JP2009145044A - 蛍光検出装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】蛍光検出装置は、測定対象物が流れる流路が形成されたフローセル体と、流路中の測定点を通過する測定対象物に対してレーザ光を照射するレーザ光源部と、レーザ光の照射された測定対象物の蛍光を集光レンズを通して受光して受光信号を出力する受光部と、受光部から出力した受光信号から、蛍光強度の出力値を出力する処理部と、を有する。受光部には、集光レンズの光軸を受光部の蛍光受光面に向けて延長した光路上の集光レンズの焦点位置に、ピンホールが設けられている。さらに、受光部の側と反対側のフローセル体の側面には、反射球面レンズが設けられ、受光部の側のフローセル体の側面には、球面レンズが設けられ、いずれも移動可能になっている。
【選択図】図4
Description
細胞内から発する微弱な蛍光を測定し、正確な結論を導き出すために、計測分解能を向上させることの他に、SN比の向上が必要となっている。
当該文献では、蛍光の集光レンズと対向した位置に反射部を設け、反射部で反射した蛍光を集光レンズに入射させて、蛍光検出を行うので、蛍光を効率よく集光効率を高めることができる、とされている。
前記受光部には、前記集光レンズの光軸を前記受光部の蛍光受光面に向けて延長した光路上の前記集光レンズの焦点位置に、ピンホールが設けられ、前記フローセル体を挟んで前記受光部と反対側の前記フローセル体の表面には、第1の球面レンズが設けられ、この第1の球面レンズの球面には反射膜が設けられ、さらに、前記集光レンズの光軸に対して垂直であり、前記流路中の測定点を通る平面上で、前記第1の球面レンズの焦点位置が動くように、前記第1の球面レンズを移動させる第1の移動機構を備えることを特徴とする蛍光検出装置を提供する。
さらに、フローセル体を挟んで受光部と反対側のフローセル体の表面には、反射膜が設けられた第1の球面レンズが設けられ、この球面レンズの焦点位置が動くように、第1の球面レンズを移動機構により移動させることができるので、測定対象物が流路内で測定点からずれた位置を通過するときでも、第1の球面レンズの位置調整をすることにより、受光部と反対側に向けて発する蛍光は測定対象物の蛍光の発光位置に再帰する。このため、この再帰した蛍光を、測定対象物から受光部に向けて発する蛍光と重ねることができ、蛍光の強度を高め、これにより、微弱な蛍光を効率よく取り込むことができ、測定時のSN比をより向上させることもできる。
図1は、本発明の蛍光検出装置を用いたフローサイトメータ10の概略構成図である。
フローサイトメータ10は、レーザ光を測定対象とする細胞等の試料12に照射し、試料12中の一部分から発する蛍光を検出して信号処理する信号処理装置(蛍光検出装置)20と、信号処理装置20で得られた処理結果から試料12中の測定対象物の分析を行なう分析装置80とを有する。
レーザ光源部22は、350nm〜800nmの可視光の、レーザ光を出射する部分で、主に赤色のレーザ光Rを所定の強度でレーザ光として出射するR光源22r、緑色のレーザ光Gを所定の強度でレーザ光として出射するG光源22gおよび青色のレーザ光Bを、所定の強度でレーザ光として出射するB光源22bと、特定の波長帯域のレーザ光を透過し、他の波長帯域のレーザ光を反射するダイクロイックミラー23a1、23a2と、レーザ光R,GおよびBからなるレーザ光を管路30中の測定点に集束させるレンズ系23cと、R光源22r、G光源22gおよびB光源22bのぞれぞれを駆動するレーザドライバ34r,34gおよび34bと、供給された信号をレーザドライバ34r,34gおよび34bに分配する各パワースプリッタ35と、を有して構成される。
これらのレーザ光を出射する光源として例えば半導体レーザが用いられる。
この構成によりレーザ光R,GおよびBが合成されて、測定点を通過する試料12を照射する照射光となる。
図3は、受光部26の一例の概略の構成を示す概略構成図である。
レンズ系26aは、受光部26に入射した蛍光をピンポール板26d1〜26d3に集束させるように構成されている。
ダイクロイックミラー26b1,26b2は、所定の範囲の波長帯域の蛍光を反射させて、それ以外は透過させるミラーである。バンドパスフィルタ26c1〜26c3でフィルタリングして光電変換器27a〜27cで所定の波長帯域の蛍光を取り込むように、ダイクロイックミラー26b1,26b2の反射波長帯域および透過波長帯域が設定されている。
ピンホール板26d1〜26d3は、集束レンズ26aの結像位置にピンホールを有するように設けられた板である。すなわち、集束レンズ26aとピンホールによって共焦点光学系を形成している。ピンホールが集束レンズ26aの結像位置に来るようにピンホール板26d1〜26d3を配置することで、シース液から発する極微弱な蛍光を排除して試料12から発する蛍光を各光電変換器27a〜27cは効率よく取り込むことができる。この点は後述する。ピンホールの大きさは、試料12の大きさに対して、1〜5倍の範囲であることが好ましい。
処理部28は、所定の信号処理を行って蛍光強度の出力値を分析装置80に出力する部分である。
フローセル体31は、直方体形状の透明性を有する部材であり、石英等によって作られている。
フローセル体31の側面からレーザ光が入射され、フローセル体31の内部を通過し、フローセル体30に設けられた、管路30から縦方向に延びる流路31bの中心で集束するようになっており、この集束位置が測定点Pとなっている。この測定点Pは、レーザ光源部22のレンズ系23cの焦点位置でもある。
一方、流路31bを挟んで、球面レンズ31aが設けられた側と反対側の、フローセル体31の側面には、球面レンズ31cが設けられ、球面レンズ31cの球形状のレンズ表面には、反射膜31dが設けられ、反射レンズ31eを形成している。
管路30やフローセル体31の微妙な形状のゆがみや、管路30とフローセル体31との接続部分の微妙なずれ等によって、シース液内を流れる試料12が、流路31bの測定点Pの位置からX方向に偏って流れる場合が生じる。この場合においても、反射レンズ31eの位置をX方向に調整することで、試料12内の同じ位置から反対方向に発する蛍光を重ねることができる。さらに、反射レンズ31eの位置をY方向に調整することで、蛍光を試料12の蛍光位置に確実に再帰させることができる。
試料12内の同じ位置から発し、反対方向に発する蛍光を反射レンズ31eを用いて再帰させて、試料12から発する蛍光と重ねるのは、ピンホール板26d1〜26d3のピンホールを通過する試料12の微弱な蛍光を強めるためである。
球面レンズ31aの位置調整ができず、球面レンズ12の焦点位置が流路31bの測定点Pに固定されており、試料12が流路31bの中心からX方向に位置ずれして通過する場合、球面レンズ31aの焦点位置が通過する試料12の位置にないので、球面レンズ31aの作用によって、ピンホールの手前側あるいは奥側の位置で蛍光が集束する場合がある。この場合、理想的な共焦点光学系を形成しないので、試料12から発する微弱な蛍光を効率よく取り込むことはできない。
12 試料
20 信号処理装置
22 レーザ光源部
22r R光源
22g G光源
22b B光源
23a1,23a2,23b1,23b2 ダイクロイックミラー
23c レンズ系
24,26 受光部
26a 集束レンズ
26c1,26c2,26c3 バンドパスフィルタ
27a〜27c 光電変換器
28 処理部
29 制御部
30 管路
31 フローセル体
31a,31c 球面レンズ
31b 流路
31d 反射膜
31e 反射レンズ
31f 板状部材
32 回収容器
34r,34g,34b レーザドライバ
35 パワースプリッタ
36 枠体
80 分析装置
Claims (3)
- 測定対象物にレーザ光を照射し、そのとき発する蛍光を測定する蛍光検出装置であって、
測定対象物が流れる流路が形成されたフローセル体と、
流路中の測定点を通過する測定対象物に対してレーザ光を照射するレーザ光源部と、
レーザ光の照射された測定対象物の蛍光を集光レンズを通して受光して受光信号を出力する受光部と、
前記受光部から出力した受光信号から、蛍光強度の出力値を出力する処理部と、を有し、
前記受光部には、前記集光レンズの光軸を前記受光部の蛍光受光面に向けて延長した光路上の前記集光レンズの焦点位置に、ピンホールが設けられ、
前記フローセル体を挟んで前記受光部と反対側の前記フローセル体の表面には、第1の球面レンズが設けられ、この第1の球面レンズの球面には反射膜が設けられ、
さらに、前記集光レンズの光軸に対して垂直であり、前記流路中の測定点を通る平面上で、前記第1の球面レンズの焦点位置が動くように、前記第1の球面レンズを移動させる第1の移動機構を備えることを特徴とする蛍光検出装置。 - 前記フローセル体を挟んで前記ピンホールの側の前記フローセル体の表面には、第2の球面レンズが設けられ、
さらに、前記集光レンズの光軸に対して垂直であり、前記流路中の測定点を通る平面上で、前記第2の球面レンズの焦点位置が動くように、前記第2の球面レンズを移動させる第2の移動機構を備える請求項1に記載の蛍光検出装置。 - 前記第1の球面レンズまたは前記第2の球面レンズは、前記フローセル体の表面に、マッチングオイルを介して設けられている請求項2に記載の蛍光検出装置。
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