JP4884369B2 - 微弱光標本撮像ユニット、微弱光標本撮像装置および微弱光標本撮像方法 - Google Patents

微弱光標本撮像ユニット、微弱光標本撮像装置および微弱光標本撮像方法 Download PDF

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Description

本発明は、微弱光を発する標本を撮像する微弱光標本撮像ユニットおよび微弱光標本撮像装置に関し、特に微弱な蛍光を発する標本、生体発光をする標本等の微小な発光源を有する標本の撮像に適用して好適な微弱光標本撮像ユニットおよび微弱光標本撮像装置に関するものである。
近年、細胞生物学、分子生物学などの研究分野では、緑色蛍光蛋白質(GFP;GreenFluorescent Protein)や生物発光酵素であるルシフェラーゼ遺伝子を発現のレポーターとして働かせ、細胞内の特定部位や機能蛋白質に蛍光標識や発光標識を付して生体細胞を観察する必要性が高まっている。
GFPを用いる観察では、GFPが励起光の照射に応じて蛍光を発する蛋白質であり、GFPを作用させた標本に大きな強度の励起光を照射して蛍光を得るため、標本に損傷を与えやすく、1〜2時間程度の観察が限度であるが、ルシフェラーゼを用いる観察では、ルシフェラーゼが自己発光酵素であり、標本に損傷を与える励起光を必要としないため、5日間程度の観察が可能である。一方、GFPを用いる観察では、たとえば、コンフォーカルレーザスキャニング顕微鏡によって励起光を標本の一点に収斂し、蛍光の発光量を増大させることが可能だが、ルシフェラーゼを用いる観察では、励起光によって発光量を増大させることができないため、ルシフェラーゼからの微弱光によって標本を観察せざるを得ない。
一般に、微弱光を捉える用途は幅広く、ルシフェラーゼを用いた観察に限らず、GFPを用いた観察でも励起光を弱めて観測する場合や、DNAチップの蛍光測光、微生物の鞭毛の暗視野観察などがある。このような用途に対して高感度の冷却CCDカメラの開発が盛んに行われている。
また、微弱光を捉える用途では、標本からより多くの光を集光できるようにするため、従来、標本の像を結像する光学系に開口数(NA;Numerical Aperture)の大きな対物レンズが使用されている。なお、対物レンズによって標本側のNAを大きくすることは別に、顕微鏡の結像レンズの像側に縮小倍率を有したレンズを配置して結像側のNAを大きくすることもあるが、この目的は、目視で観察する視野とCCDが撮像する視野の大きさを一致させることにあって、微弱光の観察のためではなかった。
図28は、縮小倍率を有したレンズを配置した結像光学系の一例を示している。図28に示すように、縮小倍率を有したレンズ104が、対物レンズ102および結像レンズ103からなる結像光学系の像空間である結像レンズ103と像面106との間の空間に配置され、全体として像側にテレセントリックな結像光学系が形成されている。標本101上で光軸OA3上にある物点101aと光軸OA3から外れた物点101bは、レンズ104が配置されない場合、それぞれ像面106上の像点106a,106bに結像されるが、レンズ104が配置された場合、それぞれ像面105上の像点105a,105bに結像される。また、この例では、像点105bは、像点106bに比して約1/2倍の高さに結像される。なお、レンズ104の配置の有無にかかわらず、結像光学系の射出瞳Puの位置および口径は変化しないように設定されている。
また、図28に示すような像側にテレセントリックな結像光学系は、従来、測長顕微鏡等によく利用され、近年ではCCDカメラ用に必須の光学系として利用されている。像側にテレセントリックな結像光学系とは、射出瞳が無限遠に位置する光学系であって、この光学系を射出して各像点に向かう主光線が光軸に平行となる光学系である。通常、CCDカメラでは、撮像面に対する光の入射角が大きくなるにつれて感度が低下するため、撮像面全体で均一かつ高感度に撮像を行うには、CCDカメラの各画素に入射する光の主光線を撮像面に垂直にすることが必要であり、これを実現するため、像側にテレセントリックな結像光学系が必須とされている。
他にも、像側にテレセントリックな結像光学系は、顕微鏡等によく利用される(たとえば、特許文献1,2参照)。特許文献1に開示されている顕微鏡では、対物レンズの交換にともなう射出瞳位置の変化に応じて交換可能な光学手段を配置することによって、対物レンズを交換した場合にも像側をテレセントリックに維持できるようにしている。また、特許文献2に開示されている顕微鏡では、光軸に対してCCDカメラの撮像面を多少傾けることによって、レーザー光源を用いた場合にも撮像面上に干渉縞を生成させることなく、鮮明な観察画像を得られるようにしている。
なお、CCDカメラでは、高感度化とは別に高解像力化の開発も行われ、たとえば、画素サイズが2〜3μm、画素数が500万個という高精細なCCDカメラが実現されている。そして、このような高精細なCCDカメラと顕微鏡とを組み合わせることによって、バーチャルスライドといわれる装置が開発されている。バーチャルスライドでは、倍率が20倍程度であり像面湾曲およびディストーションを小さく抑えた結像光学系を用いて、プレパラート上の標本を複数の領域に分割して撮像した複数の画像をあらかじめ取得し、取得した各画像を画像データ上でつなぎ合わせた後、電子的な拡大処理である電子ズームによって5〜100倍程度の任意倍率の画像をモニター上に表示させるようにしている。このようにして、バーチャルスライドは、実際の顕微鏡と標本がその場になくても、高精細な標本の画像をモニターに表示できるため、医学生用の教材として利用されている。
特許第2990871号公報 特開2000−235150号公報 特開2004−191252号公報 David K. Welsh, Seung-Hee Yoo, Andrew C. Liu, Joseph S. Takahashi, and Steve A. Kay, "Bioluminescence Imaging of Individual Fibroblasts Reveals Persistent, Independently Phased Circadian Rhythms of Clock Gene Expression", Current Biology, 2004, Vol.14, p.2289-2295 N. Takasuka, M. R. H. White, C. D. Wood, W. R. Robertson, and J. R. E. Davis, "Dynamic Changes in Prolactin Promoter Activation in Individual Living Lactotrophic Cells", Endocrinology, 1998, Vol.139 p.1361-1368
ところで、ルシフェラーゼ遺伝子をレポーター遺伝子として細胞に導入し、ルシフェラーゼ活性による細胞からの発光量を指標にしてルシフェラーゼ遺伝子の発現の強さを調べる際、ルシフェラーゼ遺伝子の上流や下流に目的のDNA断片をつなぐことによって、このDNA断片がルシフェラーゼ遺伝子の転写に及ぼす影響を調べることができる。また、ルシフェラーゼ遺伝子の転写に影響を及ぼすと思われる転写因子などの遺伝子を発現ベクターにつないでルシフェラーゼ遺伝子と共発現させることによって、その遺伝子産物がルシフェラーゼ遺伝子の発現におよぼす影響を調べることができる。
ルシフェラーゼ遺伝子などのレポーター遺伝子を細胞に導入する方法には、リン酸カルシウム法、リポフェクチン法、エレクトロポレーション法などがあるが、これらの方法は、導入の目的や細胞の種類に応じて使い分けられる。そして、ルシフェラーゼ活性による細胞からの発光量の測定では、細胞溶解液をルシフェリン、ATP、マグネシウムなどを含む基質溶液と反応させた後、光電子増倍管を用いたルミノメーターによって発光量が定量される。この測定では、細胞を溶解した後に発光量が測定されるため、ある時点での発現量が細胞全体の平均値として計測される。
また、遺伝子の発現量の経時変化を捉えるためには、生きた細胞からの発光量を時系列に測定する必要がある。たとえば、細胞を培養するインキュベーターにルミノメーターの機能を設け、培養している全細胞集団から発せられる光量を一定時間ごとに測定することによって、一定の周期性をもった発現リズムなどを計測することができる。この場合、細胞全体の経時的な発現量の変化が計測される。
一方、遺伝子の発現が一過性である場合には、個々の細胞での発現量に大きなばらつきが生じる。たとえば、HeLa細胞などのクローン化した培養細胞であっても、細胞膜表面のレセプターを介した薬剤の応答が個々の細胞でばらつくことがある。すなわち、細胞全体としての応答は検出されなくとも、数個の細胞は応答している場合がある。この場合、細胞全体からではなく個々の細胞での発現量を測定することが重要である。
しかしながら、個々の細胞の発光を顕微鏡等で観察するためには、生きた細胞からの発光量が極めて弱いため、たとえば、フォトンカウンティングCCDカメラ、−90℃程度の冷却CCDカメラ等の高感度のCCDカメラを用い、30分程度の長時間の露光を行わなければならないという問題があった(非特許文献1,2参照)。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、ルシフェラーゼ遺伝子を発光色素として導入した細胞のような微弱光を発する標本であっても、0℃程度の比較的高温の冷却CCDカメラによって、フォトンカウンティングすることなく、短い露光時間で標本像を撮像することができる微弱光標本撮像ユニットおよび微弱光標本撮像装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、この発明にかかる微弱光標本撮像ユニットは、微弱光を発する点光源を有した標本の標本像を結像する結像光学系と、入射する光を受光する複数の画素を有し、前記標本像に対応する画像を撮像する撮像手段とを備える撮像ユニットであって、前記結像光学系は、該結像光学系の標本像側にテレセントリックであるとともに、前記点光源からの微弱光を集光して前記画素に略同じ大きさ、あるいは、前記画素より小さいエアリーディスクを形成することを特徴とする。
また、この発明にかかる微弱光標本撮像ユニットは、上記の発明において、前記結像光学系は、該結像光学系の標本側にテレセントリックであるとともに、前記点光源からの微弱光を平行光束に変換する対物レンズと、前記対物レンズによって変換された平行光束を集光して前記エアリーディスクを形成する結像レンズと、を備えたことを特徴とする。
また、この発明にかかる微弱光標本撮像ユニットは、上記の発明において、前記対物レンズは、焦点距離および標本側開口数の少なくとも一方が該対物レンズと異なる交換対物レンズと交換可能に配置されることを特徴とする。
また、この発明にかかる微弱光標本撮像ユニットは、上記の発明において、前記対物レンズは、該対物レンズを配置する際の基準となる対物配置基準面を有し、該対物配置基準面から標本側焦点および射出瞳までの各距離が該対物レンズと略等しい前記交換対物レンズと交換可能に配置されることを特徴とする。
また、この発明にかかる微弱光標本撮像ユニットは、上記の発明において、前記対物レンズは、開口径が可変な可変明るさ絞り(AS:Aperture Stop)を備えることを特徴とする。
また、この発明にかかる微弱光標本撮像ユニットは、上記の発明において、前記結像レンズは、焦点距離および標本像側開口数の少なくとも一方が該結像レンズと異なる交換結像レンズと交換可能に配置されることを特徴とする。
また、この発明にかかる微弱光標本撮像ユニットは、上記の発明において、前記結像レンズは、該結像レンズを配置する際の基準となる結像配置基準面を有し、該結像配置基準面から標本像側焦点および入射瞳までの各距離が該結像レンズと略等しい前記交換結像レンズと交換可能に配置されることを特徴とする。
また、この発明にかかる微弱光標本撮像ユニットは、上記の発明において、前記結像レンズは、前記対物レンズの射出瞳径と同等以上の大きさの入射瞳径を有することを特徴とする。
また、この発明にかかる微弱光標本撮像ユニットは、上記の発明において、前記撮像手段は、所定の撮像特性が該撮像手段と異なる交換撮像手段と交換可能に配置されることを特徴とする。
また、この発明にかかる微弱光標本撮像ユニットは、上記の発明において、前記結像光学系の結像倍率は、略2倍以上、略8倍以下であることを特徴とする。
また、この発明にかかる微弱光標本撮像装置は、上記の微弱光標本撮像ユニットと、前記標本を保持する標本保持手段と、前記標本を照明する照明手段と、前記結像光学系、前記撮像手段および前記標本保持手段の少なくとも1つを前記微弱光標本撮像ユニットの光軸方向に移動させて、前記微弱光標本撮像ユニットの前記標本に対する焦点合わせを行う焦点調整手段と、を備え、前記結像光学系は、前記照明手段によって照射された照射光であって前記標本を透過または反射した照射光を集光して前記標本の明視野標本像を結像し、前記焦点調整手段は、前記明視野標本像が鮮明に結像されるように焦点合わせを行うことを特徴とする。
また、この発明にかかる微弱光標本撮像装置は、上記の微弱光標本撮像ユニットと、前記標本を保持する標本保持手段と、前記標本を照明する照明手段と、前記対物レンズ、前記結像レンズ、前記撮像手段および前記標本保持手段の少なくとも1つを前記微弱光標本撮像ユニットの光軸方向に移動させて、前記微弱光標本撮像ユニットの前記標本に対する焦点合わせを行う焦点調整手段と、を備え、前記結像光学系は、前記照明手段によって照射された照射光であって前記標本を透過または反射した照射光を集光して前記標本の明視野標本像を結像し、前記焦点調整手段は、前記明視野標本像が鮮明に結像されるように焦点合わせを行うことを特徴とする。
また、この発明にかかる微弱光標本撮像装置は、上記の発明において、前記標本を励起する励起光を選択的に透過させる励起光透過フィルター、前記励起光によって励起された標本から発せられる蛍光を選択的に透過させる蛍光透過フィルターおよび前記励起光を反射し前記蛍光を透過させるダイクロイックミラーを有し、前記対物レンズと前記結像レンズとの間に挿脱可能に配置される蛍光ユニットと、前記励起光を発する励起光源を有し、該励起光源から発せられた励起光を前記ダイクロイックミラーによって反射させ前記標本に照射させる蛍光照射手段と、を備え、前記結像光学系は、前記微弱光として前記蛍光を集光し、前記エアリーディスクを形成することを特徴とする。
また、この発明にかかる微弱光標本撮像装置は、上記の発明において、前記励起光および前記蛍光の少なくとも一方に対する光学特性が互いに異なる複数の前記蛍光ユニットを保持し、該保持した複数の蛍光ユニットのうち1つの蛍光ユニットを選択的に前記対物レンズと前記結像レンズとの間に配置する蛍光切替手段を備えたことを特徴とする。
また、この発明にかかる微弱光標本撮像装置は、上記の発明において、前記蛍光照射手段は、前記励起光を略平行光束として前記標本に照射させることを特徴とする。
また、この発明にかかる微弱光標本撮像装置は、上記の発明において、前記対物レンズと前記結像レンズとの間に挿脱可能に配置され、前記微弱光から所定の波長域の光を抽出する波長抽出フィルターを備えたことを特徴とする。
また、この発明にかかる微弱光標本撮像装置は、上記の発明において、抽出する波長域が互いに異なる複数の前記波長抽出フィルターを保持し、該保持した複数の波長抽出フィルターのうち少なくとも1つの波長抽出フィルターを、フィルター非配置を含めて選択的に前記対物レンズと前記結像レンズとの間に配置するフィルター切替手段を備えたことを特徴とする。
また、この発明にかかる微弱光標本撮像装置は、上記の発明において、前記対物レンズと前記結像レンズとの間に挿脱可能に配置され、前記微弱光のうち所定の第1波長域の光を透過させるとともに該第1波長域と異なる第2波長域の光を反射するダイクロイックミラーと、前記ダイクロイックミラーによって反射された前記第2波長域の光を集光する反射側結像レンズと、複数の画素を有し、前記反射側結像レンズによって集光された前記第2波長域の光を受光する反射側撮像手段と、を備え、前記反射側結像レンズは、前記反射側撮像手段が有する画素内の受光領域に略内接する大きさのエアリーディスクを形成することを特徴とする。
また、この発明にかかる微弱光標本撮像装置は、上記の発明において、前記第1波長域および前記第2波長域の少なくとも一方が互いに異なる複数の前記ダイクロイックミラーを保持し、該保持した複数のダイクロイックミラーのうち1つのダイクロイックミラーを選択的に前記対物レンズと前記結像レンズとの間に配置するダイクロイックミラー切替手段を備えたことを特徴とする。
また、この発明にかかる微弱光標本撮像装置は、上記の発明において、前記ダイクロイックミラーと前記結像レンズとの間に挿脱可能に配置され、前記第1波長域の光から所定の第3波長域の光を抽出する透過側波長抽出フィルターと、前記ダイクロイックミラーと前記反射側結像レンズとの間に挿脱可能に配置され、前記第2波長域の光から所定の第4波長域の光を抽出する反射側波長抽出フィルターと、を備えたことを特徴とする。
また、この発明にかかる微弱光標本撮像装置は、上記の発明において、前記対物レンズと前記結像レンズとの間に挿脱可能に配置され、前記標本を透過または反射した前記照明光を反射するミラーと、前記ミラーによって反射された照射光を集光して前記標本の明視野像を結像する明視野結像レンズと、前記明視野結像レンズによって結像された明視野像に対応する明視野画像を撮像する明視野撮像手段と、を備えたことを特徴とする。
また、この発明にかかる微弱光標本撮像装置は、上記の発明において、前記結像光学系または前記撮像手段を前記微弱光標本撮像ユニットの光軸に略直交する方向に移動させて、前記撮像手段と前記反射側撮像手段または前記明視野撮像手段との位置合わせを行う位置調整手段を備えたことを特徴とする。
また、この発明にかかる微弱光標本撮像装置は、上記の発明において、前記焦点調整手段による焦点合わせおよび前記位置調整手段による位置合せの少なくとも一方の自動制御を行う調整制御手段を備えたことを特徴とする。
また、この発明にかかる微弱光標本撮像装置は、上記の発明において、前記標本保持手段は、前記標本を内部に保持する収容手段と、前記収容手段の内部の環境条件を調整する環境調整手段と、を備えたことを特徴とする。
また、この発明にかかる微弱光標本撮像装置は、上記の発明において、前記環境条件は、前記収容手段の内部の温度、湿度、気圧および成分濃度の少なくとも1つに対応する条件であることを特徴とする。
また、この発明にかかる微弱光標本撮像装置は、上記の発明において、当該微弱光標本撮像装置は、外部からの光を遮断する遮光手段内に配置されることを特徴とする。
また、この発明にかかる微弱光標本撮像装置は、上記の発明において、前記撮像手段が撮像した画像であって前記明視野標本像と前記微弱光による前記標本像とのそれぞれに対応する画像を重ね合わせて表示する表示手段を備えたことを特徴とする。
本発明にかかる微弱光標本撮像ユニットおよび微弱光標本撮像装置によれば、ルシフェラーゼ遺伝子を発光色素として導入した細胞のような微弱光を発する標本であっても、0℃程度の比較的高温の冷却CCDカメラによって、フォトンカウンティングすることなく、短い露光時間で標本像を撮像することができる。
図1は、本発明の実施の形態1にかかる微弱光標本撮像ユニットの構成を示す図である。 図2は、図1に示した微弱光標本撮像ユニットによって形成されるエアリーディスクを示す図である。 図3−1は、エアリーディスク径と画素内の受光領域の大きさとをほぼ等しくした場合のエアリーディスクの光量分布を示す図である。 図3−2は、エアリーディスク内に4つの画素が含まれる場合のエアリーディスクの光量分布を示す図である。 図3−3は、1つの画素の受光領域に2つのエアリーディスクが含まれる場合のエアリーディスクの光量分布を示す図である。 図4は、結像側NAとエアリーディスク径との関係を示す図である。 図5は、光学的ローパスフィルターの特性を説明する図である。 図6は、本発明の実施の形態2にかかる微弱光標本撮像ユニットおよび微弱光標本撮像装置の構成を示す図である。 図7−1は、図6に示した微弱光標本撮像ユニットおよび微弱光標本撮像装置によって標本の明視野像を撮像した画像を示す図である。 図7−2は、図6に示した微弱光標本撮像ユニットおよび微弱光標本撮像装置によって標本の自己発光による像を1分間露光して撮像した画像を示す図である。 図7−3は、図6に示した微弱光標本撮像ユニットおよび微弱光標本撮像装置によって標本の自己発光による像を5分間露光して撮像した画像を示す図である。 図7−4は、図7−1および図7−3に示した画像を重ね合わせて表示した画像を示す図である。 図8−1は、図6に示した微弱光標本撮像ユニットおよび微弱光標本撮像装置による実験の標本の作成方法を説明する図である。 図8−2は、図6に示した微弱光標本撮像ユニットおよび微弱光標本撮像装置による実験の標本の作成方法を説明する図である。 図9−1は、図6に示した微弱光標本撮像ユニットおよび微弱光標本撮像装置によって標本の明視野像を撮像した画像を示す図である。 図9−2は、図6に示した微弱光標本撮像ユニットおよび微弱光標本撮像装置によって標本の自己発光による像を1分間露光して撮像した画像を示す図である。 図9−3は、図9−1および図9−2に示した画像を重ね合わせて拡大表示した画像を示す図である。 図10は、図9−3に示した画像のうち所定の領域に対応する標本からの発光強度の経時変化を測定した結果を示す図である。 図11は、図6に示した微弱光標本撮像ユニットによる標本の深度方向の結像状態を説明する図である。 図12は、標本の深度に対する測光量の変化を示す図である。 図13−1は、総合倍率を2倍とした微弱光標本撮像ユニットによって微弱光による標本像を撮像した画像を示す図である。 図13−2は、総合倍率を4倍とした微弱光標本撮像ユニットによって微弱光による標本像を撮像した画像を示す図である。 図13−3は、総合倍率を8倍とした微弱光標本撮像ユニットによって微弱光による標本像を撮像した画像を示す図である。 図14は、微弱光標本撮像ユニットの総合倍率ごとに微弱光による標本像の状態を考察した結果を示す図である。 図15は、微弱光標本撮像ユニットにおける対物レンズ、総合倍率、測光深度および焦点深度の対応関係を示す図である。 図16は、顕微鏡用対物レンズの種類に応じた焦点距離および開口数を示す図である。 図17は、図6に示した微弱光標本撮像装置に落射蛍光装置を付加した場合の要部構成を示す図である。 図18は、図6に示した微弱光標本撮像装置に平行光束照明用の落射蛍光照明装置を付加した場合の要部構成を示す図である。 図19は、図6に示した微弱光標本撮像装置によって結像されるDNAチップとCCDの撮像範囲との対応関係を示す図である。 図20は、図6に示した微弱光標本撮像装置にフィルターユニットを付加した場合の要部構成を示す図である。 図21は、多色ルシフェラーゼ遺伝子の発光特性および図20に示した波長抽出フィルターの透過率特性を示す図である。 図22は、図6に示した微弱光標本撮像装置に分光ユニットを付加した場合の要部構成を示す図である。 図23は、図6に示した微弱光標本撮像装置にミラー切換明視野撮像ユニットを付加した場合の要部構成を示す図である。 図24は、図6に示した微弱光標本撮像装置を遮光装置内に配置して外部から自動制御を行う場合の構成を示す図である。 図25は、図6に示した標本1を内部に保持し環境条件が可変な収容器の構成を示す図である。 図26は、図6に示した微弱光標本撮像ユニットおよび微弱光標本撮像装置に適用可能な各部構成を系統的に示す図である。 図27は、図6に示した微弱光標本撮像ユニットおよび微弱光標本撮像装置に適用可能な対物レンズに応じた結像レンズとその組み合わせにおける性能仕様とを示す図である。 図28は、縮小倍率を有するレンズを配置した像側にテレセントリックな結像光学系の一例を示す図である。
符号の説明
1,101 標本
2 撮像レンズ
3,34a〜34c CCD
3a 撮像面
3pn 画素
4 赤外光カットフィルター
5 カメラ筐体
5a 取り付けネジ
6,6−1〜6−3,102 対物レンズ
6a,7a,9 鏡筒
7,7−1〜7−5,37,103 結像レンズ
8 明るさ絞り
10 つなぎ鏡筒
11 本体架台
11a 操作ダイヤル
12 ベース架台
13 試料台
14 照明架台
15 照明ファイバー
21 励起フィルター
22 吸収フィルター
23,35 ダイクロイックミラー
24 蛍光キューブ
25 蛍光用投光管
26 励起光源
27 平行光束光源
28 ビームエキスパンダー
29 投光レンズ
30 波長選択ミラー
31 フィルターユニット
31c 空穴
32,33 波長抽出フィルター
32SP,33LP 透過率曲線
35G,35R 分光特性曲線
36 分光キューブ
38 ミラー
39 切換装置
41 ベース
42 囲い
43 蓋
44 ヒンジ部
45 ノブ
46 制御装置
47 入力装置
48 表示装置
51 シャーレ
52 区画
53 透明板
54 給気パイプ
55 排気パイプ
101a,101b 物点
104 レンズ
105,106 像面
105a,105b,106a,106b 像点
ao,bo,oc,of 点光源
ai,bi,oci,ofi 像点
AD エアリーディスク
AD1,AD2,AD3a,AD3b 光量分布曲線
C1〜C4 カメラ
CR1,CR2 主光線
DI DNA個体像
FI 視野像
IM 像面
OA,OA’,OA1〜OA3 光軸
Pu 射出瞳
PH ピンホール
PP 後側焦点
PS 励起ピンホール
以下、添付図面を参照して、本発明にかかる微弱光標本撮像ユニットおよび微弱光標本撮像装置の好適な実施の形態を詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、図面の記載において、同一部分には同一の符号を付している。
(実施の形態1)
まず、本発明の実施の形態1にかかる微弱光標本撮像ユニットについて説明する。図1は、この実施の形態1にかかる微弱光標本撮像ユニットの構成を示す模式図である。図1に示すように、この実施の形態1にかかる微弱光標本撮像ユニットは、光軸OA1に沿って配置された、微弱光を発する観察対象としての標本1、結像光学系としての撮像レンズ2、赤外光を遮光する赤外光カットフィルター4および撮像手段としての固体撮像素子であるCCD3を備える。
撮像レンズ2は、標本1上で所定の視野内にある各点光源からの光を開口数NAoで捉え、光軸OA1に垂直なCCD3の撮像面3a上に標本1の像を開口数NAiでテレセントリックに結像する。撮像レンズ2は、たとえば、標本1上の点光源ao,boからの光を集光して、それぞれ撮像面3a上の像点ai,biに結像する。このとき、像点biに結像される光の主光線CR1は、撮像レンズ2によって光軸OA1に平行にされ、撮像面3aに垂直に入射する。同様に、像点bi以外の撮像面3a上の各点に結像される光の主光線も、撮像レンズ2によって光軸OA1に平行にされ、撮像面3aに垂直に入射する。なお、撮像レンズ2によるテレセントリックな結像とは、各主光線が光軸OA1に対して厳密に平行となる場合に限定されず、略平行となる場合を含むものである。また、撮像レンズ2は、赤外光カットフィルター4によって発生する球面収差、非点収差等を補正する。なお、開口数NAoは約0.7以上にすることが望ましいが、0.7以上に限定して解釈する必要はなく、例えば0.6としても使用できる。
CCD3は、高感度のモノクロームCCDであって、0℃程度の比較的高温の冷却CCDによって実現される。CCD3は、赤外光カットフィルター4とともにカメラ筐体5の内部に一体に保持される。カメラ筐体5は、Cマウント規格に対応した取り付けネジ5aを有し、端面5bからの空気換算長であるフランジバックが17.53mmの位置に撮像面3aを配設するようにCCD3を保持している。
ここで、撮像レンズ2が標本1上の点光源を撮像面3a上に結像する条件について説明する。一般に、レンズ系によって結像される点光源の像は、単色光源の場合、明暗の輪帯状の縞模様を形成し、縞模様の中心部にあるもっとも明るい円盤部は、エアリーディスクと呼ばれる。撮像レンズ2は、標本1上の点光源からの光を開口数NAoで捉え、たとえば図2に示すように、撮像面3a上にある画素3pn内の受光領域にほぼ内接する大きさのエアリーディスクADを形成するようにして、像点aiに点光源aoの像を結像する。すなわち、撮像レンズ2は、エアリーディスクADの径と画素3pn内の受光領域の大きさとがほぼ等しくなるように点光源aoの像を結像する。エアリーディスクAD内の光量分布は、図3−1に示すように、光量分布曲線AD1で示される。エアリーディスクAD内には、像点aiに結像する光量の約90%が集中し、このエアリーディスクAD内の光は、すべて画素3pnで受光される。なお、煩雑さを避けるため、図2および図3−1では、各画素と各画素内の受光領域とを同じ大きさで示している。
つぎに、エアリーディスク径と開口数等との関係式を示す。一般に、開口数NAiで結像して形成されるエアリーディスク径φdiは、結像する光の波長をλとして、次式(1)で示される。
φdi=1.22・λ/NAi ・・・(1)
波長λ=0.6μmとした場合、式(1)から得られるエアリーディスク径φdiと開口数NAiとの関係は、図4に示すようになる。
ここで、撮像レンズ2の倍率Mgが開口数NAo,NAiを用いて次式(2)で表されるため、式(1)は、式(3)に変換される。
g=NAo/NAi ・・・(2)
φdi=1.22・λ・Mg/NAo ・・・(3)
また、撮像レンズ2の標本1上の解像力εがレイリーの解像力の基準をもとに次式(4)で表されるため、式(3)は、式(5)に変換される。
ε=0.61・λ/NAo ・・・(4)
φdi=2・ε・Mg ・・・(5)
一方、撮像レンズ2の撮像面3a上の解像力Lは、レイリーの解像力の基準をもとに次式(6)で表される。
L=0.61・λ/NAi ・・・(6)
式(6)は、式(2)および式(4)を用いて次式(7)に変換される。
L=ε・Mg ・・・(7)
さらに、式(7)は、式(5)を用いて式(8)に変換される。
L=(1/2)・φdi ・・・(8)
一般に、CCD等の撮像素子によって撮像を行う場合、モアレ縞を発生させずに鮮明な画像を得るには、サンプリング定理により、解像力Lに対応する大きさの中に少なくとも2つの画素が必要とされる。この条件をもとに、CCD3の各画素の大きさをhとし、解像力L=2hとして式(8)に代入すると次式(9)が得られる。
φdi=4・h ・・・(9)
この式(9)によって、CCD3でモアレ縞を発生させずに鮮明な画像を得るには、エアリーディスク内に少なくとも4つの画素を入れる必要があることがわかる。
ところが、微弱光を発する標本1は、たとえばルシフェラーゼ遺伝子を発光色素として導入した細胞であり、点光源と考えられる程度に小さな発光源が暗い背景の中に点在するものであるため、モアレ縞の影響を考慮する必要はない。したがって、この実施の形態1にかかる微弱光標本撮像ユニットでは、式(9)で示される条件を考慮する必要がなく、図2および図3−1に示したように、エアリーディスク径と1つの画素内の受光領域の大きさとをほぼ等しくし、受光量の損失を低減するとともにCCDのS/N比を向上させ、エアリーディスク内に集中した点光源からの微弱光を高感度に受光できるようにしている。
式(9)で示される条件を満足させる場合には、たとえば図3−2に示すように、エアリーディスク径がφdi2である光量分布曲線AD2は、5つの画素3pn-2〜3pn+2にまたがる。よって、撮像レンズ2が集光した光を撮像面3aでは、エアリーディスク内の21個の画素(5×5画素のうち受光しない4隅を除いた画素)で分け合って受光することになる。この場合、各画素には一定のノイズ(暗電流)が発生しており、撮像レンズ2からの光と暗電流の比であるS/N比は、1画素に撮像レンズ2からの光を集中させた場合とで大きな差が出る。微弱光の測光では、S/N比をあげることがすなわち明るい画像を作ることになる。
暗電流は、CCDの受光部が赤外光に対して高感度であり、CCDを駆動した際に、CCDおよびCCD駆動回路の温度上昇によって発生した赤外光をCCD自身が受光するために生じる電流である。この暗電流は、CCDを冷却することによって低減させることができ、一般に、室温付近では、CCDの温度を8℃低下させる毎に1/2に減少させられるとされている。近年、−140℃まで冷却して赤外光および暗電流の発生を著しく抑制したきわめて高感度なCCDが開発されているが、ルシフェラーゼ遺伝子等の微弱な発光色素を短時間で鮮明に観察できるほど十分なS/N比は得られていない。
これに対して、この実施の形態1にかかる微弱光標本撮像ユニットでは、エアリーディスク径と1つの画素内の受光領域の大きさをほぼ等しくすることによって、1つの画素の受光量および起電流を増大させ、S/N比を向上させて、標本1上の点光源を高感度に撮像できるようにしている。このため、ルシフェラーゼ遺伝子等の微弱な発光色素に対しても、0℃程度の比較的高温の冷却CCDによって、フォトンカウンティングすることなく、数分程度の短い露光時間で撮像可能なほどに十分な感度を得ることができる。
一方、たとえば図3−3に示すように、1つの画素の受光領域に複数のエアリーディスクが含まれるようにして、画素当たりの受光量および起電流をさらに増大させることも可能である。ところが、この場合、各光量分布曲線AD3a,AD3bに対応するエアリーディスクが識別できなくなる。しかし、本発明にかかる本微弱光標本撮像ユニットの目的は、例えば、発光色素1個ごとを分離して測光することではなく、標本1としての細胞内に撮像レンズ2の解像限界よりもはるかに密接して無数に分布する発光中の発光色素の集団が細胞のどの辺りにあるか、ほぼ観察できれば目的は十分に達成できる。極端には、発光中の細胞の形(存在)がわかり、その細胞の発光総量が測光できるだけでも良い。よって、エアリーディスクに対するCCD3の画素の大きさの規定は、S/Nをあげるための措置であり、また、後述する測光深度を得るためのパラメータである。
なお、図3−3に示すように、1つの画素の受光領域の幅に隣接する2つのエアリーディスクが含まれるようにするには、式(5)から明らかなように、エアリーディスク径と1つの画素内の受光領域の大きさを等しくする場合に比して、撮像レンズ2の倍率Mgの大きさを1/2倍すればよい。
以上説明したように、この実施の形態1にかかる微弱光標本撮像ユニットでは、標本側に高NAを有した撮像レンズ2によって、標本1上の各点光源からの光をテレセントリックにCCD3上に結像し、画素内の受光領域にほぼ内接する大きさのエアリーディスクを形成するようにしているため、画素内に点光源からの微弱光をほぼ集中させて高感度に受光することを可能とし、S/N比を向上させている。これによって、たとえばルシフェラーゼ遺伝子を発光色素として導入した細胞のような微弱光を発する標本1に対しても、0℃程度の比較的高温の冷却CCDによって、フォトンカウンティングすることなく、数分程度の短い露光時間で標本像を撮像することができる。
なお、CCD3をモノクロームCCDとしているのは、たとえば単板式のカラーCCDとした場合、1つの画素にR,G,Bの3原色のカラーフィルターを有した受光領域が設けられているため、受光量の損失と解像力の劣化が生じるからである。
また、通常CCDを使用する場合、モアレ縞が発生しないように撮像面の前に光学的なローパスフィルターを備えるが、この実施の形態1にかかる微弱光標本撮像ユニットではローパスフィルターを備えていない。これは、光学的なローパスフィルターが、たとえば図5に示すように、水晶フィルターLPFによって実現され、光軸OAから光軸OA’を分岐し、像IMoから2分割した像IMi1,IMi2を生成するため、受光量の損失と解像力の劣化が生じるからである。また、この実施の形態1にかかる微弱光標本撮像ユニットでは、上述したように、モアレ縞の影響を考慮する必要がないからである。
(実施の形態2)
つぎに、本発明の実施の形態2について説明する。上述した実施の形態1では、一体の有限系のレンズ系である撮像レンズ2によって標本1の像を撮像面3a上に結像するようにしていたが、この実施の形態2では、対物レンズと結像レンズとからなる無限遠系のレンズ系によって標本1の像を結像するようにしている。
図6は本発明の実施の形態2にかかる微弱光標本撮像ユニットおよび微弱光標本撮像装置の構成を示す模式図である。図6に示すように、この実施の形態2にかかる微弱光標本撮像ユニットは、光軸OA2に沿って配置された結像光学系としての対物レンズ6および結像レンズ7と、赤外光カットフィルター4と、CCD3とを備える。ここで、実施の形態1と同一の構成部分には同一符号を付している。
対物レンズ6は、カシメ等によって鏡筒6aに保持され、鏡筒6aは、鏡筒9の端面9aに嵌合するようにネジで取り付けられ、結像レンズ7は、カシメ等によって鏡筒7aに保持され、鏡筒7aは、鏡筒9の端面9bに嵌合するようにネジで取り付けられる。また、CCD3、赤外光カットフィルター4およびカメラ筐体5を備えるカメラC1は、つなぎ鏡筒10の端面10aに嵌合するようにネジで取り付けられ、つなぎ鏡筒10は、鏡筒9の端面9cに嵌合するようにネジで取り付けられる。これら鏡筒6a、鏡筒7a、つなぎ鏡筒10およびカメラC1は、それぞれ着脱可能に取り付けられる。なお、カメラC1は、Cマウント規格に対応し、CCD3の撮像面3aは、端面10aから光軸OA2に沿って17.53mmの位置に配設される。
また、この実施の形態2にかかる微弱光標本撮像装置は、微弱光標本撮像ユニットを保持する鏡筒9、鏡筒9をスライド面11aに沿って移動可能に保持する本体架台11、本体架台11を保持するベース架台12、標本1を保持する試料台13、標本1を照明する照明光を導光する照明手段としての照明ファイバー15および照明ファイバー15を保持する照明架台14を備える。照明架台14は、試料台13に保持され、試料台13は、本体架台11に保持される。
鏡筒9は、操作ダイヤル11bの回転操作に応じて、光軸OA2に略平行なスライド面11aに沿って図上で上下方向に位置調整され、これによって標本1に対する対物レンズ6の焦点合わせが行われる。また、照明ファイバー15は、図示しない白色光源等の光源から発せられる照明光を導光し、標本1に対して透過照明である明視野照明を行う。なお、照明ファイバー15は、標本によっては、光軸から傾いた角度の偏斜照明を行うようにしてもよい。
ここで、対物レンズ6および結像レンズ7からなる結像光学系について説明する。対物レンズ6は、無限遠補正されたレンズ系であり、この対物レンズ6の前側焦点位置に焦点合わせされた標本1上の各点光源からの光を開口数NAoでテレセントリックに捉え、それぞれ平行光束にして射出する。対物レンズ6から射出した各平行光束は、対物レンズ6の後側焦点位置に配設された明るさ絞り8上に集光して射出瞳を形成する。
結像レンズ7は、前側焦点位置が明るさ絞り8上の射出瞳位置と合致するように配置され、明るさ絞り8を通過した各平行光束を集光して、光軸OA2に垂直なCCD3の観察面3a上に標本1の像を開口数NAiでテレセントリックに結像する。このとき、結像レンズ7は、赤外光カットフィルター4によって発生する球面収差、非点収差等を補正して標本1の像を結像する。
対物レンズ6および結像レンズ7は、たとえば図6に示すように、標本1上の点光源ao,boからの光を集光して、それぞれ撮像面3a上の像点ai,biに結像する。このとき、像点biに結像される光の主光線CR2は、結像レンズ7によって光軸OA2に平行にされ、撮像面3aに垂直に入射する。同様に、像点bi以外の撮像面3a上の各点に結像される光の主光線も、結像レンズ7によって光軸OA2に平行にされ、撮像面3aに垂直に入射する。なお、対物レンズ6および結像レンズ7によるテレセントリックな結像とは、各主光線が光軸OA2に対して厳密に平行となる場合に限定されず、略平行となる場合を含むものである。
また、結像レンズ7は、実施の形態1の撮像レンズ2と同様に、撮像面3a上にある画素内の受光領域に内接する大きさのエアリーディスクを形成する。すなわち、結像レンズ7は、エアリーディスク径と画素内の受光領域の大きさとがほぼ等しくなるように、標本1上の点光源の像を撮像面3a上に結像する。これによって、この実施の形態2にかかる微弱光標本撮像ユニットでも、1つの画素の受光量および起電流を増大させ、S/N比を向上させて、標本1上の各点光源を高感度に撮像することができる。
なお、対物レンズ6の開口数NAoは、約0.7以上にすることが望ましいが、0.7以上に限定して解釈する必要はなく、例えば0.6としてもよい。また、結像レンズ7の開口数NAiは、0.1〜0.3程度にするとよく、この場合、波長λ=0.6μmとすると、図4に示したように、形成されるエアリーディスク径は7.3〜2.4μm程度となる。ここで、結像レンズ7は、対物レンズ6の射出瞳径と同等以上の大きさの入射瞳径を有するようにするとよい。
また、明るさ絞り8は、図示しない取り付け部材によって鏡筒6aまたは鏡筒9に取り付けられる。ここでは、明るさ絞り8を開口径が固定の固定絞りとしているが、開口径が可変な可変絞りとして、開口数NAo,NAiを変更できるようにしてもよい。なお、明るさ絞り8は、対物レンズ6の内部に含まれるようにしてもよい。
さらに、対物レンズ6および結像レンズ7からなる結像光学系について、倍率をMg、標本1上の解像力をε、撮像面3a上の解像力をL、撮像面3a上に形成するエアリーディスク径をφdiとすると、撮像レンズ2と同様に式(1)〜(9)が適用できる。
また、対物レンズ6は、鏡筒6aによって鏡筒9に着脱可能に取り付けられ、標本1の観察条件等に応じて、焦点距離および開口数NAiの少なくとも一方が異なる交換用対物レンズと交換できる。交換用対物レンズでは、対物レンズ6と互いに同焦点にするため、対物レンズ6の配置基準面である胴付き面6bから前側焦点位置までの距離L1と、胴付き面6bから射出瞳位置までの距離L2とに対応する距離が、それぞれ対物レンズ6とほぼ等しくされる。
同様に、結像レンズ7は、鏡筒7aによって鏡筒9に着脱可能に取り付けられ、撮像面3a上への結像条件等に応じて、焦点距離および開口数NAoの少なくとも一方が異なる交換用結像レンズと交換できる。交換用結像レンズでは、鏡筒9に取り付けられた場合に後側焦点位置が撮像面3aに合致するように、結像レンズ7の配置基準面である胴付き面7bから射出瞳位置までの距離L3と、胴付き面7bから後側焦点位置までの距離L4とに対応する距離が、それぞれ結像レンズ7とほぼ等しくされる。
さらに、鏡筒7aの端面7dから撮像面3aまでの距離L5は、Cマウント規格に対応したカメラC1が容易に交換可能なように17.53mm以上にされる。この距離L5は、結像レンズ7が交換用結像レンズに交換された場合にも、ほぼ一定に保たれる。
また、対物レンズ6および結像レンズ7がそれぞれ鏡筒9に取り付けられた場合の鏡筒6aの端面6cと鏡筒7aの端面7cと間の距離L6は、この間に各種光学素子が配置可能なように約20mm以上にするとよい。また、標本1から撮像面3aまでの距離L0が大きくなり過ぎ、結像レンズ7が大きくなり、高価となったり配置に支障をきたさないように約70mm以下にするとよい。この距離L6は、対物レンズ6および結像レンズ7がそれぞれ交換用対物レンズおよび交換用結像レンズに交換された場合にも、ほぼ一定に保たれる。なお、距離L6は、この間に光学素子を配置する必要がない場合には20mm以下でもよい。
このように、この実施の形態2にかかる微弱光標本撮像ユニットおよび微弱光標本撮像装置では、エアリーディスク径と画素内の受光領域の大きさとがほぼ等しくなるように標本1上の点光源の像を撮像面3a上に結像して高感度に撮像できるだけでなく、さらに、対物レンズ6および結像レンズ7からなる無限遠補正系の結像光学系によって標本1の像を撮像面3a上にテレセントリックに結像するようにしているため、対物レンズ6および結像レンズ7の少なくとも一方が容易に交換可能であり、開口数NAo,NAi、エアリーディスク径φdi、倍率Mg等の結像条件を容易に変更することができる。また、照明ファイバー15によって標本1を透過照明できるようにしているため、標本1の明視野像を観察することができる。
なお、図6に示した微弱光標本撮像装置では、鏡筒9をスライド面11aに沿って位置調整し標本1に対する焦点合わせを行うようにしているが、対物レンズ6および結像レンズ7からなる結像光学系が無限遠補正系であり、対物レンズ6を光軸OA2方向に多少前後させても結像性能に劣化が生じないため、対物レンズ6を位置調整して標本1に対する焦点合わせを行うようにしてもよい。
つぎに、この実施の形態2にかかる微弱光標本撮像ユニットおよび微弱光標本撮像装置によって実際に撮像した画像を図7−1〜図7−4に示す。図7−1〜図7−4に示す画像は、ヒト由来のHeLa細胞にルシフェラーゼ遺伝子「pGL3-controlvector(プロメガ社製)」を導入し、1日培養した後、ハンクス平衡塩類溶液で洗浄し、1mMのルシフェリンを含むハンクス塩類溶液に置換して作製した標本を撮像した画像である。
対物レンズ6および結像レンズ7として用いたレンズは、それぞれ「Oil、40倍、NA1.0」および「5倍、NA0.13」の仕様である市販の顕微鏡用対物レンズであり、結像光学系の倍率Mgに対応する総合倍率は8倍である。カメラC1として用いたカメラは、0℃冷却の天体観測用クールドCCDカメラ(SBIG社製)であり、CCD3としてのCCD素子は、2/3インチ型、画素数765×510、画素サイズ9μm角である。
図7−1は、標本の明視野像を撮像した画像、図7−2および図7−3は、標本の自己発光による像を撮像した画像であって、それぞれ1分間および5分間露光して撮像した画像である。図7−4は、図7−1および図7−3に示す2つの画像を重ね合わせて表示した画像である。
図7−2に示すように、この実施の形態2にかかる微弱光標本撮像ユニットおよび微弱光標本撮像装置によれば、0℃冷却の比較的高温の冷却CCDであっても、フォトンカウンティングすることなく、1分間という短い露光時間で、ルシフェラーゼ遺伝子が発する微弱光を撮像できる。また、図7−3に示すように、露光時間を5分間にすることで、より微弱な光を発するルシフェラーゼ遺伝子を撮像することができる。さらに、図7−1に示すように、標本の明視野像を撮像することが可能であり、図7−4に示すように、明視野像と自己発光による像とを重ね合わせることによって、発光するルシフェラーゼ遺伝子の標本内の位置を観測することができるとともに、発光するルシフェラーゼ遺伝子を含む細胞を特定することができる。なお、非特許文献1では、この文献中のFigure2.に示されるように、標本がモザイク状に撮像され、発光する細胞を特定することは非常に困難であった。
さらに、この実施の形態2にかかる微弱光標本撮像ユニットおよび微弱光標本撮像装置によって行った実験結果の別の一例として、単一細胞での経時的なレポーターアッセイの例を説明する。
このレポーターアッセイでは、まず、テトラサイクリン・リプレッサー(TetR)を恒常的に発現させるベクター「pcDNA6/TR(インビトロジェン社製)」と、テトラサイクリン・オペレータ(TetO2)をもつ発現ベクター「pcDNA4/TO(インビトロジェン社製)」にルシフェラーゼ遺伝子をつなげたプラスミドとをHeLa細胞に共発現させて標本を作製する。この状態では、図8−1に示すように、TetRホモダイマーがTetO2領域に結合しているため、ルシフェラーゼ遺伝子の転写は抑制される。つぎに、図8−2に示すように、培養液中にテトラサイクリンを添加してTetRホモダイマーに結合させ、TetRホモダイマーの立体構造を変化させることによって、TetO2からTetRホモダイマーを分離させ、ルシフェラーゼ遺伝子の転写を誘導する。なお、培養液は10mMのHEPESを含むD−MEM培地であり、1mMのルシフェリンを含む。
対物レンズ6および結像レンズ7として用いたレンズは、それぞれ「Oil、20倍、NA0.8」および「5倍、NA0.13」の仕様である市販の顕微鏡用対物レンズであり、倍率Mgに対応する総合倍率は4倍(対物レンズの実行NAo=0.52)である。カメラC1として用いたカメラは、5℃冷却の顕微鏡用デジタルカメラ「DP30BW(オリンパス社製)」であり、CCD3としてのCCD素子は、2/3インチ型、画素数1360×1024、画素サイズ6μm角である。
図9−1は、テトラサイクリンを添加する前の標本の明視野像を撮像した画像である。図9−2は、テトラサイクリンを添加してから9時間後の標本の自己発光による像を1分間露光して撮像した画像である。図9−3は、図9−1および図9−2に示す2つの画像を重ね合わせた画像であって、一部を拡大表示した画像である。なお、これらの観察は、室温(25℃)で行われている。標本がインキュベーター内に載置される場合、あるいは、撮像ユニットまたは撮像装置の一部もしくは全部もインキュベーター内に収納される場合では、37℃の環境で観察が可能である。
図9−2に示すように、この実施の形態2にかかる微弱光標本撮像ユニットおよび微弱光標本撮像装置によれば、5℃冷却の冷却CCDによって、フォトンカウンティングすることなく、1分間という短い露光時間で、ルシフェラーゼ遺伝子が発する微弱光を撮像できる。また、図9−3に示すように、明視野像と自己発光による像とを重ね合わせることによって、発光するルシフェラーゼ遺伝子の位置を鮮明な画像で観測することができるとともに、このルシフェラーゼ遺伝子を含む細胞を容易に特定することができる。よって、細胞1個毎の発光量の経時的な変化を測定できる。
図10は、図9−3に示した領域ROI−1,ROI−2について、ルシフェラーゼ遺伝子の発光強度の経時変化を測定した結果を示す図である。図10は、テトラサイクリンを添加した2時間後から発光が捉えられ,6〜7時間後でプラトーに達したことを示している。このように、この実施の形態2にかかる微弱光標本撮像ユニットおよび微弱光標本撮像装置によれば、発光するルシフェラーゼ遺伝子の位置を特定して時系列に追跡し、発光現象の経時変化を測定することができる。
つぎに、対物レンズ6と結像レンズ7とからなる結像光学系の結像倍率と像の明るさとの関係について説明する。原理的に、結像光学系における対物レンズ6の集光能力は、標本1側の開口数NAoの2乗に比例する。この光量が結像に用いられるので結像に関与する総光量LQは、結像光学系の透過率等を無視して、次式(10)で示される。
LQ∝NAo 2 ・・・(10)
つまり、対物レンズ6の集光量はNAo 2に比例し、NAoが大きいほど明るい。
一方、結像光学系が倍率Mgで標本1の標本像を結像させると、標本像の大きさは標本1のMg倍となり、標本像の単位面積当たりの明るさは(1/Mg 2)に比例する。よって、標本1内の点光源としての発光体の分布が一様なときは、標本像の単位面積当たりの光量Q0は、次式(11)で示される。
0∝(1/Mg 2) ・・・(11)
これより、撮像面3a上の1画素の受光量QAは、画素の一辺の長さd、面積Aを用い、面積Aがd2に比例することから、次式(12)で示される。
A∝d2・(1/Mg 2) ・・・(12)
つまり、この画素の受光量はd2に比例し、Mg 2に反比例する。
また、一般の光学系は焦点深度と言われる概念を持っている。これは、対物レンズのピント位置から光軸方向に離れた物点が、像面で物体像としてピント上にある物点とほぼ同様に結像するとの概念であるが、これはまた、ピント位置から離れた発光点からの光を拾えるということでもある。そこで、説明をわかりやすくするために、標本1は発光色素が厚さ方向にも均一に分布しているものとし、結像光学系の像面上に直径φdのピンホールPHを置いて測光したときの光量について考える。
図11に示すように、本実施の形態2の結像光学系では、対物レンズ6のピント位置にある点光源aoを、像面IM上に結像している。対物レンズ6のピント位置から遠方に距離Loだけ離れた点光源ocは、像面IMから結像レンズ7側へ距離Liだけ離れた像点ociに結像している。この結像光学系の縦倍率は、倍率Mgを用いてMg 2で表されるので、距離Liは、距離Loを用いて次式(13)で示される。
i=Lo・Mg 2 ・・・(13)
また、結像レンズ7の射出側の開口数NAiは微小であり、像点ociと像点aiとの位置はわずかしか変わらないため、開口数NAi、距離Liおよびピンホール径φdは、次式(14)で示される関係にある。
i・NAi=φd/2 ・・・(14)
式(13)を用いて、式(14)を距離Loについてまとめると、次式(15)に示す関係が得られる。
o=(φd/2)・{1/(Mg 2・NAi)} ・・・(15)
さらに、倍率と開口数の関係を示す一般式としての次式(16)を用いると、式(15)は、式(17)に示すように変形される。
NAi=NAo/Mg ・・・(16)
o=(φd/2)・{1/(Mg・NAo)} ・・・(17)
ここで、ピント位置から前後方向に距離Lo以内にある点光源oc,of等からの光は、図11に示すように、対物レンズ6によって集光された後、結像レンズ7によって結像される際に、ピンホールPHによってケラレることはない。つまり、ピント位置から前後方向に距離Lo以内の点光源からの光は、ピンホールHPによってケラレることなく測光可能である。このように、像面IM上のピンホールPH等によってケラレることなく測光可能な標本側の深度を測光深度(D・D・O・L:Detectable Depth of Luminescence)として定義すると、この測光深度Ldは、式(17)を用いて次式(18)で示される。
d=2Lo=φd・{1/(Mg・NAo)} ・・・(18)
なお、ピンホールPHを介した実際の受光量は、測光深度Ld外の点光源からの光も一部取り込めるため、標本側の深度に応じて図12に示すように変化する。図12では、標本側の深度ごとの受光強度がグラフとして示されており、実際の受光量は、このグラフを積分した値となる。この図12より、実用的には測光深度Ld=3Lo程度と考えられるが、ここでは考慮しない。
発光体(例えば、発光色素)が標本の厚さ方向にも密度ρで均一に分布している標本においては、標本側の開口数NAo、結像光学系の倍率Mg、像面IM上のピンホール径φdの組の受光量TQは、式(10),(12),(18)の積と考えられるため、次式(19)で示される。
TQ∝NAo 2・(1/Mg 2)・φd 3・ρ{1/(Mg・NAo)}
=φd 3・NAo・ρ/Mg 3 ・・・(19)
式(19)の意味は、受光量TQは、ピンホール径φdの3乗と標本側の開口数NAoに比例し、倍率Mgの3乗に反比例するとの結果となる。つまり、測光上は倍率Mgの寄与が非常に高いので、ここでの結論としては、結像光学系の倍率Mgをできる限り小さくすることが好ましいこととなる。ピンホール径φdは、エアリーディスク径との関係ですでに決定されている。
ここで、「20倍、f10mm、NAo0.8」の仕様の対物レンズ6を用い、結像レンズ7の焦点距離を200mm(総合倍率20倍)および40mm(総合倍率4倍)とした場合の光量比較を行う。まず、式(19)におけるピンホール径φd、開口数NAoおよび密度ρは一定として、総合倍率20倍のときの受光量TQ20は、次式(20)で示される。
TQ20∝1/203=1/8000 ・・・(20)
また、総合倍率4倍のときの受光量TQ4は、同様にして、次式(21)で示される。
TQ4∝1/43=1/64 ・・・(21)
これらの比TQ4/TQ20は、次式(22)で示される。
TQ4/TQ20=125 ・・・(22)
つまり、総合倍率4倍では、総合倍率20倍に比して125倍の明るさを得ることになる。また同様にして、総合倍率2倍および8倍では、それぞれ総合倍率20倍に比して1000倍および16倍の明るさを得ることになる。
つぎに、微弱光標本撮像ユニットの解像力と明るさについて説明する。結像光学系の解像力は、基本的に対物レンズ6の標本側の開口数NAoに依存し、結像レンズ7の焦点距離とは関与しない。しかし、CCD3など、受光部が一定面積をもつとこの面積の大きさによって、解像力(像の表現力)が劣化する。測光上の最適なCCD3の画素の大きさについては既に述べたので、ここでは再記述しないが、本微弱光標本撮像ユニットで使用するCCD3の画素の1辺の大きさは、解像力にとって必要な画素の大きさの4倍以上であることから、実際に、標本がどのような解像力と明るさでモニター上に表現されるか実験した。
実験では、結像レンズ7として、仕様「f40mm、NA0.13」の顕微鏡用対物レンズを用い、対物レンズ6として、総合倍率8倍では仕様「Uapo 40X、NA1.35、f5mm」の顕微鏡用対物レンズ、総合倍率4倍では仕様「Uapo 20X、NA0.75、f10mm」の顕微鏡用対物レンズ、総合倍率2倍では仕様「UplanApo 10X、NA0.40、f20mm」の顕微鏡用対物レンズをそれぞれ使用した。ここで、結像レンズ7のNAが0.13であることから、対物レンズ6の有効NAは、Uapo 40Xでは1.04(=0.13×8)、Uapo 20Xでは0.52(=0.13×4)、UplanApo 10Xでは0.26(=0.13×2)である。また、カメラC1として、CCD画素の大きさが6μm角である「DP30BW(オリンパス社製)」を使用した。これによって、図7−1〜7−4に結果を示した実験と同様の標本を、露光時間5分で撮像した。その結果を図13−1〜13−3に示す。
この結果をもとに、標本中の細胞の大きさを25μm程度の円に内接する位と考え、総合倍率2倍、4倍、8倍の各場合で画質の品位と像の明るさについて考察した。その結果を図14にまとめて示す。なお、図14には、撮像において必要としたCCDの画素数を参考として併記している。
総合倍率8倍と4倍と2倍とについて、式(19)を用いて式(22)と同様に像の明るさ(CCD3の画素が受ける受光量)の比を計算すると、CCDの大きさを等しいとして、前記対物レンズ6の有効NAを用いて、次式(23)で示される。
TQ8:TQ4:TQ2:=1.04/83:0.52/43:0.26/23
=1.04/512:0.52/64:0.26/8
=4/64:2/8:1/1
=1/16:1/4:1
=1:4:16 ・・・(23)
ここで、TQ8,TQ4,TQ2はそれぞれ総合倍率8倍、4倍、2倍での受光量を示している。この計算値を考慮しながら、目的に合った適当な倍率を考えると、つぎのようになる。すなわち、総合倍率2倍は、広い視野の中で細胞形状を気にすることなく細胞全体の測光をしたい場合に適し、総合倍率8倍は、暗いが、細胞の輪郭も観察し、測光する場合に適し、総合倍率4倍は、2倍と8倍との中間で汎用的に使用する場合に適している。
ここでの結論としては、微弱光標本撮像ユニットにおける結像光学系の結像倍率Mgは、像の見え具合と明るさとから、略2倍〜略8倍程度が好ましく、像を観察するとともに測光を行う目的からは、像の見え具合の観点から1倍以下は目的からはずれ、10倍以上は特別に明るい標本でない限り、測光時間などで不具合が出るといえる。
実験からは、このような結論となったが、式(18)から算出される測光深度についても検討した。まず、結像光学系における対物レンズ6と結像レンズ7とに顕微鏡用対物レンズを用いた場合の、種々の組み合わせにおける総合倍率、測光深度および焦点深度(D・O・F:Depth of Focus)を図15に示す。焦点深度Fdは、波長λ=0.6μmとして、次式(24)で示される。図15では、光軸方向の前後の焦点深度Fdを合わせた深度(2Fd)が、焦点深度として示されている。
d=λ/(2・NAo 2)=0.3/NAo 2 ・・・(24)
ここで、測光深度および焦点深度の観点からは、微弱光標本撮像ユニットの結像光学系は、次のように構成することが好ましいといえる。第1に、測光深度が標本である細胞の厚さに対して大きすぎると、対象細胞の光軸方向の前後にある細胞の光量を拾うことになるので、測光深度は、細胞の厚さの1/5程度以下とすることが好ましい。本発明で検討したHela細胞は径が25μm程度で、厚さはスライドガラス上で10μm程度のものである。第2に、測光深度は、焦点深度の2倍と同等またはそれ以上とすることが好ましい。なぜなら、焦点深度内にある点光源が像として観察されているにもかかわらず暗く撮像されるからである。
この考察をもとに図15を見ると、「Dry、20倍」の対物レンズでは総合倍率8倍以下、「Oil、40倍」の対物レンズでは総合倍率16倍以下が好ましい。また、式(18)における倍率Mgは、結像光学系の総合倍率であるため、つぎのように言い換えることができる。すなわち、測光深度からは、結像光学系は、開口数NAoが0.8以上で、総合倍率が8倍以下であることが好ましい。ただし、開口数NAoは0.8以上にこだわる必要はなく、例えば0.6以上でも実使用上で大きな支障はない。
つぎに、できる限り広い視野を実現したい要望がある。一般に顕微鏡の光学系の視野は、顕微鏡に規定されている視野数よりはるかに広いのであるが、光学的な収差と像面照度の均一さを保持する意味から、接眼レンズの前に絞りを置き、これで視野を規定している。本発明の微弱光標本撮像ユニットの結像光学系についても同様な考え方を用いて説明を行う。
一般的な顕微鏡の視野数は24程度で、対物レンズの視野(実視野)FNOBは、対物レンズの倍率MOBを用いて、次式(25)で示される。
FNOB=24/MOB ・・・(25)
このとき、結像光学系の総合倍率Mgを上述の議論から4倍とすると、結像側の視野FNOBIは、次式(26)で示される。
FNOBI=(24/MOB)・Mg=96/MOB ・・・(26)
本発明の微弱光標本撮像ユニットは、像をCCDで捕らえるので、像面の大きさ(視野数)は、2/3インチ(撮像面8.8×6.6mm、対角長11mm)、1/2インチ(撮像面6.4×4.8mm、対角長8mm)を満足したい。これに対して、対物レンズ6の倍率MOBを10倍とした場合の視野数FNOBI10は、式(26)をもとに次式(27)で示される。
FNOBI10=96/10=9.6 ・・・(27)
この値は、2/3インチCCDでは4隅にケラレを発生させるが、1/2インチCCDを満足させる。しかし、10倍対物レンズは、顕微鏡用の対物レンズを利用する場合、以下の開口数に関する問題が出る。
CCD画素の受光量を求める式(19)からは、本微弱光標本撮像ユニットにおいては測光重視との観点から、対物レンズ6の開口数NAoを大きくしたい。ところで、顕微鏡の一般対物レンズの開口数NAoは、物理的に標本と対物レンズとの間に介在する物質の屈折率からの制限に加え、使い勝手からのWD(Working Distance)の必要から、Dry対物レンズ(介在物質が空気;屈折率na=1.0)で開口数NAo=0.9、Oil対物レンズ(介在物質が油;屈折率no=1.5)で開口数NAo=1.4が最大である。
また、顕微鏡の対物レンズの開口数を規制する要素には、上記の他に対物レンズを顕微鏡のレボルバーに取り付ける取付ネジ(20.32山36)と、対物レンズの瞳の大きさとがある。対物レンズの瞳は、この取付ネジ付近に配置され、その瞳径dpは、開口数NAoと焦点距離fとを用いて、次式(28)で計算される。
p=2・NAo・f ・・・(28)
よって、取付ネジを加工するための鏡枠の肉厚を2mm程度とすると、瞳径はdpは、最大16mm程度に抑える必要がある。この制限があって、種々の対物レンズの最大NAoは、図16に示すように構成されている。
結論として、10倍と20倍の対物レンズでは、開口数NAoの大きなレンズは顕微鏡用とでは設計できない。そこで、結像光学系の対物レンズ6は、Dry対物レンズでは開口数NAoが最大の20倍対物レンズ、Oil対物レンズでは倍率が大きくなっても開口数NAoは1.4で抑えられ、倍率が高くなると逆に、視野が小さくなるので、視野数が最大となる最低倍率の40倍対物レンズが選択される。
以上の結果から、本微弱光標本撮像ユニットの結像光学系に現存の顕微鏡用対物レンズを用いる場合は、Dry対物レンズを用いる場合として、対物レンズ6を「20倍、NAo0.8、f10mm」、結像レンズ7を「NAi0.2、f40mm」として、総合倍率4倍、標本上の実視野径1.2mm、CCD3上の視野数4.8、とすることが好ましい。また、Oil対物レンズを用いる場合として、対物レンズ6を「40倍、NAo1.4、f5mm」、結像レンズ7を「NAi0.35、f20mm」として、総合倍率4倍、標本上の実視野径0.6mm、CCD3上の視野数2.4、とすることが好ましい。
ここで、結像レンズ7としての「NAi0.35、f20mm」は、製造上高価な上に視野数も小さく、Dry対物レンズ「NAi0.2、f40mm」を流用するのもよい。この場合は、総合倍率8倍、視野数4.8となり、像はやや暗くなるが、鮮鋭な観察が可能となる。
なお、以上の理由により、図26に示す本微弱光標本撮像ユニットの顕微鏡対物レンズを使用した場合の最適の光学構成が決定されるが、開口数NAoは0.8以上のとらわれるものでなく、例えば0.6以上としてもよい。図26に関する詳細は後述する。
対物レンズ6のレボルバーへの取付ネジを大きくし、レンズを新作する場合は、以下の仕様にすることで、顕微鏡用対物レンズで検討した明るさ、解像力を維持した上で、視野数を大きくすることができ、例えば、CCD撮像面のケラレを1/2インチCCDではなくすることができる。すなわち、Dry対物レンズを用いる場合、対物レンズ6を「10倍、NAo0.8、f20mm」、結像レンズ7を「NAi0.2、f80mm」として、総合倍率4倍、標本上の実視野径2.4mm、CCD3上の視野数9.6、とする。また、Oil対物レンズを用いる場合、対物レンズ6を「20倍、NAo1.4、f10mm」、結像レンズ7を「NAi0.2、f80mm」として、総合倍率8倍、標本上の実視野径2.4mm、CCD3上の視野数9.6、とする。ただし、結像レンズ7の実効開口数は0.175である。これによって、レンズは大きくなり、高価となるが、本微弱光標本撮像ユニットには最適の光学系とすることができる。
以上説明したように、本微弱光標本撮像ユニットの結像光学系の開口数を大きくし、かつ総合倍率を小さくすることによって、像の明るさを増し、同時に測光深度を深くすることによって、対物レンズピント位置から離れた点光源からの光を捕らえる結果、CCD画素の受光量を大幅に増やすことができる。
ところで、この実施の形態2にかかる微弱光標本撮像ユニットおよび微弱光標本撮像装置では、対物レンズ6と結像レンズ7とからなる結像光学系を無限遠補正系としているため、対物レンズ6と結像レンズ7との間に各種光学素子を配置して、標本1を様々な方法で観察することができる。
図17は、この実施の形態2にかかる微弱光標本撮像装置に、落射蛍光装置を備えた場合の要部構成を示す模式図である。この落射蛍光装置は、図17に示すように、蛍光ユニットとしての蛍光キューブ24、蛍光用投光管25および励起光源26を備える。蛍光キューブ24は、標本1を励起するための励起光を選択的に透過させる励起光透過フィルターとしての励起フィルター21と、励起光によって励起された標本1から発せられる蛍光を選択的に透過させる蛍光透過フィルターとしての吸収フィルター22と、励起光を反射し蛍光を透過させるダイクロイックミラー23とを一体に備える。蛍光用投光管25は、集光レンズ25a、明るさ絞り作りレンズ25b、投光レンズ25c、明るさ絞りASおよび視野絞りFSを同軸に備える。
励起光源26は、励起光を発する光源であり、水銀ランプ、キセノンランプ、レーザー等によって実現される。蛍光照射手段としての励起光源26および蛍光用投光管25は、ダイクロイックミラー23によって励起光を反射させ標本1に照射する。励起フィルター21は、励起光源26から発せられた光の中から励起光を抽出するバンドパスフィルターであり、吸収フィルター22は、所定のカットオフ波長を有するロングウェーブパスフィルターである。蛍光キューブ24は、対物レンズ6と結像レンズ7との間の光軸OA2上に挿脱可能に配置される。なお、蛍光キューブ24とともに、励起光および蛍光の少なくとも一方に対する光学特性が異なる複数の交換用蛍光キューブを一体に保持し、保持した蛍光キューブのうち1つの蛍光キューブを選択的に対物レンズ6と結像レンズ7との間に配置する蛍光キューブ切替装置を備えるようにしてもよい。
図17に示すように、落射蛍光装置を付加することによって、この実施の形態2にかかる微弱光標本撮像装置では、標本1の蛍光像を撮像することができる。また、この微弱光標本撮像ユニットによれば、微弱な蛍光を観測することができるため、落射蛍光レーザースキャニングコンフォーカル顕微鏡を利用する場合のように強力な励起光を標本に照射する必要がなく、標本の損傷を軽減させることができる。さらに、強力な励起光源用レーザー、ガルバノミラー等のスキャニング装置、コンフォーカル光学系、フォトマルチプライヤー、画像作成用処理装置などが不要となる。
対象となる標本は、蛍光観察時も、生物細胞などの蛍光発光体が標本の厚み方向にも散在するものであり、観察の目的としては、細胞の微細な部位からの蛍光発光の観察ではなく、大まかに細胞のどのあたりの部位から発光しているかを特定し、発光量を測定しようとするものである。よって、このような目的に好適は照明は、標本の視野平面全体に均等な光量分布で、かつ、光軸方向(標本の厚み方向)にも均等な照明とすることが好ましい。なぜなら、式(15),(17)は、CCDの各画素が標本の円筒状の体積内にある発光蛍光体からの光を拾うことを意味しているからである。
図18は、本実施の形態2にかかる微弱光標本撮像装置において、そのような照明を実現する落射蛍光照明装置を備えた場合の要部構成を示す模式図である。この落射蛍光照明装置は、図18に示すように、平行光束光源27、ビームエキスパンダー28、励起ピンホールPS、投光レンズ29および波長選択ミラー30を備える。
平行光束光源27は、例えばレーザ光源が用いられ、励起光を平行光束として射出する。ビームエキスパンダー28は、平行光束光源27から射出された平行光束を拡大して透過させる。励起ピンホールPSは、投光レンズ29の前側焦点位置に配置されており、ビームエキスパンダー28から射出される平行光束を所定の光束径に制限して通過させる。投光レンズ29は、励起ピンホールPSを通過した平行光束を、波長選択ミラー30を介して、対物レンズ6の後側焦点PPに集光する。この集光された励起光は、対物レンズ6によって、再び平行光束とされ、試料1に照射される。その後、標本1から発した蛍光は、対物レンズ6および結像レンズ7によってCCD3上に結像され、検出される。
このように落射蛍光照明装置を付加することで、本実施の形態2にかかる微弱光標本撮像装置では、標本1に対して視野平面内および厚み方向で均一に励起光を照射することができるとともに、この励起光をもとに発せられる微弱な蛍光を観測することができる。なお、励起光原としてレーザ光源の代わりに水銀ランプ等を用いる場合は、励起光量は落ちるが明るさ絞り(不図示)を絞ることで平行光束を作ることができるが、普通には、面光源をケーラー照明法で標本を照明するため、無理に明るさ絞りを絞る必要はない。
このように、図17および図18に示した微弱光標本撮像装置は、DNAチップリーダーとして利用することができる。DNAチップとは、ガラスやポリスチレンなどの樹脂基板上に、多種類のDNA断片や合成オリゴヌクレオチドを約0.3mmの径で約0.6mm間隔に数百個塗りつけたものであり、遺伝子の発現や特定遺伝子の存在などを調べるために用いるものである。通常、このDNAチップから発せられる蛍光は、微弱なものである。
一般的なDNAチップリーダーは、レーザー照射のコンフォーカル光学系と高速移動スキャニングステージとの組み合わせであり、この装置での測光は、スポット励起光照射点の発光量の和であるため、スキャニング幅が変わると、その都度測定光量も変化することになり、絶対光量を測定することができない。例えば、特許文献3に開示されたDNAチップリーダーとしての蛍光読み取り装置でも、標本上での照明視野径が0.2mmと小さく、DNAチップ上に塗布された個々の合成ヌクレオチド(以下、DNA個体と称する。)の径が0.3mmであったことから、コンフォーカル光学系の弱点を改良しているものの、スキャニングステージ方式は変わっていない。
これに対して、図17または図18に示した微弱光標本撮像装置を利用すると、たとえば、0.5mm径の視野を有する対物レンズに対して、0.6mmステップでDNAチップを保持するステージを移動させ、停止する毎に測光することによって絶対光量を測定することができる。また、対物レンズ6として10倍対物レンズ(実視野2.4mm)を用い、結像光学系の総合倍率を4倍とし、CCD3として2/3インチCCD(撮像面8.8×6.6mm)を用いることで、例えば図19に示すように、6個のDNA個体の測光を、ステージを移動させることなく一括して行うことができる。ここで、図19は、CCD3の撮像面3a上に結像される6個のDNA個体像DIと、実視野に対応する視野像FIとを示す図である。なお、現行の顕微鏡用対物レンズに限定せず、視野の大きなレンズを設計し、例えば、対物レンズの視野を2倍、総合倍率を2倍にすることで、30個のDNA個体の測光が一括して行えるようになる。
図20は、この実施の形態2にかかる微弱光標本撮像装置に、分光測光用のフィルターユニットを備えた場合の要部構成を示す模式図である。図20に示すように、分光測光用のフィルターユニット31は、穴部31a,31bにそれぞれ波長抽出フィルター32,33を有し、対物レンズ6と結像レンズ7との間に配置される。フィルターユニット31は、光軸OA2に略直交した面内でスライド式に移動可能に配置され、波長抽出フィルター32,33および空穴31cの1つを選択的に光軸OA2上に配設する。なお、フィルターユニット31は、ターレット式に移動可能としてもよく、さらに多くの波長抽出フィルターを保持するようにしてもよい。
フィルターユニット31を利用して、たとえば、2色の光を発する多色ルシフェラーゼを標本1として分光測光を行う場合、波長抽出フィルター32は、650nm以上の長波長の光を透過させるロングウェーブパスフィルターとし、波長抽出フィルター33は、550nm以下の短波長の光を透過させるショートウェーブパスフィルターとするとよい。ここで、多色ルシフェラーゼの発光特性は、図21に示す分光特性曲線35G,35Rで表され、波長抽出フィルター32,33の透過率特性は、それぞれ図21に示す透過率曲線32LP,33SPで表される。
この場合、フィルターユニット31によって波長抽出フィルター32を光軸OA2上に配設することによって、多色ルシフェラーゼから発せられる赤色光を測光することができ、波長抽出フィルター33を光軸OA2上に配設することによって、多色ルシフェラーゼから発せられる緑色光を測光することができる。また、空穴31cを光軸OA2上に配設して、標本1の明視野像を観察することができる。なお、波長抽出フィルター32を配設した場合、分光特性曲線35G,35Rがクロスオーバーした波長域の一部が測光されるが、この光量は微量のため無視できる。
また、図20に示すように、標本1から発せられる微弱光を検出するためのカメラC1と、標本1の明視野像を撮像するためのカメラC2とをスライダー等によって切り替えられるようにして、標本1の明視野像をカラー撮像できるようにしてもよい。カメラC2は、たとえば、CCD34a〜34cを有する3板式のカラーCCDカメラであり、各CCD34a〜34cは、CCD3よりも画素が小さく高精細なCCDとするとよい。また、カメラC2は、高精細なモノクロCCDを備えるモノクロCCDカメラとしてもよい。
図22は、この実施の形態2にかかる微弱光標本撮像装置に、カメラC1とともに分光測光用のカメラC3を備えた場合の要部構成を示す模式図である。図22に示すように、この微弱光標本撮像装置は、対物レンズ6と結像レンズ7との間に波長抽出フィルター32,33およびダイクロイックミラー35を一体に有した分光キューブ36を備えるとともに、標本1から発しダイクロイックミラー35で反射した微弱光を開口数NAiでテレセントリックに結像する結像レンズ37と、カメラC1と同様の特性を有するカメラC3とを備える。ここで、ダイクロイックミラー35は、図21に示した特性曲線35G,35Rの交点に対応する約600nmの波長を透過および反射の反転波長とし、この反転波長以上の波長を透過するとともに反転波長より短い波長を反射する。
図22に示す微弱光標本撮像装置では、たとえば、図21の特性曲線35G,35Rに示した発光特性を有する多色ルシフェラーゼを標本1として観察すると、カメラC1によって多色ルシフェラーゼから発せられる赤色光を測光することができるとともに、カメラC3によって多色ルシフェラーゼから発せられる緑色光を同時に測光することができる。なお、カメラC1,C3および結像レンズ7,37の特性の個体差に起因する撮像倍率等の差は、あらかじめキャリブレーションして取り除くことが望ましい。
なお、分光キューブ36は、対物レンズ6と結像レンズ7との間の光軸OA2上に挿脱可能に配置するとよい。また、分光キューブ36とともに、分光特性等の光学特性が異なる複数の交換用分光キューブを一体に保持し、このうち1つの分光キューブを選択的に対物レンズ6と結像レンズ7との間に配置する分光キューブ切替装置を備えるようにしてもよい。さらに、分光キューブ切替装置は、ダイクロイックミラーおよび波長抽出フィルターを個別に交換できるようにしてもよい。
図23は、この実施の形態2にかかる微弱光標本撮像装置に、カメラC1とともに明視野像観察用のカメラC4を備えた場合の要部構成を示す模式図である。図23に示すように、この微弱光標本撮像装置は、ミラー38、結像レンズ37、カメラC4および吸収フィルター22を備える。吸収フィルター22は、スライダー等の切替装置39によって、ミラー38と結像レンズ7との間の光軸OA2上に挿脱可能に配置される。ミラー38は、図示しない挿脱手段によって、対物レンズ6と結像レンズ7との間の光軸OA2上に挿脱可能に配置され、光軸OA2上に配置された場合、標本1からの光を結像レンズ37に向けて反射する。なお、標本1は、ミラー38が光軸OA2上に配置された場合、照明ファイバー15によって明視野照明される。
カメラC4は、たとえば、CCD3よりも画素が小さく高精細なCCDを有したモノクロCCDカメラであり、ミラー38が光軸OA2上に配置された場合、標本1の明視野像を撮像する。一方、ミラー38が光軸OA2上に配置されない場合には、カメラC1が標本1の自己発光による像を撮像する。このとき、吸収フィルター22および切替装置39を図20に示したフィルターユニット31に替えて、標本1からの微弱光を分光測光するようにしてもよい。なお、カメラC4は、3板式のカラーCCDとしてもよい。
一般に、カメラC1に用いる高感度のクールドCCDカメラは、筐体が大きく、たとえば図20に示すようなカメラの交換は困難であるが、図23に示す微弱光標本撮像装置では、ミラー38を光軸OA2上に挿脱することによって、使用するカメラを容易に切り替えることが可能であり、標本1の明視野像および自己発光による像の撮像を容易に切り替えることができる。
なお、図22および図23に示した微弱光標本撮像装置では、カメラC1と、カメラC3またはカメラC4との位置合わせ、つまり各カメラで撮像する画像の中心を一致させる芯だしを行うため、結像レンズ7またはカメラC1を光軸OA2に略直交する方向に移動させる位置調整機構を備えることが望ましい。あるいは、図22に示した微弱光標本撮像装置では、結像レンズ37またはカメラC3をその光軸に略垂直な方向に移動させるようにしてもよく、図23に示した微弱光標本撮像装置では、結像レンズ37またはカメラC4をその光軸に略垂直な方向に移動させるようにしてもよい。
このように、この実施の形態2にかかる微弱光標本撮像ユニットおよび微弱光標本撮像装置では、対物レンズ6と結像レンズ7とからなる結像光学系を無限遠補正系としているため、対物レンズ6と結像レンズ7との間に各種光学素子を配置して、この微弱光標本撮像装置を多機能化することができる。
一方、この実施の形態2にかかる微弱光標本撮像装置は、たとえば図24に示すように、外部からの光を遮断するチャンバー等の遮光装置内に配置することによって、外部の光の影響を受けることなく精度よく安定して微弱光を検出することができ、標本1の自己発光による像を鮮明に撮像することができる。ここで、図24に示す遮光装置は、ベース41、囲い42および蓋43によって暗室を形成し、この暗室内でベース41上に微弱光標本撮像装置を備えている。この遮光装置では、ノブ45を持ち上げることによってヒンジ部44を中心に蓋43を開扉し、標本1を交換することができる。
また、図24に示すように、この実施の形態2にかかる微弱光標本撮像装置を遮光装置内に配設した場合、キーボード、マウス等の入力装置47を有したコンピュータ等の制御装置46によって、この微弱光標本撮像装置を遮光装置の外部から遠隔操作および自動制御できるようにするとよく、特に、標本1に対する焦点合わせおよび位置合わせ動作、カメラC1等の撮像動作、照明ファイバー15による照明光の調光などを自動制御できるようにするとよい。
ここで、標本1に対する位置合わせとは、対物レンズ6および結像レンズ7からなる結像光学系、カメラC1および標本1を保持する試料台13の少なくとも1つを光軸OA2に略直交する方向に移動させて、対物レンズ6の視野内に標本1を配設する処理である。
また、制御装置46は、図24に示すように、表示装置48を備え、標本1の明視野像と自己発光による像とに対応する画像を重ね合わせて表示できるようにするとよい。さらに、制御装置46は、これらの画像を保存するメモリー等の記憶部を備えるとよい。
一方、この実施の形態2にかかる微弱光標本撮像装置は、試料台13に替えて、たとえば図25に示すように、シャーレ51、区画52および透明板53からなる収容手段としての密閉容器を備え、シャーレ51上に標本1を保持するようにしてもよい。ここで、この密閉容器は、図示しない空調装置によって生成される定温低湿のCO2を容器内に給気する給気パイプ54と、容器内のCO2を排気する排気パイプ55とを備え、容器内の温度、湿度、気圧およびCO2濃度の少なくとも1つを調整できるようにしている。なお、CO2を給排気する替わりに、この密閉容器の内部にヒートシート等を設けて電気的に容器内の温度調整等を行うようにしてもよい。
ここで、この実施の形態2にかかる微弱光標本撮像ユニットおよび微弱光標本撮像装置に適用して好適な各部構成を系統的に図26に示す。図26に示すように、対物レンズ6には、「Oil,40倍,NA1.4,f5mm」の仕様である対物レンズ6−1をはじめとして、「20倍,NA0.8,f10mm」の仕様である対物レンズ6−2と、標本1の全体を観察できる「5倍,NA0.15,f40mm」の仕様である対物レンズ6−3を用いるとよい。これらの対物レンズ6−1〜6−3には、一般に市販されている瞳位置が互いにほぼ等しい視野数24程度で設計された顕微鏡用対物レンズを使用することができる。また、観察視野を大きくとれる「Oil,20倍,NA1.4,f10mm」の仕様である対物レンズ6を使用してもよい。ただし、この場合、対物レンズ6の射出瞳径が28mmに拡大し、対物レンズ6とともに結像レンズ7やこれらのレンズ間に配置する光学素子の径が拡大し、一般の顕微鏡で使用される光学ユニット、光学素子等は使用できなくなる。なお、対物レンズ6に開口径が可変の可変明るさ絞りを備え、結像レンズ7の開口数NAiを微調整できるようにし、透過明視野観察に使用してもよい。
結像レンズ7には、図26に示すように、「NA0.35,f20mm(40倍対物レンズ使用時の総合倍率4倍、実視野0.6mm、視野数2.4)」の仕様である結像レンズ7−1、「NA0.2,f40mm(40倍対物レンズ使用時の総合倍率8倍、実視野0.6mm、視野数4.8)」の仕様である結像レンズ7−2等を用いるとよい。また、明視野観察用に「NA0.03,f100mm(5倍対物レンズ使用時の総合倍率2.5倍、実視野6mm、視野数15)」の仕様である結像レンズ7−3を使用するとよい。
ここで、以上に説明した対物レンズ6と結像レンズ7との組み合わせの光学仕様とその特長とを、図27にまとめて示す。なお、図27中に示す「明るさ」は、Dry20倍の対物レンズを用い、総合倍率を4倍とした場合の明るさを基準とした指標値である。
対物レンズ6と結像レンズ7との間に配置する中間鏡筒には、図17に示した蛍光キューブ24等を備える落射蛍光装置、図20に示したフィルターユニット31、図22に示した分光キューブ36等を備える分光ユニット、および図23に示したミラー38等を備えるミラー切換明視野撮像ユニットをそれぞれ用いるとよい。
標本1の像を撮像するカメラには、微弱光である標本1の自己発光による像を撮像するカメラとして、高感度のクールドモノクロCCDカメラであるカメラC1,C3を用い、標本1の明視野像を撮像するカメラとして、3板式のカラーCCDカメラであるカメラC2または高精細なモノクロCCDカメラであるカメラC4を用いるとよい。なお、カメラC1,C3の画素の大きさは、6〜9μm角程度として、結像レンズ7によって形成されるエアリーディスクの大きさに合わせて選択するとよい。
標本1を照明する照明手段には、白色光源等から照明光を導光する照明ファイバー15の他に、図26に示すように、白色LEDと単レンズとを組み合わせてクリティカル照明を実現する照明装置や、コンデンサーレンズを用いたケーラー照明装置である顕微鏡用UCDなどを用いてもよい。また、微分干渉観察や位相差観察を行う照明装置を備えてもよい。ただし、この場合、専用のリングストップ、プリズム、対物レンズ等を備える必要がある。
なお、この実施の形態2にかかる微弱光標本撮像ユニットおよび微弱光標本撮像装置は、ここまで倒立型として説明してきたが、正立型としてもよい。
また、上述した実施の形態1および実施の形態2にかかる微弱光標本撮像ユニットでは、撮像手段としてCCDを用いるようにしたが、これに限定されず、CMOS等の撮像素子であって、0℃程度の冷却CCDと同等の撮像感度を有する撮像素子であってもよい。
以上のように、本発明にかかる微弱光標本撮像ユニットおよび微弱光標本撮像装置は、微弱光を発する標本を撮像する微弱光標本撮像ユニットおよび微弱光標本撮像装置に有用であり、微弱な蛍光を発する標本、生体発光をする標本等の微小な発光源を有する標本を撮像する微弱光標本撮像ユニットおよび微弱光標本撮像装置に適している。

Claims (30)

  1. 微弱光である発光を発する点光源を有した細胞を標本として、該標本の標本像を結像する結像光学系と、入射する光を受光する複数の画素を有し、前記標本像に対応する画像を撮像する撮像手段とを備える撮像ユニットであって、
    前記結像光学系は、該結像光学系の標本像側にテレセントリックであるとともに、前記点光源からの微弱光を集光して前記画素に略同じ大きさ、あるいは、前記画素より小さいエアリーディスクを形成することを特徴とする微弱光標本撮像ユニット。
  2. 前記結像光学系は、
    該結像光学系の標本側にテレセントリックであるとともに、前記点光源からの微弱光を平行光束に変換する対物レンズと、
    前記対物レンズによって変換された平行光束を集光して前記エアリーディスクを形成する結像レンズと、
    を備えたことを特徴とする請求項1に記載の微弱光標本撮像ユニット。
  3. 前記対物レンズは、焦点距離および標本側開口数の少なくとも一方が該対物レンズと異なる交換対物レンズと交換可能に配置されることを特徴とする請求項2に記載の微弱光標本撮像ユニット。
  4. 前記対物レンズは、該対物レンズを配置する際の基準となる対物配置基準面を有し、該対物配置基準面から標本側焦点および射出瞳までの各距離が該対物レンズと略等しい前記交換対物レンズと交換可能に配置されることを特徴とする請求項3に記載の微弱光標本撮像ユニット。
  5. 前記対物レンズは、開口径が可変な可変明るさ絞りを備えることを特徴とする請求項2〜4のいずれか一つに記載の微弱光標本撮像ユニット。
  6. 前記結像レンズは、焦点距離および標本像側開口数の少なくとも一方が該結像レンズと異なる交換結像レンズと交換可能に配置されることを特徴とする請求項2〜5のいずれか一つに記載の微弱光標本撮像ユニット。
  7. 前記結像レンズは、該結像レンズを配置する際の基準となる結像配置基準面を有し、該結像配置基準面から標本像側焦点および射出瞳までの各距離が該結像レンズと略等しい前記交換結像レンズと交換可能に配置されることを特徴とする請求項6に記載の微弱光標本撮像ユニット。
  8. 前記結像レンズは、前記対物レンズの射出瞳径と同等以上の大きさの入射瞳径を有することを特徴とする請求項2〜7のいずれか一つに記載の微弱光標本撮像ユニット。
  9. 前記撮像手段は、所定の撮像特性が該撮像手段と異なる交換撮像手段と交換可能に配置されることを特徴とする請求項2〜8のいずれか一つに記載の微弱光標本撮像ユニット。
  10. 前記結像光学系の結像倍率は、略2倍以上、略8倍以下であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一つに記載の微弱光標本撮像ユニット。
  11. 請求項1に記載の微弱光標本撮像ユニットと、
    前記標本を保持する標本保持手段と、
    前記標本を照明する照明手段と、
    前記結像光学系、前記撮像手段および前記標本保持手段の少なくとも1つを前記微弱光標本撮像ユニットの光軸方向に移動させて、前記微弱光標本撮像ユニットの前記標本に対する焦点合わせを行う焦点調整手段と、
    を備え、
    前記結像光学系は、前記照明手段によって照射された照射光であって前記標本を透過または反射した照射光を集光して前記標本の明視野標本像を結像し、
    前記焦点調整手段は、前記明視野標本像が鮮明に結像されるように焦点合わせを行うことを特徴とする微弱光標本撮像装置。
  12. 請求項2〜9のいずれか一つに記載の微弱光標本撮像ユニットと、
    前記標本を保持する標本保持手段と、
    前記標本を照明する照明手段と、
    前記対物レンズ、前記結像レンズ、前記撮像手段および前記標本保持手段の少なくとも1つを前記微弱光標本撮像ユニットの光軸方向に移動させて、前記微弱光標本撮像ユニットの前記標本に対する焦点合わせを行う焦点調整手段と、
    を備え、
    前記結像光学系は、前記照明手段によって照射された照射光であって前記標本を透過または反射した照射光を集光して前記標本の明視野標本像を結像し、
    前記焦点調整手段は、前記明視野標本像が鮮明に結像されるように焦点合わせを行うことを特徴とする微弱光標本撮像装置。
  13. 前記標本を励起する励起光を選択的に透過させる励起光透過フィルター、前記励起光によって励起された標本から発せられる蛍光を選択的に透過させる蛍光透過フィルターおよび前記励起光を反射し前記蛍光を透過させるダイクロイックミラーを有し、前記対物レンズと前記結像レンズとの間に挿脱可能に配置される蛍光ユニットと、
    前記励起光を発する励起光源を有し、該励起光源から発せられた励起光を前記ダイクロイックミラーによって反射させ前記標本に照射させる蛍光照射手段と、
    を備え、
    前記結像光学系は、前記微弱光として前記蛍光を集光し、前記エアリーディスクを形成することを特徴とする請求項12に記載の微弱光標本撮像装置。
  14. 前記励起光および前記蛍光の少なくとも一方に対する光学特性が互いに異なる複数の前記蛍光ユニットを保持し、該保持した複数の前記蛍光ユニットのうち1つの蛍光ユニットを選択的に前記対物レンズと前記結像レンズとの間に配置する蛍光切替手段を備えたことを特徴とする請求項13に記載の微弱光標本撮像装置。
  15. 前記蛍光照射手段は、前記励起光を略平行光束として前記標本に照射させることを特徴とする請求項13または14に記載の微弱光標本撮像装置。
  16. 前記対物レンズと前記結像レンズとの間に挿脱可能に配置され、前記微弱光から所定の波長域の光を抽出する波長抽出フィルターを備えたことを特徴とする請求項12に記載の微弱光標本撮像装置。
  17. 抽出する波長域が互いに異なる複数の前記波長抽出フィルターを保持し、該保持した複数の波長抽出フィルターのうち少なくとも1つの波長抽出フィルターを、フィルター非配置を含めて選択的に前記対物レンズと前記結像レンズとの間に配置するフィルター切替手段を備えたことを特徴とする請求項16に記載の微弱光標本撮像装置。
  18. 前記対物レンズと前記結像レンズとの間に挿脱可能に配置され、前記微弱光のうち所定の第1波長域の光を透過させるとともに該第1波長域と異なる第2波長域の光を反射するダイクロイックミラーと、
    前記ダイクロイックミラーによって反射された前記第2波長域の光を集光する反射側結像レンズと、
    複数の画素を有し、前記反射側結像レンズによって集光された前記第2波長域の光を受光する反射側撮像手段と、
    を備え、
    前記反射側結像レンズは、前記反射側撮像手段が有する画素内の受光領域に略内接する大きさのエアリーディスクを形成することを特徴とする請求項12に記載の微弱光標本撮像装置。
  19. 前記第1波長域および前記第2波長域の少なくとも一方が互いに異なる複数の前記ダイクロイックミラーを保持し、該保持した複数のダイクロイックミラーのうち1つのダイクロイックミラーを選択的に前記対物レンズと前記結像レンズとの間に配置するダイクロイックミラー切替手段を備えたことを特徴とする請求項18に記載の微弱光標本撮像装置。
  20. 前記ダイクロイックミラーと前記結像レンズとの間に挿脱可能に配置され、前記第1波長域の光から所定の第3波長域の光を抽出する透過側波長抽出フィルターと、
    前記ダイクロイックミラーと前記反射側結像レンズとの間に挿脱可能に配置され、前記第2波長域の光から所定の第4波長域の光を抽出する反射側波長抽出フィルターと、
    を備えたことを特徴とする請求項18または19に記載の微弱光標本撮像装置。
  21. 前記結像光学系または前記撮像手段を前記微弱光標本撮像ユニットの光軸に略直交する方向に移動させて、前記撮像手段と前記反射側撮像手段の位置合わせを行う位置調整手段を備えたことを特徴とする請求項18〜20のいずれか一つに記載の微弱光標本撮像装置。
  22. 前記対物レンズと前記結像レンズとの間に挿脱可能に配置され、前記標本を透過または反射した前記照明光を反射するミラーと、
    前記ミラーによって反射された照射光を集光して前記標本の明視野像を結像する明視野結像レンズと、
    前記明視野結像レンズによって結像された明視野像に対応する明視野画像を撮像する明視野撮像手段と、
    を備えたことを特徴とする請求項12に記載の微弱光標本撮像装置。
  23. 前記結像光学系または前記撮像手段を前記微弱光標本撮像ユニットの光軸に略直交する方向に移動させて、前記撮像手段と記明視野撮像手段との位置合わせを行う位置調整手段を備えたことを特徴とする請求項22に記載の微弱光標本撮像装置。
  24. 前記焦点調整手段による焦点合わせおよび前記位置調整手段による位置合せの少なくとも一方の自動制御を行う調整制御手段を備えたことを特徴とする請求項21または23に記載の微弱光標本撮像装置。
  25. 前記標本保持手段は、
    前記標本を内部に保持する収容手段と、
    前記収容手段の内部の環境条件を調整する環境調整手段と、
    を備えたことを特徴とする請求項11〜24のいずれか一つに記載の微弱光標本撮像装置。
  26. 前記環境条件は、前記収容手段の内部の温度、湿度、気圧および成分濃度の少なくとも1つに対応する条件であることを特徴とする請求項25に記載の微弱光標本撮像装置。
  27. 当該微弱光標本撮像装置は、外部からの光を遮断する遮光手段内に配置されることを特徴とする請求項11〜26のいずれか一つに記載の微弱光標本撮像装置。
  28. 前記撮像手段が撮像した画像であって前記明視野標本像と前記微弱光による前記標本像とのそれぞれに対応する画像を重ね合わせて表示する表示手段を備えたことを特徴とする請求項11〜27のいずれか一つに記載の微弱光標本撮像装置。
  29. 請求項1〜10のいずれかに一つに記載の微弱光標本撮像ユニットを用いて前記撮像手段から得られた画像に基づいて、前記微弱光である発光の光量を得ることを特徴とする微弱光標本撮像方法。
  30. 前記標本を照明光により透過または反射させて明視野標本像を取得し、前記微弱光による標本像と前記明視野標本像とを重ね合わせることにより前記微弱光である発光を発する細胞を特定することを特徴とする請求項29に記載の微弱光標本撮像方法。
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