JP6738667B2 - 大気環境における耐食性に優れるアルミニウム合金製熱交換器及びアルミニウム合金製熱交換器の製造方法 - Google Patents
大気環境における耐食性に優れるアルミニウム合金製熱交換器及びアルミニウム合金製熱交換器の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6738667B2 JP6738667B2 JP2016123914A JP2016123914A JP6738667B2 JP 6738667 B2 JP6738667 B2 JP 6738667B2 JP 2016123914 A JP2016123914 A JP 2016123914A JP 2016123914 A JP2016123914 A JP 2016123914A JP 6738667 B2 JP6738667 B2 JP 6738667B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- aluminum alloy
- brazing
- less
- heat exchanger
- fin
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Prevention Of Electric Corrosion (AREA)
- Heat-Exchange Devices With Radiators And Conduit Assemblies (AREA)
Description
(1.1)ブレージングシートの心材の成分
上記の通り、フィンを構成するブレージングシートの心材は、Mn、Znを含有し、残部Al及び不可避不純物からなる。また、その他の選択的添加元素として、Si、Fe、Cu、Mg、Ti、Zr、Cr、Vの1種以上を含むことができる。以下、各成分の含有量及び作用について説明する。
Mnは、Al−Mn系金属間化合物として晶出または析出し、ろう付後の強度の向上に寄与する。さらに、Al−Mn−Si化合物を形成してマトリックス中へのSi固溶度を低くし、マトリックスの融点を向上させる。Mnの含有量が0.5%未満ではその効果が小さく、2.0%を超えると、粗大なAl−Mn系化合物相を形成するため、耐食性と加工性が低下する。よって、Mnの含有量は0.5%以上2.0%以下とする。
Znは、Alの孔食電位を低くする。ろう付時に心材からろう材へZnが拡散することで、フィン全体にZnが拡散しチューブに対して犠牲防食作用を発揮する。Znが1.0%未満ではこの効果が不十分であり、Znが4.0%を超えると、フィレットのZn濃度が高くなり、ろう付後に熱処理を行っても、フィンとフィレットとの電位差が大きくなり、フィレットの優先腐食を抑制することができない。更にフィンの自己腐食速度が速くなり、フィンが消耗することで犠牲防食作用が早期に消失する。よってZnの含有量は、1.0%以上4.0%以下とする。
Siは選択的添加元素である。心材中のSiはMnと共存させることにより、Al−Mn−Si系化合物相となってマトリックス中に分散あるいは固溶して強度を向上させる。Siの含有量が0.1%未満ではその効果が小さい。1.0%を超えると、心材内部のAl−Si系やAl−Mn−Si系化合物の析出量が増大し、フィンの腐食速度が増大する恐れがある。よって、Siの含有量は0.1%以上1.0%以下が好ましい。
Feも選択的添加元素である。Feは金属間化合物として晶出または析出し、心材強度を向上させる。また、Al−Mn−Fe系、Al−Fe−Si系、Al−Mn−Si−Fe系化合物相を形成して、マトリックス中のMn、Si固溶度を低下させ、マトリックスの融点を上げる。Feの含有量が0.05%未満ではその効果が小さい。1.0%を超えると腐食速度が大きくなる、また、巨大晶出物の出現により、鋳造製や圧延性を低下させる。よって、Feの含有量は0.05%以上1.0%以下が好ましい。
Cuも選択的添加元素である。Cuは、マトリックス中に固溶して強度を向上させるとともに、心材の電位を貴化し、残留ろう材との電位差を大きくすることで残留ろう材の犠牲防食効果を向上させる。Cuの含有量が0.05%未満ではその効果が小さい。1.0%を超えると、マトリックスの融点が低下するため、ろう付時に材料が溶融しやすくなる。よって、Cuの含有量は0.05%以上1.0%以下が好ましい。
Mgも選択的添加元素である。MgはMg2Siとして微細析出することで強度を向上させる。Mgの含有量が0.05%未満ではその効果が小さい。1.0%を超えると、ろう付性を阻害したり、粒界腐食が発生し耐食性が低下したりするおそれがある。よって、Mgの含有量は0.05%以上1.0%以下が好ましい。
Tiも選択的添加元素である。Tiは微細な金属間化合物を形成し合金の強度と心材の自己耐食性を向上させる。Tiの含有量が0.05%未満ではその効果が十分に得られない。0.3%を超えると、鋳塊に粗大な化合物が生じて熱間圧延時に割れが生じてしまう。よって、Tiの含有量は0.05%以上0.3%以下が好ましい。
Zr、Cr、Vも選択的添加元素である。これらの元素は、いずれも微細な金属間化合物を形成し強度を向上させる。Zr、Cr、Vの含有量が0.05%未満ではその効果が十分に得られない。0.3%を超えると、成形性が低下し、加工時に割れが生じてしまう。よって、Zr、Cr、Vの含有量は、それぞれ0.05%以上0.3%以下が好ましい。
フィンに使用するアルミニウム合金製ブレージングシートは、チューブとのろう付を目的として、少なくとも一方の面にろう材を備える。このろう材としては、特に限定されるものではなく、例えば、JIS4343、JIS4045等に規定したアルミニウム合金が挙げられる。ブレージングシートのろう材は、ろう付け接合の際、フィン材とチューブ材との間にフィレットを形成する。そして、ろう材の一部は、ろう付け後に心材表面に残留して残留ろう材層となる。
(2.1)チューブの成分
次に、本発明に係るアルミニウム合金製熱交換器のチューブを構成するアルミニウム合金の組成成分及びその作用について説明する。チューブは、Cu、Mnを含有し、残部Al及び不可避不純物からなるアルミニウム合金よりなる。本発明に係るアルミニウム合金製熱交換器のチューブ材は、押出扁平チューブの形態で適用されたものが好ましい。
Cuは、マトリックス中に固溶して強度を向上させるとともに、電位を貴化し、犠牲陽極材との電位差を大きくすることで犠牲陽極材による犠牲防食効果を向上させる。Cuの含有量が0.1%未満ではその効果が小さい。0.8%を超えると、マトリックスの融点が低下するため、ろう付時に材料が溶融しやすくなる。よって、Cuの含有量は0.1%以上0.8%以下が好ましい。
Mnは、Al−Mn系金属間化合物として晶出または析出して、ろう付加熱後の強度を向上させるとともに、固溶Mnにより電位を貴化させる。この効果を得るためにはMnの含有量を0.05%以上にする必要がある。ただし、Mnの含有量が0.5%を超えると押出性が低下するとともに、巨大な金属間化合物が晶出し、製造性を阻害する恐れがある。よって、Mnの含有量は0.05%以上0.5%以下が好ましい。
本発明に係るアルミニウム合金製熱交換器のチューブは、その外面にZn防食層を有する。Zn防食層は、押出加工等で成形されたチューブの外面に溶射等によってZnを付与し、このチューブをろう付け処理するときに形成される。チューブ外面に付与されたZnは、その少なくとも一部が上記ろう付け処理の際にチューブに拡散する。本発明においてZn防食層とは、このろう付け処理によってチューブ表面に形成されるZn拡散層と、チューブ外面の未拡散のZn層とからなる。Zn拡散層は、チューブのアルミニウム合金のZnが拡散していない部分よりも孔食電位が卑であるので、このZn拡散層を含むZn防食層は、犠牲防食効果によってアルミニウム合金を防食し、チューブの耐久寿命を向上させることができる。
既に説明したように、本発明に係る第1、第2のアルミニウム合金製熱交換器は、いずれも、フィンの表面上に残留ろう材層を有する。本発明では、この残留ろう材層の材料組織の制御を行うことを特徴としている。具体的には、残留ろう材層中に存在する、円相当径で0.1μm以上2.5μm以下のSi系析出物の個数を規定している。これは、Si系析出物を適切に分散させることで、残留ろう材層の耐食性向上効果が得られるからである。この効果は、カソードサイトとなるSi系析出物を微細に分散させることで腐食反応が分散されるためである。また、Siが析出することで残留ろう材中のSi固溶度が低下し、これにより孔食電位が卑化し、残留ろう材の電位がフィレットの電位よりも卑化し、フィレットの優先腐食が抑制されるという効果もある。以上のような、残留ろう材の耐食性向上、及び、フィレットの優先腐食抑制によりフィン剥がれを防止し、フィンの犠牲防食が作用する時間が長くなることで熱交換器の耐食性が向上する。
本願第1のアルミニウム合金製熱交換器における残留ろう材層の材料組織は、残留ろう材層中の、円相当径で0.1μm以上2.5μm以下のSi系析出物の数は、10000個/mm2以上500000個/mm2以下とする。Si系析出物が10000個/mm2未満では、Siの析出が不十分であり耐食性向上効果及び電位卑化が十分に得られない。一方、残留ろう材に析出されるSi系析出物の数には限界があり、500000個/mm2を超えて析出させることは困難である。
本願第2のアルミニウム合金製熱交換器における残留ろう材層の材料組織は、残留ろう材層中の、円相当径で0.1μm以上2.5μm以下のSi系析出物の数は、10000個/mm2以上350000個/mm2以下とする。Si系析出物を10000個/mm2以上とするのは、第1の熱交換器と同じ理由である。また、第2の熱交換器は、その製造のため、ろう付け完了後に400℃以上450℃以下の温度で熱処理を行う。この温度範囲の熱処理では、Si系析出物を350000個/mm2を超えて析出させることは困難である。
次に、本願に係るアルミニウム合金製熱交換器の製造方法について説明する。本願の第1及び第2の熱交換器の製造方法は、基本的には共通する。即ち、ブレージングシートからなるフィンとチューブとを組み付けし、それらをろう付加熱を行い、一旦室温まで冷却する工程においては共通する。これらの工程では、ろう付け加熱の条件及び冷却条件も共通する。一方、本願の第1及び第2の熱交換器の製造方法では、ろう付け完了後において所定の熱処理を行い、それぞれの条件において差異がある。そこで、以下の説明においては、まず、共通するフィンとなるブレージングシートとチューブとを用意する段階と、それらのろう付け工程について説明する。そして、第1及び第2の熱交換器を製造するための、ろう付け完了後の熱処理について、それぞれ説明する。
第1の熱交換器を製造するためには、ろう付完了後、更に250℃以上400℃未満で3min以上30h以下の熱処理を行う。この熱処理で、ろう材中にSi系析出物が密に析出される。熱処理の温度が250℃より低ければ、工業的に可能な時間内で適切なSi系析出物の分散状態を得ることが困難となる。400℃より高い温度の析出処理では、粗大なSi系析出物が形成されやすくなって、腐食の分散が粗くなり防食効果が低くなる。また、熱処理の時間は3minより短ければ十分に析出を促進させることができない。熱処理の時間は長ければ耐食性向上効果が得られるが、30hより長くするとコスト上昇を伴うので、30h程度までが好ましい。ろう付後に行う熱処理は、大気中、不活性ガス雰囲気中、あるいは真空中のいずれで実施しても良い。
第2の熱交換器を製造するためには、フィレットに濃縮したZnをフィレットに接している部材へ拡散させる熱処理を行う。この熱処理は、ろう付完了後、更に400℃以上450℃以下で5h以上15h以下の熱処理である。この熱処理では、Znの拡散と共に、残留ろう材中にSi系析出物が更に密に析出される。熱処理の温度が400℃より低ければ、工業的に可能な時間内でフィレットのZnを拡散させることが困難となる。また、この熱処理では、Znの拡散と同時にSi系析出物の析出が起こるが、450℃より高い温度の析出処理では、粗大なSi系析出物が形成されやすくなって、腐食の分散が粗くなり防食効果が低くなる。また、熱処理の時間は5hより短ければ十分にZn拡散を促進させることができない。15h以上の熱処理ではZn拡散状態に変化を生じないので、15h程度までで良い。このろう付後に行う熱処理は、大気中、不活性ガス雰囲気中、あるいは真空中のいずれで実施しても良い。
半連続鋳造により、表1に示す組成で心材合金、及び、ろう材合金を鋳造し、それぞれを圧延して心材となる板、及び、ろう材となる板を作製した。このとき、クラッドしたときに片面のクラッド率が12%となるように板厚を調節した。次に、製造した心材板とろう材板とをクラッドし、合せ加熱、熱間圧延冷間圧延を行い、中間焼鈍を行った後に、更に冷間圧延を行い板厚0.08mmのブレージングシートを作製した。作製したブレージングシートを幅14mmにスリットし、コルゲート加工を行ってフィンとした。
表2に示す組成で、アルミニウム合金を溶解鋳造して、ビレットを作製した。ビレットを均質化熱処理、及び、面削して、その後、押出加工し、表2に示す量のZnを溶射した。この加工により高さ2mm、幅14mm、肉厚0.35mmのアルミニウム合金製押出扁平チューブを作製した。
そして、作製したフィンとチューブとを組み付け、KF−AlF系のフラックス粉末を塗布乾燥後、窒素雰囲気下においてろう付を行った。そして、ろう付け完了後、大気雰囲気下において熱処理を行った。ここでは、ろう付けの際の加熱温度、ろう付け後の500℃〜200℃の範囲における冷却速度、及び、ろう付け完了後の熱処理条件を種々設定して熱交換器を製造した。また、ろう付け完了後の熱処理条件の条件設定によって第1、第2の熱交換器を製造している。各実施例・比較例の熱交換器の製造条件を、表3及び表4に示した。表3のNo.C1〜C69(実施例1〜51、比較例1〜17、参考例1)が第1の熱交換器に対応する。また、表4のNo.C70〜C139(実施例52〜103、比較例19〜35、参考例2)が第2の熱交換器に対応する。
上記の製造方法で作製した熱交換器について、(i)残留ろう材層中のSi系析出物分布、(ii)フィン及びフィレットの電位測定、(iii)耐食性評価を行った。それぞれの検討・評価方法は下記のようにした。
作製した熱交換器から、試料を切り出し、樹脂埋め、鏡面研磨を行い、残留ろう材を光学顕微鏡で1000倍の倍率にて3視野撮影した。撮影した写真より、円相当系0.1μm以上2.5μm以下のSi系析出物の個数を画像処理ソフトウェア(Image−J)を使用して測定し、測定面積で除することでSi系析出物分布(個/mm2)を得た。
作製した熱交換器から、フィン及びフィレットを含むように試料を切り出した。フィレットを含む試料は樹脂埋め、鏡面研磨後にフィレット以外をマスキングした。5%NaClに15mL/L酢酸を加えた溶液を25℃で保持し、照合電極にAg/AgCl電極を使用し、フィン及びフィレット以外をマスキングした試料を浸漬し30min後の電位の値を記録した。測定した値より、フィンとフィレットとの電位差を算出した。
作製した熱交換器から、チューブ長さが10cmになるように試料を切り出した。SWAAT試験を1000h実施した後に、試料を樹脂埋め、鏡面研磨を行い、光学顕微鏡にてフィレットの腐食状況を3視野観察した。評価は3視野全てでフィレットの残存が認められたものを「◎」、3視野のうち1視野でフィレットが消失したがフィンとチューブとの接続が認められたものを「○」、3視野のうち2視野以上でフィレットが消失したがフィンとチューブとの接続が認められたものを「△」、フィレットが消失しフィン剥がれが発生したものを「×」とした。更に、上記のフィレットの腐食状況の観察で「◎」、「○」、「△」であったものでも、チューブ部分に腐食が見られた試料については、耐食性の評価を「×」とした。
上記の耐食性評価と共に、フィン及びチューブの加工性、ろう付け性を考慮した評価を行った。即ち、フィン又はチューブへの加工ができない、或いは、ろう付不良が発生した、といった熱交換器の製造自体ができない状態を考慮した総合的評価を行った。また、熱交換器を一応は製造できても容易に変形する場合も考慮した。そして、耐食性が良好であり熱交換器として機能しうるものについて「◎」又は「○」の評価とした(「◎」か「○」かは耐食性の評価結果により区別した)。そして、加工できない等で熱交換器が製造できないもの、或いは、製造できても、強度上、熱交換器としての使用に耐えないものについては耐食性が良好であっても「×」と評価した。
(A−1)フィンの心材の組成の影響
実施例1〜5は、フィンの心材にMnとZnを適量のみ添加した実施例であり、フィンに対するフィレットの電位の関係及び耐食性を満足した。
実施例6〜9は、実施例1の心材にSiを添加した実施例である。フィンに対するフィレットの電位の関係を満足し、耐食性も問題とならない結果であった。
実施例10〜13は、実施例1の心材にFeを添加した実施例である。フィンに対するフィレットの電位の関係を満足し、耐食性も問題とならない結果であった。
実施例14〜17は、実施例1の心材にCuを添加した実施例である。フィンに対するフィレットの電位の関係を満足し、耐食性も問題とならない結果であった。
実施例18〜21は、実施例1の心材にMgを添加した実施例である。フィンに対するフィレットの電位の関係を満足し、耐食性も問題とならない結果であった。
実施例22〜25は、実施例1の心材にTiを添加した実施例である。フィンに対するフィレットの電位の関係を満足し、耐食性も問題とならない結果であった。
実施例26〜29は、実施例1の心材にZrを添加した実施例である。フィンに対するフィレットの電位の関係を満足し、耐食性も問題とならない結果であった。
実施例30〜33は、実施例1の心材にCrを添加した実施例である。フィンに対するフィレットの電位の関係を満足し、耐食性も問題とならない結果であった。
実施例34〜37は、実施例1の心材にVを添加した実施例である。フィンに対するフィレットの電位の関係を満足し、耐食性も問題とならない結果であった。
比較例1は、フィンの心材に添加するMn量が少なく、フィンに対するフィレットの電位の関係を満足し、耐食性も問題とならない結果であったが、フィンの強度が低いためにろう付加熱後にフィンの変形が認められ、熱交換器としての使用に耐えない。
比較例2は、フィンの心材に添加するMn量が多すぎたため、フィンを整形することができず、評価できなかった。
比較例3は、フィンの心材に添加するZn量が少なかったために、チューブに対する犠牲防食効果が弱く、チューブ表面に腐食が認められた。
比較例4は、フィンの心材に添加するZn量が多かったために、フィレットにZnが濃縮し、フィレットの優先腐食に伴うフィン剥がれが発生し犠牲防食効果が発現せず、チューブ表面に腐食が認められた。
実施例38〜41は、実施例1のフィンを使用し、チューブにCuとMnを適量のみ添加した場合の実施例であり、フィンに対するフィレットの電位の関係及び耐食性を満足した。
比較例5は、チューブに添加するCu量が少なかったために、フィンとの電位差が小さく、チューブに腐食が認められた。
比較例6は、チューブに添加するCu量が多かったために、フィレットにCuが濃縮し電位が貴化し、フィレット周辺のろう材層の腐食が進行しフィン剥がれが発生した。
比較例7は、チューブに添加するMn量が少なかったために、ろう付後のチューブの強度が低く、容易に変形したため、熱交換器としての使用に耐えない。
比較例8は、チューブに添加するMn量が多かったために、押出性が悪くチューブを作製できなかった。
実施例42、43は、実施例1のフィンを使用し、チューブのZn溶射量が下限及び上限の場合であり、フィンに対するフィレットの電位の関係を満足し、耐食性も問題とならない結果であった。
比較例9、10は、チューブのZn溶射量が下限未満及び上限を超えていたため、チューブに腐食が認められた。
実施例44、45は、実施例1のフィンとチューブを使用し、ろう付温度が下限及び上限である場合の実施例であり、フィンに対するフィレットの電位の関係及び耐食性を満足した。
実施例46、47は、実施例1のフィンとチューブを使用し、ろう付時間が下限及び上限である場合の実施例であり、フィンに対するフィレットの電位の関係及び耐食性を満足した。
実施例48は、実施例1のフィンとチューブを使用し、ろう付後の冷却速度が下限である場合の実施例であり、フィンに対するフィレットの電位の関係を満足し、耐食性も問題とならない結果であった。
実施例49は、実施例1のフィンとチューブを使用し、ろう付完了後の熱処理温度が下限である場合の実施例であり、フィンに対するフィレットの電位の関係を満足し、耐食性も問題とならない結果であった。
実施例50、51は、実施例1のフィンとチューブを使用し、ろう付完了後の熱処理時間が下限及び上限である場合の実施例であり、フィンに対するフィレットの電位の関係を満足し、耐食性も問題とならない結果であった。
比較例16は、ろう付完了後の熱処理温度が低かったため、Si系析出物が析出せず、フィレットの優先腐食に伴うフィン剥がれが発生した。
比較例17は、ろう付加熱後の熱処理時間が短かったため、Si系析出物の個数が少なく、フィンの電位がフィレットの電位よりも卑にならなかった。そのため、フィレットの優先腐食が生じていた。
参考例1は、フィンに対するフィレットの電位の関係及び耐食性を満足していた。但し、ろう付完了後の熱処理の時間が50時間と長く、製造コストが高く工業的に生産できない。
(B−1)フィンの心材の組成の影響
実施例52〜56は、フィンの心材にMnとZnを適量のみ添加した実施例であり、フィンに対するフィレットの電位の関係及び耐食性を満足した。
実施例57〜60は、実施例52の心材にSiを添加した実施例である。フィンに対するフィレットの電位の関係を満足し、耐食性も問題とならない結果であった。
実施例61〜64は、実施例52の心材にFeを添加した実施例である。フィンに対するフィレットの電位の関係を満足し、耐食性も問題とならない結果であった。
実施例65〜68は、実施例52の心材にCuを添加した実施例である。フィンに対するフィレットの電位の関係を満足し、耐食性も問題とならない結果であった。
実施例69〜72は、実施例52の心材にMgを添加した実施例である。フィンに対するフィレットの電位の関係を満足し、耐食性も問題とならない結果であった。
実施例73〜76は、実施例52の心材にTiを添加した実施例である。フィンに対するフィレットの電位の関係を満足し、耐食性も問題とならない結果であった。
実施例77〜80は、実施例52の心材にZrを添加した実施例である。フィンに対するフィレットの電位の関係を満足し、耐食性も問題とならない結果であった。
実施例81〜84は、実施例52の心材にCrを添加した実施例である。フィンに対するフィレットの電位の関係を満足し、耐食性も問題とならない結果であった。
実施例85〜88は、実施例52の心材にVを添加した実施例である。フィンに対するフィレットの電位の関係を満足し、耐食性も問題とならない結果であった。
比較例19は、フィンの心材に添加するMn量が少なく、フィンに対するフィレットの電位の関係を満足し、耐食性も問題とならない結果であったが、フィンの強度が低いためにろう付加熱後にフィンの変形が認められ、熱交換器としての使用に耐えない。
比較例20は、フィンの心材に添加するMn量が多すぎたため、フィンを整形することができず、評価できなかった。
比較例21は、フィンの心材に添加するZn量が少なかったために、フィレットのZn濃度が低く、フィレット周囲のろう材層の方が卑な電位であったため、フィレット周辺が腐食しフィン剥がれが発生した。
比較例22は、フィンの心材に添加するZn量が多かったために、フィレットのZn濃縮が顕著であったため、熱処理によって拡散しきらず、フィレットの優先腐食に伴うフィン剥がれが発生した。
実施例89〜92は、実施例52のフィンを使用し、チューブにCuとMnを適量のみ添加した場合の実施例であり、フィンに対するフィレットの電位の関係及び耐食性を満足した。
比較例23は、チューブに添加するCu量が少なかったために、フィレットにCuが含有されず、フィレットの電位が卑であったために優先腐食が発生しフィン剥がれが発生した。
比較例24は、チューブに添加するCu量が多かったために、フィレットにCuが濃縮し電位が貴化し、フィレット周辺のろう材層の腐食が進行しフィン剥がれが発生した。
比較例25は、チューブに添加するMn量が少なかったために、ろう付後のチューブの強度が低く、容易に変形したため、熱交換器としての使用に耐えない。
比較例26は、チューブに添加するMn量が多かったために、押出性が悪くチューブを作製できなかった。
実施例93、94は、実施例52のフィンを使用し、チューブのZn溶射量が下限及び上限の場合であり、フィンに対するフィレットの電位の関係を満足し、耐食性も問題とならない結果であった。
比較例27、28は、チューブのZn溶射量が下限未満及び上限を超えていたため、チューブに腐食が認められた。
実施例95、96は、実施例52のフィンとチューブを使用し、ろう付温度が下限及び上限である場合の実施例であり、フィンに対するフィレットの電位の関係及び耐食性を満足した。
実施例97、98は、実施例52のフィンとチューブを使用し、ろう付時間が下限及び上限である場合の実施例であり、フィンに対するフィレットの電位の関係及び耐食性を満足した。
実施例99は、実施例52のフィンとチューブを使用し、ろう付後の冷却速度が下限である場合の実施例であり、フィンに対するフィレットの電位の関係を満足し、耐食性も問題とならない結果であった。
実施例100、101は、実施例52のフィンとチューブを使用し、ろう付完了後の熱処理温度が下限及び上限である場合の実施例であり、フィンに対するフィレットの電位の関係を満足し、耐食性も問題とならない結果であった。
実施例102、103は、実施例52のフィンとチューブを使用し、ろう付完了後の熱処理時間が下限及び上限である場合の実施例であり、フィンに対するフィレットの電位の関係を満足し、耐食性も問題とならない結果であった。
比較例34は、ろう付後の熱処理温度が高かったため、Si系析出物の個数が少なく、フィンの電位がフィレットの電位に近づかなかった。そのため、フィレットの優先腐食が生じていた。
比較例35は、ろう付加熱後の熱処理時間が短かったため、Si系析出物の個数が少なく、フィンの電位がフィレットの電位に近づかなかった。そのため、フィレットの優先腐食が生じていた。
参考例2は、フィンに対するフィレットの電位の関係及び耐食性を満足していた。但し、ろう付完了後の熱処理の時間が50時間と長く、製造コストが高く工業的に生産できない。
Claims (6)
- Mn:0.5mass%以上2.0mass%以下、Zn:1.0mass%以上4.0mass%以下(以下、mass%を単に%と記載する)を含有し、残部Al及び不可避不純物からなるアルミニウム合金製の心材と、前記心材の少なくとも一方の面にクラッドされたアルミニウム合金製のろう材を備えるブレージングシートからなるフィンと、Zn防食層を有するアルミニウム合金製チューブと、をろう付接合によって一体化したアルミニウム合金製熱交換器において、
前記ブレージングシートの前記アルミニウム合金製のろう材は、Si含有量が6.8%以上11.0%以下のSiを含有するアルミニウム合金よりなり、
前記アルミニウム合金製チューブは、Cu:0.1%以上0.8%以下、Mn:0.05%以上0.5%以下を含有し、残部Al及び不可避不純物からなるアルミニウム合金よりなり、
前記アルミニウム合金製チューブのZn防食層は、そのZn付与量が3g/m 2 以上15g/m 2 以下であり、
前記フィンは、残留ろう材層を備えており、
前記残留ろう材層中に、円相当径で0.1μm以上2.5μm以下のSi系析出物が10000個/mm2以上500000個/mm2以下存在し、
前記フィンに対しフィレットの電位が50mV以内の範囲で貴であることを特徴とするアルミニウム合金製熱交換器。 - Mn:0.5%以上2.0%以下、Zn:1.0%以上4.0%以下を含有し、残部Al及び不可避不純物からなるアルミニウム合金製の心材と、前記心材の少なくとも一方の面にクラッドされたアルミニウム合金製のろう材を備えるブレージングシートからなるフィンと、Zn防食層を有するアルミニウム合金製チューブと、をろう付接合によって一体化したアルミニウム合金製熱交換器において、
前記ブレージングシートの前記アルミニウム合金製のろう材は、Si含有量が6.8%以上11.0%以下のSiを含有するアルミニウム合金よりなり、
前記アルミニウム合金製チューブは、Cu:0.1%以上0.8%以下、Mn:0.05%以上0.5%以下を含有し、残部Al及び不可避不純物からなるアルミニウム合金よりなり、
前記アルミニウム合金製チューブのZn防食層は、そのZn付与量が3g/m 2 以上15g/m 2 以下であり、
前記フィンは、残留ろう材層を備えており、
前記残留ろう材層中に、円相当径で0.1μm以上2.5μm以下のSi系析出物が10000個/mm2以上350000個/mm2以下存在し、
前記フィンに対しフィレットの電位が−50mV以内の範囲で卑であることを特徴とするアルミニウム合金製熱交換器。 - ブレージングシートの心材は、更に、Si:0.1%以上1.0%以下、Fe:0.05%以上1.0%以下、Cu:0.05%以上1.0%以下、Mg:0.05%以上1.0%以下、Ti:0.05%以上0.3%以下、Zr:0.05%以上0.3%以下、Cr:0.05%以上0.3%以下、V:0.05%以上0.3%以下、の1種以上の元素を含有する請求項1又は請求項2に記載のアルミニウム合金製熱交換器。
- 請求項1に記載の熱交換器の製造方法であって、
ブレージングシートからなるフィンとチューブとを組み付けし、590℃以上630℃以下の温度で1min以上15min以下保持するろう付加熱を行い、
その後、500℃〜200℃の範囲における冷却速度を50℃/min以上として室温まで冷却した後、
250℃以上400℃未満の温度で3min以上30h以下保持することを特徴とするアルミニウム合金製熱交換器の製造方法。 - 請求項2に記載の熱交換器の製造方法であって、
ブレージングシートからなるフィンと押出扁平チューブとを組み付けし、590℃以上630℃以下の温度で1min以上15min以下保持するろう付加熱を行い、
その後、500℃〜200℃の範囲における冷却速度を50℃/min以上として室温まで冷却した後、
400℃以上450℃以下の温度で5h以上15h以下保持することを特徴とするアルミニウム合金製熱交換器の製造方法。 - 請求項5記載の方法で製造した熱交換器を、更に、250℃以上400℃未満の温度で3min以上30h以下保持することを特徴とするアルミニウム合金製熱交換器の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016123914A JP6738667B2 (ja) | 2016-06-22 | 2016-06-22 | 大気環境における耐食性に優れるアルミニウム合金製熱交換器及びアルミニウム合金製熱交換器の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016123914A JP6738667B2 (ja) | 2016-06-22 | 2016-06-22 | 大気環境における耐食性に優れるアルミニウム合金製熱交換器及びアルミニウム合金製熱交換器の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2017226880A JP2017226880A (ja) | 2017-12-28 |
JP6738667B2 true JP6738667B2 (ja) | 2020-08-12 |
Family
ID=60891276
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2016123914A Active JP6738667B2 (ja) | 2016-06-22 | 2016-06-22 | 大気環境における耐食性に優れるアルミニウム合金製熱交換器及びアルミニウム合金製熱交換器の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6738667B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN109402459B (zh) * | 2018-12-24 | 2020-04-17 | 厦门金盛荣金属制品有限公司 | 一种压铸铝合金及其精炼工艺 |
CN113588529A (zh) * | 2021-07-14 | 2021-11-02 | 银邦金属复合材料股份有限公司 | 一种测量铝合金复合箔的方法 |
Family Cites Families (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005060790A (ja) * | 2003-08-18 | 2005-03-10 | Sumitomo Light Metal Ind Ltd | 熱交換器用アルミニウム合金ブレージングフィン材 |
JP5658227B2 (ja) * | 2010-03-02 | 2015-01-21 | 三菱アルミニウム株式会社 | アルミニウム合金製熱交換器 |
JP6307231B2 (ja) * | 2012-09-12 | 2018-04-04 | 株式会社Uacj | アルミニウム合金製熱交換器及びその製造方法 |
JP5918089B2 (ja) * | 2012-09-12 | 2016-05-18 | 株式会社Uacj | アルミニウム合金製熱交換器およびその製造方法 |
JP2014062296A (ja) * | 2012-09-20 | 2014-04-10 | Uacj Corp | 耐食性に優れたアルミニウム合金ブレージングシート |
JP2014177694A (ja) * | 2013-02-18 | 2014-09-25 | Calsonic Kansei Corp | 強酸環境下での耐食性に優れるアルミニウム合金製熱交換器 |
-
2016
- 2016-06-22 JP JP2016123914A patent/JP6738667B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2017226880A (ja) | 2017-12-28 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR101851811B1 (ko) | 알루미늄 합금제 열교환기의 제조 방법 | |
JP5049488B2 (ja) | アルミニウム合金ブレージングシートの製造方法 | |
JP4822277B2 (ja) | ろう付性と耐食性に優れた熱交換器管用アルミニウム合金ブレージングシートおよび耐食性に優れた熱交換器管 | |
JP5670100B2 (ja) | アルミニウム合金製熱交換器の製造方法 | |
JP6438019B2 (ja) | 熱交換器用チューブ及び熱交換器並びにろう付け用ペースト | |
WO2015056669A1 (ja) | アルミニウム合金製熱交換器 | |
JP6315365B2 (ja) | 熱交換器用ブレージングシート及びその製造方法 | |
WO2017141921A1 (ja) | アルミニウム合金ブレージングシート及びその製造方法、ならびに、当該ブレージングシートを用いた自動車用熱交換器の製造方法 | |
WO2010150727A1 (ja) | アルミニウム合金製熱交換器および該熱交換器に使用する冷媒通路管の製造方法 | |
JP2011162823A (ja) | 熱交換器に用いられるアルミニウム合金クラッド材およびそれに用いるアルミニウム合金クラッド材用芯材 | |
JP2018500461A (ja) | 熱交換器、アルミニウム合金およびアルミニウムストリップの使用、ならびにアルミニウムストリップの製造方法 | |
JP2013155404A (ja) | 高耐食性アルミニウム合金ブレージングシート、ならびに、これを用いた自動車用熱交換器の流路形成部品 | |
JP2006250413A (ja) | 熱交換器用アルミニウム合金フィン材及び熱交換器 | |
JP2009068083A (ja) | 耐食性に優れたアルミニウム製熱交換器用部材および耐食性に優れたアルミニウム製熱交換器の製造方法 | |
JP5279277B2 (ja) | 熱交換器のチューブ材用ブレージングシート並びに熱交換器及びその製造方法 | |
JP2005232506A (ja) | 熱交換器用アルミニウム合金クラッド材 | |
JP6738667B2 (ja) | 大気環境における耐食性に優れるアルミニウム合金製熱交換器及びアルミニウム合金製熱交換器の製造方法 | |
JP2005232507A (ja) | 熱交換器用アルミニウム合金クラッド材 | |
JP2004017116A (ja) | ろう付造管チューブ用アルミニウム合金ブレージングシートおよびその製造方法 | |
JP6738666B2 (ja) | 大気環境における耐食性に優れるアルミニウム合金製熱交換器及びアルミニウム合金製熱交換器の製造方法 | |
JP4874074B2 (ja) | 熱交換器用アルミニウム合金クラッド材 | |
JP4263160B2 (ja) | アルミニウム合金クラッド材並びにそれを用いた熱交換器用チューブ及び熱交換器 | |
JP2017179582A (ja) | アルミニウム合金ブレージングシート | |
JP5498214B2 (ja) | ろう付け性に優れた高強度熱交換器用アルミニウム合金クラッド材 | |
JP3977978B2 (ja) | 耐食性に優れた熱交換器用アルミニウム合金 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20190614 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20200114 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20200115 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20200309 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20200630 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20200720 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6738667 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |