JP2015018672A - 導電膜形成用組成物およびこれを用いる導電膜の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた導電性を示し、かつ線幅の変化が抑制された導電膜を形成することができる導電膜形成用組成物を提供する。
【解決手段】銅粒子と、酸化銅粒子と、1分子中に、アミノ基およびヒドロキシ基からなる群から選択される2以上の官能基を有し、かつそのうち少なくとも1以上はアミノ基である有機化合物とを含むことを特徴とする導電膜形成用組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、導電膜形成用組成物に関する。より詳細には、本発明は、銅粒子と、酸化銅粒子と、特定の2以上の官能基を有する有機化合物とを含む導電膜形成用組成物に関する。
基材上に金属膜を形成する方法として、金属粒子または金属酸化物粒子の分散体を印刷法により基材に塗布し、加熱処理して焼結させることによって金属膜や回路基板における配線等の電気的導通部位を形成する技術が知られている。
上記方法は、従来の高熱・真空プロセス(スパッタ)やめっき処理による配線作製法に比べて、簡便・省エネ・省資源であることから次世代エレクトロニクス開発において大きな期待を集めている。
例えば、特許文献1には、分散媒に分散された金属フィラー及び金属酸化物超微粒子を含む導電性金属ペーストであって、ペースト中に、炭素数10以下の多価アルコール及びポリエーテル化合物を含有し、金属フィラーと金属酸化物超微粒子との含有比率が、金属酸化物超微粒子100質量部当たり、金属フィラーが10〜1000質量部であり、金属フィラーの平均粒径が0.5〜20μmであり、金属酸化物超微粒子の平均粒径が200nm以下であり、かつ金属酸化物は加熱により金属成分に還元され、コーン・プレート型回転粘度計を用いて測定したずり速度が10s−1である時、25℃における粘度が50Pa・s以上であることを特徴とするビア充填用導電性金属ペーストが開示されている。
また、例えば、特許文献2には、金属酸化物ナノ微粒子及び金属部分縮重合酸化物から選ばれた少なくとも一つの100nm以下の酸化物と、100nm以下の金属ナノ微粒子とを有する金属インクであって、前記酸化物と前記金属ナノ微粒子とが溶媒内に完全に孤立分散した金属インクが開示され、金属酸化物ナノ微粒子としては銅(Cu)の酸化物を用いることができること、金属ナノ微粒子としては銅(Cu)を用いることができること、さらに、分散剤としてアルキルアミンを含有してもよいことも開示されている。
特許第4804083号公報 特表2009−515023号公報
一方、近年、電子機器の小型化、高機能化の要求に対応するため、プリント配線板などにおいては配線のより一層の微細化および高集積化が進んでいる。また、基材の上に優れた導電性を示す導電膜を形成できることが要求されている。
本発明者らが、特許文献1に記載のポリエーテル化合物を用いて導電膜形成用組成物を調製し、導電膜の形成を試みたところ、成膜による高温時に膜の粘度が低下し、横に流れるため線幅が広がってしまう問題があることがわかった。また、本発明者らが、特許文献2に記載のアルキルアミンを用いて導電膜形成用組成物を調製し、導電膜の形成を試みたところ、導電性が要求される水準に達していなかった。したがって、従来の技術では、優れた導電性を示し、かつ成膜時の線幅の変化が抑制された導電膜を形成することができなかった。
そこで、本発明は、上記実情に鑑みて、優れた導電性を示し、かつ成膜時の線幅の変化が抑制された導電膜を形成することができる導電膜形成用組成物を提供することを目的とする。
また、本発明は、この導電膜形成用組成物を用いた導電膜の製造方法を提供することも目的とする。
本発明者らは、従来技術の問題点について鋭意検討した結果、導電膜形成用組成物中に、銅粒子と、酸化銅粒子と、1分子中に、アミノ基およびヒドロキシ基からなる群から選択される2以上の官能基を有し、かつそのうち少なくとも1以上はアミノ基である有機化合物を含有することにより、上記課題を解決できることを見出した。
すなわち、以下の構成により上記目的を達成することができることを見出した。
(1)銅粒子と、酸化銅粒子と、1分子中に、アミノ基およびヒドロキシ基からなる群から選択される2以上の官能基を有し、かつそのうち少なくとも1以上はアミノ基である有機化合物とを含むことを特徴とする導電膜形成用組成物。
(2)銅粒子の酸化銅粒子に対する質量割合(銅粒子の全質量/酸化銅粒子の全質量)が0.3以上である、(1)に記載の導電膜形成用組成物。
(3)酸化銅粒子の平均粒径が1〜100nmである、(1)または(2)に記載の導電膜形成用組成物。
(4)銅粒子の平均粒径が0.5〜9μmである、(1)〜(3)のいずれか1項に記載の導電膜形成用組成物。
(5)有機化合物がアミノ基およびヒドロキシ基を有する、(1)〜(4)のいずれか1項に記載の導電膜形成用組成物。
(6)有機化合物が1級アミノ基を有する、(1)〜(5)のいずれか1項に記載の導電膜形成用組成物。
(7)有機化合物の酸化銅粒子に対する質量割合(有機化合物の全質量/酸化銅粒子の全質量)が2.0以下である、(1)〜(6)のいずれか1項に記載の導電膜形成用組成物。
(8)さらに、溶媒を含む、(1)〜(7)のいずれか1項に記載の導電膜形成用組成物。
(9)(1)〜(8)のいずれか1項に記載の導電膜形成用組成物を基材上に付与して、塗膜を形成する塗膜形成工程と、
塗膜に対して加熱処理および/または光照射処理を行い、金属銅を含有する導電膜を形成する導電膜形成工程と
を備える、導電膜の製造方法。
本発明によれば、優れた導電性を示し、かつ成膜時の線幅の変化が抑制された導電膜を形成することができる導電膜形成用組成物を提供することができる。
また、本発明によれば、該導電膜形成用組成物を用いた導電膜の製造方法を提供することもできる。
以下に、本発明の導電膜形成用組成物および導電膜の製造方法の好適態様について詳細に説明する。
まず、本発明の従来技術と比較した特徴点について詳述する。
上述したように、本発明の一つの特徴は、導電膜形成用組成物中に1分子中に、アミノ基およびヒドロキシ基からなる群から選択される2以上の官能基を有し、かつそのうち少なくとも1以上はアミノ基である有機化合物(以下「特定有機化合物」という場合がある。)を含む点にある。この特定有機化合物はアミノ基を有し、酸化銅粒子の凝集を促進するため、組成物を焼結で高温に加熱した際の線幅の変化を抑制することができる。また、アミノ基およびヒドロキシ基はいずれも焼結時の酸化銅の還元を促進するため、これらの基を有することによって、形成される導電膜の導電性を向上させることができる。
以下では、まず、導電膜形成用組成物の各種成分(銅粒子、酸化銅粒子、および特定有機化合物など)について詳述し、その後、導電膜の製造方法について詳述する。
〈銅粒子〉
導電膜形成用組成物には、銅粒子が含まれる。銅粒子は、後述する酸化銅粒子の酸化銅が成膜時の加熱処理または光照射処理によって還元されて生じる金属銅とともに導電膜中の金属銅を構成する。
銅粒子の平均粒径は、特に制限されないが、マイクロ粒子サイズが好ましく、0.5〜9μmの範囲内がより好ましく、0.5〜5.0μmの範囲内がさらに好ましく、0.5〜1.5μmの範囲内がいっそう好ましい。
平均粒径が0.5μm以上であれば、得られる導電膜の導電性がさらに優れるため、好ましい。また、平均粒径が9μm以下であれば、微細配線がさらにしやすくなるため、好ましい。
銅粒子としては、導電膜形成用組成物に用いられる公知の金属銅粒子を使用することができる。例えば、銅粒子として、三井金属鉱業社製の湿式銅粉1020Y、湿式銅粉1030Y、湿式銅粉1050Y、湿式銅粉1100Y等を使用することができる。
なお、本発明における平均粒径は、平均一次粒径のことを指す。平均粒径は、透過型電子顕微鏡(TEM)観察または走査型電子顕微鏡(SEM)観察により、少なくとも50個以上の銅粒子の粒径(直径)を測定し、それらを算術平均して求める。なお、観察図中、銅粒子の形状が真円状でない場合、長径を直径として測定する。
〈酸化銅粒子〉
導電膜形成用組成物には、酸化銅粒子が含まれる。酸化銅粒子の酸化銅は、成膜時の加熱処理または光照射処理によって金属銅に還元され、前述した銅粒子とともに導電膜中の金属銅を構成する。
酸化銅粒子の平均粒径は、特に制限されないが、ナノ粒子サイズが好ましく、1〜100nmの範囲内がより好ましく、1〜80nmの範囲内がさらに好ましく、1〜50nmの範囲内がいっそう好ましい。
平均粒径が1nm以上であれば、粒子表面の活性が高くなりすぎず、組成物中で分散が容易となり、取扱い性、保存性に優れるため好ましい。また、平均粒径が100nm以下であれば、組成物を導電膜化(導体化)する際に、活性面が広がるため金属銅への還元が起こりやすく、焼結時間が短縮され、さらに銅粒子どうしの融着が起こりやすくなるため、得られる導電膜の導電性が良好なものとなり、好ましい。
本発明における「酸化銅」とは、酸化されていない銅を実質的に含まない化合物であり、具体的には、X線回折による結晶解析において、酸化銅由来のピークが検出され、かつ金属由来のピークが検出されない化合物のことを指す。銅を実質的に含まないとは、銅の含有量が酸化銅粒子の全質量中、1質量%以下であることをいう。
また、酸化銅としては、酸化銅(I)または酸化銅(II)が好ましく、安価に入手可能であること、安定性が高いことから酸化銅(II)であることが更に好ましい。
酸化銅粒子としては、導電膜形成用組成物に用いられる公知の酸化銅粒子を使用することができる。例えば、酸化銅粒子として、関東化学社製のCuOナノ粒子、シグマ・アルドリッチ社製のCuOナノ粒子等を使用することができる。
なお、本発明における平均粒径は、平均一次粒径のことを指す。平均粒径は、透過型電子顕微鏡(TEM)観察または走査型電子顕微鏡(SEM)観察により、少なくとも50個以上の酸化銅粒子または銅粒子の粒径(直径)を測定し、それらを算術平均して求める。なお、観察図中、酸化銅粒子の形状が真円状でない場合、長径を直径として測定する。
〈特定有機化合物〉
導電膜形成用組成物には、1分子中に、アミノ基およびヒドロキシ基からなる群から選択される2以上の官能基を有し、かつそのうち少なくとも1以上はアミノ基である有機化合物(特定有機化合物)が含まれる。特定有機化合物は、還元剤であり、成膜時の加熱処理または光照射処理によって、酸化銅を還元する。酸化銅が還元されて生成する金属銅が銅粒子間の融着を促進する。
特定有機化合物は、酸化銅に対する還元力がさらに向上するため、アミノ基およびヒドロキシ基を有することが好ましい。酸化銅粒子の還元力がさらに向上することにより、得られる導電膜の導電性がより優れたものとなる。
上記アミノ基は、1級アミノ基、2級アミノ基および3級アミノ基のいずれであってもよいが、1級アミノ基が好ましい。酸化銅に対する還元力がさらに向上することにより、得られる導電膜の導電性がより優れたものとなる。また、酸化銅粒子を凝集する作用がより強くなることにより、成膜時の線幅の変化を抑制する効果により優れる。
特定有機化合物としては、1分子中に1個以上のアミノ基および1個以上のヒドロキシ基を有するものが好ましく、1分子中に1個以上のアミノ基および2個以上のヒドロキシ基を有するものがより好ましく、1分子中に1個以上の1級アミノ基および2個以上のヒドロキシ基を有するものがさらに好ましい。
特定有機化合物の好ましい例としては、下記式(I)で表されるものが挙げられる。
式(I)中:
およびRは、それぞれ独立に、水素原子およびアルキル基からなる群から選択される置換基であり、アルキル基の1つ以上の水素原子は、任意に、ヒドロキシ基またはアミノ基で置換されていてもよく、アルキル基のNに隣接しない1つ以上の−CH−基は、隣接する−CH−基が同時に置換されないという条件で、任意に、−O−基または−NR−基(ただし、Rは水素原子またはアルキル基である。)で置換されていてもよい;
Lはn+1価の連結基である;
Bは、複数ある場合はそれぞれ独立に、ヒドロキシ基またはアミノ基である;および
nは自然数である。
およびRは、それぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜3のアルキル基であることが好ましく、アルキル基の水素原子は、任意に、ヒドロキシ基、−NH基、−NHCH基または−N(CH基で置換されていてもよい。
Lは、炭素数m個の直鎖状または分岐状のアルカンからn+1個の水素原子を取り除いてなる、n+1価の連結基であることが好ましい。
ただし、mおよびnは、 m≧(n−1)/2 を満たす自然数である。
また、L中の−CH−基は、任意に、−O−基または−NR−基(ただし、Rは水素原子またはアルキル基である。)で置換されていてもよい。
特定有機化合物の好ましい例としては、下記式(II)で表されるものも挙げられる。
式(II)中:
およびRは、それぞれ独立に、水素原子およびアルキル基からなる群から選択される置換基であり、アルキル基の1つ以上の水素原子は、任意に、ヒドロキシ基またはアミノ基で置換されていてもよく、アルキル基のNに隣接しない1つ以上の−CH−基は、隣接する−CH−基が同時に置換されないという条件で、任意に、−O−基または−NR−基(ただし、Rは水素原子またはアルキル基である。)で置換されていてもよい;ならびに
、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、ヒドロキシ基およびアミノ基からなる群から選択される置換基であり、アルキル基の1つ以上の水素原子は任意にヒドロキシ基またはアミノ基で置換されていてもよく、アルキル基の1つ以上の−CH−基は、隣接する−CH−基が同時に置換されないという条件で、任意に、−O−基または−NR−基(ただし、Rは水素原子またはアルキル基である。)で置換されていてもよい。
およびRは、それぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜3のアルキル基であることが好ましく、アルキル基の水素原子は任意にヒドロキシ基、−NH基、−NHCH基または−N(CH基で置換されていてもよい。
、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、ヒドロキシ基、−NH基、−NHCH基または−N(CH基であることが好ましく、アルキル基の水素原子は任意にヒドロキシ基、−NH基、−NHCH基または−N(CH基で置換されていてもよい。
特定有機化合物の具体例としては、例えば、以下に掲げるものが挙げられる。
特定有機化合物の好ましい具体例としては、3−アミノプロパン−1,2−ジオール、3−メチルアミノ−1,2−プロパンジオール、および2,2’−オキシビス(エチルアミン)が挙げられ、中でも3−アミノプロパン−1,2−ジオールが特に好ましい。
〈溶媒〉
導電膜形成用組成物は、さらに、溶媒を含んでもよい。溶媒としては、例えば、水、アルコール類、エーテル類、エステル類、炭化水素類および芳香族炭化水素類から選ばれる1種、または相溶性のある2種以上の混合物が挙げられる。
溶媒としては、特定有機化合物との相溶性に優れることから、水、水溶性アルコール、この水溶性アルコール由来のアルキルエーテル、この水溶性アルコール由来のアルキルエステル、またはこれらの混合物が好ましく用いられる。
水としては、少なくともイオン交換水のレベルの純度を有するものが好ましい。
水溶性アルコールとしては、1〜3価のヒドロキシ基を有する脂肪族アルコールが好ましく、具体的には、メタノール、エタノール、1−プロパノール、1−ブタノール、1−ペンタノール、1−ヘキサノール、シクロヘキサノール、1−ヘプタノール、1−オクタノール、1−ノナノール、1−デカノール、グリシドール、メチルシクロヘキサノール、2−メチル−1−ブタノール、3−メチル−2−ブタノール、4−メチル−2−ペンタノール、イソプロピルアルコール、2−エチルブタノール、2−エチルヘキサノール、2−オクタノール、テルピネオール、ジヒドロテルピネオール、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−n−ブトキシエタノール、カルビトール、エチルカルビトール、n−ブチルカルビトール、ジアセトンアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,2−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、ペンタメチレングリコール、へキシレングリコール、グリセリン等が挙げられる。
なかでも、1〜3価のヒドロキシ基を有する炭素数1〜6の脂肪族アルコールは、沸点が高すぎず導電膜形成後に残存しにくいことから好ましく、具体的には、メタノール、エチレングリコール、グリセリン、2−メトキシエタノール、ジエチレングリコール、イソプロピルアルコールがより好ましい。
エーテル類としては、上記アルコール由来のアルキルエーテルが挙げられ、ジエチルエーテル、ジイソブチルエーテル、ジブチルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル、メチルシクロヘキシルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,4−ジオキサン等が例示される。なかでも、1〜3価のヒドロキシ基を有する炭素数1〜4の脂肪族アルコール由来の炭素数2〜8のアルキルエーテルが好ましく、具体的には、ジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフランがより好ましい。
エステル類としては、上記アルコール由来のアルキルエステルが挙げられ、ギ酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸ブチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ブチル、γ−ブチロラクトン等が例示される。なかでも、1〜3価のヒドロキシ基を有する炭素数1〜4の脂肪族アルコール由来の炭素数2〜8のアルキルエステルが好ましく、具体的には、ギ酸メチル、ギ酸エチル、酢酸メチルがより好ましい。
上記溶媒の中でも、沸点が高すぎないことから、特に水または水溶性アルコールを主溶媒として用いることが好ましい。主溶媒とは、溶媒の中で含有率が最も多い溶媒である。
〈その他成分〉
導電膜形成用組成物には、銅粒子、酸化銅粒子、特定有機化合物、ならびに溶媒以外にも他の成分が含まれていてもよい。
例えば、導電膜形成用組成物には、界面活性剤、揺変剤、熱可塑性樹脂(ポリマーバインダー)等が含まれていてもよい。
界面活性剤は、酸化銅粒子の分散性を向上させる役割を果たす。界面活性剤の種類は特に制限されず、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、両性界面活性剤などが挙げられる。これら界面活性剤は、1種を単独、または2種以上を混合して用いることができる。
揺変剤は導電膜形成用組成物に揺変性を付与し、基材上に塗布または印刷した導電膜形成用組成物の乾燥前の液垂れを防止する。これによって、微細なパターンどうしの接触が避けられる。揺変剤としては、溶媒を含む導電膜形成用組成物に用いられる公知の揺変剤(揺変性付与剤)であって、得られる導電膜の密着性および導電性に悪影響を及ぼさないものであれば、特に制限されないが、有機系揺変剤が好ましい。
熱可塑性樹脂(ポリマーバインダー)は、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ロジン配合物、ビニル系ポリマー等が挙げられる。これらは1種類を単独で、または2種類以上を組み合わせて使用することができる。
[導電膜形成用組成物]
導電膜形成用組成物には、銅粒子と、酸化銅粒子と、特定有機化合物と、所望により溶媒と、所望によりその他成分とが含まれる。
導電膜形成用組成物中における、銅粒子の全質量(W)の酸化銅粒子の全質量(W)に対する割合(W/W)は、特に限定されないが、0.3以上であることが好ましく、0.3〜10の範囲内であることがより好ましく、1.0〜10の範囲内であることがさらに好ましく、2.0〜5.0の範囲内であることがいっそう好ましい。この範囲内であると、得られる導電膜の導電性がより優れ、線幅の変化も少ないものとなる。
導電膜形成用組成物中における、特定有機化合物の全質量(W)の酸化銅粒子の全質量(W)に対する割合(W/W)は、特に限定されないが、2.0以下であることが好ましく、0.1〜2.0の範囲内であることがより好ましく、0.1〜1.5の範囲内であることがさらに好ましく、0.1〜1.0の範囲内であることがいっそう好ましい。
特定有機化合物は、酸化銅を金属銅に還元する還元剤として機能し、酸化銅粒子および/または銅粒子に由来する銅粒子の融着が促進される。この有機化合物は、導電膜形成用組成物中の酸化銅粒子の凝集を促進することにより、酸化銅から還元生成した金属銅を緻密化させ、銅粒子を含めた導電膜全体の緻密性を向上させる。
/Wが2.0以下であると、この作用に優れ、成膜時の線幅の変化を抑制する効果がより優れたものとなる。
また、W/Wが0.1以上であると、この作用に優れ、成膜して得られる導電膜の導電性がより優れたものとなる。
導電膜形成用組成物が溶媒を含む場合、溶媒の含有量は、特に限定されないが、粘度の上昇が抑制され、取扱い性により優れる点から、導電膜形成用組成物の合計質量に対して、10〜60質量%が好ましく、20〜50質量%がより好ましい。
導電膜形成用組成物の粘度は、インクジェット、スクリーン印刷等の印刷用途に適するような粘度に調整させることが好ましい。インクジェット吐出を行う場合、1〜50cPが好ましく、1〜40cPがより好ましい。スクリーン印刷を行う場合は、1000〜100000cPが好ましく、10000〜80000cPがより好ましい。
導電膜形成用組成物の調製方法は特に制限されず、公知の方法を採用できる。例えば、溶媒中に、銅粒子と、酸化銅粒子と、特定有機化合物とを添加した後、超音波法(例えば、超音波ホモジナイザーによる処理)、ミキサー法、3本ロール法、ボールミル法などの公知の手段により成分を分散させることによって、組成物を得ることができる。
[導電膜の製造方法]
本発明の導電膜の製造方法は、少なくとも塗膜形成工程と導電膜形成工程とを有する。以下に、それぞれの工程について詳述する。
(塗膜形成工程)
本工程は、上述した導電膜形成用組成物を基材上に付与して、塗膜を形成する工程である。本工程により焼成処理が施される前の前駆体膜が得られる。
使用される導電膜形成用組成物については、上述の通りである。
本工程で使用される基材としては、公知のものを用いることができる。基材に使用される材料としては、例えば、樹脂、紙、ガラス、石英、シリコン系半導体、化合物半導体、金属酸化物、金属窒化物、木材、またはこれらの複合物が挙げられる。
より具体的には、低密度ポリエチレン樹脂、高密度ポリエチレン樹脂、ABS樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリエステル樹脂(ポリエチレンテレフタレート)、ポリアセタール樹脂、ポリサルフォン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、セルロース誘導体等の樹脂基材;非塗工印刷用紙、微塗工印刷用紙、塗工印刷用紙(アート紙、コート紙)、特殊印刷用紙、コピー用紙(PPC用紙)、未晒包装紙(重袋用両更クラフト紙、両更クラフト紙)、晒包装紙(晒クラフト紙、純白ロール紙)、コートボール、チップボール、段ボール等の紙基材;ソーダガラス、ホウケイ酸ガラス、シリカガラス、石英ガラス等のガラス基材;アモルファスシリコン、ポリシリコン等のシリコン系半導体基材;CdS、CdTe、GaAs等の化合物半導体基材;銅板、鉄板、アルミ板等の金属基材;アルミナ、サファイア、ジルコニア、チタニア、酸化イットリウム、酸化インジウム、ITO(インジウム錫酸化物)、IZO(インジウム亜鉛酸化物)、ネサ(酸化錫)、ATO(アンチモンドープ酸化錫)、フッ素ドープ酸化錫、酸化亜鉛、AZO(アルミドープ酸化亜鉛)、ガリウムドープ酸化亜鉛、窒化アルミニウム基材、炭化ケイ素等のその他無機基材;紙−フェノール樹脂、紙−エポキシ樹脂、紙−ポリエステル樹脂等の紙−樹脂複合物、ガラス布−エポキシ樹脂、ガラス布−ポリイミド系樹脂、ガラス布−フッ素樹脂等のガラス−樹脂複合物等の複合基材等が挙げられる。これらの中でも、ポリエステル樹脂基材、ポリエーテルイミド樹脂基材、紙基材、ガラス基材が好ましく使用される。
導電膜形成用組成物を基材上に付与する方法は特に制限されず、公知の方法を採用できる。例えば、バーコーター法、スクリーン印刷法、ディップコーティング法、スプレー塗布法、スピンコーティング法、インクジェット法などの塗布法が挙げられる。
塗布の形状は特に制限されず、基材全面を覆う面状であっても、パターン状(例えば、配線状、ドット状)であってもよい。
基材上への導電膜形成用組成物の塗布量としては、所望する導電膜の膜厚に応じて適宜調整すればよいが、通常、塗膜の膜厚は0.01〜5000μmが好ましく、0.1〜1000μmがより好ましい。
本工程においては、必要に応じて、導電膜形成用組成物を基材へ塗布した後に乾燥処理を行い、溶媒を除去してもよい。残存する溶媒を除去することにより、後述する導電膜形成工程において、溶媒の気化膨張に起因する微小なクラックや空隙の発生を抑制することができ、導電膜の導電性および導電膜と基材との密着性の点で好ましい。
乾燥処理の方法としては温風乾燥機などを用いることができ、温度としては、酸化銅粒子の還元が生じないような温度が好ましく、40℃〜200℃で加熱処理を行なうことが好ましく、50℃以上150℃未満で加熱処理を行なうことがより好ましく、70℃〜120℃で加熱処理を行うことがさらに好ましい。
(導電膜形成工程)
本工程は、上記塗膜形成工程で形成された塗膜に対して加熱処理および/または光照射処理を行い、酸化銅粒子中の酸化銅および/または銅粒子表面の酸化銅を還元して、金属銅を含有する導電膜を形成する工程である。
加熱処理および/または光照射処理を行うことにより、特定有機化合物が酸化銅粒子の酸化銅および/または銅粒子表面の酸化銅に対して還元剤として働き、酸化銅が還元され、さらに焼結されて金属銅が得られる。より具体的には、上記処理を施すことにより、塗膜中の金属銅粒子同士が互いに融着してグレインを形成し、さらにグレイン同士が接着・融着して銅膜を形成する。
加熱処理の条件は、使用される銅錯体や溶媒の種類によって適宜最適な条件が選択される。なかでも、短時間で、導電性により優れる導電膜を形成することができる点で、加熱温度は100〜300℃が好ましく、120〜250℃がより好ましく、また、加熱時間は1〜120分が好ましく、5〜60分がより好ましい。
なお、加熱手段は特に制限されず、オーブン、ホットプレート等公知の加熱手段を用いることができる。
本発明では、比較的低温の加熱処理により導電膜の形成が可能であり、従って、プロセスコストが安いという利点を有する。
光照射処理は、上述した加熱処理とは異なり、室温にて塗膜が付与された部分に対して光を短時間照射することで酸化銅の還元および焼結が可能となり、長時間の加熱による基材の劣化が起こらず、導電膜の基材との密着性がより良好となる。なお、光照射した際には、酸化銅粒子が光を吸収して、熱に変換し、その熱によって還元剤である特定有機化合物による酸化銅の還元が促進されるとともに、形成された金属銅同士の融着が進行する。
光照射処理で使用される光源は特に制限されず、例えば、水銀灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、ケミカルランプ、カーボンアーク灯等がある。放射線としては、電子線、X線、イオンビーム、遠赤外線などがある。また、g線、i線、Deep−UV光、高密度エネルギービーム(レーザービーム)も使用される。具体的な態様としては、赤外線レーザーによる走査露光、キセノン放電灯などの高照度フラッシュ露光、赤外線ランプ露光などが好適に挙げられる。
光照射は、フラッシュランプによる光照射が好ましく、フラッシュランプによるパルス光照射であることがより好ましい。高エネルギーのパルス光の照射は、塗膜を付与した部分の表面を、極めて短い時間で集中して加熱することができるため、基材への熱の影響を極めて小さくすることができる。
パルス光の照射エネルギーとしては、1〜100J/cmが好ましく、1〜30J/cmがより好ましく、パルス幅としては1μ秒〜100m秒が好ましく、10μ秒〜10m秒がより好ましい。パルス光の照射時間は、1〜100m秒が好ましく、1〜50m秒がより好ましく、1〜20m秒が更に好ましい。
上記加熱処理および上記光照射処理は、単独で実施してもよく、両者を同時に実施してもよい。また、一方の処理を施した後、さらに他方の処理を施してもよい。単独で実施する場合には、加熱処理を単独で実施することが好ましい。
上記加熱処理および光照射処理を実施する雰囲気は特に制限されず、大気雰囲気下、不活性雰囲気下、または還元性雰囲気下などが挙げられる。なお、不活性雰囲気とは、例えば、アルゴン、ヘリウム、ネオン、窒素等の不活性ガスで満たされた雰囲気であり、また、還元性雰囲気とは、水素、一酸化炭素等の還元性ガスが存在する雰囲気を指す。
(導電膜)
上記工程を実施することにより、金属銅を含有する導電膜(金属銅膜)が得られる。
導電膜の膜厚は特に制限されず、使用される用途に応じて適宜最適な膜厚が調整される。なかでも、プリント配線基板用途の点からは、0.01〜1000μmが好ましく、0.1〜100μmがより好ましい。なお、膜厚は、導電膜の任意の点における厚みを3箇所以上測定し、その値を算術平均して得られる値(平均値)である。
体積抵抗値は、導電膜の表面抵抗値を四探針法にて測定後、得られた表面抵抗値に膜厚を乗算することで算出することができる。
導電膜は基材の全面、または、パターン状に設けられてもよい。パターン状の導電膜は、プリント配線基板などの導体配線(配線)として有用である。
パターン状の導電膜を得る方法としては、上記導電膜形成用組成物をパターン状に基材に付与して、上記加熱処理および/または光照射処理を行う方法や、基材全面に設けられた導電膜をパターン状にエッチングする方法などが挙げられる。エッチングの方法は特に制限されず、公知のサブトラクティブ法、セミアディティブ法などを採用できる。
パターン状の導電膜を多層配線基板として構成する場合、パターン状の導電膜の表面に、さらに絶縁層(絶縁樹脂層、層間絶縁膜、ソルダーレジスト)を積層して、その表面にさらなる配線(金属パターン)を形成してもよい。
絶縁膜の材料は特に制限されないが、例えば、エポキシ樹脂、アラミド樹脂、結晶性ポリオレフィン樹脂、非晶性ポリオレフィン樹脂、フッ素含有樹脂(ポリテトラフルオロエチレン、全フッ素化ポリイミド、全フッ素化アモルファス樹脂など)、ポリイミド樹脂、ポリエーテルスルフォン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、液晶樹脂など挙げられる。これらの中でも、密着性、寸法安定性、耐熱性、電気絶縁性等の観点から、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、または液晶樹脂を含有するものであることが好ましく、より好ましくはエポキシ樹脂である。具体的には、味の素ファインテクノ(株)製、ABF GX−13などが挙げられる。
また、配線保護のために用いられる絶縁層の材料の一種であるソルダーレジストについては、例えば、特開平10−204150号公報や、特開2003−222993号公報等に詳細に記載され、ここに記載の材料を所望により本発明にも適用することができる。ソルダーレジストは市販品を用いてもよく、具体的には、例えば、太陽インキ製造(株)製PFR800、PSR4000(商品名)、日立化成工業(株)製 SR7200G、などが挙げられる。
上記で得られた導電膜を有する基材(導電膜付き基材)は、種々の用途に使用することができる。例えば、プリント配線基板、TFT、FPC、RFIDなどが挙げられる。
〈実施例1〉
(導電インク組成物の調製)
銅粒子(三井金属社製,1100Y;平均粒径 1.1μm)(50質量部)と、酸化銅粒子(関東化学社製,CuOナノ粒子;平均粒径 50nm)(50質量部)と、3−アミノプロパンジオール(下式)(12質量部)と、純水(82質量部)とを混合し、練太郎(2200rpm、3分)で分散させ、導電膜形成用組成物を調製した。
(導電膜の製造)
調製した導電膜形成用組成物を、スクリーン印刷を用いてガラス基板上に10mm×10mmのベタ膜と幅200μm、長さ30mm、膜厚40μmの細線を塗布した。50℃で10分間加熱乾燥した後、アルゴン雰囲気下、300℃で10分間焼成し、導電膜を得た。
〈実施例2〉
3−アミノプロパンジオールの配合量を12質量部から24質量部に変更した点を除き、実施例1と同様にして、導電膜形成用組成物を調製し、導電膜を形成した。
〈実施例3〉
銅粒子の配合量を50質量部から200質量部に変更した点を除き、実施例1と同様にして、導電膜形成用組成物を調製し、導電膜を形成した。
〈実施例4〉
銅粒子の配合量を50質量部から10質量部に変更した点を除き、実施例1と同様にして、導電膜形成用組成物を調製し、導電膜を形成した。
〈実施例5〉
銅粒子(三井金属社製,1100Y;平均粒径 1.1μm)に代えて、銅粒子(三井金属社製,1020Y;平均粒径 0.37μm)を使用した点を除き、実施例1と同様にして、導電膜形成用組成物を調製し、導電膜を形成した。
〈実施例6〉
銅粒子(三井金属社製,1100Y;平均粒径 1.1μm)に代えて、銅粒子(日本アトマイズ加工社製,AFS Cu;平均粒径 7μm)を使用した点を除き、実施例1と同様にして、導電膜形成用組成物を調製し、導電膜を形成した。
〈実施例7〉
銅粒子(三井金属社製,1100Y;平均粒径 1.1μm)に代えて、銅粒子(ALDRICH社製,326453;平均粒径 10μm)を使用した点を除き、実施例1と同様にして、導電膜形成用組成物を調製し、導電膜を形成した。
〈実施例8〉
3−アミノプロパンジオールに代えて、3−メチルアミノ−1,2−プロパンジオール(下式)を使用した点を除き、実施例1と同様にして、導電膜形成用組成物を調製し、導電膜を形成した。
〈実施例9〉
3−アミノプロパンジオールに代えて、2,2’−オキシビス(エチルアミン)(下式)を使用した点を除き、実施例1と同様にして、導電膜形成用組成物を調製し、導電膜を形成した。
〈実施例10〉
2,2’−オキシビス(エチルアミン)の配合量を12質量部から24質量部に変更した点を除き、実施例9と同様にして、導電膜形成用組成物を調製し、導電膜を形成した。
〈実施例11〉
3−アミノプロパンジオールの配合量を12質量部から120質量部に変更した点を除き、実施例1と同様にして、導電膜形成用組成物を調製し、導電膜を形成した。
〈比較例1〉
3−アミノプロパンジオールに代えて、1−オクチルアミン(下式)を使用した点を除き、実施例1と同様にして、導電膜形成用組成物を調製し、導電膜を形成した。
〈比較例2〉
酸化銅粒子を使用しなかった点を除き、実施例1と同様にして、導電インク組成物を調製し、導電膜を形成した。
〈比較例3〉
銅粒子を使用しなかった点を除き、実施例1と同様にして、導電インク組成物を調製し、導電膜を形成した。
〈比較例4〉
3−アミノプロパンジオールに代えて、ポリ(エチレンオキシド)(PEO600,数平均分子量 600)を使用した点を除き、実施例1と同様にして、導電インク組成物を調製し、導電膜を形成した。
〈導電性〉
実施例1〜11および比較例1〜4の導電膜の導電性を以下の方法により評価した。
得られた導電膜(ベタ膜部分)について、四探針法抵抗率計を用いて体積抵抗値を測定した。測定した体積抵抗値を、表1の該当欄に示す。なお、OVLDは測定レンジの範囲外を表す。
〈線幅の変化〉
実施例1〜11および比較例1〜4の導電膜の焼成前後での線幅の変化を以下の方法により評価した。
得られた導電膜(細線部)の線幅を、光学顕微鏡を用いて測定し、焼成前後での線幅の変化を評価した。評価基準は、線幅の変化率(絶対値)により、次のとおりとした。実用上Aが望ましい。
A・・・線幅の変化率(絶対値)が5%以下
B・・・線幅の変化率(絶対値)が5%超10%以下
C・・・線幅の変化率(絶対値)が10%超
測定した線幅および線幅の変化の評価を、表1の該当欄に示す。
比較例1は、3−アミノプロパンジオールに代えて、1−オクチルアミンを使用する比較例である。1−オクチルアミンは1分子中にアミノ基を1個有する化合物であり、1分子中にアミノ基を1個とヒドロキシ基を2個有する3−アミノプロパンジオールに比べて、酸化銅を還元する能力が低い。そのため、導電性において、比較例1は実施例1に劣ることとなったと考えられる。
比較例2は、酸化銅粒子を含まない比較例である。酸化銅粒子を含まない場合には、酸化銅粒子を含む場合に比べて、銅粒子どうしの融着が促進されない。そのため、導電性において、比較例2は実施例1に劣ることとなったと考えられる。また、特定有機化合物は酸化銅粒子の凝集を促進することにより線幅の変化を抑制するため、酸化銅粒子を含まない場合には、酸化銅粒子を含む場合に比べて、成膜時の線幅の変化が大きくなると考えられる。
比較例3は、銅粒子を含まない比較例である。銅粒子を含まない場合には、銅粒子を含む場合に比べて、導電膜を十分に形成することができない。そのため、導電性において、比較例3は実施例1に劣ることとなったと考えられる。
比較例4は、3−アミノプロパンジオールに代えて、PEO600を使用する比較例である。PEO600は1分子中にヒドロキシ基を有するため、酸化銅を還元する能力は高いが、アミノ基を有さないので、酸化銅粒子の凝集を促進する効果は低いものと考えられる。そのため、導電性に優れるものの、成膜時の線幅の変化が大きかったものと考えられる。
実施例11は、実施例1に比べ、特定有機化合物(3−アミノプロパンジオール)の含有量が多い実施例である。
酸化銅粒子50質量部に対して3−アミノプロパンジオール120質量部を含有する実施例11では、線幅の変化が実施例1に比べて抑制されず、導電性も実施例1に比べて低下していた。
このことから、導電膜形成用組成物中における、特定有機化合物の全質量(W)の酸化銅粒子の全質量(W)に対する割合(W/W)が2.0以下であれば、成膜時の線幅の変化を抑制できることがわかる。
実施例4は、実施例1に比べ、銅粒子の酸化銅粒子に対する質量割合が小さい実施例である。
酸化銅粒子50質量部に対して銅粒子10質量部を含有する実施例4では、線幅の変化が実施例1に比べて抑制されず、導電性も実施例1に比べて低下していた。
このことから、導電膜形成用組成物中における、銅粒子の全質量(W)の酸化銅粒子の全質量(W)に対する割合(W/W)が0.3以上であれば、導電性に優れ、成膜時の線幅の変化を抑制できることがわかる。
実施例5および実施例7は、それぞれ、銅粒子の平均粒径が0.5〜9μmの範囲外となる実施例である。また、実施例6は、銅粒子の平均粒径が7μmであり、実施例1に比べて大きいものの、0.5〜9μmの範囲内となっている実施例である。
銅粒子の平均粒径が0.37μmである実施例5では、線幅の変化は実施例1および6と同様に抑制されていたが、導電性は実施例1および6に比べ低下していた。
銅粒子の平均粒径が10μmである実施例7では、線幅の変化は実施例1および6と同様に抑制されていたが、導電性は実施例1および6に比べ低下していた。
これらのことから、銅粒子の平均粒径は、0.5〜9μmであると、導電性がより優れるということがわかる。
実施例8は、実施例1の1級アミノ基を有する化合物(3−アミノプロパンジオール)に代えて、2級アミノ基を有する化合物(3−メチルアミノ−1,2−プロパンジオール)を含有する実施例である。
実施例8では、線幅の変化が実施例1に比べて抑制されず、導電性も実施例1に比べて低下していた。
したがって、特定有機化合物が1級アミノ基を有すると、導電性により優れ、成膜時の線幅の変化も抑制されることがわかる。

Claims (9)

  1. 銅粒子と、酸化銅粒子と、1分子中に、アミノ基およびヒドロキシ基からなる群から選択される2以上の官能基を有し、かつそのうち少なくとも1以上はアミノ基である有機化合物とを含むことを特徴とする導電膜形成用組成物。
  2. 前記銅粒子の前記酸化銅粒子に対する質量割合(銅粒子の全質量/酸化銅粒子の全質量)が0.3以上である、請求項1に記載の導電膜形成用組成物。
  3. 前記酸化銅粒子の平均粒径が1〜100nmである、請求項1または2に記載の導電膜形成用組成物。
  4. 前記銅粒子の平均粒径が0.5〜9μmである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の導電膜形成用組成物。
  5. 前記有機化合物がアミノ基およびヒドロキシ基を有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の導電膜形成用組成物。
  6. 前記有機化合物が1級アミノ基を有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の導電膜形成用組成物。
  7. 前記有機化合物の前記酸化銅粒子に対する質量割合(有機化合物の全質量/酸化銅粒子の全質量)が2.0以下である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の導電膜形成用組成物。
  8. さらに、溶媒を含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の導電膜形成用組成物。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の導電膜形成用組成物を基材上に付与して、塗膜を形成する塗膜形成工程と、
    前記塗膜に対して加熱処理および/または光照射処理を行い、金属銅を含有する導電膜を形成する導電膜形成工程と
    を備える、導電膜の製造方法。
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