JPH1143777A - 撥水性及び着霜防止性が優れたアルミニウム又はアルミニウム合金材及びその製造方法 - Google Patents

撥水性及び着霜防止性が優れたアルミニウム又はアルミニウム合金材及びその製造方法

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JPH1143777A
JPH1143777A JP21247697A JP21247697A JPH1143777A JP H1143777 A JPH1143777 A JP H1143777A JP 21247697 A JP21247697 A JP 21247697A JP 21247697 A JP21247697 A JP 21247697A JP H1143777 A JPH1143777 A JP H1143777A
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water
aluminum
film
chromate
water glass
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JP21247697A
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Yoshikazu Mukai
良和 向井
Masanori Sakurai
真紀 櫻井
Yosuke Ota
陽介 太田
Hitoshi Mogi
仁 茂木
Shoichi Yokoyama
昭一 横山
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Kobe Steel Ltd
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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    • F28HEAT EXCHANGE IN GENERAL
    • F28FDETAILS OF HEAT-EXCHANGE AND HEAT-TRANSFER APPARATUS, OF GENERAL APPLICATION
    • F28F13/00Arrangements for modifying heat-transfer, e.g. increasing, decreasing
    • F28F13/18Arrangements for modifying heat-transfer, e.g. increasing, decreasing by applying coatings, e.g. radiation-absorbing, radiation-reflecting; by surface treatment, e.g. polishing

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 撥水性が優れており、水滴の落下性及び着霜
防止性の双方を満足する表面処理フィン材を得ることが
できる撥水性及び着霜防止性が優れたアルミニウム又は
アルミニウム合金材及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 アルミニウム又はアルミニウム合金素材
は、平均粗さが0.2μm以上の表面粗さを有する。こ
の素材の表面上に、水ガラス、クロム酸クロメート及び
リン酸クロメートからなる群から選択されたいずれか1
種の耐食性皮膜が形成され、この耐食性皮膜上に100
mg/m2以上の厚さで水ガラス皮膜が形成され、この
水ガラス皮膜上に0.1乃至20mg/dm2の厚さで
撥水性皮膜が形成されている。この撥水性皮膜は、フッ
素系、シリコン系又は両者の混合物からなり平坦面に塗
布した場合に90°以上の水接触角が得られるものであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は空気調和機等の熱交
換器用フィン材として好適な撥水性及び着霜防止性が優
れたアルミニウム又はアルミニウム合金材及びその製造
方法に関し、特にフィン材素材に対して表面処理が施さ
れ、このプレコート材の上に撥水性皮膜が形成されたア
ルミニウム又はアルミニウム合金材(以下、単にアルミ
ニウム材という)及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図1は熱交換器の外観を示す模式図であ
る。図1に示すように、複数のアルミニウム材製のフィ
ン1が相互に平行に適長間隔で配列されており、各フィ
ンに設けた孔内を挿通するように、銅管2が挿通し、銅
管2とフィン1とは銅管を拡管することにより接合され
ている。銅管2内を冷媒が通流してフィン1を冷却し、
フィン間を送風することにより、この空気が冷却され
る。この場合に、冷却された空気中の水分が凝縮して水
滴3がフィン1の表面に付着し、結露が生じる。
【0003】而して、従来、空気調和機(以下、ルーム
エアコンという)の熱交換器用フィン材は、熱伝導性及
び成形性が優れていることから、主にアルミニウム材に
より製造されている。通常、この種のフィン材には、腐
食を防止するための防食処理が施されると共に、冷房運
転時に結露した凝縮水がフィン間に溜まって通風抵抗が
大きくなることを抑制するために、表面処理を施して水
滴落下性を向上させている。
【0004】水滴を落下させる方法としては、アルミニ
ウム材の表面に水濡れ性がよい親水性の表面処理皮膜を
形成し、水を水膜状にして落下させる方法と、アルミニ
ウム材の表面を撥水性にして水を水滴状にして落下させ
る方法がある。後者は、従来の撥水性皮膜の撥水性が不
十分であるため、水滴がフィン間に留まり、送風時の抵
抗を増大させ、熱交換性能を低下させることを防止でき
ない。このため、撥水性皮膜はルームエアコン等の小型
の熱交換器には使用されておらず、比較的フィン間隔が
大きい熱交換器でのみ使用されている。そして、ルーム
エアコン等の小型の熱交換器では、前者の親水性処理が
実施されている。
【0005】このような親水性処理としては、特許第1
769978号明細書に、ケイ酸塩を使用した処理及び
熱硬化性の樹脂にシリカ微粒子を分散させた皮膜を形成
する方法が開示されており、特公平4−24632号公
報に、セルロース樹脂又はアクリル樹脂等の耐食皮膜を
形成する方法が開示されており、特公平5−15176
号公報には、親水性有機化合物に、有機硬化剤として、
メラミン樹脂、尿素樹脂、ベンゾグアナミン樹脂を添加
した樹脂系の親水性皮膜を設ける方法等が提案されてい
る。
【0006】而して、最近のルームエアコンにおいて
は、夏期は冷房運転、冬季は暖房運転を実施するヒート
ポンプタイプのルームエアコンが多く、この場合、室内
機及び室外機とも、蒸発器及び凝縮器の双方の動作をな
すことが必要となっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来のルームエアコンにおいては、親水性処理によ
りフィン表面の水接触角が低いため、結露水を水膜状に
して落下させることができ、送風時の抵抗を低下させる
上では効果があるが、冬季の室外機では結霧水が氷結し
て霜となり、暖房性能を低下させるという問題点があっ
た。
【0008】一方、撥水性の処理は霜発生に関しては着
霜を遅延し、霜を付きにくくする効果があるが、撥水性
が必ずしも十分ではないため、氷結しない通常雰囲気で
は結露水が水滴を作り、フィン間を塞ぎ、熱交換効率を
低下させるという問題点があった。
【0009】表面の接触角とは、図2に示すように、平
面上の水滴の表面が前記平面と交差する位置において、
前記平面と、前記水滴表面の接線とがなす角度θであ
り、親水性が良好なものほど接触角が低く、水膜が薄く
なる。また、親水性が良好な場合、水滴の落下性も良好
となり、実機では、親水性が良好なものほど送風時の抵
抗が少なく、優れた熱交換器特性が得られている。
【0010】また、撥水性の場合、小型の熱交換器で
は、凝縮水がフィン間に留まらないようにするため、よ
り小さな水滴で落下させる必要があるが、図3に示すよ
うに、接触角が高いほど水滴の転落性(落下性)が良好
となり、また小さな水滴で落下する傾向がある。
【0011】このように、従来の処理はいずれの処理も
一長一短があり、水滴の落下性(親水性処理では低接触
角、撥水処理では高接触角のものが優れている)、着霜
防止性の両方を満足する材料が求められていた。
【0012】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
のであって、撥水性が優れており、水滴の落下性及び着
霜防止性の双方を満足する熱交換器用表面処理フィン材
を得ることができる撥水性及び着霜性が優れたアルミニ
ウム又はアルミニウム合金材及びその製造方法を提供す
ることを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明に係る撥水性及び
着霜防止性が優れたアルミニウム又はアルミニウム合金
材は、平均粗さが0.2μm以上の表面粗さを有するア
ルミニウム又はアルミニウム合金材素材と、この素材の
表面上に形成され水ガラス、クロム酸クロメート及びリ
ン酸クロメートからなる群から選択されたいずれか1種
の耐食性皮膜と、この耐食性皮膜上に100mg/m2
以上の厚さで形成された0.1乃至1μmの微細凹凸を
有する水ガラス皮膜と、この水ガラス皮膜上に0.1乃
至20mg/dm2の厚さで形成されフッ素系、シリコ
ン系又は両者の混合物からなり平坦面に塗布した場合に
90°以上の水接触角が得られる撥水性皮膜とを有する
ことを特徴とする。
【0014】また、本発明に係る撥水性及び着霜防止性
が優れたアルミニウム又はアルミニウム合金材の製造方
法は、アルミニウム又はアルミニウム合金材素材の表面
を平均粗さで0.2μm以上となるように粗面化する工
程と、水ガラス、クロム酸クロメート及びリン酸クロメ
ートからなる群から選択されたいずれか1種の耐食性皮
膜を設ける工程と、0.1乃至1μmの微細凹凸を有す
る水ガラス皮膜を100mg/m2以上の厚さで設ける
工程と、水又は酸液にて洗浄する工程と、フッ素系、シ
リコン系又は両者の混合物からなり平坦面に塗布した場
合に90°以上の水接触角が得られる撥水性皮膜を0.
1乃至20mg/dm2の厚さで形成する工程とを有す
ることを特徴とする。
【0015】本発明によれば、撥水性及び水滴の落下性
が優れ、着霜防止性が優れた熱交換器のフィン表面が得
られる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明について更に詳細に
説明する。本発明においては、先ず、アルミニウム材の
表面を予め平均粗さ(Ra)で0.2μm以上となるよ
うに粗面化した後、このアルミニウム材表面に水ガラ
ス、クロム酸クロメート又はリン酸クロメートのいずれ
かの耐食性皮膜を設ける。
【0017】次いで、微細凹凸を有する水ガラス皮膜を
100mg/m2以上の厚さで設け、その後、水洗又は
酸液にてアルミニウム材を洗浄する。この微細凹凸とし
ては、0.1乃至1μmとすることが好ましい。このよ
うにして得たアルミニウム材の表面に、平坦面に塗布し
た場合、水接触角が90°以上であるフッ素系、シリコ
ン系又はこれらの混合物からなる撥水性塗料を0.1乃
至20mg/d2の厚さで形成する。
【0018】この本発明方法における第1工程として、
先ず、アルミニウム材の表面を、平均粗さ(Ra)で
0.2μm以上となるように粗面化する。この粗面化法
としては、ブラシ研磨、ショットブラストによる処理又
はカセイソーダ等の薬液によるエッチング等を利用する
ことができる。この粗面化処理により、表面粗さを平均
粗さで0.2μm以上とする必要がある。これは、表面
粗さが0.2μm未満では接触角が十分高くならず、水
滴転落性が不十分となるためである。
【0019】表面粗さの上限は特に規定しないが、平均
粗さ(Ra)で3μmを超えると、フィンプレス加工時
のピアス工程又はバーリング加工工程において、フレア
割れが発生し易くなるため、この表面粗さは3μm以下
とすることが望ましい。
【0020】次に、粗面化したアルミニウム材の表面
に、下地第1層として、水ガラス皮膜、クロム酸クロメ
ート皮膜又はリン酸クロメート皮膜のいずれかの耐食性
皮膜を設ける。これは、アルミニウム材の表面に耐食性
を付与すると共に、この耐食性皮膜上に形成する第2層
の密着性を向上させるためである。
【0021】クロメート皮膜は市販のリン酸クローメー
ト処理薬剤及びクロム酸クロメート処理薬剤を使用して
形成することができる。
【0022】水ガラス耐食性皮膜としては、特公昭53
‐48177号公報に示されるような水ガラスを塗装
し、焼き付けした皮膜と、更にこの皮膜を硝酸等の酸で
洗浄した皮膜が使用可能である。
【0023】皮膜量は特に制限されないが、クロメート
皮膜の場合は10乃至50mg/m2程度が耐食性及び
加工性の点で好ましい。また、水ガラス処理皮膜も同様
であるが、水ガラスの場合は加工性の点からSiO2
で100乃至1000mg/m2程度が好ましい。
【0024】本発明においては、前記耐食性皮膜をアル
ミニウム材表面に形成した後、第2層として微細凹凸を
有する水ガラス皮膜をSiO2量で100mg/m2以上
の厚さに設け、水洗又は酸液により洗浄する。
【0025】微細凹凸を有する水ガラス皮膜としては特
許第1769978号明細書に開示されているような水
溶性高分子と水ガラスとの混合皮膜を使用することがで
きる。微細凹凸のサイズ及び形状は、電子顕微鏡による
外観写真では、0.1乃至1μm程度の微細凹凸が均一
に形成されている場合に、良好な特性が得られる。
【0026】第2層の水ガラス皮膜を形成する水溶性高
分子としては、スチレンマレイン酸共重合体、ポリアク
リルアミド、ブチレンマレイン酸共重合体、ポリアクリ
ル酸又はこれらの塩のうちの1種または2種以上の混合
樹脂が使用可能である。水ガラスとしては xM2O・ySiO2(M=Li、K、Na、x/y≧
2) の組成で表されるものがある。第2層はこの水溶性高分
子と水ガラスとの混合皮膜が使用可能である。これらの
混合皮膜は焼き付け後、微細な凹凸を有する表面を形成
するが、この微細な凹凸の上に撥水皮膜を設けることに
より、撥水性の優れた表面が得られる。
【0027】微細凹凸を有する水ガラス皮膜の皮膜量は
SiO2量で100mg/m2以上であることが必要であ
り、第2層形成後、水又は酸液にて洗浄する必要があ
る。これは、水ガラス皮膜の皮膜量が100mg/m2
以下では、微細凹凸皮膜が表面を均一に覆わず、部分的
に撥水性が不十分な部分が生じるためである。
【0028】なお、水又は酸による洗浄は第2層で設け
た水ガラス−水溶性高分子樹脂混合皮膜の水溶性樹脂分
を除去し、水ガラスの粗面のみにするために実施する。
水溶性樹脂は、水ガラス−水溶性樹脂混合液を塗装し、
焼き付けして粗面を形成する際、微細凹凸を形成する役
割を有するが、微細凹凸の形成後は表面に析出し、第3
層として設けるフッ素系又はシリコン系撥水性皮膜の密
着性を阻害する。
【0029】従って、この水溶性樹脂を水又は酸洗浄に
より十分に除去し、粗面を水ガラスのSiO2成分のみ
にし、撥水皮膜の密着性を良好なものとする必要があ
る。水溶性樹脂の洗浄には、水若しくは湯による洗浄、
又はより洗浄効果を上げるため硝酸若しくは酢酸等の酸
水溶液による洗浄がある。
【0030】次いで、第3層として、フッ素系、シリコ
ン系又はそれらの混合物である撥水性皮膜を0.1〜2
0mg/dm2の厚さで設ける。この撥水性皮膜は、平
坦面に塗布した場合に、90°以上の水接触角が得られ
るものである。
【0031】このような撥水性皮膜としては、市販のフ
ッ素系若しくはシリコン系の撥水塗料及び撥水性付与剤
を使用することができる。この撥水性皮膜の皮膜量を
0.1乃至20mg/dm2とするのは、皮膜量が0.
1mg/dm2未満では、皮膜の被覆が不十分で、撥水
性が不十分となり、皮膜量が20mg/dm2を超える
と、水ガラス粗面の微細な凹凸を撥水性皮膜が埋めてし
まい、接触角が低下するためである。
【0032】撥水皮膜の焼き付け条件は、長時間の焼き
付け及び250℃以上の焼き付けではアルミニウム素材
の材料特性に悪影響を及ぼすことから、焼き付け時間は
1分以下、焼き付け温度は250℃以下が望ましい。
【0033】
【実施例】次に、本発明の実施例について、その比較例
と比較して説明する。下記表1乃至表3は、実施例及び
比較例の素材の表面粗さ及び各層の形成方法を示す。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】
【表3】
【0037】試験に供したアルミニウム材は、板厚が
0.11mmのJIS A1100のH22材である。
このアルミニウム材を、研磨砂を用いるブラシ研磨法に
より粗面化した。ブラシ研磨は、ナイロンブラシ製のブ
ラシ研磨器を使用し、砂の粒径、研磨時間及びブラシ回
転数により、表面粗さを調整した。
【0038】第1層である耐食性皮膜としては、リン酸
クロメート処理(日本ペイント製アルサーフ401/4
5(各組成=4%/0.4%))により形成した。Cr
量は15(mg/m2)とした。
【0039】第2層である水ガラス皮膜は、バーコータ
ーにより、皮膜量(SiO2量)が100mg/m2以上
となるように塗装して形成し、10%硝酸又は5%酢酸
溶液に、室温で1分間浸漬し、洗浄して形成した。この
第2層皮膜は200℃に30秒間加熱して焼き付けし
た。その後、表3に示す撥水性皮膜をバーコーターによ
り第3層として形成した。この第3層の撥水性皮膜も、
200℃に30秒間加熱して焼き付け処理した。
【0040】なお、表面粗さは(株)小坂研究所製粗さ
計サーフコーダSE30Dを使用して測定した。スタイ
ラス半径は2μmであり、圧延方向に対し平行の方向
と、直角の方向とについて夫々2ヶ所ずつ測定し、n=
4の平均をとった。
【0041】また、撥水性皮膜を形成するために使用し
た薬剤は、フッ素系撥水化剤がNKガードFNG722
(日華化学製)、シリコン系がTSF484(東芝シリ
コーン製)、フッ素−シリコン系がモデイパーF120
(日本油脂製)である。
【0042】以上のようにして製造された撥水性皮膜を
有するアルミニウム合金材について、その撥水性及び着
霜特性を測定した。その結果を下記表4に示す。
【0043】
【表4】
【0044】但し、表4において、撥水性欄の乾湿後接
触角の項は、水道水に8時間浸漬した後、80℃で16
時間乾燥するというサイクルを7サイクル実施した後の
接触角(°)を示す。この接触角は、図2に示すよう
に、平面上の水滴の表面が前記平面と交差する位置にお
いて、前記平面と、前記水滴表面の接線とがなす角度θ
である。
【0045】また、撥水性欄の水滴落下性の項は、水量
0.01mlの水滴が3秒間に移動する距離(mm)を
示す。図4は、水滴落下試験の概念図である。この図4
に示すように、垂直面に付着した水滴が3秒間に移動す
る距離で水滴落下性を評価した。この水滴落下性の評価
に供した供試材は乾燥サイクル(水道水浸漬8時間−8
0℃乾燥16時間)を7サイクル実施したものである。
【0046】更に、着霜時間は、図5に示すように、鋼
製容器10の外面に供試材11を貼り、外気雰囲気が2
℃/1℃(=乾球温度/湿球温度)の中で、冷媒として
−10℃のブラインを容器入り口13から容器内に導入
し、容器内を通流させて容器出口14から排出させた。
この鋼製容器10内に冷媒を通流させて供試材を冷却し
たときに、供試材11の表面には着霜12が生じる。そ
こで、供試材11の全面に着霜するまでの時間を測定
し、これを着霜時間とした。
【0047】第2層の表面形態、即ち水ガラス皮膜の微
細凹凸は、日本電子製電子顕微鏡を使用し、JSM63
00Fにて規定された方法で、第2層表面を観察するこ
とにより調査した。なお、加速電圧は5KV、倍率は1
0000倍である。表4において、第2層表面形態欄の
○は粗面化がある場合、△は若干凹凸があり、部分的に
平坦部がある場合、×は平坦な場合である。
【0048】この第2層水ガラス皮膜の表面を電子顕微
鏡により観察した結果、表4に示すように、実施例1乃
至6の場合は、いずれも微細な凹凸が生じていた。これ
に対し、比較例7,10は粗面化せず、平坦であり、比
較例8,12,13,15は若干凹凸が生じているが、
均一な微笑凹凸は得られていない。
【0049】表1乃至3に示すように、実施例No.1
〜6が本発明の請求項1を満足するものであり、比較例
No.7〜10は従来の撥水性皮膜又は親水性皮膜を有
するアルミニウム合金材である。比較例No.7は樹脂
系処理、比較例No.8は15%コロイダルシリカを含
有した親水性塗料を塗布した場合、比較例No.9は水
ガラス系親水処理、比較例No.10はアクリル系の耐
食性撥水樹脂皮膜処理(接触角80°)を実施した場合
である。
【0050】本発明材は乾湿を繰り返した後も、接触角
が140°を超えるため撥水性が優れていると共に、水
滴の落下性も現状使用されている親水性の処理と同レベ
ル以上の水滴落下性が得られる。
【0051】また、着霜防止性に関しても従来の樹脂系
親水処理、シリカ入り樹脂系処理、水ガラス系親水処理
(比較例7〜9)、及び接触角80°レベルの材料(比
較例10)が5分〜25分程度で全面着霜するのに対
し、本発明材は90〜150分程度迄全面着霜時間が遅
延され、大きな着霜防止効果が得られている。従って、
本実施例1〜6のアルミニウム材をルームエアコンの室
外熱交換器のフィン材として使用することにより暖房運
転時外気温度が低下したときのフィン表面への着霜を抑
制し、熱交換性能の低下を抑制することができる。
【0052】乾湿サイクルの実施で比較例7、8は、接
触角が40°を超え、水滴の転落性が低下し、また着霧
試験では短時間で着霜してしまった。比較例9は親水性
は良好で水滴の転落性も良好であるが、着霜試験におい
て短時間で全面着霜した。
【0053】比較例10は、親水性処理をしたものと比
べて若干着霜防止効果があるが、本発明の実施例材に比
して不十分であり、また撥水性が不十分なため、水滴が
落下せず、フィンピッチの小さい室内器等ではフィン間
に水滴が溜まリ、問題がある。
【0054】比較例11は素材の粗面化処理を実施しな
い場合、比較例12は水ガラス粗面の皮膜量が100m
g/m2以下の場合、比較例13は水ガラス系粗面が無
い場合、比較例14、15は第3層の撥水皮膜が夫々本
発明の範囲以下及び以上の場合であり、いずれも水滴落
下性及び着霜防止性のいずれかが不十分である。
【0055】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
水滴の落下性が優れ、着霜防止効果が高い表面が得ら
れ、本発明のアルミニウム材を使用すれば、着霜による
熱交換性能の低下が防止された熱交換器を製造すること
が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】熱交換器の外観を示す模式図である。
【図2】接触角を説明する図である。
【図3】親水性とフィン表面の水滴付着状況との関係を
示す模式図である。
【図4】水滴落下試験を説明する模式図である。
【図5】着霜試験装置を示す模式図である。
【符号の説明】
1:フィン 2:銅管 3:水滴 10:鋼製容器 11:供試材 12:着霜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 太田 陽介 栃木県真岡市鬼怒ケ丘15番地 株式会社神 戸製鋼所真岡製造所内 (72)発明者 茂木 仁 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 横山 昭一 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均粗さが0.2μm以上の表面粗さを
    有するアルミニウム又はアルミニウム合金材素材と、こ
    の素材の表面上に形成され水ガラス、クロム酸クロメー
    ト及びリン酸クロメートからなる群から選択されたいず
    れか1種の耐食性皮膜と、この耐食性皮膜上に100m
    g/m2以上の厚さで形成された0.1乃至1μmの微
    細凹凸を有する水ガラス皮膜と、この水ガラス皮膜上に
    0.1乃至20mg/dm2の厚さで形成されフッ素
    系、シリコン系又は両者の混合物からなり平坦面に塗布
    した場合に90°以上の水接触角が得られる撥水性皮膜
    とを有することを特徴とする撥水性及び着霜防止性が優
    れたアルミニウム又はアルミニウム合金材。
  2. 【請求項2】 アルミニウム又はアルミニウム合金材素
    材の表面を平均粗さで0.2μm以上となるように粗面
    化する工程と、水ガラス、クロム酸クロメート及びリン
    酸クロメートからなる群から選択されたいずれか1種の
    耐食性皮膜を設ける工程と、0.1乃至1μmの微細凹
    凸を有する水ガラス皮膜を100mg/m2以上の厚さ
    で設ける工程と、水又は酸液にて洗浄する工程と、フッ
    素系、シリコン系又は両者の混合物からなり平坦面に塗
    布した場合に90°以上の水接触角が得られる撥水性皮
    膜を0.1乃至20mg/dm2の厚さで形成する工程
    とを有することを特徴とするアルミニウム又はアルミニ
    ウム合金材の製造方法。
JP21247697A 1997-07-22 1997-07-22 撥水性及び着霜防止性が優れたアルミニウム又はアルミニウム合金材及びその製造方法 Pending JPH1143777A (ja)

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