JP2014177694A - 強酸環境下での耐食性に優れるアルミニウム合金製熱交換器 - Google Patents
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Abstract
【課題】高温で高強度であるとともに、強酸環境下での孔食性に優れるアルミニウム合金製熱交換器を提供する。
【解決手段】第1のアルミニウム合金材の内部に第2のアルミニウム合金材がろう付けにより結合された熱交換器であって、第1のアルミニウム合金材は、Mn:1.0〜1.8%、Si:0.3〜1.2%、Cu:0.1〜1.0%を含有し、残部がAlおよび不可避不純物からなる芯材と、芯材の第2のアルミニウム合金材との接合側に配置され、Si:5.0〜9.5%、Zn:1.0〜5.0%を含有し、残部がAlおよび不可避不純物からなるろう材と、芯材の第1のアルミニウム合金材との接合反対側に配置され、Al-Si系合金からなるろう材と、を備え、第2のアルミニウム合金材はMn:1.0〜1.8%、Si:0.3〜1.2%を含有し、残部がAlおよび不可避不純物からなる組成を有する。
【選択図】なし
【解決手段】第1のアルミニウム合金材の内部に第2のアルミニウム合金材がろう付けにより結合された熱交換器であって、第1のアルミニウム合金材は、Mn:1.0〜1.8%、Si:0.3〜1.2%、Cu:0.1〜1.0%を含有し、残部がAlおよび不可避不純物からなる芯材と、芯材の第2のアルミニウム合金材との接合側に配置され、Si:5.0〜9.5%、Zn:1.0〜5.0%を含有し、残部がAlおよび不可避不純物からなるろう材と、芯材の第1のアルミニウム合金材との接合反対側に配置され、Al-Si系合金からなるろう材と、を備え、第2のアルミニウム合金材はMn:1.0〜1.8%、Si:0.3〜1.2%を含有し、残部がAlおよび不可避不純物からなる組成を有する。
【選択図】なし
Description
本発明は、強酸環境下での耐食性に優れるアルミニウム合金製熱交換器に関する。
自動車ではエンジンの出力向上等を目的に過給機が用いられ、さらに過給機で圧縮され、高温・高圧となった空気を冷却するため、熱交換器としてCAC(Charged Air Cooler)が用いられる。このためCACには高温での耐圧強度に優れる材料が求められる。近年、さらなる燃費向上の要求や環境規制の強化に対応するために排気ガスを再循環させるEGR(Exhaust Gas Recirculation:排気ガス再循環)システムが自動車に採用され始めている。特に近年の低圧EGRシステムでは、排ガスが過給機、さらにはCACを再循環することが分かっており、この場合、排気ガスの濃縮水がCAC内部に付着することになる。この排気濃縮水は塩酸や硝酸、硫酸などの各種強酸であることが分かっており、CAC用の部材、例えばチューブには高温での耐圧強度に加え、各種強酸環境下における耐食性も要求されるようになってきている。
従来のCAC用チューブ材としては、特許文献1に記載されているようにアルミニウム合金が用いられる。一般的にAl-Mn-Cu系合金からなる芯材の片面、あるいは両面にAl-Si系合金ろう材をクラッドしたアルミニウム合金が使用されている。Al-Si系ろう材は他部材との一体ろう付け接合のために貼り合わされており、ろう付けは通常不活性ガス雰囲気中でフッ化物系フラックスを用いて行われる。従来のCAC用チューブ材では、芯材にCuを加えることにより、芯材とろう材間で一定の電位差を確保することで、耐孔食性を向上させている。しかし、低圧EGRシステムで見られる排気ガス濃縮水のような各種強酸環境下でのCAC部材の耐孔食性は十分でなく、ごく短期間で貫通孔が発生する問題が生じていた。
本発明は、このような技術的課題に基づいてなされたもので、高温で高強度を有し、各種強酸環境下で耐食性に優れるアルミニウム合金製熱交換器を提供することを目的とする。
本発明は、このような技術的課題に基づいてなされたもので、高温で高強度を有し、各種強酸環境下で耐食性に優れるアルミニウム合金製熱交換器を提供することを目的とする。
本発明のアルミニウム合金熱交換器は、例えば、第1のアルミニウム合金材としてチューブ材を用い、このチューブ内面に第2のアルミニウム材としてインナーフィンがろう付けにより接合されている構成が考えられる。
ここで、第1のアルミニウム合金材として用いるチューブは、チューブ芯材と、チューブ芯材の両面に配置されるろう材と、をクラッドして形成される。
チューブ芯材は、Mn:1.0〜1.8%、Si:0.3〜1.2%、Cu:0.1〜1.0%を含有し、残部がAlおよび不可避不純物からなる組成を有し、第1ろう材は芯材の内面側に配置され、Si:5.0〜9.5%、Zn:1.0〜5.0%を含有し、残部がAlおよび不可避不純物からなる組成を有し、第2ろう材は、芯材の外面側に配置され、Al-Si系合金からなる。
また、第2のアルミニウム合金材として用いるインナーフィンはMn:1.0〜1.8%、Si:0.3〜1.2%を含有し、残部がAlおよび不可避不純物からなる。
本発明の熱交換器は、以上の構成を備えることにより、高温で高強度を有し、しかも強酸環境下で耐食性に優れる。また、第1のアルミニウム合金材としてチューブ材、第2のアルミニウム合金材としてインナーフィン材を例示したが、アルミニウム合金材の組合せとしてはこれらに限定されるものではない。
なお、本発明において、断りがない限り、元素の量は質量%である。
ここで、第1のアルミニウム合金材として用いるチューブは、チューブ芯材と、チューブ芯材の両面に配置されるろう材と、をクラッドして形成される。
チューブ芯材は、Mn:1.0〜1.8%、Si:0.3〜1.2%、Cu:0.1〜1.0%を含有し、残部がAlおよび不可避不純物からなる組成を有し、第1ろう材は芯材の内面側に配置され、Si:5.0〜9.5%、Zn:1.0〜5.0%を含有し、残部がAlおよび不可避不純物からなる組成を有し、第2ろう材は、芯材の外面側に配置され、Al-Si系合金からなる。
また、第2のアルミニウム合金材として用いるインナーフィンはMn:1.0〜1.8%、Si:0.3〜1.2%を含有し、残部がAlおよび不可避不純物からなる。
本発明の熱交換器は、以上の構成を備えることにより、高温で高強度を有し、しかも強酸環境下で耐食性に優れる。また、第1のアルミニウム合金材としてチューブ材、第2のアルミニウム合金材としてインナーフィン材を例示したが、アルミニウム合金材の組合せとしてはこれらに限定されるものではない。
なお、本発明において、断りがない限り、元素の量は質量%である。
本発明の第1のアルミニウム合金材芯材は、上記の元素に加えて、Mg:0.1〜0.3%含有することが、強酸環境下での耐食性にとって望ましい。
また、本発明の第2のアルミニウム合金材は、上記の元素に加えて、Zn:0.1〜2.0%含有することが、強酸環境下での耐食性にとって望ましい。
また、本発明の第2のアルミニウム合金材は、上記の元素に加えて、Zn:0.1〜2.0%含有することが、強酸環境下での耐食性にとって望ましい。
本発明の熱交換器において、ろう付け熱処理後の第2のアルミニウム合金材の電位が第1のアルミニウム合金材芯材の電位より120〜200mV卑であり、且つ、ろう付け熱処理後に、さらに230℃、50hrの熱処理を施した後、第2のアルミニウム合金材の電位が第1のアルミニウム合金材芯材の電位より120〜200mV卑であることが、強酸環境下での耐食性にとって望ましい。
また、本発明の熱交換器において、ろう付け熱処理後の第1のアルミニウム合金材第1ろう材側表面の電位と第1のアルミニウム合金材と第2のアルミニウム合金材の接合部に形成されるフィレットの電位と、の電位差(第1のアルミニウム合金材第1ろう材側表面電位−フィレット電位)が-100〜+100mVであり、且つ、ろう付け熱処理後に、さらに230℃、50hrの熱処理を施した後に、第1のアルミニウム合金材第1ろう材側表面の電位と第1のアルミニウム合金材と第2のアルミニウム合金材の接合部に形成されるフィレットの電位、との電位差(第1のアルミニウム合金材第1ろう材表面電位−フィレット電位)が-100〜+100mVであることが、強酸環境下での耐食性にとって望ましい。
また、本発明の熱交換器において、ろう付け熱処理後の第1のアルミニウム合金材第1ろう材側表面の電位と第1のアルミニウム合金材と第2のアルミニウム合金材の接合部に形成されるフィレットの電位と、の電位差(第1のアルミニウム合金材第1ろう材側表面電位−フィレット電位)が-100〜+100mVであり、且つ、ろう付け熱処理後に、さらに230℃、50hrの熱処理を施した後に、第1のアルミニウム合金材第1ろう材側表面の電位と第1のアルミニウム合金材と第2のアルミニウム合金材の接合部に形成されるフィレットの電位、との電位差(第1のアルミニウム合金材第1ろう材表面電位−フィレット電位)が-100〜+100mVであることが、強酸環境下での耐食性にとって望ましい。
本発明によれば、高温で高強度を有し、しかも強酸環境下で耐食性に優れるアルミニウム合金製熱交換器が提供される。
以下、第1のアルミニウム合金材と第1のアルミニウム合金材にろう付けにより接合された第2のアルミニウム合金材と、からなる本発明の熱交換器を詳細に説明する。
(A) 第1のアルミニウム合金材について
(1) 第1のアルミニウム合金材芯材の成分
[Mn:1.0〜1.8%]
Mnはマトリックス中にAl-Mn-Si系の金属間化合物を微細に形成し、芯材の強度を高める効果がある。
しかし、Mn量が1.0%未満ではその効果が充分に発揮されず、1.8%を超えると鋳造性が劣り、また、鋳造時に巨大な金属間化合物を生成するためその後の圧延性が劣る。したがって、本発明の芯材のMn量は、1.0〜1.8%とする。なお、同様の理由から下限を1.15%、上限を1.75%とすることが望ましく、さらには下限を1.5%、上限を1.7%にすることがより望ましい。
(A) 第1のアルミニウム合金材について
(1) 第1のアルミニウム合金材芯材の成分
[Mn:1.0〜1.8%]
Mnはマトリックス中にAl-Mn-Si系の金属間化合物を微細に形成し、芯材の強度を高める効果がある。
しかし、Mn量が1.0%未満ではその効果が充分に発揮されず、1.8%を超えると鋳造性が劣り、また、鋳造時に巨大な金属間化合物を生成するためその後の圧延性が劣る。したがって、本発明の芯材のMn量は、1.0〜1.8%とする。なお、同様の理由から下限を1.15%、上限を1.75%とすることが望ましく、さらには下限を1.5%、上限を1.7%にすることがより望ましい。
[Si:0.3〜1.2%]
Siはマトリックス中にAl-Mn-Si系の金属間化合物を微細に形成し、芯材の強度を高める効果がある。
しかし、Si量が0.3%未満ではその効果が充分に発揮されず、1.2%を超えると材料の融点が低下してろう付け性が劣る。したがって、本発明の芯材のSi量は、0.3〜1.2%とする。なお、同様の理由から下限を0.4%、上限を1.2%とすることが望ましく、さらには下限を0.8%、上限を1.2%にすることがより望ましい。
Siはマトリックス中にAl-Mn-Si系の金属間化合物を微細に形成し、芯材の強度を高める効果がある。
しかし、Si量が0.3%未満ではその効果が充分に発揮されず、1.2%を超えると材料の融点が低下してろう付け性が劣る。したがって、本発明の芯材のSi量は、0.3〜1.2%とする。なお、同様の理由から下限を0.4%、上限を1.2%とすることが望ましく、さらには下限を0.8%、上限を1.2%にすることがより望ましい。
[Cu:0.1〜1.0%]
Cuはマトリックス中に固溶し、材料の強度を高める効果や、芯材に添加した場合、芯材の電位を貴として第1ろう材との電位差が大きくなるため、耐食性を向上させる効果がある。
しかし、Cu量が0.1%未満ではその効果が充分に発揮されず、1.0%を超えると材料の融点が低下するとともに、鋳造性が劣る。したがって、本発明の芯材のCu量は、0.1〜1.0%とする。なお、同様の理由により下限を0.2%、上限を0.5%とすることが望ましく、さらには、下限を0.2%、上限を0.4%とすることがより望ましい。
Cuはマトリックス中に固溶し、材料の強度を高める効果や、芯材に添加した場合、芯材の電位を貴として第1ろう材との電位差が大きくなるため、耐食性を向上させる効果がある。
しかし、Cu量が0.1%未満ではその効果が充分に発揮されず、1.0%を超えると材料の融点が低下するとともに、鋳造性が劣る。したがって、本発明の芯材のCu量は、0.1〜1.0%とする。なお、同様の理由により下限を0.2%、上限を0.5%とすることが望ましく、さらには、下限を0.2%、上限を0.4%とすることがより望ましい。
以下のMgは本発明の芯材に含有させることが好ましい元素である。
[Mg:0.1〜0.3%]
Mgはマトリックス中に固溶し、材料の強度を高める効果や、芯材に添加した場合、マトリックス中にAl-Mg-Si-Cu系の金属間化合物を形成し、粒界腐食感受性を低減させる効果がある。しかし、Mg量が0.1%未満ではその効果が充分に発揮されず、0.3%を超えるとフラックスと反応し、ろう付け性が悪くなる。したがって、本発明の芯材のMg量は、0.1〜0.3%とする。
なお、芯材における上記元素以外は、Al及び不可避不純物である。
[Mg:0.1〜0.3%]
Mgはマトリックス中に固溶し、材料の強度を高める効果や、芯材に添加した場合、マトリックス中にAl-Mg-Si-Cu系の金属間化合物を形成し、粒界腐食感受性を低減させる効果がある。しかし、Mg量が0.1%未満ではその効果が充分に発揮されず、0.3%を超えるとフラックスと反応し、ろう付け性が悪くなる。したがって、本発明の芯材のMg量は、0.1〜0.3%とする。
なお、芯材における上記元素以外は、Al及び不可避不純物である。
(2)第1ろう材の成分
[Si:5.0〜9.5%]
Siはろう付け性を向上させる作用がある。しかし、Si量が5.0%未満ではろう付け性を向上させる作用が不十分である一方、9.5%を超えるとろう付け性が低下してしまう。したがって、本発明の第1ろう材のSi量は、5.0〜9.5%とする。なお、同様の理由により、下限を6.0%、上限を9.0%とすることが望ましく、さらには下限を6.0%、上限を8.0%とすることがより望ましい。
[Si:5.0〜9.5%]
Siはろう付け性を向上させる作用がある。しかし、Si量が5.0%未満ではろう付け性を向上させる作用が不十分である一方、9.5%を超えるとろう付け性が低下してしまう。したがって、本発明の第1ろう材のSi量は、5.0〜9.5%とする。なお、同様の理由により、下限を6.0%、上限を9.0%とすることが望ましく、さらには下限を6.0%、上限を8.0%とすることがより望ましい。
[Zn:1.0〜5.0%]
Znは電位を卑にする作用があり、第1ろう材に添加した場合、芯材との電位差が大きくなり、耐食性に有効な電位勾配ができることで、第1のアルミニウム合金材の耐食性を向上させ、腐食減量を低減する効果がある。しかし、Zn量が1.0%未満ではその効果が充分に発揮されず、5.0%を超えると腐食速度が速くなり腐食減量が増加する。したがって、本発明の第1ろう材のZn量は、1.0〜5.0%とする。なお、同様の理由により、下限を1.0%、上限を4.0%とすることが望ましく、さらには下限を1.5%、上限を3.5%とすることがより望ましい。
なお、第1ろう材における上記元素以外は、Al及び不可避不純物である。
Znは電位を卑にする作用があり、第1ろう材に添加した場合、芯材との電位差が大きくなり、耐食性に有効な電位勾配ができることで、第1のアルミニウム合金材の耐食性を向上させ、腐食減量を低減する効果がある。しかし、Zn量が1.0%未満ではその効果が充分に発揮されず、5.0%を超えると腐食速度が速くなり腐食減量が増加する。したがって、本発明の第1ろう材のZn量は、1.0〜5.0%とする。なお、同様の理由により、下限を1.0%、上限を4.0%とすることが望ましく、さらには下限を1.5%、上限を3.5%とすることがより望ましい。
なお、第1ろう材における上記元素以外は、Al及び不可避不純物である。
(3)第2ろう材の成分
本発明におけるろう材は、Al-Si系合金(JIS 4045合金,4343合金を含む)からなる。このAl-Si合金としては、Siを5.0〜9.5%含有することが好ましい。Siが5.0%未満では含有量が少ないためにろう付け不良を招き、Siが9.5%を超えるとろう付け時に溶融してしまう。Siの好ましい量は5.5〜9.0%、より好ましい量は6.0〜8.0%である。
本発明におけるろう材は、Al-Si系合金(JIS 4045合金,4343合金を含む)からなる。このAl-Si合金としては、Siを5.0〜9.5%含有することが好ましい。Siが5.0%未満では含有量が少ないためにろう付け不良を招き、Siが9.5%を超えるとろう付け時に溶融してしまう。Siの好ましい量は5.5〜9.0%、より好ましい量は6.0〜8.0%である。
(B) 第2のアルミニウム合金材について
[Mn:1.0〜1.8%]
Mnは芯材の強度を高める作用がある。しかし、Mn量が1.0%未満ではその効果が不十分である一方、1.8%を超えると鋳造性および圧延性が劣る。したがって、本発明の第2のアルミニウム合金材のMn量は、1.0〜1.8%とする。なお、同様の理由により、下限を1.15%、上限を1.75%とすることが望ましく、さらには下限を1.5%、上限を1.7%とすることがより望ましい。
[Mn:1.0〜1.8%]
Mnは芯材の強度を高める作用がある。しかし、Mn量が1.0%未満ではその効果が不十分である一方、1.8%を超えると鋳造性および圧延性が劣る。したがって、本発明の第2のアルミニウム合金材のMn量は、1.0〜1.8%とする。なお、同様の理由により、下限を1.15%、上限を1.75%とすることが望ましく、さらには下限を1.5%、上限を1.7%とすることがより望ましい。
[Si:0.3〜1.2%]
Siは芯材の強度を高める作用がある。しかし、Si量が0.3%未満ではその効果が不十分である一方、1.2%を超えるとろう付け時に局部融解してしまう。したがって、本発明の第2のアルミニウム合金材のSi量は、0.3〜1.2%とする。なお、同様の理由により、下限を0.4%、上限を1.2%とすることが望ましく、さらには下限を0.8%、上限を1.2%とすることがより望ましい。
Siは芯材の強度を高める作用がある。しかし、Si量が0.3%未満ではその効果が不十分である一方、1.2%を超えるとろう付け時に局部融解してしまう。したがって、本発明の第2のアルミニウム合金材のSi量は、0.3〜1.2%とする。なお、同様の理由により、下限を0.4%、上限を1.2%とすることが望ましく、さらには下限を0.8%、上限を1.2%とすることがより望ましい。
以下のZnは第2のアルミニウム合金材に含有させることが好ましい元素である。
[Zn:0.1〜2.0%]
Znは電位を卑にする作用があり、第2のアルミニウム合金材に添加した場合、第1のアルミニウム合金材芯材との電位差が大きくなり、耐食性に有効な電位勾配ができることで、耐食性を向上させる。
しかし、Zn量が0.1%未満ではその効果が充分に発揮されず、2.0%を超えると第1のアルミニウム合金材芯材との電位差が大きくなりすぎて耐食性を害する。したがって、Znを含有させる場合には、Zn量を0.1〜2.0%とするのが望ましい。
なお、第2のアルミニウム合金材における上記元素以外は、Al及び不可避不純物である。
[Zn:0.1〜2.0%]
Znは電位を卑にする作用があり、第2のアルミニウム合金材に添加した場合、第1のアルミニウム合金材芯材との電位差が大きくなり、耐食性に有効な電位勾配ができることで、耐食性を向上させる。
しかし、Zn量が0.1%未満ではその効果が充分に発揮されず、2.0%を超えると第1のアルミニウム合金材芯材との電位差が大きくなりすぎて耐食性を害する。したがって、Znを含有させる場合には、Zn量を0.1〜2.0%とするのが望ましい。
なお、第2のアルミニウム合金材における上記元素以外は、Al及び不可避不純物である。
(C) 第1のアルミニウム合金材芯材と第2のアルミニウム合金材の電位について
本発明の熱交換器において、ろう付け熱処理後の第2のアルミニウム合金材材の電位が第1のアルミニウム合金材芯材の電位より120〜200mV卑であり、且つ、ろう付け熱処理後に、さらに230℃、50hr(50時間)の熱処理を施した後に、第2のアルミニウム合金材の電位が第1のアルミニウム合金材芯材の電位より120〜200mV卑であることが、強酸環境下での耐食性にとって望ましい。
ここで、ろう付け後の電位差を特定するのは、本発明のアルミニウム合金製熱交換器がろう付けに供されるからである。また、ろう付け後に施す230℃, 50hrの熱処理は以下の意味を有する。本発明が志向する各種自動車部材の使用温度が最大230℃位であること、実際の自動車でこの最高温度に晒されるのは数100時間であるものの、50hr以上この温度に保持されても電位への影響が小さいこと、に基づいて規定されている。
第1のアルミニウム合金材芯材の電位は、ろう付け後に第1ろう材及び第2ろう材をエッチングで溶かして、芯材面を露出させてから測定する。第2のアルミニウム合金材の電位も同様である。
本発明の熱交換器において、ろう付け熱処理後の第2のアルミニウム合金材材の電位が第1のアルミニウム合金材芯材の電位より120〜200mV卑であり、且つ、ろう付け熱処理後に、さらに230℃、50hr(50時間)の熱処理を施した後に、第2のアルミニウム合金材の電位が第1のアルミニウム合金材芯材の電位より120〜200mV卑であることが、強酸環境下での耐食性にとって望ましい。
ここで、ろう付け後の電位差を特定するのは、本発明のアルミニウム合金製熱交換器がろう付けに供されるからである。また、ろう付け後に施す230℃, 50hrの熱処理は以下の意味を有する。本発明が志向する各種自動車部材の使用温度が最大230℃位であること、実際の自動車でこの最高温度に晒されるのは数100時間であるものの、50hr以上この温度に保持されても電位への影響が小さいこと、に基づいて規定されている。
第1のアルミニウム合金材芯材の電位は、ろう付け後に第1ろう材及び第2ろう材をエッチングで溶かして、芯材面を露出させてから測定する。第2のアルミニウム合金材の電位も同様である。
(D) 第1のアルミニウム合金材第1ろう材側表面とフィレットの電位差について
本発明の熱交換器において、ろう付け熱処理後の第1のアルミニウム合金材第1ろう材側表面の電位と第1のアルミニウム合金材と第2のアルミニウム合金材接合部に形成されるフィレットの電位と、の電位差(第1のアルミニウム合金材第1ろう材側表面電位−フィレット電位)が−100〜+100mVであり、且つ、ろう付け熱処理に引き続いて、230℃、50hrの熱処理を施した後に、第1のアルミニウム合金材第1ろう材側表面の電位と第1のアルミニウム合金材と第2のアルミニウム合金材接合部に形成されるフィレットの電位と、の電位差(第1のアルミニウム合金材第1ろう材側表面電位−フィレット電位)が−100〜+100mVであることが、強酸環境下での耐食性にとって望ましい。
本発明の熱交換器において、ろう付け熱処理後の第1のアルミニウム合金材第1ろう材側表面の電位と第1のアルミニウム合金材と第2のアルミニウム合金材接合部に形成されるフィレットの電位と、の電位差(第1のアルミニウム合金材第1ろう材側表面電位−フィレット電位)が−100〜+100mVであり、且つ、ろう付け熱処理に引き続いて、230℃、50hrの熱処理を施した後に、第1のアルミニウム合金材第1ろう材側表面の電位と第1のアルミニウム合金材と第2のアルミニウム合金材接合部に形成されるフィレットの電位と、の電位差(第1のアルミニウム合金材第1ろう材側表面電位−フィレット電位)が−100〜+100mVであることが、強酸環境下での耐食性にとって望ましい。
[実施例]
以上説明した本発明の熱交換器の効果を確認するために行った具体的な例を説明する。
[材料の製造工程]
半連続鋳造により第1のアルミニウム合金材及び第2のアルミニウム合金材の各要素に用いるアルミニウム合金を鋳造した。なお、各合金の化学組成は表1に示した通りである。また、第2ろう材はAl-7.5%Siの組成を有する合金を用いた。
得られた各種アルミニウム合金は、いずれも500℃、6hrの均質化処理を行なった。この均質化処理の条件は一例である。
均質化処理の後に、第1のアルミニウム合金材芯材用合金の一方の面に第1ろう材用合金を、さらに他方の面に第2ろう材用合金を組み合わせて熱間圧延し、クラッド材とした。
このクラッド材を所定の厚さまで冷間圧延を行った後、中間焼鈍を400℃で3hr行い、最終の冷間圧延により厚さ0.4mmのH14調質の3層構造クラッド材を作製した。クラッド材における各要素のクラッド率は、第1ろう材:芯材:第2ろう材(厚さ)=10%:80%:10%である。ただし、このクラッド率はあくまで一例である。また、中間焼鈍についても上記は一例であり、温度:200〜400℃、保持時間:1〜6hrの範囲から選択することができる。
なお、表1の実施例20、21および比較例15、16についてはタンク/ヘッダーの組合せを、その他の実施例、比較例についてはチューブ/インナーフィンの組合せを想定して試験材を作製し評価を行なった。
なお、表1の比較例2および12は、Mn量が多すぎるため、鋳造時に巨大晶が発生し、これが起点となって圧延時に破断が頻発し、健全なクラッド材を製造できなかった。また、表1の比較例4、14はSi量が、比較例6はCuの量が多すぎたため、それぞれ材料の融点が低下し、ろう付け時に局部融解し、健全なクラッド材を製造できなかった。
以上説明した本発明の熱交換器の効果を確認するために行った具体的な例を説明する。
[材料の製造工程]
半連続鋳造により第1のアルミニウム合金材及び第2のアルミニウム合金材の各要素に用いるアルミニウム合金を鋳造した。なお、各合金の化学組成は表1に示した通りである。また、第2ろう材はAl-7.5%Siの組成を有する合金を用いた。
得られた各種アルミニウム合金は、いずれも500℃、6hrの均質化処理を行なった。この均質化処理の条件は一例である。
均質化処理の後に、第1のアルミニウム合金材芯材用合金の一方の面に第1ろう材用合金を、さらに他方の面に第2ろう材用合金を組み合わせて熱間圧延し、クラッド材とした。
このクラッド材を所定の厚さまで冷間圧延を行った後、中間焼鈍を400℃で3hr行い、最終の冷間圧延により厚さ0.4mmのH14調質の3層構造クラッド材を作製した。クラッド材における各要素のクラッド率は、第1ろう材:芯材:第2ろう材(厚さ)=10%:80%:10%である。ただし、このクラッド率はあくまで一例である。また、中間焼鈍についても上記は一例であり、温度:200〜400℃、保持時間:1〜6hrの範囲から選択することができる。
なお、表1の実施例20、21および比較例15、16についてはタンク/ヘッダーの組合せを、その他の実施例、比較例についてはチューブ/インナーフィンの組合せを想定して試験材を作製し評価を行なった。
なお、表1の比較例2および12は、Mn量が多すぎるため、鋳造時に巨大晶が発生し、これが起点となって圧延時に破断が頻発し、健全なクラッド材を製造できなかった。また、表1の比較例4、14はSi量が、比較例6はCuの量が多すぎたため、それぞれ材料の融点が低下し、ろう付け時に局部融解し、健全なクラッド材を製造できなかった。
以上のようにして得た試料について、以下の評価を行った。
[電位(mV)]
以下の電位A〜Hを測定した。
電位A;ろう付け後の第1のアルミニウム合金材芯材の電位
電位B;ろう付け後の第2のアルミニウム合金材の電位
電位C;ろう付け後に、230℃で50hr保持する熱処理を行った後の第1のアルミニウム合金材芯材の電位
電位D;ろう付け後に、230℃で50hr保持する熱処理を行った後の第2のアルミニウム合金材の電位
電位E;ろう付け後の第1のアルミニウム合金材第1ろう材との接合面の表面電位
電位F;ろう付け後のフィレットの電位
電位G;ろう付け後に、230℃で50hr保持する熱処理を行った後の第1のアルミニウム合金材第1ろう材との接合面の表面電位
電位H;ろう付け後に、230℃で50hr保持する熱処理を行った後のフィレットの電位
測定方法;ろう付け相当熱処理後の各試料を用いて、アノード分極を実施した。アノード分極には照合電極として飽和カロメル電極を用い、窒素ガスの吹き込みにより脱気した40℃の2.67%AlCl3溶液中で電位掃引速度0.5mV/sで測定した。
[電位(mV)]
以下の電位A〜Hを測定した。
電位A;ろう付け後の第1のアルミニウム合金材芯材の電位
電位B;ろう付け後の第2のアルミニウム合金材の電位
電位C;ろう付け後に、230℃で50hr保持する熱処理を行った後の第1のアルミニウム合金材芯材の電位
電位D;ろう付け後に、230℃で50hr保持する熱処理を行った後の第2のアルミニウム合金材の電位
電位E;ろう付け後の第1のアルミニウム合金材第1ろう材との接合面の表面電位
電位F;ろう付け後のフィレットの電位
電位G;ろう付け後に、230℃で50hr保持する熱処理を行った後の第1のアルミニウム合金材第1ろう材との接合面の表面電位
電位H;ろう付け後に、230℃で50hr保持する熱処理を行った後のフィレットの電位
測定方法;ろう付け相当熱処理後の各試料を用いて、アノード分極を実施した。アノード分極には照合電極として飽和カロメル電極を用い、窒素ガスの吹き込みにより脱気した40℃の2.67%AlCl3溶液中で電位掃引速度0.5mV/sで測定した。
[強度]
ろう付け相当熱処理(窒素ガス雰囲気中で600℃、3min保持)を行った各試料からJIS H 4000に基づいて引張試験片を作製し、引張試験を行うことによりろう付け後の強度(引張強さ)を得た。
第1のアルミニウム合金材の引張強さは、150MPa以上を「○」、150MPa未満を「×」と判断し、また、第2のアルミニウム合金材の引張強さは120MPa以上を「○」、120MPa未満を「×」と判断し、結果を表1に示した。
ろう付け相当熱処理(窒素ガス雰囲気中で600℃、3min保持)を行った各試料からJIS H 4000に基づいて引張試験片を作製し、引張試験を行うことによりろう付け後の強度(引張強さ)を得た。
第1のアルミニウム合金材の引張強さは、150MPa以上を「○」、150MPa未満を「×」と判断し、また、第2のアルミニウム合金材の引張強さは120MPa以上を「○」、120MPa未満を「×」と判断し、結果を表1に示した。
[ろう付け性]
得られた第1のアルミニウム合金材用クラッド材と第2のアルミニウム合金材(JIS A3003)を用い、チューブ/インナーフィンを想定した組合せ(実施例1〜19、比較例1〜14)については、ミニコア(インナーフィンを内部に有するチューブ)を作製し、窒素ガス雰囲気中で600℃、3minの熱処理(ろう付け相当熱処理)を実施した。またタンク/ヘッダーを想定した組合せ(実施例20および21、比較例15および16)については、逆T字試験(タンク:水平材、ヘッダー:垂直材)を実施し、同様の熱処理を行なって評価した。
ろう付け性の評価は「接合率」と「ろう侵食性」とした。接合率については、ろう付け後のミニコアまたは逆T字試験サンプルを解体し、第1のアルミニウム合金材と第2のアルミニウム合金材の接合部の接合率を下記式(1)により算出し、接合率が95%以上の場合を「◎」、80%以上95%未満を「○」、80%未満を「×」として評価した。
(接合部の長さ)/(全体の長さ)×100 (%)…(1)
ろう侵食性については、第1のアルミニウム合金材と第2のアルミニウム合金材接合部の断面観察を行った。ろう侵食がほぼ見られない場合を「◎」、ろう侵食が見られたがフィンを貫通していないものを「○」、第2のアルミニウム合金材を貫通しているものを「×」とした(表1)。
得られた第1のアルミニウム合金材用クラッド材と第2のアルミニウム合金材(JIS A3003)を用い、チューブ/インナーフィンを想定した組合せ(実施例1〜19、比較例1〜14)については、ミニコア(インナーフィンを内部に有するチューブ)を作製し、窒素ガス雰囲気中で600℃、3minの熱処理(ろう付け相当熱処理)を実施した。またタンク/ヘッダーを想定した組合せ(実施例20および21、比較例15および16)については、逆T字試験(タンク:水平材、ヘッダー:垂直材)を実施し、同様の熱処理を行なって評価した。
ろう付け性の評価は「接合率」と「ろう侵食性」とした。接合率については、ろう付け後のミニコアまたは逆T字試験サンプルを解体し、第1のアルミニウム合金材と第2のアルミニウム合金材の接合部の接合率を下記式(1)により算出し、接合率が95%以上の場合を「◎」、80%以上95%未満を「○」、80%未満を「×」として評価した。
(接合部の長さ)/(全体の長さ)×100 (%)…(1)
ろう侵食性については、第1のアルミニウム合金材と第2のアルミニウム合金材接合部の断面観察を行った。ろう侵食がほぼ見られない場合を「◎」、ろう侵食が見られたがフィンを貫通していないものを「○」、第2のアルミニウム合金材を貫通しているものを「×」とした(表1)。
[耐食性]
ろう付け相当熱処理を行った各試料を用いて、各種強酸混合液(塩酸200ppm、硝酸200ppm、硫酸200ppm、酢酸200ppmの混合液)中での浸漬試験を実施した。強酸浸漬試験における評価は第1のアルミニウム合金材に関しては「腐食深さ」、第2のアルミニウム合金材に関しては「腐食減量」、フィレットに関してはチューブ/インナーフィンの組合せについては「フィン残存率」、タンク/ヘッダーの組合せについては「接合部残存率」とした。
腐食深さに関して、貫通寿命が浸漬試験100日以上である場合を「◎」、50日以上100日未満を「○」、25日以上50日未満を「△」、25日未満を「×」として評価した(表2)。
また、腐食減量に関して、腐食試験1日当たりの腐食減量が15mg/dm2未満のものを「◎」、15mg/dm2以上25mg/dm2未満のものを「○」、25mg/dm2以上30mg/dm2未満のものを「△」、30mg/dm2以上のものを「×」として評価した(表2)。
また、フィン残存率に関して、浸漬試験50日後、残存率を下記式(2)より算出し、90%以上を「◎」、80%以上90%未満を「○」、70%以上80%未満を「△」、70%未満を「×」として評価した(表2)。
(フィン残存箇所)/(全フィン接合箇所)×100(%)…(2)
一方、接合部残存率に関して、浸漬試験50日後の残存率を下記式(2)により求め、90%以上を「◎」、80%以上90%未満を「○」、70%以上80%未満を「△」、70%未満を「×」として評価した(表2)。
(タンク・ヘッダー接合部残存距離)/(タンク・ヘッダー接合部全距離)×100(%)
・・・(3)
ろう付け相当熱処理を行った各試料を用いて、各種強酸混合液(塩酸200ppm、硝酸200ppm、硫酸200ppm、酢酸200ppmの混合液)中での浸漬試験を実施した。強酸浸漬試験における評価は第1のアルミニウム合金材に関しては「腐食深さ」、第2のアルミニウム合金材に関しては「腐食減量」、フィレットに関してはチューブ/インナーフィンの組合せについては「フィン残存率」、タンク/ヘッダーの組合せについては「接合部残存率」とした。
腐食深さに関して、貫通寿命が浸漬試験100日以上である場合を「◎」、50日以上100日未満を「○」、25日以上50日未満を「△」、25日未満を「×」として評価した(表2)。
また、腐食減量に関して、腐食試験1日当たりの腐食減量が15mg/dm2未満のものを「◎」、15mg/dm2以上25mg/dm2未満のものを「○」、25mg/dm2以上30mg/dm2未満のものを「△」、30mg/dm2以上のものを「×」として評価した(表2)。
また、フィン残存率に関して、浸漬試験50日後、残存率を下記式(2)より算出し、90%以上を「◎」、80%以上90%未満を「○」、70%以上80%未満を「△」、70%未満を「×」として評価した(表2)。
(フィン残存箇所)/(全フィン接合箇所)×100(%)…(2)
一方、接合部残存率に関して、浸漬試験50日後の残存率を下記式(2)により求め、90%以上を「◎」、80%以上90%未満を「○」、70%以上80%未満を「△」、70%未満を「×」として評価した(表2)。
(タンク・ヘッダー接合部残存距離)/(タンク・ヘッダー接合部全距離)×100(%)
・・・(3)
Claims (7)
- 第1のアルミニウム合金材に第2のアルミニウム合金材がろう付けにより接合された熱交換器であって、
前記第1のアルミニウム合金材は、
Mn:1.0〜1.8%、Si:0.3〜1.2%、Cu:0.1〜1.0%を含有し、残部がAlおよび不可避不純物からなる第1のアルミニウム合金材芯材と、
前記第1のアルミニウム合金材芯材の第2のアルミニウム合金材との接合部側に配置され、Si:5.0〜9.5%、Zn:1.0〜5.0%含有し、残部がAlおよび不可避不純物からなるろう材と、
前記第1のアルミニウム合金材芯材の第2のアルミニウム合金材との接合部反対側に配置され、Al-Si系合金からなるろう材と、を備え
前記第2のアルミニウム合金材は、
Mn:1.0〜1.8%、Si:0.3〜1.2%含有し、残部がAlおよび不可避不純物からなる、
強酸環境下での耐食性に優れることを特徴とするアルミニウム合金製熱交換器。 - 前記第1のアルミニウム合金材は、チューブ材である請求項1に記載のアルミニウム合金製熱交換器。
- 前記第2のアルミニウム合金材は、インナーフィン材である請求項1または2に記載のアルミニウム合金製熱交換器。
- 前記第1のアルミニウム合金材芯材は、Mg:0.1〜0.3%をさらに含有する、
請求項1〜3に記載のアルミニウム合金製熱交換器。 - 前記第2のアルミニウム合金材は、Zn:0.1〜2.0%をさらに含有する、
請求項1〜4に記載のアルミニウム合金製熱交換器。 - ろう付け熱処理後の前記第2のアルミニウム合金材の電位が第1のアルミニウム合金材芯材の電位より120〜200mV卑であり、
且つ、
前記ろう付け熱処理に引き続いて、230℃、50hrの熱処理をさらに施した後、第2のアルミニウム合金材の電位が第1のアルミニウム合金材芯材の電位より120〜200mV卑である、
請求項1〜5のいずれか一項に記載のアルミニウム合金製熱交換器。 - ろう付け熱処理後の第1のアルミニウム合金材の第2アルミニウム合金材との接合部側表面の電位と、第1のアルミニウム合金材と第2のアルミニウム合金材の接合部に形成されるフィレットの電位と、の電位差が−100〜+100mVであり、
且つ、
前記ろう付け熱処理に引き続いて、230℃、50hrの熱処理をさらに施した後、第1のアルミニウム合金材の第2アルミニウム合金材との接合部側表面の電位と、第1のアルミニウム合金材と第2のアルミニウム合金材の接合部に形成されるフィレットの電位と、の電位差が−100〜+100mVである、
請求項1〜6のいずれか一項に記載のアルミニウム合金製熱交換器。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013071856A JP2014177694A (ja) | 2013-02-18 | 2013-03-29 | 強酸環境下での耐食性に優れるアルミニウム合金製熱交換器 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2017226880A (ja) * | 2016-06-22 | 2017-12-28 | 株式会社Uacj | 大気環境における耐食性に優れるアルミニウム合金製熱交換器及びアルミニウム合金製熱交換器の製造方法 |
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WO2019189428A1 (ja) * | 2018-03-29 | 2019-10-03 | 株式会社Uacj | 排気再循環システム用アルミニウム合金製熱交換器 |
WO2019189426A1 (ja) * | 2018-03-29 | 2019-10-03 | 株式会社Uacj | 排気再循環システム用アルミニウム合金製熱交換器 |
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2013
- 2013-03-29 JP JP2013071856A patent/JP2014177694A/ja active Pending
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