以下、本発明の実施形態を、添付図面に基づいて詳細に説明する。まず、本発明に係るメダルセレクタを備える遊技台の具体的構造について説明しておく。
〈スロットマシンの全体の構成〉
図1は、本発明の一実施形態に係るスロットマシン100の外観を示す斜視図で、種々の種々の遊技機能が設けられた前面扉101を本体201に前面開口部へ開閉可能に設けたものである。図1に示すように、スロットマシン100の中央内部には、外周面に複数種類の絵柄(「7」、「Bar」、「ベル」、「リプレイ」等の文字や記号:図示省略)を配列した円筒状のリールが3個(左リール110、中リール111、右リール112)収納され、本体201の内部で回転できるように構成されている。
前面扉101には、リール表示窓113が設けられており、リール110〜112を正面から眺めると、これに施された絵柄がリール表示窓113から縦方向に3つ見えるようになっている。つまり、全リール110〜112が停止した場合、遊技者は、3×3の合計9個の絵柄を見ることができる。これらのリール110〜112が回転し、停止することにより、様々な絵柄の組み合せがリール表示窓113に表示されることになる。なお、本実施形態では、3個のリールを備えるものとしたが、リールの数やリールの設置位置はこれに限定されるものではない。
入賞ライン表示ランプ120は、遊技毎に有効となる入賞ライン114を示すランプである。有効となる入賞ライン114は、スロットマシン100に投入された遊技媒体(本実施形態ではメダルを想定する。)の枚数によって変化する。例えば、図1に示すように5本の入賞ライン114を有する場合、メダルを1枚投入したときは中段の水平入賞ライン、2枚投入したときは、上段の水平入賞ラインおよび下段の水平入賞ラインを加えた3つの入賞ライン、3枚投入したときは更に2本の斜めの入賞ラインを加えた5ラインが有効となり、有効な入賞ライン114上に揃った絵柄の組み合せにより入賞が判断されることとなる。勿論、入賞ラインの数は5本に限定されるものではない。
スタートランプ121は、リール110〜112が回転することができる状態にあることを遊技者に知らせるランプである。再遊技ランプ122は、入賞役である再遊技に入賞したとき(例えば、リプレイ−リプレイ−リプレイの再遊技絵柄の組み合せが入賞ライン114上に揃ったとき)、遊技者へ次の遊技が再遊技であることを知らせるランプである。再遊技の場合、次遊技において遊技媒体であるメダルの投入が免除される。
告知ランプ123は、特別な入賞役(例えば、ビッグボーナス(BB)やレギュラーボーナス(RB))に内部当選した状態にあることを遊技者に報知するランプである。メダル投入ランプ124は、遊技開始にあたって遊技者にメダルの投入が必要であることを報知するランプである。
メダル投入枚数表示ランプ125は、遊技者が投入したメダル枚数を表示するランプである。本実施形態では、1回の遊技に最大3枚までメダル投入できるので、縦に配置した3つのランプを用いてメダル投入枚数を表示している。無論、ランプで表示する他に7セグメント表示器等で直接メダル投入枚数を表示しても良い。
払出枚数表示器126は、メダルの払い出しのある何らかの入賞役に入賞したとき、遊技者へ払い出されるメダルの枚数を表示する表示器である。遊技回数表示器127は、ビッグボーナスゲーム中の一般ゲームの回数等を表示する表示器である。貯留枚数表示器128は、電子的に貯留(クレジット)しているメダルの枚数を表示する表示器である。演出用ランプ129は、遊技の興趣を高めるための演出に使用されるランプである。
メダル投入ボタン131、132は、貯留されたメダルをスロットマシン100へ電子的に投入するための投入ボタンであり、いわゆるベットボタンと呼ばれているものである。本実施形態では、3枚メダル投入ボタン131(最大枚数のメダルを投入できる、いわゆるマックスベットボタン)と、1回押下するごとに1枚のメダルを投入する1枚メダル投入ボタン132とを有し、これらのボタンのいずれかを押下することにより遊技に必要な1〜3枚のメダルがスロットマシン100へ電子的に投入される。2枚のメダルを投入する場合は、1枚メダル投入ボタン131を2回押下することとなる。投入されたメダル枚数分は、現在の貯留枚数から減算されて残枚数が貯留枚数表示器128に表示される。
メダル投入口ブロック133は、遊技を開始するに当たって遊技者が直接メダルを投入するための開口を有する。メダルを直接投入した際に、メダル投入口直下にあるメダルセレクターユニット(後に詳述)内にメダルが詰まってしまった場合は、メダル返却スイッチ134を操作することによってメダルの詰まりを解消させる。スタートレバー135は、遊技の開始操作として、リール110〜112の回転を開始させるレバー型のスイッチである。
停止ボタンユニット136には、3つの停止ボタン(左停止ボタン136a,中停止ボタン136b,右停止ボタン136c)が設けられている。各停止ボタンは、押下することによって対応するリール110〜112を停止させるボタン型のスイッチである。具体的には、左停止ボタン136aを操作することによって左リール110が、中停止ボタン136bを操作することによって中リール111が、右停止ボタン136cを操作することによって右リール112がそれぞれ停止する。
各停止ボタンの内部にはランプ(図示せず)が設けられており、スタートレバー135が操作された後、リール110〜112の停止操作が可能な状態になると全ランプが点灯し、遊技者に停止操作が可能になったことを報知する。各停止ボタンのランプは各停止ボタンが押下される毎に消灯する。無論、停止操作可能な状態とその他の状態とでランプの発光色を変化させるように構成することもできる。
精算ボタン138は、遊技者が獲得したメダルを精算して排出する精算処理を行う場合に押下されるボタンである。なお、精算ボタン138は、遊技者がメダル投入口ブロック133から投入したメダルのうち所定枚数(例えば3枚)以上のメダルまたは入賞により獲得したメダルを最大50枚まで貯留するか否かを切り換える場合にも使用され、例えば、一回精算ボタン138が押下されて精算処理が行われると、非貯留モードが設定され、もう一度精算ボタン138が押下されると、貯留モードが設定される。ここに、メダルの貯留とは、メダルを直接払い出さずに、電子的にその枚数を後述する制御部に一時記憶しておくことを意味する。
キー孔139は、扉開閉用のキーを差し込む孔で、キーを差し込んで時計方向に回すとロックが解除され、スロットマシン100の前面扉101を開けることができる。メダル排出口165は、メダルを排出するための開口であり、入賞時に払い出されるメダルはここから排出される。排出されたメダルは、受け皿160に溜まるようになっている。
上部ランプ190、サイドランプ151,152、中央ランプ153,154、腰部ランプ155,156、下部ランプ157,158は、遊技を盛り上げるための演出用のランプであり、遊技状態に応じて点灯/消灯/点滅する。また、図示を省略したタイトルパネルランプによりタイトルパネル140を照明する。本実施形態では、受け皿160を透光性材料で構成し、受皿取り付け面からランプ光を入射させることで上記演出用のランプと同様の効果を発揮させるように構成している。また、受け皿160には、着脱可能に構成した灰皿ユニット170が設けられている。
また、スロットマシンの上部(リール表示窓113の上方)中央部には、遊技に関する各種の情報(ゲームを盛り上げるためキャラクタ等を登場させるゲーム画面、スロットマシンの内部で異常が発生した場合にエラーの内容を表示するエラー画面など)を表示することができるLCD180が設けられており、このLCD180を用いて、各種スイッチ類(例えば、3枚メダル投入ボタン131や1枚メダル投入ボタン132,スタートレバー135,停止ボタン136a〜136c,精算ボタン138等)に生じた動作不良に関する情報も報知する。
〈スロットマシンの内部構成〉
次に、本実施形態に係るスロットマシン100の内部構成について説明する。図2は、前面扉101を本体201から開いた状態の斜視図である。
本体201の内部には、ほぼ水平方向のリール固定台210を配設し、リール110〜112がリール表示窓113の裏面に臨む位置でリールユニット220が固定されるようになっている。このリール固定台210の下部空間には、各部への駆動電力を供給する電源装置、メダル投入口ブロック133より投入されたメダルを貯留すると共に受け皿160へメダルを払い出すメダルホッパー230、メダルホッパー230から溢れたメダルを受け入れて貯留する補助タンク240等が収容されている。
また、本体201の内部の適所(例えば、上記リールユニット220の後方上部)には、主として遊技制御機能を実現する主制御装置300を固定する。本体201の内部における側壁部(例えば、前面扉101の蝶番機構の設けられた側壁内面)には、主として演出機能を実現する副制御部400を固定し、この副制御装置400が作動させるLCD180等の演出用デバイスと、前面扉101の裏面上部に設けられた液晶画面制御部500を介して接続される。また、前面扉101の裏面側には、メダル投入口ブロック133より投入されたメダルを選別する機能を備えたメダルセレクタ600を設け、遊技に供するものとして適正に受入れたメダルはメダルセレクタ600から上記メダルホッパ230へ移送され、遊技用メダルとして取り込めない場合や不適正と判定されたメダルは、メダルセレクタ600により選別されて、前面扉101の前面下部に設けた受け皿160へ排出される。このメダルセレクタ600については後に詳述する。
〈スロットマシンの制御ブロック〉
次に、スロットマシン100における制御手段として機能する各制御部を詳細に説明する。図3は主制御部300の詳細を示すもので、図4は副制御部400の詳細を示すものである。
〈主制御部の構成〉
まず、図3を用いて、スロットマシン100の主制御部300について説明する。主制御部300は、主制御部300の全体を制御するための演算処理装置であるCPU310や、CPU310が各ICや各回路と信号の送受信を行うためのデータバス及びアドレスバスを備え、その他、以下に述べる構成を有する。
クロック補正回路314は、水晶発振器311から発振されたクロックを分周してCPU310に供給する回路である。例えば、水晶発振器311の周波数が12MHzの場合に、分周後のクロックは6MHzとなる。CPU310は、クロック回路314により分周されたクロックをシステムクロックとして受け入れて動作する。
また、CPU310には、後述するセンサやスイッチの状態を常時監視するための監視周期やモータの駆動パルスの送信周期を設定するためのタイマ回路315がバスを介して接続されている。CPU310は、電源が投入されると、データバスを介してROM312の所定エリアに格納された分周用のデータをタイマ回路315に送信する。
タイマ回路315は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに、割り込み要求をCPU310に送信する。CPU310は、この割込み要求を契機に、各センサ等の監視や駆動パルスの送信を実行する。例えば、CPU310のシステムクロックを6MHz、タイマ回路315の分周値を1/256、ROM312の分周用のデータを44に設定した場合、この割り込みの基準時間は、256×44÷6MHz=1.877msとなる。
また、CPU310には、各ICを制御するためのプログラム、入賞役の内部抽選時に用いる抽選データ、リールの停止位置等を記憶しているROM312や、一時的なデータを保存するためのRAM313が接続されている。これらのROM312やRAM313については他の記憶手段を用いてもよく、この点は後述する副制御部400においても同様である。
また、CPU310には、外部の信号を受信するための入力インタフェース360が接続され、割込み時間ごとに入力インタフェース360を介して、メダル受付センサ320、スタートレバーセンサ321、ストップボタンセンサ322、MAXベットボタンセンサ323、ONEベットボタンセンサ324、精算ボタンセンサ325、リセットスイッチ326、メダル払出センサ327の状態を検出し、各センサを監視している。
メダル受付センサ320は、メダル投入ブロック133のメダル投入口より投入されたメダルがメダルセレクタ600によって適正に受入れられてメダルホッパ230へ移送される通路上に設けられ、メダルの通過有無を検出するものであり、例えば、メダルセレクタ600内のメダル案内通路下流側に配設する。スタートレバーセンサ321は、遊技者によるスタートレバー130の操作を検出する。ストップボタンセンサ322は、各々のストップボタン136a〜136cに設置されており、遊技者によるストップボタンの操作を検出する。
MAXベットボタンセンサ323はMAXベットボタン131が操作されたことを検出し、ONEベットボタンセンサ322はONEベットボタン132が操作されたことを検出し、夫々の検出出力は、RAM313に電子的に貯留されているメダルを遊技用のメダルとして投入した枚数の特定に供される。たとえば、CPU310は、ONEベットボタン132に対応するONEベットボタンセンサ324がHレベルになった場合に、電子的に貯留メダルを1枚投入し、MAXベットボタン131に対応するMAXベットボタンセンサ323がHレベルになった場合に、電子的に貯留メダルを3枚投入する。なお、MAXベットボタン131が押された際に、貯留されているメダル枚数が2枚の場合は2枚投入され、1枚の場合は1枚投入される。
精算ボタンスイッチ325は、精算ボタン138が操作されたことを検出し、これを受けたCPU310は、ホッパモータを駆動させてメダル払出装置(ホッパ)から貯留メダルを払い出す。リセットスイッチ326は、エラー等の復旧後に操作されると、RAM313の特定エリアをクリアして通常稼働状態に復帰させるものである。メダル払出センサ327は、メダル払出装置によって払い出されたメダルを検出し、適正数の払出制御を行うためのものである。なお、以上の各センサは、非接触式のセンサであっても接点式のセンサであってもよい。
CPU310には、さらに、入力インタフェース361、出力インタフェース370,371がアドレスデコード回路350を介してアドレスバスに接続されている。CPU310は、これらのインタフェースを介して外部のデバイスと信号の送受信を行っている。
入力インタフェース361には、インデックスセンサ328が接続されている。インデックスセンサ328は、具体的には、各リール110〜112の取付台の所定位置に設置されており、リールに設けた遮光片がこのインデックスセンサ328を通過するたびにHレベルになる。CPU310は、この信号を検出すると、リールが1回転したものと判断し、リールの回転位置情報をゼロにリセットする。
出力インタフェース370には、リールを駆動させるためのリールモータ駆動部330と、メダルホッパ230のホッパモータを駆動するためのホッパモータ駆動部331と、メダルセレクタ600が備えるメダルブロッカ(後に詳述)の駆動源であるメダルブロッカソレノイドを駆動するためのブロッカソレノイド駆動部332と、遊技ランプ340(具体的には、入賞ライン表示ランプ120、演出用ランプ129等)と、払出枚数表示器126と、遊技回数表示器127と、貯留枚数表示器128が接続されている。
また、CPU310には、乱数発生回路317がデータバスを介して接続されている。乱数発生回路317は、水晶発振器311及び水晶発振器316から発振されるクロックに基づいて、一定の範囲内で値をインクリメントし、そのカウント値をCPU310に出力することのできるインクリメントカウンタであり、入賞役の内部抽選をはじめ各種抽選処理に使用される。なお、乱数発生回路317は、例えば2つの乱数カウンタ(水晶発振器311のクロック周波数を用いて0〜65535までの値をインクリメントするカウンタ、および水晶発振器316のクロック周波数を用いて0〜16777215までの値をインクリメントするカウンタ)を備える。
また、CPU310のデータバスには、副制御部400にコマンドを送信するための出力インタフェース371が接続されている。
〈副制御部の構成〉
次に、図4を用いて、スロットマシン100の副制御部400について説明する。副制御部400は、主制御部300より送信された主制御コマンド等に基づいて副制御部400の全体を制御する演算処理装置であるCPU410や、CPU410が各IC、各回路と信号の送受信を行うためのデータバス及びアドレスバスを備え、以下に述べる構成を有する。
クロック補正回路414は、水晶発振器411から発振されたクロックを補正し、補正後のクロックをシステムクロックとしてCPU410に供給する回路である。
また、CPU410にはタイマ回路415がバスを介して接続されている。CPU410は、所定のタイミングでデータバスを介してROM412の所定エリアに格納された分周用のデータをタイマ回路415に送信する。タイマ回路415は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに、割り込み要求をCPU410に送信する。CPU410は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
また、CPU410には、副制御部400の全体を制御するための命令及びデータ、バックライトの点灯パターンや各種表示器を制御するためのデータが記憶されたROM412や、データ等を一時的に保存するためのRAM413が各バスを介して接続されている。
また、CPU410には、外部の信号を送受信するための入出力インタフェース460が接続されており、入出力インタフェース460には、遊技毎に有効となる入賞ライン114を示す入賞ライン表示ランプ120の発光源であるライン表示LED420、RAM413のデータをクリアにするためのリセットスイッチ421等が接続されている。
CPU410には、データバスを介して主制御部300から主制御コマンドを受信するための入力インタフェース461が接続されており、入力インタフェース461を介して受信したコマンドに基づいて、遊技全体を盛り上げる演出処理等が実行される。
また、CPU410のデータバスとアドレスバスには、音源IC480が接続されている。音源IC480は、CPU410からの命令に応じて音声の制御を行う。また、音源IC480には、音声データが記憶されたROM481が接続されており、音源IC480は、ROM481から取得した音声データをアンプ482で増幅させてスピーカ483から出力する。
CPU410には、主制御部300と同様に、外部ICを選択するためのアドレスデコード回路450が接続されており、アドレスデコード回路450には、各種演出用のランプへ信号を出力するための出力インタフェース470、主制御部300からのコマンドを受信するための入力インタフェース461、液晶画面制御部500からの信号を入力するための入力インタフェース471、時計IC424、7セグメント表示器440への信号を出力するための出力インタフェース472が接続されている。
時計IC424が接続されていることで、CPU410は、現在時刻を取得することが可能である。7セグメント表示器440は、スロットマシン100の内部に設けられており、たとえば副制御部400に設定された所定情報を店の係員等が確認できるようになっている。
更に、出力インタフェース470には、デマルチプレクサ419が接続されている。デマルチプレクサ419は、出力インタフェース470から送信された信号を各表示部等に分配する。即ち、デマルチプレクサ419は、CPU410から受信したデータに応じて上部ランプ190、サイドランプ151,152、腰部ランプ155,156、下部ランプ157,158、リールパネルランプ145、タイトルパネルランプ146、払出口ストロボ147、受け皿ランプ148を制御する。
タイトルパネルランプ146は、タイトルパネル140を照明するランプである。払出口ストロボ147は、メダル排出口165の内側に設置されたストロボタイプのランプである。受け皿ランプ148は、透光性材料で構成したメダル受け皿160を受皿取り付け面から照明するランプである。
なお、CPU410は、液晶画面制御部500への信号送信は、デマルチプレクサ419を介して実施する。逆に、CPU410は、入力インタフェース471を介して液晶画面制御部500からの信号を受信する。すなわち、CPU410は、デマルチプレクサ419と入力インタフェース471を介して液晶画面制御部500と双方向通信を行う。この液晶画面制御部500は、LCD180への表示制御を行う装置である。
〈スロットマシンの遊技実行処理〉
次に、上述した主制御部300および副制御部400を備えるスロットマシン100の遊技実行処理を、図5に基づき説明する。
先ず、メダル投入口ブロック133からのメダル投入や3枚メダル投入ボタン131もしくは1枚メダル投入ボタン132の操作によるメダルを受け付け、メダルを受け付けた場合には、副制御部400へメダル投入コマンドを送信するメダル受付処理を行う(ステップS101)。適正にメダルを受け付けた場合にはスタートレバー135の操作を受け付け可能とし、遊技者がスタートレバー135を適正に操作することによりスタートレバーセンサ321からの各検出信号を受けた場合に、その操作が不正操作か否かの判定も併せて行うスタートレバー受付処理を行う(ステップS102)。
次いで、上記ステップS102でスタートレバー135の操作を受け付けて乱数発生器311から乱数を取得したら、この取得された乱数に基づいて各入賞役の内部抽選をする内部抽選処理を行い(ステップS103)、この抽選結果に応じたリール停止が行えるようにリール停止準備処理を行い(ステップS104)、続いて、このゲームで行う演出を決定する演出抽選処理を行う(ステップS105)。
次いで、左リール110,中リール111,右リール112の回転を開始させるリール回転開始処理を行う(ステップS106)。このリール回転処理において、全リール110〜112が定速回転となり、停止ボタン136a〜136cの受付が可能になると、停止操作許可コマンドを副制御部400へ送信する。続いて、停止ボタン136a〜136cの何れかが操作されて、停止ボタンセンサ341〜343からの検出信号を受け付ける停止ボタン受付処理を行う(ステップS107)。停止ボタン受付処理においては、操作された停止ボタン136a〜136cに対応する停止ボタン受付コマンド(第1〜第3停止コマンド)を副制御部400へ送信する。
そして、上記ステップS107で操作を受け付けた停止ボタンに対応する停止位置情報を示す停止位置情報コマンドを副制御部400へ送信してリールを停止させるリール停止処理を行い(ステップS108)、全リール110〜112に対する停止処理が完了しているか否かを判定し(ステップS109)、未だ回転中のリールが残っていれば、上記ステップS107およびステップS108の処理を行う。
上記のようにして、当該遊技における全リール110〜112が停止すると、リール表示窓113上の有効化された入賞ライン114上に、上記S103において内部当選した入賞役に対応して予め定めた図柄の組み合せが揃って停止しているかを判定し、入賞していると判定した場合は副制御部400へ入賞判定コマンドを送信する入賞判定処理を行い(ステップS110)、該入賞判定処理で入賞していると判定されていれば入賞役に対応して予め定めた所定数のメダルをメダル払出口165より受け皿160に払い出し、副制御部400へ払出枚数コマンドを送信するメダル払出処理を行い(ステップS111)、その入賞に応じた表示動作や音声出力による入賞演出を行わせる入賞演出コマンドを副制御部400へ送信する入賞演出処理を行い(ステップS112)、入賞判定結果に応じて遊技状態コマンドを副制御部400へ送信する遊技状態更新処理を行う(ステップS113)。
上述した一連の処理工程を実行することで、1回の遊技が終了し、以後、同様の手順が繰り返されることとなる。
すなわち、上述した遊技実行処理を行う主制御部300および副制御部400を備えるスロットマシン100は、「複数種類の絵柄が施された複数のリール」と、「複数のリールの回転を開始させるスタートスイッチ」と、「複数のリールそれぞれに対応して設けられ、前記リールの回転を個別に停止させるストップスイッチ」と、「予め定められた複数種類の入賞役の内部当選の当否を抽選により判定する抽選手段」と、「停止時の前記複数のリールにより表示された絵柄の組合せが、前記抽選手段により内部当選した入賞役の絵柄組合せであるか否かにより当該入賞役への入賞を判定する判定手段」と、を備えた遊技台として機能する。
〈メダルセレクタの第1実施形態〉
次に、図6〜図9に基づいて、上記スロットマシン100に搭載するメダルセレクタ600の第1実施形態を説明する。なお、以下の説明においては、便宜上、メダルセレクタ600を取り付けるスロットマシン100の前面方向を前方、スロットマシン100の背面方向を後方、スロットマシン100の上面方向を上方、スロットマシン100の下面方向を下方とする。
第1実施形態に係るメダルセレクタ600Aは、メダル投入口ブロック133のメダル投入口に投入されたメダルを選別し、サイズの小さい不正なメダルを選別して受け皿160に排出すると共に、正規のメダルを取り込んでメダルホッパ230のメダルタンクに送り出すユニット化された装置で、転動するメダルの一側面および他側面をガイドしつつメダル転動面上を転動させて所定の位置へ案内するメダル案内通路を構成するためのメダル案内部と、電気的に作動する電気部品とを備える。
メダルセレクタ600Aの具体的構造は、図6および図7に示すように、前面扉101に取り付ける本体ベース610Aにメダルの一側面をガイドする第1ガイド手段620Aを着脱可能に取り付け、この第1ガイド手段620Aには、メダルが転動するメダル転動面631が形成された下部ガイドレール630A、メダルの他側面をガイドする第2ガイド手段640Aを着脱可能に取り付け、これら第1,第2ガイド手段620A,640Aと下部ガイドレール630Aより成るメダル案内部によって構成されるメダル案内通路へ可動規制部651を突入させてメダルの通過を制限する通過制限状態と可動規制部651をメダル案内通路から退避させてメダルの通過を許容する通過許容状態とに変換可能なメダルブロッカ650を本体ベース610Aに取り付け、本体ベース610Aにおいてメダル案内通路の流下端部となる位置(メダルブロッカ650よりも下流となる位置)にはメダルセンサユニット660(例えば、メダルの通過を電気的に検出するメダル受付センサを流路方向に2個配置した構造のユニット)を設けたものである。なお、本実施形態のメダルセレクタ600Aにおいては、電気的に作動する電気部品として、メダルブロッカ650とメダルセンサユニット660を備えるものとしたが、例えば、メダルセンサユニット660はメダルセレクタ600Aよりも下流側となる流路へ別々に設けて、メダルを検出するようにしても良い。
本体ベース610Aは、板状の主取付部611の左右両側に第1側壁部612(メダル案内通路の上流側で後方に屈曲する壁部)と第2側壁部613(メダル案内通路の下流側で後方に屈曲する壁部)を備え、これら第1,第2側壁部612,613によって、カバーガイド670を開閉・着脱可能に保持する。このカバーガイド670は、メダル案内通路を通過できずに排除されたメダル(不適正なメダルとして案内通路を通過させなかったメダルやメダル受付不可中に投入されたメダル)を受け皿160へ排出するメダル排出流路へ導くようにガイドするものである。
また、本体ベース610Aの第2側壁部613には、メダル導出口613aを設けてあり、メダル案内部により構成されたメダル案内通路の最下流出口に流下してきたメダルをメダル導出口613aから排出する。そして、このメダル導出口613aを通過するメダルを検出できるように、第2側壁部613には、センサユニット取付補助基板613bを介して所要位置にセンサユニット660を取り付けてある。なお、このメダル導出口613aを通過したメダルは、本体ベース610Aに取り付けたメダルシュート680によりメダルホッパ230のメダルタンクへ誘導される。
一方、上記本体ベース610Aの主取付部611に着脱可能に取り付ける第1ガイド手段620Aは、本体ベース610Aに取り付けられる第1ガイドベース621を備え、該第1ガイドベース621には、メダルが自重により上流から下流へ転動流下するメダル転動面631となるように傾斜をつけて下部ガイドレール630Aを取り付け可能な下部ガイドレール取付部621aと、メダルの上部側面をガイドする上部ガイドレール部622aを形成した上部ガイドレール部材622と、上部ガイドレール部622aと下部ガイドレール取付部621aとの間においてメダル案内通路の側方に開口するメダル選別口621bとを設けたものである。
なお、下部ガイドレール630Aは、ネジ等の固着手段701によって下部ガイドレール取付部621aの適正位置へ取り付け、この下部ガイドレール630Aを適正に取り付けた第1ガイド手段620Aが本体ベース610Aの適正位置に適正な状態で取り付けられ、且つ、本体ベース610Aが前面扉101の適正位置へ取り付けられると、下部ガイドレール630Aの上面となるメダル転動面631が上流から下流へメダルを円滑に転動させる傾斜面となる条件が整う。
下部ガイドレール630Aが取り付けられた第1ガイド手段620Aを本体ベース610Aの適正位置へ安定的に取り付けることができ、尚かつ、ガイドベース610Aと第1ガイド手段620Aとの着脱が容易な取付構造であれば、如何様な取付構造を採用しても構わないが、本実施形態においては、本体ベース610Aの主取付部611に、大径開口の下部に狭小開口を連設した取付孔711を複数(例えば、3箇所)設け、第1ガイドベース621の対応する位置には、ワッシャ712aとバネ712bを介挿してネジ712cを止着した取付部712を設ける構造とした。この構造であれば、各取付部712のネジ712cの頭部を取付孔711の大径部に挿通させて下方に落とし込むという簡単な取付方法で、ネジ712cの軸部が取付孔711の狭小部に嵌まって抜けなくなり、また、取付部712のワッシャ712aとバネ712bによって第1ガイドベース621がガタ付くことなく安定した取付状態を維持できる。取り外す場合には、第1ガイドベース621を若干持ち上げて取付部712のネジ712cの頭部を取付孔711の大径部から抜き戻せばよいので、取り外し作業も簡単である。
また、第1ガイド手段620Aを本体ベース610Aに取り付けたときに、第1ガイドベース621のメダル選別口621bが閉塞されないように、主取付部611の対応部位にメダル選別用切欠部614を設け、このメダル選別用切欠部614および第1ガイドベース621のメダル選別口621bを介してメダルブロッカ650の可動規制部651がメダル案内通路に臨むようにしてある。このように本体ベース610Aに取り付けられるメダルブロッカ650は、可動規制部651と該可動規制部651の駆動源であるブロッカソレノイド652とをユニット化したもので、例えば、ブロッカソレノイド652がONすることで可動規制部651がスプリング等の付勢手段に抗して吸着されているときは、可動規制部651がメダル案内通路から退避してメダルの通過を許容し、ブロッカソレノイド652がOFFになって、可動規制部651が付勢手段によりメダル案内通路に突入すると、メダルの通過を規制するものである。
更に、本体ベース610Aには、第1ガイド手段620Aが適正に取り付けられた状態か否かを検知する検知手段として取付状態センサ615を設けてあり、第1ガイド手段620Aが適正に取り付けられていれば、取付状態センサ615の検知部615aが第1ガイドベース621によって押圧されることで、取付状態にあることを検知するものとした。例えば、第1ガイド手段620Aが適切に装着されていないままスロットマシン100へメダルが投入されると、メダルの選別機能が働かず、遊技台として機能しないので、このような不具合が生じないように、取付状態センサ615が第1ガイド手段620Aの未取付状態を検知しているときは、正常稼働しないように制御したり、係員等に第1ガイド手段620Aが未取付状態である旨を報知したりできる。このような取付状態を検知する検知手段は、上述したセンサユニット660の取付状態を検知するように用いても良いし、メダルブロッカ650の未取付状態を検知するように用いても良い。
上記のようにして本体ベース610Aに取り付けられる第1ガイド手段620Aは、後方面がメダルガイド面(下部ガイドレール取付部621aを設けた面)となり、メダルの一側面をガイドする。なお、上部ガイドレール部材622は、第1ガイドベース621のメダルガイド面よりも突出(下部ガイドレール630Aの厚さと同程度突出)し、上部ガイドレール部622aは第1ガイドベース621のメダルガイド面と略々面一で、その突出量は小さいものとした。すなわち、適正なメダルが投入されてメダル案内通路を通過するときには、メダル転動面631を転動するメダルの上端側面が上部ガイドレール部622aにガイドされることとなるが、適正なメダルよりも小さなメダルが投入されてメダル案内通路を通過するときには、メダル転動面631を転動するメダルの上端が上部ガイドレール部622aに達しないので、上部ガイドレール部622aにガイドされないのである。なお、本実施形態に係るメダルセレクタ600Aの第1ガイド手段620Aにおいては、第1ガイドベース621とは別途形成した上部ガイドレール部材622を第1ガイドベース621の適所に取り付けることで、上部ガイドレール部622aが形成されるものとしたが、第1ガイドベース621に上部ガイドレール部を一体に形成するようにしても構わない。
また、第1ガイドベース621の上部に設けた支軸621cには、返却部材623を揺動自在に設けてあり、第1ガイドベース621の反メダルガイド面(下部ガイドレール取付部621aを設けていない面)側より、返却ガイド部623aがメダル選別口621bの開口近傍へ臨む定常状態が保持されるように、上記支軸621cに装着したコイルスプリング等の付勢手段624で付勢する。
上記第1ガイド手段620Aに着脱可能に取り付けられる第2ガイド手段640Aは、第2ガイドベース641の上部に設けた回動保持部642に設けた左右の軸受凹部642aを第1ガイド手段620Aの支軸121cに嵌入すると共に、この支軸121cに装着された付勢手段624の弾性係止部624aを回動保持部642の係止受け孔642bに嵌め入れて係止する。これにより、第1ガイド手段620Aに取り付けられた第2ガイド手段640Aの第2ガイドベース641は、常態において第1ガイドベース621のメダルガイド面に向けて付勢された状態に保持され、常態においては付勢手段624によって返却ガイド部623aがメダル選別口621bから退避している返却部材623が外力で押圧され、返却ガイド部623aがメダル選別口621bへ突入するように回動する際には、第2ガイド手段640Aも返却部材623と一体になって回動する。
また、第2ガイド手段640Aの第2ガイドベース641は、第1ガイドベース621に取り付けた下部ガイドレール630Aの上流側側面に当接する程度に下方へ延出する上流側流路形成部641aと、第1ガイドベース621のメダル選別口621bに対応させるように下方延出量を抑制した押出ガイド取付部641bとからなり、押出ガイド取付部641bの反メダルガイド面(第1ガイドベース621と対向しない面)側に押出ガイド部材643を回動可能に軸支し、スプリング等の付勢手段644によって押出ガイド部材643が備えるメダル押圧部643aが比較的緩い力でメダル選別口621bに突入するように付勢してある。
すなわち、適正なメダルが投入されてメダル案内通路を通過するときには、メダル転動面631を転動するメダルの上端側面が上部ガイドレール部622aにガイドされているので、押出ガイド部材643のメダル押出部643aによってメダルの流下が妨げられることはないが、適正なメダルよりも小さなメダルが投入されてメダル案内通路を通過するときには、メダル転動面631を転動するメダルの上端が上部ガイドレール部622aに達しないので、上部ガイドレール部622aにガイドされないため、押出ガイド部材643のメダル押出部643aの緩い押圧力を受けるだけでメダルは案内通路から外れて転倒するのである。
ここで、メダルセレクタ600Aによるメダル選別機能について説明する。図9(a)は、下部ガイドレール630Aを取り付けた第1ガイド手段620Aを本体ベース610Aに取り付けた状態を示し、第2ガイド手段640Aは取り外してメダル案内通路におけるメダルの流下状態を見え易くしてあり、図9(b1)は、図9(a)におけるX−X′断面を示し、図9(b2)は、図9(a)におけるY−Y′断面を示し、図9(b3)は、図9(a)におけるZ−Z′断面を示す。
先ず、遊技者がメダル詰まりを解除するために、メダル返却スイッチ134を操作すると、図9(b1)に示すように、メダル返却スイッチ134の操作と連動する押圧部134aが返却部材623の受圧部623bを押圧し、返却部材623が付勢手段624の不正に抗して回動し、返却ガイド部623aがメダル選別口621bの中に突入する。このとき、第2ガイド手段640Aも一体に回動するので、押出ガイド部材643が障害となることはなく、メダル案内通路に詰まっていたメダルMが押し出されて落下し、受け皿160へ排出される。
また、適正なメダルよりも小さなメダルM′が投入されると、図9(b2)に示すように、メダル案内通路を通過するときに、メダル転動面631を転動するメダルM′の上端が上部ガイドレール部622aに達しないので、上部ガイドレール部622aにガイドされないため、押出ガイド部材643のメダル押出部643aの緩い押圧力を受けて、メダルM′の上部が返却部材623側に傾くように転倒し、受け皿160へ排出される。
また、メダルブロッカ650のブロッカソレノイド652がOFFになっているメダル受入れ不可状態においては、可動規制部651がメダル案内通路に臨む状態にあるため、メダル転動面631を転動するメダルMは流下を阻害され、メダルMは案内通路から外れて転倒し、受け皿160へ排出される。
一方、メダルブロッカ650のブロッカソレノイド652がONになっているメダル受入れ可能状態において、上部ガイドレール部622aにガイドされ得る適正サイズのメダルがメダル案内通路を流下した場合には、メダル案内通路を通り抜け、センサユニット660により検知された後、メダルシュート680によりメダルホッパ230のメダルタンクへ誘導される。
上述した本実施形態に係るメダルセレクタ600Aにおいては、遊技台100の前面扉101に取り付けられて電気部品であるメダルブロッカ650およびセンサユニット660が設けられている本体ベース610Aから第1ガイド手段620Aを容易に取り外すことができ、尚かつ、この第1ガイド手段620Aに下部ガイドレール630Aを取り付けてあるので、本体ベース610Aから取り外した第1ガイド手段620Aを丸洗いすることにより、メダルの周面と一側面が当接することで汚れ易い案内部を効率的に清掃することができ、メンテナンスが容易である。また、本実施形態においては、第3ガイド手段640Aも第1ガイド手段620Aに着脱可能に設けたので、メダルの他側面が当接して付着した汚れの除去も容易である。
なお、メダルセレクタ600Aにおいて、第1ガイド手段620Aのガイドベース621における下部ガイドレール取付部621aに対し、下部ガイドレール630Aを着脱可能に設けるようにしても構わない。すなわち、本体ベース610Aから取り外した第1ガイド手段620Aから、更に下部ガイドレール630Aを取り外すことができる構成とすれば、メダル案内部の清掃を一層効率良く行うことができるのである。斯く構成する場合は、第1ガイド手段620Aが本体ベース610Aに取り付けられた状態を検知する取付状態センサ615とは別に、第1ガイド手段620Aのガイドベース621に下部ガイドレール630Aが適正に取り付けられた状態か否かを検知する検知手段を本体ベース610Aに設けても良い。
あるいは、メダルセレクタ600Aにおいて、第1ガイド手段620Aのガイドベース621を本体ベース610Aに固定し(ビス止めや溶接等で容易に取り外せないように取り付け)、下部ガイドレール630Aを第1ガイド手段620Aにおけるガイドベース621の下部ガイドレール取付部621aへ着脱可能に設けるようにしても構わない。すなわち、本体ベース610Aに固定されている第1ガイド手段620Aから下部ガイドレール630Aを取り外すことができるようにした構成においても、メダル案内部の清掃を効率良く行うことができるのである。斯く構成する場合は、第1ガイド手段620Aのガイドベース621に下部ガイドレール630Aが適正に取り付けられた状態か否かを検知する検知手段を本体ベース610Aに設けても良い。
〈メダルセレクタの第2実施形態〉
次に、図10に基づいて、メダルセレクタ600の第2実施形態であるメダルセレクタ600Bにつき説明する。なお、第1実施形態のメダルセレクタ600Aと同一構成については、同一符号を付して説明を省略する。また、以下の説明においても、便宜上、メダルセレクタ600Bを取り付けるスロットマシン100の前面方向を前方、スロットマシン100の背面方向を後方、スロットマシン100の上面方向を上方、スロットマシン100の下面方向を下方とする。
メダルセレクタ600Bは、図10(a),(b)に示すように、スロットマシン100の前面扉101に取り付ける本体ベース610Bの主取付部611にメダル案内通路の側方に開口するメダル選別口616を開設し、該メダル選別口616の開口上部側適所に上部ガイドレール622aが位置するように第1ガイド手段620Bを取り付ける第1ガイド手段取付部617aを設け、上記メダル選別口616の開口下部側にはメダルが自重により上流から下流へ転動流下するメダル転動面631となるように傾斜をつけて下部ガイドレール630Bを取り付け可能な下部ガイドレール取付部617bを設け、第2ガイド手段640Bは、第1ガイド手段620Bに着脱自在とした。また、本体ベース611のメダル選別口616を介して可動規制部651がメダル案内通路に臨むようにメダルブロッカ650を取り付けると共に、メダル案内通路の最下流出口に流下してメダル導出口613aを通過するメダルを検出できるようにセンサユニット660を取り付けてある。
ここで、下部ガイドレール630Bは、本体ベース610Bの下部ガイドレール取付部617bへ安定的に取り付けることができ、尚かつ、本体ベース610Bとの着脱が容易な取付構造とする。例えば、前述した第1実施形態における本体ベース610Aと第1ガイド手段620Aとの着脱構造と同様に、本体ベース610Aの主取付部611における下部ガイドレール取付部617bに、大径開口の下部に狭小開口を連設した取付孔711を複数(例えば、2箇所)設け、下部ガイドレール630Bの対応する位置には、ワッシャ712aとバネ712bを介挿してネジ712cを止着した取付部712を設ける構造とした。この構造であれば、各取付部712のネジ712cの頭部を取付孔711の大径部に挿通させて下方に落とし込むという簡単な取付方法で、ネジ712cの軸部が取付孔711の狭小部に嵌まって抜けなくなり、また、取付部712のワッシャ712aとバネ712bによって下部ガイドレール630Bがガタ付くことなく安定した取付状態を維持できる。取り外す場合には、下部ガイドレール630Bを若干持ち上げて取付部712のネジ712cの頭部を取付孔711の大径部から抜き戻せばよいので、取り外し作業も簡単である。
すなわち、本実施形態においては、メダル案内通路を構成する第1ガイド手段620B、下部ガイドレール630B、第2ガイド手段640Bのうち、下部ガイドレール630Bと第2ガイド手段640Bを本体ベース610Bから容易に取り外せる構造とし、電気部品を含まない下部ガイドレール630Bと第2ガイド手段640Bを丸洗いすることにより、メダルの周面と他側面が当接することで汚れ易い案内部を効率的に清掃することができ、メンテナンスが容易である。なお、下部ガイドレール630Bを取り外すことにより、本体ベース610Bの主取付部611において、メダルの下部側面が押し当たる部位(例えば、メダル選別口616の下縁部に近接する部位)の清掃が容易になると言うメリットもある。
また、本体ベース610Bには、下部ガイドレール630Bが適正に取り付けられた状態か否かを検知する検知手段として取付状態センサ615を設けてあり、下部ガイドレール630Bが適正に取り付けられていれば、取付状態センサ615の検知部615aが下部ガイドレール630Bによって押圧されることで、取付状態にあることを検知するものとした。例えば、下部ガイドレール630Bが適切に装着されていないままスロットマシン100へメダルが投入されると、メダルの選別機能が働かず、遊技台として機能しないので、このような不具合が生じないように、取付状態センサ615が下部ガイドレール630Bの未取付状態を検知しているときは、正常稼働しないように制御したり、係員等に下部ガイドレール630Bが未取付状態である旨を報知したりできる。
〈メダルセレクタの第3実施形態〉
次に、図11に基づいて、メダルセレクタ600の第3実施形態であるメダルセレクタ600Cにつき説明する。なお、第1,第2実施形態のメダルセレクタ600A,600Bと同一構成については、同一符号を付して説明を省略する。また、以下の説明においても、便宜上、メダルセレクタ600Cを取り付けるスロットマシン100の前面方向を前方、スロットマシン100の背面方向を後方、スロットマシン100の上面方向を上方、スロットマシン100の下面方向を下方とする。
メダルセレクタ600Cは、図11(a),(b)に示すように、前面扉101に取り付ける本体ベース610Cにメダルの一側面をガイドする第1ガイド手段620Cを着脱可能に取り付け、この第1ガイド手段620Cにはメダルの他側面をガイドする第2ガイド手段640Cを着脱可能に取り付け、メダルが転動するメダル転動面631が形成された下部ガイドレール630Cは、本体ベース610Cの主取付部611の所定部位(メダル選別用切欠部614の下縁部の下方近傍)に設け、これら第1,第2ガイド手段620C,640Cと下部ガイドレール630Cより成るメダル案内部によって構成されるメダル案内通路へ可動規制部651を突入させてメダルの通過を制限する通過制限状態と可動規制部651をメダル案内通路から退避させてメダルの通過を許容する通過許容状態とに変換可能なメダルブロッカ650を本体ベース610Cに取り付け、本体ベース620Cにおいてメダル案内通路の流下端部となる位置(メダルブロッカ650よりも下流となる位置)にはメダルセンサユニット660(例えば、メダルの通過を電気的に検出するメダル受付センサを流路方向に2個配置した構造のユニット)を設けた。
ここで、第2ガイド手段640Cが着脱可能に取り付けられる第1ガイド手段620Cを本体ベース610Cの適正位置へ安定的に取り付ける取付構造は、前述した第1実施形態に係るメダルセレクタ600Aと同様に、本体ベース610Cの主取付部611に、大径開口の下部に狭小開口を連設した取付孔711を複数(例えば、2箇所)設け、第1ガイドベース621の対応する位置には、ワッシャ712aとバネ712bを介挿してネジ712cを止着した取付部712を設ける構造とした。この構造であれば、各取付部712のネジ712cの頭部を取付孔711の大径部に挿通させて下方に落とし込むという簡単な取付方法で、ネジ712cの軸部が取付孔711の狭小部に嵌まって抜けなくなり、また、取付部712のワッシャ712aとバネ712bによって第1ガイドベース621がガタ付くことなく安定した取付状態を維持できる。取り外す場合には、第1ガイドベース621を若干持ち上げて取付部712のネジ712cの頭部を取付孔711の大径部から抜き戻せばよいので、取り外し作業も簡単である。
また、本体ベース610Cには、第1ガイド手段620Cが適正に取り付けられた状態か否かを検知する検知手段として取付状態センサ615を設けてあり、第1ガイド手段620Cが適正に取り付けられていれば、取付状態センサ615の検知部615aが第1ガイドベース621によって押圧されることで、取付状態にあることを検知するものとした。例えば、第1ガイド手段620Cが適切に装着されていないままスロットマシン100へメダルが投入されると、メダルの選別機能が働かず、遊技台として機能しないので、このような不具合が生じないように、取付状態センサ615が第1ガイド手段620Cの未取付状態を検知しているときは、正常稼働しないように制御したり、係員等に第1ガイド手段620Cが未取付状態である旨を報知したりできる。
上述した本実施形態のメダルセレクタ600Cにおいては、メダル案内通路を構成する第1ガイド手段620C、下部ガイドレール630C、第2ガイド手段640Cのうち、第1ガイド手段620Cと第2ガイド手段640Cを本体ベース610Cから容易に取り外せる構造とし、電気部品を含まない第1ガイド手段620Cと第2ガイド手段640Cを丸洗いすることにより、メダルの一側面と他側面が当接することで汚れ易い案内部を効率的に清掃することができ、第1ガイド手段640Cを取り外すことで、下部ガイドレール630Cのメダル転動面631の清掃作業も効率良く行うことができ、メンテナンスが容易である。
なお、下部ガイドレール630Cは、本体ベース610Cとは別部材として形成し、ネジ等の止着手段によって主取付部611に止着する構造でも良いし、本体ベース610Cに一体成型するようにしても構わない。何れにしても、案内部により形成されるメダル案内通路を通過するメダルは、本体ベース610Cの主取付部611に当着した第1ガイド手段620Cに一側面が当接するので、メダルの周面が押し当たるのはメダル案内通路631の開放端縁側(主取付部611に当接していない側)となり、メダルから付着した汚れの清掃作業は簡単に行うことができる。
〈メダルセレクタの第4実施形態〉
次に、図12に基づいて、メダルセレクタ600の第4実施形態であるメダルセレクタ600Dにつき説明する。なお、第1〜第3実施形態のメダルセレクタ600A〜600Cと同一構成については、同一符号を付して説明を省略する。
メダルセレクタ600Dは、図12(a),(b)に示すように、前面扉101に取り付ける本体ベース610Dにメダルの一側面をガイドする第1ガイド手段620Dを着脱可能に取り付け、この第1ガイド手段620Dにはメダルの他側面をガイドする第2ガイド手段640Dを着脱可能に取り付け、メダルが転動するメダル転動面631が形成された下部ガイドレール630Dは、本体ベース610Dの主取付部611の所定部位(メダル選別用切欠部614の下縁部の下方近傍)に形成した下部ガイドレール取付部617b(メダルが自重により上流から下流へ転動流下するメダル転動面631となるように傾斜をつけて下部ガイドレール630Dを取り付け可能な部位)へ着脱可能に取り付け、これら第1,第2ガイド手段620D,640Dと下部ガイドレール630Dより成るメダル案内部によって構成されるメダル案内通路へ可動規制部651を突入させてメダルの通過を制限する通過制限状態と可動規制部651をメダル案内通路から退避させてメダルの通過を許容する通過許容状態とに変換可能なメダルブロッカ650を本体ベース610Dに取り付け、本体ベース620Dにおいてメダル案内通路の流下端部となる位置(メダルブロッカ650よりも下流となる位置)にはメダルセンサユニット660を設けた。
ここで、第2ガイド手段640Dが着脱可能に取り付けられる第1ガイド手段620Dを本体ベース610Dの適正位置へ安定的に取り付ける取付構造と、下部ガイドレール630Cを本体ベース610Dの適正位置へ安定的に取り付ける取付構造は、前述した第1〜第3実施形態に係るメダルセレクタ600A〜600Cと同様に、本体ベース610Dの主取付部611に、大径開口の下部に狭小開口を連設した取付孔711を複数(例えば、第1ガイド手段620D用に2箇所、下部ガイドレール630D用に2箇所)設け、第1ガイドベース621と下部ガイドレール630Dの対応する位置には、ワッシャ712aとバネ712bを介挿してネジ712cを止着した取付部712を設ける構造とした。この構造であれば、各取付部712のネジ712cの頭部を取付孔711の大径部に挿通させて下方に落とし込むという簡単な取付方法で、ネジ712cの軸部が取付孔711の狭小部に嵌まって抜けなくなり、また、取付部712のワッシャ712aとバネ712bによって第1ガイドベース621および下部ガイドレール630Aがガタ付くことなく安定した取付状態を維持できる。取り外す場合には、第1ガイドベース621または下部ガイドレール630Dを若干持ち上げて取付部712のネジ712cの頭部を取付孔711の大径部から抜き戻せばよいので、取り外し作業も簡単である。
また、本体ベース610Dには、第1ガイド手段620Dが適正に取り付けられた状態か否かを検知する検知手段と、下部ガイドレール630Dが適正に取り付けられた状態か否かを検知する検知手段として、各々に対応させて取付状態センサ615を設けてあり、第1ガイド手段620Dおよび下部ガイドレール630Dが適正に取り付けられていれば、各取付状態センサ615の検知部615aが第1ガイドベース621および下部ガイドレール630Dによって押圧されることで、取付状態にあることを検知するものとした。例えば、第1ガイド手段620Dまたは下部ガイドレール630Dの何れか一方でも適切に装着されていないままスロットマシン100へメダルが投入されると、メダルの選別機能が働かず、遊技台として機能しないので、このような不具合が生じないように、何れかの取付状態センサ615が第1ガイド手段620Dまたは下部ガイドレール630Dの未取付状態を検知しているときは、正常稼働しないように制御したり、係員等に第1ガイド手段620Dまたは下部ガイドレール630Dの何れか(もしくは両方)が未取付状態である旨を報知したりできる。
上述した本実施形態のメダルセレクタ600Dにおいては、メダル案内通路を構成する第1ガイド手段620D、下部ガイドレール630D、第2ガイド手段640Dのうち、第1ガイド手段620Dと下部ガイドレール630Dを本体ベース610Dから容易に取り外せる構造とし、尚かつ、第2ガイド手段640Dは第1ガイド手段620Dから着脱可能な構造としたので、電気部品を含まない第1ガイド手段620Dと下部ガイドレール630Dと第2ガイド手段640Dを丸洗いすることにより、メダルが当接することで汚れ易い案内部(メダル転動面と両側ガイド部)を効率的に清掃することができ、メンテナンスが容易である。
なお、メダルセレクタ600Dにおいて、第1ガイド手段620Dのガイドベース621を本体ベース610Dに固定し(ビス止めや溶接等で容易に取り外せないように取り付け)、下部ガイドレール630Dを本体ベース610Dの下部ガイドレール取付部617bへ着脱可能に設けるようにしても構わない。すなわち、第1ガイド手段620Dは本体ベース610Dに固定し、本体ベース610Dから下部ガイドレール630Dだけを取り外すことができるようにした構造においても、メダル案内部の清掃を効率良く行うことができるのである。
〈メダルセレクタの第5実施形態〉
次に、図13に基づいて、メダルセレクタ600の第5実施形態につき説明する。なお、図13(a),(b)には、第1ガイド手段620E,下部ガイドレール630E,第2ガイド手段640Eのみを示し、第1ガイド手段620Eが着脱可能に取り付けられる本体ベースの図示を省略したが、本実施形態のメダルセレクタにおける本体ベースは、第1実施形態のメダルセレクタ600Aに用いた本体ベース610Aをそのまま適用でき、例えば、第1ガイド手段620Eの第1ガイドベース621を本体ベース610Aの主取付部611の適所へ取り付けることで、第1ガイドベース621のメダル選別口621bが主取付部611のメダル選別用切欠部614と連通し、メダルブロッカ650の可動規制部651がメダル案内通路に臨むようにする。また、以下の説明においても、便宜上、メダルセレクタ600を取り付けるスロットマシン100の前面方向を前方、スロットマシン100の背面方向を後方、スロットマシン100の上面方向を上方、スロットマシン100の下面方向を下方とする。
第5実施形態に係るメダルセレクタに用いる第1,第2ガイド手段620E,640Eおよび下部ガイドレール630Eは、図13(a),(b)に示すように、メダルの一側面をガイドする第1ガイド手段620Eと、メダルの他側面をガイドする第2ガイド手段640Eは、蝶番機構により開閉可能な一体構造とし、メダルが転動するメダル転動面631が形成された下部ガイドレール630は、上記第1ガイド手段620Eの第1ガイドベース621の適所(メダルが自重により上流から下流へ転動流下するメダル転動面631となるように傾斜をつけて下部ガイドレール630Eを取り付け可能な下部ガイドレール取付部)に取り付け、これら第1,第2ガイド手段620E,640Eと下部ガイドレール630Eより成るメダル案内部によってメダル案内通路を構成する。
なお、第1ガイド手段620Eと第2ガイド手段640Eを開閉可能に一体化する蝶番機構は特に限定されるものではないが、本実施形態においては、第1ガイドベース621の上部に設けた支軸621c(返却部材623を揺動自在に支持する軸)によって、第2ガイド手段640Eの第2ガイドベース641の上部に設けた回動保持部642′に設けた軸受部642cを支持し、支軸621cに装着したコイルスプリング等の付勢手段624′で第2ガイド手段640Eを第1ガイド手段620Eへ押圧するように付勢し、メダル案内通路を転動するメダルの両側面を適切にガイド可能な構造とした。
上述した第1,第2ガイド手段620E,640Eおよび下部ガイドレール630Eで構成した案内部を備える本実施形態のメダルセレクタにおいては、メダル案内通路を構成する第1ガイド手段620E、下部ガイドレール630E、第2ガイド手段640Eが一体のユニット構造であるから、本体ベースから案内部を効率良く取り外すことができ、電気部品を含まない第1,第2ガイド手段620E,640Eと下部ガイドレール630Eを丸洗いすることにより、メダルが当接することで汚れ易い案内部(メダル転動面と両側ガイド部)を効率的に清掃することができ、メンテナンスが容易である。
〈メダルセレクタの第6実施形態〉
次に、図14に基づいて、メダルセレクタ600の第6実施形態につき説明する。なお、図14には、第1ガイド手段620F,下部ガイドレール630F,第2ガイド手段640Fのみを示し、第1ガイド手段620Fが着脱可能に取り付けられる本体ベースの図示を省略したが、本実施形態のメダルセレクタにおける本体ベースは、第1実施形態のメダルセレクタ600Aに用いた本体ベース610Aをそのまま適用でき、例えば、第1ガイド手段620Fの第1ガイドベース621を本体ベース610Aの主取付部611の適所へ取り付けることで、第1ガイドベース621のメダル選別口621bが主取付部611のメダル選別用切欠部614と連通し、メダルブロッカ650の可動規制部651がメダル案内通路に臨むようにする。また、以下の説明においても、便宜上、メダルセレクタ600を取り付けるスロットマシン100の前面方向を前方、スロットマシン100の背面方向を後方、スロットマシン100の上面方向を上方、スロットマシン100の下面方向を下方とする。
第6実施形態に係るメダルセレクタに用いる第1,第2ガイド手段620F,640Fおよび下部ガイドレール630Fは、図14(a),(b1),(b2)に示すように、メダルの一側面をガイドする第1ガイド手段620Fと、メダルの他側面をガイドする第2ガイド手段640Fとを着脱可能に設け、この第2ガイド手段640Fに下部ガイドレール630Fを取り付けたものである。
メダルが転動するメダル転動面631が形成された下部ガイドレール630Fは、図14(b3)に示すように、第2ガイド手段640Fの第2ガイドベース641における上流側流路形成部641aに設けた下部ガイドレール取付部645(メダルが自重により上流から下流へ転動流下するメダル転動面631となるように傾斜をつけて下部ガイドレール630Fを取り付け可能な形状に設けたガイド凹部)にネジ等の止着手段721により取り付け、メダルの両側面を適切にガイドするように第1ガイド手段620Fに第2ガイド手段640Fを取り付けると、下部ガイドレール630Fのメダル転動面631が適切な位置に配され、メダル案内通路が構成される。
なお、下部ガイドレール630Fは、第2ガイド手段640Fとは別部材として形成し、止着手段721によって第2ガイド手段640Fに止着する構造としたが、下部ガイドレール630Fを第2ガイド手段640Fに溶着して分離不能としても良いし、第2ガイド手段640Fの加工工程において下部ガイドレール630Fを一体に成型しても良い。
上述した第1,第2ガイド手段620F,640Fおよび下部ガイドレール630Fで構成した案内部を備える本実施形態のメダルセレクタにおいては、メダル案内通路を構成する第1ガイド手段620F、下部ガイドレール630F、第2ガイド手段640Fが一体のユニット構造であるから、本体ベースから案内部を効率良く取り外すことができ、電気部品を含まない第1,第2ガイド手段620F,640Fと下部ガイドレール630Fを丸洗いすることにより、メダルが当接することで汚れ易い案内部(メダル転動面と両側ガイド部)を効率的に清掃することができ、メンテナンスが容易である。
〈メダルセレクタの第7実施形態〉
次に、図15〜図17に基づいて、上記スロットマシン100に搭載するメダルセレクタ600の第7実施形態を説明する。また、以下の説明においても、便宜上、メダルセレクタ600Gを取り付けるスロットマシン100の前面方向を前方、スロットマシン100の背面方向を後方、スロットマシン100の上面方向を上方、スロットマシン100の下面方向を下方とする。
第7実施形態に係るメダルセレクタ600Gは、例えば、前述した第1実施形態に係るメダルセレクタ600Aの本体ベース610Aと同様な本体ベース610G、第1ガイド手段620Aと同様に本体ベース610Gに取り付けられる第1ガイド手段620G、下部ガイドレール部材630Aと同様に第1ガイド手段620Gの下部ガイドレール取付部に取り付けられる下部ガイドレール630G、第2ガイド手段640Aと同様に第1ガイド手段620Gに着脱可能に取り付けられる第2ガイド手段640G等を備えることに加えて、上記本体ベース610Gを所定の装着状態に保持するホルダ部材690を備える。
先ず、本体ベース610Gは、図16に示すように、左右両側に位置する第1側壁部612(メダル案内通路の上流側で後方に屈曲する壁部)と第2側壁部613(メダル案内通路の下流側で後方に屈曲する壁部)の外面側には、各々突出状の取付突部618を設け、主取付部611の前面側(メダルブロッカ650が配設されている側)には、メダルブロッカ650およびセンサユニット660の接続線が集約された本体ベース側コネクタ619を設けてある。
一方、ホルダ部材690は、スロットマシン100の前面扉101に取り付けられる主取付部691の左右両側から後方(本体ベース610Gを受入れる側)に立ち上がる第1側壁部692と第2側壁部693を設け、第2側壁部693にはメダルシュート680を取り付け、本体ベース610Gの案内通路を通過したメダルを受け入れて、メダルホッパ230のメダルタンクへ誘導するものとした。
また、第1側壁部692には、上記本体ベース610Gの第1側壁部612に設けた2つの取付突部618を嵌入できる取付孔692aを設け、第2側壁部693には、上記本体ベース610Gの第2側壁部613に設けた取付突部618を受入れ得る受入溝693aを設け、本体ベース610Gを適正な装着状態で保持する構造とした。なお、第2側壁部613の受入溝693に対応する位置には、有弾性の薄金属板等を加工した着脱操作部材694を、その後方自由端が横方向へ揺動可能なように設けてあり、この着脱操作部材694の後方自由端側に形成した操作部694aを指などで第2側壁部693の外側へ押し開くと、本体ベース610Gの第2側壁613に設けた取付突部618をホルダ部材690の第2側壁部693の受入溝693へ導入でき、着脱操作部材694を放すと自らの弾性により通常状態に戻り、着脱操作部材694に設けた係止孔694bによって、本体ベース610Gの第2側壁部693に設けた取付突部618が後方へ抜け出すことを阻止するため、本体ベース610Gはホルダ部材690によって適切な装着状態に保持される。逆に、着脱操作部材694の操作部694aを押し開いて、本体ベース610Gの第2側壁613に設けた取付突部618をホルダ部材690の第2側壁部693の受入溝693から後方へ抜き出せば、本体ベース610Gをホルダ部材690から取り外すことができる。
更に、ホルダ部材690における主取付部691の後面側(本体ベース610Gを受入れる側)には、ホルダ側コネクタ695を設けてあり、本体ベース610Gをホルダ部材690に適切な状態で装着すると、本体ベース610Gの本体ベース側コネクタ619がホルダ側コネクタ695に嵌着される。すなわち、本体ベース610Gに設けた電気部品(ブロッカソレノイド652やセンサユニット660)から前面扉101への配線接続を個別に行うことなく、本体ベース610Gの着脱操作を簡易に行うことができる。そして、メダルにより汚れが付着した案内部の清掃を行う際には、本体ベース610Gをホルダ部材690から取り外すことができるので、ホールの係員等が無理な姿勢で清掃作業を行う必要がないという利点がある。
加えて、ホルダ部材690の主取付部691には、本体ベース610Gが適正に取り付けられた状態か否かを検知する検知手段として、取付状態センサ696を設けてあり、本体ベース610Gが適正に取り付けられていれば、取付状態センサ696の検知部696aが本体ベース610Gによって押圧されることで、取付状態にあることを検知するものとした。例えば、ホルダ部材690に本体ベース610Gが適切に装着されていないままスロットマシン100へメダルが投入されると、メダルの選別機能が働かず、遊技台として機能しないので、このような不具合が生じないように、取付状態センサ696が本体ベース610Gの未取付状態を検知しているときは、正常稼働しないように制御したり、係員等に本体ベース610Gが未取付状態である旨を報知したりできる。