条件−
塗布液 :コロイダルシリカ70g/リットル(固形分)とビニルアルコール系樹脂30g/リットル(固形分)を主成分として含む水溶液
塗布方法:ロールコーティング
焼付条件:電気オーブン10秒パス、最高到達板温200℃
塗布量 :Dry皮膜量SiO2 量で500mg/m2
【0033】
実施例6
下記の皮膜層形成条件のもと、表面処理フィン材を作製し、評価を行った。
−下地皮膜層形成条件−
処理液 :表1に記載の処理液 No.6を用いた
処理方法:スプレー接触
処理時間:4秒
−上塗り皮膜層(第一層)の形成条件−
塗布液 :珪酸ソーダ3号60g/リットル(固形分)とアクリル系樹脂20g/リットル(固形分)を主成分として含む水溶液
塗布方法:ロールコーティング
焼付条件:電気オーブン10秒パス、最高到達板温200℃
塗布量 :Dry皮膜量SiO2 量で200mg/m2
−上塗り皮膜層(第二層)の形成条件−
塗布液 :エチレンオキサイド系樹脂50g/リットル(固形分)を主成分として含む水溶液
塗布方法:ロールコーティング
焼付条件:電気オーブン10秒パス、最高到達板温160℃
塗布量 :Dry皮膜量250mg/m2
【0034】
実施例7
下記の皮膜層形成条件のもと、表面処理フィン材を作製し、評価を行った。
−下地皮膜層形成条件−
処理液 :表1に記載の処理液 No.7を用いた
処理方法:スプレー接触
処理時間:12秒
−上塗り皮膜層形成条件−
塗布液 :ビニルアルコール系樹脂50g/リットル(固形分)とエチレンオキサイド系樹脂50g/リットル(固形分)を主成分とする水溶液塗布方法:ロールコーティング
焼付条件:電気オーブン10秒パス、最高到達板温200℃
塗布量 :Dry皮膜量700mg/m2
【0035】
比較例1
下記の皮膜層形成条件のもと、表面処理フィン材を作製し、評価を行った。
−下地皮膜層形成条件−
処理液 :表1に記載の処理液 No.8を用いた
処理方法:スプレー接触
処理時間:3秒
−上塗り皮膜層(第一層)の形成条件−
塗布液 :珪酸ソーダ3号60g/リットル(固形分)とアクリル系樹脂20g/リットル(固形分)とを主成分として含む水溶液
塗布方法:ロールコーティング
焼付条件:電気オーブン10秒パス、最高到達板温200℃
塗布量 :Dry皮膜量SiO2 量で200mg/m2
−上塗り皮膜層(第二層)の形成条件−
塗布液 :エチレンオキサイド系樹脂50g/リットル(固形分)を主成分として含有する水溶液
塗布方法:ロールコーティング
焼付条件:電気オーブン10秒パス、最高到達板温160℃
塗布量 :Dry皮膜量250mg/m2
【0036】
比較例2
下記の皮膜層形成条件のもと、表面処理フィン材を作製し、評価を行った。
−下地皮膜層形成条件−
処理液 :表1に記載の処理液 No.9を用いた
処理方法:スプレー接触
処理時間:4秒
−上塗り皮膜層形成条件−
塗布液 :ビニルアルコール系樹脂50g/リットル(固形分)とエチレンオキサイド系樹脂50g/リットル(固形分)を主成分として含む水溶液
塗布方法:ロールコーティング
焼付条件:電気オーブン10秒パス、最高到達板温200℃
塗布量 :Dry皮膜量700mg/m2
【0037】
比較例3
下記の皮膜層形成条件のもと、表面処理フィン材を作製し、評価を行った。
−下地皮膜層形成条件−
処理液 :表1に記載の処理液 No.10を用いた
処理方法:スプレー接触
処理時間:4秒
−上塗り皮膜層(第一層)の形成条件−
塗布液 :珪酸ソーダ3号60g/リットル(固形分)とアクリル系樹脂20g/リットル(固形分)を主成分として含有する水溶液
塗布方法:ロールコーティング
焼付条件:電気オーブン10秒パス、最高到達板温200℃
塗布量 :Dry皮膜量SiO2 量で200mg/m2
−上塗り皮膜層(第二層)の形成条件−
塗布液 :エチレンオキサイド系樹脂50g/リットル(固形分)を主成分として含む水溶液
塗布方法:ロールコーティング
焼付条件:電気オーブン10秒パス、最高到達板温160℃
塗布量 :Dry皮膜量250mg/m2
【0038】
比較例4
下記の皮膜層形成条件のもと、表面処理フィン材を作製し、評価を行った。
−下地皮膜層形成条件−
処理液 :表1に記載の処理液 No.11を用いた
処理方法:スプレー接触
処理時間:4秒
−上塗り皮膜層形成条件−
塗布液 :コロイダルシリカ70g/リットル(固形分)とビニルアルコール系樹脂30g/リットル(固形分)とを主成分として含む水溶液
塗布方法:ロールコーティング
焼付条件:電気オーブン10秒パス、最高到達板温200℃
塗布量 :Dry皮膜量SiO2 量で500mg/m2
【0039】
比較例5
下記の皮膜層形成条件のもと、表面処理フィン材を作製し、評価を行った。
−下地皮膜層形成条件−
処理液 :表1に記載の処理液 No.12を用いた
処理方法:スプレー接触
処理時間:4秒
−上塗り皮膜層形成条件−
塗布液 :珪酸ソーダ3号60g/リットル(固形分)とアクリル系樹脂20g/リットル(固形分)を主成分として含有する水溶液
塗布方法:ロールコーティング
焼付条件:電気オーブン10秒パス、最高到達板温200℃
塗布量 :Dry皮膜量SiO2 量で200mg/m2
【0040】
上記実施例1〜7および比較例1〜5の下地皮膜層のC,P及びZr付着量定量結果、及び耐食性評価結果を表2に示す。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】
表2の結果より明らかなように、本発明の範囲内の実施例1〜7の表面処理フィン材は全て耐食性に優れており、特に実施例1に示すように下地皮膜層形成処理液のスプレー接触時間が2秒という短時間であっても、その耐食性試験結果は合格であった。
一方、比較例1〜5の表面処理フィン材は、いずれも特許請求範囲を逸脱し、これらは、すべて、耐食性不合格となった。皮膜例1は、下地皮膜層形成処理液の有効F− 濃度が高すぎ、Zrの液中安定度が増した為に、また比較例2はZrの錯フッ化物自体を添加していないが為に、Zr付着量が2mg/m2 未満となった場合である。また比較例3は水溶性重合体の添加量が少なすぎる為に、C付着量が3mg/m2 未満となった場合である。また比較例4は、pHが高すぎる為に表面処理液に濁りが生じた上Zr付着量が2mg/m2 未満となった場合である。さらに比較例5は、Zrの錯フッ化物と水溶性重合体を添加していないが為に、Zr付着量が2mg/m2 未満となり、かつC付着量が3mg/m2 未満となった場合である。
【0044】
【発明の効果】
上記の説明から明らかなように、本発明により、クロムを一切使用せずクロムを含む廃液や廃水をも産生しないで、環境保全や廃液処理コスト削減の面でも極めて有効で、且つ耐食性に優れた熱交換器用フィン材を提供することができる。さらに、耐食下地皮膜層の形成の為のスプレー接触時間を非常に短時間とすることができるため、ライン速度を早くすることができ、生産性も良好という優れた効果を奏する。
Claims (5)
- アルミニウム又はその合金を加工して得られる熱交換器用フィン材基体と、その表面上に、形成され、かつ、少なくとも1種の有機重合体とりん化合物とジルコニウム化合物とを含む有機−無機複合下地皮膜層と、その上に形成され、少なくとも1種の親水性皮膜形成性材料を含む少なくとも1層の上塗り皮膜層を有し、前記有機−無機複合下地皮膜層中の前記有機重合体の付着量が炭素原子に換算して3〜60mg/m2 であり、りん化合物の付着量がりん原子に換算して0.5〜15mg/m2 であり、ジルコニウム化合物の付着量がジルコニウム原子に換算して2〜30mg/m2 であることを特徴とする熱交換器用アルミニウム又はその合金製フィン材。
- 前記有機−無機複合下地皮膜層に含まれる有機重合体が、下記一般式(I):
を表し、Z基の、ベンゼン環1ヶ当たりの平均導入率は0.2〜1.0であり、nは2〜50の整数を表す。〕
で表される有機高分子化合物から選ばれた少なくとも1種の加熱生成物である、請求項1に記載の熱交換器用アルミニウム又はその合金製フィン材。 - 前記りん化合物が、りん酸、りん酸塩、縮合りん酸、縮合りん酸塩から選ばれる、請求項1に記載の熱交換器用アルミニウム又はその合金製フィン材。
- 前記上塗り皮膜層が、有機系耐食性皮膜層、有機系親水性皮膜層、無機系親水性皮膜層、有機/無機複合系親水性皮膜層、有機系潤滑性皮膜層から選ばれる1種以上の皮膜層からなる、請求項1に記載の熱交換器用アルミニウム又はその合金製フィン材。
- 0.5〜10g/リットルのりん酸イオン及び/又は縮合りん酸イオンと、0.05〜5g/リットルのジルコニウムの錯フッ化物イオンと、0.1〜10g/リットルの請求項2に記載の一般式(I)により表される有機高分子化合物(但し、前記有機高分子化合物分子中のベンゼン環の前記Z基平均置換数は0.2〜0.8であり、且つnは2〜50の整数を表す。)と、フッ化水素供給源化合物とを含み、且つ、pHが1.8〜4.5で有効フッ化水素酸濃度が30〜200ppm の表面処理液を、35〜70℃に加温し、この加温表面処理液を、熱交換器用アルミニウム又はその合金製フィン材基体の表面上に1〜30秒間スプレー処理し、水洗し、加熱乾燥して、有機−無機下地皮膜層を形成し、その上に少なくとも1種の皮膜形成性材料を含む上塗り皮膜層を形成することを特徴とする、熱交換器用アルミニウム又はその合金製フィン材の製造方法。
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