JPH086064B2 - 親水性表面処理剤及び処理方法 - Google Patents

親水性表面処理剤及び処理方法

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JPH086064B2
JPH086064B2 JP26397187A JP26397187A JPH086064B2 JP H086064 B2 JPH086064 B2 JP H086064B2 JP 26397187 A JP26397187 A JP 26397187A JP 26397187 A JP26397187 A JP 26397187A JP H086064 B2 JPH086064 B2 JP H086064B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は熱交換器フィンの親水性表面処理剤及び表面
処理方法に関し、更に詳しくは熱交換器用のアルミニウ
ム製プレコートフィンに耐食性、耐アルカリ性及び親水
性を有する皮膜を形成せしめる親水性表面処理剤及び表
面処理方法に関する。
〔従来の技術〕
アルミニウムやその合金は軽量で且つ優れた加工性お
よび熱伝導性を有し、熱交換器に広く利用されている。
空調システムの普及に伴って冷房、除湿及び冷暖房兼用
型空調機が増加し、これらの空調機の熱交換部に一般に
アルミニウム合金製フィンが使用されている。
空調機の冷房運転時に空気中の水分はフィン表面に凝
縮水として付着する傾向がある。これを防止するために
フィン方面を撥水性にすることが考えられるが、そうす
ると凝縮水はフィン上に半球状に付着したり、フィン間
にブリッジ状に存在することになり、空気のスムーズな
流れを防げ、通風抵抗を増大させる。このようにフィン
表面を撥水性にすることは逆に熱交換率を低下させるこ
とになる。
一方、アルミニウムやその合金は本来耐食性に優れて
いるが、凝縮水がフィン方面に長期間滞留すると、酸素
濃淡電池に形成あるいは大気中汚染成分が次第に付着、
濃縮されて水和反応や腐食反応が促進される。この腐食
生成物はフィン表面に堆積し、熱交換特性を害すること
は勿論であるが、冬期の暖房運転時には、白い微粉とな
って送風機により温風と共に排出される。
そこで、これらの問題点を改善するため、フィン耐食
性を向上させると同時に、その表面の親水性をも増大さ
せることを目的として、上記両性質を兼備する皮膜をフ
ィン表面に形成する試みがなされている。
かかる方法は無機質皮膜を形成させる方法と有機質皮
膜を形成させる方法とに大別される。無機質皮膜を形成
させる方法としては、例えばクロメート系化成処理によ
り耐食性皮膜を付与した後、その上にベーマイト系(特
開昭56−108071号)あるいはケイ酸塩系(特開昭56−13
078号及び同50−38645号)の親水性皮膜を形成させる方
法等がある。しかしながら、かかる無機質皮膜は耐食性
に優れているが、親水性が必ずしも十分ではない。また
ケイ酸塩系処理の場合には、シリカ特有の臭気を空調機
から発して不快感があり、またプレコート処理に適用し
た場合は、カット時に皮膜にクラックが入って耐食性が
低下したり、裁断時の工具摩耗が著しいという欠点があ
る。
一方、有機質皮膜を形成させる方法としては、例えば
水溶性あるいは水分散性高分子樹脂にシリカ微粒子を配
合した水溶液を塗布した後、加熱硬化させて親水性皮膜
を形成する方法(特開昭55−99976号、同53−125437
号、同55−164264号)が代表的である。しかしシリカ微
粒子を含有しているため、プレコート処理に適用した場
合は、カット時に皮膜にクラックが入って耐食性が低下
し、また裁断時の工具摩耗が著しい。その上親水性がや
や劣り、更に軽微ながらシリカ特有の臭気を空調機から
発し、不快感があるという問題がある。なお、特開昭55
−164264号には水溶性メラミン、アルキド、ポリエステ
ル、アクリルを同一の目的に用いることが記載されてい
るが、その性能はまだ十分ではない。
さらに特開昭62−105629号はアルミニウム薄板の表面
に耐食性皮膜として水溶性アルキル樹脂又は水溶性ウレ
タン樹脂からなる有機皮膜、若しくはクロメート皮膜、
ベーマイト皮膜又は陽極酸化皮膜からなる無機皮膜を形
成し、その上に親水性被覆層として水溶性セルロース樹
脂又はポリビニルアルコールの1種又は2種からなる有
機化合物と、メラミン樹脂等の有機硬化剤とからなる皮
覆を形成した熱交換器フィン剤を開示している。
しかしながらこの親水性皮膜も親水性や耐水溶解性が
不十分である。
〔発明が解決しょうとする問題点〕
以上の通り従来の熱交換器フィンの表面処理技術で
は、十分な親水性及び耐食性を有するとともに良好な膜
強度を有し、臭気のない皮膜を得ることができない。
そこで、本出願人は先にカルボキシメチルセルロース
のナトリウム塩及び/又はカリウム塩5〜25重量部と、
カルボキシメチルセルロースのアンモニウム塩25〜50重
量部と、N−メチロールアクリルアミド25〜70重量部と
を含有することを特徴とする親水性表面処理剤を提案し
た(特願昭62−184453)。この親水性表面処理剤は、熱
交換器用プレコートフィンに塗布した場合、親水性、耐
食性、耐水溶解性、耐溶剤性等が良好であり、加工時等
にクラックの発生がなく、かつ不快臭を発生しないとい
う特徴を有する。ここで、熱交換器用プレコートフィン
はフィンに成形加工する前に加工油を塗布し、成形加工
後は溶剤又はアルカリ脱脂液で洗浄され、エアコンに組
み込まれた後は年に1〜2回の頻度でアルカリ洗浄液で
洗浄することがあるので、良好な耐アルカリ性が要求さ
れる。しかしながら、上記先願の親水性表面処理剤は必
ずしも十分な耐アルカリ性を有さず、単独で使用した場
合には皮膜が膨潤したりするので、実際的には下地処理
(2コート)が必要であった。
従って本発明の目的はかかる問題を解決し、上記性質
については先願のものと同程度であるとともに、耐アル
カリ性が一層向上した熱交換器フィン用親水性皮膜を形
成するための表面処理剤及び表面処理方法を提供するこ
とである。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明の親水性表面処理剤は固形分換算でカルボキシ
メチルセルロースのナトリウム塩及び/又はカリウム塩
5〜25重量部と、カルボキシメチルセルロースのアンモ
ニウム塩25〜50重量部と、N−メチロールアルキルアミ
ド25〜70重量部とからなる成分の合計100重量部に対し
て、ポリアクリル酸1.5〜15重量部とジルコニウム化合
物0.4〜4重量部(Zrとして)とを含有することを特徴
とするとする。
また本発明の表面処理方法は脱脂処理を施したアルミ
ニウム材にカルボキシメチルセルロースのナトリウム塩
及び/又はカリウム塩5〜25重量部と、カルボキシメチ
ルセルロースのアンモニウム塩25〜50重量部と、N−メ
チロールアクリルアミド25〜70重量部とからなる成分の
合計100重量部に対して、ポリアクリル酸1.5〜15重量部
とジルコニウム化合物0.4〜4重量部(Zrとして)とを
含有する親水性表面処理剤で処理することを特徴とす
る。
一般にナトリウム塩、カリウム塩及びアンモニウム塩
として使用するカルボキシメチルセルロースとしては重
合度30〜800のものを使用する。重合度が30未満である
と耐水溶解性が低く、また800を越えると高粘度にな
り、作業性が低下する。好ましい重合度は80〜500であ
る。
カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩及びカリ
ウム塩は親水性を付与する作用を有する。この作用を有
効に発揮するためには親水性表面処理剤中におけるカル
ボキシメチルセルロースのナトリウム塩及び/又はカリ
ウム塩の量は5〜25重量部である。5重量部未満だと親
水性(水の接触角で表わす)が低く、25重量部を越える
と臭気の問題が生じる。好ましい含有量は9〜16重量部
である。
カルボキシメチルセルロースのアンモニウム塩は臭気
を低下させる作用を有する。この作用を有効に発揮する
ために親水性表面処理剤中におけるカルボキシメチルセ
ルロースのNH4塩の含有量は25〜50重量部であり、25重
量部未満だと臭気抑制効果が不十分であり、50重量部を
越えると親水性が低下する。好ましい含有量は30〜45重
量部である。
カルボキシメチルセルロースのNa塩及び/又はK塩と
NH4塩との比率は重量で0.1:1〜1:1である。Na塩及び/
又はK塩がNH4塩の0.1未満であると親水性が不十分であ
り、逆に1を越えると臭気抑制効果が不十分となる。Na
塩及び/又はK塩/NH4塩の好ましい配合比は0.2〜0.53
である。
N−メチロールアクリルアミドは親水性皮膜の密着性
を向上させるとともに耐水溶解性を向上させる作用を有
する。N−メチロールアクリルアミドの含有量は25〜70
重量部であり、25重量部未満だと皮膜の密着性(造膜
性)及び耐水溶解性が不十分であり、70重量部を越える
と親水性が低下する。なおN−メチロールアクリルアミ
ドに対するカルボキシメチルセルロースのNa塩及び/又
はK塩とNH4塩との合計の比率は0.43〜3.0であり、0.43
未満だと親水性が不十分であり、3.0を越えると造膜性
及び耐水溶解性に劣る皮膜が形成される。好ましい比率
は0.64〜1.56である。
ポリアクリル酸は、耐アルカリ性及び耐食性の向上に
寄与する。ポリアクリル酸の含有量は、カルボキシメチ
ルセルロースのナトリウム塩及び/又はカリウム塩、カ
ルボキシメチルセルロースのアンモニア塩及びN−メチ
ロールアクリルアミドの合計100重量部に対して1.5〜15
重量部である。1.5重量部未満だと耐食性向上効果が不
十分であり、15重量部を越えると親水性が低下する。好
ましい含有量は2〜8重量部である。なお、本発明にお
いてポリアクリル酸は〔CH2CH−COOH〕により表され
る構造単位からなるものに限られず、メチル基等の置換
基を有するものも包含する。
ジルコニウム化合物としては、酸化物、ハロゲン化
物、酸素酸塩、有機酸塩又は錯塩で水溶性であり、かつ
処理液中で安定なものを単独で又は2種以上組合わせて
使用する。具体的には、ZrO2、ZrO2・xH2O、M2ZrO3(ジ
ルコニウム酸塩)、ZrO3・2H2O、K4ZrO4・2H2O2・2H2O
(ペリオクソジルコニウム酸塩)等の酸化物及びその関
連化合物、ZrCl2、ZrBr2、ZrI2、ZrCl3、ZrBr3、ZrI3
ZrF4、ZrCl4、ZrBr4、ZrI4、ZrOCl2・8H2O、Zr2O3Cl2
のハロゲン化物、Zr(NO3・5H2O、ZrO(NO3・2
H2O、Zr(SO4、Zr(SO4・4H2O、ZrO(SO4)、Z
rO(H2PO4、ZrP2O7、ZrSiO4、ZrCO4・ZrO2・8H2O
(塩基性炭酸ジルコニウム)等の酸素酸塩、Zr(CH3C
O2、ZrO(CH3CO2等の有機酸塩、M2〔ZrF6
(ヘキサフルオロジルコニウム酸塩)、M4〔ZrF8〕(オ
クタフルオロジルコニウム(IV)酸塩)、M4〔Zr(C
2O4〕(テトラオクサラトジルコニウム(IV)酸
塩)、(C5H52ZrBr2等の錯塩が使用可能である。特に
好ましいジルコニウム化合物は、錯塩ではヘキサフルオ
ロジルコニウム塩、オクタフルオロジルコニウム塩、テ
トラオクサラトジルコニウム塩等、また酸素酸塩では塩
基性炭酸ジルコニウム、硝酸ジルコニウム、硫酸ジルコ
ニウム等である。
上記ジルコニウム化合物の含有量はZrとしてカルボキ
シメチルセルロースのナトリウム塩、及び/又はカリウ
ム塩、カルボキシメチルセルロースのアンモニウム塩、
及びN−メチロールアクリルアミドの合計100重量部に
対して0.4〜4重量部である。0.4重量部未満だと耐アル
カリ性及び耐食性向上効果が不十分であり、4重量部を
越えると処理液粘度が上昇し、塗布作業が困難となる。
好ましくは0.6〜2重量部である。
ポリアクリル酸とジルコニウム化合物は相乗効果を有
し、所定の割合で複合添加することにより大きな効果が
得られる。一般にポリアクリル酸/ジルコニウム化合物
の比率は、重量で0.375〜37.5であるのが好ましく、こ
の範囲内において耐食性、耐アルカり性の向上効果が大
きい。好ましいポリアクリル酸/ジルコニウム化合物の
比率は1.0〜13.3である。
本発明の親水性表面処理剤は上記必須成分以外に、界
面活性剤、防カビ剤、防腐剤、フッ酸等を含有してもよ
い。
界面活性剤としてノニオン系、カチオン系及びアニオ
ン系があるが、親水性持続性及び塗布作業性の観点から
アニオン系が好ましい。アニオン系界面活性剤として、
アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフ
ェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、アルキルナフ
タレンスルホン酸ナトリウム、ナフタレンスルホン酸−
ホルマリン縮合物のナトリウム塩等を使用することがで
きる。アニオン系界面活性剤の添加量は1〜10重量部で
あり、1重量部未満だと添加効果が不十分であり、10重
量部を超えると耐水溶解性が低下する。
防かび剤及び防腐剤として第4級アンモニウム塩、含
窒素硫黄化合物、含ハロゲン窒素硫黄化合物、1,2−ベ
ンズイソチアゾリン−3−オン(BIT)、有機ヨウ素系
化合物、ベンズイミダゾール系化合物等を使用すること
ができる。添加量は0.15〜1.5重量部であるのが好まし
い。
フッ酸は、脱脂後耐食性皮膜を形成せずに直線親水化
処理を施す場合、造膜性を向上し、耐食性、耐アルカリ
性を向上する作用がある。添加量は親水性被膜が乾燥皮
膜で0.05〜0.5g/m2になるように濃度調整された処理液
中2.5〜100ppmである。2.5ppm未満では効果がなく、100
ppmを超えてもそれに見合う効果の向上がない。
次に本発明の表面処理方法を説明する。親水性表面処
理剤による皮膜を形成する前に、まず脱脂処理を行う。
脱脂処理としては、トリクロルエチレン、パークロルエ
チレン、ガソリン、ノルマルヘキサン等による溶剤脱脂
と、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリ
ウム、リン酸ナトリウム等のアルカリ溶液によるアルカ
リ脱脂のいずれでもよい。
脱脂処理したアルミニウム剤に親水性表面処理剤を直
接塗布することができるが、より高い耐食性、耐アルカ
リ性を要求する場合には脱脂後化成処理により耐食性皮
膜を形成する。耐食性皮膜はクロメート処理により得る
ことができる。クロメート処理は無水クロム酸と硫酸、
硝酸、フッ酸、リン酸等に添加剤を加えて調整された処
理液により行う。無機酸としてリン酸を使用するリン酸
クロメート系と、その他の酸を用いるクロミウムクロメ
ート系とがあるが、後者の方が耐食性が良好である。ク
ロメート処理は処理液中への浸漬や、処理液のスプレー
等により行うことができるが、複雑な形状の熱交換器の
フィンに対しては浸漬法が簡便で好ましい。クロメート
処理により得られる耐食性被膜はCr量で3〜50mg/m2
ある。3mg/m2未満だと耐食性が不十分であり、50mg/m2
を越えると親水性皮膜との反応が起こって親水性が低下
する。耐食性皮膜を形成したアルミニウム材料は水洗す
る。水洗は流水により10〜30秒程度行うのが好ましい。
また樹脂処理後フェノール樹脂系、エポキシ樹脂系等
のプライマー塗装を施すことにより一層良好な耐食性を
付与することができ、例えば、これにはレゾール型水溶
性フェノール樹脂(フェノールとホルマリンとのアルカ
リ触媒下での初期重合物)が好ましく、群栄化学(株)
のレヂトップPL−2761,PL−2717や荒川化学(株)のタ
マノール721,722等を使用することができる。フェノー
ル系プライマーはフェノール樹脂の他にメラミン樹脂を
含有してもよい。メラミン樹脂としてはメチル化、エチ
ル化及び/又はブチル化した水溶性はメラミン樹脂が好
ましく、含有量はフェノール樹脂50〜100重量%に対し
て50重量%以下である。その他に折曲げ加工性等の加工
性や塗布作業性を向上するためにアクリル系樹脂等を混
合することができる。フェノール樹脂系プライマーは塗
布後180〜280℃の温度で10秒〜1分間焼付けを行う。塗
膜は0.5〜2g/m2の範囲が好ましく、0.5g/m2未満だと耐
食性が不十分であり、2g/m2を超えると熱交換率が低下
するだけでなく、コスト高になる。
以上の脱脂処理を施したアルミニウム材上に直接、又
は下地処理層を介して親水性表面処理剤を塗布する。こ
れにはロールコート法、浸漬法、スプレー法、刷毛塗り
法等が可能である。例えばロールコート法による場合、
塗布後150〜240℃で10秒〜1分間乾燥することにより親
水性皮膜を得る。親水性皮膜の膜厚は0.05〜05g/m2であ
り、0.05g/m2未満であると親水性が不十分であり、0.5g
/m2を超えるとコスト高になると同時に、それに見合う
効果の向上が得られない。
〔実 施 例〕
本発明を以下の実施例によりらに詳細に説明する。
実施例1〜10 アルミニウム板を脱脂後、第1表に示す組成のカルボ
キシメチルセルロースのナトリウム塩及びアンモニウム
塩、及びN−メチロールアクリルアミドを含有する親水
性表面処理剤をバーコート法で塗布し、240℃で30秒間
乾燥することにより親水性皮膜を形成した。親水性皮膜
の膜厚は0.2g/m2であった。なお上記親水性表面処理剤
は界面活性剤としてアルキルジフェニルエーテルジスル
ホン酸ナトリウムを上記必須成分の合計100重量部に対
して5重量部の割合で含有し、かつ防カビ剤としてベン
ズイミダゾール系化合物及び含窒素硫黄系化合物を各0.
25重量部の割合で、またフッ酸を、乾燥皮膜重量が0.2g
/m2になるように濃度調整された処理在中で25ppmとなる
割合でそれぞれ含有していた。
得られた各親水性皮膜に対して、下記の通り臭気試
験、耐水溶解性試験、水の接触角(親水性)試験、耐食
性試験及び耐アルカリ性試験を行った。
(1)臭気試験 各親水性皮膜形成アルミニウム板(以下単にサンプル
という)を直接嗅ぐことにより臭気試験を行った。評価
基準は下記の通りである。
◎:全く臭気を感じない ○:ほとんど臭気を感じない △:明らかに臭気を感じる ×:強い臭気を感じる (2)耐水溶解性 各サンプルを24時間水道水に浸漬し、浸漬前後の皮膜
量から下記式により水溶解率を求めた。
水溶解率=[(初期皮膜量−24時間浸漬後の皮膜量) ÷初期皮膜量]×100 耐水溶解性の評価基準は以下の通りである。
水溶解率 ◎:10%未満 ○:10%以上30%未満 △:30%以上50%未満 ×:50%以上 (3)水接触角試験(親水性持続性試験) 各サンプルを17時間流水(流水量5/時間、水道
水)に当て、7時間80℃で乾燥することからなるサイク
ルを5回繰り返した後で、乾燥した親水性皮膜に対して
下記の通り水滴の接触角測定を行った。
水滴の接触角測定 サンプルを水平にし、純水5mlを滴下し、ゴニオメー
タにより接触角を測定した。接触角の評価基準は以下の
通りである。
接触角 ◎:20゜未満 ○:20゜以上30゜未満 △:30゜以上40゜未満 ×:40゜以上 (4)耐食性試験 各サンプルに対してJIS−Z−2371に基づき塩水噴霧
試験(SST)を500時間行い、その後平面部における白錆
発生の面積率で耐食性を評価した。
白錆発生面積率 ◎:0 ○:0%を超え10%未満 △:10%以上50%未満 ×:50%以上 (5)耐アルカリ性試験 各サンプルをアルカリ洗浄剤としてリドリン53(日本
ペイント(株)製)脱脂液中に下記の条件で浸漬し、水
道水で10秒間洗浄した後、浸漬前後の皮膜を観察比較し
た。
洗浄条件 リドリン53濃度:3.0重量% 浸漬濃度:70℃ 浸漬時間:3分間 皮膜外観の評価基準は以下の通りである。
◎:全く膨潤がない ○:ほとんど膨潤がない △:膨潤している ×:部分的に剥離あり 結果を第2表に示す。
実施例11〜13 実施例1と同様にして脱脂したアルミニウム板に、ア
ロヂン407/47によりCr量がそれぞれ3mg/m2、20mg/m2
び50mg/m2のリン酸クロメート系皮膜を形成し、その上
に実施例1と同じ組成の親水性皮膜を形成した。試験結
果をそれぞれ第2表に示す。
実施例14〜16 実施例11〜13においてそれぞれアロヂン407/47の代わ
りにクロミウムクロメート系化成処理剤としてアロヂン
600を使用して、Cr量がそれぞれ3mg/m2、20mg/m2及び50
mg/m2のクロメート系皮膜を形成し、その上に実施例11
〜13と同じ組成の親水性皮膜を形成した。試験結果をそ
れぞれ第2表に示す。
実施例17,18 実施例1と同様にして脱脂したアルミニウム板に、フ
ェノール樹脂系プライマー塗料としてNPアルコート450
(日本ペイント(株)製)を塗布・焼付けし、膜厚がそ
れぞれ0.5g/m2及び2.0g/m2のプライマーを形成した。次
いで実施例1と同じ組成の親水性表面処理剤により膜厚
0.2g/m2の親水性皮膜を形成した。得られた親水性皮膜
に対して上記と同じ試験を行った。結果を第2表に示
す。
実施例 19 実施例1においてカルボキシメチルセルロースのナト
リウム塩の代わりにカリウム塩を用いた以外同様にして
親水性皮膜を形成した。得られた親水性皮膜について同
じ試験を行った結果、臭気は◎、耐水溶解性◎、水の接
触角は◎、耐食性は○及び耐アルカリ性は◎であった。
比較例1〜6 実施例1と同様にして脱脂したアルミニウム板上に、
第3表に示す組成の親水性表面処理剤により親水性皮膜
を形成した。得られた各サンプルの親水性皮膜に対し
て、実施例1と同じ試験を行った。結果を第4表に示
す。
〔発明の効果〕 以上の通り本発明の親水性表面処理剤により形成した
親水性皮膜は良好な親水性、対水溶解性を有するのみな
らず臭気が著しく抑制されており、また耐食性及び耐ア
ルカリ性も良好であるので、熱交換器用アルミニウム製
フィン材等の親水化処理に好適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08K 3/16 5/20 C08L 1/26 LAM LAN C09D 5/08 PQC //(C08L 1/26 33:02)

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】固形分換算でカルボキシメチルセルロース
    のナトリウム塩及び/又はカリウム塩5〜25重量部と、
    カルボキシメチルセルロースのアンモニウム塩25〜50重
    量部と、N−メチロールアクリルアミド25〜70重量部と
    からなる成分の合計100重量部に対して、ポリアクリル
    酸1.5〜15重量部とジルコニウム化合物0.4〜4重量部
    (Zrとして)とを含有することを特徴とする親水性表面
    処理剤。
  2. 【請求項2】特許請求の範囲第1項に記載の親水性表面
    処理剤において、カルボキシメチルセルロースのアンモ
    ニウム塩に対するカルボキシメチルセルロースのナトリ
    ウム塩及び/又はカリムウ塩の比率が重量で0.1〜1.0で
    あることを特徴とする親水性表面処理剤。
  3. 【請求項3】特許請求の範囲第1項又は第2項に記載の
    親水性表面処理剤において、N−メチロールアクリルア
    ミドに対するカルボキシメチルセルロースのナトリウム
    塩及び/又はカリウム塩とカルボキシメチルセルロース
    のアンモニウム塩との合計の比率が重量で0.43〜3.0で
    あることを特徴とする親水性表面処理剤。
  4. 【請求項4】特許請求の範囲第1項乃至第3項のいずれ
    かに記載の親水性表面処理剤において、ジルコニウム化
    合物(Zrとして)に対するポリアクリル酸の比率が重量
    で0.375〜37.5であることを特徴とする親水性表面処理
    剤。
  5. 【請求項5】特許請求の範囲第1項に記載の親水性表面
    処理剤において、カルボキシメチルセルロースのナトリ
    ウム塩及び/又はカリウム塩9〜16重量部とカルボキシ
    メチルセルロースのアンモニウム塩30〜45重量部とN−
    メチロールアクリルアミド25〜75重量部との合計100重
    量部に対して、ポリアクリル酸2〜8重量部とジルコニ
    ウム化合物0.6〜2重量部とを含有することを特徴とす
    る親水性表面処理剤。
  6. 【請求項6】特許請求の範囲第5項に記載の親水性表面
    処理剤において、カルボキシメチルセルロースのアンモ
    ニウム塩に対するカルボキシメチルセルロースのナトリ
    ウム塩及び/又はカリウム塩の比率が重量で0.2〜0.53
    であり、N−メチロールアクリルアミドに対するカルボ
    キシメチルセルロースのナトリウム塩及び/又はカリウ
    ム塩とカルボキシメチルセルロースのアンモニウム塩と
    の合計の比率が重量で0.64〜1.56であることを特徴とす
    る親水性表面処理剤。
  7. 【請求項7】特許請求の範囲第4項に記載の親水性表面
    処理剤において、ジルコニウム化合物(Zrとして)に対
    するポリアクリル酸の比率が重量で1.0〜13.3であるこ
    とを特徴とする親水性表面処理剤。
  8. 【請求項8】脱脂処理を施した後にカルボキシメチルセ
    ルロースのナトリウム塩及び/又はカリウム塩5〜25重
    量部と、カルボキシメチルセルロースのアンモニウム塩
    25〜50重量部と、N−メチロールアクリルアミド25〜70
    重量部とからなる成分の合計100重量部に対して、ポリ
    アクリル酸1.5〜15重量部とジルコニウム化合物0.4〜4
    重量部(Zrとして)とを含有する親水性表面処理剤で処
    理することを特徴とするアルミニウム材の表面処理方
    法。
  9. 【請求項9】特許請求の範囲第8項に記載の方法におい
    て、前記親水性表面処理剤の付着量が0.05〜0.5g/m2
    あることを特徴とする方法。
  10. 【請求項10】脱脂後下地処理を施した上にカルボキシ
    メチルセルロースのナトリウム塩及び/又はカリウム塩
    5〜25重量部と、カルボキシメチルセルロースのアンモ
    ニウム塩25〜50重量部と、N−メチロールアクリルアミ
    ド25〜70重量部とからなる成分の合計100重量部に対し
    て、ポリアクリル酸1.5〜15重量部とジルコニウム化合
    物0.4〜4重量部(Zrとして)とを含有する親水性表面
    処理剤で処理することを特徴とするアルミニウム材の表
    面処理方法。
  11. 【請求項11】特許請求の範囲第10項に記載の方法にお
    いて、前記下地処理としてクロメート系化成処理を施す
    ことを特徴とする方法。
  12. 【請求項12】特許請求の範囲第11項に記載の方法にお
    いて、前記化成処理をリン酸クロメート系又はクロミウ
    ムクロメート系化成処理剤を用いて行うことを特徴とす
    る方法。
  13. 【請求項13】特許請求の範囲第12頁に記載の方法にお
    いて、前記クロメート系化成処理剤のCr量が3〜50mg/m
    2であることを特徴とする方法。
  14. 【請求項14】特許請求の範囲第10項に記載の方法にお
    いて、前記下地処理として樹脂系プライマー塗装を施す
    ことを特徴とする方法。
  15. 【請求項15】特許請求の範囲第10項乃至第14項のいず
    れかに記載の方法において、前記親水性表面処理剤の付
    着量が0.05〜0.5g/m2であることを特徴とする方法。
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