JP2507060B2 - アルミニウム製熱交換器及びその製造方法 - Google Patents

アルミニウム製熱交換器及びその製造方法

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JP2507060B2 JP1161356A JP16135689A JP2507060B2 JP 2507060 B2 JP2507060 B2 JP 2507060B2 JP 1161356 A JP1161356 A JP 1161356A JP 16135689 A JP16135689 A JP 16135689A JP 2507060 B2 JP2507060 B2 JP 2507060B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はアルミニウム(本明細書で言うアルミニウム
とはアルミニウム合金を含む)製熱交換器およびその製
法に関するものであり、さらに詳しく述べるならば冷凍
サイクルの蒸発器、例えばカーエアコン用蒸発器に用い
て好適なものである。
(従来の技術) 従来、アルミニウムより構成されるアルミニウム製熱
交換器において、白錆防止を目的とした表面処理として
陽極酸化皮膜、ベーマイト皮膜、並に樹脂皮膜処理など
が行なわれているが、これらの処理により形成される皮
膜表面は水濡れ性がほとんどない。又、白錆防止のため
クロメート化成皮膜処理なども行なわれている。クロメ
ート化成皮膜は皮膜形成初期には多少の水濡れ性がある
が、クロメート処理だけでは十分な親水性は得られな
い。またクロメート化成皮膜は特に加温乾燥条件下にお
ける経時によつて、親水性から疎水性に変化する傾向が
あるので熱交換器の親水化皮膜としては問題がある。
一方熱交換器の多くは、放熱あるいは冷却効果を向上
させるために放熱部および冷却部の単位体積当りの表面
積を出来る限り大きくとる様設計されているため、フイ
ンの間隔が極めてせまい。このため、冷却用として用い
る場合、大気中の水分が熱交換器表面、特にフイン間隔
に凝縮し、凝縮した水は、フイン表面が疎水性面である
程水滴になり易く、且つフイン間隙で目詰りを起して通
風抵抗が増加し、熱交換率を低下させる。また騒音問題
もある。
又、フイン間隔に溜つた水滴は熱交換器の送風機によ
つて飛散し易くなり、熱交換器の下部に設置した水滴受
皿で受けきれず、熱交換器の近傍を水で汚す。
従つて、水滴がフイン間隙に残り水滴による目詰りを
起させない様にするため、アルミニウム表面に親水性を
与え、水濡れ性を向上させる処理が提案されている。
水濡れ性を向上させる処理方法としては、水ガラス、
シリカゾル等の親水性無機化合物や、界面活性剤や水溶
性樹脂等の有機化合物を単独又は組み合わせて使用する
種々の方法が提案されている。
これらの方法のうち、ポリビニルアルコール(以下PV
A)、を使用する方法としては、次のような方法が知ら
れている。
特開昭55−99,976は『水分散性シリカ、水溶性もしく
は水分散性の有機重合性樹脂および要すれば反応性シラ
ン化合物からなる無機−有機複合体反応物で金属表面を
被覆することを特徴とする金属表面の親水化処理方
法。』である。
特開昭60−101,156は『アルカリケイ酸塩と、カルボ
ニル基を有する低分子有機化合物と、水溶性有機高分子
化合物を含むことを特徴とするアルミニウムの親水性皮
膜形成剤』に関するものである。
また、特開昭62−235,477は『アルカリ珪酸塩と無機
硬化剤と水溶性有機高分子化合物を含むアルミニウムの
親水性皮膜形成剤』に関するものである。
これらは、使用し得る有機高分子化合物の1つとして
PVAを挙げているが、その他にシリカやアルカリ珪酸塩
等の無機系親水剤の併用を必須条件としている。
特開昭62−80,495は『フイン材本体表面に、接着層を
介して高級水性樹脂層が形成されてなることを特徴とす
る熱交換器用フイン材』、 特開昭62−80,496は『フイン材本体表面に、接着剤と
高吸水性樹脂粉末との混合層が形成されてなることを特
徴とする熱交換器用フイン材』 特開昭62−129,366は『水性塗料用樹脂、吸水性樹脂
および界面活性剤を含むことを特徴とするアルミニウム
フイン用塗料』に関するものであり、吸水性樹脂の例と
して酢酸ビニル−アクリル酸メチル共重合体ケン化物
系、アクリル酸−ビニルアコール共重合体系を挙げてい
る。
しかし、これらの出願に於ける親水性付与の主体は吸
水性樹脂、すなわち、架橋構造を持つた不溶性吸水性樹
脂の粉末であり、また、前2者で挙げてあるPVAはこれ
ら不溶性吸水性樹脂粉末の接着剤として溶いられている
にすぎない、而して、これら処理剤は上記の如く、粉末
を分散させた処理液であつたり、接着剤上に粉末を散布
する方法によつて塗膜を形成するため、均一塗布、特に
薄膜塗布が困難である。
また、吸水性樹脂粉は吸水すると、その体積は当初の
体積に比べて極端に膨張するため、溶媒として有機溶剤
を使用する必要があり、このため火災や作業環境が問題
となり、水単独、又は水と有機溶剤の混合溶媒を用いる
場合でも吸水性樹脂粉の使用量を少なくする必要がある
ため親水性の低下を表す。
特開昭62−105,629は『アルミニウムの薄板の表面に
耐食性皮膜が形成され、その皮膜の上層にPVAと有機硬
化剤とからなる被覆層が形成されていることを特徴とす
る熱交換器フイン材』に関するもので、有機硬化剤とし
てメラミン樹脂、尿素樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等を
挙げている。
しかし、本出願の比較例にも示す如く、ポリビニルア
ルコールそのものの架橋硬化物は、その親水性は本来余
り高いものではなく、このため、親水性向上策として前
述の如く、コロイダルシリカやアルカリ珪酸塩の併用が
提案されている。この際、水ガラスとPVAは低濃度では
均一に混合しているが、乾燥時に濃度が高くなるに従つ
て相分離し、不均質な膜となるため性能が不安定となり
易い。
(発明が解決しようとする課題) 従来のアルミニウム製熱交換器は、アルミニウムコイ
ル材を裁断、打抜成型、および溶接加工後のアルミニウ
ム製熱交換器の組立完成品を上述の耐食性表面処理する
か、あるいは下地として耐食性表面処理した後に親水性
表面を形成する場合と、アルミニウムコイル材にこれら
の表面処理を予め施した所謂プレコートアルミニウムコ
イル材を裁断、打抜成型加工する場合との何れかにより
製造されていた。しかしながら従来の表面処理により形
成された親水性皮膜は、持続性能が十分でなかつたた
め、アルミニウム製熱交換器の中でも、冷凍サイクル系
の蒸発器、特に風量が大きく、小型化の要求されるカー
エアコン用のエバポレータは熱交換性能低下、さびの発
生等の点で不満足であつた。特に、カーエアコン用熱交
換器の製造においては、フインとチユーブを一体に組立
てる際に接合部をろう付により形成した後に、化成処理
と親水性表面処理を行なうことが多い。この際シリコン
を多量に含むAl−Siろう材を両面にクラツドしたフイン
母材にろう付後、湯等をスプレーしてろう材を除去する
がアルミニウム母材の表面にアルミニウムとシリコンの
共晶体が残留し、この共晶体の表面には化成被膜が付着
しなくいので、フインの耐食性が不十分になるという問
題があつた。
本発明は上記点に鑑みてなされたもので、アルミニウ
ム母材の金属表面の親水性(水濡れ性)を向上できるア
ルミニウム製熱交換器およびその製法を提供することを
目的とする。
(課題を解決するための手段) 本発明者らは、前述の如き、後加工時の治具摩耗や、
無機−有機成分の分離等の欠点を少くするため、無機物
含有量が低く、親水持続性のための表面処理剤の検討を
進め、先に特願昭63−98,022で『アルミニウムの親水化
処理方法』について特許出願した。これは、本出願請求
範囲のP1としてアクリルアミド系の水溶性ポリマーを用
いたものである。その後、さらに検討を進めた結果、P1
としてポリビニルアルコール系の水溶性ポリマーを用い
ることにより、上記の特願昭63−98,022に勝る水系親水
化処理剤を開発し、本発明に至つたものである。
すなわち、本発明は、アルミニウム又は銅で形成され
たチユーブおよびアルミニウムフインを含んでなる成型
加工された熱交換器において、このチユーブおよびフイ
ンの一部又は全部の表面が、ポリビニルアルコール及び
/またはその水溶性誘導体(P1)と; 分子中にカルボキシル基、スルホン酸基、ホスホン酸
基、の群から選ばれた基の1種以上を有する重合性モノ
マーまたはそれらモノマーの塩[これらのモノマーを
(I)とする]の単独重合または(I)の相互の共重合
および(または)(I)と共重合可能なノニオニツクモ
ノマーと(I)との共重合によつて得られる水溶性ポリ
マー(P2)と; (P1)および(P2)と混合可能な水溶性架橋剤(C)
との混合水溶液で処理されている前記熱交換器を提供す
る。
また、さらに本発明は、アルミニウム又は銅で形成さ
れたチユーブおよびアルミニウムフインを一体に組立て
る工程と、 この一体に組立てられた熱交換器組立体を、ポリビニ
ルアルコール及び/またはその水溶性誘導体(P1)と; 分子中にカルボキシル基、スルホン酸基、ホスホン酸
基、の群から選ばれた基の1種以上を有する重合性モノ
マーまたはそれらモノマーの塩[これらのモノマーを
(I)とする]の単独重合または(I)の相互の共重合
および(または)(I)と共重合可能なノニオニツクモ
ノマーと(I)との共重合によつて得られる水溶性ポリ
マー(P2)と; (P1)および(P2)と混合可能な水溶性架橋剤(C)
との混合水溶液に浸漬する工程と、 浸漬後の熱交換器組立体を乾燥する工程とを有するこ
とを特徴とするアルミニウム製熱交換器の製法をも提供
する。
(P1)で示したPVA及び/またはPVA誘導体とは一般式 で表示し得る重合体で、通常、酢酸ビニル又はその共重
合体の加水分解によつて得られる水溶性共重合体、また
は、これらを更に後反応させて得られる水溶性重合体で
ある。ここで、R1はH又はCH3である。Xについては後
述するが各種イオン性置換基を示し、1種とは限らず2
種以上であつても良い。而してm+n=100の場合m=5
0〜100、好ましくはm=60〜100、最も好ましくは、m
=70〜100である。
前記一般式で示される水溶性高分子としては、まず、
酢酸ビニルのホモポリマーの加水分解物で一般的にPVA
として市販されているものが挙げられる。すなわち で示される重合体で、その加水分解の程度により m=99〜100 完全けん化物 m=90〜99 準完全けん化物 m=70以下 部分けん化物 などと呼ばれている。
PVAの誘導体としては一般にアニオン変性PVA、カチオ
ン変性PVA、活性メチレン変性PVAなどが知られている
が、要は前述の一般式の範囲でP2、Cと共に水溶性のも
のであれば使用可能である。例えば、アニオン変性のも
のとしては、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン
酸、ビニルスルホン酸、メタクリロキシエチルホスフエ
ート、アクリル酸エステルなど、カルボキシル基、スル
ホン酸基、スルホン酸基を含むか、又は加水分解してこ
れらの基に転換し得る。重合性モノマーと酢酸ビニルの
共重合体の加水分解物や、PVAのスルホン酸エステル、
リン酸エステル化物などが挙げられる。
活性メチレン変性PVAとしてはPVAとジケテンの反応物
などが知られている。
勿論、上記モノマーの他にスチレン、アクリロニトリ
ル、ビニルエーテル、その他ノニオニツクな重合性モノ
マーも水溶性を害しない程度に共重合使用することも可
能であり、又、上述の種々の重合性モノマーの2種以上
と酢酸ビニルとの共重合体の使用も妨げるものではな
い。
(P1)の分子量は5,000以上が好ましく、5,000以下の
場合、特に親水性の高い場合には、非水溶化のために架
橋剤比率を高める必要がある。また、塗装時の高粘性や
糸曳現象を抑えるためには分子量は200万以下、好まし
くは100万以下とするのが適当である。
水溶性架橋剤(C)としては、水溶性のブロツク化ポ
リイソシアネート及び/または、水溶性のポリメチロー
ル、ポリグリシジル、ポリアジリジル化合物やアルデヒ
ド類を用いることができる。この具体例としては、NaHS
O3でブロツク化したポリイソシアネート(例:第一工業
製薬製エラストロン)、メチロールメラミン、メチロー
ル尿素、メチロール化ポリアクリルアミド、ポリエチレ
ンオキサイドのジグリシジルエーテル、ジアリジリル化
ポリエチレンオキサイドグリオキザール等の有機架橋剤
を使用することができる。
架橋剤(C)の使用量は、架橋剤の種類により異なる
が、一般的に言えば、使用するPVA系ポリマー(P1)の1
00重量部に対して1〜400重量部、好ましくは、5〜200
重量部最も好ましくは10〜100重量部程度が使用され
る。
次に(P2)、すなわち、分子中にカルボキシル基、ス
ルホン酸基、スルホン酸基等のイオン性基を有するモノ
マー又はそれらの塩の水溶性重合体、共重合体の具体例
について説明する。これらモノマーとしては、先に
(P1)の共重合用モノマーとして示したイオン性モノマ
ー、例えばアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マ
レイン酸、ビニルスルホン酸、スルホエチルアクリレー
ト、スルホエチルメタクリレート、N−メチレンスルホ
ン酸アクリルアミド、2−アクリルアミド−2−メチル
プロパンスルホン酸、スチレンスルホン酸等またはそれ
らの塩が使用可能で、これらモノマーの重合体、共重合
体が使用可能である。共重合体の場合に、本発明の目的
を発揮するためにはノニオニツクモノマー、例えばスチ
レン、(メタ)アクリル酸エステル、酢酸ビニル等の共
重合量は40モル%以下、好ましくは20%以下に止めるの
が好ましい。
また、酸ハライド、例えば(メタ)アクリル酸クロラ
イド重合体の如く、後に加水分解してポリ(メタ)アク
リル酸を与える如きモノマーの使用も可能である。
P2の分子量は1,000以上好ましくは3,000以上のものが
使用される。
溶媒は水を主体とするが、乾燥速度の調節や塗膜状態
の改善のためにアルコール、ケトン、セロソルブ等の水
溶性溶剤の併用を妨げるものではない。P2の添加量はP1
100重量部に対し10〜1000重量部、好ましくは50〜800重
量部最も好ましくは、150〜600重量部である。
塗布後の安定性は組成によつて夫々異るが、両イオン
性ポリマーの等電点近傍の使用は、ポリマーの析出分離
が起るため回避する必要がある。
また、架橋剤側から言えば、イソシアネート系にあつ
ては酸性側、メチロール、グリシジル、アジリジル系で
は中性〜アルカリ性側に保つのが安定性の点からは好ま
しい。
この他に、防錆剤、充填剤、着色剤、界面活性剤、消
泡剤、レベリング剤、防菌防黴剤などが、本願の趣旨
や、皮膜性能を損わない範囲で添加し得る。
塗装方法としては、噴霧、フローコート法等も使用し
得るが、浸漬塗布が最も良い。
濃度や粘度については、使用する塗装方法、所望膜厚
等により適当なものが選ばれる。塗膜厚としては、特に
熱交換基に用いる場合には、熱効率を高めるため0.05ミ
クロンから10ミクロン以下、好ましくは0.2ミクロンか
ら2ミクロン程度とするのが好ましい。
アルミニウムは予め脱脂処理をし、直接塗布または、
ベーマイト処理、クロメート処理等の化成処理を施して
から塗布しても良い、(但し直接塗布の場合はクロム
酸、重クロム酸及びその塩類の添加は有効である。)ま
た、適当なプライマーを施して後、本出願の親水性処理
を施しても良い。
乾燥は一般に(90)〜(300)℃、より好ましくは(1
00)〜(250)℃にて行なわれる。
(作用) 本発明の親水性処理用組成物より得られる塗膜は耐食
性、親水性、特に親水性持続性にすぐれ、アルミニウム
熱交換器用表面皮膜として好適である。
本発明で用いる水溶性ポリマー(P2)の添加による親
水性、特に親水持続性の機構は必ずしも明らかでない
が、PVA系ポリマー(P1)と架橋剤(C)の反応により
高度に架橋した網状構造樹脂と(P2)がIPN(Inter Pen
etrating Network)構造をとり、強親水性の(P2)が常
に皮膜表面に移行し、或は場合によつては極一部が溶解
することによつて、皮膜表面に付着する異物と共に流去
し、親水性、特に親水持続性を向上する効果を発揮して
いるものと思われる。
(実施例) 以下実施例により、さらに本発明を説明する。
第1図は、本発明に係る皮膜が適用されるカークーラ
ー用のサーペンタイン型熱交換器の一例であつて、チユ
ーブ1、フイン2、アキユムレータ3,4、パイプ5,6、サ
イドプレート7で構成される。チユーブ1はA1050,A300
3、又はこれらにCu,Mn,Fe等を微量添加したアルミニウ
ムを押出し成形により製造した偏平多穴チユーブを蛇行
状に曲げ加工して所定形状としたものである。フイン2
は、A1050,A3003、又は、これらにSn,Zn,In等を微量添
加した板材料を曲げ加工して所定形状としたものであ
る。フイン2とチユーブ1の接合のために、フイン2の
両面にA4004,A4343等のろう材をクラツドする方法と、
チユーブ側にも同じろう材をクラツドする方法がある。
一般にサーペンタイン型の熱交換器は前記の方法が採用
される。
3はチユーブ1の冷媒入口側の端部に接合された冷媒
分配パイプ、4はチユーブ1の冷媒出口側の端部に接合
された冷媒集合パイプ、5は冷媒分配パイプ3に冷媒を
導入する入口パイプ、6は冷媒集合パイプ4から冷媒を
導入する出口パイプであり、これらの部品2,3,4,5,6も
すべてアルミニウム製である。第1図の状態に組み付け
られたフインとチユーブは真空雰囲気ろう付法などによ
り、一体ろう付されて組立体となる。必要に応じクロム
酸処理等の化成処理もしくはアルマイト処理工程を行な
い、ひき続き、本発明における混合水溶液で処理され、
皮膜がフイン2等の表面に形成される。フイン2以外の
熱交換器の部材1,3,4,5,6はフイン2ほどに水濡れ性は
要求されないので、上記皮膜の形成は必須ではないが、
これらの部材表面でも水の凝縮が起こるために同様に皮
膜の形成を行なうことが望ましい。本発明の製法による
と、第1図の状態に組み付けられた熱交換器部材1,2,3,
4,5,6(組立体)は、洗浄工程によりろう材等の皮膜形
成を妨げる成分をできるだけ除去した後、化成浴もしく
はアルマイト処理浴に浸漬され、ひき続き本発明におけ
る混合水溶液に浸漬される。この水性浴の温度は一般に
常温であり、浸漬時間はカーエアコン用熱交換器では一
般に10秒〜3分である。
上述の如く、浸漬、塗布を行なつた後、熱風乾燥炉に
て90〜300℃の温度にて焼付を行ない熱交換器を完成さ
せる。上記組立、洗浄、化成処理、アルマイト処理、浸
漬、塗布、焼付などの工程は、サーペンタイン型(第1
図)のみならず、フインとチユーブをろう付して接合す
る工程により製造される蓄積型(第2図)、あるいはフ
インアンドチユーブタイプ(第3図)、スカイブドフイ
ンタイプ(第4図)、スパインフインタイプなど、あら
ゆるタイプの熱交換器に適用される。フインアンドチユ
ーブタイプ、スカイブドフインタイプではフインとチユ
ーブにろう材がクラツドされる。以下、主としてサーペ
ンタインタイプ(第1図)について皮膜の層構造の説明
を行なう。
第5図はろう付状態のチユーブ1とフイン2を示し、
10はろう材のフイレツトを示す。ろう材のクラツドされ
ていないアルミニウム表面(フイン表面)の皮膜を模式
的に示す。第6図に示されるようにアルミニウム7の表
面に、順次クロム酸クロメート皮膜8、本発明における
ポリマー皮膜9が積層される。
クロム酸クロメート化成処理は耐食性の面から最も望
ましいが、アルミニウムの表面処理法として代表的なア
ルカリ−クロム酸塩法、クロム酸塩法、リン酸クロム酸
塩法、リン酸亜鉛法、並びに最近一部で使用されている
クロムを含有しない皮膜化成法としてチタン、ジルコン
のリン酸塩皮膜化成処理法、アルマイト処理法並びにク
ロム酸を含有する樹脂皮膜処理法などを用いることがで
きる。
実施例における試験法は次のとおりである。
・流水安定性接触角 親水処理を施した熱交換器のフインの平らな部分を切
取り、室温で流水中に8HR浸漬後、16HR、80℃で乾燥す
る処理を1cycleとし、5cycle後の対水接触角で示す。
接触角は、試料表面上に静置した直径1〜2mmの小水
滴の接触角をFACE接触角計CA−P型(協和界面化学製)
を用いて測定した。
・流水安定性皮膜残存率 室温で、流水中に熱交換器を3日間浸漬し、下式によ
り表示した。
W0:下地処理熱交換器乾燥重量 W1:親水処理熱交換器乾燥重量 W2:流水浸漬3日後乾燥した親水処理熱交換器の重量 表1に示した比較例、実施例においては、親水処理剤
を直接アルミニウム製熱交換器に塗布するか、または予
めアルミニウム製熱交換器に下記の如き下地処理を施し
た後に親水処理を施した。
下地処理1) 化成型クロミツククロメート [日本パーカライジング(株)製AM−713(72g/
)]の液中にアルミニウム製熱交換器を40℃で30秒間
浸漬処理後、水洗乾燥した。
下地処理2) 塗布型クロメート [日本パーカライジング(株)製TOP−3978A剤125g
と、B剤125gを水で1とする]の液中にアルミニウム
製熱交換器を室温で浸漬し、wet塗布量20〜30ml/m2にな
るまで、液切りを行ない190℃〜200℃で30分焼付け乾燥
した。
下地処理3) 化成型リン酸クロメート [日本パーカライジング(株)製AM−702SL剤47gと、
AC剤2gを水で1とする]の液中にアルミニウム製熱交
換器を40℃で30秒間浸漬処理後水洗乾燥した。
下地処理4) アクリル樹脂プライマー [日本パーカライジング(株)製TOP−3977−2A剤160
g、B剤17.8gを水で1にした]液中にアルミニウム熱
交換器を室温で浸漬し、wet塗布量20〜30ml/m2になるま
で液切りを行ない190〜200℃で30分焼付け乾燥した。
親水処理剤の組成は第1表に示した通りである。これ
ら親水処理剤水溶液を乾燥皮膜重量が250mg±50mg/m2
なるように被塗アルミニウム製熱交換器に塗布し、200
〜230℃で30分間加熱乾燥後、その性能を測定した。そ
の結果を第1表に示す。
親水処理剤作成に用いた原料は下記の如くであり、表
1の数字は固形分重量部数を示す。(P1)ポリビニルア
ルコール及び、その誘導体 (P1−1a,b)鹸化度90モル%、a)分子量約10万のポ
リビニルアルコール、b)分子量約5万 (P1−2)ジケテン処理ポリビニルアルコール分子量約
5万 (P1−3)スルホン酸基3モル%含有ポリビニルアルコ
ール分子量約2万(P2)イオン性官能基含有水溶性ポリ
マー (P2−1)分子量約5万のポリアクリル酸 (P2−2a,b,c)スルホエチルアクリレート・アクリル
酸系 共重合体 スルホエチルアクリ 分子量 レート含量(モル%) a) 20 約4千 b) 30 約8万 c) 40 約8万 (C)架橋剤 (C−1)テトラメチロールメラミンテトラメチルエー
テル (C−2)ペンタエチレングリコール・ジグリシジルエ
ーテル (C−3)亜硫酸塩ブロツク・ポリエーテル系イソシア
ネートプレポリマー(イソシアネート含量5.0〜5.5%) 第1表の比較例1,2と実施例1,2にみられる如く、P2
含有せず、PVA系ポリマーと架橋剤のみの処理剤より得
られた皮膜は接触角が高く、親水性皮膜とは言い難い。
比較例3,4と実施例3,4の対比でみられる如く、PVA系
ポリマーを含まず、親水性の高いP2と架橋剤のみの処理
剤による比較例3及び架橋剤を含まない比較例4の場合
は耐水性が悪く、3日間の流水浸漬で皮膜の殆んどの部
分は流去している。
これに対し、本出願方法の親水性処理用組成物によつ
て作成した実施例1〜7の各種皮膜は流水浸漬後も皮膜
構成成分の流去は殆んどなく、親水性も高く保たれてい
た。
(発明の効果) 本発明は種々のアルミニウム製熱交換器に適用可能な
ものであるが、風量が大きくかつ、小型化並びに軽量化
熱交換効率に要求される品質が厳しく、また使用される
環境も厳しい自動車搭載用熱交換器として特にすぐれた
性能が長期にわたつて接続される。
更に、本発明方法によれば、複雑な型状をした熱交換
器の内部まで均一に皮膜を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
第1〜4図は本発明を適用するカーエアコン用蒸発器の
斜視図、第5図は第1図の要部拡大図、第6図は第5図
に示すチユーブ1の表面部の拡大断面図である。 1……チユーブ、2……フイン、8……化成皮膜、9…
…本発明におけるポリマー皮膜。
フロントページの続き (72)発明者 置田 宏 東京都中央区日本橋1丁目15番1号 日 本パーカライジング株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−299877(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アルミニウム又は銅で形成されたチユーブ
    およびアルミニウムフインを含んでなる成型加工された
    熱交換器において、このチユーブおよびフインの一部又
    は全部の表面が、 ポリビニルアルコール及び/またはその水溶性誘導体
    (P1)と; 分子中にカルボキシル基、スルホン酸基、ホスホン酸
    基、の群から選ばれた基の1種以上を有する重合性モノ
    マーまたはそれらモノマーの塩[これらのモノマーを
    (I)とする]の単独重合または(I)の相互の共重合
    および(または)(I)と共重合可能なノニオニツクモ
    ノマーと(I)との共重合によつて得られる水溶性ポリ
    マー(P2)と; (P1)および(P2)と混合可能な水溶性架橋剤(C)と
    の混合水溶液で処理されている前記熱交換器。
  2. 【請求項2】アルミニウム又は銅で形成されたチユーブ
    およびアルミニウムフインを一体に組立てる工程と、 この一体に組立てられた熱交換器組立体を、 ポリビニルアルコール及び/またはその水溶性誘導体
    (P1)と; 分子中にカルボキシル基、スルホン酸基、ホスホン酸
    基、の群から選ばれた基の1種以上を有する重合性モノ
    マーまたはそれらモノマーの塩[これらのモノマーを
    (I)とする]の単独重合または(I)の相互の共重合
    および(または)(I)と共重合可能なノニオニツクモ
    ノマーと(I)との共重合によつて得られる水溶性ポリ
    マー(P2)と; (P1)および(P2)と混合可能な水溶性架橋剤(C)と
    の混合水溶液に浸漬する工程と、 浸漬後の熱交換器組立体を乾燥する工程とを有すること
    を特徴とするアルミニウム製熱交換器の製法。
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