JP2003068141A - 導電ペーストおよびプリント配線板 - Google Patents

導電ペーストおよびプリント配線板

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JP2003068141A
JP2003068141A JP2001256704A JP2001256704A JP2003068141A JP 2003068141 A JP2003068141 A JP 2003068141A JP 2001256704 A JP2001256704 A JP 2001256704A JP 2001256704 A JP2001256704 A JP 2001256704A JP 2003068141 A JP2003068141 A JP 2003068141A
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acid
conductive paste
copper
conductive
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JP2001256704A
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Satoshi Maeda
郷司 前田
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Toyobo Co Ltd
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Toyobo Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高導電性と柔軟性を有し、ポリエステルフィ
ルムに高い接着性を有する銅系導電ペーストと、それを
用いたプリント配線板の提供。 【解決手段】 導電フィラーとして、卑金属微粉末、好
ましくはデンドライト形状、あるいはフレーク形状を有
する銅微粉末、銅系合金の微粉末を主に用い、バインダ
ー樹脂としてエポキシ変成ポリエステルとフェノール樹
脂からなる複合樹脂を用いてなる導電ペーストにより目
的を達する。高分子量ポリエステルからなるエポキシ変
成ポリエステルとレゾール型フェノール樹脂の組み合わ
せからなる複合樹脂をバインダーに用いることがなお好
ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術の分野】本発明はプリント配線板の
導体パターン形成、導電性接着剤等に、用いられる導電
ペースト及びプリント配線板に関するものであり、詳し
くは、金属微粉末、カーボンブラック、ないし導電性高
分子などを主とする導電性フィラーと高分子系のバイン
ダー樹脂からなるポリマー型導電ペースト及び導電ペー
ストを用いて形成されるプリント配線板に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来より、ポリマー型導電ペーストは、
主にメンブレン回路と呼ばれる、高分子フィルムに導電
ペーストを印刷・乾燥・硬化してなるプリント配線板の
形成、電子部品のリードの固定、電子チップ部品の電極
部の形成、電子部品のプリント配線板への接着、半導体
チップのパッケージへの固着、プリント配線板における
ジャンパー回路の形成、プリント配線板における複数の
導体層間の接続、EMIシールド用のグラウンドパター
ンの形成等に広く用いられてきた。導電ペースト用のフ
ィラーには、高い導電性を有し、バインダー樹脂の選択
自由度が広い銀が主に使用されている。しかしながら貴
金属である銀フィラーは高価であり、また加湿下の電圧
印可に伴うマイグレーションにより絶縁劣化が生じ安い
という欠点を有する。
【0003】そのため、近年では、より安価であり、か
つマイグレーションが生じにくい銅を導電フィラーに用
いたペーストが注目されてきている。ポリマー型導電ペ
ーストにおける導電性は、導電フィラーどうしの接触に
より発現するものであるが、一般に銅を含む卑金属フィ
ラーはその表面が酸化しているために通常のバインダー
樹脂では良好な導電性が得られない。しかしながら、レ
ゾール型フェノール樹脂をバインダーに用いた場合に
は、樹脂の硬化反応時に還元作用が生じ、卑金属フィラ
ーの表面が還元され、フィラーどうしの金属接合が得ら
れるために、高い導電性が実現できることが知られてい
る。
【0004】例えば、特開昭53−35739には、レ
ゾール型フェノール樹脂をバインダーに用いた導電ペー
ストが提案されており、また最近では特開平2−161
72には、さらに置換体や官能基のIRスペクトル比を
規定した特定のレゾール型フェノール樹脂を用いた銅ペ
ーストが提案されている。
【0005】フェノール樹脂と他の種類の樹脂との配合
も種々検討されている。例えば特開昭61−31454
にはレゾール型フェノール樹脂とブチルフェノール樹脂
をバインダーとする銅ペーストが提案されている。
【0006】フェノール樹脂自体を改質することも試み
られている。例えば特開昭62−230869には半田
付け可能な導電性塗料として、金属銅粉、P-tert-ブチ
ルフェノール樹脂と金属表面活性化樹脂と熱硬化樹脂、
(不)飽和脂肪酸(金属塩)金属キレート形成剤からなる銅
ペーストが提案されている。
【0007】また銅フィラーの表面処理も種々検討され
ている、例えば、特開昭56−36553、特開昭61
−67702には、有機チタナートで表面処理された銅
または銅合金フィラーに関する提案がなされている。
【0008】これら銅ペーストを利用したプリント配線
板も種々検討されており、例えば、特開平3−2233
71、特開平4−11675等には、金属銅粉、レゾー
ル型フェノール樹脂、アミノ化合物、キレート形成剤等
々からなる銅ペーストと、かかる銅ペーストによりジャ
ンパーやシールド層を形成したプリント配線板に関する
提案がなされている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】レゾール型フェノール
樹脂をバインダーに用いた場合においては、卑金属フィ
ラーを用いても高い導電性を得ることができる。しかし
ながら、一般にフェノール樹脂は硬く脆いため、柔軟性
のある皮膜を得ることは難しい。先に述べた、他の種類
の樹脂との配合も、柔軟性の改良を、ひとつの目標とし
ているが、十分な結果は得られていない。また、硬化に
伴う収縮が大きいために、硬化膜内部に残留応力が生
じ、基板が薄い場合にはソリが発生する等の問題も指摘
されている。
【0010】またレゾール型フェノール樹脂は乾燥硬化
に高温が必要である。この問題は、特にポリエステルフ
ィルムなどの汎用高分子フィルムを基材に用いた場合に
顕在化し、低温硬化では十分な導電性が得られなかった
り、またバインダーの硬化収縮に伴い大きな反りが発生
したりするものである。また硬化収縮が大きいため、ポ
リエステルフィルムへの良好な接着性を得ることはでき
ない。接着性の不足は、硬質プリント基板において、導
電ペーストをジャンパー回路、あるいはシールドパター
ンなどに用いる場合にも問題となり、特にソルダーレジ
スト層上に印刷された場合に十分なる接着性が得られな
い場合がある。
【0011】本発明者らは、かかる状況に鑑み、ポリエ
ステルフィルムなど汎用の高分子フィルムに良好な接着
性を示し、卑金属導電フィラーを用いた場合にも高い導
電性が得られる導電性ペースト、およびその導電ペース
トを用いて得られる高性能なプリント配線板を得るべく
鋭意研究を続けた結果、次なる発明に到達した。
【0012】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、主とし
て、導電フィラー、バインダー樹脂及び溶剤から構成さ
れてなる導電ペーストであって、前記バインダー樹脂が
エポキシ変成ポリエステル樹脂とフェノール樹脂からな
る複合樹脂であることを特徴とする導電ペーストを提供
するものである。
【0013】本発明の導電ペーストの好ましい実施態様
は、前記導電フィラーが、銅微粉末、又は、銅を50wt
%以上含む銅系合金の微粉末である。
【0014】本発明の導電ペーストの好ましい実施態様
は、前記エポキシ変成ポリエステル樹脂が、数平均分子
量5000以上の共重合ポリエステル樹脂である。
【0015】また、本発明は、高分子フィルム表面に、
主として導電性微粉末とバインダー樹脂組成物からなる
導体パターンを形成してなるプリント配線板であって、
前記導体パターンが、エポキシ変成ポリエステル樹脂と
フェノール樹脂からなる複合樹脂をバインダーとする導
電ペーストの硬化物により構成されてなることを特徴と
するプリント配線板を提供するものである。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明における導電フィラーとし
ては、常温にて固体の金属、ないしは2種以上の金属か
らなる常温にて固体の合金類の微粉末、カーボンブラッ
クないしはグラファイト、の微粉末、酸化チタン、酸化
錫、酸化インジウム、酸化ルテニウム、酸化亜鉛、等の
導電性ないし半導電性金属酸化物の微粉末、あるいはマ
イカ、ガラスビーズ、高分子フィルム片等に導電性材料
を被覆した複合導電フィラー等を用いることができる。
【0017】金属としては、アルミニウム、スカンジウ
ム、チタン、ヴァナジウム、クロム、マンガン、鉄、コ
バルト、ニッケル、銅、亜鉛、ガリウム、ゲルマニウ
ム、ヒ素、セレン、ジルコニウム、ニオブ、モリブデ
ン、テクネチウム、ルテニウム、ロジウム、パラジウ
ム、銀、カドミウム、インジウム、錫、アンチモン、テ
ルル、ランタン、セシウム、プロメチウム、ニオブ、サ
マリウム、ユーロシウム、ガドリウム、テルビウム、ジ
スプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イ
ッテルビウム、ルテチウム、ハフニウム、タンタル、タ
ングステン、レニウム、オスミウム、イリジウム、白
金、金、水銀、タリウム、鉛、ビスマス、アクチノイド
類、等の金属から選択される一種以上の常温にて固体の
金属、ないしはかかる金属の2種以上からなる常温にて
固体の合金類の微粉末を用いることができ、好ましく
は、銀、パラジウム、銅、銅合金、ニッケル、アルミニ
ウムの微粉末を用いることができる。 本発明における
導電フィラーの形態としては球状、フレーク状、樹枝
状、塊状等のものを用いることができ、特に好ましいも
のは樹枝状をした電解銅粉、ないしはフレーク状の搗砕
銅粉である。特に電解銅粉においては、ミリング処理、
ないしは、電解銅粉と球状のアトマイズ粉あるいは化学
還元銅粉との配合によりタップ密度を3.5〜5程度と
調整したものを用いると、導電性、耐折性の点で好まし
い。また搗砕銅粉などのフレーク状導電粉の使用は柔軟
性の上で好ましく、また薄膜印刷領域において安定した
導電性が発現するため、ペーストの使用量が節約でき経
済的に好ましい。
【0018】本発明では2種以上の導電フィラーを必要
に応じて配合して用いることができる。電解銅粉ないし
搗砕銅粉と銅粉の1/2以下の平均径有する銀粉、カー
ボンブラック、グラファイト等を配合して用いることは
好ましい態様である。
【0019】本発明では、特に、銅、ないし銅を50wt
%以上含む銅合金の微粉末を用いることができる。好ま
しく用いられる銅合金としては、黄銅、青銅、りん青
銅、白銅、銀銅合金等を例示することができる。
【0020】本発明では、さらに、貴金属を被覆した卑
金属粉末を用いることができる。好ましく用いられる卑
金属としては、銅、ニッケル、アルミニウム、前述の銅
合金を例示することができる。貴金属としては銀、金、
白金、が好ましい。被覆する手段としては一般的な湿式
めっき、蒸着、スパッタリング、あるいは機械的なメカ
ノケミカル的な方法などを用いることが出来る。
【0021】本発明のバインダー樹脂はエポキシ変成ポ
リエステル樹脂とフェノール樹脂からなる。本発明のエ
ポキシ変成ポリエステル樹脂とは、ポリエステル樹脂の
主に分子末端、ないしは意図的に分岐ないしグラフトさ
せて側鎖に導入されたカルボキシル基と、エポキシ化合
物とを反応せしめて得られる変成ポリエステル樹脂を意
味する。
【0022】本発明におけるポリエステル樹脂とは、主
として多価カルボン酸類と多価アルコール類との縮重合
により得られるものである。
【0023】ポリエステル樹脂に用いられる多価カルボ
ン酸類としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル
酸、オルソフタル酸、1,5−ナフタルレンジカルボン
酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ジフェン酸等の
芳香族ジカルボン酸、p−オキシ安息香酸p−(ヒドロ
キシエトキシ)安息香酸などの芳香族オキシカルボン
酸、コハク酸、アルキルコハク酸、アルケニルコハク
酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン
ジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸、フマル酸、マレ
イン酸、イタコン酸、メサコン酸、シトラコン酸、ヘキ
サヒドロフタル酸、テトラヒドロフタル酸、ダイマー
酸、トリマー酸、水添ダイマー酸、シクロヘキサンジカ
ルボン酸、シクロヘキセンジカルボン酸アルキル置換シ
クロヘキサンジカルボン酸、アルキル置換シクロヘキセ
ンジカルボン酸等の不飽和脂肪族、および、脂環族ジカ
ルボン酸等を、また多価カルボン酸としては他にトリメ
リット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸等の三価以上
の多価カルボン酸等を用いる事ができる。
【0024】ポリエステル樹脂に用いられる多価アルコ
−ル類としては脂肪族多価アルコ−ル類、脂環族多価ア
ルコ−ル類、芳香族多価アルコ−ル類等を例示できる。
【0025】脂肪族多価アルコ−ル類としては、エチレ
ングリコ−ル、プロピレングリコ−ル、1,3−プロパ
ンジオ−ル、2,3−ブタンジオ−ル、1,4−ブタン
ジオ−ル、1,5−ペンタンジオ−ル、1,6−ヘキサ
ンジオ−ル、ネオペンチルグリコ−ル、ジエチレングリ
コ−ル、ジプロピレングリコ−ル、ジメチロールヘプタ
ン、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオ−
ル、ポリエチレングリコ−ル、ポリプロピレングリコ−
ル、ポリテトラメチレングリコ−ル等の脂肪族ジオ−ル
類、トリメチロ−ルエタン、トリメチロ−ルプロパン、
グリセリン、ペンタエルスリト−ル等のトリオ−ルおよ
びテトラオ−ル類等を例示できる。
【0026】脂環族多価アルコ−ル類としては1,4−
シクロヘキサンジオ−ル、1,4−シクロヘキサンジメ
タノ−ル、スピログリコ−ル、水素化ビスフェノ−ル
A、水素化ビスフェノ−ルAのエチレンオキサイド付加
物およびプロピレンオキサイド付加物、トリシクロデカ
ンジオ−ル、トリシクロデカンジメタノ−ル、ダイマー
ジオール、水添ダイマージオール等を例示できる。
【0027】芳香族多価アルコ−ル類としてはパラキシ
レングリコ−ル、メタキシレングリコ−ル、オルトキシ
レングリコ−ル、1,4−フェニレングリコ−ル、1,
4−フェニレングリコ−ルのエチレンオキサイド付加
物、ビスフェノ−ルA、ビスフェノ−ルAのエチレンオ
キサイド付加物およびプロピレンオキサイド付加物等を
例示できる。
【0028】さらにポリエステルポリオ−ルとして、ε
−カプロラクトン等のラクトン類を開環重合して得られ
る、ラクトン系ポリエステルポリオ−ル類等を例示する
ことができる。
【0029】本発明に使用するポリエステル樹脂は、多
価カルボン酸成分のうち、好ましくは芳香族ジカルボン
酸の割合が80〜100モル%、さらに好ましくは90
〜100モル%であり、なおさらにテレフタル酸の占め
る割合が40〜100モル%、そのうえさらに好ましく
は50〜100モル%である。
【0030】ここに芳香族ジカルボン酸としては、例え
ばテレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、ナフ
タレンジカルボン酸などを挙げることができ、好ましく
はテレフタル酸、イソフタル酸である。芳香族ジカルボ
ン酸の割合が80モル%未満、またはテレフタル酸の量
が40モル%未満であると接着性、フェノール樹脂との
混和性に問題が生じる場合がある。
【0031】本発明に使用される好ましいポリエステル
樹脂はグリコール成分のうち1,2−プロピレングリコ
ールの割合が40〜100モル%、好ましくは60〜1
00モル%である。1,2−プロピレングリコールの割
合が40モル%未満だとポリエステル樹脂が結晶性を帯
び取扱が困難になったり、フェノール樹脂との混和性が
阻害され易くなる。
【0032】本発明に使用されるポリエステル樹脂は全
酸性分または全グリコール成分に対して0.1〜5モル
%、好ましくは0.5〜3モル%の3官能以上の多価カ
ルボン酸または/および多価アルコールを用いても良
い。3価以上の多価カルボン酸成分としては、例えばト
リメリット酸、ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラ
カルボン酸などが挙げられ、3官能以上の多価アルコー
ルとしてはグリセリン、トリメチロールエタン、トリメ
チロールプロパン、マンニトール、ソルビトール、ペン
タエリスリトール、α−メチルグルコシドなどが挙げら
れる。好ましくはトリメリット酸、トリメチロールプロ
パンである。これらの3官能以上の成分は、耐熱耐水性
向上に効果がある。反面、これらの3官能成分が5モル
%を越えるとポリエステル樹脂が硬くなり加工性が劣っ
たり、フェノール樹脂との混和性が低下する場合があ
る。
【0033】本発明に使用されるポリエステル樹脂の特
性として好ましくは、還元粘度0.3dl/g以上、好
ましくは0.5以上、ガラス転移温度−20℃以上、好
ましくは0℃以上、さらに好ましくは40℃以上が必要
である。還元粘度が0.3dl/g未満であると塗膜が
脆くなり、加工性や耐熱耐水性に劣ったりする。また、
ガラス転移温度が40℃未満であると耐熱耐水性が劣
り、導電性の劣化を生じ易くなる。本発明に使用される
ポリエステル樹脂の分子量は数平均分子量5000以上
であることが好ましく10000以上がさらに好まし
い。分子量が5000未満の場合には塗膜が脆くなり、
加工性や耐熱耐水性、接着性が十分に得られないことが
ある。
【0034】本発明に使用されるポリエステル樹脂の特
性として、好ましくは酸価が50〜300meq./kg
、好ましくは80〜150meq./kgが必要である。
酸価は導電フィラーの分散性を満足させるためと、エポ
キシ樹脂と変性反応させるために50meq./kg以上
が必要である。また酸価が300meq./kgを越える
と耐熱耐水性が劣り、導電性劣化が生じやすくなる。
【0035】本発明に使用されるポリエステル樹脂の酸
価は上記のように重要な意味を持つ。所定の酸価を実現
するための手段としては、ポリエステル末端のカルボキ
シル基の利用、分子鎖途中での分岐により生じるカルボ
キシル基の利用、カルボキシル基を有する化合物(たと
えばアクリル酸、メタクリル酸等)を側鎖にグラフトす
る方法等を例示できるが、最も実用的な方法として、ポ
リエステル重縮合後期に多価カルボン酸無水物を付加さ
せる方法をとる事が好ましい。
【0036】このような酸付加に用いられる多価カルボ
ン酸無水物としては無水フタル酸、無水テトラヒドロフ
タル酸、無水コハク酸、無水トリメリット酸、無水ピロ
メリットサン、無水ヘキサヒドロフタル酸などが挙げら
れる。好ましくは無水トリメリット酸である。
【0037】本発明のエポキシ変成には、エポキシ化合
物としてフェノールノボラック型エポキシ樹脂、ならび
にビスフェノール型エポキシ樹脂を用いることができ、
ビスフェノール型樹脂、特にはビスフェノールAおよび
/またはビスフェノールFおよび/またはビスフェノー
ルSエポキシ樹脂が、得られるペースト塗膜の柔軟性、
タフネス、導電性、接着性等の点で好ましい。本発明で
はさらに好ましくは、エポキシ当量400〜5000
(g/eq)のビスフェノールAエポキシ樹脂が使用さ
れる。好ましくはエポキシ当量800〜2500であ
る。エポキシ当量が400未満であると硬化塗膜の柔軟
性が不十分であり、5000を越えると、ペーストの印
刷適性の調整が困難になる。
【0038】本発明におけるポリエステル樹脂のエポキ
シ変成の具体的手法としては、ポリエステル樹脂/エポ
キシ樹脂が100/5〜30(重量比)となるように溶
剤中にて配合し、触媒を加えて、70〜150℃に加熱
する方法を例示することができる。ここに触媒とは一般
のアミン系触媒を好ましく用いることができる。また溶
剤としては公知の有機溶剤を使用できるが、好ましく
は、そのままペーストの希釈溶剤として用いられる溶剤
を使用することが合理的である。具体的には、例えばト
ルエン、キシレン、ソルベッソ、酢酸エチル、酢酸ブチ
ル、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロ
ン、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、エチレング
リコールモノアセテート等から溶解性、蒸発速度等を考
慮して選択される。
【0039】本発明のフェノール樹脂とは、主としてフ
ェノール類とアルデヒド類から得られるものである。フ
ェノール類としては、フェノール、o-クレゾール、m-ク
レゾール、p-クレゾール、2,3-キシレノール、2,4-キレ
ノール、2,5-キシレノール、2,6-キシレノール、3,4-キ
シレノール、3,5-キシレノール、o-エチルフェノール、
m-エチルフェノール、p-エチルフェノール、p-フェニル
フェノール、p-ターシャリーブチルフェノール、o-ター
シャリアミルフェノール、ビスフェノールA、ビスフェ
ノールS、ビスフェノールF、レゾルシノール、カシュ
ーオイル等を用いることができる。アルデヒド類として
は、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、ヘキサ
メチレンテトラミン、フルフラール、アセトアルデヒ
ド、アクロレインを用いることができる。フェノール類
とアルデヒド類の反応触媒としては、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、ヘキサメチレンテトラミン、アン
モニア水、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリ
ジン、水酸化カルシウム等の塩基類、塩酸、しゅう酸、
蟻酸、酢酸、リン酸、酪酸、乳酸、ベンゼンスルホン
酸、パラトルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホ
ン酸、ホウ酸等の酸類を用いることができる。
【0040】また、この他に変成剤として、ロジン、エ
ステルガム、アビエチン酸、α,β-ピマル酸、支那桐
油、ブタジエン−スチレン共重合体、ブタジエン−アク
リルニトリル共重合体、2−クロロ−1,3ブタジエン
重合体、アルキレンサルファイド重合体、イソブチレン
重合体等の合成ゴム類を副材料として用いることができ
る。
【0041】本発明で特に好ましく用いられるフェノー
ル樹脂はレゾール型フェノール樹脂である。レゾール型
フェノール樹脂とはフェノール類に対して過剰量のアル
デヒド類を用い、アルカリ触媒で反応せしめたもので、
一般にフェノールにホルムアルデヒドが付加した種々の
フェノールアルコールの混合体である。
【0042】本発明では、バインダー樹脂として、以上
述べてきたエポキシ変成ポリエステル樹脂とフェノール
樹脂からなる複合樹脂組成物を用いてなることを特徴と
する。エポキシ変成ポリエステル樹脂とフェノール樹脂
との配合比率は、エポキシ変成ポリエステル樹脂100
重量部に対して、フェノール樹脂10重量部〜300重
量部、好ましくは20重量部から200重量部、さらに
好ましくは30重量部から150重量部である。フェノ
ール樹脂の配合量がかかる範囲より少ないと、良好なる
導電性が得られない。またフェノール樹脂の配合量がこ
の範囲を超え、エポキシ変成ポリエステル樹脂の配合割
合が過小になると、ポリエステルフィルム等の基材に対
する接着性が低下する。
【0043】本発明の複合樹脂組成物は公知の有機溶剤
に溶解された状態で使用される。使用する有機溶剤とし
ては、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、
ブタノール、トルエン、キシレン、ソルベッソ類、アイ
ソパー類、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチルケト
ン、シクロヘキサノン、シクロヘキサノール、イソホロ
ン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロ
ソルブ、ブチルセロソルブアセテート、エチルカルビト
ール、エチルカルビトールアセテート、エチレングリコ
ールモノアセテート、ジメチルホルムアミド、γ−ブチ
ルラクトン、n−メチルピロリドン等から溶解性、蒸発
速度等を考慮して選択される。
【0044】本発明の導電ペーストは、主として以上に
述べてきた、導電フィラー、エポキシ変成ポリエステル
樹脂、フェノール樹脂、有機溶剤、を混練してして得ら
れる物である。
【0045】材料の混練分散には、サンドミル、アトラ
イター、シェイカー、ディゾルバー、ボールミル、ロ−
ルミル等の公知分散手段を用いることができる。
【0046】本発明の導電ペーストにはこれら主成分の
他、公知のレベリング剤、カップリング剤、分散剤、粘
性調整剤等を必要に応じて添加することができる。
【0047】本発明におけるプリント配線板は、高分子
フィルムに、かかる組成を有する導電ペーストを用いて
導体パターンを形成せしめて得られるものである。
【0048】高分子フィルムとしてはポリエチレンテレ
フタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィル
ム、ポリプロピレンテレフタレートフィルム、ポリイミ
ドフィルム、ポリエステルイミドフィルム、ポリプロピ
レンフィルム、ポリアミドフィルム、ポリアミドイミド
フィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリエーテル
イミドフィルム、アセチルセルロースフィルム、ポリス
チレンフィルム、ポリテトラフルオロエチレンフィル
ム、ポリベンゾオキサゾールフィルム、全芳香族ポリエ
ステルフィルム、液晶ポリマーフィルム等を用いること
ができる。本発明では導電ペーストとの接着性において
ポリエステル系フィルムを用いることが好ましい。また
表面層に共重合ポリエステル系のコーティングを行った
他種フィルムも同様に好ましく用いることができる。特
に好ましい基材はアニール処理を行ったポリエチレンテ
レフタレートフィルムである。
【0049】導体パターンを形成せしめる方法としては
スクリーン印刷、グラビア印刷、グラビアオフセット印
刷、メタルマスク、ステンシル等を使う印刷法、フォト
レジストを使いサブトラクティブ、あるいはアディティ
ブ法でパターン形成する写真法、ディスペンサなどを用
いて直接描画する方法などを用いることができる。
【0050】本発明においては、かかる導電ペーストで
形成したパターンを保護するためにオーバーコート層を
設けることができる。
【0051】本発明のプリント配線板は、単層での回路
の引き回し、フラットケーブル的な用途から、複数枚重
ねることにより、メンブレンスイッチ、デジタイザ等と
して使用することができる。メンブレンスイッチ的な用
途において、接点となる部分には、従来、銀系ペースト
で行われていたと同様にカーボンペーストなどを重ね印
刷して、接点保護を行うことができる。
【0052】
【作用】本発明におけるバインダー樹脂を構成する成分
であるフェノール樹脂は、硬化時に還元作用を持つと同
時に適度な硬化収縮を有するため、古くから導電ペース
ト、特に卑金属である銅を導電フィラーとして用いた導
電ペーストのバインダーとして用いられてきたものであ
る。フェノール樹脂の有する導電性発現作用に関しては
前述した通りであるが、その接着性の乏しさが、導電性
発現の一つの大きな要素である硬化収縮の大きさと、そ
の硬化物の硬さと脆さにあることもまた広く認識されて
いる。
【0053】フェノール樹脂に、比較的柔らかい樹脂を
配合、ないし変成することにより、この問題を解決しよ
うとする試みは多数行われている。例えばゴムによる変
成などは接着性の改良に結びつく広く知られている技術
である。しかしながら、かかる方法を導電ペーストに応
用した場合、十分な導電性を得ることが出来ない。これ
は導電性発現に寄与する硬化収縮が抑制されてしまうた
めであると考えられる。
【0054】共重合ポリエステル樹脂が良好な接着性を
有することは広く知られている。フェノール樹脂と共重
合ポリエステル樹脂との配合は、接着性改良のために容
易に類推できる方法であるが、共重合ポリエステル樹脂
とフェノール樹脂の相溶性が悪く、配合すること自体が
困難である。低Tgの共重合ポリエステル樹脂であれ
ば、比較的配合は容易になるが、ゴム変成と同様に硬化
収縮が抑制されるために十分な導電性を得ることは出来
ない。
【0055】本発明は、共重合ポリエステル樹脂をエポ
キシ変成した場合にのみ、フェノール樹脂との相溶性が
改善され、同時に導電性をも満足することを見出した結
果なされたものである。本発明において驚くべき点は、
硬化物が、十分な導電性を得るレベルに収縮しているこ
とが想定されるにも関わらず、塗膜の内部応力が小さい
ことである。この、一見、矛盾するような現象は、、樹
脂の硬化過程において、ミクロな相分離が生じ、内部応
力が分散されるためであると考えているが、推理の域を
出ない。いずれにせよ、この作用は、結果としてポリエ
ステルフィルムのような薄い基板に回路を印刷形成して
もソリを発生することなく良好なプリント配線板を得る
ことが出来るという点で産業上、極めて有意義なものと
なる。
【0056】
【実施例】以下実施例を挙げて、本発明を具体的に説明
する。実施例において単に部とあるものは重量部を示
す。なお、各測定項目は以下の方法に従った。
【0057】(1)樹脂組成の測定 核磁気共鳴スペクトル法、およびアルコリシス後のガス
クロマトグラフによる分析により、酸成分、アルコール
成分のモル比を求めた。
【0058】(2)還元粘度(dl/g)の測定 ポリエステル0.1gをフェノール/テトラクロロエタ
ン(重量比6/4)混合溶媒25ccに溶かし、ウベロ
ーデ粘度計を用いて30℃で測定した。
【0059】(3)ガラス転移温度の測定 示差走査熱量計(DSC)を用いて20℃/分の昇温速
度で測定した。サンプルは試料5mgをアルミニウム押
さえ蓋型容器に入れ、クリンプした。
【0060】(4)酸価の測定 ポリエステル0.2gを20mlのクロロホルムに溶解
し、0.1NのKOHエタノール溶液で滴定し、樹脂1
6g当りの当量(eq/106g)を求めた。
【0061】(5)比抵抗 得られた導電ペーストを250メッシュポリエステルス
クリーン版を用いて、アニール処理したポリエステルフ
ィルムに、25mm×50mmの長方形ベタパターンを
膜厚25〜30μmの範囲に入るように印刷し、150
℃で30分間硬化した後、4探針抵抗測定機ミリオーム
メータ「YHP製」を用いて皮膜抵抗を測定、膜厚から
比抵抗を算出した。なお膜厚は触針式膜厚計により求め
た。
【0062】(6)温度サイクル IEC規格に従い、−25℃、90℃の温度サイクルテ
ストをおこなった。
【0063】(7)湿熱安定性 IEC規格に従い、85℃85%RHの環境でのテスト
をおこなった。
【0064】(8)接着力テスト 碁盤目クロスカット、粘着テープ剥離試験をおこなっ
た。
【0065】(9)マイグレーションテスト 温度サイクル及び湿熱安定性テストをおこなった後に下
に詳細を記述するマイグレーションテストを行った。マ
イグレーションテスト用基板として、0.3mm,0.
25mm,0.2mm、0.15mm、0.1mm間隔
の2つの電極を形成し、5Vおよび12Vの電圧印可を
行った。 ○:総ての場合で電圧印可後5%以上の電流増加がない ×:電圧印可後5%以上の電流増加がある
【0066】(10)ファインパターン印刷性 線幅150μm、線間150μmのテストパターンを4
00メッシュのステンレススクリーンを用いてスクリー
ン印刷した。印刷硬化後の線幅の太り幅(左右の合計)
で評価した。
【0067】(a)ポリエステル樹脂の重合 ジメチルテレフタル酸480部、ジメチルイソフタル酸
480部、エチレングリコール200部、プロピレング
リコール510部、トリメチロールプロパン13部、チ
タンブトキサイド0.5部を3Lフラスコに仕込み、4
時間かけて230℃まで徐々に昇温しエステル交換を行
なった。ついで、30分かけて10mmHgまで減圧初
期重合を行なうとともに温度を250℃まで昇温し、さ
らに250℃、1mmHg以下で60分間後期重合を行
なった。重合後、窒素気流下で200℃まで冷却し無水
トリメリット酸5部を仕込み30分かけて230℃まで
昇温し付加反応させ、本発明のポリエステル樹脂(a)
を得た。GPC(ゲルパーミエションクロマトグラフィ
ー)法により求めたポリエステル樹脂(a)の数平均分
子量は7800であった。得られたポリエステル樹脂の
樹脂組成は酸成分に対し、テレフタル酸50mol%、イソ
フタル酸50mol% アルコール成分に対して、エチレングリコール33mol
%、プロピレングリコール66mol%、トリメチロールプ
ロパン1mol%であった。酸価は130meq/kgであった。
【0068】(b)ポリエステル樹脂のエポキシ変性 ポリエステル樹脂(a)100部をシクロヘキサノン3
5部、ソルベッソ−150 35部で80℃に加熱溶解
し、これにエピコート#1004(油化シェル・エポキ
シ(株))20部、N,N−ジメチルベンジルアミン1
部を添加し100〜110℃に昇温、付加反応させた。
反応ワニスの酸価が初期値の40%になったとき、シク
ロヘキサノン40部、ソルベッソ−150 40部を加
え、冷却し本発明のエポキシ変成ポリエステル樹脂
(b)(樹脂分44%)を得た。GPC(ゲルパーミエ
ションクロマトグラフィー)法により求めたエポキシ変
成ポリエステル樹脂(b)の数平均分子量は9000で
あった。
【0069】 (実施例1) 銅粉 FCC−SP99[福田金属箔粉工業製] 87重量部 エポキシ変成ポリエステル(b) 15.8重量部 (樹脂分換算7重量部) フェノール樹脂 PL4348[群栄化学工業社製] 8重量部 (樹脂分換算6重量部) シクロヘキサノン 5重量部 ソルベッソ150 5重量部 レベリング剤 MKコンク[共栄社油脂化学社製] 0.5重量部 をステンレス容器に秤量配合し、充分プレミックスした
後、チルド3本ロール混練機で、3回通して分散し、導
電ペースト(c)を得た。なお、銅粉FCC−SP99
は、樹枝状形状の電解銅粉である。またPL4348は
レゾール型フェノール樹脂である。得られた導電ペース
トを、250メッシュポリエステルスクリーン版を用い
てアニール処理した125μmtポリエステルフィルム
E5100[東洋紡績株式会社製]に印刷し、150℃の
ドライオーブンで30分間乾燥硬化処理を行った。
【0070】得られた導電性ペースト塗膜の比抵抗9.
0×10-5Ω・cmと低抵抗であり、接着性は100/
100と良好。フィルムのそりはほとんど無く、またマ
イグレーション試験に置いても電流増加は2%以下であ
った。ファインパターン印刷性は太り幅20μmと良好
であった。温度サイクル20回後の比抵抗は9.2×1
-5Ω・cm、湿熱環境に1000時間放置後の比抵抗
9.8×10-5Ω・cm と、その変化率は極めて小さ
い物であった。
【0071】(実施例2)銅粉を 4L3[福田金属箔
粉工業製]89重量部に変更し、以下、実施例と同様に
配合し、導電ペースト(d)を得たなお銅粉4L3は薄片
形状を有す搗砕銅粉である。以下実施例1と同様に評価
した。
【0072】得られた導電性ペースト塗膜の比抵抗5.
4×10-5Ω・cmと低抵抗であり、接着性は100/
100と良好。フィリムのソリは、ほとんど無く、また
マイグレーション試験に置いても2%以上の電流増加を
観察しなかった。ファインパターン印刷性は太り幅21
μmと良好であった。温度サイクル20回後の比抵抗は
5.5×10-5Ω・cm、湿熱環境に1000時間放置
後の比抵抗5.8×10-5Ω・cm と、その変化率は
極めて小さい物であった。
【0073】 (比較例1) 銅粉 FCC−SP99[福田金属箔粉工業製] 87重量部 フェノール樹脂 PL4348[群栄化学工業社製] 17.3重量部 (樹脂分換算13重量部) シクロヘキサノン 5重量部 ソルベッソ150 5重量部 レベリング剤 MKコンク[共栄社油脂化学社製] 0.5重量部 をステンレス容器に秤量配合し、充分プレミックスした
後、チルド3本ロール混練機で、3回通して分散し、導
電ペースト(e)を得た。以下実施例1と同様に評価し
た。
【0074】得られた硬化物は、大きく反っており、反
ったフィルムを真っ直ぐに伸ばしたところ、硬化した導
電ペースト塗膜の一部が剥離する程であった(接着性は
0/100)。塗膜の比抵抗は3.5×10-3Ω・cm
と不十分な値であった。比抵抗の測定の際にも塗膜の一
部が浮き上がるなど、正確な測定は困難な状況であっ
た。マイグレーション試験、湿熱環境試験の実施は取り
やめた。ファインパターン印刷性は太り幅25μmとま
ずまずであった。
【0075】 (比較例2) 銅粉 FCC−SP99[福田金属箔粉工業製] 87重量部 共重合ポリエステル(a) 7.0重量部 フェノール樹脂 PL4348[群栄化学工業社製] 8重量部 (樹脂分換算6重量部) シクロヘキサノン 5重量部 ソルベッソ150 5重量部 レベリング剤 MKコンク[共栄社油脂化学社製] 0.5重量部 をステンレス容器に秤量配合し、充分プレミックスした
後、チルド3本ロール混練機で、3回通して分散し、導
電ペースト(f)を得た。以下、実施例1と同様に評価
した。
【0076】得られた導電性ペースト塗膜の比抵抗は
2.0×10+2Ω・cmと極めて低く、また接着性も8
0/100と、やや不良な物であった。フィリムのソリ
は、ほとんど無かった。実用的な導電性が得られなかっ
たため、マイグレーション試験、湿熱環境試験の実施は
取りやめた。ファインパターン印刷性は太り幅25μm
とまずまずであった。
【0077】(実施例3)実施例1にて得られた導電ペ
ースト(c)、およびポリエステルフィルム、市販のU
V硬化型オーバーコートインク、カーボンペーストDY
150H24[東洋紡績株式会社製]を用い、DOS/V
パソコン用109キーボードの回路パターンを作製し
た。得られた回路パターンの端子部は、コネクタ抜き差
し耐久性鉄と100回後の接触抵抗上昇率5%以下と良
好な耐久性を示した。また屈曲部の曲げに対してもR2
mmにおいて500回曲げ伸ばし後の抵抗変化率」10
%以下と良好な耐屈曲性を示した。
【0078】
【発明の効果】以上、延べてきたように本発明における
導電ペーストは、銅系フィラーを用いながら、高い導電
性を有し、ポリエステルフィルム基材への印刷硬化が可
能であり、該ペーストを印刷して得られるプリント配線
板は良好なる特性を示す物である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主として、導電フィラー、バインダー樹
    脂及び溶剤から構成されてなる導電ペーストであって、
    前記バインダー樹脂がエポキシ変成ポリエステル樹脂と
    フェノール樹脂からなる複合樹脂であることを特徴とす
    る導電ペースト。
  2. 【請求項2】 前記導電フィラーが、銅微粉末、又は、
    銅を50wt%以上含む銅系合金の微粉末であることを特
    徴とする請求項1に記載の導電ペースト。
  3. 【請求項3】 前記エポキシ変成ポリエステル樹脂が、
    数平均分子量5000以上の共重合ポリエステル樹脂で
    あることを特徴とする請求項1又は2に記載の導電ペー
    スト。
  4. 【請求項4】 高分子フィルム表面に、主として導電性
    微粉末とバインダー樹脂組成物からなる導体パターンを
    形成してなるプリント配線板であって、前記導体パター
    ンが、エポキシ変成ポリエステル樹脂とフェノール樹脂
    からなる複合樹脂をバインダーとする導電ペーストの硬
    化物により構成されてなることを特徴とするプリント配
    線板。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006059720A (ja) * 2004-08-20 2006-03-02 Sony Corp 導電性ペースト及びタッチパネル
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CN111768889A (zh) * 2020-06-30 2020-10-13 广东电网有限责任公司东莞供电局 一种电力复合脂及其制备方法和应用

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