JP2011085290A - 熱交換器、ならびに、当該熱交換器用管材及びフィン材 - Google Patents

熱交換器、ならびに、当該熱交換器用管材及びフィン材 Download PDF

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Abstract

【課題】耐久寿命に優れたAl製熱交換器用の管材及びフィン材、ならびに、この管材とフィン材とを用いた熱交換器を提供する。
【解決手段】Al合金からなる心材と前記心材の外面にAl又はAl合金からなるクラッド層とを備える管材と、Al合金からなるフィン材とを拡管接合した熱交換器であって、前記芯材より前記クラッド層の孔食電位が卑であり、かつ、前記フィン材が管材のクラッド層よりも孔食電位が卑であることを特徴とする熱交換器、ならびに、当該熱交換器用管材及びフィン材。
【選択図】なし

Description

本発明は、空気と冷媒間で熱交換を行う熱交換器、ならびに、これに用いる管材及びフィン材に関し、空気側の耐久寿命を向上させた、特にルームエアコンに用いる熱交換器、管材及びフィン材に関する。
従来、ルームエアコンの熱交換器は、Cu製の押出し管を冷媒管とし、Al製フィン材と拡管接合されることにより作製されていた。近年、エアコンのリサイクルの観点からCu製の管をAl製に替える動きがある。Cuに比べAlは耐食性が劣るため、Al製の管を用いた場合には耐久寿命が問題となる。
特許文献1には、母材をAl材製とし、外表面はJIS規格H4080−A7072に規定するクラッド処理が施されることで保護被覆層を形成した冷媒管と、この冷媒管が挿通固着されるよう、JIS規格H4000−A1050又はA1100に規定するAl材製で、表面に電気絶縁層がプレコーティングされたフィン材とから成る熱交換器を備えたことを特徴とするアンモニア冷媒冷凍装置が記載されている。
この特許文献では、H4080−7072をクラッド処理した管とフィン材とを電気絶縁することで管の耐食性を向上させているが、フィン材に電気絶縁層がプレコーティングされているために、管とフィン材との接触部で隙間腐食が発生する虞がある。
特開2003−314974号公報
本発明の課題は、耐久寿命に優れたAl製熱交換器、ならびに、これに用いる管材及びフィン材を提供することである。
管材の耐食性を向上させるためには、管材よりも孔食電位の卑なAl又はAl合金を電気的に接合させ、犠牲防食作用によって管材を防食することが有用である。これには管材の外面に孔食電位の卑なAl又はAl合金をクラッドする手法があるが、それだけでは不十分である。本発明者らは、管材外面にクラッドしたAl又はAl合金よりも孔食電位の卑なフィン材を更に使用することで、管材の耐久寿命を大幅に向上できることを見出した。本発明は、この知見に基づきなすに至ったものである。
すなわち、本発明は請求項1において、Al合金からなる心材と当該心材の外面にAl又はAl合金からなるクラッド層とを備える管材と、Al合金からなるフィン材とを拡管接合した熱交換器であって、前記芯材より前記クラッド層の孔食電位が卑であり、かつ、前記フィン材が管材のクラッド層よりも孔食電位が卑であることを特徴とする熱交換器とした。
本発明は請求項2では、請求項1に記載の熱交換器に用いる管材において、前記芯材がSi0.2〜1.0mass%、Cu0.05〜0.7mass%、Mn0.3〜1.5mass%、Fe0.7mass%以下及び残部不可避不純物を含むAl合金からなる熱交換器用管材とした。
本発明は請求項3において、前記クラッド層が純度99.0mass%以上の純Alからなるものとし、請求項4において、前記クラッド層がZn0.2〜2.5mass%と残部不可避不純物を含むAl−Zn合金からなるものとした。
本発明は請求項5では、請求項1に記載の熱交換器に用いるフィン材において、当該フィン材がZn0.3〜3.0mass%と残部不可避不純物を含むAl−Zn合金からなるものとした。本発明は請求項6において、フィン材がプレコーティングされた有機系親水性皮膜を表面に有するようにし、請求項7において、フィン材がプレコーティングされた無機系親水性皮膜を表面に有するようにした。
本発明係るAl製熱交換器、ならびに、これに用いる管材及びフィン材は、耐久寿命に優れる。
A.管材
本発明に係る管材は、Al合金からなる芯材と、その外面に芯材よりも孔食電位の卑なAl又はAl合金のクラッド層とを備える。管材としては、押出し管が好適に用いられる。
A−1.芯材
本発明に係る管材における芯材のSi含有量は、0.2〜1.0mass%の範囲が望ましい。Siは、マトリックスに固溶したり金属間化合物を生成することによって、強度を向上させる元素である。さらに、Siの添加は芯材の電位を貴にして、芯材とクラッド層との電位差を大きくし、管材の耐久寿命を向上させる。このようなSi添加効果を得るためには、0.2mass%以上のSiの含有量とするのが望ましい。一方、過剰にSiが含有すると、単独で晶出したSiにより耐食性を低下させるおそれがある。この過剰なSiの含有による悪影響を回避するために、Si量の上限は1.0mass%とするのが望ましい。Siの含有量は0.3〜0.6mass%が更に望ましい。
本発明に用いる管材の芯材のCu含有量は、0.05〜0.7mass%の範囲とするのが望ましい。Cuは孔食電位を貴にする働きがあり、クラッド層との孔食電位差が大きくなり犠牲防食作用を高めることができる。この効果を得るためには、Cu量を0.05mass%以上とするのが望ましい。一方、材料製造時の熱履歴によって、Al合金中にCu系金属間化合物が析出する。このCu系金属間化合物はカソード反応を促進させるため、腐食速度が増大する。したがって、Cu量の上限は0.7mass%とするのが望ましい。Cuの含有量は0.1〜0.5mass%が更に望ましい。
本発明に用いる管材の芯材のMn含有量は、0.3〜1.5mass%の範囲とするのが望ましい。MnはAl−Mn系金属間化合物として晶出又は析出して強度を向上させる元素である。また、Al−Mn系金属間化合物は、Feを取り込むために後述するFeによる耐食性阻害効果を抑制する働きがある。これらの効果を得るためには、0.3mass%以上のMnを添加するのが望ましい。但し、Mn量が1.5mass%を超えると、巨大な金属間化合物が晶出し、製造性を阻害するおそれがある。したがって、Mn量の上限は1.5mass%とするのが望ましい。Mnの含有量は0.8〜1.3mass%が更に望ましい。
本発明に用いる管材の芯材のFe含有量は、0.7mass%以下とするのが望ましい。Feは鋳造中にFe系金属間化合物として晶出し、耐食性を低下させるおそれがあるため、0.7mass%以下とするのが望ましい。0.4mass%以下とするのが更に望ましく、0.2mass%以下とするのが最も望ましい。
本発明に用いる管材の芯材には、不可避不純物としてMg、Cr、Ti、V、In、Sn等を添加しても良い。これらの元素は、全体で0.3mass%以下とされるのが望ましい。
A−2.クラッド層
本発明に用いる管材外面には、管材の芯材よりも孔食電位の卑な純Al又はAl合金をクラッドしたクラッド層が設けられる。クラッド層の純Al又はAl合金は、管材の芯材よりも孔食電位が卑であるため犠牲防食作用によって管材の芯材を防食し、管材の耐久寿命を向上させることができる。
クラッド層の純Alに含有される不純物元素は、金属間化合物として晶出・析出し、カソード反応を促進するため、腐食速度を増大させる。このため、不純物元素が多いほど腐食速度が大きくなる。この作用を減じるためにはAl純度を高めることが効果的であり、Al純度99.0mass%以上が望ましく、99.5mass%以上が更に望ましく、99.9mass%以上が最も望ましい。
また、クラッド層にAl−Zn合金を用いることによって孔食電位を大幅に卑にし、大きな犠牲防食作用を得ることもできる。Znは孔食電位を卑にする働きがあり、管の芯材との孔食電位差が大きくなり、犠牲防食作用を高める。この効果を得るためには、Zn含有量が0.2mass%以上であることが望ましい。一方、Zn量が2.5mass%を超えると腐食速度が増大し、犠牲防食層の耐食性が劣化してしまう。したがって、Znの上限は2.5mass%であることが望ましい。Znの含有量は0.4〜1.9mass%が更に望ましい。
A−3.管材の作製
管材は以下のようにして作製される。まず、円筒状の芯材の外面にクラッド層となる皮材スリーブを被せて、組み合わせビレットを作製する。所望のクラッド層厚さになるように、皮材スリーブの厚さを選定する。次いで、組み合わせビレットを加熱炉で350℃〜600℃に均熱する。次いで、組み合わせビレットをダイスとラムノーズ間に狭持してコンテナ内に挿入し、ダイスとラムノーズを固定した状態で芯材内径より大きな外径をもつマンドレルを圧入し、芯材の内径を拡管して芯材と皮材間の空気を追い出す。更に、マンドレルを所定の位置に固定して、ホローシステムを前進させダイスを通して組み合わせビレットを押し出し、継ぎ目無しの中空管材とするものである。最後に、抽伸工程を経て所定の外径と内径を有するクラッド管を作製する。
これに代わって、押し出し成形によって芯材管を作製し、その外面にクラッド層を溶射によって形成してもよい。
B.フィン材
本発明に係るフィン材の孔食電位は、管材外面のクラッド層の孔食電位よりも卑とされる。フィン材は、管材外面のクラッド層よりも孔食電位が卑であるため犠牲防食作用によって管材外面のクラッド層及び芯材を防食し、管材の耐久寿命を向上させることができる。Znは孔食電位を卑にする働きがあり、管材外面のクラッド層との孔食電位差が大きくなり、犠牲防食作用を高める。この効果を得るためには、Zn量を0.3mass%以上とするのが望ましい。一方、Zn量が3.0mass%を超えると腐食速度が増大し、犠牲防食層の耐食性が劣化してしまうため、Znの上限は3.0mass%とするのが望ましい。Znの含有量は0.5〜2.0mass%が更に望ましい。
本発明においてフィン材には、不可避不純物としてMg、Cr、Ti、V、In、Sn等を添加しても良い。これらの元素は、全体で0.3mass%以下とされるのが望ましい。
B−1フィン材の作製
フィン材は、上記素材を用いて通常の半連続鋳造を行い、400〜600℃の温度で1〜10時間予備加熱を行い、熱間圧延を行なう。その後、冷間圧延によって所定の板厚まで圧延される。冷間圧延の途中又は冷間圧延後において、1〜2回程度の焼鈍工程を経ても良い。焼鈍工程は、通常はバッチ式の炉を用いて200〜500℃において1〜10時間の条件で行なわれるか、連続式の炉を用いて200〜500℃で行なわれる。これをプレス加工してフィン材を作製する。
B−2.フィン材のプレコーティング
本発明におけるフィン材は、プレコーティングされた有機系又は無機系の親水性皮膜を表面に有することが望ましい。ルームエアコンの冷房運転時にフィン材表面に水滴が付着しフィン材間にブリッジが形成されると、フィン材間を通過する空気等の気体の抵抗が増大し冷却効率が低下する。親水性皮膜をプレコーティングすることによって、フィン材表面の接触角を非常に小さくし、水膜として流下させ水滴形成を防ぎ冷却効率の低下を防止できる。有機系又は無機系の親水性皮膜は、例えば有機系塗料又は無機系塗料を塗布しこれを乾燥することによって形成することができる。
有機系塗料としては、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース等のセルロース系樹脂;アクリルアミド、アクリル酸、アクリル酸エステル等を主体としたアクリル系樹脂;エポキシ系樹脂;が適しており、これらの単独ポリマー、2種以上の混合物、又はこれらの共重合体であってもよい。また、これらの樹脂は自己架橋型のものであってもよく、必要に応じてヘキサブチロールメラミン、ヘキサブチロールメチルメラミンなどのメラミン化合物、エポキシ基を含有する化合物、ブチロール基を付加させた尿素又はイソシアナート基を有する化合物といった硬化剤が添加されていてもよい。なお、有機系塗料の溶媒としては、各成分を溶解又は分散できるものであれば特に制限されるものではなく、例えば水等の水性溶媒、アセトン等のケトン系溶媒、エタノール等のアルコール系溶媒等の溶媒を用いることができる。その中でも水性溶媒が望ましく、水が特に望ましい。塗料溶液中の塗料成分の濃度は、通常、5〜40wt%である。
一方、親水性皮膜の形成に使用される無機系塗料としては、水ガラス、コロイダルシリカ等を主体とする無機系塗料;これらとアクリル樹脂又はポリビニルアルコール等の混合塗料が用いられる。また、ジルコニウム酸等の金属架橋剤が添加されたものであってもよい。なお、無機系塗料の溶媒としては、各成分を溶解又は分散できるものであれば特に制限されるものではなく、例えば水等の水性溶媒、アセトン等のケトン系溶媒、エタノール等のアルコール系溶媒等の溶媒を用いることができる。その中でも水性溶媒が望ましく、水が特に望ましい。塗料溶液中の塗料成分の濃度は、通常、5〜40wt%である。
有機系塗料や無機系塗料のプレコーティング方法としては、フィン材の基板であるアルミニウム合金薄板の表面に、下地処理としてクロメート処理やベイマイト処理などを行って耐食性皮膜(下地皮膜)を形成した後、その耐食性皮膜上に有機系又は無機系の塗料溶液を塗装・焼付けする方法、或いは、耐食性皮膜を設けたアルミニウム合金薄板を有機系又は無機系の塗料溶液中に浸漬する方法が挙げられる。塗装・焼付け方法における焼付条件は、通常、140〜300℃で5〜60秒間焼き付け、室温で乾燥させるものである。一方、浸漬方法では、30℃〜溶媒の沸点附近で10〜200秒間浸漬し、室温で乾燥させるものである。
C.熱交換器の作製
本発明に係る熱交換器は、上述の管材とフィン材とを接合することによって得られる。フィン材は打ち抜き加工、バーリング加工、チューブ挿入を行い、管材とフィン材と組み合わせて、たとえば、拡管用の治具を管材内部に押し込み、液圧拡管によって管材径を広げフィンと密着させ接合する。
以下に、本発明例と比較例に基づいて本発明の実施の形態を具体的に説明する。
本発明例1〜12及び比較例1〜9
表1に、本発明に係る管材を用いた熱交換器の成分を示す。フィン材の成分及び親水性皮膜についても併せて示す。管材のクラッド層は純Al又はAl−Zn合金であり、表1に示す成分の他に不可避不純物を含有する。管材の芯材も、表1に示す成分を含有するAl合金である。フィン材は、表1に示す成分を含有するAl−Zn合金である。
Figure 2011085290
管材は以下のようにして作製した。表1に示す芯材の円筒上の外面にクラッド層となる純Al又はAl−Zn合金の皮材スリーブを被せ、組み合わせビレットを作製した。次いで、これを加熱炉により350℃〜600℃に均熱する。この組み合わせビレットをダイスとラムノーズ間に狭持してコンテナ内に挿入し、ダイスとラムノーズを固定した状態で、芯材内径より大きな外径をもつマンドレルを圧入し、芯材の内径を拡管して芯材と皮材間の空気を追い出した。マンドレルを所定の位置に固定して、ホローシステムを前進させダイスを通して組み合わせビレットを押し出し、継ぎ目無しの中空管材を作製した。次いで、抽伸工程を経て外径φ8mm、内径φ6mm、クラッド率10%のクラッド管を作製した。
上記のようにして作製した管材を用いて、これをフィン材と組み合わせ、管材を液圧拡管し実際の熱交換器に似せたコアを形成した。この熱交換器ミニコアを用い以下の評価を行なった。
(1)自然電位
上記のようにして作製した熱交換器ミニコアの各部位の自然電位を測定した。測定方法は、ASTM G69に準じて行った。溶液は、5%NaClに酸化剤として1M Hが含まれているために、この際に測定される自然電位は孔食電位とほぼ同じ値を示すと考えられる。結果を表2に示す。
Figure 2011085290
表2の測定値から、芯材とクラッド層の自然電位差、及び、クラッド層とフィン材の自然電位差を算出した。結果を表3に示す。ここで、芯材とクラッド層の自然電位差とは、表2に示す芯材の自然電位から同表に示すクラッド層の自然電位を引き算したものである。クラッド層とフィン材の自然電位差とは、表2に示すクラッド層の自然電位から同表に示すフィン材の自然電位を引き算したものである。
Figure 2011085290
比較例1では、芯材よりもクラッド層の自然電位の方が貴であり、比較例2では、クラッド層よりもフィン材の自然電位の方が貴であり、その他の例では、フィン材<クラッド層<芯材の順番に自然電位が貴になった。
(2)腐食試験
作製した熱交換器ミニコアを用い、JIS H8601に準じるCASS試験を2000時間行なった。試験後、コアのフィンを除去し、チューブに付着した腐食生成物を濃硝酸とリン酸−クロム酸混液で除去した後に、フィン下の管の腐食深さを焦点深度法にて測定した。結果を表4に示す。腐食深さが0.40mm未満のものを合格とし、0.40mm以上を不合格とした。
Figure 2011085290
表4から明らかなように、本発明例1〜12では請求項2を満たすので、管材の腐食深さがいずれも0.40mm未満であり、管材の耐食性が合格であった。
比較例1では、管材において芯材よりもクラッド層の自然電位の方が貴であるため腐食深さが深く、管材の耐腐食性に劣った。
比較例2では、管材のクラッド層よりもフィン材の自然電位の方が貴であるため腐食深さが深く、管材の耐腐食性に劣った。
比較例3では、芯材のSi含有量が少な過ぎたために、芯材とクラッド層との電位差が小さくなり過ぎた。その結果、腐食深さが深く、管材の耐腐食性に劣った。
比較例4では、芯材のSi含有量が多過ぎたために、多量のSiが晶出した。その結果、腐食深さが深く、管材の耐腐食性に劣った。
比較例5では、芯材のFe含有量が多過ぎたために、多量のFe系金属間化合物が晶出した。その結果、腐食深さが深く、管材の耐腐食性に劣った。
比較例6では、芯材のCu含有量が少な過ぎたために、芯材とクラッド層との電位差が小さ過ぎた。その結果、腐食深さが深く、管材の耐腐食性に劣った。
比較例7では、芯材のCu含有量が多過ぎたために、多量のCu系金属間化合物が析出した。その結果、腐食深さが深く、管材の耐腐食性に劣った。
比較例8では、芯材のMn含有量が少な過ぎたために、Feの耐食性阻害効果の抑制が十分でなかった。その結果、腐食深さが深く、管材の耐腐食性に劣った。
比較例9では、芯材のMn含有量が多過ぎたために、多量のMn系金属間化合物が析出した。その結果、腐食深さが深く、管材の耐腐食性に劣った。
本発明例13〜22及び比較例10〜13
表5に、本発明に係るフィン材を用いた熱交換器の成分を示す。管材の成分についても併せて示す。
Figure 2011085290
フィン材の作製では、Al鋳塊の両面を10mmずつ面削し、総厚さが550mmとなるようにした。次いで、500℃で6時間の予備加熱を行い、熱間圧延により板厚5mmまで圧延し、更に板厚0.1mmまで冷間圧延を行い、350℃で3時間の最終焼鈍を施した。このようにして、所定のZn含有量のAl基材を得、これをコルゲート加工してフィン材を成形した。
親水性皮膜を塗布する場合には、Al基材に脱脂処理を施した後、水洗、乾燥を行なった。その後、塗布型クロメート液を基材表面に塗布し、焼付け乾燥を行なった。このようにして基材表面に塗布型クロメート皮膜を形成した後、その塗布型クロメート皮膜上に有機系塗料としてアクリル系塗料、或いは、無機系塗料として水ガラス系塗料を塗布し、プレコーティングフィン材とした。なお、有機系塗料の溶媒は水性溶媒であり、塗料溶液中の塗料成分の濃度は、20wt%であった。一方、無機系塗料の溶媒は水性溶媒であり、塗料溶液中の塗料成分の濃度は、20wt%であった。コーティング方法としては、有機系塗料、無機系塗料のいずれの場合にも浸漬法を採用し、25℃の塗料中に60秒間浸漬し、室温で乾燥した。
上記のようにして作製したフィンを用いて、これを管材と組み合わせ、管材を液圧拡管し実際の熱交換器に似せたコアを形成した。この熱交換器ミニコアを用い実施例1と同様にして、熱交換器ミニコアの各部位の自然電位を測定した。結果を表6に示す。
Figure 2011085290
表6の測定値から、芯材とクラッド層の自然電位差、及び、クラッド層とフィン材の自然電位差を算出した。結果を表7に示す。比較例10では、熱交換器に用いた管材の芯材よりもクラッド層の自然電位の方が貴であり、比較例11では、クラッド層よりもフィン材の自然電位の方が貴であり、その他の例では、フィン材<クラッド層<芯材の順番に自然電位が貴になった。
Figure 2011085290
作製した熱交換器ミニコアを用い、上記管材の場合と同様にしてJIS H8601に準じるCASS試験を2000時間行なった。結果を表8に示す。腐食深さが0.40mm未満のものを合格とし、0.40mm以上を不合格とした。
Figure 2011085290
表8から明らかなように、本発明例13〜22では請求項5を満たすので、管材の腐食深さがいずれも0.40mm未満であり、管材の耐食性が合格であった。
比較例10では、管材において芯材よりもクラッド層の自然電位の方が貴であるため腐食深さが深く、管材の耐腐食性に劣った。
比較例11では、管材のクラッド層よりもフィン材の自然電位の方が貴であるため腐食深さが深く、管材の耐腐食性に劣った。
比較例12では、フィン材のZn含有量が少な過ぎたために、犠牲防食効果が不十分となった。その結果、腐食深さが深く、管材の耐腐食性に劣った。
比較例13では、フィン材のZn含有量が多過ぎたために、腐食速度が増大した。その結果、腐食深さが深く、管材の耐腐食性に劣った。
このように本発明によって、耐久寿命に優れたAl製熱交換器、ならびに、これに用いられる管材及びフィン材を提供できる。

Claims (7)

  1. Al合金からなる心材と当該心材の外面にAl又はAl合金からなるクラッド層とを備える管材と、Al合金からなるフィン材とを拡管接合した熱交換器であって、
    前記芯材より前記クラッド層の孔食電位が卑であり、かつ、前記フィン材が管材のクラッド層よりも孔食電位が卑であることを特徴とする熱交換器。
  2. 請求項1に記載の熱交換器に用いる管材において、前記芯材がSi0.2〜1.0mass%、Cu0.05〜0.7mass%、Mn0.3〜1.5mass%、Fe0.7mass%以下及び残部不可避不純物を含むAl合金からなる熱交換器用管材。
  3. 前記クラッド層が純度99.0mass%以上の純Alからなる、請求項2に記載の熱交換器用管材。
  4. 前記クラッド層がZn0.2〜2.5mass%と残部不可避不純物を含むAl−Zn合金からなる、請求項2に記載の熱交換器用管材。
  5. 請求項1に記載の熱交換器に用いるフィン材において、当該フィン材がZn0.3〜3.0mass%と残部不可避不純物を含むAl−Zn合金からなる熱交換器用フィン材。
  6. 前記フィン材がプレコーティングされた有機系親水性皮膜を表面に有する、請求項5に記載の熱交換器用フィン材。
  7. 前記フィン材がプレコーティングされた無機系親水性皮膜を表面に有する、請求項5に記載の熱交換器用フィン材。
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