JP4908194B2 - 導電性インクとそれを用いた印刷配線基板とその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、配線導体等の配線の製造方法とそれに用いる導電性インクに関する。
従来、銅配線では、銅フィラーをバインダーで結着する手法(特許文献1、参照)や銅ナノ粒子を用いて銅を結着する手法が用いられている。
銅フィラーをバインダーで結着する手法では、銅焼成過程においては、きわめて低い200℃以下という温度で焼成できる利点は有しているものの、エッチングで作製される銅配線が示す導電性を得るには至っていない。
一方、銅ナノ粒子を用いて銅を結着する手法を用いた場合でも、銅粒子のナノサイズ化によって銅の融点を降下させ、200℃−300℃の銅の融着に成功しているが、銅粒子のナノサイズ化に高度な製造制御技術が必要とされている。
特許第2690744号公報
そこで、本発明の技術的課題は、導電性配線の焼成を、200℃以下の低温かつ大気中で行うことにある。即ち、金属イオンの還元反応において、その反応速度を高めることによって、酸化皮膜形成が著しく低減した金属配線の形成を実現することができ、マイグレーション防止の特性が向上し、且つ環境特性の向上した印刷配線基板とその製造方法とそれに用いる導電性インクとを提供することにある。
本発明によれば、金属源、還元剤、及び酸化防止剤とを含む導電性インクであって、前記酸化防止剤は、当該導電性インクを配線用導体膜として大気中で加熱して形成する際の焼成中における当該配線用導体膜の酸化を防止するために前記導電性インクに含有される導電性高分子であることを特徴とする導電性インクが得られる。
また、本発明によれば、金属源、還元剤、及び酸化防止剤とを含む導電性インクであって、前記酸化防止剤は、当該導電性インクを配線用導体膜として大気中で加熱して形成する際の焼成中における当該配線用導体膜の酸化を防止するために前記導電性インクに含有されるイミダゾール系の化合物であることを特徴とする導電性インクが得られる。
また、本発明によれば、前記導電性インクにおいて、前記焼成中の酸化防止剤としての導電性高分子は、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリピロール、またはそれらの誘導体のいずれかであることを特徴とする導電性インクが得られる。
また、本発明によれば、前記導電性インクにおいて、前記焼成中の酸化防止剤としての導電性高分子は、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)を骨格にもつことを特徴とする導電性インクが得られる。
また、本発明によれば、前記いずれか一つの導電性インクにおいて、前記金属源は、Cu、Cu化合物、Cuイオン源物質、のいずれかを含むことを特徴とする導電性インクが得られる。
また、本発明によれば、前記いずれか一つの導電性インクにおいて、前記還元剤は、還元糖類、ヒドラジン化合物、NaBH 、アミン類、一級又は二級アルコール、ホルムアルデヒド、次亜リン酸、ジメチルアミンボラン、グリオキシル酸、ホスフィン誘導体、トルエンスルフォン酸、ハイドロキノン、カテコール、アスコルビン酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、ヒドロキシルアミン、ヒドロキシアセトン、酸化還元電位が前記金属源より負にある金属類、還元性のある樹脂の内の少なくとも1種を含むことを特徴とする導電性インクが得られる。
また、本発明によれば、前記いずれか一つの導電性インクを、絶縁体基板もしくは半導体基板上に印刷し、焼成してなることを特徴とする印刷配線基板が得られる。
また、本発明によれば、前記いずれか一つの導電性インクを、絶縁体基板もしくは半導体基板上に印刷し、200℃よりも低温で焼成することを特徴とする印刷配線基板の製造方法が得られる。
本発明では、銅と、酸化防止剤との混合物を用いて、回路パターンを印刷し、配線上で銅源を還元させることにより形成する低温プロセスによる配線の製造方法と、そのための導電性インクを提供することができる。
更に、本発明では、酸化防止剤を、予め混入しておくことにより、酸化防止効果の高い配線を200℃以下の低温かつ大気中で製造可能な方法とそのための導電性インクを得ることが出来る。
なお、本発明では、銅の代わりにNi,Bi,Pdも用いることができる。
本発明についてさらに、具体的に説明する。
本発明は、金属源、酸化防止剤、及び還元剤とを含む導電性インクにより印刷形成する配線の製造方法である。即ち、配線を製造するための溶液は、金属源、酸化防止剤、及び還元剤を夫々を含んでいる1種の溶液でも良い。また、金属源、酸化防止剤、及び還元剤を夫々別々に含む3種の溶液を用いても良い。さらに、金属源、酸化防止剤、及び還元剤の内の2種を含む溶液と、残りの1種を含む溶液としても良い。要するに、複数種の溶液の全体が金属源、酸化防止剤、及び還元剤を必ず含む構成であれば良い。特に、金属源及び酸化防止剤を含む第1の溶液と、還元剤を含む第2の溶液とすることが好ましい。
本発明によって得られた配線は、配線導体、導体、抵抗体、キャパシタ、インダクタ及び発熱体として使用することもでき、直接回路形成用だけでなく、絶縁基板あるいは半導体基板上の金属膜形成用に用いてもかまわない。また、導体膜上に形成してもよく、電極として使用してもよい。さらに、スルーホールのような導通にも使用してもよい。
ここで、本発明において、配線導体を形成する基板としては、リジッド、又はフレキシブル材料等の可撓性の有無に係わらず絶縁性の基板あるいは半導体基板であれば、回路パターンを表面にそのまま形成することができる。
本発明の配線導体を形成する絶縁性基板としては、無機及び有機基板のいずれも使用可能である。無機基板としては、ガラス基板、シリコン、ゲルマニウム等の半導体基板、ガリウム−ヒ素、インジウム−アンチモン等の化合物半導体基板等を用いることができるし、これらの表面に他の物質の薄膜を形成した上で用いることも可能である。この場合、薄膜としては、アルミニウム、チタン、クロム、ニッケル、銅、銀、タンタル、タングステン、オスミウム、白金、金等の金属の他に、二酸化ケイ素、フッ素化ガラス、リンガラス、ホウ素−リンガラス、ホウケイ酸ガラス、多結晶シリコン、アルミナ、チタニア、ジリコニア、窒化シリコン、窒化チタン、窒化タンタル、窒化ホウ素、水素化シルセスキオキサン,ITO(インジウムスズオキサイド)等の無機化合物、メチルシルセスキオキサン、アモルファスカーボン、フッ素化アモルファスカーボン、ポリイミド等からなる薄膜を用いることができる。有機基板としては、金属酸化物分散体の加熱処理温度において、熱的な損傷を受けない限りにおいて制限はなく、例えば、ポリイミド基板、ポリエチレンテレフタレート(PET)基板、アラミド基板、エポキシ基板、フッ素樹脂基板等の基板を使用可能である。また、基板表面と本発明の手法で生成した銅と接着しやすい処理をしておくとなおよい。例えば、配線導体の形成に先立ち、密着性向上等の目的で、上記基板の表面を予めプラズマ処理、電子線処理等の物理的手法で処理しても良いし、また、密着性向上剤等の化学的手法により処理しても良い。この場合の密着性向上剤としては、いわゆるシランカップリング剤として用いられるものやアルミニウムキレート化合物等を使用することができる。好ましく用いられるものとして,3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジクロロシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン,3−クロロプロピルメチルジエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン,3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリス(エチルアセテート)、アルミニウムビス(エチルアセトアセテート)モノアセチルアセトネート、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)等が挙げられる。これらの密着向上剤を塗布するにあたっては、必要に応じて、他の添加物を加えたり、溶媒で希釈しても良い。密着向上剤による処理は、公知の方法で行うことができる。また、有機基板との密着性を向上する目的には、有機基板をアルカリ水溶液中に浸漬して加熱する手法をとることも可能である。例えば、ポリイミド樹脂であれば、5M程度の水酸化カリウム溶液で5分程度処理することにより、イミド環が開裂して生成するカルボキシル基がアンカー効果に寄与することが公知である。
また、本発明による配線導体は、絶縁性基板上でも、半導体などの非絶縁性基板上でも良好に形成される。
金属源である銅としては、銅イオン、銅粒子、銅酸化物を用いることが出来る。銅イオン源は、ハロゲン化銅化合物、ナフテン酸銅のような有機銅化合物、アセチルアセトン銅、硫酸銅、及び酢酸銅などが挙げられるが、加熱後気化する面で酢酸銅が有利である。
また、銅粒子は触媒となり反応速度を上げる役割があるため、含有していた方がよい。
さらに、酸化防止剤としては限定されるものではないが、導電性高分子、イミダゾール系の化合物などが例示できる。
また、酸化防止剤は、導電性高分子が望ましく、導電性高分子としては、例えば、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリピロールおよびその誘導体等をあげることができ、その内一種以上を用いることが出来る。また、(3,4−エチレンジオキシチオフェン)を骨格にもつものが好ましい。
また、Poly(3,4−ethylenedioxythiophene)(PEDOT)と高分子電解質であるポリスチレンスルフォン酸(PSS)との混合物のように、混合物も使用することができる。
また、導電性高分子としては、モノマー、オリゴマーでも使用することができる。例えば、ポリピロール、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)のようなものでも使用できる。
この導電性高分子は、混合液に可溶もしくは分散しやすければよい。銅イオンを配位もしくは弱い相互作用を持つものが使いやすく、導電性高分子の置換基にSO 、COOなどのアニオン性の基を有するもの、水酸基、δ程度のエーテル基などが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
また、還元剤による還元方法は、既知の手法を用いることが出来る。この還元剤としては、還元糖類、ヒドラジン化合物、NaBH、アミン類、一級、二級アルコール、ホルムアルデヒド、次亜リン酸、ジメチルアミンボラン、グリオキシル酸、ホスフィン誘導体、トルエンスルフォン酸、ハイドロキノン、カテコール、アスコルビン酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、ヒドロキシルアミン、ヒドロキシルアセトン、酸化還元電位が前記した金属源となる対象金属種より負にある金属類、還元性のある樹脂などを用いることが出来る。これらの還元剤は1種類以上含んでも良い。
さらに、超音波印加により、還元反応を促進させることも出来る。反応速度を上げる必要がある場合、ニッケル、パラジウムの様な金属触媒、アンモニアの様な塩基性触媒(活性剤)を添加するとよい。また、pHを調整してもかまわない。
また、本発明では、導電膜を形成する金属源、還元剤、及び酸化防止剤の混合物、更に、既知の安定剤、光沢剤その他添加剤を用いることが出来る。例えば、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ポリエチレングリコールを例示することができる。
また、銅源、及び酸化防止剤、還元剤を少なくとも含有している混合物は、減圧濃縮等により濃度を調整可能である。必要に応じて安定化剤、粘度調整剤などを混入してもかまわない。
さらに、銅源、及び酸化防止剤、還元剤を少なくとも含有している混合物を溶剤の揮発よりも早く還元反応を進めることで、銅膜を得ることができる。例えば、加熱した基板上に混合物の滴下、触媒の調整により実現できる。得られた銅膜はそのまま、回路として供しても良いし、溶剤等で洗浄しても良い。
本発明の回路基板を印刷により製造するには、銅源、及び酸化防止剤、還元剤を含んでいる混合物をスクリーン印刷法、インクジェット法、ディスペンサーを用いる方法、スプレーコートを用いる手法を用いることが出来る。
また、酸化防止剤を入れたことで、銅配線を形成する膜は、銅膜の表面もしくは内部に酸化防止膜のコーティング層を形成し、酸化しにくくなるので、酸化防止効果が向上し、さらに、マイグレーション防止特性及び耐環境特性が向上する。
本発明の配線導体は、形成せしめる金属源としては、Cuが最も良好であるが、金属源としては、これに限定されるものではない。例えば、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、ニッケル(Ni)、錫(Sn)、ビスマス(Bi)、などでも同様の効果が得られる。
以下に、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではないことは勿論である。
(比較例1)
比較例1では、酸化防止剤を含まない基本構成のみについて説明する。
ジエチレングリコールジエチルエーテル(DEDE)3gと、酢酸銅50mgを混合し十分に攪拌した。ヒドラジンを1滴滴下し、よく攪拌した。この混合溶液を窒素置換のドライボックス中で150℃に加熱したガラス基板上に滴下した。銅の光沢のある膜が得られた。抵抗は0.5Ωであった。
同じ溶液を大気中、同条件で作製したところ、抵抗値は13MΩであった。このことから、大気中では銅の酸化が早く銅膜を作製できないことが判明した。
(実施例1)
実施例1では、上記比較例1の基本構成に、酸化防止剤としてイミダゾール使用した場合について説明する。
ジエチレングリコールジエチルエーテル(DEDE)3g、酢酸銅100mg、イミダゾール1mgを混合し、十分に攪拌した。ヒドラジンを1滴滴下し、よく攪拌した。この混合溶液を窒素置換のドライボックス中で150℃に加熱したガラス基板上に滴下した。銅の光沢のある膜が得られた。抵抗は10Ωであった。同じ溶液を大気中、同条件で作製したところ、抵抗値は100Ωであった。
(実施例2)
実施例2では、酸化防止剤としてポリピロールを使用した場合について説明する。
水4g、酢酸銅50mg、ポリピロール10mgを混合し、十分に攪拌した。ヒドラジンを1滴滴下し、よく攬絆した。この混合溶液を窒素置換のドライボックス中で150℃に加熱したガラス基板上に滴下した。抵抗は10Ωであった。
(実施例3)
実施例3では、実施例2の溶媒を非水系に変更した。
ジエチレングリコールジエチルエーテル(DEDE) 3g、酢酸銅50mg、ポリピロール10mgを混合し、十分に攪拌した。ヒドラジンを1滴滴下し、よく攪拌した。この混合溶液を窒素置換のドライボックス中で、150℃に加熱したガラス基板上に滴下した。抵抗は0.4Ωであった。同じ溶液を大気中、同じ条件で作製したところ、抵抗値は10Ωであった。
(実施例4)
実施例4では、酸化防止剤として(3,4−エチレンジオキシチオフェン)ユニットを含む導電性高分子溶液を使用した。
(3,4−エチレンジオキシチオフェン)ユニットを含む導電性高分子としてバイエル社により販売されている、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリスチレンスルホン酸(PEDOT/PSS)コロイド分散型水溶液(Baytron P)を使用した。
ジエチレングリコールジエチルエーテル(DEDE)3g、酢酸銅50mg、BaytronP 10mgを混合し、十分に攪拌した。ヒトラジンを1滴滴下し、よく攪拌した。この混合溶液を窒素置換のドライボックス中で、150℃に加熱したガラス基板上に滴下した。抵抗は0.6Ωであった。
同じ溶液を大気中、同条件で作製したところ、抵抗値は4Ωであった。
(実施例5)
実施例5では、溶媒を水に変更した。
水3g、酢酸銅50mg、BaytronP 10mgを混合し、十分に攪拌した。ヒドラジンを1滴滴下し、よく攪拌した。この混合溶液を窒素置換のドライボックス中で、150℃に加熱したガラス基板上に滴下した。抵抗は0.5Ωであった。
同じ溶液を大気中、同条件で作製したところ、抵抗値は4Ωであった。
(実施例6)
水3g、酢酸銅50mg、BaytronP 10mgを混合し、十分に攪拌した。ヒドラジンを1滴滴下し、よく攪拌した。更に還元反応の速度を早くするために、アンモニアを10mg添加した。この混合溶液を窒素置換のドライボックス中で、150℃に加熱したガラス基板上に滴下した。抵抗は、0.3Ωであった。
同じ溶液を大気中、同条件で作製したところ、抵抗値は0.4Ωであった。
(実施例7)
実施例7では、酸化防止剤としてポリアニリンスルフォン酸を使用した。
水3g、酢酸銅50mg、ポリアニリンスルフォン酸1mgを混合し、十分に攪拌した。ヒドラジンを1滴滴下し、よく攪拌した。この混合溶液を窒素置換のドライボックス中で、150℃に加熱したガラス基板上に滴下した。抵抗は0.9Ωであった。比較のために、同じ溶液を大気中、同条件で作製したところ、抵抗値は3Ωであった。
(実施例8)
実施例8では、耐マイグレーション試験と、環境試験を行った。耐マイグレーション試験は高温、高温度下で電圧5V印加し、絶縁抵抗が一定値以下になる時間を測定した。また、環境試験は耐熱試験90℃、200Hr、耐寒試験−30℃、200Hr、高温高湿60℃/湿度95%で行い、試験前後の抵抗の変化率を調べた、それらの結果を下記表1に示した。
Figure 0004908194
上記表1から、酸化防止剤を添加することにより環境試験が良好になり、酸化防止効果が確認できた。更に耐マイグレーション性も向上した。なお、変化率100%とは、比較例1の場合、0.5Ωの変動で100%となり、合計1Ωとなることである。
酸化防止剤なしの比較例1の場合0.50×(1+1.5)=1.25Ω(窒素雰囲気中)であった。これに対して、酸化防止剤ありの実施例4の場合0.60×(1+0.018)=0.61Ω(窒素雰囲気中)となった。
以上の説明のように、本発明の実施例においては、銅源及び酸化防止剤、還元剤を含有する導電性インクを用いて、回路パターンを印刷し、配線上で銅源を還元させることにより銅配線を得ることが出来る。なお、上記実施例においては、銅源及び酸化防止剤、還元剤の全てを含有する導電性インクを用いて、配線を製造したが、還元剤を分離して、残りの銅源及び酸化防止剤を含む液を第1の液とし、還元剤を含む液を第2の液として、別々に作製し、夫々別々に吐出し形成される配線上で混合できるようにしても良い。
本発明の手法では200℃以下、大気中という製造プロセス上極めて簡便な雰囲気で作製可能である。更に、酸化防止剤を、予め混入しておくことにより、酸化防止効果の高い銅配線を200℃以下の低温且つ大気中で得ることが出来る。
また、本発明によれば、マイグレーション防止特性を向上させることができ、環境特性向上させることができる。
以上説明したように、本発明に係る回路基板とその製造方法によって製造された回路基板は、電気・電子用回路用銅配線基板に適用される。

Claims (8)

  1. 金属源、還元剤、及び酸化防止剤を含む導電性インクであって、前記酸化防止剤は、当該導電性インクを配線用導体膜として大気中で加熱して形成する際の焼成中における当該配線用導体膜の酸化を防止するために前記導電性インクに含有される導電性高分子であることを特徴とする導電性インク。
  2. 金属源、還元剤、及び酸化防止剤とを含む導電性インクであって、前記酸化防止剤は、当該導電性インクを配線用導体膜として大気中で加熱して形成する際の焼成中における当該配線用導体膜の酸化を防止するために前記導電性インクに含有されるイミダゾール系の化合物であることを特徴とする導電性インク。
  3. 請求項1に記載の導電性インクにおいて、前記焼成中の酸化防止剤としての導電性高分子は、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリピロール、またはそれらの誘導体のいずれかであることを特徴とする導電性インク。
  4. 請求項1に記載の導電性インクにおいて、前記焼成中の酸化防止剤としての導電性高分子は、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)を骨格にもつことを特徴とする導電性インク。
  5. 請求項1乃至4の内のいずれか一項に記載の導電性インクにおいて、前記金属源は、Cu、Cu化合物、Cuイオン源物質、のいずれかを含むことを特徴とする導電性インク。
  6. 請求項1乃至5の内のいずれか一項に記載の導電性インクにおいて、前記還元剤は、還元糖類、ヒトラジン化合物、NaBH、アミン類、一級又は二級アルコール、ホルムアルデヒド、次亜リン酸、ジメチルアミンボラン、グリオキシル酸、ホスフィン誘導体、トルエンスルフォン酸、ハイドロキノン、カテコール、アスコルビン酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、ヒドロキシルアミン、ヒドロキシアセトン、酸化還元電位が前記金属源より負にある金属類、還元性のある樹脂の内の少なくとも1種を含むことを特徴とする導電性インク。
  7. 請求項1乃至6の内のいずれか一項に記載の導電性インクを、絶縁体基板もしくは半導体基板上に印刷し、焼成してなることを特徴とする印刷配線基板。
  8. 請求項1乃至6の内のいずれか一項に記載の導電性インクを、絶縁体基板もしくは半導体基板上に印刷し、200℃よりも低温で焼成することを特徴とする印刷配線基板の製造方法。
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