JP3274060B2 - 耐汚染性が優れたアルミニウム表面処理フィン材 - Google Patents

耐汚染性が優れたアルミニウム表面処理フィン材

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱交換器用の表面
処理皮膜が設けられたアルミニウム又はアルミニウム合
金(以下、総称して単にアルミニウムという)製のフィ
ン材に関し、特に家庭用空調器用のフィンとして好適
で、素材の状態で表面処理が実施されている耐汚染性が
優れたアルミニウム表面処理フィン材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、アルミニウムは熱伝導性及び
成形性に優れていることから熱交換器用のフィン材とし
て使用されている。そして、このフィン材には腐食発生
防止を目的として防食処理やさらには冷房運転時の凝縮
水がフィン間に留まらないよう、水滴落下性あるいは水
滴を水膜状に落下させることを目的として水濡れ性に優
れた親水性の表面処理が実施されている。
【0003】このような処理としては特許176997
8号に示されるようなケイ酸塩を使用した処理及び熱硬
化性の樹脂のシリカ微粒子を分散させた皮膜を塗布する
方法、特公平4−24632号に示されるようなセルロ
ース樹脂及びアクリル樹脂耐食皮膜よりなる処理、特公
平5−15176号に示されるような親水性有機化合物
と有機硬化剤としてメラミン樹脂、尿素樹脂、ベンゾグ
アナミン樹脂を添加した親水皮膜を設ける方法などが提
案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、近年、
特に台所近辺等でエアコンを用いると、夏期の冷房運転
時に凝縮水が飛散する現象が発生している。このような
水飛びを生じたエアコンフィン材表面は、上記のような
親水皮膜を設けているにも関わらず、水濡れ性が損なわ
れて撥水化しており、接触角が高くなっている。なお、
接触角とは図1に示すような平面と水滴の接線のなす角
度θであり、接触角が低い程、水膜が薄くなり親水性が
良好となる。前記凝縮水の飛散は、サラダ油等がミスト
となり室内に飛散したものがフィン表面に付着したため
と考えられる。また、その他使用環境によっては、通常
の環境では見られない撥水化が起きることがあり、これ
もその特殊環境に飛散する物質がフィン表面に付着する
ためと考えられる。
【0005】また、上記のように撥水化したフィン表面
をアルカリ系のフィンクリーナ等で洗浄しても親水性が
回復することがないため、水飛びが再発して、室内器で
使用する場合に問題となっていた。
【0006】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
のであって、熱交換器用表面処理フィン材において、可
塑剤等が付着しても親水性が持続し、低接触角を維持す
ることができる耐汚染性が優れたアルミニウム表面処理
フィン材を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係る耐汚染性が
優れたアルミニウム表面処理フィン材は、アルミニウム
又はアルミニウム合金基材と、この基材の表面に形成さ
れた水ガラス系親水性処理皮膜と、この水ガラス系親水
性処理皮膜の上に形成された0.1μm以上の厚さの皮
膜とを有し、この皮膜は、分子内に2基のエポキシ基
(下記化学式1)を有し、(−CH2CHX−O−:X
はH又はメチル基(−CH3))が構成単位となるエポ
キシ系架橋剤1重量部に対し、下記化学式2に示す化学
式で表わされる樹脂を0.2〜4.0重量部の割合で混
合した組成の浴を処理浴とし、前記水ガラス系親水性処
理皮膜の上に塗装及び焼き付けして形成されたものであ
ることを特徴とする。
【0008】
【化1】
【0009】
【化2】 但し、Y=−OH又は−NH2又は−COOZ(Z=
H、Na,K,NH3,Liのいずれか又はその混合
物)
【0010】
【発明の実施の形態】本発明においては、先ず、アルミ
ニウム又はアルミニウム合金基材(以下、総称してアル
ミニウム基材という)の表面に通常の親水性皮膜を設け
る。これは特許1769978号に示されているような
ケイ酸塩を使用した処理及び熱硬化性の樹脂にシリカ微
粒子を分散させた皮膜を塗布する方法、特公平4−24
632号に示されているようなセルロース樹脂及びアク
リル樹脂耐食皮膜よりなる処理、特公平5−15176
号に示されているような親水性有機化合物と有機硬化剤
としてメラミン樹脂、尿素樹脂、ベンゾグアナミン樹脂
を添加した親水皮膜を設ける方法等いずれの方法でも良
い。
【0011】この親水性皮膜形成後、その上に、エポキ
シ系架橋剤と前記化学式2の樹脂を塗装及び焼き付け処
理する。この皮膜は水に対して少しずつ溶出する傾向が
ある。この特性により、サラダ油等の親水性を阻害する
物質が付着しても凝縮水によって溶出する樹脂成分と共
に洗い落とされるため、フィン表面の親水性は維持され
る。従って、水飛びは発生しない。
【0012】この場合に、上記化学式2で表される樹脂
は、それ自体水溶性の樹脂であり、良好な親水性を有す
るが、樹脂単独では容易に流出していまい、親水性の持
続性が劣る。また、この樹脂は吸湿性が高いため、コイ
ル塗装の場合、コイル状に巻き取った後、板同士が接着
してしまうブロッキングが発生したり、加工時に加工不
良が生じるという傾向があった。
【0013】本発明においては、エポキシ系架橋剤を使
用するので、ブロッキング及び加工不良を起こさず、ま
た親水性の持続性が優れた皮膜とすることが可能とな
る。
【0014】この化学式2にて表される樹脂とエポキシ
系架橋剤との混合比率については、エポキシ系架橋剤1
重量部に対し、樹脂が4.0以上であると、樹脂の十分
な架橋がなされないため、前述のように、樹脂の流出し
やすいという欠点が残存し、また混合比率が0.2以下
であると、樹脂中の親水性を付与する官能基(−OH,
−NH2,−COOZ(Z=H,Na,K、,NH3,L
iのいずれか又はその混合物)がエポキシ基と過剰に反
応するため、親水性が損なわれる欠点がある。このた
め、樹脂の混合比率は、エポキシ系架橋剤1重量部に対
し、0.2乃至4.0重量部とする。
【0015】また、以上述べてきた混合皮膜は0.1μ
m以上の厚さを有することが必要であり、これより少な
い皮膜量では十分な親水性が得られない。
【0016】なお、以上述べてきた系において、化学式
2で表される樹脂はnが50以上、エポキシ系架橋剤は
分子量が400以上であることが、凝縮水による流出の
耐久性の面から好ましい。
【0017】本発明においては、このような混合皮膜の
形成に先立ち、水ガラス系親水性処理が施されるが、こ
の水ガラス系親水性皮膜の前処理として、クロム酸クロ
メート処理及びリン酸クロメート処理、塗布型クロメー
ト処理及び耐食性樹脂ブライマー等の防食処理を施し
て、水ガラス系親水性皮膜の下地膜を形成することが望
ましい。
【0018】
【実施例】次に、本発明の実施例について、その比較例
と比較して説明する。下記表1は本発明の実施例を示
し、下記表2は比較例を示す。
【0019】本発明の皮膜を形成する素材のアルミニウ
ム基材としては、リン酸クロメート液(日本ペイント
製:アルサーフ401が4体積%、アルサーフ45が
0.4体積%)により処理したアルミニウム板材(JI
S A1100 H22板厚0.11mm Cr量15
mg/m2)を用い、親水性処理としては4号ケイ酸ソ
ーダ+ポリアクリル酸(重合度400):固形分比3:
1、膜厚1μm)を使用した。更に、本発明の骨子とな
る化学式2の樹脂とエポキシ系架橋剤の塗布はミニコー
ターにより皮膜厚さ1μmとなるように処理を実施し、
焼き付けを、200℃30秒にて実施した。
【0020】親水性の評価方法として、サラダ油を20
0℃に加熱してミストを発生させ、そこへ本実施例及び
比較例の皮膜を形成させたアルミニウム板材を3分間曝
露し、その直後の接触角及び水道水で200時間流水浸
漬後の接触角を測定することで、耐汚染性のモデル試験
とした。
【0021】表1に示す本発明の実施例1〜5は、ミス
ト曝露の耐汚染性モデル試験においても、曝露直後はや
や接触角が高いが、流水浸漬後は接触角が低くなり親水
性が回復していくことがわかる。また、実施例において
はいずれも臭気及び工具磨耗の問題は無い。
【0022】表2の比較例1〜4は本発明の請求項から
外れるものである。比較例1は化学式2にて示される樹
脂とエポキシ系架橋剤とからなる皮膜を設けないもので
あり、これらはいずれもミスト曝露直後から接触角が高
く、水漏れ性が低く、流水浸漬後にも親水性が回復する
ことはない。
【0023】また、比較例2は十分な皮膜量を設けない
もので、上記と同様十分な親水性が得られない。更に、
比較例3は化学式2にて表される樹脂の割合が少ないも
ので、エポキシ系架橋剤によって架橋密度が過多とな
り、化学式2で表される樹脂の親水基と過剰な反応をす
るので親水性が十分でないことになる。また、比較例4
はエポキシ系架橋剤の割合が少ないもので、ミスト曝露
直後の親水性は実施例と同レベルであるが、200時間
流水浸漬後は塗装した樹脂が完全に溶出するため親水性
が得られなくなる。
【0024】
【表1】
【0025】
【表2】
【0026】但し、接触角及び水濡れ性のモデル試験方
法は、サラダ油200℃加熱(ミスト発生)して試験板
曝露(3分)→親水性調査→200時間流水浸漬→親水
性調査したものである。接触角は5点測定し、平均化し
た。水濡れ性は○が濡れ面積率が100%、○△が75
%、△が50%、×が0%である。
【0027】臭気評価は1(臭気無し)−2−3−4−
5(臭気強)に分けて評価した。また、工具磨耗評価は
×(疵付)−△(軽微な焼き付け有り)−○(焼き付
き、疵付き無し)で評価した。
【0028】更に、実施例及び比較例の樹脂の構造は前
記化学式2にて示すものである。
【0029】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
夏期の冷房運転時、サラダ油等が付着しても溶出する樹
脂と共に荒い落とされていくため、親水性が劣化するこ
とがない。このため、凝縮水の水飛びがなく、通風抵抗
比の増大に伴うエネルギ損失も小さくなる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−278464(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F28F 13/18 F28F 19/04 B32B 1/00 - 35/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウム又はアルミニウム合金基材
    と、この基材の表面に形成された水ガラス系親水性処理
    皮膜と、この水ガラス系親水性処理皮膜の上に形成され
    た0.1μm以上の厚さの皮膜とを有し、この皮膜は、
    分子内に2基のエポキシ基(下記化学式1)を有し、
    (−CH2CHX−O−:XはH又はメチル基(−C
    3))が構成単位となるエポキシ系架橋剤1重量部に
    対し、下記化学式2に示す化学式で表わされる樹脂を
    0.2〜4.0重量部の割合で混合した組成の浴を処理
    浴とし、前記水ガラス系親水性処理皮膜の上に塗装及び
    焼き付けして形成されたものであることを特徴とする耐
    汚染性が優れたアルミニウム表面処理フィン材。 【化1】 【化2】 但し、Y=−OH又は−NH2又は−COOZ(Z=
    H、Na,K,NH3,Liのいずれか又はその混合
    物)
  2. 【請求項2】 前記樹脂はnが50以上であることを特
    徴とする請求項1に記載の耐汚染性が優れたアルミニウ
    ム表面処理フィン材。
  3. 【請求項3】 前記エポキシ系架橋剤は分子量が500
    以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の耐
    汚染性が優れたアルミニウム表面処理フィン材。
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