JP3258244B2 - 親水性が優れた熱交換器用フィン材 - Google Patents

親水性が優れた熱交換器用フィン材

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    • F28F2245/00Coatings; Surface treatments
    • F28F2245/02Coatings; Surface treatments hydrophilic

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は表面に皮膜が形成さ
れたアルミニウム又はアルミニウム合金材からなる熱交
換器用フィン材に関し、特に、家庭用の熱交換器用フィ
ン材として好適である親水性が優れた熱交換器用フィン
材に関する。
【0002】
【従来の技術】熱交換器は、ルームエアコン、パッケー
ジエアコン、冷凍ショーケース、冷蔵庫、オイルクーラ
ー及びラジエータ等を代表として、種々の分野において
利用されている。これらの熱交換器において、ルームエ
アコン及びパッケージエアコン等の熱交換器用のフィン
材としては、熱伝導性及び加工性が優れたアルミニウム
又はアルミニウム合金材が使用されている。以下、アル
ミニウム及びアルミニウム合金材を総称してアルミニウ
ム材という。
【0003】この熱交換器用フィン材の表面には、通
常、腐食の発生を防止するための防食処理が施されてい
る。また、冷房運転時の凝縮水がフィン内に留まること
を防止するために、粒状水滴の落下性を高める撥水性向
上の表面処理、又は水膜状水滴の落下性を高める親水性
向上の表面処理がフィン表面に施されている。
【0004】親水性を高める表面処理をアルミニウム材
表面に施すと、このアルミニウム材からなるフィンに付
着した水滴の接触角を小さくすることができる。図1
は、平面上の水滴の接触角を示す模式図であり、図2は
熱交換器の熱交換部を示す模式図である。図1に示すよ
うに、接触角θとは水滴2の表面における平面1から立
ち上がった点における接線22と平面1とがなす角度を
いい、接触角θが小さいほど水膜が薄くなり、親水性が
良好となる。図2に示すような熱交換器の熱交換部にお
いては、フィン3を貫くように通っている銅管4の中を
矢印で示す方向に冷媒が流れるため、フィン3の表面に
水滴が結露するが、親水性が良好な場合は、この水滴の
落下性が良好となる。従って、フィン3に付着した水滴
又は水膜によって送風時の抵抗が高くなることを防止す
ることができ、優れた熱交換器特性を得ることができ
る。
【0005】図3はフィン表面の水滴付着状態を示す模
式図である。図3において、下向きの矢印の長さは一定
時間に水滴が落下する距離に比例する。図3(a)に示
すように、フィン5の親水性が良好な場合は水滴6の接
触角が低いので、水滴6は容易にフィン5に沿って落下
する。このため、水滴6が送風を遮ることがないので、
送風抵抗が小さくなる。一方、親水性が劣るフィンから
なる熱交換器では、図3(b)に示すように、水滴8の
接触角が高いために水滴8がフィン7に留まったり、図
3(c)に示すように、水滴11がフィン9とこのフィ
ンに隣接するフィン10との両者に接触して留まったり
するために、水滴が送風を遮り、送風抵抗が著しく増加
する。
【0006】ところで、フィン材の親水性を高める表面
処理方法としては、以下に示す方法がある。例えば、水
溶性有機高分子物質とケイ酸塩化合物との混合皮膜層を
アルミニウム材表面に設ける方法(特公平3−7744
0)、熱硬化性樹脂にシリカ微粒子を分散させた皮膜を
アルミニウム材表面に塗布する方法(特開平3−269
072号公報)がある。また、アルミニウム材の表面に
アクリル樹脂層及びセルロース樹脂層を順次形成し、親
水性及び耐食性を向上させる方法(特公平4−2463
2)、親水性有機化合物に、メラミン樹脂、尿素樹脂又
はベンゾグアナミン樹脂からなる有機硬化剤を添加した
親水皮膜を形成する方法(特公平5−15176)もあ
る。
【0007】更に、カルボキシメチルセルロース樹脂
に、ポリアクリル酸、Nメチロールアクリルアミド及び
ポリエチレンオキサイド等を添加した混合皮膜をアルミ
ニウム材表面に塗布する方法(特開平6−322552
号公報)、アルミニウム材の上に、表面が微細に粗面化
された樹脂系皮膜を形成し、低接触角を維持する方法
(特開平7−270092号公報)、分子量が規制され
たカルボキシメチルセルロース及びポリエチレングリコ
ールの水溶液をアルミニウム材の表面に塗布する方法も
ある(特開平8−261688号公報)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述したフィン材の親
水性を向上させる表面処理の方法には、以下のような問
題点がある。即ち、ケイ酸塩を使用する処理は親水性は
良好なものの、硬質なシリカを含むため、フィンの成形
加工における工具摩耗が大きくなり、また冷房の運転開
始時において、水ガラス特有の微弱な異臭が発生してし
まう。更に、シリカ微粒子を含む樹脂処理は臭気の発生
は少ないものの工具摩耗が大きく、また、表面に付着す
る水滴の接触角が高くなり、親水性が低下してしまう。
【0009】一方、特公平4−24632及び特公平5
−15176に開示された樹脂皮膜を形成する処理方法
では、工具摩耗が少なく、臭気発生が殆どないという特
性を有するものの、冷房運転と暖房運転とを交互に繰り
返すと、フィン表面に付着した水滴の接触角が高くなり
親水性が低下してしまう。
【0010】更に、特開平6−322552号公報、特
開平7−270092号公報及び特開平8−26168
8号公報において提案された方法では、従来の樹脂系処
理皮膜を形成したフィン材の問題点であった親水性の持
続性を向上した点で画期的であり、水ガラス系の処理を
施したものと同様に、優れた親水性を得ることができ
る。また、これらの方法によると、従来の水ガラス系の
処理を施したフィン材の問題点であった工具磨耗及び臭
気等の問題も殆どない。
【0011】しかしながら、これらの処理方法は、樹脂
を使用して表面処理を施すことによって低接触角を得る
ので、表面をスリガラス状に粗面化している。従って、
この表面処理材の表面は、外観上、乳白色を呈してお
り、ロウ付時に熱影響によって冷媒を流す銅管のロウ付
け部付近が褐色に変化するという問題点があった。この
ように、ロウ付け部付近が褐色に変化する現象は、特公
平4−24632及び特公平5−15176に開示され
た樹脂系皮膜の特有の現象として見られるが、樹脂系皮
膜の表面を粗面化することにより低接触角を得る方法
(特開平6−322552号公報、特開平7−2700
92号公報及び特開平8−261688号公報等)を使
用すると、乳白色と褐色とのコントラストによって、更
に一層外観不良が顕著となる傾向があった。このよう
に、褐色に変色したロウ付け部付近においては、親水性
が低下すると共に外観の美観性が損なわれて商品価値が
低下するので、近時、ロウ付け部の変色防止についても
要求されている。従って、従来の表面処理フィン材にお
いて、親水性及びその持続性、工具磨耗性並びに無臭性
等の特性を全て満足することができる表面処理方法につ
いては、未だ提案されていない。
【0012】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
のであって、樹脂系表面処理材の特性である低臭気及び
低工具磨耗性を維持することができると共に、親水性及
びその持続性が優れており、ロウ付け時の変色を低減す
ることができる熱交換器用フィン材を提供することを目
的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明に係る親水性が優
れた熱交換器用フィン材は、アルミニウム板又はアルミ
ニウム合金板の表面に形成されたクロメート皮膜及びジ
ルコニウム系皮膜のいずれか一方からなる耐食皮膜と、
前記耐食皮膜の上に形成され、表面に凹凸を有する親水
性樹脂皮膜と、前記親水性樹脂皮膜の上に形成された水
溶性樹脂皮膜と、を有することを特徴とする。
【0014】前記水溶性樹脂皮膜は、700乃至500
0(mg/m2)の被着量で前記親水性樹脂皮膜の上に
形成されていることが好ましい。また、前記水溶性樹脂
皮膜は前記親水性樹脂皮膜の表面の凹凸を埋め、この親
水性樹脂皮膜の表面を透明に変化させるものであること
が望ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明においては、アルミニウム
板又はアルミニウム合金板の表面に、耐食皮膜が形成さ
れているので、表面処理フィン材の耐食性を向上させる
ことができる。また、耐食皮膜の上に親水性樹脂皮膜が
設けられており、その表面には凹凸が設けられているの
で、表面積の増加によって表面エネルギーが増大し、優
れた親水性を得ることができる。更に、親水性樹脂皮膜
の上に水溶性樹脂皮膜が形成されているので、前記親水
性樹脂皮膜の表面の凹凸を埋め、ろう付け時の変色を目
立ち難くすることができる。
【0016】このように水溶性樹脂皮膜を形成した場
合、ろう付け後の使用時において結露水等によって水溶
性樹脂皮膜が溶出する。従って、凹凸が設けられた親水
性樹脂皮膜が露出することにより、凹凸による高い親水
性を得ることができる。また、水溶性樹脂は親水性樹脂
皮膜と同様に親水性が高いという特性を有しているの
で、水溶性樹脂皮膜が残存した場合であっても、その特
性が低下することはない。更にまた、本発明において
は、珪酸塩及びシリカ微粒子を含む皮膜を形成する必要
がないので、臭気の発生及び工具の磨耗を防止すること
ができる。
【0017】以下、本発明における熱交換器用フィン材
について、更に説明する。本発明において、アルミニウ
ム板又はアルミニウム合金板の表面に形成する耐食皮膜
は、クロメート皮膜又はジルコニウム系皮膜を使用す
る。クロメート皮膜としては、例えば、リン酸クロメー
ト皮膜及びクロム酸クロメート皮膜を使用することがで
き、アルミニウム板又はアルミニウム合金板の表面に、
樹脂分を添加した塗布型のクロメート処理を施してもよ
い。一方、ジルコニウム系皮膜は、反応型のジルコニウ
ム系化成処理又は塗布型のジルコニウム処理によって形
成することができる。なお、この塗布型のジルコニウム
処理により、アクリル−ジルコニウム複合皮膜を形成す
ることができる。
【0018】この耐食皮膜の被着量は耐食性が得られる
範囲であれば、特に制限しないが、被着量が多すぎると
加工性が低下する。従って、耐食皮膜の被着量は、Cr
換算値及びZr換算値として、共に、約10乃至60
(mg/m2)であることが好ましい。
【0019】また、本発明においては、耐食皮膜の上に
親水性樹脂皮膜を形成するが、水ガラスを使用した場合
と同等の接触角を得るために、親水性樹脂皮膜の表面に
凹凸を形成する。皮膜表面に凹凸を形成する方法として
は、例えば、皮膜形成時の焼付け工程において、皮膜中
の2種以上の成分の分子凝集力を大きく異なるものとし
て、これらが層分離現象を起こすようにすることによっ
て、表面を粗面化する方法がある。また、親水性樹脂皮
膜中の成分組成を適切に選択することによって、粗面化
された皮膜を形成することもできる。
【0020】更に、本発明においては、親水性樹脂皮膜
の上に水溶性樹脂皮膜を形成するが、この皮膜は水溶性
樹脂からなるものであれば、その種類は特に規定しな
い。このように、水溶性樹脂皮膜を使用することによ
り、この皮膜は粗面の表面に付着しているのみであるの
で、使用時における結露水によって徐々に溶出して、親
水性樹脂皮膜の粗面を露出させることができ、高い親水
性を得ることができる。一方、親水性樹脂皮膜の上に熱
硬化性の樹脂皮膜を形成した場合、使用時においても親
水性樹脂皮膜の表面に熱硬化性樹脂皮膜が残存し、微細
な凹凸を埋めてしまう。従って、親水性を低下させるこ
とになるので、本発明において、親水性樹脂皮膜の上に
形成する皮膜として、熱硬化性樹脂皮膜を使用すること
はできない。
【0021】なお、水溶性樹脂皮膜としては、例えば、
ポリアクリル酸及びその塩、ポリメタクリル酸、ポリア
ミド樹脂、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコー
ル、セルロース樹脂、ポリエチレングリコール、各種界
面活性剤並びにこれらの混合皮膜等を使用することがで
きる。
【0022】本発明において使用する水溶性樹脂皮膜
は、下層である親水性樹脂皮膜の表面の凹凸を埋めるの
で、その乳白色の表面色調を透明になるようにすること
ができる。従って、ロウ付け時におけるロウ付け部付近
の変色を目立ち難くすることができる。水溶性樹脂皮膜
の被着量が700(mg/m2)未満であると、親水性
樹脂皮膜の表面の凹凸を十分に埋めることができず、ロ
ウ付け時の変色を目立ち難くする効果が不十分となる。
一方、水溶性樹脂皮膜の被着量が5000(mg/
2)を超えると、この皮膜は水溶性樹脂からなるもの
であるので、吸湿量が増加し、加工性が低下すると共
に、コイル巻き取り時において、板同士が接着するブロ
ッキングが発生しやすくなる。従って、親水性樹脂皮膜
の被着量は、700乃至5000(mg/m2)とする
ことが好ましい。
【0023】
【実施例】以下、本発明に係る熱交換器用フィン材の実
施例についてその比較例と比較して具体的に説明する。
【0024】先ず、板厚が0.110mmであるJIS
A1100 H22のアルミニウム板材の表面に、耐
食皮膜(第1層)及び親水性樹脂皮膜(第2層)を順次
積層し、一部の試験材については、その表面に水溶性樹
脂皮膜(第3層)を形成して、熱交換器用フィン材を作
製した。第1層及び第2層の皮膜の種類を下記表1及び
2に示す。
【0025】
【表1】
【0026】
【表2】
【0027】なお、上記表1における耐食皮膜のうち、
T2及びT3の塗布型処理においては、バーコーターを
使用して皮膜原料を塗装し、200℃の温度で20秒間
焼き付けることにより皮膜を形成した。そして、T1及
びT2のクロメート処理においては、その被着量をCr
換算値で20(mg/m2)とし、T3のジルコニウム
処理においては、その被着量をZr換算値で40(mg
/m2)とした。
【0028】また、上記表2における親水性樹脂皮膜の
うち、S2の粗面化親水処理においては、被着量を50
00(mg/m2)とし、220℃の温度で30秒間焼
き付けることにより皮膜を形成し、S3の水ガラス親水
処理においては、被着量をSiO2換算値で200(m
g/m2)とし、200℃の温度で20秒間焼き付ける
ことにより皮膜を形成した。
【0029】更に、第3層を形成したものについては、
下記表3に示す組み合わせで第1層及び第2層を形成し
た後、下記表3に併せて示す種々の組成の水溶性樹脂皮
膜の原料を塗布し、200℃の温度で20秒間焼き付け
ることにより皮膜を形成した。
【0030】次に、これらの試験材について、親水性及
びその持続性並びにロウ付け部の変色状況を調査すると
共に、臭気及び加工性を評価した。親水性については、
試験材表面の初期の水滴の接触角を測定すると共に、試
験材表面に水道水を1(リットル/分)の流量で7時間流し
た後、80℃の温度で17時間乾燥する処理を1サイク
ルとして、これを7サイクル繰り返した乾湿試験後の試
験材表面の接触角を測定することにより評価した。
【0031】ロウ付け部の変色は、複数枚の成形フィン
を作製して、これらに実際に銅管をロウ付けした後、変
色したフィンの枚数及び変色度により変色状況を評価し
た。なお、本実施例においては、1枚のフィンにつき2
列10段の穴を設けて、この穴の周囲に銅管とのろう付
け部(カラー)を形成したが、このろう付け部において
銅管に接触する部分の高さ(カラーハイト)を1.6m
mとし、ろう付け部の穴の内径(カラー内径)を9.8
0mmとした。変色度の評価基準としては、黒〜茶色に
変色したものを×、淡い茶色に変色したものを△、わず
かに淡い茶色に変色したものを○△とし、殆ど変色しな
かったものを○とした。
【0032】また、臭気は、水道水に24時間浸漬した
後の試験材に呼気を吹きかけ、匂いをかぐ方法により評
価し、臭気がなかったものを1とし、若干臭気があった
ものを3とした。更に、加工性については、試験材を日
高精機製のドローレス金型を使用し、プレスの条件とし
ては、昭和シェル製のプレス油RF190を使用して、
250spmの加工速度で実機プレスすることにより評
価し、加工性が良好であったものを○、加工性に問題が
あったものを△とした。これらの評価結果を下記表4に
示す。
【0033】
【表3】
【0034】
【表4】
【0035】上記表1乃至4に示すように、実施例N
o.1乃至10は第3層として水溶性樹脂皮膜を形成し
ているので、水ガラス系の処理を実施した場合と同等の
低接触角を得ることができ、ロウ付け部の変色も比較例
と比較して同等かそれ以上となった。また、ロウ付け後
の接触角は若干上昇したものもあるが、親水性を持続す
る効果は向上した。特に、実施例No.1乃至8は水溶
性皮膜の被着量も適切に規制されているので、ロウ付け
後の変色を防止する効果がより一層向上していると共
に、加工性も良好であった。
【0036】なお、実施例No.9は水溶性樹脂皮膜の
被着量が本発明の好ましい範囲未満であるので、ロウ付
け後の変色を低減する効果が不十分となった。また、実
施例No.10は水溶性樹脂皮膜の被着量が本発明の好
ましい範囲の上限を超えているので、加工時においてポ
ンチへのくい付きが発生し、実施例No.1乃至8と比
較して若干加工性が低下した。
【0037】一方、比較例No.11は水ガラス親水処
理を施したものであるので、ロウ付け後の変色状況、親
水性及びその持続性並びに加工性は良好となったが、第
3層としての水溶性樹脂皮膜を形成していないので、臭
気が発生した。比較例No.12は第2層としてセルロ
ース樹脂皮膜を形成したものであるが、実施例と比較し
て親水性が低下した。また、第3層を形成していないの
で、変色枚数が多い。比較例No.13は第2層として
親水持続性を向上させた樹脂を使用しているので、乾湿
試験後の接触角は低いものとなったが、ロウ付け部の変
色が大きく、ロウ付け後の接触角も著しく上昇した。比
較例No.14は非水溶性樹脂皮膜を形成したものであ
るので、第2層の親水性が損なわれて、初期及び乾湿試
験後の接触角が高くなった。
【0038】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、熱
交換器用フィン材はアルミニウム又はアルミニウム合金
材の表面に、耐食皮膜、粗面化された親水性樹脂皮膜及
び水溶性樹脂皮膜が積層された構造を有するので、樹脂
系表面処理材の特性である低臭気及び低工具磨耗性を維
持することができると共に、親水性及びその持続性が優
れており、ロウ付け時の変色を低減することができる。
また、水溶性樹脂皮膜の被着量が適切に規制されている
と、ロウ付け時の変色を防止する効果を更に一層向上さ
せることができ、その加工性も向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】平面上の水滴の接触角を示す模式図である。
【図2】熱交換器の熱交換部を示す模式図である。
【図3】フィン表面の水滴付着状態を示す模式図であ
る。
【符号の説明】
1;平面 2、6、8、11;水滴 3、5、7、9、10;フィン 4;銅管 22;接線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−316835(JP,A) 特開 平5−115845(JP,A) 特開 昭51−95649(JP,A) 特開 平6−39347(JP,A) 特開 平8−261688(JP,A) 特開 平7−270092(JP,A) 特開 平6−322552(JP,A) 特開 平3−269072(JP,A) 特公 平5−15176(JP,B2) 特公 平4−24632(JP,B2) 特公 平3−77440(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F28F 1/32 C23C 22/24 F28F 13/18

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウム板又はアルミニウム合金板
    の表面に形成されたクロメート皮膜及びジルコニウム系
    皮膜のいずれか一方からなる耐食皮膜と、前記耐食皮膜
    の上に形成され、表面に凹凸を有する親水性樹脂皮膜
    と、前記親水性樹脂皮膜の上に形成された水溶性樹脂皮
    膜と、を有することを特徴とする親水性が優れた熱交換
    器用フィン材。
  2. 【請求項2】 前記水溶性樹脂皮膜は、700乃至50
    00(mg/m2)の被着量で前記親水性樹脂皮膜の上
    に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の親
    水性が優れた熱交換器用フィン材。
  3. 【請求項3】 前記水溶性樹脂皮膜は前記親水性樹脂皮
    膜の表面の凹凸を埋め、この親水性樹脂皮膜の表面を透
    明に変化させるものであることを特徴とする請求項1又
    は2に記載の親水性が優れた熱交換器用フィン材。
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