JP4667978B2 - アルミニウム塗装板及びプレコートアルミニウムフィン材 - Google Patents
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Description
しかしながら、上述の親水性塗料組成物を用いた塗膜では、空気中のホルムアルデヒドを効果的に吸着、除去することも困難であった。
まず、本発明におけるアルミニウム塗装板について説明する。アルミニウム塗装板は、アルミニウム板の少なくとも一方の表面に形成された下地被膜層と、この下地被膜層上に形成された親水性被覆層を含む。
本発明で用いるアルミニウム塗装板の基材となるアルミニウム板としては、純アルミニウム材及びアルミニウム合金材が用いられる。アルミニウム合金材としては、A1200、A3003、A5052等が用いられる。なお、本発明では、「アルミニウム材」又は単に「アルミニウム」の用語は、純アルミニウム材及びアルミニウム合金材の双方を含む意とする。
本発明では、塗装板の基材とてアルミニウム材を用いるが、この他の基材として、アルミニウム以外の金属や合金、セラミックス、プラスチック等を用いることもできる。
アルミニウム材の表面に形成される第1層としての下地被膜層は、樹脂及びジルコニウム化合物を含む。樹脂としては、アルミニウム材との密着性、耐湿性(耐透水性)を有し、かつ、親水性被覆層との密着性に優れているものであれば特に制限はないが、エポキシ系樹脂及びアクリル系樹脂の少なくともいずれか一方を含むのが好ましい。エポキシ系樹脂は強靭性、耐食性及び加工性を付与し、アクリル系樹脂はアルミニウム材との密着性及び耐透水性、ならびに、親水性被覆層との密着性を付与する。
α、βモノエチレン系不飽和単量体としては、例えばアクリル酸エステル類(アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸nブチル、アクリル酸2エチルへキシル、アクリル酸デシル、アクリル酸イソオクチル、アクリル酸2エチルブチル、アクリル酸オクチル、アクリル酸メトキシエチル、アクリル酸エトキシエチル、アクリル酸3エトキシプロピル等);メタクリル酸エステル類(メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸nへキシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸デシルオクチル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸2メチルへキシル、メタクリル酸3メトキシブチル等);アクリロニトリル;メタクリロニトリル;酢酸ビニル;塩化ビニル;ビニルケトン;ビニルトルエン;及びスチレン等が用いられる。
上記アクリル樹脂を1種用いても、又は、異なる種類のアクリル樹脂を2種以上用いてもよい。
下地被膜層上に形成される第2層としての親水性被覆層は、樹脂、コロイダルシリカ、ジルコニウム化合物を含む。樹脂としては、コロイダルシリカの担持性、樹脂そのものの親水性、ならびに、下地被膜層との密着性に優れているものであれば特に制限はないが、アクリル系樹脂及びポリビニルアルコール系樹脂が、親水性と塗膜密着性に優れており好適である。
下地被膜層と親水性被覆層の構成成分として、それぞれのジルコニウム含有量を規定することにより、下地被膜層層と親水性被覆層との密着性を確保できる。良好な密着性を確保することにより、長期に亘る湿潤雰囲気においても、親水性被覆層の剥離を防止でき、優れた耐湿性を合わせ持つアルミニウム塗装板が得られる。両層におけるジルコニウム含有量に関して、(下地被膜層中における樹脂に対する金属換算したジルコニウムの重量比)/(親水性被覆層中における樹脂に対する金属換算したジルコニウムの重量比)を0.1〜5とすることにより、両層の更に良好な密着性が得られる。上記比率が0.1未満であると、親水性被覆層におけるジルコニウム含有率に比べて下地被膜層におけるジルコニウム含有率が極端に少ないため、切断端部等における下地被膜層とアルミニウム材との界面等に水が浸透し易くなり腐食が促進されることになる。一方、上記比率が5を超えると、親水性被覆層のジルコニウム含有量が少な過ぎるため、下地被膜層と親水性被覆層との十分な塗膜密着性が得られず、長期に亘る湿潤雰囲気では親水性被覆層が剥離して親水性の低下を招くことになる。
下地被膜層の形成量は、金属換算したジルコニウム量で2〜100mg/m2である。形成量が2mg/m2未満であると耐食性を満足することができず、100mg/m2を超えると、耐食性等の諸性能が飽和し不経済となる。このような形成量により、強固で、耐食性及び耐透水性を備える下地被膜層とすることができる。このような特性を一層高めるために、下地被膜層の形成量を5〜50mg/m2とするのが好ましい。
親水性被覆層の形成量は、金属換算したジルコニウム量で1〜40mg/m2である。形成量が1mg/m2未満であると、下地被膜層を十分に被覆できないので親水性を満足できず、40mg/m2を超えると、親水性が飽和し不経済となる。このような形成量により、下地被膜層を十分に被覆して親水性を満足できる。このような特性を一層高めるために、親水性被覆層の形成量を2〜20mg/m2とするのが好ましい。
本発明においては、親水性被覆層に烏龍茶成分を添加する。樹脂成分中の烏龍茶成分は、ホルムアルデヒドを吸着する機能を有する成分である。烏龍茶成分は、樹脂100重量部に対して、0.01〜20重量部であり、好ましくは0.1〜10重量部である。烏龍茶成分が0.01重量部より少ないとホルムアルデヒド吸着性が得られ難くなり、20重量部を超えると所望の親水性が低下してしまう。
緑茶及び紅茶成分の少なくともいずれか一方は、樹脂100重量部に対して0.01〜20重量部、好ましくは0.1〜10重量部配合される。緑茶及び紅茶成分の少なくともいずれか一方が0.01重量部より少ないとホルムアルデヒド定着性が得られ難くなり、20重量部より多いと所望の親水性が得られなくなる。なお、これら含有量は、緑茶成分単独又は紅茶成分単独の場合にはそれぞれ単独含有量としてのものであり、緑茶成分と紅茶成分の両方を用いる場合には両者を合計した含有量としてのものである。
なお、下地被膜層にも緑茶成分及び紅茶成分の少なくともいずれか一方を含有させてもよく、これにより、更に効果的にホルムアルデヒドを定着することができる。
本発明では、親水性被覆層上に第3層としての潤滑性被膜層を更に形成してもよい。このような潤滑性被膜層はポリエチレングリコール系樹脂を含有し、アルミニウム塗装板の成形性を向上させる機能を発揮する。また、この潤滑性被膜層に烏龍茶成分を含有させることにより、ホルムアルデヒド吸着性を更に高めることができる。そして、烏龍茶成分に加えて緑茶成分及び紅茶成分の少なくともいずれか一方を更に含有させることによって、ホルムアルデヒド定着性を更に高めることができる。この潤滑性被膜層の形成量は、ポリエチレングリコール系樹脂量で0.05〜3g/m2である。形成量が0.05g/m2未満であると、十分な成形性が得られない。また、形成量が3g/m2を超えても、成形性が飽和し不経済となる。形成量は、0.1〜1g/m2が好ましい
下地被膜層、親水性被覆層及び潤滑性被膜層を形成するには、各層の成分を媒体となる溶媒に溶解又は分散した塗料組成物が用いられる。このような溶媒としては、塗料成分を溶解又は分散可能であれば特に限定されるものではなく、例えば、水などの水性溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、メチルiso−ブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロンなどのケトン系溶剤;エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール、n−ブタノール、iso−ブタノール、ペンタノール等のアルコール系溶剤;エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル等のエチレングリコールアルキルエーテル系溶剤;ジエチレングリコールモノブチルエーテル等のジエチレングリコールアルキルエーテル系溶剤;プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等のプロピレングリコールアルキルエーテル系溶剤;及び、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等の上記一連のグリコールアルキルエーテル系溶剤のエステル化物;等が含まれる。これらの中でも、水性溶媒が好ましく、水が特に好ましい。
本発明では必要に応じて、下地被膜層(第1層)、親水性被覆層(第2層)及び潤滑性被膜層(第3層)に、貯蔵中の腐敗防止を目的とした有機銅系、有機ヨード系、イミダゾール系、イソチアゾリン系、ピリチオン系、トリアジン系、銀系等の抗菌・抗黴作用を有する防腐剤;タンニン酸、没食子酸、フイチン酸、ホスフィン酸等の防錆剤;ポリアルコールのアルキルエステル類、ポリエチレンオキサイド縮合物等のレベリング剤;相溶性を損なわない範囲で添加されるポリアクリルアミド、ポリビニルアセトアミド等の充填剤;アルキル硫酸エステル塩、アルキルスルホコハク酸塩系等の界面活性剤;酸化亜鉛、酸化クロム、炭酸バリウム、硫酸バリウム、カーボンブラック等の無機顔料;アゾ系、ジアゾ系、縮合アゾ系、フタロシアニン系、ハロゲン化フタロシアニン系等の有機顔料;酸化亜鉛、酸化アルミ(アルミナ)、酸化チタン等の無機酸化物;等を添加してもよい。
特に上述の無機顔料、有機顔料を添加することにより、湿潤雰囲気において顔料の溶出が低減でき、長期間に亘る着色性を備えたアルミニウム塗装板やフィン材を得ることができる。
本発明のアルミニウム塗装板は、まず、基材となるアルミニウム板を脱脂処理して乾燥した後に、下地被膜層の成分を適当な溶媒に溶解又は分散した塗料組成物をアルミニウム板上に塗布して下地被膜層を形成する。下地被膜層用の塗料組成物の塗布方法としては、ロールコーター法、ロールスクイズ法、ケミコーター法、エアナイフ法、浸漬法、スプレー法、静電塗装法等の方法が用いられ、塗膜の均一性に優れ、生産性が良好なロールコーター法が好ましい。ロールコーター法としては、塗布量管理が容易なグラビアロール方式や、厚塗りに適したナチュラルコート方式や、塗布面に美的外観を付与するのに適したリバースコート方式等を採用することができる。また、下地被膜層の乾燥には一般的な加熱法、誘電加熱法等が用いられる。
なお、上記(1)の方法においては、塗布された混合塗料組成物は、焼付け工程前において、下地被膜層側の親水性被覆層用塗料組成物層と、その上の潤滑性被膜層用塗料組成物層に層分離することが確認された。また、上記(2)の方法においては、下層側(下地被膜層側)の親水性被覆層用塗料組成物層と、その上に塗布された潤滑性被膜層用塗料組成物層とは、2層のまま層が混合状態にならないことが確認された。
本発明に係るプレコートアルミニウムフィン材は、上述のアルミニウム塗装板の表面にプレス成形加工用の揮発性プレス油を塗布してからスリット加工やコルゲート加工等の成形加工を施すことにより、所望形状のフィン材としたものである。このようなプレコートアルミニウムフィン材は、例えば空調機用熱交換器のフィン材として好適に用いられるが、フィン材間の結露等を防止する用途であれば、空調機用熱交換器に限定されるものではない。
実施例1〜35及び比較例1〜11
実施例1〜35及び比較例1〜11では、アルミニウム板に第1層として下地被膜層を形成し、更にその上に親水性被覆層を形成したアルミニウム塗装板を製造した。下地被膜層及び親水性被覆層の成分組成、下地被膜層及び親水性被覆層の形成量であって金属換算したジルコニウム量で表わした形成量、ならびに、rとして示した(下地被膜層中における樹脂に対する金属換算したジルコニウムの重量比)/(親水性被覆層中における樹脂に対する金属換算したジルコニウムの重量比)を、実施例1〜35について表1に、比較例1〜11について表2に示す。
アルミニウム塗装板を流量が1リットル/分の水道水に8時間浸漬した後、80℃で16時間乾燥する工程を1サイクルとして20サイクル行ない、ゴニオメーターで純水の接触角を測定した。また、接触角を測定したアルミニウム塗装板にテープを貼り、親水性被覆層の剥離の有無を観察した。評価結果である表中の記号の意味は以下の通りであり、◎及び○を性能を満足する合格とした。
◎:接触角が10°以下であり非常に良好であることを示す。
○:接触角が10゜を越え、かつ20°以下であり、良好であることを示す。
△:接触角が20゜を越え、かつ40゜以下であり、不良であることを示す。
×:接触角が40゜を越え非常に不良であることを示す。
また、剥離試験においては、親水性被覆層の剥離が生じない場合を○とし、剥離が生じた場合を×とした。
得られたアルミニウム合金塗装板を49℃±1℃、相対湿度95%以上の雰囲気に500時間曝し、塗膜の変色面積率を下記基準に基づいて評価した。◎及び○を性能を満足する合格とした。
◎:変色面積率 10%未満
○:変色面積率 10〜25%未満
△:変色面積率 25〜50%未満
×:変色面積率 50〜100%
JIS Z2371に基づき、SST480時間行い、レイティングナンバー(L.N.)により耐食性を測定した。L.N.が9以上を合格とした。
実機フィンプレスにてドローレス成形を実施した状況で評価した。成形条件は、揮発性プレスオイルとしてAF−2C(出光興産)を使用し、しごき率58%、成形スピード250spmであった。下記基準に基づいて成形性を評価した。ここで、◎及び○を性能を満足する合格とした。
◎:良好 (カラー部内面に傷、焼付けが全く見られない)
○:概ね良好 (カラー部内面に軽微な傷、焼付けが見られるもの実使用に問題なし)
×:不良 (カラー部内面に激しく傷、焼付けがあり、座屈、カラー飛びも発生)
なお、各層の密着性は、この成形性を示す一つの因子と考えられる。
1.ホルムアルデヒド吸着性
ホルムアルデヒド雰囲気の容器中に各アルミニウム塗装板を配置し、ホルムアルデヒドを吸着させた後の容器内のホルムアルデヒド濃度(Ca)を測定した。Caは未吸着のホルムアルデヒド量に対応する濃度である。下記のホルムアルデヒド初期濃度(15ppm)から上記ホルムアルデヒド濃度Caを差し引いた濃度(Cb)が、アルミニウム塗装板によるホルムアルデヒド吸着量に対応する濃度である。ここで、アルデヒド吸着率として、(Cb/15)×100(%)として求めた。
試料の面積 :100×200 mm2
試料容器 :5リットルデシケータ
容器のガス量:5リットル
ガス初期濃度:ホルムアルデヒド 15ppm
ガス測定方法:ホルムアルデヒド検知管
試験室温度 :20℃
測定時間 :24時間
◎:吸着率75〜100%
○:吸着率50〜75%未満
×:吸着率0〜50%未満
大気雰囲気の容器中にホルムアルデヒドを吸着した各アルミニウム塗装板を配置し、ホルムアルデヒドを脱着させた後の容器内のホルムアルデヒド濃度(Cc)を測定した。上記ホルムアルデヒド濃度Cbから上記ホルムアルデヒド濃度Ccを差し引いた濃度(Cd)が、アルミニウム塗装板によるホルムアルデヒド定着量に対応する濃度である。したがって、ホルムアルデヒドの定着率(%)は、(Cd/Cb)×100で表わされる。
試料の面積 :100×200 mm2
試料容器 :5リットルデシケータ
容器のガス量:5リットル
ガス初期濃度:ホルムアルデヒド 0ppm
ガス測定方法:ホルムアルデヒド検知管
試験室温度 :20℃
測定時間 :24時間
◎:定着率75%以上〜100%
○:定着率50%以上〜75%未満
△:定着率25以上〜50%未満
×:定着率25%未満
表5に示すように、実施例36〜45では親水性被覆層に烏龍茶成分を含有させ、このうち実施例40〜45では、烏龍茶成分に加えて緑茶成分及び紅茶成分の少なくともいずれか一方を含有させた。実施例1〜35と同様に、アルミニウム板に第1層として下地被膜層を形成し、更にその上に親水性被覆層を形成したアルミニウム塗装板を製造して諸特性を評価した。結果を表6に示す。
表8に示すように、実施例46〜50では、親水性被覆層の上にポリエチレングリコールを含有する潤滑性被膜層を更に形成した。このうち実施例49、50では、親水性被覆層に烏龍茶成分と緑茶成分を含有させた。潤滑性被膜層は、以下のようにして形成した。実施例1〜35と同様の焼付けによって下地被膜層を形成し、その上に、親水性被覆層の塗料組成物と潤滑性被膜層の塗料組成物との混合塗料組成物をロールコーターにて塗布した。次いで、PMT200度で20秒間焼付けして、下地被膜層上に、親水性被覆層と潤滑性被膜層とから成る分離した2層を同時に形成した。このような分離した2層は、下地被膜層上に形成された親水性被覆層と、親水性被覆層上に形成された潤滑性被膜層とから成る。このようにして得られたアルミニウム塗装板の諸特性を評価した。結果を表9に示す。
これら実施例の中でも、烏龍茶抽出物A又はBを含有する本発明例36〜45、49及び50は、ホルムアルデヒド吸着性に優れている。その中でも、緑茶成分及び紅茶成分の少なくともいずれか一方を含有している40〜45は、ホルムアルデヒド定着性に優れている。
また、実施例46〜50では、第3層としてポリエチレングリコールを含有する潤滑層を形成しているため、成形性に優れている。実施例49及び50は、親水性被覆層に烏龍茶成分と緑茶成分を含有するので、ホルムアルデヒド除去性を含む全ての評価項目において優れていた。また、実施例50では、下地被膜層に着色剤(黄色顔料)を樹脂100重量部に対して5重量部含有させたので、着色性も付与できた。
比較例で2は、下地被膜層として化成処理によるリン酸クロメート皮膜を用いたため、親水性被覆層とのバランスが悪く、長期に亘る親水性試験を行なうと剥離が生じ、一部脱落したため、親水性を満足できなかった。
比較例3では、親水性被覆層を設けなかったため、親水性を得ることができなかった。
比較例4では下地被膜層にジルコニウム化合物を含有せず、親水性、耐食性及び耐湿性を満足できなかった。比較例5では下地被膜層のジルコニウム化合物の含有量が少なかったため、層剥離性は満足できたが接触角は満足できず、また、耐湿性も満足できなかった。なお、比較例4及び5では、親水性被覆層との密着性が確保できず、耐湿性試験を行なうと、切断端面より水が浸透して変色を生じてしまった。
比較例6では、下地被膜層の形成量が少な過ぎたため、耐湿性及び耐食性を満足することはできなかった。
比較例7では親水性被覆層にジルコニウム化合物が含有されず、比較例8では親水性被覆層に含有されるジルコニウム化合物が少な過ぎたため、いずれにおいても長期親水性試験にて、溶解・脱離し、親水性を満足することはできなかった。
比較例9では、親水性被覆層の形成量が少な過ぎたため、下地被膜層を完全に覆うことができず、接触角の点で親水性を満足することはできなかった。
比較例10では、(下地被膜層中における樹脂に対する金属換算したジルコニウムの重量比)/(親水性被覆層中における樹脂に対する金属換算したジルコニウムの重量比)を示す比率rが小さ過ぎたため、浸透した水による腐食を促進させ、耐湿性を満足することができなかった。
比較例11では、上記比率rが大き過ぎたため、親水性を満足することができなかった。
Claims (6)
- アルミニウム板の少なくとも一方の表面に形成した下地被膜層と、当該下地被膜層上に形成した親水性被覆層とを含むアルミニウム塗装板であって、
前記下地被膜層が、樹脂100重量部に対して金属換算したジルコニウム1〜50重量部の割合で樹脂及びジルコニウム化合物を含有し、
前記親水性被覆層が、樹脂100重量部に対して、コロイダルシリカ25〜400重量部と、金属換算したジルコニウム0.5〜25重量部の割合で、樹脂とコロイダルシリカとジルコニウム化合物とを含有し、
(前記下地被膜層中における樹脂に対する金属換算したジルコニウムの重量比)/(前記親水性被覆層中における樹脂に対する金属換算したジルコニウムの重量比)が、0.1〜5であり、
前記下地被膜層が金属換算したジルコニウム量で2〜100mg/m2形成され、かつ、前記親水性被覆層が金属換算したジルコニウム量で1〜40mg/m2形成され、
前記親水性被覆層が、樹脂100重量部に対して0.01〜20重量部の割合で烏龍茶成分を含有することを特徴とするアルミニウム塗装板。 - 前記親水性被覆層が、樹脂100重量部に対して0.01〜20重量部の割合で緑茶成分及び紅茶成分の少なくともいずれか一方を更に含有する、請求項1に記載のアルミニウム塗装板。
- 前記下地被膜層に含有される樹脂が、エポキシ系樹脂及びアクリル系樹脂の少なくともいずれか一方を含む、請求項1又は2に記載のアルミニウム塗装板。
- 前記親水性被覆層に含有される樹脂が、アクリル系樹脂及びポリビニルアルコール系樹脂の少なくともいずれか一方を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載のアルミニウム塗装板。
- 前記親水性被覆層上に、ポリエチレングリコール系樹脂を含有し当該樹脂量で0.05〜3g/m2の潤滑性被膜層が形成された、請求項1〜4のいずれか一項に記載のアルミニウム塗装板。
- 請求項1〜5のいずれか一項に記載のアルミニウム塗装板を用いたプレコートアルミニウムフィン材。
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