JP2004191252A - 蛍光読み取り装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡単な光学系の切り替えで異なる方式による測光を行なえる蛍光読み取り装置を提供すること。
【解決手段】平行光束を照射する光源(1)と、前記平行光束の光路中に配置された励起ピンホール(5)と、前側焦点位置が前記励起ピンホールの位置と一致するよう配置された着脱可能な投光レンズ(2)と、後側焦点位置が前記投光レンズの後側焦点位置と一致するよう配置され、前記試料に平行光束を照射する対物レンズ(3)と、前記投光レンズと前記対物レンズの間に配置され、光束を反射するとともに蛍光を透過する波長選択ミラー(7)と、前記試料から発し前記対物レンズと前記波長選択ミラーを通った蛍光を結像するよう配置された結像レンズ(4)と、この結像レンズの結像位置に配置された受光ピンホール(6)と、この受光ピンホールを通った前記蛍光を検出する検出手段(8)と、を具備。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、担体上もしくは溶液中に存在する試料からの蛍光を検出する蛍光読み取り装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の装置には、特に検出目的である核酸の特異的な配列の一部に、相補的な配列(以下、プローブ)をガラスやシリコン、プラスチックなどの担体上に固相した、いわゆるDNAチップ、DNAマイクロアレイの蛍光を測定する装置がある。この装置では、各プローブに蛍光を標識することにより測定が行われる。しかし、ここで検出すべき蛍光量は、他の細胞や組織を検出対象とした蛍光量に比較して非常に微量であることが知られている。
【0003】
そこで、蛍光量の高感度な検出を行う必要がある。そのための蛍光読み取り装置の方式は、
(1)共焦点/光電子増倍管/スキャンニング方式
(2)冷却CCD方式
などがある。
【0004】
(1)の方式は、共焦点レーザー光学系を用いて、標本上または標本内をスキャンニングして、主にガラス担体上の核酸の結合反応を検出する用途に用いられる。共焦点方式の特徴である外乱光ノイズの除去ができること、および微小領域に大きな光量を集中できることから、微弱な蛍光標本の測定が高精度で可能となる。
【0005】
しかし、対物レンズの焦点深度が浅く、標本にわずかなゆがみや撓みがある場合、および標本がステージに対して傾いて置かれた場合に、正確な測定結果が得られない。つまり、対物レンズの焦点深度内に標本がないと、標本から蛍光が出ているにも関わらず、これを検出することができなくなる。また、担体の材質が自家蛍光を持つ場合、対物レンズのピント位置が担体内に入ると、自家蛍光のみを検出する結果となり、正確な蛍光測光ができなくなる。
【0006】
ちなみに、波長633nmのレーザーとNA0.3の対物レンズとの組み合わせでの焦点深度は、下式から約4μmである。
【0007】
焦点深度=(0.6×波長)/(NA)
この問題は、ステージのスキャニングに同調する正確なオートフォーカス装置があれば解消できるが、蛍光読み取り装置の大型化と価格上昇は避けられない。
【0008】
(1)の方式は、以上述べた理由から、微小な領域の蛍光色素が点在するような蛍光標本の測光には適しているものの、DNAチップのような大きな標本のスキャニング蛍光測光には適していない。
【0009】
(2)の方式は、超高感度の冷却CCDカメラを用いて、広い範囲を1度に測光できる。また、水銀ランプなど多色光源を用いるので、多種の蛍光励起フィルターを用いて、使用する蛍光物質に合わせた測光ができる。しかし、測定感度はまだ必要なレベルに達していない。
【0010】
以上説明したように、各方式の装置には、検出対象として適切、不適切な標本があり、同一の装置で様々な標本に対応することはできなかった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
現在、分子生物学の分野を中心に用いられているチップやマイクロアレーは、0.1〜3mm程度のハイブリダイゼーション反応用のDNA貼着部(プローブ)が、数十から数百個、担体に0.3〜5mm間隔で規則正しく設けられている。担体は、ガラス板、シリコン板、ニトロセルロースやナイロン製の多孔質フィルターなどの材質からなる。
【0012】
これらの担体材料には、いずれも微妙なゆがみ、撓み、および自家蛍光が存在する。したがって、これらの大きな材料の表面上の微量蛍光を均一に測定しようとすると、従来の共焦点方式では、ゆがみ等により測定面全面について均一な蛍光測光が行なえなかった。逆に、従来の照射方式では、反応のあったプローブをより精密に測定することは困難であった。
【0013】
また、溶液中に浮遊させた蛍光分子付きDNAの揺らぎを計測してDNAの結合状況を解析するFCS(蛍光コリレーション)等では、ピンホール方式で大容積の溶液の蛍光量を測定し、DNAの密度を検知してから、共焦点光学系に切り替え、対物レンズのビームウエストに出入りするDNAの揺らぎを測定したいとの要望もある。
【0014】
従来技術(1)で示した共焦点レーザー方式は、合焦時には正確な測定が可能であるが、非合焦時には読み取り感度が低下する。この課題を克服するためにオートフォーカス方式を取り入れることも考えられるが、装置の大型化や価格の上昇に繋がる。また、担体の形状によっては隔壁などの突起があり、オートフォーカス装置を取り付けられない場合もある。
【0015】
本発明の目的は、簡単な光学系の切り替えで異なる方式による測光を行なえる蛍光読み取り装置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
課題を解決し目的を達成するために、本発明の蛍光読み取り装置は以下の如く構成されている。
【0017】
(1)本発明の蛍光読み取り装置は、担体上もしくは溶液中に存在する試料からの蛍光を検出する蛍光読み取り装置であり、平行光束を照射する光源と、前記平行光束の光路中に配置された励起ピンホールと、前側焦点位置が前記励起ピンホールの位置と一致するよう配置された着脱可能な投光レンズと、後側焦点位置が前記投光レンズの後側焦点位置と一致するよう配置され、前記試料に平行光束を照射する対物レンズと、前記投光レンズと前記対物レンズの間に配置され、平行光束を反射するとともに蛍光を透過する波長選択ミラーと、前記試料から発し前記対物レンズと前記波長選択ミラーを通った蛍光を結像するよう配置された結像レンズと、この結像レンズの結像位置に配置された受光ピンホールと、この受光ピンホールを通った前記蛍光を検出する検出手段と、から構成されている。
【0018】
(2)本発明の蛍光読み取り装置は上記(1)に記載の装置であり、かつ前記投光レンズと前記結像レンズとが同一のレンズからなる。
【0019】
(3)本発明の蛍光読み取り装置は上記(1)に記載の装置であり、かつ前記励起ピンホールと受光ピンホールとはそれぞれ板部材に設けられ、その径が選択的に可変である。
【0020】
(4)本発明の蛍光読み取り装置は上記(1)に記載の装置であり、かつ前記光源と前記投光レンズとの間に、平行光束の径を調整するビームエキスパンダーを配置した。
【0021】
(5)本発明の蛍光読み取り装置は上記(1)乃至(4)のいずれかに記載の装置であり、かつ前記試料は、核酸または核酸と結合した試薬に結合した蛍光色素からなる。
【0022】
(6)本発明の蛍光読み取り装置は上記(5)に記載の装置であり、かつ前記核酸の少なくとも一部が前記担体上に一つ以上固定化されており、前記核酸と特異的に結合する試薬に蛍光色素が結合している。
【0023】
(7)本発明の蛍光読み取り装置は上記(1)乃至(6)のいずれかに記載の装置であり、かつ前記試料を前記試料が配置されている一定間隔毎または連続的に移動し、前記蛍光を検出する。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0025】
図1は、本発明の実施の形態に係る微量蛍光読み取り装置の光学系を示す図である。この微量蛍光読み取り装置は、担体上もしくは溶液中に存在する試料からの蛍光を測定、定量する。
【0026】
図1に示すように、平行光束光源1の光路上には、可変ビームエキスパンダー12、励起ピンホール(励起ピンホールディスク)5、光路から着脱可能な投光レンズ2、および波長選択ミラー(ダイクロイックミラー)7が備えられている。なお、励起ピンホール5は様々な径のピンホール(励起ピンホール)が円盤上に一定間隔で設けられ、かつ、一定間隔で停止する装置の付いたターレット(板部材)からなっている。これにより、励起ピンホール5に設けられた様々な径のピンホール(受光ピンホール)が選択的に光路に入る。この励起ピンホール5は、投光レンズ2の前側焦点位置に設置されている。
【0027】
また、波長選択ミラー7の反射光路上には、対物レンズ3と、担体10に多数の試料(プローブ)11が貼着された標本とが備えられている。波長選択ミラー7の透過光路上には、投光レンズ2と同じレンズからなる結像レンズ4、受光ピンホール(受光ピンホールディスク)6、および光検出器8が備えられている。受光ピンホール6は励起ピンホール5と同じもので、様々な径のピンホール(受光ピンホール)が選択的に光路に入るようなターレットからなっている。この受光ピンホール6は、結像レンズ4の後側焦点位置に設置されている。
【0028】
まず、テレセン照射光学系で試料を測光する場合の形態を説明する。平行光束光源1は、一般にレーザー光源が用いられる。この光源1から照射された平行光束は、その一部がビームエキスパンダー12を介して励起ピンホール5のピンホールを通り、投光レンズ2を介して波長選択ミラー7でほぼ直角に反射され、対物レンズ3の後側焦点9(物体面から見て後側の意味)付近に集光された後、対物レンズ3を介して担体10上(もしくは液体中)の試料11にコリメート光としてテレセントリックに照射される。すなわち、投光レンズ2の後側焦点位置と対物レンズ3の後側焦点位置は一致している。この時、励起光束は円筒状の平行光束となっている。試料11から発した蛍光は、対物レンズ3を介して波長選択ミラー7を透過して、結像レンズ4によって結像され、その結像位置に配置された受光ピンホール6のピンホールを通り、光検出器8に入射され検出される。
【0029】
このように本実施の形態の構成では、投光レンズ2と結像レンズ4に同じレンズを使用しているので、励起ピンホール5のピンホールと同じ大きさの像が結像レンズ4によって作られる。これにより、励起ピンホール5と受光ピンホール6の双方のピンホールの操作上、同じ径のピンホールを光路上に入れればよく、操作上簡易になり、価格上も利点が生じる。
【0030】
なお、結像レンズ4によって結像された蛍光像と同じ大きさのピンホールを有する受光ピンホール6を用いる理由は、励起光が照射している試料11の部分の蛍光だけを検出し、外乱光が測定値に入ることを防ぐためである。
【0031】
本実施の形態の光学系は、小穴直良光学系と呼ばれる光学系と似ているが、励起光をコリメート光として照明しているところに特徴がある。具体的には、平行光束を励起ピンホール5で整形し、投光レンズ2により対物レンズ3の瞳位置9に集光させることで、試料11へ照射する励起光を一定の断面積を有する平行光束とすることができる。これは、対物レンズ3と試料11とのなす距離に関わらず、試料11を照射する励起光の形状とエネルギーが変わらないことを意味し、ひいては安定な励起を可能にしており、共焦点/小穴直良方式では実現できない機能である。
【0032】
また、このとき励起ピンホール5のピンホールのエッジから発生した回折光は、対物レンズ3のピント位置に励起ピンホール5のピンホールの像を形成する。これは、試料11の表面にピントを合わせるときに有効であり、正確なピント合わせによる測光が可能になる。
【0033】
ただし本実施の形態では、励起ピンホール径を2mm、対物レンズを10倍/NA0.3程度の構成としている。この場合の励起光束径は0.2mm、受光ピンホール径は2mmである。この構成の焦点深度は、一般顕微鏡として用いる場合と同じで15μm、測光時の焦点深度は、図2に示す焦点位置に対する蛍光量の変化から、30μm程度となる。よって担体に自家蛍光があると、これを検出してしまう。この自家蛍光の傾向も図2から読み取ることができる。基本的に自家蛍光は、焦点が担体内に入り込んでいるときに大きく、担体から遠のくと小さくなる傾向にあるが、ほぼ一定と考えることができる。
【0034】
本実施の形態における標本となる主な測定対象は、担体10上に試料11(プローブ)として1つ以上固定化された核酸であり、該核酸と特異的に結合する試薬に蛍光色素が結合している。このため、試料11からの蛍光を検出することで、目的の核酸が存在するか否かを判定し、また存在した場合にはその蛍光量を測定することができる。なお標本は、20mm(W)×60mm(L)×1mm(T)のスライドガラスに、0.35mm径のプローブを0.6mmピッチで貼着させたものである。
【0035】
こうした構成をなす本実施の形態の微量蛍光読み取り装置による測光は、以下の様に行なわれる。試料11が貼着された担体10は、スキャニングステージ上に置かれ、励起光束下でスキャニングされ、ステージに取り付けられたエンコーダからの信号に応じてプローブが配置されているピッチ(一定間隔)毎にステップ移動、または連続的に移動し、測光される。この装置では、0.05mm毎にデータが取り込まれ、コンピュータに記憶される。その後、二つのプローブ間の本来蛍光が無い部分の測光データを幾つか取り出し、平均化して、全体のデータからこの量を減算し、試料11のデータとする。
【0036】
一般にDNAチップは、プローブの蛍光量が所定値より大きいか(陽性)あるいは小さいか(陰性)を判断できればよく、プローブの蛍光量の絶対値を測光する必要は無い。よって、このようなスキャニング方式が実行できる場合、測光のピッチは小さい方が良いが、測定時間との関係で0.05mmピッチと設定してある。
【0037】
絶対蛍光量の測定では、受光ピンホール径を結像レンズ4が作る蛍光像より大きくし、受光ピンホール6をプローブが配置されているピッチ毎にステップ移動、または連続移動させる。この場合、プローブと受光ピンホールの位置を合わせるアライメント作業が必要になるが、測定時間は測定点が少ない分短くなる。自家蛍光の除去は、プローブの無い部分の蛍光データをあらかじめ測定しておき、その値をプローブの蛍光量から差し引くことで行なわれる。または、ピンホールを矩形とみなして担体全面を測光してもよい。
【0038】
一般に蛍光の測定には、NAの大きい対物レンズが選ばれる。その理由は、対物レンズの集光能力はNAの2乗に比例するからである。そこで、同一倍率の対物レンズであればNAの大きいものが選ばれる。対物レンズは、高倍率になるほどNAは大きいが逆に測光面積は小さくなるので、測光時間との関係を考慮して選択される。
【0039】
次に、共焦点方式で試料を測光する場合の形態を説明する。まず、選択される対物レンズ3の瞳径に合うように、光源1からの平行光束の径はビームエキスパンダー12によって調整される。例えば、50倍でNA0.7の対物レンズの場合は、約10mmに設定される。この場合、励起ピンホール径も10mmに設定される。
【0040】
次に、投光レンズ2が光路から取り除かれる。受光ピンホール径は、結像レンズ4の射出側のNAから計算される径より若干大きく設定される。つまり、
d=1.2λ/(0.7/50)=1.2×0.63/0.035
=21μm
となり、本構成では40μmに設定される。この場合、試料11上の励起スポット径は、
d=1.2λ/NA=1μm
である。
【0041】
本方式によれば、ピントが合っている場合、励起エネルギーを微小な点に集中でき、蛍光分子が散在するような標本にも対応できる。また、ノイズの無い測定を行なえることから、微小部分、例えば1個のプローブの精密測定や、液中の蛍光分子を取り付けたDNAの定点観測、つまり対物レンズのビームウエスト中に出入りするDNAの動きを観察することができる。
【0042】
また、本実施の形態で使用できる平行光束光源1に制限はないが、よく用いられる光源としてレーザー光源がある。光検出器8にも制限はないが、高感度な検出を行うためには、フォトマルチメーターやアバランシェフォトダイオードなどが良く用いられる。波長選択ミラー7も励起光と蛍光を分離することが可能であれば制限はないが、ダイクロイックミラーが良く用いられる。また、テレセントリック光学系は必ずしも完全に正確な構成でなくても、上述の特徴を得ることができるため、試料11の近傍(±5μm程度)の範囲において平行光束が集光されないよう構成すればよい。この場合、平行光束の大きさ(幅)は、3μm〜200μmとすることが可能であるが、実際には5μm〜50μmが適切な大きさである。
【0043】
また本実施の形態では、試料11が担体10の上下どちら側に付いても、対物レンズ3に担体10の厚さを補正したものを用いれば、測光は可能である。この対応は、高い隔壁などを持った担体10を用い、隔壁の形成されている側に試料が付いている場合などにも好適である。
【0044】
本発明の蛍光読み取り装置によれば、投光レンズ2が光路に入っている場合、光学系はコリメート光照射方式となり、測定対象のDNAチップやDNAマイクロアレーのゆがみ、撓み等の平坦性に影響されず、かつチップがステージ上にわずかに傾いて置かれた場合にも、標本全面で良好な蛍光測光を行なえる。また、励起光学系はテレセントリックに構成されており、標本を照射する励起光束は断面が円形の平行光束となっており、対物レンズと標本との距離に関係無く、標本を励起する励起光の形状とエネルギーは常に一定であり、安定した励起を行なえる。
【0045】
また、励起ピンホール5のピンホールのエッジからの回折光が対物レンズ3のピント位置にピンホール像を作ることから、精密なピント合わせができる。よって、核酸の結合反応のような微弱な蛍光しか得られないような試料からの微量な蛍光を、安定して検出できる。
【0046】
投光レンズ2が光路からはずれた場合、光学系は共焦点方式となり、微小部分に散在する極微量の蛍光を測定できる。例えば、コリメート光照射方式でアレーを全面測定した後に、特定のプローブを精密に測定することができる。
【0047】
また、投光レンズ2と結像レンズ4が同一のレンズからなるため、励起ピンホール5のピンホールと同径の像が結像レンズ4によって結像される。よって、様々な径のピンホールが円盤に設けられている同じターレットを投光側と結像側で使えることになり、装置の操作上便利なものとなる。
【0048】
さらに、励起ピンホール径と受光ピンホール径が可変であるので、標本に照射する励起光束の径を変更して、測光領域を適切な大きさに変化させ測光することができる。
【0049】
また、共焦点光学系にした時には、励起ピンホール径は対物レンズ3の瞳径に等しいことが望ましく、受光ピンホール径は結像レンズ4の作るエアリーデスクより若干大きい程度が良いとされる。この径は、コリメート光照射方式に比べ、投光側では大きく、受光側では小さい。これに対しては、ピンホール径が可変であるため対応できる。
【0050】
また、平行光束光源1と投光レンズ2との間にビームエキスパンダー12を配置したので、共焦点光学系に対応できる。何故なら、共焦点光学系において対物レンズ3が標本上に作るスポット径(エアリーデスク)Φdは、
Φd=1.2λ/NA(NA:対物レンズの開口数 λ:波長)
である。ここで重要なのは、励起平行光束が対物レンズ3の開口を満たす光束でなければならない。例えば50倍対物レンズで、NA=0.7、f=3.6mmとすると、瞳径は
ΦD=2×NA×f=2×0.7×3.6=10(mm)
となる。つまり、約10mmの光束径が必要である。
【0051】
一方、コリメート光照射光学系では、標本への励起光の照射の考え方は、励起ピンホール5のピンホールを、投光レンズ2と対物レンズ3で標本上に投影するものとしている。標本上の励起光束の径Φdは、
Φd=投光ピンホール径/対物レンズ倍率
であり、20倍対物レンズで標本上に0.1mm径の励起照射をするとき、投光ピンホール径は2mmとなる。平行光束光源1のパワーを十分に使用するためには、光束径を変化できる可変エキスパンダーが必要であるが、投光ピンホール径を5mm程度に固定してもよい。
【0052】
一般的なDNAアレーは試料が一定間隔で並んでいるが、このような標本をコリメート光照射光学系で測光すれば、試料の近傍での外乱光や自家蛍光を測光でき、正確な測光を行なえる。
【0053】
以上のように本発明では、二つの異なる方式による蛍光測光が、基本的に投光レンズの着脱とピンホールの選択で可能となる。エキスパンダーは光学系の最適化のため用いられるので、標本によっては必要でない。コリメート光照射方式では、DNAチップやDNAマイクロアレイに撓みがあっても、均一な蛍光測光を行なえる。この方式では焦点深度が深く、ピントずれによる測光の不安定さが無くなる。一方、焦点深度が深くなる分、担体の自家蛍光を拾うことになるが、プローブ近傍の自家蛍光を測定し、この値をプローブ部の測光量から引くことにより、正確な蛍光を得ることができる。また共焦点方式では、ピントずれの無い部分、ピントずれの生じない標本で、ノイズの無い正確な蛍光測光を行なえる。
【0054】
これら二つの方式の切り替えは、投光レンズを光路から外すだけなので、操作が簡単で、かつ安価な蛍光読み取り装置を実現できる。
【0055】
なお、本発明は上記実施の形態のみに限定されず、要旨を変更しない範囲で適宜変形して実施できる。
【0056】
【発明の効果】
本発明によれば、簡単な光学系の切り替えで異なる方式による測光を行なえる蛍光読み取り装置を提供できる。
【0057】
すなわち本発明によれば、検出対象の適切、不適切さが異なる二つの方式、例えばコリメート光照射方式と共焦点方式による測定を、一つの装置で簡単な光学系の切り替えにより行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る微量蛍光読み取り装置の光学系を示す図。
【図2】本発明の実施の形態及び従来例に係る焦点位置に対する蛍光量の変化を示す図。
【符号の説明】
1…平行光束光源
2…投光レンズ
3…対物レンズ
4…結像レンズ
5…励起ピンホール
6…受光ピンホール
7…波長選択ミラー
8…光検出器
9…後側焦点
10…担体
11…試料
12…ビームエキスパンダー

Claims (7)

  1. 担体上もしくは溶液中に存在する試料からの蛍光を検出する蛍光読み取り装置であり、
    平行光束を照射する光源と、
    前記平行光束の光路中に配置された励起ピンホールと、
    前側焦点位置が前記励起ピンホールの位置と一致するよう配置された着脱可能な投光レンズと、
    後側焦点位置が前記投光レンズの後側焦点位置と一致するよう配置され、前記試料に平行光束を照射する対物レンズと、
    前記投光レンズと前記対物レンズの間に配置され、平行光束を反射するとともに蛍光を透過する波長選択ミラーと、
    前記試料から発し前記対物レンズと前記波長選択ミラーを通った蛍光を結像するよう配置された結像レンズと、
    この結像レンズの結像位置に配置された受光ピンホールと、
    この受光ピンホールを通った前記蛍光を検出する検出手段と、
    を具備したことを特徴とする蛍光読み取り装置。
  2. 前記投光レンズと前記結像レンズとが同一のレンズからなることを特徴とする請求項1に記載の蛍光読み取り装置。
  3. 前記励起ピンホールと受光ピンホールとはそれぞれ板部材に設けられ、その径が選択的に可変であることを特徴とする請求項1に記載の蛍光読み取り装置。
  4. 前記光源と前記投光レンズとの間に、平行光束の径を調整するビームエキスパンダーを配置したことを特徴とする請求項1に記載の蛍光読み取り装置。
  5. 前記試料は、核酸または核酸と結合した試薬に結合した蛍光色素からなることを特徴とする請求項1乃至4項のいずれかに記載の蛍光読み取り装置。
  6. 前記核酸の少なくとも一部が前記担体上に一つ以上固定化されており、前記核酸と特異的に結合する試薬に蛍光色素が結合していることを特徴とする請求項5に記載の蛍光読み取り装置。
  7. 前記試料を前記試料が配置されている一定間隔毎または連続的に移動し、前記蛍光を検出することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の蛍光読み取り装置。
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