JPH101783A - アルミニウム表面処理剤、該処理方法及び処理アルミニウム材 - Google Patents
アルミニウム表面処理剤、該処理方法及び処理アルミニウム材Info
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- JPH101783A JPH101783A JP8153577A JP15357796A JPH101783A JP H101783 A JPH101783 A JP H101783A JP 8153577 A JP8153577 A JP 8153577A JP 15357796 A JP15357796 A JP 15357796A JP H101783 A JPH101783 A JP H101783A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 耐食性、特に防錆性に優れた皮膜の形成する
アルミニウム表面処理剤、該処理方法を提供すると共
に、上記アルミニウム表面処理剤を用いて処理された処
理アルミニウム材又はアルミニウム合金材を提供する。 【解決手段】 ジルコニウム、チタン、ハフニウム、ア
ルミニウム、ケイ素、ゲルマニウム、スズ及びホウ素の
少なくとも一種の金属を含有するフルオロ金属酸又はフ
ルオロ金属酸塩と、不飽和結合を有する芳香族スルホン
酸モノマー又は不飽和結合を有する脂肪族スルホン酸モ
ノマーのホモポリマー又はコポリマーからなる少なくと
も１種の高分子化合物と、を含有するアルミニウム表面
処理剤を用いてアルミニウム材又はアルミニウム合金材
を処理して皮膜を形成し、皮膜が形成されたアルミニウ
ム材又はアルミニウム合金材を得ることである。
アルミニウム表面処理剤、該処理方法を提供すると共
に、上記アルミニウム表面処理剤を用いて処理された処
理アルミニウム材又はアルミニウム合金材を提供する。 【解決手段】 ジルコニウム、チタン、ハフニウム、ア
ルミニウム、ケイ素、ゲルマニウム、スズ及びホウ素の
少なくとも一種の金属を含有するフルオロ金属酸又はフ
ルオロ金属酸塩と、不飽和結合を有する芳香族スルホン
酸モノマー又は不飽和結合を有する脂肪族スルホン酸モ
ノマーのホモポリマー又はコポリマーからなる少なくと
も１種の高分子化合物と、を含有するアルミニウム表面
処理剤を用いてアルミニウム材又はアルミニウム合金材
を処理して皮膜を形成し、皮膜が形成されたアルミニウ
ム材又はアルミニウム合金材を得ることである。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明はアルミニウム表面処
理剤、該処理方法及び処理アルミニウム材、特に耐食性
に優れたアルミニウム金属表面処理剤等に関する。
理剤、該処理方法及び処理アルミニウム材、特に耐食性
に優れたアルミニウム金属表面処理剤等に関する。
【０００２】
【従来の技術】アルミニウムやその合金は、軽量でかつ
優れた加工性及び熱伝導性を有し、熱交換器に広く利用
されている。空調システムの普及に伴い冷房、除湿及び
冷暖房兼用型空調機が増加し、これらの空調機の熱交換
部には一般にアルミニウム合金製フィンが使用されてい
る。
優れた加工性及び熱伝導性を有し、熱交換器に広く利用
されている。空調システムの普及に伴い冷房、除湿及び
冷暖房兼用型空調機が増加し、これらの空調機の熱交換
部には一般にアルミニウム合金製フィンが使用されてい
る。
【０００３】空調機の冷房運転時に空気中の水分は、フ
ィン表面に凝縮水として付着する傾向にある。これを防
止するためにフィン表面を撥水性にすることが考えられ
るが、かかる場合、凝縮水はフィン上に半球状に付着し
たり、フィン間にブリッジ状に存在することになり、吸
気のスムーズな流れを妨げ、通風抵抗を増大させてしま
う。このようにフィン表面を撥水性にすることは熱交換
効率を低下させることになる。
ィン表面に凝縮水として付着する傾向にある。これを防
止するためにフィン表面を撥水性にすることが考えられ
るが、かかる場合、凝縮水はフィン上に半球状に付着し
たり、フィン間にブリッジ状に存在することになり、吸
気のスムーズな流れを妨げ、通風抵抗を増大させてしま
う。このようにフィン表面を撥水性にすることは熱交換
効率を低下させることになる。
【０００４】通常、アルミニウムやその合金は、本来耐
食性に優れているが、凝縮水がフィン表面に長時間滞留
すると、酸素濃淡電池を形成し、又は大気中の汚染成分
が次第に付着、濃縮されて水和反応や腐食反応が促進さ
れる。この腐食生成物は、フィン表面に体積し、熱交換
特性を害することはもちろんであるが、冬期の暖房運転
時には、白い微粉となって送風機により温風と共に排出
される。
食性に優れているが、凝縮水がフィン表面に長時間滞留
すると、酸素濃淡電池を形成し、又は大気中の汚染成分
が次第に付着、濃縮されて水和反応や腐食反応が促進さ
れる。この腐食生成物は、フィン表面に体積し、熱交換
特性を害することはもちろんであるが、冬期の暖房運転
時には、白い微粉となって送風機により温風と共に排出
される。
【０００５】従来、アルミニウム質表面の腐食防止を最
大限達成させるためには、クロム含有表面処理剤を用い
ていた。しかし、このクロム含有表面処理剤は、環境汚
染の危険性を有するため、近年ではクロムを含有しない
ノンクロメートタイプの表面処理剤が使用されるように
なってきている。但し、ノンクロメートタイプの表面処
理剤は、クロム含有表面処理剤に比べて、防食性能が若
干劣る。このため、種々の改良を加えたノンクロメート
タイプの表面処理剤が提案されている。
大限達成させるためには、クロム含有表面処理剤を用い
ていた。しかし、このクロム含有表面処理剤は、環境汚
染の危険性を有するため、近年ではクロムを含有しない
ノンクロメートタイプの表面処理剤が使用されるように
なってきている。但し、ノンクロメートタイプの表面処
理剤は、クロム含有表面処理剤に比べて、防食性能が若
干劣る。このため、種々の改良を加えたノンクロメート
タイプの表面処理剤が提案されている。
【０００６】例えば、特開平４−２６３０８３号公報の
「アルミニウムのノンクロメート表面処理剤及び処理方
法」には、水及び（Ａ）０．８〜１．２重量％（ｗ／
ｏ）のＨ2 ＺｒＦ6 （二水素ヘキサフルオロジルコネー
ト、又はフルオジルコン酸ともいう）と、（Ｂ）０．０
８〜０．１２重量％（ｗ／ｏ）の分散性シリカと、
（Ｃ）０．０８〜０．１２重量％（ｗ／ｏ）の水溶性又
は水分散性３−（Ｎ−メチル−Ｎ−２−ヒドロキシエチ
ルアミノメチル）−４−ヒドロキシ−スチレンポリマー
と、（Ｄ）０．１０〜０．１５重量％（ｗ／ｏ）の１−
プロポキシ−２−プロパノールを包含する酸性の表面処
理剤が提案されている。
「アルミニウムのノンクロメート表面処理剤及び処理方
法」には、水及び（Ａ）０．８〜１．２重量％（ｗ／
ｏ）のＨ2 ＺｒＦ6 （二水素ヘキサフルオロジルコネー
ト、又はフルオジルコン酸ともいう）と、（Ｂ）０．０
８〜０．１２重量％（ｗ／ｏ）の分散性シリカと、
（Ｃ）０．０８〜０．１２重量％（ｗ／ｏ）の水溶性又
は水分散性３−（Ｎ−メチル−Ｎ−２−ヒドロキシエチ
ルアミノメチル）−４−ヒドロキシ−スチレンポリマー
と、（Ｄ）０．１０〜０．１５重量％（ｗ／ｏ）の１−
プロポキシ−２−プロパノールを包含する酸性の表面処
理剤が提案されている。
【０００７】また、特開平７−１９７２７３号公報の
「金属処理用組成物および処理方法」には、（Ａ）Ｈ2
ＴｉＦ6 ，Ｈ2 ＺｒＦ6 ，Ｈ2 ＨｆＦ6 ，Ｈ2 Ａｌ
Ｆ6 ，Ｈ2ＳｉＦ6 ，Ｈ2 ＧｅＦ6 ，Ｈ2 ＳｎＦ6 ，Ｈ
ＢＦ6 と、（Ｂ）２個以上のＯＨ基（但し、ＣＯＯＨ基
内のＯＨ基を除く）含有水溶性有機カルボン酸又は塩を
含み、必要により更に（Ｃ）Ｔｉ，Ｚｒ，Ｈｆ，Ａｌ，
Ｓｉ，Ｇｅ，Ｓｎ，Ｂの元素、酸化物、水酸化物、又は
炭酸塩、或は（Ｄ）ｘ−（Ｎ−Ｒ1 −Ｎ−Ｒ2 −アミノ
メチル）−４−ヒドロキシスチレン（ｘ＝２，４，５，
又は６、Ｒ1 ＝Ｃ1-4アルキル基、Ｒ2 ＝Ｈ（ＣＨＯ
Ｈ）n ＣＨ2 −に相当する置換基、ｎ＝１〜７）などを
含む金属処理用組成物が提案されている。
「金属処理用組成物および処理方法」には、（Ａ）Ｈ2
ＴｉＦ6 ，Ｈ2 ＺｒＦ6 ，Ｈ2 ＨｆＦ6 ，Ｈ2 Ａｌ
Ｆ6 ，Ｈ2ＳｉＦ6 ，Ｈ2 ＧｅＦ6 ，Ｈ2 ＳｎＦ6 ，Ｈ
ＢＦ6 と、（Ｂ）２個以上のＯＨ基（但し、ＣＯＯＨ基
内のＯＨ基を除く）含有水溶性有機カルボン酸又は塩を
含み、必要により更に（Ｃ）Ｔｉ，Ｚｒ，Ｈｆ，Ａｌ，
Ｓｉ，Ｇｅ，Ｓｎ，Ｂの元素、酸化物、水酸化物、又は
炭酸塩、或は（Ｄ）ｘ−（Ｎ−Ｒ1 −Ｎ−Ｒ2 −アミノ
メチル）−４−ヒドロキシスチレン（ｘ＝２，４，５，
又は６、Ｒ1 ＝Ｃ1-4アルキル基、Ｒ2 ＝Ｈ（ＣＨＯ
Ｈ）n ＣＨ2 −に相当する置換基、ｎ＝１〜７）などを
含む金属処理用組成物が提案されている。
【０００８】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
開平４−２６３０８３号公報に開示されたアルミニウム
のノンクロメート表面処理剤及び処理方法及び特開平７
−１９７２７３号公報に開示された金属処理用組成物お
よび処理方法では、いずれも上記耐食性の要求に今一歩
応じられないという問題があった。
開平４−２６３０８３号公報に開示されたアルミニウム
のノンクロメート表面処理剤及び処理方法及び特開平７
−１９７２７３号公報に開示された金属処理用組成物お
よび処理方法では、いずれも上記耐食性の要求に今一歩
応じられないという問題があった。
【０００９】本発明は上記従来の課題に鑑みたものであ
り、その目的は、耐食性、特に防錆性に優れた皮膜の形
成可能なアルミニウム表面処理剤、該処理方法を提供す
ると共に、上記アルミニウム表面処理剤を用いて処理さ
れた処理アルミニウム材又はアルミニウム合金材を提供
することである。
り、その目的は、耐食性、特に防錆性に優れた皮膜の形
成可能なアルミニウム表面処理剤、該処理方法を提供す
ると共に、上記アルミニウム表面処理剤を用いて処理さ
れた処理アルミニウム材又はアルミニウム合金材を提供
することである。
【００１０】
【課題を解決するための手段】前述した目的を達成する
ために、本発明のアルミニウム表面処理剤は、ジルコニ
ウム、チタン、ハフニウム、アルミニウム、ケイ素、ゲ
ルマニウム、スズ及びホウ素の少なくとも一種の金属を
含有するフルオロ金属酸又はフルオロ金属酸塩と、不飽
和結合を有する芳香族スルホン酸モノマー又は不飽和結
合を有する脂肪族スルホン酸モノマーのホモポリマー又
はコポリマーからなる少なくとも１種の高分子化合物
と、を含有する。
ために、本発明のアルミニウム表面処理剤は、ジルコニ
ウム、チタン、ハフニウム、アルミニウム、ケイ素、ゲ
ルマニウム、スズ及びホウ素の少なくとも一種の金属を
含有するフルオロ金属酸又はフルオロ金属酸塩と、不飽
和結合を有する芳香族スルホン酸モノマー又は不飽和結
合を有する脂肪族スルホン酸モノマーのホモポリマー又
はコポリマーからなる少なくとも１種の高分子化合物
と、を含有する。
【００１１】また、本発明のアルミニウム表面処理方法
は、上記アルミニウム表面処理剤を用いてアルミニウム
材又はアルミニウム合金材を処理して皮膜を形成する方
法である。
は、上記アルミニウム表面処理剤を用いてアルミニウム
材又はアルミニウム合金材を処理して皮膜を形成する方
法である。
【００１２】更に、本発明のアルミニウム材又はアルミ
ニウム合金材は、上記アルミニウム表面処理剤を用いて
皮膜が形成されたアルミニウム材又はアルミニウム合金
材である。
ニウム合金材は、上記アルミニウム表面処理剤を用いて
皮膜が形成されたアルミニウム材又はアルミニウム合金
材である。
【００１３】上記アルミニウム表面処理剤を皮膜が形成
されたアルミニウム材又はアルミニウム合金は、いずれ
も耐食性、特に防錆性が向上する。すなわち、不飽和結
合を有する芳香族スルホン酸モノマー又は不飽和結合を
有する脂肪族スルホン酸モノマーのホモポリマー又はコ
ポリマーからなる少なくとも１種の高分子化合物を含有
することにより、より緻密な化成皮膜の形成が可能にな
る。
されたアルミニウム材又はアルミニウム合金は、いずれ
も耐食性、特に防錆性が向上する。すなわち、不飽和結
合を有する芳香族スルホン酸モノマー又は不飽和結合を
有する脂肪族スルホン酸モノマーのホモポリマー又はコ
ポリマーからなる少なくとも１種の高分子化合物を含有
することにより、より緻密な化成皮膜の形成が可能にな
る。
【００１４】
【発明の実施の形態】本発明に係るアルミニウム表面処
理剤は、ジルコニウム（Ｚｒ）、チタン（Ｔｉ）、ハフ
ニウム（Ｈｆ）、アルミニウム（Ａｌ）、ケイ素（Ｓ
ｉ）、ゲルマニウム（Ｇｅ）、スズ（Ｓｎ）及びホウ素
（Ｂ）の少なくとも一種の金属を含有するフルオロ金属
酸又はフルオロ金属酸塩と、不飽和結合を有する芳香族
スルホン酸モノマー又は不飽和結合を有する脂肪族スル
ホン酸モノマーのホモポリマー又はコポリマーからなる
少なくとも１種の高分子化合物と、を含有する。
理剤は、ジルコニウム（Ｚｒ）、チタン（Ｔｉ）、ハフ
ニウム（Ｈｆ）、アルミニウム（Ａｌ）、ケイ素（Ｓ
ｉ）、ゲルマニウム（Ｇｅ）、スズ（Ｓｎ）及びホウ素
（Ｂ）の少なくとも一種の金属を含有するフルオロ金属
酸又はフルオロ金属酸塩と、不飽和結合を有する芳香族
スルホン酸モノマー又は不飽和結合を有する脂肪族スル
ホン酸モノマーのホモポリマー又はコポリマーからなる
少なくとも１種の高分子化合物と、を含有する。
【００１５】ここで、ジルコニウム、チタン、ハフニウ
ム、アルミニウム、ケイ素、ゲルマニウム、スズ及びホ
ウ素の少なくとも一種の金属を含有するフルオロ金属酸
としては、Ｈ2 ＺｒＦ6 ，Ｈ2 ＴｉＦ6 ，Ｈ2 Ｈｆ
Ｆ6 ，Ｈ2 ＡｌＦ6 ，Ｈ2 ＳｉＦ6 ，Ｈ2 ＧｅＦ6 ，Ｈ
2 ＳｎＦ6 ，ＨＢＦ6 等が挙げられる。更に、フルオロ
金属酸の塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、リチ
ウム塩等のアルカリ金属塩や、アンモニウム塩等が挙げ
られる。
ム、アルミニウム、ケイ素、ゲルマニウム、スズ及びホ
ウ素の少なくとも一種の金属を含有するフルオロ金属酸
としては、Ｈ2 ＺｒＦ6 ，Ｈ2 ＴｉＦ6 ，Ｈ2 Ｈｆ
Ｆ6 ，Ｈ2 ＡｌＦ6 ，Ｈ2 ＳｉＦ6 ，Ｈ2 ＧｅＦ6 ，Ｈ
2 ＳｎＦ6 ，ＨＢＦ6 等が挙げられる。更に、フルオロ
金属酸の塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、リチ
ウム塩等のアルカリ金属塩や、アンモニウム塩等が挙げ
られる。
【００１６】また、不飽和結合を有する芳香族スルホン
酸モノマー又は不飽和結合を有する脂肪族スルホン酸モ
ノマーのホモポリマー又はコポリマーからなる少なくと
も１種の高分子化合物において、不飽和結合を有する芳
香族スルホン酸モノマーとしては、例えば下記化１に示
すスチレンスルホン酸及びその塩、また不飽和結合を有
する脂肪族スルホン酸モノマーとしては、例えば下記化
２に示すビニルスルホン酸及びその塩が挙げられる。
酸モノマー又は不飽和結合を有する脂肪族スルホン酸モ
ノマーのホモポリマー又はコポリマーからなる少なくと
も１種の高分子化合物において、不飽和結合を有する芳
香族スルホン酸モノマーとしては、例えば下記化１に示
すスチレンスルホン酸及びその塩、また不飽和結合を有
する脂肪族スルホン酸モノマーとしては、例えば下記化
２に示すビニルスルホン酸及びその塩が挙げられる。
【００１７】
【化１】
【化２】 上記高分子化合物としては、ポリスチレンスルホン酸及
びその塩が好適である。また、ポリスチレンスルホン酸
（以下「ＰＳＳ」という）の平均分子量は、５００〜１
０，０００，０００が好ましく、より好ましくは８，０
００〜２００，０００である。ＰＳＳの分子量が５００
未満の場合には、耐食性の優れた皮膜を形成できない。
一方ＰＳＳの分子量が１０，０００，０００を超える場
合には、アルミニウム表面処理剤の粘性が増大して、表
面処理にムラができ、上記同様、耐食性が劣る。ＰＳＳ
の塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩
等のアルカリ金属塩や、アンモニウム塩等が挙げられ
る。
びその塩が好適である。また、ポリスチレンスルホン酸
（以下「ＰＳＳ」という）の平均分子量は、５００〜１
０，０００，０００が好ましく、より好ましくは８，０
００〜２００，０００である。ＰＳＳの分子量が５００
未満の場合には、耐食性の優れた皮膜を形成できない。
一方ＰＳＳの分子量が１０，０００，０００を超える場
合には、アルミニウム表面処理剤の粘性が増大して、表
面処理にムラができ、上記同様、耐食性が劣る。ＰＳＳ
の塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩
等のアルカリ金属塩や、アンモニウム塩等が挙げられ
る。
【００１８】更に、本発明のアルミニウム表面処理剤
は、ジルコニウム、チタン、ハフニウム、アルミニウ
ム、ケイ素、ゲルマニウム、スズ及びホウ素の少なくと
も一種の金属を含有するフルオロ金属酸又はフルオロ金
属酸塩を１０〜１０，０００ｐｐｍ含有することが好ま
しく、より好ましくは１００〜５，０００ｐｐｍ含有す
る。上記フルオロ金属酸又はフルオロ金属酸塩の含有量
が１０ｐｐｍ未満の場合には、アルミニウムのエッチン
グ反応がほとんど起こらず、またジルコニウム等による
皮膜形成速度が著しく低下するため、皮膜が形成しな
い。一方、上記フルオロ金属酸又はフルオロ金属酸塩の
含有量が１０，０００ｐｐｍを超える場合には、皮膜形
成速度よりもアルミニウムのエッチング速度の方が大き
くなるため、皮膜が形成しにくくなる。またジルコニウ
ム等の添加の効果はそれほど向上せず、経済性に劣る。
は、ジルコニウム、チタン、ハフニウム、アルミニウ
ム、ケイ素、ゲルマニウム、スズ及びホウ素の少なくと
も一種の金属を含有するフルオロ金属酸又はフルオロ金
属酸塩を１０〜１０，０００ｐｐｍ含有することが好ま
しく、より好ましくは１００〜５，０００ｐｐｍ含有す
る。上記フルオロ金属酸又はフルオロ金属酸塩の含有量
が１０ｐｐｍ未満の場合には、アルミニウムのエッチン
グ反応がほとんど起こらず、またジルコニウム等による
皮膜形成速度が著しく低下するため、皮膜が形成しな
い。一方、上記フルオロ金属酸又はフルオロ金属酸塩の
含有量が１０，０００ｐｐｍを超える場合には、皮膜形
成速度よりもアルミニウムのエッチング速度の方が大き
くなるため、皮膜が形成しにくくなる。またジルコニウ
ム等の添加の効果はそれほど向上せず、経済性に劣る。
【００１９】また、本実施形態のアルミニウム表面処理
剤は、不飽和結合を有する芳香族スルホン酸モノマー又
は不飽和結合を有する脂肪族スルホン酸モノマーのホモ
ポリマー又はコポリマーからなる少なくとも１種の高分
子化合物を１〜１００，０００ｐｐｍ含有することが好
ましく、より好ましくは１０〜５，０００ｐｐｍ含有す
る。ＰＳＳの含有量が１ｐｐｍ未満の場合には、耐食性
向上効果が認められない。一方ＰＳＳの含有量が１０
０，０００ｐｐｍを超える場合には、更に添加量を増や
しても添加量に見合う効果が得られず、経済的でない。
剤は、不飽和結合を有する芳香族スルホン酸モノマー又
は不飽和結合を有する脂肪族スルホン酸モノマーのホモ
ポリマー又はコポリマーからなる少なくとも１種の高分
子化合物を１〜１００，０００ｐｐｍ含有することが好
ましく、より好ましくは１０〜５，０００ｐｐｍ含有す
る。ＰＳＳの含有量が１ｐｐｍ未満の場合には、耐食性
向上効果が認められない。一方ＰＳＳの含有量が１０
０，０００ｐｐｍを超える場合には、更に添加量を増や
しても添加量に見合う効果が得られず、経済的でない。
【００２０】また、本発明のアルミニウム表面処理条件
と処理方法は、上記アルミニウム表面処理剤のｐＨが、
約１．５〜５．５が好ましく、好ましくは２．５〜４．
５である。尚、ｐＨの調整は、ＮａＯＨ、アンモニア水
溶液、硝酸等により行う。本発明のアルミニウム表面処
理剤とアルミニウム材またはアルミニウム合金材の処理
温度は、３０〜８０℃が好ましく、より好ましくは４０
〜６０℃である。また、アルミニウム材等に対してスプ
レー塗布の場合には、約３秒間〜６００秒間が好まし
く、より好ましくは３０〜６０秒間である。その他、浸
漬法、フローコート法、ロールコート法で接触させても
良い。尚、表面処理（例えば化成処理）の前処理として
脱脂処理を行っても良い。脱脂処理としては、硫酸や硝
酸を用いた酸洗処理、トリクロルエチレン、パークロル
エチレン、ガソリン、ノルマルヘキサン等の溶剤脱脂
と、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリ
ウム、リン酸ナトリウム等のアルカリ溶液によるアルカ
リ脱脂のいずれかを行ってもよい。
と処理方法は、上記アルミニウム表面処理剤のｐＨが、
約１．５〜５．５が好ましく、好ましくは２．５〜４．
５である。尚、ｐＨの調整は、ＮａＯＨ、アンモニア水
溶液、硝酸等により行う。本発明のアルミニウム表面処
理剤とアルミニウム材またはアルミニウム合金材の処理
温度は、３０〜８０℃が好ましく、より好ましくは４０
〜６０℃である。また、アルミニウム材等に対してスプ
レー塗布の場合には、約３秒間〜６００秒間が好まし
く、より好ましくは３０〜６０秒間である。その他、浸
漬法、フローコート法、ロールコート法で接触させても
良い。尚、表面処理（例えば化成処理）の前処理として
脱脂処理を行っても良い。脱脂処理としては、硫酸や硝
酸を用いた酸洗処理、トリクロルエチレン、パークロル
エチレン、ガソリン、ノルマルヘキサン等の溶剤脱脂
と、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリ
ウム、リン酸ナトリウム等のアルカリ溶液によるアルカ
リ脱脂のいずれかを行ってもよい。
【００２１】上記のように、化成処理を施されたアルミ
ニウム材又はアルミニウム合金材は、水洗後、乾燥する
が、乾燥は水分が除去できれば良い。
ニウム材又はアルミニウム合金材は、水洗後、乾燥する
が、乾燥は水分が除去できれば良い。
【００２２】本発明の処理アルミニウム材又はアルミニ
ウム合金材は、上記アルミニウム表面処理剤を上記処理
方法によって得られる。
ウム合金材は、上記アルミニウム表面処理剤を上記処理
方法によって得られる。
【００２３】更に、本発明の好ましい他の実施態様を以
下に示す。
下に示す。
【００２４】１．本発明に係るアルミニウム表面処理剤
において、フルオロ金属酸は、Ｈ2ＺｒＦ6 ，Ｈ2 Ｔｉ
Ｆ6 ，Ｈ2 ＨｆＦ6 ，Ｈ2 ＡｌＦ6 ，Ｈ2 ＳｉＦ6 ，Ｈ
2 ＧｅＦ6 ，Ｈ2 ＳｎＦ6 ，ＨＢＦ6 の少なくとも一種
である。
において、フルオロ金属酸は、Ｈ2ＺｒＦ6 ，Ｈ2 Ｔｉ
Ｆ6 ，Ｈ2 ＨｆＦ6 ，Ｈ2 ＡｌＦ6 ，Ｈ2 ＳｉＦ6 ，Ｈ
2 ＧｅＦ6 ，Ｈ2 ＳｎＦ6 ，ＨＢＦ6 の少なくとも一種
である。
【００２５】２．前記フルオロ金属酸の塩は、ナトリウ
ム塩、カリウム塩、リチウム塩、アンモニウム塩の少な
くとも１種である。
ム塩、カリウム塩、リチウム塩、アンモニウム塩の少な
くとも１種である。
【００２６】３．本発明に係るアルミニウム表面処理剤
における高分子化合物は、スチレンスルホン酸のホモポ
リマー又はコポリマー、又はビニルスルホン酸のホモポ
リマー又はコポリマーの少なくとも一種の高分子化合物
である。
における高分子化合物は、スチレンスルホン酸のホモポ
リマー又はコポリマー、又はビニルスルホン酸のホモポ
リマー又はコポリマーの少なくとも一種の高分子化合物
である。
【００２７】４．本発明に係るアルミニウム表面処理剤
における高分子化合物は、ポリスチレンスルホン酸又は
その塩である。
における高分子化合物は、ポリスチレンスルホン酸又は
その塩である。
【００２８】５．ポリスチレンスルホン酸（以下「ＰＳ
Ｓ」という）の分子量は、２００〜１０，０００，００
０が好ましい。
Ｓ」という）の分子量は、２００〜１０，０００，００
０が好ましい。
【００２９】６．ＰＳＳの分子量は、８，０００〜２０
０，０００である。
０，０００である。
【００３０】７．上記フルオロ金属酸又はフルオロ金属
酸塩は、上記アルミニウム表面処理剤に対して１０〜１
０，０００ｐｐｍ含有する。
酸塩は、上記アルミニウム表面処理剤に対して１０〜１
０，０００ｐｐｍ含有する。
【００３１】８．上記フルオロ金属酸又はフルオロ金属
酸塩は、上記アルミニウム表面処理剤に対して１００〜
５，０００ｐｐｍ含有する。
酸塩は、上記アルミニウム表面処理剤に対して１００〜
５，０００ｐｐｍ含有する。
【００３２】９．上記高分子化合物は、上記アルミニウ
ム表面処理剤に対して１〜１００，０００ｐｐｍ含有す
る。
ム表面処理剤に対して１〜１００，０００ｐｐｍ含有す
る。
【００３３】１０．上記高分子化合物は、上記アルミニ
ウム表面処理剤に対して１０〜５，０００ｐｐｍ含有す
る。
ウム表面処理剤に対して１０〜５，０００ｐｐｍ含有す
る。
【００３４】１１．本発明のアルミニウム表面処理方法
は、上記アルミニウム表面処理剤のｐＨを約１．５〜
５．５に調整する。
は、上記アルミニウム表面処理剤のｐＨを約１．５〜
５．５に調整する。
【００３５】１２．本発明のアルミニウム表面処理方法
は、上記アルミニウム表面処理剤のｐＨを約２．５〜
４．５に調整する。
は、上記アルミニウム表面処理剤のｐＨを約２．５〜
４．５に調整する。
【００３６】１３．本発明のアルミニウム表面処理方法
は、本発明のアルミニウム表面処理剤とアルミニウム材
またはアルミニウム合金材とを、処理温度３０〜８０℃
で接触させる。
は、本発明のアルミニウム表面処理剤とアルミニウム材
またはアルミニウム合金材とを、処理温度３０〜８０℃
で接触させる。
【００３７】１４．本発明のアルミニウム表面処理方法
は、本発明のアルミニウム表面処理剤とアルミニウム材
またはアルミニウム合金材とを、処理温度４０〜６０℃
で接触させる。
は、本発明のアルミニウム表面処理剤とアルミニウム材
またはアルミニウム合金材とを、処理温度４０〜６０℃
で接触させる。
【００３８】１５．本発明のアルミニウム表面処理方法
は、本発明のアルミニウム表面処理剤をアルミニウム材
又はアルミニウム合金材に対して約３秒間〜６００秒間
スプレー塗布する。
は、本発明のアルミニウム表面処理剤をアルミニウム材
又はアルミニウム合金材に対して約３秒間〜６００秒間
スプレー塗布する。
【００３９】１６．本発明のアルミニウム表面処理方法
は、本発明のアルミニウム表面処理剤をアルミニウム材
又はアルミニウム合金材に対して約３０〜６０秒間スプ
レー塗布する。
は、本発明のアルミニウム表面処理剤をアルミニウム材
又はアルミニウム合金材に対して約３０〜６０秒間スプ
レー塗布する。
【００４０】１７．化成処理を施されたアルミニウム材
又はアルミニウム合金材は、水洗後、乾燥させる。
又はアルミニウム合金材は、水洗後、乾燥させる。
【００４１】
【実施例】次に、実施例及び比較例を挙げて、本発明を
具体的に説明する。尚、本発明はこれらの実施例によっ
て限定されるものではない。
具体的に説明する。尚、本発明はこれらの実施例によっ
て限定されるものではない。
【００４２】実施例１〜１６及び比較例１ （１）被処理物：Ａｌ−Ｍｎ系（ＪＩＳ−Ａ３００４）
アルミニウム合金板 （２）塗装下地用皮膜評価方法： 塩水噴霧試験（ＳＳＴ）：５％食塩水３５℃に保ちなが
ら、密閉したボックス内で噴霧した状態の所へ設置し、
一定時間後取り出して全体の錆の状態を調べる。
アルミニウム合金板 （２）塗装下地用皮膜評価方法： 塩水噴霧試験（ＳＳＴ）：５％食塩水３５℃に保ちなが
ら、密閉したボックス内で噴霧した状態の所へ設置し、
一定時間後取り出して全体の錆の状態を調べる。
【００４３】尚、白錆発生率（面積率％）は、１０％以
下であれば問題なく使用することができる。
下であれば問題なく使用することができる。
【００４４】（３）処理条件；Ａｌ−Ｍｎ系（ＪＩＳ−
Ａ３００４）アルミニウム合金板を３０ｇ／ｌ濃度の酸
性脱脂剤（「サーフクリーナーＮＨＣ２５０」日本ペイ
ント（株）製）で７５℃、６０秒スプレー脱脂した後、
水洗し、表１に示す配合からなる金属表面処理剤でｐＨ
４．０、５０℃、２０秒スプレー化成処理後、水洗し１
９０℃、２分間乾燥を行った評価結果を表１に示す。
Ａ３００４）アルミニウム合金板を３０ｇ／ｌ濃度の酸
性脱脂剤（「サーフクリーナーＮＨＣ２５０」日本ペイ
ント（株）製）で７５℃、６０秒スプレー脱脂した後、
水洗し、表１に示す配合からなる金属表面処理剤でｐＨ
４．０、５０℃、２０秒スプレー化成処理後、水洗し１
９０℃、２分間乾燥を行った評価結果を表１に示す。
【００４５】
【表１】 註）尚、酸はｐＨ調整用である。
【００４６】これらの結果から、本発明のアルミニウム
表面処理剤によれば、耐食性（白錆発生の面積率％）が
従来のものに比べ向上していることが判明した。
表面処理剤によれば、耐食性（白錆発生の面積率％）が
従来のものに比べ向上していることが判明した。
【００４７】
【発明の効果】以上のように、本発明に係るアルミニウ
ム表面処理剤及び処理方法によれば、耐食性、特に防錆
性に優れた皮膜を形成することができる。更に、本発明
に係るアルミニウム表面処理剤を用いて表面処理された
処理アルミニウム材又はアルミニウム合金材は、耐食
性、特に防錆性に優れるため、例えば空調機等の熱交換
器のフィンとして最適である。
ム表面処理剤及び処理方法によれば、耐食性、特に防錆
性に優れた皮膜を形成することができる。更に、本発明
に係るアルミニウム表面処理剤を用いて表面処理された
処理アルミニウム材又はアルミニウム合金材は、耐食
性、特に防錆性に優れるため、例えば空調機等の熱交換
器のフィンとして最適である。
Claims (3)
- 【請求項１】 ジルコニウム、チタン、ハフニウム、ア
ルミニウム、ケイ素、ゲルマニウム、スズ及びホウ素の
少なくとも一種の金属を含有するフルオロ金属酸又はフ
ルオロ金属酸塩と、 不飽和結合を有する芳香族スルホン酸モノマー又は不飽
和結合を有する脂肪族スルホン酸モノマーのホモポリマ
ー又はコポリマーからなる少なくとも１種の高分子化合
物と、 を含有することを特徴とするアルミニウム表面処理剤。 - 【請求項２】 請求項１に記載のアルミニウム表面処理
剤を用いてアルミニウム材又はアルミニウム合金材を処
理して皮膜を形成することを特徴とするアルミニウム表
面処理方法。 - 【請求項３】 請求項１に記載のアルミニウム表面処理
剤を用いて皮膜が形成されたことを特徴とするアルミニ
ウム材又はアルミニウム合金材。
Priority Applications (5)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8153577A JPH101783A (ja) | 1996-06-14 | 1996-06-14 | アルミニウム表面処理剤、該処理方法及び処理アルミニウム材 |
| US08/869,771 US5962145A (en) | 1996-06-14 | 1997-06-05 | Aluminum surface treatment agent, treatment method, and treated aluminum |
| CA002207534A CA2207534A1 (en) | 1996-06-14 | 1997-06-10 | Aluminum surface treatment agent, treatment method, and treated aluminum |
| EP97109477A EP0812934A1 (en) | 1996-06-14 | 1997-06-11 | Aluminum surface treatment agent, treatment method, and treated aluminum |
| KR1019970024597A KR100503118B1 (ko) | 1996-06-14 | 1997-06-13 | 알루미늄표면처리제,이처리방법및처리알루미늄재 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8153577A JPH101783A (ja) | 1996-06-14 | 1996-06-14 | アルミニウム表面処理剤、該処理方法及び処理アルミニウム材 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH101783A true JPH101783A (ja) | 1998-01-06 |
Family
ID=15565538
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP8153577A Pending JPH101783A (ja) | 1996-06-14 | 1996-06-14 | アルミニウム表面処理剤、該処理方法及び処理アルミニウム材 |
Country Status (5)
| Country | Link |
|---|---|
| US (1) | US5962145A (ja) |
| EP (1) | EP0812934A1 (ja) |
| JP (1) | JPH101783A (ja) |
| KR (1) | KR100503118B1 (ja) |
| CA (1) | CA2207534A1 (ja) |
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| DE10210133A1 (de) * | 2002-03-08 | 2003-09-18 | Behr Gmbh & Co | Flussmittel zum Löten von Aluminium |
| US6953533B2 (en) * | 2003-06-16 | 2005-10-11 | General Electric Company | Process for removing chromide coatings from metal substrates, and related compositions |
| DE102004031034A1 (de) | 2003-06-25 | 2005-02-10 | Behr Gmbh & Co. Kg | Flussmittel zum Löten von Metallbauteilen |
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| US4624795A (en) * | 1985-03-28 | 1986-11-25 | Bj-Titan Services Company | Aqueous acid gels and use thereof |
| US4963596A (en) * | 1987-12-04 | 1990-10-16 | Henkel Corporation | Treatment and after-treatment of metal with carbohydrate-modified polyphenol compounds |
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| JPH0788588B2 (ja) * | 1988-02-15 | 1995-09-27 | 日本ペイント株式会社 | アルミニウム又はその合金の表面処理剤及び処理浴 |
| JP2506924B2 (ja) * | 1988-04-20 | 1996-06-12 | 日本パーカライジング株式会社 | アルミニウム製熱交換器 |
| US5089064A (en) * | 1990-11-02 | 1992-02-18 | Henkel Corporation | Process for corrosion resisting treatments for aluminum surfaces |
| JP2731988B2 (ja) * | 1991-06-12 | 1998-03-25 | 日本ペイント株式会社 | 親水性表面処理剤、親水性表面処理浴、及び親水性表面処理方法 |
| JPH06172777A (ja) * | 1992-12-04 | 1994-06-21 | Nippon Parkerizing Co Ltd | 親水性皮膜および潤滑皮膜を有するアルミニウム含有金属材料 |
| DE69421193T2 (de) * | 1993-11-29 | 2000-08-24 | Henkel Corp., Plymouth Meeting | Mittel und Verfahren zur Metallbehandlung |
-
1996
- 1996-06-14 JP JP8153577A patent/JPH101783A/ja active Pending
-
1997
- 1997-06-05 US US08/869,771 patent/US5962145A/en not_active Expired - Fee Related
- 1997-06-10 CA CA002207534A patent/CA2207534A1/en not_active Abandoned
- 1997-06-11 EP EP97109477A patent/EP0812934A1/en not_active Withdrawn
- 1997-06-13 KR KR1019970024597A patent/KR100503118B1/ko not_active IP Right Cessation
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| KR980002302A (ko) | 1998-03-30 |
| US5962145A (en) | 1999-10-05 |
| CA2207534A1 (en) | 1997-12-14 |
| KR100503118B1 (ko) | 2005-10-06 |
| EP0812934A1 (en) | 1997-12-17 |
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