以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
[第1実施形態]
図1は、本発明の一実施形態に係るスロットマシン100の外観斜視図である。スロットマシン100は、メダルの投入により遊技が開始され、遊技の結果によりメダルが払い出されるものである。
<全体構成>
スロットマシン100の本体101の中央内部には、外周面に複数種類の絵柄が配置されたリールが3個(左リール110、中リール111、右リール112)収納され、スロットマシン100の内部で回転できるように構成されている。本実施形態において、各絵柄は帯状部材に等間隔で適当数印刷され、この帯状部材が所定の円形枠材に貼り付けられて各リール110乃至112が構成されている。リール110乃至112上の絵柄は、遊技者から見ると、絵柄表示窓113から縦方向に概ね3つ表示され、合計9つの絵柄が見えるようになっている。そして、各リール110乃至112を回転させることにより、遊技者から見える絵柄の組み合わせが変動することとなる。なお、本実施形態では、3個のリールをスロットマシン100の中央内部に備えているが、リールの数やリールの設置位置はこれに限定されるものではない。
また、各々のリール110乃至112の背面には、絵柄表示窓113に表示される個々の絵柄を照明するためのバックライト(図示省略)が配置されている。バックライトは、各々の絵柄ごとに遮蔽されて個々の絵柄を均等に照射できるようにすることが望ましい。バックライトは、例えば、7色(赤、緑、青紫の三原色と、白色等をはじめとするこれらの混合色)の光を発することが可能であり、各原色に対応したLED等を含んで構成される。
なお、スロットマシン100内部において各々のリール110乃至112の近傍には、投光部と受光部からなる光学式センサ(図示せず)が設けられており、この光学式センサの投光部と受光部のあいだを、リールに設けられた一定の長さの遮光片が通過するように構成されている。このセンサの検出結果に基づいてリール上の絵柄の回転方向の位置を判断し、目的とする絵柄が入賞ライン114上に表示されるようにリール110乃至112を停止させる。
入賞ライン表示ランプ120は、有効となる入賞ラインを示すランプである。有効となる入賞ラインは、スロットマシン100に投入されたメダルの数によって予め定まっている。5本の入賞ライン114のうち、例えば、メダルが1枚投入された場合、中段の水平入賞ラインが有効となり、メダルが2枚投入された場合、上段水平入賞ラインと下段水平入賞ラインが追加された3本が有効となり、メダルが3枚投入された場合、右下り入賞ラインと右上り入賞ラインが追加された5本が入賞ラインとして有効になる。なお、入賞ライン114の数については5本に限定されるものではない。
スタートランプ121は、リール110乃至112が回転することができる状態にあることを遊技者に知らせるランプである。再遊技ランプ122は、前回の遊技において入賞役の一つである再遊技役(例えば、リプレイ−リプレイ−リプレイの再遊技絵柄の組み合せが入賞ライン114上に揃ったとき)に入賞した場合に、今回の遊技が再遊技可能であること(メダルの投入が不要)を遊技者に知らせるランプである。告知ランプ123は、後述する内部抽選において、特定の入賞役(例えば、BB(ビッグボーナス)やRB(レギュラーボーナス)等のボーナス)に内部当選していることを遊技者に知らせるランプである。メダル投入ランプ124は、遊技開始にあたって遊技者にメダルの投入が必要であることを報知するランプである。
払出枚数表示器125は、何らかの入賞役に入賞した結果、遊技者に払出されるメダルの枚数を表示するための表示器である。遊技回数表示器126は、メダル投入時のエラー表示や、ビッグボーナスゲーム中(BBゲーム中)の遊技回数、所定の入賞役の入賞回数等を表示するための表示器である。貯留枚数表示器127は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダルの枚数を表示するための表示器である。リールパネルランプ128は、演出用のランプである。
メダル投入ボタン130、131は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダルを所定の枚数分投入するためのボタンである。本実施形態においては、メダル投入ボタン130が押下される毎に1枚ずつ最大3枚まで投入され、メダル投入ボタン131が押下されると3枚投入されるようになっている。メダル投入ブロック134は、遊技を開始するに当たって遊技者がメダルを投入するためのメダル投入口134aを形成するブロックである。すなわち、メダルの投入は、メダル投入ボタン130又は131により電子的に投入することもできるし、メダル投入ブロック134のメダル投入口134aから実際のメダルを投入することもできる。
スタートレバー135は、遊技の開始操作を行うためのレバー型のスイッチである。すなわち、メダル投入ブロック134のメダル投入口に所望する枚数のメダルを投入して、スタートレバー135を操作すると、これを契機としてリール110乃至112が回転し、遊技が開始される。ストップボタンユニット136に設けられたストップボタン137乃至139は、スタートレバー135の操作によって回転を開始したリール110乃至112に対する停止操作を行うためのボタンであり、各リール110乃至112に対応して設けられている。そして、いずれかのストップボタン137乃至139を操作すると対応するいずれかのリール110乃至112が停止することになる。
精算ボタン132は、スロットマシン100に電子的に貯留されたメダル、ベットされたメダルを精算し、メダル払出口155よりメダル受皿210に排出するためのボタンである。メダル返却ボタン133は、投入されたメダルが詰まった場合に押下してメダルを取り除くためのボタンである。本実施形態においては、後述するように、メダル投入異常のエラーが発生すると、メダル返却ボタン133を押下できなくなる。ドアキー140は、スロットマシン100の前面扉102のロックを解除するためのキーを挿入する孔である。キーを差し込んで時計方向に回すとロックが解除され、スロットマシン100の前面扉102を開けることができる。メダル払出口155は、メダルを払出すための払出口である。メダル受皿210は、メダル払出口155から払出されたメダルを溜めるための器である。なお、メダル受皿210は、本実施形態では発光可能な受皿を採用しており、以下受皿ランプ210と呼ぶこともある。
音孔160は、スロットマシン100内部に設けられているスピーカの音を外部に出力するための孔である。上部ランプ150、サイドランプ151、中央ランプ152、腰部ランプ153、下部ランプ154、受皿ランプ210は、遊技を盛り上げるための装飾用のランプであり遊技状態に応じて点灯/消灯/点滅する。灰皿部200は、煙草の吸殻を入れるための容器であり、メダル受皿210の内側にネジ止めされている。リールパネル161は、絵柄表示窓113を有するパネルであり、タイトルパネル162は、そのスロットマシンの機種名や各種のデザインが描かれるパネルである。
液晶表示装置(LCD)180は、遊技に関する各種の情報を表示することができる(例えば、ゲームを盛り上げるためのキャラクター等を登場させたり、リーチ目等を表示させたり、スロットマシンの内部で異常が発生したときのエラーの内容を表示させたりする)。もちろん、液晶表示装置180のかわりに、複数のLEDを2次元に配置したドットマトリックス式表示装置等、他の表示手段を用いてもよい。また。液晶表示装置180の左右それぞれには開閉可能な扉装置183が設けられ、液晶表示装置180の演出に合わせて、扉を開閉させて、演出を行うようになっている。
<制御部>
次に、図2及び図3を参照してスロットマシン100の制御部の構成について説明する。スロットマシン100の制御部は、大別すると、遊技の中枢部分を制御する主制御部300と、主制御部300より送信された制御情報(以下、コマンドと略称)に応じて各種機器を制御する副制御部400と、から構成されている。尚、制御部の構成は、これに限定されることはなく、例えば、主制御部300と副制御部400をひとつにしても何ら問題ない。
<主制御部>
まず、図2を用いて、スロットマシン100の主制御部300について説明する。主制御部300は、主制御部300の全体を制御するための演算処理装置であるCPU310や、CPU310が各ICや各回路と信号の送受信を行うためのデータバス及びアドレスバスを備え、その他、以下に述べる構成を有する。
クロック補正回路314は、水晶発振器311から発振されたクロックを分周してCPU310に供給する回路である。例えば、水晶発振器311の周波数が12MHzの場合に、分周後のクロックは6MHzとなる。CPU310は、クロック回路314により分周されたクロックをシステムクロックとして受け入れて動作する。
また、CPU310には、後述するセンサやスイッチの状態を常時監視するための監視周期やモータの駆動パルスの送信周期を設定するためのタイマ回路315がバスを介して接続されている。CPU310は、電源が投入されると、データバスを介してROM312の所定エリアに格納された分周用のデータをタイマ回路315に送信する。
タイマ回路315は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに、割り込み要求をCPU310に送信する。CPU310は、この割込み要求を契機に、各センサ等の監視や駆動パルスの送信を実行する。例えば、CPU310のシステムクロックを6MHz、タイマ回路315の分周値を1/256、ROM312の分周用のデータを44に設定した場合、この割り込みの基準時間は、256×44÷6MHz=1.877msとなる。
また、CPU310には、各ICを制御するためのプログラム、入賞役の内部抽選時に用いる抽選データ、リールの停止位置等を記憶しているROM312や、一時的なデータを保存するためのRAM313が接続されている。これらのROM312やRAM313については他の記憶手段を用いてもよく、この点は後述する副制御部400においても同様である。
また、CPU310には、外部の信号を受信するための入力インタフェース380が接続され、割込み時間ごとに入力インタフェース380を介して、メダル投入センサ320、スタートレバーセンサ321、ストップボタンセンサ322、メダル投入ボタンセンサ323、精算スイッチセンサ324、設定変更スイッチセンサ325、設定キースイッチセンサ326、リセットスイッチセンサ327及び外部リセットスイッチセンサ328の状態を検出し、各センサを監視している。
メダル投入センサ320は、メダル投入口134aの内部の通路に2個設置されており、メダルの通過有無を検出する。スタートレバーセンサ321は、スタートレバー135に設置されており、遊技者によるスタート操作を検出する。ストップボタンセンサ322は、ストップボタンユニット136の各々のストップボタン(左・中・右)に設置されており、遊技者によるストップボタンの操作を検出する。
メダル投入ボタンセンサ323は、メダル投入ボタン131、132のそれぞれに設置されており、RAM313に電子的に貯留されているメダルを遊技用のメダルとして投入する場合の投入操作を検出する。たとえば、CPU310は、メダル投入ボタン132に対応するメダル投入センサ323がHレベルになった場合に、電子的に貯留メダルを1枚投入し、メダル投入ボタン131に対応するメダル投入センサ323がHレベルになった場合に、電子的に貯留メダルを3枚投入する。
精算スイッチセンサ324は、精算ボタン132に設けられている。精算ボタン132が一回押されると、貯留されているメダルを精算し、もう一回押されると、払い出されるメダルが電子的に貯留される貯留モードとなる。
設定変更スイッチセンサ325は、設定変更スイッチ(図示せず;スロットマシン100の筐体内部にある)に設置されており、設定変更スイッチの押下を検出する。設定変更スイッチは、後述する設定キースイッチ(図示せず;スロットマシン100の筐体内部にある)がONの状態において押下されると、設定値が変更されるボタンである。ここで、設定値とは、所定期間の遊技を行ったときに遊技者が賭け数として遊技台に使用した遊技媒体の総数に対して、遊技台が払い出した遊技媒体の総数の割合を調整するための値であり、いわゆる「払出率」と称されるもので、複数段階の設定値、例えば、設定「1」〜設定「6」まで設定可能である。設定変更キースイッチセンサ326は、設定変更キースイッチに設置されており、設定変更キースイッチの状態を検出する。
リセットスイッチセンサ327は、リセットスイッチ(図示せず;スロットマシン100の筐体内部にある)に設置されており、RAM313を初期化する操作を検知する。外部リセットスイッチセンサ328は、外部リセットスイッチ(図示せず;スロットマシン100の筐体内部にある)に設置されており、ホッパーやセレクタのメダル詰まり等のエラーの解除操作を検知する。なお、以上の各センサは、非接触式のセンサであっても接点式のセンサであってもよい。
CPU310には、さらに、入力インタフェース381、出力インタフェース390、391がアドレスデコード回路340を介してアドレスバスに接続されている。CPU310は、これらのインタフェースを介して外部のデバイスと信号の送受信を行っている。
入力インタフェース381には、インデックスセンサ330が接続されている。インデックスセンサ330は、具体的には、各リール110乃至112の取付台の所定位置に設置されており、リールに設けた遮光片がこのインデックスセンサ330を通過するたびにHレベルになる。CPU310は、この信号を検出すると、リールが1回転したものと判断し、リールの回転位置情報をゼロにリセットする。
出力インタフェース390には、リールを駆動させるためのリールモータ駆動部350、ホッパー(バケットにたまっているメダルをメダル排出口155から払出すための装置。図示せず。)のモータを駆動するためのホッパーモータ駆動部351と、遊技ランプ352(具体的には、入賞ライン表示ランプ120、スタートランプ121、再遊技ランプ122、告知ランプ123、メダル投入ランプ124等)と、7セグメント表示器353(払出枚数表示器125、遊技回数表示器126、貯留枚数表示器127等)が接続されている。
また、出力インタフェース390には、ブロッカソレノイド681及びメダル返却ソレノイド691が接続されている。ブロッカソレノイド681は、メダルブロッカ(メダル投入口134aから投入されたメダルの通過する通路と直交する方向に回動するようになっている)に回動力を付勢する電磁ソレノイドであり、所定の条件が成立した場合(例えば、スタートレバー135の操作があった後等)ではメダルが通路を通過できないようにメダルブロッカを返却状態(メダルブロッカがメダルの通路に突出してメダル通路が閉じられた状態)となるように制御している。メダル返却ソレノイド691は、メダル投入異常のエラーが発生したときに、メダル返却ブロッカ692を移動させて、メダル返却ボタン133を押下できなくするための電磁ソレノイドであり、これにより、メダル投入異常のエラーが発生したときには、スロットマシン100の上記通路に存在するメダル、又はメダル以外の不正機器などをスロットマシン100の外部に排出することはできないようになっている。
また、CPU310には、乱数発生回路370がデータバスを介して接続されている。乱数発生回路370は、水晶発振器311及び水晶発振器360から発振されるクロックに基づいて、一定の範囲内で値をインクリメントし、そのカウント値をCPU310に出力することのできるインクリメントカウンタであり、後述する入賞役の内部抽選をはじめ各種抽選処理に使用される。本発実施形態における乱数発生回路370は、2つの乱数カウンタを備えている。例えば、水晶発振器311のクロック周波数を用いて0〜65535までの値をインクリメントするカウンタと、水晶発振器360のクロック周波数を用いて0〜16777215までの値をインクリメントするカウンタが備えている。
また、CPU310のデータバスには、副制御部400にコマンドを送信するための出力インタフェース391が接続されている。
<副制御部>
次に、図3を用いて、スロットマシン100の副制御部400について説明する。副制御部400は、主制御部300より送信されたコマンド等に基づいて副制御部400の全体を制御する演算処理装置であるCPU410や、CPU410が各IC、各回路と信号の送受信を行うためのデータバス及びアドレスバスを備え、以下に述べる構成を有する。
クロック補正回路414は、水晶発振器411から発振されたクロックを補正し、補正後のクロックをシステムクロックとしてCPU410に供給する回路である。
また、CPU410にはタイマ回路415がバスを介して接続されている。CPU410は、所定のタイミングでデータバスを介してROM412の所定エリアに格納された分周用のデータをタイマ回路415に送信する。タイマ回路415は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに、割り込み要求をCPU410に送信する。CPU410は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
また、CPU410には、副制御部400の全体を制御するための命令及びデータ、バックライトの点灯パターンや各種表示器を制御するためのデータが記憶されたROM412や、データ等を一時的に保存するためのRAM413が各バスを介して接続されている。
また、CPU410には、外部の信号を送受信するための入出力インタフェース460が接続されており、入出力インタフェース460には、各リール110乃至112の絵柄を背面より照明するためのバックライト420、前面扉102の開閉を検出するための扉センサ421、RAM413のデータをクリアにするためのリセットスイッチ422及び所定の場合に警告音や警告表示などの報知が可能な報知設定スイッチ423が接続されている。
CPU410には、データバスを介して主制御部300からコマンドを受信するための入力インタフェース461が接続されており、入力インタフェース461を介して受信したコマンドに基づいて、遊技全体を盛り上げる演出処理等が実行される。
また、CPU410のデータバスとアドレスバスには、音源IC480が接続されている。音源IC480は、CPU410からの命令に応じて音声の制御を行う。また、音源IC480には、音声データが記憶されたROM481が接続されており、音源IC480は、ROM481から取得した音声データをアンプ482で増幅させてスピーカ483から出力する。
CPU410には、主制御部300と同様に、外部ICを選択するためのアドレスデコード回路450が接続されており、アドレスデコード回路450には、主制御部300からのコマンドを受信するための入力インタフェース461、扉・液晶画面制御部500からの信号を入力するための入力インタフェース471、時計IC423、7セグメント表示器440への信号を出力するための出力インタフェース472が接続されている。
時計IC423が接続されていることで、CPU410は、現在時刻を取得することが可能である。7セグメント表示器440は、スロットマシン100の内部に設けられており、たとえば副制御部400に設定された所定情報を店の係員等が確認できるようになっている。
更に、出力インタフェース470には、デマルチプレクサ419が接続されている。デマルチプレクサ419は、出力インタフェース470から送信された信号を各表示部等に分配する。すなわち、デマルチプレクサ419は、CPU410から受信されたデータに応じて上部ランプ1950、サイドランプ151、中央ランプ152、腰部ランプ153、下部ランプ154、リールパネルランプ128、タイトルパネルランプ170、払出口ストロボ171、受皿ランプ210を制御する。
タイトルパネルランプ170は、タイトルパネル162を照明するランプであり、払出口ストロボ171は、メダル排出口155の内側に設置されたストロボタイプのランプである。
なお、CPU410から扉・液晶画面制御部500への信号送信は、デマルチプレクサ419を介して実施する。扉・液晶画面制御部500は、液晶表示装置180及び扉装置183を制御する制御部である。
<遊技の基本的制御>
図4は、本実施形態のスロットマシン100における遊技の基本的制御を示す主制御部メイン処理のフローチャートである。遊技の基本的制御は、主制御部300のCPU310が中心になって行い、電源断等を検知しないかぎり、同図のステップS102乃至S109の処理を繰り返し実行する。
ステップS101では、電源投入が行われると、まず、各種の初期化処理が行われる。
ステップS102では、遊技開始処理を実行する。ここでは、メダル投入に関する処理と、スタートレバー135による遊技の開始に関する処理を行う。詳細は後述する。
ステップS103では、乱数発生回路370で発生させた乱数を取得する。ステップS104では、ステップS103で取得した乱数値と、ROM312に格納されている入賞役抽選テーブルを用いて、入賞役の内部抽選を行う。内部抽選の結果、いずれかの入賞役に内部当選した場合、RAM313に設定されたその入賞役のフラグがONになる。入賞役としては、例えば、リプレイ(再遊技)、小役、ボーナス(BB、RB)等を挙げることができる。ここで、ビッグボーナス(BB)及びレギュラーボーナス(RB)はボーナスゲームに移行する絵柄として、また、再遊技(リプレイ)は新たにメダルを投入することなく再遊技が可能となる絵柄として、それぞれ入賞役とは区別され「作動役」と呼ばれる場合があるが、本実施形態における「入賞役」には、ビッグボーナス、レギュラーボーナス、再遊技、シフトレギュラーボーナスが含まれ、本実施形態における「入賞」には、ビッグボーナス、レギュラーボーナス、再遊技、シフトレギュラーボーナスへの入賞が含まれる。
なお、各入賞役には、メダルのベット数及び設定値(1〜6)ごと、に内部抽選の当選確率が設定されており、入賞役抽選テーブルはこれに従って構成され、抽選時に取得される乱数値の範囲(例えば、0〜16384)は予めいくつかの領域(各当選確率の大きさに相当する領域)に分割されており、各領域に各入賞役の当選やはずれが対応付けられている。そして、入賞役の内部抽選では、取得した乱数値がどの範囲に属するかで入賞役の内部当選の当否が決定する。この方式は他の抽選処理でも採用される。
また、ステップS104では、内部抽選の後、リール停止制御テーブルを選択する処理を行う。これは、各リールの停止操作に対する制御を選択する処理である。ここで、リール110乃至112の停止制御について簡単に説明する。リールの停止制御は、予め定めた複数種類のリール停止制御テーブルの中から内部抽選結果に基づいていずれかを選択し、選択したリール停止制御テーブルに基づき行う。リール停止制御テーブルは主制御部300のROM312に格納されている。リール停止制御テーブルは、内部抽選で内部当選した入賞役か、又は、いわゆるフラグ持ち越し中の入賞役については、対応する絵柄組合せが揃って表示されることが許容される一方、そうでない場合には各入賞役に対応する絵柄組合せが揃って表示されないように構成されている。例えば、小役の「ベル」に内部当選していない場合、「ベル」の絵柄組合せが表示されるタイミングでリール110乃至112の停止操作が行われたとしても、リール110乃至112は直ちに停止せずにベルの絵柄組合せが揃わないように制御される。逆に、「ベル」に内部当選している場合には、ベルの絵柄組合せが表示されるタイミングでリール110乃至112の停止操作が行われなかったとしても、一定の範囲でリール110乃至112は直ちに停止せずにベルの絵柄組合せが揃うように制御されることになる。
ステップS105では、全リール110乃至112の回転を開始させる。その後、ストップボタン137乃至139の受け付けが可能となる。ステップS106ではリールの停止制御を行う。ここでは、ストップボタン137乃至139に対する操作に応じて、リール110乃至112のうち、操作されたストップボタン137乃至139に対応するいずれかのリールをステップS104で選択したリール停止制御テーブルに従って停止させる。全リール110乃至112が停止するとステップS107へ進む。
ステップS107では、入賞判定を行う。ここでは、有効化された入賞ライン114上に、内部当選した入賞役又はフラグ持越し中の入賞役に対応する絵柄組合せが表示された場合にその入賞役に入賞したと判定する。例えば、有効化された入賞ライン114上に、「ベル−ベル−ベル」が揃っていたならばベル入賞と判定する。また、入賞した入賞役に対応するフラグがリセットされる。
ステップS108では、払い出しのある何らかの入賞役に入賞していれば、その入賞役に対応する枚数のメダルを払い出す。ステップS109では、遊技状態制御処理を実行する。この遊技状態制御処理では、遊技状態を移行するための制御が行われ、例えば、ビッグボーナスやレギュラーボーナスのようなボーナス入賞の場合に次回から対応するボーナスゲームを開始できるよう準備し、それらの最終遊技では、次回から通常遊技が開始できるよう準備する。以上により1ゲームの処理が終了し、その後、ステップS102へ戻って同様の処理を繰り返すことにより遊技が進行することになる。
<遊技開始処理>
図5は、図4のステップS102の遊技開始処理を詳しく示すフローチャートである。
ステップS111では、規定枚数を設定する。規定枚数とは、その遊技においてベット可能な最大のメダル数を意味する。規定枚数は、スロットマシン100の遊技の仕様によるが、例えば、通常遊技の場合は3枚に設定され、RBゲーム等においては1枚に設定される。
ステップS112では、割り込みステータスをメダル投入処理中へ設定する。割り込みステータスとは、割り込み処理で実行すべき処理の内容を示す情報である。割り込み処理で実行される内容は複数種類あり、ステップS112の設定により、その後実行される割り込み処理ではメダル投入処理中の内容のものが選択されることになる。
ステップS113では、メダル投入異常か否かが判定され、メダル投入異常である場合はステップS119へ進み、メダル投入異常でない場合はステップS114へ進む。メダル投入異常か否かは、後述するメダルセレクタ6内に設けられたメダル投入センサ320の検出結果に基づくものである。これは、メダル投入センサ320(詳しくは、2つのセンサS1及びS2)の発光部を所定の条件で発光させ、当該所定の条件と、メダル投入センサ320の受光部の出力とに、基づいて、メダル投入に関するエラー(不正行為の有無も含む)を判定し、発光部の駆動条件に合致しない受光部の出力があった場合には、何らかのエラーがあったものと判定するものである。
ステップS114では、設定された規定枚数以下のメダルが投入されたか否かを判定する。設定された規定枚数以下のメダルが投入された場合は、ステップS115へ進み、設定された規定枚数以下のメダルが投入されていない場合は、ステップS113へ戻る。
ステップS115では、スタートレバー135が操作されたか否かを判定する。スタートレバー135が操作された場合はステップS117へ進み、スタートレバー135が操作されていない場合はステップS113へ戻る。
ステップS117では、5本の入賞ライン114のうち今回の遊技で有効な入賞ライン数を設定する。上述した通り、例えば、メダルが1枚投入された場合、中段の水平入賞ラインが有効となり、メダルが2枚投入された場合、上段水平入賞ラインと下段水平入賞ラインが追加された3本が有効となり、メダルが3枚投入された場合、右下り入賞ラインと右上り入賞ラインが追加された5本が入賞ラインとして有効になる。なお、規定枚数が1枚の場合はメダル1枚の投入で、例えば中段の水平入賞ラインが有効となる。
ステップS118では、割り込みステータスをメダル投入処理中から、次のステータスへ設定する。これにより割り込み処理においてメダル投入処理中の内容の処理の実行が終了することになる。
ステップS119では、メダル投入異常に関するエラー処理(詳しくは、後述する)を行う。エラー処理の報知態様は種々選択できるが、本実施形態では、遊技回数表示器126に所定のエラーコードを表示させ、警報を発して、遊技を中断する。この状態はスロットマシン100に設けられた外部リセットスイッチが操作されると解除される。
<メダル投入異常エラー処理>
図6は、図5のステップS119のメダル投入異常のエラー処理を詳しく示すフローチャートである。本実施形態においては、メダルセレクタ6内に不正機器が設置され、不正行為が行われるときは、メダル投入センサ320によりメダル投入異常が発生すると考えられるので、メダル投入異常のエラー処理において、当該不正機器による不正行為対策を行うものである。すなわち、メダル投入センサ320は、メダルセレクタ6内に存在する異物(例えば、不正機器であり、正規なメダル以外の物体をいう)を検出可能な装置でもある。
ステップS121では、発生しているエラーのエラーコードを遊技回数表示器126に表示する。
ステップS122では、発生したエラーのエラー内容を示すコマンドの設定を行い、ステップS123では、設定されたコマンドを副制御部400に送信する。
ステップS124では、メダル返却制限処理を開始する。これは、具体的には、メダル返却ボタン133の押下を不可にして、スロットマシン100のメダル通路内に存在するメダル又はメダル以外の不正機器をスロットマシン100の外部に返却させない処理である。これにより、仮にスロットマシン100内に不正機器が挿入され、設置された場合であっても、不正機器をスロットマシン100の外部に排出することは不可能なので、不正行為の証拠が確実に店員に発見されることとなる。このエラー返却制限処理は、本実施形態のメダルセレクタ6のメダル返却阻止ユニット69(上述したメダル返却ソレノイド691及びメダル返却ブロッカ692)の機能によるので、詳しくは、後述するメダルセレクタ6の構成において、詳しく説明する。
ステップS125では、エラー解除が受け付けられたか否かを判定する。これは、エラーが発生すると、上述した遊技回数表示器126にエラーコードが表示されるとともに、警告音が報知されるので、駆けつけた遊技店の店員により、スロットマシン100の筐体内部に設けられている外部リセットスイッチが押下されたか否かを判定するものである。エラー解除が受け付けられたとき(外部リセットスイッチが押下されたとき)は、ステップS126に進み、メダル返却制限処理を終了する、すなわち、具体的には、これにより、メダル返却ボタン133の押下不可が解除される。一方、エラー解除が受け付けられないときは、ステップS125を繰り返す。
ステップS127では、エラーが解除されたので、エラー解除を示すコマンドを設定し、ステップS128では、設定されたエラー解除を示すコマンドを副制御部400に送信する。
ステップS129では、遊技状態を復帰させる。これは、遊技回数表示器126へのエラーコードの表示を中止して、エラーステータスをクリアするものである。
図7は、メダル投入異常のエラーが生じたときのメダル返却制限処理のタイムチャートを示している。尚、図7では、本実施形態において適用されるメダル投入異常のエラーの一例として、メダル滞留エラーを挙げているが、他のメダル投入異常のエラー(メダル投入処理中以外にメダル投入センサ320のいずれかがONになった場合や、投入された遊技メダルが、メダル投入センサ320を正常に通過しなかった場合など)であっても適用は可能である。ここで、メダル滞留エラーは、投入されたメダルが通路に滞留した場合にエラーが検出されるものであり、詳しくは、メダル投入センサ320のセンサS1(通路上流側に設けられたセンサ)の立ち上がり検出から投入センサS2(通路下流側に設けられたセンサ)の立下り検出までの時間が所定の時間以上経過した場合にメダルが滞留したものと判断し、エラーを発生させるものである。不正機器によってメダル投入センサ320のセンサS1及びセンサS2に正常なメダル通過を認識させようとしても、不正機器の取付位置の僅かなズレによりこのエラーが発生する可能性が高く、この場合にメダル返却制限をする仕様であることが、最も不正の抑止効果がある。
図7に示すように、メダル滞留エラーが発生すると(メダル滞留エラー;ON)、上述したメダル返却制限処理が開始される(メダル返却制限;ON)。すなわち、メダルセレクタ6のメダル返却ソレノイド691が励磁され、メダル返却ボタン133の操作が不可となる。そして、外部リセットスイッチ328が操作されると(外部リセットスイッチON)、発生したメダル滞留エラーが解除されるので(メダル滞留エラー;OFF)、メダル返却制限処理が終了する(メダル返却制限;OFF)。すなわち、このときはメダルセレクタ6のメダル返却ソレノイド691が励磁されないので、メダル返却ボタン133の操作が可能となっている。尚、本実施形態においては、通常時にはメダル返却ソレノイド691を励磁させず、メダル滞留エラーの発生時にメダル返却ソレノイド691を励磁させるようにして、メダル返却制限処理を行うようにしたが、この逆の構成、つまり、通常時にメダル返却ソレノイド691を励磁させて、メダル返却ボタン133の操作を可能とし、メダル滞留エラーの発生時にはメダル返却ソレノイド691を励磁させないように制御して、メダル返却ボタン133の操作を不可能として、メダル返却制限処理を行うようにしてもよい。
<副制御部の処理>
次に、副制御部400の処理について説明する。図8は、副制御部400のメイン処理を示すフローチャートであり、副制御部400のCPU410が中心になって行い、電源断等を検知しないかぎり、同図のステップS202及びS203の処理を繰り返し実行する。
ステップS201では、副制御部400のイニシャル処理(初期化処理)を行う。
ステップS202では、主制御部300からコマンドを受信したか否かの判定をする。コマンドを受信した場合には、ステップS203に進み、受信したコマンドに応じた演出処理を行う。コマンドを受信しない場合には、ステップS202を繰り返す。
ここで、ステップS203の演出処理について、図9を用いて詳しく説明する。図9は、図8のステップS203の演出処理を詳しく示すフローチャートである。
ステップS211では、受信したコマンドがエラーコマンドであるか否かを判定する。エラーコマンドである場合には、ステップS212に進み、エラー報知処理を開始させる。エラー報知処理としては、上述したように、遊技回数表示器126へのエラーコード表示、警告音による報知などが挙げられる。エラーコマンドでない場合には、ステップS213に進む。
ステップS213では、受信したコマンドがエラー解除コマンドか否かを判定する。エラー解除コマンドである場合には、ステップS214に進み、エラー報知の終了を示すフラグをたて、元の演出状態へ復帰させる。エラー復帰コマンドでない場合には、ステップS215に進む。
ステップS215では、受信したコマンドに応じてその他の演出処理を実施する。例えば、具体的には、選択されたリール停止制御テーブルを示すコマンドを受信したときは、演出セット(これ以降に受信するコマンドごとに、液晶画面の表示内容、サウンド、ランプの点灯パターン等が規定されたデータ群)が抽選で選択され、それ以降のコマンド(リールの第1停止操作、第2停止操作、第3停止操作、入賞時など)を受信するたびに、演出セットの各該当項目が実施される。
<メダルセレクタ>
次に、メダル投入異常に関するエラーが生じたときに、メダル返却制限を行うメダルセレクタ6について説明する。
図10はメダルセレクタ6の組立斜視図、図11はメダルセレクタ6の分解斜視図、図12はメダルセレクタ6の正面説明図、図13は図10の背面から見たときのメダルセレクタ6の組立斜視図である。
メダルセレクタ6は、メダル投入口ブロック134のメダル投入口134aに投入されたメダルを選別し、サイズの小さい不正なメダルを選別して、前面扉102の背面側に設けたシュート(図示せず)を介してメダル排出口155からメダル受皿210に排出すると共に、正規のメダルを取り込んでホッパー(図示せず)のメダルタンクに送り出すユニット化された装置である。すなわち、このメダルセレクタ6は、図11に示すように、メダル通路を形成するセレクタ本体ユニット61と、このセレクタ本体ユニット61に着脱自在に設けられる側面ガイドユニット62と、選別された不正なメダルをシュートへ案内する開閉及び着脱可能なカバーガイド63と、から構成されている。尚、メダルセレクタ6は、取付基板64を介してスロットマシン100の前面扉102の裏面側に、着脱自在に取り付けられる。
セレクタ本体ユニット61は、メダル選別開口611を開設した平面図形状がほぼコ字状のベース基板612を中心に構成してある。メダル選別開口611は、底辺がメダルの移送方向に沿って下り傾斜する斜めに開設した横長な開口であって、このメダル選別開口611の下縁付近には、投入されたメダルが転動しながらホッパーのメダルタンクの方向へ移動するメダル通路を形成する移送ガイド65が、ネジ等によって取り付けてある。
メダル選別開口611の上縁付近には、スペーサ部材661を設ける。このスペーサ部材661は、例えば合成樹脂製の板材であって、ほぼメダルと同じ厚さを有し、ベース基板612にネジ等で着脱可能に取り付けられている。また、スペーサ部材661は、投入されて転動するメダルの上縁が係止する係止爪662を有し、転動するメダルの上部一側をガイドする上部ガイド66を構成する。
メダル選別開口611には、投入されたメダルを、遊技者の操作に応じて、メダル受皿210に返却するためのメダル返却装置67が臨ませてある。このメダル返却装置67は、遊技者が、メダル詰まりを解除するために、メダル返却ボタン133を操作したときに、先端部675がメダル選別開口611の中に突入して、メダル通路に詰まったメダルをシュート内に落下させてメダル排出口155からメダル受皿210に返却する。
メダル選別開口611には、投入されたメダルを側面からガイドする側面ガイドユニット62を臨ませる。この側面ガイドユニット62は、ベース基板612に対して軸受部624により回動自在且つ着脱自在に設けられている。この側面ガイドユニット62は、装着時にベース基板612に対峙するガイド基板623を有し、このガイド基板623に、軸受部624と、可動型押出しガイド627とが装着してある。ガイド基板623は、ベース基板612と対峙したときに、メダル投入口134aに投入されたメダルをベース基板612と間に落とし込むようになっている。
また、側面ガイドユニット62は、可動型押出しガイド627を備え、この可動型押出しガイド627は、メダルを押圧する方向に緩く付勢され、先端が前記メダル選別開口611に臨んでいる。
メダル選別開口611の下縁付近には、投入されたメダルが転動するメダル転動面652を有する移送ガイド65が、メダルの下部一側をガイドするベース基板612に対して止着されている。
この移送ガイド65は、スペーサ部材661とほぼ同じ厚さを有する板材であって、ネジ等によって、メダル選別開口611の下縁から若干下がった位置に取り付けてある。また、この移送ガイド65は、メダルが転動して流下するように下り傾斜が設けてり、傾斜下流端に対応するセレクタ本体ユニット61の側面部分には、メダル送り口613が開設してある。そして、メダルセレクタ6を、図11に示す取付基板64に装着した場合に、移送ガイド65の流下端であるメダル送り口613が、前記した取付基板64の搬送樋641の入口に連絡し、選別された正規のメダルを搬送樋641を介してホッパーのメダルタンクへ移送するメダル通路を形成する。
また、図10及び図13に示すように、セレクタ本体ユニット61には、メダルブロッカユニット68が設けられている。このメダルブロッカユニット68は、メダルの通路に突出してメダルの通過を妨げる突出位置とメダルの通路に突出しない非突出位置との間で移動可能に設けられた可動部材であるメダルブロッカ682と、メダルブロッカ682を移動させる駆動手段であるブロッカソレノイド681を備えており、所定の条件が成立したときには、メダルの通路を閉じて、メダルを返却状態とすることができる。
また、メダルセレクタ6は、図13に示すように、取付基板64にメダル返却阻止ユニット69が設けられている。メダル返却阻止ユニット69は、上述したようにメダル返却ソレノイド691とメダル返却ブロッカ692を備え、メダル投入の異常に関するエラーが検出されるときには、メダル返却ボタン133の押下が無効となるメダル返却制限機能を備えている。このメダル返却制限機能については、後述する。
次に、主に図11及び図12を参照して、メダルセレクタ6の動作を簡単に説明する(但し、メダル返却制限機能に関する動作は後述するため、ここでは除く)。メダルセレクタ6を備えるスロットマシン100において、遊技を行うために、遊技者がメダルをメダル投入口ブロック134のメダル投入口134aへ投入する。
メダル投入口134aから投入したされたメダルは、メダルセレクタ6のメダル通路を流下する。このとき、メダルの下縁をメダル転動面652が支えると共に、側面ガイドユニット62の可動型の押出しガイド627が側方より緩く押圧する。このため、メダルが正規のものであって規定の外径を有していれば、上縁が上部ガイド66である係止爪662に係止する。従って、当該メダルは、メダル通路を形成する移送ガイド65の下り傾斜にしたがって、搬送樋641へ連なるメダル送り口613へ向けて転動しながら流下する。一方、規定のサイズよりも小さい不正なメダルは、係止爪662に係止できないので、転倒してカバーガイド63の内側へ落下する。
尚、図12に示すLの領域にメダルが存在しているときは、メダル返却ボタン133の操作に応じて、メダル返却装置67の先端部675がメダル選別開口611の中に突入し、メダルに接触可能であるので、メダル通路に詰まったメダルをシュート内に落下させることができる。一方、メダル投入センサ320によりメダル投入異常に関するエラーが検出されたときは、メダル返却ボタン133の操作を不可にして、メダル通路に詰まったメダルの返却を不可にしている。
これは、メダル投入センサ320により検出されたエラーは、メダル投入センサ320近傍で発生したエラーであるため、メダル投入異常に関するエラーが発生した場合には、メダル通路内に設置された不正機器を用いての不正行為の可能性もあるので、当該不正機器を排出させないためである。
次に、メダル返却制限機能をより詳しく説明する。まず、図14を参照して、メダル返却阻止ユニット69を備えたメダルセレクタ6と、メダル返却ボタン133の位置関係について説明する。図14(a)は、メダルセレクタ6及びメダル返却ボタン133を上から見た図、図14(b)は、図14(a)におけるA−A断面図である。
図14(a)に示すように、メダル返却ボタン133に接続された押下棒133aは、メダル返却ボタン133が押下されると、前面扉102に対して垂直かつ本体内部に向かう方向(B方向)に移動するように備え付けられている。一方、メダル返却装置67の受圧部671は、前面扉102に対して平行となるように設置されている。このため、メダル返却ボタン133の操作があると、押下棒133aが、メダル返却ボタン133の操作に応じて、B方向に移動し、メダル返却装置67の受圧部671を垂直に押下する。この結果、メダル返却ボタン133の操作に連動して、メダル返却装置67が回動し、メダル返却装置67の先端部675がメダル選別開口611の中に突入するので、メダル通路に詰まったメダルは落下し、メダル受皿210に返却される。尚、メダル返却ボタン133内には、バネ等の弾性部材が備えられ、メダル返却ボタン133と押下棒133aは、当該弾性部材を介して接続されているので、メダル返却ボタン133を押下すると、弾性部材が収縮して、押下棒133aがB方向に移動するとともに、メダル返却ボタン133の押下を止めると(操作する者がメダル返却ボタン133から指を離すと)、弾性部材の復元力により、メダル返却ボタン133及び押下棒133aは、元の位置(押下前の位置)に戻るようになっている。
また、図14(b)に示すように、メダル返却阻止ユニット69は、取付基板64の外側(メダル返却ボタン133側)に備え付けられている。このため、後述するような、メダル返却ソレノイド691の励磁作用に基づくメダル返却ブロッカ692の移動があると、メダル返却ブロッカ692は、取付基板64の外側(メダル返却ボタン133側)で押下棒133aのB方向の移動を妨げることが可能となっている。
次いで、図15を参照して、メダル返却阻止ユニット69の動作について説明する。図15は、メダル返却ボタン133とメダル返却阻止ユニット69の動作を示す図である。尚、図15は、図14(a)におけるA−A断面の概略図である。
図15(a−1)は、通常時(メダル投入異常のエラーが発生していないとき)において、メダル返却ボタン133が押下されていない状態を示している。図15(a−1)に示すように、メダル返却阻止ユニット69のメダル返却ソレノイド691は励磁されていないため、メダル返却ブロッカ692は、上方に引き寄せられていない。そのため、図15(a−2)に示すように、押下棒133aは、メダル返却ブロッカ692に設けられた孔H1及び取付基板64に設けられた孔H2を通過可能となっている。
図15(a−1)の状態で、メダル返却ボタン133を押下した状態を図15(b−1)に示す。図15(b−1)に示すように、押下棒133aは、メダル返却ボタン133の押下に応じて、筐体内側に移動し、図15(b−2)に示すように、孔H1及び孔H2を通過して、メダル返却装置67の受圧部671を押圧する。この結果、メダル返却装置67は回動し、メダル返却装置67の先端部675がメダルMを落下させる。
これに対して、図15(c−1)は、メダル投入異常のエラーが発生したときに、メダル返却ボタン133を押下した状態を示している。図15(c−1)に示すように、この状態においては、メダル返却阻止ユニット69のメダル返却ソレノイド691は励磁されるため、メダル返却ブロッカ692は、メダル返却ソレノイド691に引き寄せられ、その結果、図15(c−2)に示すように、メダル返却ブロッカ692に設けられた孔H1は通常時よりも上方に位置づけられる。そのため、この状態でメダル返却ボタン133を押下しても、押下棒133aは孔H2を通過する前に、メダル返却ブロッカ692に当接し、押下棒133aはその移動を妨げられるので、押下棒133aはメダル返却ブロッカ692自身を押圧するだけで、孔H1を通過することができない。すなわち、メダル返却ボタン133を押下しても、メダル返却装置67は回動せず、メダルMは落下しない。勿論、不正機器によるメダル投入異常のエラーの場合であっても、当該不正機器は落下しない。このように、本実施形態においては、今まで押下可能であったメダル返却ボタン133が突然、操作できなくなるので、不正行為をしようとする者に対して、強い抑止力を発揮することができる。
以上、本実施形態のメダルセレクタ6によれば、メダル返却阻止ユニット69を設け、メダル投入センサ320によるメダル投入異常に関するエラーが検知されたときは、メダル返却ソレノイド691を励磁させて、メダル返却ブロッカ692の孔H1を移動させるので、メダル返却ボタン133の押下に応じて移動する押下棒133aが孔H1を通過することができず、よってメダル返却装置67を押下することができない。この結果、スロットマシン100のメダル通路上に不正機器を設置し、当該不正機器を用いて不正行為を行ったとしても、メダル投入異常に関するエラーが検知されたときは、当該不正機器をメダル返却ボタン133の操作で機外に排出することができないので、スロットマシン100の内部に不正機器を設置して行う不正行為を抑止することができる。
また、本実施形態においては、メダル返却阻止ユニット69が取付基板64の外側(メダル返却ボタン133側)で押下棒133aの押圧を受け止める構成を採用しているので、かなり強い力でメダル返却ボタン133を押下されても、押下棒133aの動作を阻止することができる。
尚、本実施形態においては、メダル返却阻止ユニット69として、電磁ソレノイドを用いたが、本発明は、電磁ソレノイドを用いるメダル返却阻止ユニット69に限定されるものではなく、メダル投入異常のエラー時にメダル返却ボタン133を操作しても、メダル返却装置67を回動させない機能を実現できるのであれば、何であってもよい。
また、本実施形態のメダルセレクタ6では、メダル返却ボタン133操作時のメダル返却方式として、メダル返却装置67の先端部675が回動して、通路上のメダルに接触し、メダルを落下させる方式を採用したが、これ以外の方式のメダル返却装置(例えば、通路が移動して、メダルを落下させる方式など)であっても、メダル返却阻止ユニット69は、メダル返却ボタン133の押下を阻止する構成となっているので、適用可能である。
また、本実施形態においては、メダル返却ブロッカ692が押下棒133aの動作範囲に突出して、押下棒133aの移動を阻止していたが、この他の方法、例えば、押下棒133aを挟むような機構を備えて、押下棒133aの移動を阻止するようにしてもよい。
さらには、本実施形態においては、メダル返却ボタン133と押下棒133aが物理的に連結されていたが、本発明としては物理的に連結されていなくてもよい。つまり、メダル返却ボタン133と押下棒133aが物理的に連結されていなくても、メダル返却ボタン133の押下に応じて電気信号を発生させ、当該電気信号に従って押下棒133aを動作させるように構成し、メダル投入異常に関するエラーが検知されたときは、メダル返却ボタン133が押下されても、当該電気信号を発生させず、押下棒133aを動作させないようにしてもよい。
[第2実施形態]
図16乃至図19は、第2実施形態のメダルセレクタ6Aの構成を示している。図16はメダルセレクタ6Aの組立斜視図、図17はメダルセレクタ6Aの分解斜視図である。図18はメダルセレクタ6Aとメダル返却ボタン133の位置関係を示す図、図19は、メダル返却阻止ユニット69Aの動作を示す図である。尚、本実施形態に係るスロットマシンの構成(メダルセレクタ以外の構成)及び動作は第1実施形態と同じであるので、説明を省略する。また、本実施形態においては、第1実施形態と異なる構成及び機能のみ説明し、その他の構成及び機能に関しては同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
メダルセレクタ6Aは、第1実施形態と同様に、メダル投入異常に関するエラーが生じたときに、メダル返却制限を行うメダルセレクタである。しかしながら、メダルセレクタ6Aは、第1実施形態とは異なり、メダル返却阻止ユニット69の代わりにロータリーソレノイドを有するメダル返却阻止ユニット69Aを備えており、このメダル返却阻止ユニット69Aにより、メダル返却制限機能を実現している。
メダル返却阻止ユニット69Aは、図16及び図17に示すように、取付基板64に備え付けられており、メダル投入異常に関するエラーが生じたときには、メダル返却装置67の回動を阻止するようになっている。
メダル返却阻止ユニット69Aのメダル返却制限機能を説明する前に、まず、図18を参照して、メダル返却阻止ユニット69Aを備えたメダルセレクタ6と、メダル返却ボタン133の位置関係について説明し、通常時(メダル投入異常に関するエラーが発生していないとき)のメダルセレクタ6のメダル返却動作について説明する。ここで、図18(a)は、メダルセレクタ6A及びメダル返却ボタン133を上から見た図、図18(b)は、図18(a)におけるA−A断面図である。
図18(a)に示すように、メダル返却ボタン133に接続された押下棒133aは、メダル返却ボタン133が押下されると、前面扉102に対して垂直かつ本体内部に向かう方向(B方向)に移動するように備え付けられている。一方、メダル返却装置67の受圧部671は、前面扉102に対して平行となるように設置されている。このため、メダル返却ボタン133の操作があると、押下棒133aが、メダル返却ボタン133の操作に応じて、B方向に移動し、メダル返却装置67の受圧部671を垂直に押下する。この結果、メダル返却ボタン133の操作に連動して、メダル返却装置67が回動し、メダル返却装置67の先端部675がメダル選別開口611の中に突入するので、メダル通路に詰まったメダルは落下し、メダル受皿210に返却される。尚、メダル返却ボタン133内には、バネ等の弾性部材が備えられ、メダル返却ボタン133と押下棒133aは、当該弾性部材を介して接続されているので、メダル返却ボタン133を押下すると、弾性部材が収縮して、押下棒133aがB方向に移動するとともに、メダル返却ボタン133の押下を止めると(操作する者がメダル返却ボタン133から指を離すと)、弾性部材の復元力により、メダル返却ボタン133及び押下棒133aは、元の位置(押下前の位置)に戻るようになっている。
また、図18(b)に示すように、メダル返却阻止ユニット69Aは、取付基板64に備え付けられており、後述するような、メダル返却ソレノイド691Aの励磁作用に基づくメダル返却ブロッカ692Aの移動により、押下棒133aに押下されたメダル返却装置67の回動を妨げることが可能となっている
次に、図19を参照して、メダル投入異常に関するエラーが発生しているときのメダルセレクタ6Aのメダル返却動作、すなわち、メダル返却阻止ユニット69Aのメダル返却制限機能について説明する。ここで、図19(a)は、メダル返却阻止ユニット69Aのメダル返却ソレノイド691Aが励磁されていない状態、図19(b)は、メダル返却阻止ユニット69Aのメダル返却ソレノイド691Aが励磁されている状態を示している。
図19に示すように、メダル返却ソレノイド691Aはロータリーソレノイドであり、励磁があると、所定の角度、阻止片であるメダル返却ブロッカ692Aを回転させるようになっている。つまり、メダル投入異常に関するエラーが発生して、メダル返却ソレノイド691Aが励磁されると、メダル返却ブロッカ692Aが上から下に反時計周りに所定の角度回転し、メダル返却ブロッカ692Aがメダル返却装置67の直線プレート672の前方に突出するので、直線プレート672の回動を阻止するようになっている。このため、この状態でメダル返却ボタン133の操作がされても、メダル返却装置67は回動することができず、通路上のメダルは落下しない。勿論、不正機器によるメダル投入異常のエラーの場合であっても、当該不正機器は落下しない。
従って、本実施形態のメダルセレクタ6Aによれば、メダル返却阻止ユニット69Aを設け、メダル投入センサ320によるメダル投入異常に関するエラーが検知されたときは、メダル返却ソレノイド691Aの励磁により、メダル返却ブロッカ692Aを回転させ、メダル返却ブロッカ692Aがメダル返却装置67の直線プレート672の動作を阻止するので、メダル返却ボタン133が押下されても、メダル返却装置67を回動させることができない。この結果、スロットマシン100のメダル通路上に不正機器を設置し、当該不正機器を用いて不正行為を行ったとしても、メダル投入異常に関するエラーが検知されたときは、当該不正機器をメダル返却ボタン133の操作で機外に排出することができないので、スロットマシン100の内部に不正機器を設置して行う不正行為を抑止することができる。
尚、本実施形態では、メダル返却ソレノイド691Aとして、ロータリーソレノイドを用いたが、これに限定されず、メダル返却装置67の直線プレート672の動きを阻止できるのであれば、他のソレノイド(例えば、直線ソレノイド)でもよい。
[その他実施形態]
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、本発明の実施の形態に対して種々の変形や変更を施すことができる。例えば、上記実施形態においては、メダルセレクタにメダル返却阻止ユニットを設けてきたが、本発明はこれに限定されず、メダルセレクタとメダル払出口155の間の通路にメダル返却阻止ユニットを設けて、メダル(不正機器)が外部に排出されるのを阻止するようにしてもよい。
図20は、メダルセレクタとメダル払出口155の間の通路に設けたメダル返却阻止ユニットの一例を示している。図20に示すメダル返却阻止ユニット69Bは、メダル返却ソレノイド691Bとメダル返却ブロッカ692Bから構成されており、通路Rの外側に設けられている。そして、メダル返却阻止ユニット69Bは、通路Rの幅が狭くなっている領域において、メダル返却ブロッカ692Bの先端が通路R内に突出するように構成されている。すなわち、メダル投入センサ320の検知信号に基づいて、主制御部300がメダル返却ソレノイド691Bの励磁及び非励磁を制御することにより、メダル返却ブロッカ692Bの先端が通路R内に突出するようになっている。より詳しくは、通常時(メダル投入異常に関するエラーが発生していないとき)には、メダル返却ソレノイド691Bを励磁しているので、メダル返却ブロッカ692Bの先端が通路Rに突出しない状態に制御され(図20(a)参照)、メダル投入異常に関するエラーが発生したときは、メダル返却ソレノイド691Bを励磁しないので、メダル返却ブロッカ692Bの先端が通路R内に突出するようになっている(図20(b)参照)。この結果、メダル投入異常に関するエラーが発生したときには、通路Rは遮断され、閉じた状態になるので、メダル返却ボタン133の操作があっても、メダル(又は不正機器)は通路R内に閉じ込められる。従って、この場合においても、メダル(又は不正機器)はメダル受皿210に返却されない。
また、図21は、メダル投入センサ320の近傍に設けたメダル返却阻止ユニットの一例を示している。図21に示すメダル返却阻止ユニット69Cは、メダル返却ソレノイド691C(直線ソレノイド)とメダル返却ブロッカ692Cから構成されており、メダル投入センサ320近傍に設けられている。図21(a)に示すように、通常時においては、メダル返却ソレノイドは励磁されていないので、メダル返却ブロッカ692Cはメダル通路上に突出しておらず、メダルはメダル通路上を移動可能である。これに対して、図21(b)に示すように、メダル投入センサ320により、メダル投入異常に関するエラーが検知されたときには、メダル返却ソレノイド691Cが励磁されて、メダル返却ブロッカ692Cがメダル通路上に突出するので、メダル又は不正機器MAは、メダル通路上で固定される。従って、メダル投入異常に関するエラーが発生したときに、メダル返却ボタン133の操作があっても、メダル(又は不正機器MA)はメダル受皿210に返却されない。
尚、図21に示す一例では、メダル投入異常に関するエラーが発生したときに、メダル(又は不正機器MA)をメダル通路上に固定する装置として、電磁ソレノイドを用いたが、他の装置であってもよく、例えば、メダル投入異常に関するエラーが発生したときには、接着剤を吹き付けて、不正機器MAをメダル通路上に固定させるような接着剤吹き付け装置であってもよい。
また、図22は、メダル投入センサ320の近傍に設けたメダル返却阻止ユニットの他の一例を示している。図22に示すメダル返却阻止ユニット69Dは、具体的には、磁力発生装置であり、メダル投入センサ320近傍に設けられている。そして、メダル返却阻止ユニット69Dは、メダル投入異常に関するエラーが発生したときは、磁力を発生するので、鉄を含む金属であれば引き寄せて捕らえることができるようになっている。これにより、正規のメダルを捕らえることなく(メダルMは鉄製でないため、磁力発生装置に付かない)、不正機器MAだけを捕らえることができる。この結果、メダル投入異常に関するエラーが発生したときに、メダル返却ボタン133の操作があっても、不正機器MAはメダル受皿210に返却されない。
さらには、メダル返却阻止ユニットは、必ずしも駆動装置でなくてもよく、動力を用いないより簡易な構成であってもよい。図23は駆動装置を用いないメダル返却阻止ユニットの一例を示している。図23に示すメダル返却阻止ユニット69Eは、メダルセレクタとメダル払出口155を結ぶシュート106の出口に設けられ、出口の幅をほぼメダルの幅と同じくらいに狭めて構成したものである。これにより、メダルはメダル返却阻止ユニット69E通過することができるが、不正機器は通過することができない。すなわち、不正機器をメダル通路内に設置して、不正行為後、不正機器をメダル返却ボタン133の操作により機外に排出しようとしても、不正機器はシュート106の出口を通ることができない。ここで、シュート106の出口近傍に設けられた監視用の透明アクリル窓107は、店員がシュート106内を確認するための窓であり、この透明アクリル窓107を介して不正機器の存在を確認することができる。
尚、図23に示す一例では、駆動装置を用いないメダル返却阻止ユニット69Eをシュート106の出口に設置したが、これ以外の場所に設置してもよいのは勿論である。例えば、メダル払出口155の近傍に設け、不正機器をメダル払出口155の直前で捉えられる構成としてもよい。
また、上述した種々のメダルセレクタは、スロットマシンに組み込まれた状態で流通される他、メダルセレクタ単体での流通も可能であり、さらにこの場合、上述したメダルセレクタに限定されるものではなく、単体で本発明のメダル返却制限機能を実施可能なメダルセレクタとしてもよい。すなわち、この単体で本発明のメダル返却制限機能を実施可能なメダルセレクタは、第1実施形態のメダルセレクタ6にマイクロコンピュータを加えた構成であって、メダル投入センサ320が、メダル通路を通過するメダルを検出すると、マイクロコンピュータが、メダル投入センサ320からの信号を受けて、メダルの通過態様からメダル投入に関するエラーを判定し、この判定において、メダル投入に関するエラーが検出されたときは、マイクロコンピュータが、メダル返却阻止ユニット69を動作させて、通路上のメダルを通路外へ排出するメダル排出機構(メダル返却ボタン133)のメダル排出動作を阻止するように制御するとともに、外部リセットスイッチか押下されて、外部リセットスイッチセンサ328からの信号を受けたときは、マイクロコンピュータが、検出されたエラーをリセットして、メダル排出機構(メダル返却ボタン133)のメダル排出動作を可能とするように制御するメダルセレクタであってもよい。