JP4769159B2 - アルミニウム塗装板及びこれを用いたプレコートアルミニウムフィン材 - Google Patents
アルミニウム塗装板及びこれを用いたプレコートアルミニウムフィン材 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4769159B2 JP4769159B2 JP2006276727A JP2006276727A JP4769159B2 JP 4769159 B2 JP4769159 B2 JP 4769159B2 JP 2006276727 A JP2006276727 A JP 2006276727A JP 2006276727 A JP2006276727 A JP 2006276727A JP 4769159 B2 JP4769159 B2 JP 4769159B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- hydrophilic
- aluminum
- resin
- film
- coating
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Paints Or Removers (AREA)
- Chemical Treatment Of Metals (AREA)
- Laminated Bodies (AREA)
- Pigments, Carbon Blacks, Or Wood Stains (AREA)
Description
前記親水性被膜が、ウレタン系樹脂及びアクリル系樹脂の少なくとも一方の親水性樹脂と、12〜40nmの一次粒子径を有するカーボンブラックとを含有し、当該カーボンブラックが前記親水性樹脂100重量部に対して1〜200重量部含有され、当該親水性被膜の平均膜厚が0.01〜15μmであるアルミニウム塗装板とした。
本発明に係るアルミニウム塗装板は、アルミニウム又はアルミニウム合金の基材と、当該基材の少なくとも一方の面に形成した親水性被膜とを備える。
本発明で用いる基材は、アルミニウム又はアルミニウム合金からなる基材である。以下において、アルミニウム及びアルミニウム合金からなる基材を、単に「アルミニウム材」と記す。なお、アルミニウム以外の金属を基材に用いることもできる。
また、耐食性有機皮膜としては、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂から成る皮膜が用いられるが、その上に形成される樹脂被膜の親水性及び臭気成分吸着性を損なわない限り、いずれの樹脂皮膜も用いることができる。耐食性有機皮膜の形成量は、0.1〜10g/m2、好ましくは0.5〜5g/m2である。0.1g/m2未満では十分な耐食性が得られず、10g/m2超えても効果が飽和し不経済となる。
本発明の親水性被膜は、親水性樹脂成分としてウレタン系樹脂又はアクリル系樹脂、或いは、これらの両方を含む。ウレタン系樹脂やアクリル系樹脂によって、親水性の他に被膜密着性や耐食性も親水性被膜にバランスよく付与される。親水性、被膜密着性、耐食性を更に一層向上させるために、親水性樹脂成分としてポリビニルアルコール系樹脂を含有させてもよい。
また、親水性被膜は、水ガラスやコロイダルシリカなどの無機成分から成る無機系被膜や、上記親水性樹脂成分とこれら無機成分とから成る有機/無機系被膜としてもよい。
ウレタン系樹脂としては、分子中にウレタン結合を有するものであれば特に制限されるものではなく、主にイソシアネート化合物とポリオール類又はポリエーテルとの反応により形成されるものが用いられる。
具体的には、イソシアネート化合物としては、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン4,4’ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルプロパン1−メチル2−イソシアノ4−カルバメート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート、メタキシリレンジイソシアネート等が用いられる。ポリオール類又はポリエーテルとしては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエーテルトリオール等が用いられる。
アクリル系樹脂としては、α、βモノエチレン系不飽和単量体とこれに重合可能な単量体との共重合体やブロック重合体、或いは、α、βモノエチレン系不飽和単量自体の重合体からなる樹脂が用いられる。
α、βモノエチレン系不飽和単量体としては、例えばアクリル酸エステル類(アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸nブチル、アクリル酸2エチルへキシル、アクリル酸デシル、アクリル酸イソオクチル、アクリル酸2エチルブチル、アクリル酸オクチル、アクリル酸メトキシエチル、アクリル酸エトキシエチル、アクリル酸3エトキシプロピル等);メタクリル酸エステル類(メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸nへキシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸デシルオクチル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸2メチルへキシル、メタクリル酸3メトキシブチル等);アクリロニトリル;メタクリロニトリル;酢酸ビニル;塩化ビニル;ビニルケトン;ビニルトルエン;及びスチレン等が用いられる。
親水性被膜の樹脂成分を構成する親水性樹脂として、ウレタン系樹脂及びアクリル系樹脂の少なくとも一方の他に、ポリビニルアルコール系樹脂を含有することもできる。ポリビニルアルコール系樹脂については、好ましくはその鹸化度が90モル%以上のものが用いられ、特に完全鹸化タイプのポリビニルアルコール(PVA)が好適に用いられる。また、重合度の点からは、平均重合度が好ましくは500〜4000、より好ましくは1500〜2500のPVAが好適に用いられる。
鹸化度が90モル%未満であったり、平均重合度が500未満であると親水性が劣る欠点がある。また、平均重合度が4000より大きいと粘度上昇が著しくなって、塗装の際においてローピング等が発生し均一な被膜が形成されないことがある。
上記の親水性樹脂に架橋剤を混入させて、3次元配列の架橋性樹脂としてもよい。架橋剤は得られる被膜の耐水溶解性を向上させるなどの目的で必要に応じて配合されるものである。このような架橋剤としては、例えば、メラミン樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、ポリエポキシ化合物、ブロック化ポリイソシアネート化合物、チタンキレートなどの金属キレート化合物などを挙げることができる。
本発明においては、親水性被膜中にカーボンブラックを含有させることにより、雰囲気中に存在する臭気成分を吸着する効果が発揮される。カーボンブラックの内部は網状平面構造を成して微細な空孔が多数存在するので、臭気成分が効率よく吸着される。また、カーボンブラックを添加することにより親水性被膜表面の凹凸が大きくなり、見かけの表面積が増大することにより水の接触角が低下し、親水性が更に向上し、水の介在によって臭気成分の吸着性能も向上する相乗効果も生じる。
本発明では、カーボンブラックをそのまま用いることができるが、カルボキシル基、水酸基及びこれらの塩から選択される少なくとも一種を有する芳香族化合物を表面に付着したカーボンブラックを用いてもよい。このような芳香族化合物を表面に付着したカーボンブラックは、未付着のものに比べて分散性及び臭気成分の吸着性において更なる効果が認められる。
本発明においては、親水性被膜成分に烏龍茶成分を添加することもできる。烏龍茶成分は、アンモニアやホルムアルデヒド等の臭気成分を吸着する機能を有する。
烏龍茶成分は、親水性樹脂100重量部に対して0.1〜25重量部、好ましくは0.5〜10重量部含有される。烏龍茶成分が0.1重量部未満では臭気成分の吸着性が十分に得られ難く、25重量部を超えたのでは所望の親水性が得られない。
更に、本発明においては、烏龍茶成分に加えて緑茶成分及び紅茶成分の少なくともいずれか一方を親水性被膜の成分として添加する。これら緑茶成分及び紅茶成分は、烏龍茶成分によって吸着した臭気成分を被膜中に定着する機能を有する。したがって、緑茶成分や紅茶成分を親水性被膜成分として添加することにより、吸着した臭気成分の脱着率が低減されることにより定着性が高められる。結果的に、親水性被膜の吸着性が一層向上することになる。
なお、これら含有量は、緑茶成分単独又は紅茶成分単独の場合にはそれぞれ単独含有量としてのものであり、緑茶成分と紅茶成分の両方を用いる場合には両者を合計した含有量としてのものである。
本発明において、得られる親水性被膜に防菌防黴性を付与することを目的として、抗菌防黴剤が添加される。本発明における抗菌防黴剤とは、抗菌性及び防黴性の少なくともいずれか一方を有するものであって、抗菌性及び防黴性の両方を有するものが好ましい。抗菌防黴剤としては、イソチアゾリン系、アルデヒド系、ベンズイミダゾール系、ハロゲン系、カルボン酸系、スルファミド系、チアゾール系、トリアゾール系、フェノール系、フタルイミド系、ナフテン酸系、ピリジン系等の有機系、Ag、Cu、Zn等の無機系が挙げられるが、その中でも、ジンクピリチオン、即ちビス−(2−ピリジルチオ−1−オキシド)−ジンク、2,3,5,6−テトラクロロ−4−(メチルスルホニル)−ピリジン及び2−(4−チアゾリル)ベンズイミダゾールが、親水性等の被膜物性に影響を及ぼし難いこと、水不溶性、熱安定性に優れることから好ましい。したがって、ビス−(2−ピリジルチオ−1−オキシド)−ジンク、2,3,5,6−テトラクロロ−4−(メチルスルホニル)−ピリジン及び2−(4−チアゾリル)ベンズイミダゾールの少なくともいずれかを用いるのが好ましい。
また、抗菌防黴剤はその粒径を5μm以下、好ましくは0.5〜4.0μmとするのが好ましい。5μm以下にすることによって、被膜中における抗菌防黴剤が保持され易くなり、抗菌防黴性効果が持続し易くなる。
本発明の親水性被膜には、必要に応じて、タンニン酸、没食子酸、フイチン酸、ホスフィン酸等の防錆剤;ポリアルコールのアルキルエステル類、ポリエチレンオキサイド縮合物等のレベリング剤;相溶性を損なわない範囲で添加されるポリアクリルアミド、ポリビニルアセトアミド等の充填剤;フタロシアニン化合物等の着色剤;アルキル硫酸エステル塩、アルキルスルホコハク酸塩系等の界面活性剤;酸化亜鉛、酸化シリコン(シリカ)、酸化アルミ(アルミナ)、酸化チタン等の無機酸化物等;の添加剤を添加することができる。
本発明のアルミニウム材面に親水性被膜を形成するには、アルミニウム材表面又はアルミニウム材表面に形成した耐食性下地皮膜表面に、親水性被膜用の液状の被膜組成物を塗装(塗布)しこれを焼付ける。
本発明に係るアルミニウム塗装板では、親水性被膜上にポリエチレングリコール系樹脂を主成分とする潤滑性被膜を形成することにより、成形性を向上することができる。ポリエチレングリコール系樹脂としては、好ましくは1000〜20000、より好ましくは4000〜11000の重量平均分子量を有するポリエチレングリコール(PEG)、エチレングリコール・プロピレングリコール共重合体等が用いられる。潤滑性被膜の厚さは0.01〜3μm、好ましくは0.05〜2μm、より好ましくは0.05〜1μmである。0.01μm未満では十分な成形性が得られず、3μmを超えると成形性が飽和して不経済となる。
表1に示すように、樹脂成分として、ウレタン系樹脂及びアクリル系樹脂の少なくとも一方からなるもの、或いは、アクリル樹脂と鹸化度92〜99モル%で平均重合度1800のポリビニルアルコール(PVA)とからなるもの、カーボンブラックとして所定の一次粒子径、DPB吸油量、窒素吸着比表面積を有するもの、茶成分として、烏龍茶抽出液、緑茶抽出液、紅茶抽出液を有するもの、を含有する親水性被膜用の組成物を調製した。
なお、実施例1〜6、14及び比較例1〜7では、茶成分を添加していない。実施例7では烏龍茶成分のみを添加し、実施例8〜13では、烏龍茶に加えて緑茶及び紅茶のいずれか一方を加えた。比較例3では、樹脂成分としてセルロース系樹脂を用いた。
さらに、実施例10〜13では、重量平均分子量9300のポリエチレングリコールを含有する潤滑性被膜用の組成物を調製した。
親水性被膜用組成物及び潤滑性被膜用組成物の溶媒には水を用いた。表1に示す各成分の含有量は、溶媒である水1リットル中における重量部を示す。ここで、表1に示す100重量部とは、具体的には100gである。
表4に示すように、樹脂成分として、アクリル系樹脂からなるもの、或いは、アクリル樹脂と鹸化度92〜99モル%で平均重合度1800のポリビニルアルコール(PVA)とからなるもの、カーボンブラックとして所定の一次粒子径が28nm、窒素吸着比表面積が79g/m2を有するものに所定量のフミン酸を表面に付着したもの、茶成分として、烏龍茶抽出液、緑茶抽出液、紅茶抽出液を有するもの、を含有する親水性被膜用の組成物を調製した。
フミン酸の付着は、フミン酸を水に溶解して5重量%のフミン酸水溶液1リットルを調製し、この中にカーボンブラックの粉末0.59〜25gを添加し、十分に攪拌混合して均一に分散し懸濁液を生成した。次いで、懸濁液からカーボンブラックを濾過して100℃で1時間乾燥した。
さらに、実施例30及び31では、重量平均分子量9300のポリエチレングリコールを含有する潤滑性被膜用の組成物を調製した。
親水性被膜用組成物及び潤滑性被膜用組成物の溶媒には水を用いた。表4に示す各成分の含有量は、溶媒である水1リットル中における重量部を示す。ここで、表4に示す100重量部とは、具体的には100gである。
次に、このアルミニウム合金板に、表4に示す各親水性被膜用組成物をロールコーターにて塗布し、到達板表面温度(PMT)250℃で20秒間焼付けしてアルミニウム塗装板を得た。
なお、実施例30及び31では、親水性被膜用組成物と潤滑性被膜組成物の混合溶液を用いて、実施例1と同様にして塗布、焼付けしてアルミニウム塗装板を得た。
ゴニオメーターで純水の接触角を測定した。アルミニウム塗装板を作製した直後の親水性と、乾湿サイクル後の親水性を評価した。乾湿サイクルは、作製したアルミニウム塗装板を流量が1リットル/分の水道水に8時間浸漬した後、80℃で16時間乾燥する工程を1サイクルとしてこれを20サイクル行なった。表3中の記号の意味は以下の通りであり、◎及び○を性能を満足する合格とした。
◎:接触角が20°以下であり非常に良好であることを示す。
○:接触角が20゜を越え、かつ30°以下であり、良好であることを示す。
△:接触角が30゜を越え、かつ40゜以下であり、不良であることを示す。
×:接触角が40゜を越え非常に不良であることを示す。
作製したアルミニウム塗装板を前処理し、次いで汚染サイクル処理を実施した。汚染サイクル処理はパルミチン酸蒸気を含む50℃の空気にアルミニウム塗装板を1時間暴露することにより気相中でパルミチン酸を吸着させ、次いで水道水に6時間浸漬後、乾燥機中で乾燥することを1サイクルとし、これを10サイクル実施した。10サイクル後の親水性被膜表面の接触角を、上記親水性評価と同様の方法で測定した。表3中の記号の意味は以下の通りであり、◎、○及び△を性能を満足する合格とした。
◎:接触角が20°以下であり非常に良好であることを示す。
○:接触角が20゜を越え、かつ40°以下であり、良好であることを示す。
△:接触角が40゜を越え、かつ60゜以下であり、不良であることを示す。
×:接触角が60゜を越え非常に不良であることを示す。
実機フィンプレスにてドローレス成形を実施した状況で評価した。成形条件は以下の通りである。揮発性プレスオイル:AF−2C(出光興産)を使用し、しごき率は58%、成形スピードは250spmで実施した。評価結果である表3中の記号の意味は以下の通りであり、◎及び○を性能を満足する合格とした。
◎:非常に良好であることを示す。
○:良好であることを示す。
△:カラー部内面にキズが発生して不良であることを示す。
×:座屈、カラー飛びが発生して不良であることを示す。
親水性被膜中におけるカーボンブラックの分散性を、2000倍(2400μm2)視野でSEM観察にて評価した。評価結果である表3中の記号の意味は以下の通りであり、◎及び○を性能を満足する合格とした。
○:視野中にカーボンブラックの凝集が見られず、分散性が良好であることを示す。
△:視野中にカーボンブラックの凝集が若干見られ、分散性がやや不良であることを示
す。
×:視野中にカーボンブラックの凝集が多く発生し、分散性が不良であることを示す。
JIS H4001に従った付着性試験を行い、碁盤目におけるテープ剥離後の残存個数を測定した。全て残存した場合(100/100)を合格とした。
1.吸着試験
アンモニア雰囲気の容器中に各アルミニウム塗装板を配置し、アンモニアを吸着させた後の容器内のアンモニア濃度(Ca)を測定した。Caは未吸着のアンモニア量に対応する濃度である。測定条件は以下の通りであった。なお、下記のアンモニア初期濃度(20ppm)から上記アンモニア濃度Caを差し引いた濃度(Cb)が、アルミニウム塗装板によるアンモニア吸着量に対応する濃度である。アンモニアの吸着率(%)は、(Cb/20)×100で表わされる。
試料の面積 :100×200 mm2
試料容器 :5リットルデシケータ
容器のガス量:5リットル
ガス初期濃度:アンモニア20ppm
ガス測定方法:アンモニア検知管
試験室温度 :20℃
測定時間 :24時間
大気雰囲気の容器中にアンモニアを吸着した各アルミニウム塗装板を配置し、アンモニアを脱着させた後の容器内のアンモニア濃度(Cc)を測定した。測定条件は以下の通りであった。なお、上記アンモニア濃度Cbから上記アンモニア濃度Ccを差し引いた濃度(Cd)が、アルミニウム塗装板によるアンモニア定着量に対応する濃度である。したがって、アンモニアの定着率(%)は、(Cd/Cb)×100で表わされる。
試料の面積 :100×200 mm2
試料容器 :5リットルデシケータ
容器のガス量:5リットル
ガス初期濃度:アンモニア 0ppm
ガス測定方法:アンモニア検知管
試験室温度 :20℃
測定時間 :24時間
上記アンモニア吸着試験において、ホルムアルデヒドの初期濃度を15ppmとし、アセトアルデヒドでは20ppmとし、ガス測定方法としてホルムアルデヒド吸着管又はアセトアルデヒド吸着管を用いた以外は、アンモニア吸着試験と同様にしてホルムアルデヒド吸着試験又はアセトアルデヒド吸着試験を行ない、ホルムアルデヒド又はアセトアルデヒドの吸着率を測定した。更に、上記アンモニア脱着試験において、ガス測定方法としてホルムアルデヒド吸着管又はアセトアルデヒド吸着管を用いた以外は、アンモニア脱着試験と同様にしてホルムアルデヒド脱着試験又はアセトアルデヒド脱着試験を行ない、ホルムアルデヒド又はアセトアルデヒドの定着率を測定した。
また、潤滑性被膜を形成したものは、成形性に際立って優れている。
これら実施例の中でも、烏龍茶抽出物を含有している実施例27〜31では、臭気物質の吸着性に優れていた。その中でも、緑茶成分又は紅茶成分を更に含有している実施例28〜31では、臭気物質の吸着性及び定着性に優れていた。成形性に関しては、潤滑性被膜を備えた実施例30及び31において特に優れていた。
表6に示すように、樹脂成分として、ウレタン系樹脂及びアクリル系樹脂の少なくとも一方からなるもの、或いは、アクリル樹脂と鹸化度92〜99モル%で平均重合度1800のポリビニルアルコール(PVA)とからなるもの、カーボンブラックとして所定の一次粒子径を有するもの、抗菌防黴剤として、ジンクピリチオン(ZPT)、2,3,5,6−テトラクロロ−4−(メチルスルホニル)−ピリジン、2−(4−チアゾリル)ベンズイミダゾール(TBZ)を含有する親水性被膜用の組成物を調製した。実施例48では、カーボンブラックと抗菌防黴剤の他に烏龍茶成分と緑茶成分も加えた親水性被膜を用いた。
1.抗菌性試験
JIS Z2801に従って試料を抗菌性試験(フィルム密着法)に供し、式R=log(A/B)を用いて抗菌活性値を求めた。ここで、R、A及びBは以下の通りである。
R:抗菌活性値
A:ブランク試料の培養後の生菌数平均値
B:抗菌加工試料の培養後の生菌数平均値
評価結果である表2中の記号の意味は以下の通りであり、○を性能を満足する合格とした。
○:Rが2.0以上であり、良好であることを示す。
×:Rが2.0未満であり、不良であることを示す。
JIS Z2911に従って試料をかび抵抗性試験に供し、菌糸の発育状況を肉眼で観察した。評価結果である表2中の記号の意味は以下の通りであり、3を、性能を満足する合格とした。
3:試料の接種した部分に菌糸の発育が認められない。
2:試料の接種した部分に認められる菌糸の発育部分の面積が、全表面積の1/3を超
えない。
1:試料の接種した部分に認められる菌糸の発育部分の面積が、全表面積の1/3を超
える。
Claims (13)
- アルミニウム又はアルミニウム合金の基材と、当該基材の少なくとも一方の面に形成した親水性被膜とを備えたアルミニウム塗装板であって、
前記親水性被膜が、ウレタン系樹脂及びアクリル系樹脂の少なくとも一方の親水性樹脂と、12〜40nmの一次粒子径を有するカーボンブラックとを含有し、当該カーボンブラックが前記親水性樹脂100重量部に対して1〜200重量部含有され、当該親水性被膜の平均膜厚が0.01〜15μmであることを特徴とするアルミニウム塗装板。 - 前記カーボンブラックが、カルボキシル基、水酸基及びこれらの塩から選択される少なくとも一種を有する芳香族化合物が表面に付着しているものであり、カーボンブラック100重量部に対して芳香族化合物が0.5〜100重量部付着している、請求項1に記載のアルミニウム塗装板。
- 前記芳香族化合物がフミン酸類である、請求項2に記載のアルミニウム塗装板。
- 前記親水性樹脂がポリビニルアルコール系樹脂を更に含有し、当該親水性樹脂100重量部中に前記ポリビニルアルコール系樹脂が5〜95重量部含有される、請求項1〜3のいずれか一項に記載のアルミニウム塗装板。
- 前記親水性被膜が、前記親水性樹脂100重量部に対して0.1〜25重量部の烏龍茶成分を更に含有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載のアルミニウム塗装板。
- 前記親水性被膜が、前記親水性樹脂100重量部に対して0.1〜50重量部の緑茶成分及び紅茶成分の少なくとも一方を更に含有する、請求項5に記載のアルミニウム塗装板。
- 前記親水性被膜上にポリエチレングリコール系樹脂を主成分とする潤滑性被膜を更に備え、当該潤滑性被膜の平均膜厚が0.01〜3μmである、請求項1〜6のいずれか一項に記載のアルミニウム塗装板。
- 前記基材の表面に、クロム系、ジルコニウム系及びチタン系から成る群から選択される少なくとも一種の化成処理皮膜であって金属元素換算にて2〜50mg/m2の金属を含有する化成処理皮膜が形成された、請求項1〜7のいずれか一項に記載のアルミニウム塗装板。
- 前記基材の表面に、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂及びアクリル系樹脂から成る群から選択される少なくとも一種から成る0.1〜10g/m2の量の有機皮膜が形成された、請求項1〜7のいずれか一項に記載のアルミニウム塗装板。
- 請求項1〜9のいずれか一項に記載のアルミニウム塗装板を用いたプレコートアルミニウムフィン材。
- 前記親水性被膜が抗菌防黴剤を更に含有し、当該抗菌防黴剤が前記親水性樹脂100重量部に対して0.5〜400重量部含有され、かつ、当該アルミニウム塗装板の単位面積(1m2)当たり0.005〜10.0gの量で存在する、請求項1〜9のいずれか一項に記載のアルミニウム塗装板。
- 前記抗菌防黴剤がビス−(2−ピリジルチオ−1−オキシド)−ジンク、2,3,5,6−テトラクロロ−4−(メチルスルホニル)−ピリジン及び2−(4−チアゾリル)ベンズイミダゾールから成る群から選択される少なくとも一つを含有する、請求項11に記載のアルミニウム塗装板。
- 請求項11又は12に記載のアルミニウム塗装板を用いたプレコートアルミニウムフィン材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006276727A JP4769159B2 (ja) | 2006-05-25 | 2006-10-10 | アルミニウム塗装板及びこれを用いたプレコートアルミニウムフィン材 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006145695 | 2006-05-25 | ||
JP2006145695 | 2006-05-25 | ||
JP2006276727A JP4769159B2 (ja) | 2006-05-25 | 2006-10-10 | アルミニウム塗装板及びこれを用いたプレコートアルミニウムフィン材 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008001080A JP2008001080A (ja) | 2008-01-10 |
JP4769159B2 true JP4769159B2 (ja) | 2011-09-07 |
Family
ID=39005837
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006276727A Expired - Fee Related JP4769159B2 (ja) | 2006-05-25 | 2006-10-10 | アルミニウム塗装板及びこれを用いたプレコートアルミニウムフィン材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4769159B2 (ja) |
Families Citing this family (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009139036A (ja) * | 2007-12-07 | 2009-06-25 | Furukawa Sky Kk | 熱交換器用親水化ポストコート用塗料組成物及びそれを用いた熱交換器 |
JP2010096416A (ja) * | 2008-10-16 | 2010-04-30 | Furukawa-Sky Aluminum Corp | 熱交換器用プレコートアルミニウムフィン材 |
JP5951177B2 (ja) * | 2010-09-30 | 2016-07-13 | ダイキン工業株式会社 | 伝熱フィンおよび熱交換器 |
JP2013113543A (ja) * | 2011-11-30 | 2013-06-10 | Mitsubishi Alum Co Ltd | 熱交換器用フィン材及び熱交換器 |
JP5559227B2 (ja) * | 2012-03-14 | 2014-07-23 | 株式会社神戸製鋼所 | アルミニウム製フィン材 |
JP5301701B1 (ja) * | 2012-03-28 | 2013-09-25 | 株式会社神戸製鋼所 | アルミニウム製フィン材 |
JP6255574B2 (ja) * | 2013-09-26 | 2018-01-10 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 脱臭フィルター並びに空気調和装置 |
WO2018230120A1 (ja) * | 2017-06-16 | 2018-12-20 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 塗料組成物及び親水性部材 |
WO2019077746A1 (ja) * | 2017-10-20 | 2019-04-25 | 東洋製罐グループホールディングス株式会社 | 有機樹脂被覆表面処理金属板 |
CN108587413A (zh) * | 2018-05-30 | 2018-09-28 | 安徽润晟建设有限公司 | 一种外墙用水性环氧涂料 |
-
2006
- 2006-10-10 JP JP2006276727A patent/JP4769159B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2008001080A (ja) | 2008-01-10 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4769159B2 (ja) | アルミニウム塗装板及びこれを用いたプレコートアルミニウムフィン材 | |
JP5663174B2 (ja) | 表面処理皮膜を有するアルミニウム又はアルミニウム合金材料及びその表面処理方法 | |
JP4667978B2 (ja) | アルミニウム塗装板及びプレコートアルミニウムフィン材 | |
JP5270946B2 (ja) | 熱交換器用アルミニウムフィン材 | |
JP2006321965A (ja) | 親水性塗料組成物、アルミニウム塗装板及びプレコートアルミニウムフィン材 | |
JP4008620B2 (ja) | アルミニウム合金製熱交換器 | |
EP1245622B1 (en) | Hydrophilic modification method and heat exchanger treated thereby | |
JP2010096416A (ja) | 熱交換器用プレコートアルミニウムフィン材 | |
JP2010185024A (ja) | 親水化処理剤、アルミニウム含有金属材及びアルミニウム合金製熱交換器 | |
JP6043663B2 (ja) | 付着汚れに対する自己洗浄能力に優れた皮膜を形成する水系親水性塗料組成物並びに付着汚れに対する自己洗浄能力に優れた皮膜を形成した表面処理材 | |
JP4912637B2 (ja) | 親水性塗料組成物、アルミニウム塗装板及びプレコートアルミニウムフィン材 | |
JP2008241237A (ja) | 熱交換器用アルミニウムフィン材 | |
JP4558875B2 (ja) | 熱交換器フィン材用親水化処理組成物 | |
JP5896557B2 (ja) | アルミニウム塗装材及びこれを用いたプレコートアルミニウムフィン材 | |
JP2010159379A (ja) | 塗料組成物、その製造方法及び熱交換器用フィン | |
AU2008255206B2 (en) | Aluminium alloy heat exchanger resistive to tobacco odour impregnation | |
JP2006348105A (ja) | 塗料組成物、アルミニウム塗装板及びプレコートアルミニウムフィン材 | |
JP5620870B2 (ja) | 熱交換器用アルミニウムフィン材 | |
JP2009139036A (ja) | 熱交換器用親水化ポストコート用塗料組成物及びそれを用いた熱交換器 | |
JP2009214017A (ja) | アルミニウム塗装板及びこれを用いたプレコートアルミニウムフィン材 | |
JP2008273115A (ja) | 抗菌性プレコートアルミニウム合金板 | |
JP2009254999A (ja) | 樹脂被覆アルミニウム製フィン材 | |
JP2010042621A (ja) | 撥水性・抗菌防黴性に優れたアルミニウム塗装材 | |
JP5580520B2 (ja) | 脱臭処理されたアルミニウム製フィン材 | |
JP4922721B2 (ja) | アルミニウム塗装板及びこれを用いたプレコートアルミニウムフィン材 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20090925 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20110516 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20110614 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20110617 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 4769159 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140624 Year of fee payment: 3 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
S533 | Written request for registration of change of name |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |