以下、本発明に係る遊技機の実施形態について、図面を参照して説明する。
[遊技機の構成]
まず、本実施形態に係る遊技機1の構成について説明する。図1は本実施形態に係る遊技機1の外観図で、図2は前面ドア2の内部構成図で、図3は遊技機1の内部構成図である。
本実施形態に係る遊技機1は、図1〜図3に示すように、箱状のキャビネット1aと、このキャビネット1aの前部に形成した開口を開閉する前面ドア2とを備える。遊技機1の上部には、左右対称位置にスピーカ6L,6Rが設けられており、これらのスピーカ6L,6Rは、遊技時の演出に関する効果音や音声などによる演出音を出力するように構成されている。
また、遊技機1の前面部には、略垂直面をなすパネル表示部2a及び液晶表示部2bが設けられている。パネル表示部2aには、リール表示窓4L,4C,4Rが設けられ、このリール表示窓4L,4C,4Rには、水平方向にトップライン5b、センターライン5c及びボトムライン5dの表示ラインが設けられ、斜め方向にクロスアップライン5a及びクロスダウンライン5eの表示ラインが設けられる。
後述するように、遊技者がメダル投入口12に1枚又は2枚のメダルを投入した場合には、それぞれ1本(センターライン5c)又は3本(トップライン5b、センターライン5c及びボトムライン5d)の表示ラインが有効となる。また、遊技者が3−BETボタン15を押下操作するか又は遊技者がメダル投入口12に3枚のメダルを投入すると、5本の各ライン5a〜5eが有効となる。なお、これら各ライン5a〜5eは役の成否に関わる。また、液晶表示部2bは、パチスロ遊技時の各種演出や待機時のデモ表示などを行う。
キャビネット1aの内部には、図3及び図7に示すように、複数種類の図柄が各々の外周面に描かれた3個のリール3L,3C,3Rが回転自在に横一列に設けられており、各リール3L,3C,3Rは、一定の速度(例えば、80回転/分)で回転する。各リール3L,3C,3Rは、リール表示窓4L,4C,4Rから目視することができ、各リール3L,3C,3Rが回転中であり、停止ボタン18L,18C,18Rが押下操作可能である場合には、遊技者がリール3L,3C,3R上の図柄を視認できるように透過状態となる。
また、パネル表示部2a及び液晶表示部2bの下方には、略水平面をなす台座部11が設けられている。この台座部11の右側には、メダルを投入するためのメダル投入口12が設けられており、このメダル投入口12に投入されたメダルは、クレジットされるか又はゲームに賭けられる。
メダル投入口12は、図2に示すメダルセレクタ100に接続されており、このメダルセレクタ100によりメダル投入口12から投入されたメダルが正規メダルか不正メダルであるかをメダルの大きさや磁気特性などにより判別することができる。また、メダル投入口12の近傍にあるメダル返却ボタン12aを押下することにより、例えば、メダルセレクタ100内で詰まったメダルなどをメダル払出口20から返却させることができる。
なお、メダルセレクタ100の詳細は後述する。
また、台座部11の左側には、図1に示すように、クレジットされているメダルを賭けるための1枚賭け用の1−BETボタン13と、2枚賭け用の2−BETボタン14と、3枚賭け用の3−BETボタン15とが設けられている。3−BETボタン15は、所謂MAX−BETボタンであり、1回の押下操作によりクレジットされたメダルから1ゲームに賭け得る最大枚数のメダル(通常は3枚)が賭けられる。これらの1−BETボタン13,2−BETボタン14,3−BETボタン15を押下操作するか若しくは3枚のメダルがメダル投入口12に投入されると、所定のライン5a〜5eが有効化される。
台座部11の前面部の左寄りには、遊技者がゲームで獲得したメダルをクレジットするか、クレジットしたメダルを払い出すかを押下操作で切り換える精算(C/P)ボタン16が設けられている。所定枚数のメダルがクレジットされた状態で精算ボタン16が押下されると、クレジットが無効化され該クレジットされた枚数分のメダルが正面下部に開口したメダル払出口20からメダル受け部19に投出される。また、クレジットが無効化された状態でこの精算ボタン16が押下されると、クレジットが有効となる。この精算ボタン16の右側には、遊技者の操作によりリール3L〜3Rを回転駆動させるスタートレバー17が所定の角度範囲で回動自在に取り付けられている。
台座部11の前面部中央で、スタートレバー17の右側には、3個のリール3L,3C,3Rの回転をそれぞれ停止させるための3個の停止ボタン18L,18C,18Rが設けられている。なお、1ゲーム(単位遊技)は、スタートレバー17が操作されることによって開始され、全てのリール3L,3C,3Rが停止したときに終了する。
また、パネル表示部2aには、ボーナス回数表示部8、BETランプ7a〜7c、クレジット表示部9及び払出枚数表示部10からなる表示部が設けられている。ボーナス回数表示部8は、7セグメントLEDにより形成されておりボーナス中の遊技情報を表示する。
BETランプ7a〜7cは、1ゲームを行うために賭けられたメダル数(以下「BET数」と言う)に応じて点灯するランプであり、具体的には、1−BETランプ7aはBET数が1の時に点灯し、2−BETランプ7bはBET数が2以上である場合に点灯し、3−BETランプ7cはBET数が3以上である場合に点灯する。
また、クレジット表示部9及び払出枚数表示部10は、それぞれ7セグメントのLEDにより形成され、クレジット表示部9にはクレジットされている残メダル枚数が表示される。ここで、通常は、パチスロ機1にクレジットされる最大枚数は50枚であるので、このクレジット表示部9に表示されるクレジット枚数は50以下となる。なお、最大枚数の50枚のメダルがクレジットされている状態で、メダルを投入してもそのまま払い出される。また、払出枚数表示部10には入賞が成立した時のメダル払出枚数が表示される。
図2に示すように、前面ドア2の片側(図2の左側)には、メダルセレクタ100と、このメダルセレクタ100の下流端に接続されたキャンセルシュート150が設けられている。メダルセレクタ100は、メダル投入口12から投入されたメダルが、メダルセレクタ100の内部に形成されたメダル通路を通過する際に、メダルの真偽を判別し、正規メダルと判別されたメダルを第1メダルセンサ120により検出するとともに(図6のメダルM1参照)、メダルセレクタ100の出口部115に接続しているメダル排出ガイド130に案内されてメダルホッパー21(図3)に貯留される。なお、本実施形態(実施例1〜3)では、メダルセレクタ100は、遊技媒体であるメダルを検出する遊技媒体検出部を構成するとともに、第1メダルセンサ120は投入されたメダルである遊技媒体を検出する第1遊技媒体検出手段を構成する。
なお、メダル排出ガイド130の詳細は後述する。
一方、メダルセレクタ100により不正メダルと判別されたメダルは、メダルセレクタ100の下方に設けたキャンセルシュータ140を通じて(図6のメダルM2参照)、キャンセルシュート150の内部に落下させる機能を備えている。
キャンセルシュート150は、キャンセルシュータ140を通じて落下したメダルをメダル払出口20から排出し返却する機能を備えている。また、このキャンセルシュート150は、メダルホッパー21から払い出されたメダルをメダル払出口20からメダル受け部19に払い出す機能を備えている。図3に示すように、キャビネット1aの内部に設けられたリールユニット3の下側にはメダルホッパー21が設置されている。
メダルホッパー21は、メダルを貯留するホッパータンク21aと、このホッパータンク21aに貯留されたメダルを排出するホッパー本体22とから構成される。このホッパー本体22の内部には、メダル排出機構(図示せず)が設けられており、パチスロ遊技による遊技結果(入賞役)に応じて払い出されるメダルを、排出ノズル23を通じてキャンセルシュート150に排出するように構成されている。前述したように、ホッパー本体22の排出ノズル23から排出されたメダルは、キャンセルシュート150から前面ドア2の下方部に開口したメダル払出口20を介して、メダル受け部19に払い出される。
また、キャビネット1aの底部の左側には、パチスロ機1のキャビネット1a内に装着された各部品に電力を供給する電源部24が設けられている。
(リールの構成)
図7は、各リール3L,3C,3Rの外周面上に表わされた複数種類の図柄が21個配列された図柄列を示している。各図柄には「00」〜「20」のコードナンバーが付されている。各図柄とコードナンバーとの対応関係の情報は、図柄配置テーブル(図示せず)として後述のROM32に格納されている。コードナンバーは、リール3L,3C,3Rの外周面上における図柄の位置を識別するための情報である。
各リール3L,3C,3R上には、「赤7(図柄91)」、「BAR(図柄92)」、「ベル(図柄93)」、「スイカ(図柄94)」、「チェリー(図柄95)」、「リプレイ(図柄96)」、及び「ブランク(図柄97)」の図柄で構成される図柄列が表わされている。各リール3L,3C,3Rは、図柄列が図6の矢印方向に移動するように回転する。
(内部当選役及び遊技状態)
本実施形態では、内部抽選役として、BB1、BB2、チェリー、ベル、スイカ、リプレイ、及びハズレが設けられている。BB1及びBB2を総称して、以下「BB(ビッグボーナス)」という。また、チェリー、ベル、及びスイカを総称して、以下「小役」という。
本実施形態の遊技状態は、基本的に、一般遊技状態と、ボーナスゲームであるレギュラーボーナスゲームを構成するレギュラーボーナス遊技状態(以下「RB遊技状態」と略記する)とがある。遊技状態は、内部抽選役を決定するための後述の内部抽選処理において決定される可能性のある内部抽選役の種類、後述の内部抽選処理において内部抽選役が決定される確率、最大の滑り駒数、及びボーナスゲームの作動が行われているか否か等により区別される状態である。
一般遊技状態は、遊技に賭けられた単位遊技価値(例えば、一のゲームを行うために消費されたメダル1枚)に対して遊技者に付与される遊技価値の期待値が「1」よりも小さい遊技状態であり、遊技者にとってみれば、不利な遊技状態である。
一般遊技状態では、後述の内部抽選処理において内部抽選役としてBBが決定された場合に、BBに対応する図柄の組合せ(即ち、「赤7−赤7−赤7」又は「BAR−BAR−BAR」)が有効ラインに沿って表示されることが一又は複数のゲームにわたり許容されることがある。
ここで、BBに対応する図柄の組合せが有効ラインに沿って表示された場合には、複数のレギュラーボーナスゲームで構成されるビッグボーナスゲームが開始(作動)する。このビッグボーナスゲームは、払い出されたメダルの枚数(以下「払出可能枚数」という)が所定の枚数(例えば、350枚)を超えることを条件として終了する。
RB遊技状態は、遊技に賭けられた単位遊技価値に対して遊技者に付与される遊技価値の期待値が「1」よりも大きい遊技状態であり、遊技者にとってみれば、有利な遊技状態である。このRB遊技状態は、RB作動中フラグのオン又はオフにより識別できる。
また、RB遊技状態は、BB作動中フラグがオンであることを条件として開始する。このRB遊技状態は、RB遊技状態において行うことが可能な単位遊技の回数(以下「遊技可能回数」という)が0回となる、又はRB遊技状態において行うことが可能な入賞回数(以下「入賞可能回数」という)が0回となることを条件として終了する。
[メダルセレクタの構成]
図4及び図5は、それぞれ後述する実施例1及び実施例2に係るメダルセレクタ100及びメダル排出ガイド130の構成図で、図6はキャンセルシュータ140を省略したメダルセレクタ100の構成図である。なお、本実施形態(実施例1〜3)では、メダル排出ガイド130は、遊技媒体であるメダルを排出する遊技媒体排出部を構成する。
図4〜図6に示すように、メダルセレクタ100は、メダルセレクタ100本体の外枠筐体を構成するコ字型に成型されたベース板部110と、メダル入口部112と、メダルレール111と、セレクトプレート113と、メダルプッシャ114と、第1メダルセンサ120と、不正メダルと判別されたメダルを排出するキャンセルシュータ140(図4)と、メダル出口部115とにより構成されている。
なお、このメダルセレクタ100の下方には、不正メダルと判別されたメダル及びメダルホッパー21から排出されるメダルをメダル払出口20に払い出すキャンセルシュート150(図2)が接続されている。
また、図4及び図5に示すように、ベース板部110にはメダルセレクタ100のメダル出口部115より排出されたメダルを、メダルホッパー21(図3)に案内する案内通路130cを有するメダル排出ガイド130が接続固定されている。
ベース板部110の上流端には、メダル投入口12から投入されるメダルを受け入れるメダル入口部112が設けられ、このメダル入口部112からメダルセレクタ100内に投入されたメダルは、メダルレール111に沿って下流端に向けて案内される。また、メダルレール111の略中間位置には、正規の大きさのメダルをメダルレール111の下流にガイドするセレクトプレート113が配置されている。また、このセレクトプレート113が配置されている部分のメダルレール111の表面位置には、通過するメダルにより下方に押し込まれるメダルプッシャ114が配置されている。
これらセレクトプレート113及びメダルプッシャ114は、投入されたメダルが正規の規格寸法よりも小さいと、そのメダルをセレクトプレート113で案内することなく、メダルプッシャ114によってキャンセルシュータ140に押し出す構成となっている(図6のメダルM2参照)。また、投入されたメダルが適正なメダル(正規メダル)の場合、メダルは、セレクトプレート113に沿って案内され(図6のメダルM1参照)、メダルプレッシャ114を押し込みながら、メダルレール111の下流側に案内される。
通常、セレクトプレート113は、メダルのガイド位置に位置付けされているが、所定の条件下(例えば、規定枚数のメダル投入時、エラー発生時、遊技開始時など)では、セレクトプレート113は、メダルの排出位置に移動し、メダル投入口21から投入されたメダルを強制的にキャンセルシュータ140に排出する。また、メダルレール111には磁石が配置されており(図示せず)、この磁石に吸着したメダルは、規格外のメダル(不正メダル)として、キャンセルシュータ140に排出される。
また、メダルレール111の下流側には、図6に示すように、2つのメダル検出センサ(例えば、ダブル反射型フォトセンサ)120a、120bからなる第1メダルセンサ120が配設されており、この第1メダルセンサ120により、メダルセレクタ100のメダルレール111上を通過するメダルの枚数及びメダル詰まりや不正操作などの異常動作を検出する。第1メダルセンサ120を通過したメダルは、メダル出口部115からメダル排出ガイド130に排出され、メダル排出ガイド130をとおってメダルホッパー21に貯留される。
以上説明したように、メダルセレクタ100は、メダルの真偽を判別するとともに、正規メダルと判別したメダルを第1メダルセンサ120により検出してメダル枚数をカウントし、メダル排出ガイド130を介してメダルホッパー21に排出する機能及び不正メダルと判別したメダルをキャンセルシュータ140からキャンセルシュート150を通じてメダル払出口20から返却する機能を備えている。
[メダル排出ガイド(遊技媒体排出部)]
以下本発明に係るメダル排出ガイド130の実施例1〜実施例3について、図4、図5、図8及び図9を参照して説明する。
(実施例1)
実施例1に係るメダル排出ガイド130について、図4及び図8を参照して説明する。
<構成>
実施例1に係るメダル排出ガイド130は、図4に示すように、メダルセレクタ100のベース板部110に固定又は一体成形により接続される。メダル排出ガイド130は、下方に湾曲傾斜した形状で、メダル排出ガイド130の外壁130aと内壁130bの間に凹部状の案内通路130cが形成されている。
メダル排出ガイド130の入口側はメダルセレクタ100のメダル出口部115に連通し、出口側はメダルホッパー21の上方に位置するように配置される。
凹部状の案内通路130cの幅は、メダルセレクタ100から排出されたメダルがスムースに通過できるようにメダルの幅よりも大きな幅に設計されており、また、外壁130aと内壁130bの高さもメダルが案内通路130cから逸脱しない高さに設計されている。
このメダル排出ガイド130の内壁130bにはメダルの通過を検出する反射型又は透過型の光学センサからなる第2メダルセンサ132が設けられている。なお、本実施形態(実施例1〜3)では、第2メダルセンサ132はメダル排出ガイドから排出されたメダルである遊技媒体を検出する第2遊技媒体検出手段を構成する。
本実施形態では、第2メダルセンサ132は、その検出光が案内通路130cを通過するメダルの中心部に入射するような高さ位置に設けられている。
なお、図4の例では、第2メダルセンサ132を案内通路132cの出口側に設けた例を示しているが、これに限定されず、中央部また入口側に設けてもよい。また、第2メダルセンサ132を内壁130bの代わりに外壁130aに設けてもよい。
<作用>
上記のように構成された実施例1に係るメダル排出ガイド130において、メダルセレクタ100のメダル出口部115から排出されたメダルは、メダル排出ガイド130の入口側から下方に湾曲傾斜した凹部状の案内通路130cを通り、最終的に出口側からメダルホッパー21に排出される。
メダルがメダル排出ガイド130の案内通路130cを通過する過程で、第2メダルセンサ132はメダルの通過を検出する。
本実施例1では、第2メダルセンサ132は、図8に示すように、メダルを検出している状態ではオン信号を出力し、非検知状態ではオフ信号を出力する。
ところで、上述したように案内通路130cの幅はメダルの厚みよりも大きく、また、案内通路130は図4の通り湾曲しているため、メダルが複数枚重なって通過する可能性がある。そのため、本実施例1に係る第2メダルセンサ132は、メダルが単独で通過する場合でだけではなく、2枚又は3枚重なって第2メダルセンサ132を通過する場合でも、通過するメダルの枚数を計数可能としている。
以下、本実施例1におけるメダル排出ガイド130の案内通路130cを通過するメダルの計数手法を図8(a)〜(c)を用いて説明する。なお、以下の説明では、メダルが2枚重なって通過する例を説明するが、3枚以上重なった場合でも計数可能である。
図8(a)はメダルが単独で通過する場合、図8(b)はメダルが重なって通過する場合(重なり度低)、図8(c)は同じくメダルが重なって通過する場合(重なり度高)のメダルの模式図及び第2メダルセンサ132のオンオフ出力図で、中央の破線は第2メダルセンサ132の検出光がメダルに入射する位置を示しており、本実施例1では検出光がメダルの略中央部に入射している。
なお、前提条件として、各メダルは案内通路130cの第2メダルセンサ132を通過する際に同速度で移動していくものとする。また、1枚(単独)のメダルが第2メダルセンサ132を通過する時間を単位検出継続時間とした場合に、その時間は約33〜34m秒であることが実験的に確認されている。
(1)単独通過の例
図8(a)に示すように、第2メダルセンサ132はメダルの略中央部に検出光を出射するので、オン状態はメダルの直径部分が通過するまで継続する。
また、本実施例1では、制御素子の簡素化及び制御負担の軽減化のために、第2メダルセンサ132がオフ状態からオン状態になった段階で、メダルの枚数を1枚とカウントするが、これに限定されず、例えば、オン継続時間が単位検出継続時間の0.8倍以上〜1.3倍未満の場合に1枚とカウントしてもよい。
(2)重なり通過の例(重なり度高及び重なり度低)
図8(b)、(c)に示すように、(1)の単独通過の場合(単位検出継続時間)よりも長い時間オン状態が継続する。
本実施例1では、オン継続時間が約42.5m秒となった場合(単位検出継続時間の約1.3倍)、メダル通過枚数を2枚とカウントする。
以下、同様な手法で3枚以上重なって通過するメダルの枚数を計数することが可能である。しかしながら、重なり度が高い場合、例えば、3枚のメダルを2枚に誤計数する可能性があるが、このような誤計数は発生頻度が少ないと考えられるので、計数誤差として処理する。
また、オン継続時間が一定時間以上となった場合(例えば、オン継続時間が100m秒以上の時)は、メダルの詰まりが発生したものとして処理することも可能である。
なお、本実施例1では、第2メダルセンサ132のオン、オフ検出継続時間の検出に、タイマを用いずに、主制御回路71の定期割込処理時間を利用している。これにより、部品点数の削減と制御負担の軽減化を図ることができる。この、主制御回路71が行う具体的な計数処理フローの詳細は後述する(図15)。
<効果>
このように、本実施例1によれば、第2メダルセンサ132のオン継続時間を計測解析することで、メダルの1枚通過又は複数枚通過を判別することが可能となるため、メダル枚数を精度よく計数することができる。また、継続時間の計数に新規のタイマ装置等を用意することなく、既存の主制御回路による定期割込処理を利用するため、部品点数の削減と制御負担の軽減化を図ることができる。
(実施例2)
実施例2に係るメダル排出ガイド130について、図5及び図9を参照して説明する。
<構成>
本実施例2では、誤計数を少なくするために、図5に示すように、二つの第2メダルセンサ132a、132bを案内通路の内壁130bの高さ方向に設けている。
二つの第2メダルセンサは、内壁130bの高さ方向に所定間隔をおいて配列され、第2メダルセンサ132aは、その検出光がメダルを略中央部に入射するように、第2メダルセンサ132bは、その検出光がメダルの上部に入射するよう内壁130bに設けられる。なお、本実施形態(実施例2)では、第2メダルセンサ132a,132bはメダル排出ガイドから排出されたメダルである遊技媒体を検出する第2遊技媒体検出手段の複数の検出デバイスを構成する。
<作用>
上記のように構成された実施例2における、二つの第2メダルセンサ132a、132bのオンオフ出力図を図9(a)〜(c)に示す。
第2メダルセンサ132aのオンオフ図は実施例1と同様であるが、第2メダルセンサ132bは、メダルの重なり度が高い場合、図9(b)に示すように、オン継続時間が132aよりも短い。また、メダルの重なり度が低い場合、メダルの上部ではメダル間でオフ状態が発生するため、図9(c)に示すようなオンオフ図となる。
したがって、第2メダルセンサ132aと132bのオンオフ継続時間を比較処理することで、メダル通過枚数をより正確に計数することが可能となる。すなわち、第2メダルセンサ132bを追加したことで、2枚又は3枚以上のメダルの重なりを的確に判別して計数することが可能となる。
このように、実施例2では、メダルが2枚以上重なって通過するメダルの枚数を2つの第2メダルセンサ132aと132bを用いることにより、より正確に計数することができる。
なお、上記説明では、第2メダルセンサ132bの検出光がメダルの上部に入射するように第2メダルセンサ132bを配置した例を説明したが、メダルの下部に入射するように配置してもよく、また、第2メダルセンサ132bを上部及び下部の両方に入射するように複数配置してもよい。
<効果>
このように、本実施例2によれば、複数の第2メダルセンサ132a、132bのオン継続時間を計測解析することで、メダルの1枚通過又は複数枚通過をより確実に判別することが可能となるため、メダル枚数を高精度で計数することができる。また、継続時間の計数に新規のタイマ装置等を用意することなく、既存の主制御回路による定期割込処理を利用するため、部品点数の削減と制御負担の軽減化を図ることができる。
(実施例3)
上述した実施例1及び実施例2で説明した手法に基づいて第2メダルセンサ132によりメダル排出ガイド130を通過するメダル枚数を計数するが、本実施例3では、実施例1で説明した手法に基づいて、第2メダルセンサ132で検知する計数値と第1メダルセンサ120で検知する計数値との比較処理により、不正行為やメダル詰まりの有無を判定するメダル枚数チェック処理について説明する。
本実施例3のメダル枚数チェック処理では、制御負担の軽減を図るために、メダルセレクタ100に設けられた第1メダルセンサ120で検出し第1メダルカウンタで計数したメダル枚数を3つの範囲に分割、すなわち、1〜4枚、5〜14枚、15枚以上の3つの範囲に分割して、それぞれ許容差枚数(本実施例3では、0枚、2枚、3枚)を規定している。
そして、各範囲において、第2メダルセンサ132で検知し第2メダルカウンタで計数されたメダル枚数と比較し、その差が許容差枚数以下であれば、正常と判定し、許容差枚数を超えれば不正行為又はメダル詰まり等の異常が発生していると判定し、エラー処理を実行する。
本実施例3によれば、第2メダルセンサ132でメダルの単独通過や重なり通過を判別してメダルの枚数を計数するので、メダル排出ガイド130を通過するメダル枚数をより高精度で計数することができる。そのため、異常の有無をより的確に判定することが可能となり、誤判定や誤警報の頻度を少なくすることができる。
これにより、遊技機の信頼性や稼働率を向上させることができる。
なお、実施例3では、第1メダルセンサ120で検出し第1メダルカウンタで計数したメダル枚数を3つの範囲に分割して判定しているが、これに限定されず、分割範囲数及び許容差枚数は適宜変更可能である。また、メダル枚数を複数の範囲に分割することなく、第1メダルセンサ120で検出し第1メダルカウンタで計数した枚数の一定割合、例えば2割程度以下の枚数を許容差枚数としてもよい。
このメダル枚数チェック処理フローの詳細については後述する(図16)。
[メインCPUの構成]
図10は、遊技機1の動作を制御するメインCPU(主制御回路、制御部)71と、メインCPU71に電気的に接続する周辺装置(アクチュエータ等)と、メインCPU71から送信される制御信号に基づいて液晶表示装置160、スピーカ6L,96、LED類151及びランプ類152を制御する副制御回路72とを含む回路構成を示す。
メインCPU71は、回路基板上に配置されたマイクロコンピュータ30を主たる構成要素とし、これに乱数値の抽出を行うための回路を加えて構成されている。マイクロコンピュータ30は、CPU31、ROM32、及びRAM33を含む。
メインCPU71は、ROM32に記憶されたプログラムを実行して、ゲームの進行に関する処理を行うと共に、各アクチュエータの動作を直接的又は間接的に制御する。メインCPU71には、基準クロックパルスを発生するクロックパルス発生回路34及び分周器35と、乱数を発生するための乱数発生器36及び、発生した乱数から乱数値を抽出するためのサンプリング回路37とが接続されている。なお、メインCPU71により乱数の発生及び乱数値の抽出を実行するように構成してもよい。その場合、乱数発生器36及びサンプリング回路37は省略可能であるが、予備的に使用するために残しておくことも可能である。
ROM32は、メインCPU71が実行するプログラム(図11等)や固定的なデータを記憶する。ROM32には、例えば、抽出された乱数値に基づいて内部抽選役を決定するための内部抽選テーブル(図示せず)や停止操作に応じてリールの停止態様を決定するための表示役予想格納領域(図示せず)等が格納される。また、副制御回路72へ送信するための各種制御信号等が格納されている。なお、副制御回路72からメインCPU71へコマンドや情報等が送信されることはなく、メインCPU71から副制御回路72への一方向で通信が行われる。
RAM33は、メインCPU71がプログラムを実行する際に一時的にデータを記憶するために使用される。RAM33には、例えば、内部抽選役、現在の遊技状態の情報等が格納される。
図10において、マイクロコンピュータ30からの制御信号により動作が制御される主要なアクチュエータとしては、BETランプ(1−BETランプ7a、2−BETランプ7b、最大BETランプ7c)と、ボーナス回数表示部8、クレジット表示部9、払出枚数表示部10等の表示部と、メダルを収納し、ホッパー駆動回路41の命令により所定枚数のメダルを払出すホッパー21と、リール3L,3C,3Rを回転させるステッピングモータ49L,49C,49Rとがある。
更に、ステッピングモータ49L,49C,49Rへパルス(例えば、励磁信号)を出力することによりステッピングモータ49L,49C,49Rの回転動作を制御するモータ駆動回路39、ホッパー21の動作を制御するホッパー駆動回路41、BETランプ7a,7b,7cの点灯及び消灯を制御するランプ駆動回路45、及び表示部(即ち、ボーナスボーナス回数表示部8、クレジット表示部9、払出枚数表示部10等)による表示を制御する表示部駆動回路48がメインCPU71に接続されている。これらの駆動回路は、それぞれメインCPU71から出力される制御信号を受けて、各アクチュエータの動作を制御する。
また、マイクロコンピュータ30が制御信号を発生するためにマイクロコンピュータ30へ送信される入力信号を発生するための手段として、スタートスイッチ17S、停止スイッチ18LS,18CS,18RS、1−BETスイッチ13S、2−BETスイッチ14S、最大BETスイッチ15S、精算(C/P)スイッチ16S、リール位置検出回路50、払出完了信号回路51、第1メダルセンサ120、第2メダルセンサ132等がある。
スタートスイッチ17Sは、スタートレバー17が傾動される操作を検出し、ゲームの開始を指令するための遊技開始指令信号を出力する。停止スイッチ18LS,18CS,18RSは、対応する停止ボタン18L,18C,18Rの操作に応じて図柄の変動の停止を指令するための停止指令信号を発生する。
リール位置検出回路50は、リール3L,3C,3Rに設けられたリール回転センサからのパルスを受けて各リール3L,3C,3Rの回転位置を検出するための信号をメインCPU71へ供給する。払出完了信号回路51は、払出メダル検出部218により検出されたメダル総数(即ち、メダルホッパー21の払出機構212から払い出されたメダルの枚数)が指定された値に達した時、メダルの払出完了を検知するための信号を発生する。
メインCPU71は、第1メダルセンサ120で、上述のようにメダルセレクタ100で正常と判断されたメダル枚数を計数する。また、メインCPU71は第2メダルセンサ132で、上述のようにメダル排出ガイド130を通過するメダル枚数を計数する。
また、メインCPU71は、メダル排出ガイド130を通過するメダルを第2メダルセンサ132で検出し第2メダルカウンタで計数し、その信号により、メインCPU71は、第1メダルカウンタと第2メダルカウンタで計数されたメダル数の整合性をチェックすることにより、不正が行われたか否か、或いは、詰まり等の異常が生じたか否かをチェックする。その詳細は後述する。
図10の回路において、乱数発生器36は、一定の数値範囲に属する乱数を発生し、サンプリング回路37は、スタートレバー17が傾動される操作後の適宜のタイミングで、乱数発生器36が発生する乱数から1個の乱数値を抽出する。こうして抽出された乱数値は、RAM33に設けられた乱数値格納領域に格納され、例えばROM32内に格納されている内部抽選テーブル(図示せず)等に基づいて内部抽選役等を決定するために参照される。
リール3L,3C,3Rは、基本的に、ステッピングモータ49L,49C,49Rにパルス(即ち、励磁信号)が所定の回数(例えば、336回)出力されることにより1回転する。ステッピングモータ49L,49C,49Rの各々に出力されたパルスの数は、パルスの計数値としてRAM33の所定の領域に書き込まれる。
他方、リール3L,3C,3Rからは一回転毎にリセットパルスが得られる。このリセットパルスがリール位置検出回路50を介してメインCPU71に入力されると、RAM33に格納されるパルスの計数値が「0」に更新される。これにより、パルスの計数値は、各リール3L,3C,3Rについて一回転の範囲内における回転位置に対応したものとなる。
また、ROM32に格納されている上記図柄配置テーブルは、リール3L,3C,3Rの回転位置とリール外周面上に描かれた図柄とを対応付けるために用いられる。この図柄配置テーブルでは、リセットパルスが発生する回転位置を基準(基準位置)として、各リール3L,3C,3Rの一定の回転ピッチ毎に順次付与されるコードナンバーと、コードナンバーの各々に対応する図柄を示す情報である図柄コードとが対応付けられている。
また、ROM32内には、図柄組合せテーブル(図示せず)が格納されている。この図柄組合せテーブルは、左のリール3L,中央のリール3C,右のリール3Rの回転を停止する制御を行う際に、全リール3L,3C,3Rの停止後の表示役及び遊技者に付与される利益(例えば、メダルの払出枚数)の決定を行うために参照される。
上記乱数値の抽出に基づく後述の内部抽選処理により内部抽選役を決定した場合には、メインCPU71は、遊技者が停止ボタン18L,18C,18Rを操作したタイミングで停止スイッチ18LS,18CS,18RSから送られる入力信号、及び決定された停止テーブル(図示せず)等に基づいて、リール3L,3C,3Rの回転を停止する制御を行うための信号をモータ駆動回路39に送る。
小役に対応する図柄の組合せが有効ラインに沿って表示されれば、メインCPU71は、払出指令信号をホッパー駆動回路41に供給してメダルホッパー21の払出機構212から所定枚数のメダルの払出を行う。その際、払出完了信号回路51は、払出機構212から払出されるメダルの枚数を計数し、その計数値が指定された数に達した時に、メダル払出完了信号をメインCPU71に入力する。これにより、メインCPU71は、ホッパー駆動回路41を介して払出機構212の駆動を停止し、メダル払出処理を終了する。
また、遊技機1には、副制御回路72へ送信される入力信号を発生するための手段として、台座部11に音量を調節するため、又は遊技情報を表示させるための操作部が設けられている(図示せず)。この操作部は、遊技場の従業員や遊技者等により操作可能となっており、例えば、スピーカ6L,6Rから出力される音量の調節を行う。副制御回路72は、この操作部からの入力信号に基づいて、スピーカ6L,6Rから出力される音を送信された入力信号に応じた音量に調節する制御を行う。
[メインCPU(主制御回路)の制御フロー]
図11を参照して、メインCPU71(主制御回路)が行う制御フローについて説明する。
初めに、メインCPU71は、初期化処理を行う(S1)。具体的には、メインCPU71は、RAM33の記憶内容の初期化を行う。
続いて、メインCPU71は、RAM33における指定格納領域(例えば、内部抽選役の情報を格納するための格納領域の情報、後述するメダル通過タイマの値、第1及び第2メダルカウンタの値、等)を消去(即ち、クリア)する(S2)。具体的には、メインCPU71は、前回のゲームに使用されたRAM33の所定の領域のデータの消去等を行う。
S3では、メインCPU71は、ボーナス作動監視処理を行い、続いてS4の処理を行う。このボーナス作動監視処理では、メインCPU71は、BB作動中フラグ及びRB作動中フラグに基づいてRB遊技状態の作動を行う。BB作動中フラグは、RB遊技状態を作動するか否かを識別するための情報である。RB作動中フラグは、遊技状態がRB遊技状態であるか否かを識別するための情報である。
具体的には、メインCPU71は、BB作動中フラグがオンである場合には、RB遊技状態が終了したときにRB作動中フラグをオンに更新して、RB遊技状態が再び開始するように処理を行う。即ち、BBに対応する図柄の組合せが有効ラインに沿って表示された後は、BB作動中フラグがオフに更新されるまでRB遊技状態となる。また、メインCPU71は、遊技可能回数の初期値(例えば、12回)及び入賞可能回数の初期値(例えば、8回)をRAM33に格納する。
S4では、メインCPU71は、メダル受付・スタートチェック処理を行い、続いてS5の処理を行う。ここで、メインCPU71は、スタートスイッチ17S、第1メダルセンサ120、又はBETスイッチ13〜15からの入力(信号)に基づいて、投入枚数の情報を更新する処理、BETランプ7a〜7cを点灯又は消灯する処理、ベットコマンド及びデモコマンドを副制御回路72に送信する処理等を行う。なお、ベットコマンドを受信した副制御回路72は、投入操作時に行われる演出としての画像を液晶表示部2bに表示する制御を行う。また、デモコマンドを受信した副制御回路72は、いわゆるデモ画像を液晶表示部2bに表示する制御を行う。
S5では、メインCPU71は、乱数値を抽出し、乱数値格納領域に格納し、続いてS6の処理を行う。この処理で抽出した乱数値は、内部抽選処理(後述のS7)において使用される。
S6では、メインCPU71は、遊技状態監視処理を行い、続いてS7の処理を行う。
この遊技状態監視処理では、メインCPU71は、RB作動中フラグに基づいて、遊技状態を決定(移行)する。具体的には、メインCPU71は、RB作動中フラグがオンであるか否かを判別し、RB作動中フラグがオンであれば、RB遊技状態を示す識別子(情報)をRAM33の予め定められた格納領域に格納する。他方、RB作動中フラグがオフであれば、一般遊技状態を示す識別子(情報)をRAM33の予め定められた格納領域に格納する。
S7では、メインCPU71は、上述した内部抽選処理を行い、続いてS8の処理を行う。なお、この内部抽選処理では、メインCPU71は、遊技状態に応じた抽選回数を決定する。具体的には、遊技状態がRB遊技状態である場合には、メインCPU71は、抽選回数として「3」を決定する。
他方、遊技状態が一般遊技状態である場合には、メインCPU71は、基本的に、抽選回数として「6」を決定する。ただし、BBに対応する図柄の組合せが有効ラインに沿って表示されることが一又は複数のゲームにわたり許容される場合には、メインCPU71は、抽選回数として「4」を決定する。したがって、BBに対応する図柄の組合せが有効ラインに沿って表示されることが一又は複数のゲームにわたり許容される場合には、抽選番号として「5」又は「6」が決定されないので、BB1、又はBB2が内部抽選役として決定されることがない。
S8では、メインCPU71は、スタートコマンドを副制御回路72に送信する処理を行い、続いてS9の処理を行う。スタートコマンドは、遊技状態、内部抽選役等の情報を含み、副制御回路72に送信される。S9では、メインCPU71は、全リールの回転開始を要求し、続いてS10の処理を行う。
S10では、メインCPU71は、リール停止制御処理を行い、続いてS11の処理を行う。このリール停止制御処理では、メインCPU71は、内部抽選役や遊技者による停止操作のタイミング等に基づいてリール3L,3C,3Rの回転を停止する制御を行う。
S11では、メインCPU71は、図柄組合せテーブルに基づいて、表示役と払出枚数とを決定し、続いてS12の処理を行う。具体的には、メインCPU71は、表示窓21L,21C,21Rに表示された図柄の組合せと、図柄組合せテーブルとに基づいて表示役及び払出枚数を決定する。
S12では、メインCPU71は、表示役コマンドを副制御回路72に送信する処理を行い、続いてS13の処理を行う。この表示役コマンドは、S11で決定された表示役の情報を含む。表示役コマンドを受信した副制御回路72は、全リール3L,3C,3R停止後に行われる演出としての画像を液晶表示部2bに表示する制御を行う。
S13では、メインCPU71は、メダル排出ガイド130を通過するメダル通過枚数のチェック処理を行い、続いてS14の処理を行う。このメダル通過枚数チェック処理は、第2メダルセンサ132の検出値に基づいてメダル排出ガイド130を通過するメダルが単独で又は重なって通過しているか否かを判別して、メダル通過枚数を正確に計数するとともに、第1メダルセンサ120の計数値と比較することにより、不正行為や詰まり等の異常を判定し、必要に応じて警報を発生する。
S14では、メインCPU71は、メダル払出処理を行い、続いてS15の処理を行う。
S15では、メインCPU71は、払出枚数に基づいて、ボーナス終了枚数の情報を計数するためのボーナス終了枚数カウンタを更新し、続いてS16の処理を行う。ここで、メインCPU71は、RB作動中フラグ又はBB作動中フラグのいずれかがオンであるか否かを判別する。この判別が「YES」のときは、続いてS17の処理を行い、「NO」のときは、続いてS18の処理を行う。
S17では、メインCPU71は、ボーナス終了チェック処理を行い、続いてS18の処理を行う。
S17のボーナス終了チェック処理では、メインCPU71は、ボーナスゲームの終了条件を満たした場合にボーナスゲームを終了する。
具体的には、メインCPU71は、ボーナス終了枚数カウンタの値が「0」である場合に、RB終了時処理及びBB終了時処理を行い、入賞可能回数の情報が「0」又は遊技可能回数の情報が「0」である場合に、RB終了時処理を行う。RB終了時処理では、メインCPU71は、RB作動中フラグ、入賞可能回数の情報及び遊技可能回数の情報のクリア等を行う。BB終了時処理では、メインCPU71は、BB作動中フラグ、及びボーナス終了枚数カウンタのクリア等を行う。
S18では、メインCPU71は、ボーナス作動チェック処理を行い、続いてS2に戻る。S18のボーナス作動チェック処理では、メインCPU71は、ボーナスゲームの開始条件を満たした場合にボーナスゲームを開始する。実施例では、メインCPU71は、BBに対応する図柄の組合せ(「赤7−赤7−赤7」又は「BAR−BAR−BAR」)が有効ラインに沿って表示されたことを条件として、BB作動時処理を行う。
このBB作動時処理では、メインCPU71は、BB1又はBB2に対応するBB作動中フラグをオンに更新し、ボーナス終了枚数カウンタの初期値として予め規定した所定値(例えば、「350」)をセットする。
[メダル受付・スタートチェック処理]
メインCPU71が実施する図11のメダル受付・スタートチェック処理S4について、図12を参照して説明する。
まず、メインCPU71は、S20において、メダルの自動投入要求があるか否かを判定し、「YES」の場合はS21に進み、「NO」の場合はS28に処理を移す。
S20で自動投入要求がある場合、メインCPU71は自動投入処理を実施し、S28に処理を移す。
一方、自動投入要求がない場合は、S22でメインCPU71はメダル受付許可の処理を行い、S23に進む。
次に、メインCPUは、S23で遊技状態に応じて投入枚数の最大値を設定する処理を行い、S24に進む。
次に、メインCPU71は、S24でメダル受付許可か否かを判定し、「YES」の場合はS25に進み、「NO」の場合はS28に処理を移す。
次に、メインCPU71は、S25でメダル投入チェック処理を行う。メダル投入チェック処理では投入されたメダルを第1メダルセンサ120で検出し、検出結果をRAM33に設けられた第1メダルカウンタ(以下、「第1メダルカウンタ」と称する。)に出力しメダル枚数として格納する。次いでS26でメダル投入コマンド送信処理を行い、S27に進む。
次に、メインCPU71は、S27で、投入枚数が遊技開始可能枚数か否かを判定し、「YES」の場合はS28に進み、「NO」の場合はS29に処理を移す。
次に、メインCPU71は、S28で精算スイッチチェック処理を行い、S29に進む。
次に、メインCPU71は、S29でスタートスイッチがオンか否かを判定し、「YES」の場合は、S30に進みメダル受付禁止処理を行い、メダル受付・スタートチェック処理を終了する。
一方、「NO」の場合は、S24へ戻る。
[精算スイッチチェック処理]
メインCPU71が実施する図12のメダル受付・スタートチェック処理における精算スイッチチェック処理S28について、図13を参照して説明する。
まず、メインCPU71は、S40で精算(C/P)スイッチ16Sがオンであるか否かを判定する。
「YES」である場合は、S41に進み、「NO」である場合は精算スイッチチェック処理を終了する。
次に、CPU71は、S41でメダル払出処理を行い、S42に進む。
次に、CPU71は、S42でメダル通過枚数チェック処理を行い、その後、精算スイッチチェック処理を終了する。
[主制御回路(メインCPU)の制御による定期割込処理]
メインCPU71の制御による定期割込処理S50について、図14を参照して説明する。本実施形態では、この割込処理は1.1172m秒毎に行われる。
はじめに、メインCPU71は、レジスタの退避を行う(S51)。次に、メインCPU71は、入力ポートチェック処理を行う(S52)。この処理では、停止スイッチ18LS等の各種スイッチから入力される信号がチェックされる。
次に、メインCPU71はタイマ更新処理を行い(S53)、次いでメインCPU71は通信データ送信処理を行う(S54)。この処理では、通信データ格納処理により保存された副制御回路72への各種コマンドデータの送信を行う。
次に、メインCPU71はリール制御処理(S55)を行う。この処理では、全リールの回転開始が要求されたときに、各リール3L,3C,3Rの回転を開始し、その後一定速度での回転を行うよう、ステッピングモータ49L,49C,49Rの駆動が制御される。また、滑り駒数が決定されたときは、該当するリールの図柄カウンタが滑り駒数分更新される。そして、更新された図柄カウンタが停止予定位置に応じた値に一致する(停止予定位置の図柄が表示窓の中段に到達する)のを待って、該当するリールの回転の減速及び停止を行うよう、ステッピングモータの駆動が制御される。
次に、メインCPU71はランプ・7セグ駆動処理を行う(S56)。この処理では、7セグ表示器6の駆動制御を行って払出枚数やクレジット枚数などを表示させる。
次に、メインCPU71はメダル排出ガイド130に設けられた第2メダルセンサ132の出力値に基づいてメダル通過チェック処理を行う(S57)。その詳細については後述する。
S57の終了後、メインCPU71はレジスタの復帰処理を行う(S58)。この処理が終了するとメインCPU71は割込処理を終了する。
[メダル通過チェック処理]
図14の主制御回路(メインCPU)の制御による割込処理のS57で実施されるメダル通過チェック処理について、図15を参照して説明する。
まず、メインCPU71は、S71において、メダル案内通路102に設けられ、メダル排出ガイド130を通過するメダルを検出する第2メダルセンサ132がオンか否かを判定し、「YES」(すなわちオン状態)であればS72に進み、「NO」(すなわちオフ状態)であればS76に処理を移す。
S71で「YES」の場合、メインCPU71はS72でRAM33に設けられたメダル通過タイマ(以下、「メダル通過タイマ」と称する。)の値を1減算する(S72)。
その際、前回のメダル通過チェック処理が「NO」である場合には、RAM33に設けられた第2メダルカウンタ(以下、「第2メダルカウンタ」と称する。)に「1」を加算する。すなわち、第2メダルセンサ132がオフ状態からオン状態に変わったときに(オンエッジを検出した時ともいう)、メダルが1枚通過したとして、第2メダルカウンタの値(本例では「0」)に「1」加算し、第2メダルカウンタの値は「0」から「1」となる。
次に、メインCPU71はS73でメダル通過タイマの値がゼロ(0)か否かを判定し、ゼロであればS74に進み、ゼロでなければ、S57に戻る。
次に、メインCPU71は、S74において、第2メダルカウンタの値に1加算し、S75に進む。すなわち、本例では第2メダルカウンタの値は「1」から「2」となる。
次に、S75でメインCPUはメダル通過タイマを初期値(本実施形態では“38”)にセットし、S57に戻る。
このメダル通過タイマの初期値「38」は、割込処理回数を意味し、仮に、S73でメダル通過タイマの値が「0」となった場合は、割込処理が38回行われ、その間、すなわち、42.4536m秒(38回×1.1172m秒)の間、第2メダルセンサ132がオン状態となっている、すなわち、メダルを検出し続けていることを意味する。
次に、メインCPU71は、S76において、メダル通過タイマを“0”にセットし、S57に戻る。
このように、メダル通過チェック処理では、2枚以上のメダルが重なって通過した場合であっても、メダルの枚数を的確に計数することができる。
しかしながら、前述したように、重なり度が高い場合(図8(b)、図9(b))、例えば、3枚又は4枚のメダルを2枚又は3枚に誤計数する可能性があるが、このような誤計数は発生頻度が少ないと考えられるので、計数誤差として処理する。
なお、変形例として、S75でメダル通過タイマが初期値(38)にセットされた直後のメダル通過チェック処理において、S71で第2メダルセンサ132がオンの場合(「YES」の場合)に、第2メダルカウンタの値に「1」加算するようにしてもよい。例えば、第2メダルセンサ132がオン状態のままで割込回数が38回となった時点(約42.5m秒経過)で第2メダルカウンタの値が「2」の場合、その直後のメダル通過チェック処理で第2メダルセンサ132が引き続きオンであれば第2メダルカウンタの値に「1」加算して「3」とし、さらに続いて38回オン状態が継続すれば、その時点で第2メダルカウンタの値に「1」加算して「4」となるようにし、30回未満でオフ状態になったその時点で第2メダルカウンタの値を補正するために第2メダルカウンタの値を「1」減算するようにしてもよい。
また、オン継続時間が一定時間以上となった場合(例えば、オン継続時間が100m秒以上の時)は、メダルの詰まりが発生したものとして処理することも可能である。
[メダル枚数チェック処理]
メインCPU71が図11のS13及び図13のS42で実施するメダル通過枚数チェック処理について、図16を参照して説明する。
まず、メインCPU71は、S80で第2メダルセンサ132がオンか否かを判定し、「NO」の場合はS81に進み、「YES」の場合はS88に処理を移す。
S81で、メインCPU71は第1メダルカウンタの値が「ゼロ」であるか否かを判定し、「NO」であればS82に進み、「YES」であればS89に処理を移す。ここで、第1メダルカウンタの値は、第1メダルセンサ120で検出されたメダル枚数である。
S82で、メインCPU71は、許容差枚数を「0」にセットし、S83に進む。
次に、メインCPU71は、S83で第1メダルカウンタの値が1〜4の範囲内にあるか否かを判定する。「NO」であればS83に進み、S83で許容差枚数を「1」にセットし、S87に進む。一方、「YES」であればS87に処理を移す。
次に、メインCPU71は、S85で第1メダルカウンタの値が5〜14の範囲内にあるか否かを判定する。「NO」であればS86に進み、S86で許容差枚数を「2」にセットし、S87に進む。一方、「YES」であればS87に処理を移す。
次に、メインCPU71は、S87で第1メダルカウンタの値から第2メダルカウンタの値を減算し、減算値が許容差枚数に等しいか又は少ないかを判定する。ここで、第2メダルカウンタの値は、第2メダルセンサによって計数されたメダル枚数である。
その判定結果が「NO」であればS88に進み、「YES」であればS81に戻る。
次に、メインCPU71は、S88で異常が発生したと判定し、エラー処理を行い、S89に進む。なお、エラー処理では2ケタのエラーコード(例えば、「CC」)が払出枚数表示部10の7セグメントLEDに表示される。エラー処理は発生したエラー要因が解除されるまで、遊技の進行が中断され、エラー要因が解除された後に、中断した時点から遊技の進行が再開される。
S89でメインCPU71は、第1メダルカウンタの値と第2メダルカウンタの値を「0」にセットし、S90に進む。
S90でメインCPU71は、メダル通過スイッチタイマを「0」にセットし、メダル通過枚数チェック処理を終了する。
なお、本メダル枚数チェック処理では、制御負担の軽減を図るために、第1メダルセンサ120で検出し第1メダルカウンタで計数されたメダル枚数を3つの範囲に分割、すなわち、1〜4枚、5〜14枚、15枚以上の3範囲に分割して、それぞれ許容差枚数(すなわち、0枚、1枚、2枚)を規定しているが、これに限定されず、分割範囲数及び許容差枚数は適宜変更可能である。また、メダル枚数を複数の範囲に分割することなく、第1メダルセンサ120で検出した第1メダルカウンタで計数された枚数の一定割合、例えば2割程度以下の枚数を許容差枚数としてもよい。
以上、本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、組み合わせ、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。また、上記実施形態及び変形例では、遊技機としてパチスロ機を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されず、「パチンコ機」と呼ばれる遊技機にも本発明は適用可能であり、例えばパチンコ機の遊技球の払出装置の球払出で上皿の遊技球の排出口に第2センサを設けても同様の効果が得られる。