本発明が適用されたスロットマシンの実施例を図面を用いて説明すると、本実施例のスロットマシン1は、図1に示すように、前面が開口する筐体1aと、この筐体1aの側端に回動自在に枢支された前面扉1bと、から構成されている。
本実施例のスロットマシン1の筐体1aの内部には、図2に示すように、外周に複数種の図柄が配列されたリール2L、2C、2R(以下、左リール、中リール、右リール)が水平方向に並設されており、図1に示すように、これらリール2L、2C、2Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が前面扉1bの略中央に設けられた透視窓3から見えるように配置されている。
リール2L、2C、2Rの外周部には、それぞれ「黒7」、「網7(図中網掛け7)」、「白7」、「黒BAR」、「白BAR」、「リプレイ」、「プラム」、「スイカ」、「チェリー」、「ベル」といった互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で、それぞれ21個ずつ描かれている。リール2L、2C、2Rの外周部に描かれた図柄は、透視窓3において各々上中下三段に表示される。
各リール2L、2C、2Rは、各々対応して設けられリールモータ32L、32C、32R(図3参照)によって回転させることで、各リール2L、2C、2Rの図柄が透視窓3に連続的に変化しつつ表示されるとともに、各リール2L、2C、2Rの回転を停止させることで、透視窓3に3つの連続する図柄が表示結果として導出表示されるようになっている。
リール2L、2C、2Rの内側には、リール2L、2C、2Rそれぞれに対して、基準位置を検出するリールセンサ33L、33C、33Rと、リール2L、2C、2Rを背面から照射するリールLED55と、が設けられている。また、リールLED55は、リール2L、2C、2Rの連続する3つの図柄に対応する12のLEDからなり、各図柄をそれぞれ独立して照射可能とされている。
前面扉1bの各リール2L、2C、2Rの手前側(遊技者側)の位置には、液晶表示器51(図1参照)の表示領域51aが配置されている。液晶表示器51は、液晶素子に対して電圧が印加されていない状態で透過性を有する液晶パネルを有しており、表示領域51aの透視窓3に対応する透過領域51b及び透視窓3を介して遊技者側から各リール2L、2C、2Rが視認できるようになっている。また、表示領域51aの裏面には、裏面側から表示領域51aを照射するための導光板(図示略)が設けられているとともに、さらにその裏面には、表示領域51aのうち透過領域51bを除く非透過領域に内部を隠蔽する隠蔽部材(図示略)が設けられている。液晶表示器51は、液晶素子を、導光板により照射された光を通過させる状態と通過させない状態とのいずれかに制御することにより、表示態様を変化させることが可能な表示装置である。
前面扉1bには、図1に示すように、メダルを投入可能なメダル投入部4、メダルが払い出されるメダル払出口9、クレジット(遊技者所有の遊技用価値として記憶されているメダル数)を用いて、その範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数のうち最大の賭数を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6、クレジットとして記憶されているメダル及び賭数の設定に用いたメダルを精算する(クレジット及び賭数の設定に用いた分のメダルを返却させる)際に操作される精算スイッチ10、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、リール2L、2C、2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L、8C、8R、後述のメダルセレクタ29内に詰まったメダルを排出させる際に操作される返却スイッチ26が遊技者により操作可能にそれぞれ設けられている。
尚、本実施例では、回転を開始した3つのリール2L、2C、2Rのうち、最初に停止するリールを第1停止リールと称し、また、その停止を第1停止と称する。同様に、2番目に停止するリールを第2停止リールと称し、また、その停止を第2停止と称し、3番目に停止するリールを第3停止リールと称し、また、その停止を第3停止あるいは最終停止と称する。
また、前面扉1bには、図1に示すように、クレジットとして記憶されているメダル枚数が表示されるクレジット表示器11、入賞の発生により払い出されたメダル枚数やエラー発生時にその内容を示すエラーコード等が表示される遊技補助表示器12、賭数が1設定されている旨を点灯により報知する1BETLED14、賭数が2設定されている旨を点灯により報知する2BETLED15、賭数が3設定されている旨を点灯により報知する3BETLED16、メダルの投入が可能な状態を点灯により報知する投入要求LED17、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が有効である旨を点灯により報知するスタート有効LED18、ウェイト(前回のゲーム開始から一定期間経過していないためにリールの回転開始を待機している状態)中である旨を点灯により報知するウェイト中LED19、後述するリプレイゲーム中である旨を点灯により報知するリプレイ中LED20が設けられた遊技用表示部13が設けられている。
MAXBETスイッチ6の内部には、MAXBETスイッチ6の操作による賭数の設定操作が有効である旨を点灯により報知するBETスイッチ有効LED21(図3参照)が設けられており、ストップスイッチ8L、8C、8Rの内部には、該当するストップスイッチ8L、8C、8Rによるリールの停止操作が有効である旨を点灯により報知する左、中、右停止有効LED22L、22C、22R(図3参照)がそれぞれ設けられている。
また、図1に示すように、返却スイッチ26の近傍には、返却スイッチ26の操作に伴う返却動作が行われていることを報知する返却中LED28が設けられている。
また、前面扉1bにおけるストップスイッチ8L、8C、8Rの下方には、スロットマシン1のタイトルや配当表などが印刷された下部パネルが設けられている。
前面扉1bの内側には、所定のキー操作により後述するエラー状態及び後述する打止状態を解除するためのリセット操作を検出するリセットスイッチ23、後述する設定値の変更中や設定値の確認中にその時点の設定値が表示される設定値表示器24、所定の契機に打止状態(リセット操作がなされるまでゲームの進行が規制される状態)に制御する打止機能の有効/無効を選択するための打止スイッチ36a、所定の契機に自動精算処理(クレジットとして記憶されているメダルを遊技者の操作によらず精算(返却)する処理)に制御する自動精算機能の有効/無効を選択するための自動精算スイッチ36b、メダル投入部4から投入されたメダルの流路を、筐体1a内部に設けられた後述のホッパータンク34a側またはメダル払出口9側のいずれか一方に選択的に切り替えるための流路切替ソレノイド30(図3参照)、後述する後通路板145を開放するための返却ソレノイド27、メダル投入部4から投入され、ホッパータンク34a側に流下したメダルを検出する投入メダルセンサ31a〜31c(図3、図6参照)を有するメダルセレクタ29、前面扉1bの開放状態を検出するドア開放検出スイッチ25(図3参照)が設けられている。
前面扉1bの背面におけるメダル投入部4の直下には、メダルセレクタ29が取り外し自在に設けられている。前面扉1bを背面から見てメダルセレクタ29の右側には、メダルセレクタ29の側面から流出したメダルをホッパータンク34aに誘導するメダルシュート200が取り付けられているとともに、メダルセレクタ29の下方には、メダルセレクタ29の背面下部から流出したメダルを下方のメダル払出口9に誘導するメダル返却通路191及びホッパーユニット34から払い出されたメダルをメダル払出口9に誘導するメダル払出通路192を構成するメダル通路部材190が配設されている。
筐体1a内部には、図2に示すように、前述したリール2L、2C、2R、リールモータ32L、32C、32R(図3参照)、各リール2L、2C、2Rのリール基準位置をそれぞれ検出可能なリールセンサ33L、33C、33R(図3参照)からなるリールユニット2、外部出力信号を出力するための外部出力基板1000(図3参照)、メダル投入部4から投入されたメダルを貯留するホッパータンク34a、ホッパータンク34aに貯留されたメダルをメダル払出口9より払い出すためのホッパーモータ34b(図3参照)、ホッパーモータ34bの駆動により払い出されたメダルを検出する払出センサ34c(図3参照)からなるホッパーユニット34、電源ボックス100が設けられている。
ホッパーユニット34の側部には、ホッパータンク34aから溢れたメダルが貯留されるオーバーフロータンク35が設けられている。オーバーフロータンク35の内部には、貯留された所定量のメダルを検出可能な満タンセンサ35a(図3参照)が設けられている。
電源ボックス100の前面には、図2に示すように、設定変更状態または設定確認状態に切り替えるための設定キースイッチ37、通常時においてはエラー状態や打止状態を解除するためのリセットスイッチとして機能し、設定変更状態においては後述する内部抽選の当選確率(出玉率)の設定値を変更するための設定スイッチとして機能するリセット/設定スイッチ38、電源をon/offする際に操作される電源スイッチ39が設けられている。
尚、電源ボックス100は、筐体1aの内部に設けられており、さらに前面扉1bは、店員等が所持する所定のキー操作により開放可能な構成であるため、これら電源ボックス100の前面に設けられた設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、電源スイッチ39は、キーを所持する店員等の者のみが操作可能とされ、遊技者による操作ができないようになっている。また、所定のキー操作により検出されるリセットスイッチ23も同様である。特に、設定キースイッチ37は、キー操作により前面扉1bを開放したうえで、さらにキー操作を要することから、遊技場の店員のなかでも、設定キースイッチ37の操作を行うキーを所持する店員のみ操作が可能とされている。また、打止スイッチ36a、自動精算スイッチ36bも、筐体1aの内部に設けられており、遊技場の店員によるキー操作により前面扉1bを開放しなければ操作できないことから、遊技場に設置されている場合に、遊技場の店員のみが操作可能とされ、遊技者が操作することはできないようになっている。
本実施例のスロットマシン1においてゲームを行う場合には、まず、メダルをメダル投入部4から投入するか、あるいはクレジットを使用して賭数を設定する。クレジットを使用するにはMAXBETスイッチ6を操作すれば良い。遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されると、入賞ラインLN(図1参照)が有効となり、スタートスイッチ7の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。本実施例では、遊技状態に関わらず、規定数の賭数は3に定められており、賭数として3枚のメダルが設定されると、入賞ラインLNが有効となる。尚、遊技状態に対応する規定数のうち最大数を超えてメダルが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。
入賞ラインとは、各リール2L、2C、2Rの透視窓3に表示された図柄の組み合わせが入賞図柄の組み合わせであるかを判定するために設定されるラインである。本実施例では、図1に示すように、リール2Lの中段、リール2Cの中段、リール2Rの中段、すなわち中段に水平方向に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインLNのみが入賞ラインとして定められている。尚、本実施例では、1本の入賞ラインのみを適用しているが、複数の入賞ラインを適用しても良い。
また、本実施例では、入賞を構成する図柄の組み合わせが入賞ラインLNに揃ったことを認識しやすくするために、入賞ラインLNとは別に、無効ラインLM1〜LM4を設定している。無効ラインLM1〜LM4は、これら無効ラインLM1〜LM4に揃った図柄の組み合わせによって入賞が判定されるものではなく、入賞ラインLNに特定の入賞を構成する図柄の組み合わせが揃った際に、無効ラインLM1〜LM4のいずれかに入賞ラインLNに揃った場合に入賞となる図柄の組み合わせ(例えば、ベル−ベル−ベル)が揃う構成とすることで、入賞ラインLNに特定の入賞を構成する図柄の組み合わせが揃ったことを認識しやすくするものである。本実施例では、図1に示すように、リール2Lの上段、リール2Cの上段、リール2Rの上段、すなわち上段に水平方向に並んだ図柄に跨って設定された無効ラインLM1、リール2Lの下段、リール2Cの下段、リール2Rの下段、すなわち下段に水平方向に並んだ図柄に跨って設定された無効ラインLM2、リール2Lの上段、リール2Cの中段、リール2Rの下段、すなわち右下がりに並んだ図柄に跨って設定された無効ラインLM3、リール2Lの下段、リール2Cの中段、リール2Rの上段、すなわち右上がりに並んだ図柄に跨って設定された無効ラインLM4の4種類が無効ラインLMとして定められている。
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7を操作すると、各リール2L、2C、2Rが回転し、各リール2L、2C、2Rの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rを操作すると、対応するリール2L、2C、2Rの回転が停止し、透視窓3に表示結果が導出表示される。
そして全てのリール2L、2C、2Rが停止されることで1ゲームが終了し、予め定められた図柄の組み合わせ(以下、役とも呼ぶ)が、入賞ラインLN上に各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には入賞が発生し、その入賞に応じて定められた枚数のメダルが遊技者に対して付与され、クレジットに加算される。また、クレジットが上限数(本実施例では50)に達した場合には、メダルが直接メダル払出口9(図1参照)から払い出されるようになっている。また、入賞ラインLN上に、遊技状態の移行を伴う図柄の組み合わせが各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には図柄の組み合わせに応じた遊技状態に移行するようになっている。
尚、本実施例では、スタートスイッチ7の操作が有効な状態でスタートスイッチ7の操作が検出されたときにゲームが開始し、全てのリールが停止したときにゲームが終了する。また、ゲームを実行するための1単位の制御(ゲーム制御)は、前回のゲームの終了に伴う全ての制御が完了したときに開始し、当該ゲームの終了に伴う全ての制御が完了したときに終了する。
また、本実施例では、3つのリールを用いた構成を例示しているが、リールを1つのみ用いた構成、2つのリールを用いた構成、4つ以上のリールを用いた構成としても良く、2以上のリールを用いた構成においては、2以上の全てのリールに導出された表示結果の組み合わせに基づいて入賞を判定する構成とすれば良い。また、本実施例では、物理的なリールにて可変表示装置が構成されているが、液晶表示器などの画像表示装置にて可変表示装置が構成されていても良い。
また、本実施例におけるスロットマシン1にあっては、ゲームが開始されて各リール2L、2C、2Rが回転して図柄の変動が開始した後、いずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに、当該ストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリールの回転が停止して図柄が停止表示される。ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作から対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止するまでの最大停止遅延時間は190ms(ミリ秒)である。
リール2L、2C、2Rは、1分間に80回転し、80×21(1リール当たりの図柄コマ数)=1680コマ分の図柄を変動させるので、190msの間では最大で4コマの図柄を引き込むことができることとなる。つまり、停止図柄として選択可能なのは、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに表示されている図柄と、そこから4コマ先までにある図柄、合計5コマ分の図柄である。
このため、例えば、ストップスイッチ8L、8C、8Rのいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの下段に表示されている図柄を基準とした場合、当該図柄から4コマ先までの図柄を下段に表示させることができるため、リール2L、2C、2R各々において、ストップスイッチ8L、8Rのうちいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの中段に表示されている図柄を含めて5コマ以内に配置されている図柄を入賞ライン上に表示させることができる。
図3は、スロットマシン1の構成を示すブロック図である。スロットマシン1には、図3に示すように、遊技制御基板40、演出制御基板90、電源基板101が設けられており、遊技制御基板40によって遊技状態が制御され、演出制御基板90によって遊技状態に応じた演出が制御され、電源基板101によってスロットマシン1を構成する電気部品の駆動電源が生成され、各部に供給される。
電源基板101には、外部からAC100Vの電源が供給されるとともに、このAC100Vの電源からスロットマシン1を構成する電気部品の駆動に必要な直流電圧が生成され、遊技制御基板40及び遊技制御基板40を介して接続された演出制御基板90に供給されるようになっている。尚、演出制御基板90に対して電源を供給する電源供給ラインが遊技制御基板40を介さず、電源基板101から演出制御基板90に直接接続され、電源基板101から演出制御基板90に対して直接電源が供給される構成としても良い。
また、電源基板101には、前述したホッパーモータ34b、払出センサ34c、満タンセンサ35a、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、電源スイッチ39が接続されている。
遊技制御基板40には、前述したMAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10、返却スイッチ26、リセットスイッチ23、打止スイッチ36a、自動精算スイッチ36b、投入メダルセンサ31a〜c、ドア開放検出スイッチ25、リールセンサ33L、33C、33Rが接続されているとともに、電源基板101を介して前述した払出センサ34c、満タンセンサ35a、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38が接続されており、これら接続されたスイッチ類の検出信号が入力されるようになっている。
また、遊技制御基板40には、前述したクレジット表示器11、遊技補助表示器12、1〜3BETLED14〜16、投入要求LED17、スタート有効LED18、ウェイト中LED19、リプレイ中LED20、BETスイッチ有効LED21、左、中、右停止有効LED22L、22C、22R、返却中LED28、設定値表示器24、流路切替ソレノイド30、返却ソレノイド27、リールモータ32L、32C、32Rが接続されているとともに、電源基板101を介して前述したホッパーモータ34bが接続されており、これら電気部品は、遊技制御基板40に搭載された後述のメイン制御部41の制御に基づいて駆動されるようになっている。
遊技制御基板40には、メイン制御部41、制御用クロック生成回路42、乱数用クロック生成回路43、スイッチ検出回路44、モータ駆動回路45、ソレノイド駆動回路46、LED駆動回路47、電断検出回路48、リセット回路49が搭載されている。
メイン制御部41は、遊技の進行に関する処理を行うととともに、遊技制御基板40に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。
制御用クロック生成回路42は、メイン制御部41の外部にて、所定周波数の発振信号となる制御用クロックCCLKを生成する。制御用クロック生成回路42により生成された制御用クロックCCLKは、図4に示すクロック回路502に供給される。乱数用クロック生成回路43は、メイン制御部41の外部にて、制御用クロックCCLKの発振周波数とは異なる所定周波数の発振信号となる乱数用クロックRCLKを生成する。乱数用クロック生成回路43により生成された乱数用クロックRCLKは、図4に示す乱数回路508a、508bに供給される。
スイッチ検出回路44は、遊技制御基板40に直接または電源基板101を介して接続されたスイッチ類から入力された検出信号を取り込んでメイン制御部41に伝送する。モータ駆動回路45は、メイン制御部41から出力されたモータ駆動信号をリールモータ32L、32C、32Rに伝送する。ソレノイド駆動回路46は、メイン制御部41から出力されたソレノイド駆動信号を流路切替ソレノイド30、返却ソレノイド27に伝送する。LED駆動回路47は、メイン制御部41から出力されたLED駆動信号を遊技制御基板40に接続された各種表示器やLEDに伝送する。電断検出回路48は、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をメイン制御部41に対して出力する。リセット回路49は、電源投入時または電源遮断時などの電源が不安定な状態においてメイン制御部41にシステムリセット信号を与える。
図4は、遊技制御基板40に搭載されたメイン制御部41の構成例を示している。図4に示すメイン制御部41は、1チップマイクロコンピュータであり、外部バスインタフェース501と、クロック回路502と、照合用ブロック503と、固有情報記憶回路504と、演算回路505と、リセット/割込コントローラ506と、CPU(Central Processing Unit)41aと、ROM(Read Only Memory)41bと、RAM(Random Access Memory)41cと、フリーランカウンタ回路507と、乱数回路508a、508bと、タイマ回路509と、割込コントローラ510と、パラレル入力ポート511と、シリアル通信回路512と、パラレル出力ポート513と、アドレスデコード回路514と、を備えて構成される。
リセット/割込コントローラ506は、メイン制御部41の内部や外部にて発生する各種リセット、割込み要求を制御するためのものである。
リセット/割込コントローラ506は、指定エリア外走行禁止(IAT)回路506aとウォッチドッグタイマ(WDT)506bとを備える。IAT回路506aは、ユーザプログラムが指定エリア内で正しく実行されているか否かを監視する回路であり、指定エリア外でユーザプログラムが実行されたことを検出するとIAT発生信号を出力する機能を備える。また、ウォッチドッグタイマ506bは、設定期間毎にタイムアウト信号を発生させる機能を備える。
外部バスインタフェース501は、メイン制御部41を構成するチップの外部バスと内部バスとのインタフェース機能や、アドレスバス、データバス及び各制御信号の方向制御機能などを有するバスインタフェースである。
クロック回路502は、制御用クロックCCLKを2分周することなどにより、内部システムクロックSCLKを生成する回路である。
照合用ブロック503は、外部の照合機と接続し、チップの照合を行う機能を備える。固有情報記憶回路504は、メイン制御部41の内部情報となる複数種類の固有情報を記憶する回路である。演算回路505は、乗算及び除算を行う回路である。
CPU41aは、ROM41bから読み出した制御コードに基づいてユーザプログラム(ゲーム制御用の遊技制御処理プログラム)を実行することにより、スロットマシン1における遊技制御を実行する制御用CPUである。こうした遊技制御が実行されるときには、CPU41aがROM41bから固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU41aがRAM41cに各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU41aがRAM41cに一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU41aが外部バスインタフェース501やパラレル入力ポート511、シリアル通信回路512などを介してメイン制御部41の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU41aが外部バスインタフェース501やシリアル通信回路512、パラレル出力ポート513などを介してメイン制御部41の外部へと各種信号を出力する送信動作等も行われる。
ROM41bには、ユーザプログラム(ゲーム制御用の遊技制御処理プログラム)を示す制御コードや固定データ等が記憶されている。
RAM41cは、ゲーム制御用のワークエリアを提供する。ここで、RAM41cの少なくとも一部は、バックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであれば良い。すなわち、スロットマシン1への電力供給が停止しても、所定期間はRAM41cの少なくとも一部の内容が保存される。
フリーランカウンタ回路507として、8ビットのフリーランカウンタを4チャネル搭載している。
乱数回路508a、508bは、8ビット乱数や16ビット乱数といった、所定の更新範囲を有する乱数値となる数値データを生成する回路である。本実施例では、乱数回路508a、508bのうち16ビット乱数回路508bが生成するハードウェア乱数は、後述する内部抽選用の乱数として用いられる。
タイマ回路509は、8ビットプログラマブルタイマであり、メイン制御部41は、タイマ回路509として、8ビットのカウンタを3チャネル備える。本実施例では、タイマ回路509を用いてユーザプログラムによる設定により、リアルタイム割込要求や時間計測を行うことが可能である。
割込コントローラ510は、PI5/XINT端子からの外部割込要求や、内蔵の周辺回路(例えば、シリアル通信回路512、乱数回路508a、508b、タイマ回路509)からの割込要求を制御する回路である。
パラレル入力ポート511は、8ビット幅の入力専用ポート(PIP)を内蔵する。また、図4に示すメイン制御部41が備えるパラレル出力ポート513は、11ビット幅の出力専用ポート(POP)を内蔵する。
シリアル通信回路512は、外部に対する入出力において非同期シリアル通信を行う回路である。尚、メイン制御部41は、シリアル通信回路512として、送受信両用の1チャネルの回路と、送信用のみの3チャネルの回路と、を備える。
アドレスデコード回路514は、メイン制御部41の内部における各機能ブロックのデコードや、外部装置用のデコード信号であるチップセレクト信号のデコードを行うための回路である。チップセレクト信号により、メイン制御部41の内部回路、あるいは、周辺デバイスとなる外部装置を、選択的に有効動作させて、CPU41aからのアクセスが可能となる。
本実施例においてメイン制御部41は、パラレル出力ポート513を介してサブ制御部91に各種のコマンドを送信する。メイン制御部41からサブ制御部91へ送信されるコマンドは一方向のみで送られ、サブ制御部91からメイン制御部41へ向けてコマンドが送られることはない。また、本実施例では、パラレル出力ポート513を介してサブ制御部91に対してコマンドが送信される構成、すなわちコマンドがパラレル信号にて送信される構成であるが、シリアル通信回路512を介してサブ制御部91に対してコマンドを送信する構成、すなわちコマンドをシリアル信号にて送信する構成としても良い。
また、メイン制御部41は、遊技制御基板40に接続された各種スイッチ類の検出状態がパラレル入力ポート511から入力される。そしてメイン制御部41は、これらパラレル入力ポート511から入力される各種スイッチ類の検出状態に応じて段階的に移行する基本処理を実行する。
また、メイン制御部41は、割込の発生により基本処理に割り込んで割込処理を実行できるようになっている。本実施例では、タイマ回路509にてタイムアウトが発生したこと、すなわち一定時間間隔(本実施例では、約0.56ms)毎に後述するタイマ割込処理(メイン)を実行する。
また、メイン制御部41は、割込処理の実行中に他の割込を禁止するように設定されているとともに、複数の割込が同時に発生した場合には、予め定められた順位によって優先して実行する割込が設定されている。尚、割込処理の実行中に他の割込要因が発生し、割込処理が終了してもその割込要因が継続している状態であれば、その時点で新たな割込が発生することとなる。
メイン制御部41は、基本処理として遊技制御基板40に接続された各種スイッチ類の検出状態が変化するまでは制御状態に応じた処理を繰り返しループし、各種スイッチ類の検出状態の変化に応じて段階的に移行する処理を実行する。また、メイン制御部41は、一定時間間隔(本実施例では、約0.56ms)毎にタイマ割込処理(メイン)を実行する。尚、タイマ割込処理(メイン)の実行間隔は、基本処理において制御状態に応じて繰り返す処理が一巡する時間とタイマ割込処理(メイン)の実行時間とを合わせた時間よりも長い時間に設定されており、今回と次回のタイマ割込処理(メイン)との間で必ず制御状態に応じて繰り返す処理が最低でも一巡することとなる。
演出制御基板90には、液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等の演出装置が接続されており、これら演出装置は、演出制御基板90に搭載された後述のサブ制御部91による制御に基づいて駆動されるようになっている。
尚、本実施例では、演出制御基板90に搭載されたサブ制御部91により、液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等の演出装置の出力制御が行われる構成であるが、サブ制御部91とは別に演出装置の出力制御を直接的に行う出力制御部を演出制御基板90または他の基板に搭載し、サブ制御部91がメイン制御部41からのコマンドに基づいて演出装置の出力パターンを決定し、サブ制御部91が決定した出力パターンに基づいて出力制御部が演出装置の出力制御を行う構成としても良く、このような構成では、サブ制御部91及び出力制御部の双方によって演出装置の出力制御が行われることとなる。
また、本実施例では、演出装置として液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55を例示しているが、演出装置は、これらに限られず、例えば、機械的に駆動する表示装置などを演出装置として適用しても良い。
演出制御基板90には、サブCPU91a、ROM91b、RAM91c、I/Oポート91dを備えたマイクロコンピュータにて構成され、演出の制御を行うサブ制御部91、演出制御基板90に接続された液晶表示器51の表示制御を行う表示制御回路92、演出効果LED52、リールLED55の駆動制御を行うLED駆動回路93、スピーカ53、54からの音声出力制御を行う音声出力回路94、電源投入時またはサブCPU91aからの初期化命令が一定時間入力されないときにサブCPU91aにリセット信号を与えるリセット回路95、演出制御基板90に接続されたスイッチ類から入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路96、日付情報及び時刻情報を含む時間情報を出力する時計装置97、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をサブCPU91aに対して出力する電断検出回路98、その他の回路等、が搭載されており、サブCPU91aは、遊技制御基板40から送信されるコマンドを受けて、演出を行うための各種の制御を行うとともに、演出制御基板90に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。
リセット回路95は、遊技制御基板40においてメイン制御部41にシステムリセット信号を与えるリセット回路49よりもリセット信号を解除する電圧が低く定められており、電源投入時においてサブ制御部91は、メイン制御部41よりも早い段階で起動するようになっている。一方で、電断検出回路98は、遊技制御基板40においてメイン制御部41に電圧低下信号を出力する電断検出回路48よりも電圧低下信号を出力する電圧が低く定められており、電断時においてサブ制御部91は、メイン制御部41よりも遅い段階で停電を検知し、後述する電断処理(サブ)を行うこととなる。
サブ制御部91は、メイン制御部41と同様に、割込機能を備えており、メイン制御部41からのコマンド受信時に割込を発生させて、メイン制御部41から送信されたコマンドを取得し、バッファに格納するコマンド受信割込処理を実行する。また、サブ制御部91は、システムクロックの入力数が一定数に到達する毎、すなわち一定時間間隔(約2ms)毎に割込を発生させて後述するタイマ割込処理(サブ)を実行する。
また、サブ制御部91は、メイン制御部41とは異なり、コマンドの受信に基づいて割込が発生した場合には、タイマ割込処理(サブ)の実行中であっても、当該処理に割り込んでコマンド受信割込処理を実行し、タイマ割込処理(サブ)の契機となる割込が同時に発生してもコマンド受信割込処理を最優先で実行するようになっている。
また、サブ制御部91にも、停電時においてバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、RAM91cに記憶されているデータが保持されるようになっている。
本実施例のスロットマシン1は、設定値に応じてメダルの払出率が変わるものである。詳しくは、後述する内部抽選、ナビストック抽選等において設定値に応じた当選確率を用いることにより、メダルの払出率が変わるようになっている。設定値は1〜6の6段階からなり、6が最も払出率が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど払出率が低くなる。すなわち設定値として6が設定されている場合には、遊技者にとって最も有利度が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど有利度が段階的に低くなる。
設定値を変更するためには、設定キースイッチ37をon状態としてからスロットマシン1の電源をonする必要がある。設定キースイッチ37をon状態として電源をonすると、設定値表示器24にRAM41cから読み出された設定値が表示値として表示され、リセット/設定スイッチ38の操作による設定値の変更操作が可能な設定変更状態に移行する。設定変更状態において、リセット/設定スイッチ38が操作されると、設定値表示器24に表示された表示値が1ずつ更新されていく(設定値6からさらに操作されたときは、設定値1に戻る)。そして、スタートスイッチ7が操作されると表示値を設定値として確定する。そして、設定キースイッチ37がoffされると、確定した表示値(設定値)がメイン制御部41のRAM41cに格納され、遊技の進行が可能な状態に移行する。
また、設定値を確認するためには、ゲーム終了後、賭数が設定されていない状態で設定キースイッチ37をon状態とすれば良い。このような状況で設定キースイッチ37をon状態とすると、設定値表示器24にRAM41cから読み出された設定値が表示されることで設定値を確認可能な設定確認状態に移行する。設定確認状態においては、ゲームの進行が不能であり、設定キースイッチ37をoff状態とすることで、設定確認状態が終了し、ゲームの進行が可能な状態に復帰することとなる。
本実施例のスロットマシン1においては、メイン制御部41は、タイマ割込処理(メイン)を実行する毎に、電断検出回路48からの電圧低下信号が検出されているか否かを判定する停電判定処理を行い、停電判定処理において電圧低下信号が検出されていると判定した場合に、次回復帰時にRAM41cのデータが正常か否かを判定するためのデータを設定する電断処理(メイン)を実行する。
そして、メイン制御部41は、その起動時においてRAM41cのデータが正常であることを条件に、RAM41cに記憶されているデータに基づいてメイン制御部41の処理状態を電断前の状態に復帰させるが、RAM41cデータが正常でない場合には、RAM異常と判定し、RAM異常エラーコードをレジスタにセットしてRAM異常エラー状態に制御し、遊技の進行を不能化させるようになっている。
また、サブ制御部91もタイマ割込処理(サブ)において電断検出回路98からの電圧低下信号が検出されているか否かを判定し、電圧低下信号が検出されていると判定した場合に、次回復帰時にRAM91cのデータが正常か否かを判定するためのデータを設定する電断処理(サブ)を実行する。
そして、サブ制御部91は、その起動時においてRAM91cのデータが正常であることを条件に、RAM91cに記憶されているデータに基づいてサブ制御部91の処理状態を電断前の状態に復帰させるが、RAM91cのデータが正常でない場合には、RAM異常と判定し、RAM91cを初期化するようになっている。この場合、メイン制御部41と異なり、RAM91cが初期化されるのみで演出の実行が不能化されることはない。
また、サブ制御部91は、その起動時においてRAM91cのデータが正常であると判断された場合でも、メイン制御部41から設定変更状態に移行した旨を示す後述の設定コマンドを受信した場合、起動後一定時間が経過してもメイン制御部41の制御状態が復帰した旨を示す後述の復帰コマンドも設定コマンドも受信しない場合にも、RAM91cを初期化するようになっている。この場合も、RAM91cが初期化されるのみで演出の実行が不能化されることはない。
次に、メイン制御部41のRAM41cの初期化について説明する。メイン制御部41のRAM41cの格納領域は、重要ワーク、非保存ワーク、一般ワーク、特別ワーク、未使用領域、スタック領域に区分されている。
本実施例においてメイン制御部41は、RAM異常エラー発生時、設定キースイッチ37がonの状態での起動時、RT2終了時、設定キースイッチ37がoffの状態での起動時でRAM41cのデータが破壊されていないとき、1ゲーム終了時の5つからなる初期化条件が成立した際に、各初期化条件に応じて初期化される領域の異なる4種類の初期化を行う。
初期化1は、起動時において設定キースイッチ37がonの状態であり、設定変更状態へ移行する場合において、その前に行う初期化、またはRAM異常エラー発生時に行う初期化であり、初期化1では、RAM41cの格納領域のうち、重要ワーク及び使用中スタック領域を除く全ての領域(未使用領域及び未使用スタック領域を含む)、すなわち非保存ワークから未使用スタック領域までの領域が初期化される。初期化2は、RT2終了時に行う初期化であり、初期化2では、RAM41cの格納領域のうち一般ワーク、未使用領域及び未使用スタック領域が初期化される。初期化3は、起動時において設定キースイッチ37がoffの状態であり、かつRAM41cのデータが破壊されていない場合において行う初期化であり、初期化3では、非保存ワーク、未使用領域及び未使用スタック領域が初期化される。初期化4は、1ゲーム終了時に行う初期化であり、初期化4では、RAM41cの格納領域のうち、未使用領域及び未使用スタック領域が初期化される。
尚、本実施例では、初期化1を設定変更状態の移行前に行っているが、設定変更状態の終了時に行ったり、設定変更状態移行前、設定変更状態終了時の双方で行ったりするようにしても良い。
本実施例のスロットマシン1は、遊技状態に応じて設定可能な賭数の規定数(本実施例ではいずれの遊技状態であっても3)が定められており、遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されたことを条件にゲームを開始させることが可能となる。尚、本実施例では、遊技状態に応じた規定数の賭数が設定された時点で、入賞ラインLNが有効化される。
そして、全てのリール2L、2C、2Rが停止した際に、有効化された入賞ライン(本実施例の場合、常に全ての入賞ラインが有効化されるため、以下では、有効化された入賞ラインを単に入賞ラインと呼ぶ)上に役と呼ばれる図柄の組み合わせが揃うと入賞となる。役は、同一図柄の組み合わせであっても良いし、異なる図柄を含む組み合わせであっても良い。
一般的なスロットマシンにおいて入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大きく分けて、メダルの払い出しを伴う小役と、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役と、遊技者にとって有利な遊技状態への移行を伴う特別役と、がある。以下では、小役と再遊技役をまとめて一般役とも呼ぶ。
遊技状態に応じて定められた各役の入賞が発生するためには、後述する内部抽選に当選して、当該役の当選フラグがRAM41cに設定されている必要がある。
尚、これら各役の当選フラグのうち、小役及び再遊技役の当選フラグは、当該フラグが設定されたゲームにおいてのみ有効とされ、次のゲームでは無効となる。また、特別役の当選フラグは、当該フラグにより許容された役の組み合わせが揃うまで有効とされ、許容された役の組み合わせが揃ったゲームにおいて無効となる。すなわち特別役の当選フラグが一度当選すると、例え、当該フラグにより許容された役の組み合わせを揃えることができなかった場合にも、その当選フラグは無効とされずに、次のゲームへ持ち越されることとなる。
以下、本実施例の内部抽選について説明する。内部抽選は、メイン制御部41が上記した各役への入賞を許容するか否かを、全てのリール2L、2C、2Rの表示結果が導出表示される以前に(実際には、スタートスイッチ7の検出時)決定するものである。内部抽選では、まず、スタートスイッチ7の検出時に内部抽選用の乱数値(0〜65535の整数)を取得する。詳しくは、乱数回路508bにより生成され、乱数回路508bの乱数値レジスタに格納されている値をRAM41cに割り当てられた抽選用ワークに設定する。そして、遊技状態に応じて定められた各役について、抽選用ワークに格納された数値データと、現在の遊技状態(RTの種類)、賭数及び設定値に応じて定められた各役の判定値数に応じて入賞を許容するか否かの判定が行われる。
内部抽選では、内部抽選の対象となる役、現在の遊技状態(現在のRTの種類)及び設定値に対応して定められた判定値数を、内部抽選用の乱数値(抽選用ワークに格納された数値データ)に順次加算し、加算の結果がオーバーフローしたときに、当該役に当選したものと判定される。このため、判定値数の大小に応じた確率(判定値数/65536)で役が当選することとなる。
そして、いずれかの役の当選が判定された場合には、当選が判定された役に対応する当選フラグをRAM41cに割り当てられた内部当選フラグ格納ワークに設定する。内部当選フラグ格納ワークは、2バイトの格納領域にて構成されており、そのうちの上位バイトが、特別役の当選フラグが設定される特別役格納ワークとして割り当てられ、下位バイトが、一般役の当選フラグが設定される一般役格納ワークとして割り当てられている。詳しくは、特別役が当選した場合には、当該特別役が当選した旨を示す特別役の当選フラグを特別役格納ワークに設定し、一般役格納ワークに設定されている当選フラグをクリアする。また、一般役が当選した場合には、当該一般役が当選した旨を示す一般役の当選フラグを一般役格納ワークに設定する。尚、いずれの役及び役の組み合わせにも当選しなかった場合には、一般役格納ワークのみクリアする。
また、本実施例では、抽選対象役毎に当選と判定される判定値の数である判定値数を定めておくとともに、抽選対象役毎に判定値数を乱数値に順次加算(減算)し、オーバーフローした場合に、判定値数に対応する役の当選を判定する構成であるが、抽選対象役毎に当選と判定される乱数値の範囲を定めておくとともに、乱数値が属する範囲に対応する役の当選を判定する構成としても良い。
次に、リール2L、2C、2Rの停止制御について説明する。
メイン制御部41は、リールの回転が開始したとき、及びリールが停止し、かつ未だ回転中のリールが残っているときに、ROM41bに格納されているテーブルインデックス及びテーブル作成用データを参照して、回転中のリール別に停止制御テーブルを作成する。そして、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作が有効に検出されたときに、該当するリールの停止制御テーブルを参照し、参照した停止制御テーブルの滑りコマ数に基づいて、操作されたストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させる制御を行う。
テーブルインデックスには、内部抽選による当選フラグの設定状態(以下、内部当選状態と呼ぶ)別に、テーブルインデックスを参照する際の基準アドレスから、テーブル作成用データが格納された領域の先頭アドレスを示すインデックスデータが格納されているアドレスまでの差分が登録されている。これにより内部当選状態に応じた差分を取得し、基準アドレスに対してその差分を加算することで該当するインデックスデータを取得することが可能となる。尚、役の当選状況が異なる場合でも、同一の制御が適用される場合においては、インデックスデータとして同一のアドレスが格納されており、このような場合には、同一のテーブル作成用データを参照して、停止制御テーブルが作成されることとなる。
テーブル作成用データは、停止操作位置に応じた滑りコマ数を示す停止制御テーブルと、リールの停止状況に応じて参照すべき停止制御テーブルのアドレスと、からなる。
リールの停止状況に応じて参照される停止制御テーブルは、全てのリールが回転しているか、左リールのみ停止しているか、中リールのみ停止しているか、右リールのみ停止しているか、左、中リールが停止しているか、左、右リールが停止しているか、中、右リールが停止しているか、によって異なる場合があり、さらに、いずれかのリールが停止している状況においては、停止済みのリールの停止位置によっても異なる場合があるので、それぞれの状況について、参照すべき停止制御テーブルのアドレスが回転中のリール別に登録されており、テーブル作成用データの先頭アドレスに基づいて、それぞれの状況に応じて参照すべき停止制御テーブルのアドレスが特定可能とされ、この特定されたアドレスから、それぞれの状況に応じて必要な停止制御テーブルを特定できるようになっている。尚、リールの停止状況や停止済みのリールの停止位置が異なる場合でも、同一の停止制御テーブルが適用される場合においては、停止制御テーブルのアドレスとして同一のアドレスが登録されているものもあり、このような場合には、同一の停止制御テーブルが参照されることとなる。
停止制御テーブルは、停止操作が行われたタイミング別の滑りコマ数を特定可能なデータである。本実施例では、リールモータ32L、32C、32Rに、336ステップ(0〜335)の周期で1周するステッピングモータを用いている。すなわちリールモータ32L、32C、32Rを336ステップ駆動させることでリール2L、2C、2Rが1周することとなる。そして、リール1周に対して16ステップ(1図柄が移動するステップ数)毎に分割した21の領域(コマ)が定められており、これらの領域には、リール基準位置から0〜20の領域番号が割り当てられている。一方、1リールに配列された図柄数も21であり、各リールの図柄に対して、リール基準位置から0〜20の図柄番号が割り当てられているので、0番図柄から20番図柄に対して、それぞれ0〜20の領域番号が順に割り当てられていることとなる。そして、停止制御テーブルには、領域番号別の滑りコマ数が所定のルールで圧縮して格納されており、停止制御テーブルを展開することによって領域番号別の滑りコマ数を取得できるようになっている。
前述のようにテーブルインデックス及びテーブル作成用データを参照して作成される停止制御テーブルは、領域番号に対応して、各領域番号に対応する領域が停止基準位置(本実施例では、透視窓3の下段図柄の領域)に位置するタイミング(リール基準位置からのステップ数が各領域番号のステップ数の範囲に含まれるタイミング)でストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出された場合の滑りコマ数がそれぞれ設定されたテーブルである。
次に、停止制御テーブルの作成手順について説明すると、まず、リール回転開始時においては、そのゲームの内部当選状態に応じたテーブル作成用データの先頭アドレスを取得する。具体的には、まずテーブルインデックスを参照し、内部当選状態に対応するインデックスデータを取得し、そして取得したインデックスデータに基づいてテーブル作成用データを特定し、特定したテーブル作成用データから全てのリールが回転中の状態に対応する各リールの停止制御テーブルのアドレスを取得し、取得したアドレスに格納されている各リールの停止制御テーブルを展開して全てのリールについて停止制御テーブルを作成する。
また、いずれか1つのリールが停止したとき、またはいずれか2つのリールが停止したときには、リール回転開始時に取得したインデックスデータ、すなわちそのゲームの内部当選状態に応じたテーブル作成用データの先頭アドレスに基づいてテーブル作成用データを特定し、特定したテーブル作成用データから停止済みのリール及び当該リールの停止位置の領域番号に対応する未停止リールの停止制御テーブルのアドレスを取得し、取得したアドレスに格納されている各リールの停止制御テーブルを展開して未停止のリールについて停止制御テーブルを作成する。
次に、メイン制御部41がストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作を有効に検出したときに、該当するリールに表示結果を導出させる際の制御について説明すると、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作を有効に検出すると、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数に基づいて停止操作位置の領域番号を特定し、停止操作が検出されたリールの停止制御テーブルを参照し、特定した停止操作位置の領域番号に対応する滑りコマ数を取得する。そして、取得した滑りコマ数分リールを回転させて停止させる制御を行う。具体的には、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数から、取得した滑りコマ数引き込んで停止させるまでのステップ数を算出し、算出したステップ数分リールを回転させて停止させる制御を行う。これにより、停止操作が検出された停止操作位置の領域番号に対応する領域から滑りコマ数分先の停止位置となる領域番号に対応する領域が停止基準位置(本実施例では、透視窓3の下段図柄の領域)に停止することとなる。
本実施例のテーブルインデックスには、一の遊技状態における一の内部当選状態に対応するインデックスデータとして1つのアドレスのみが格納されており、さらに、一のテーブル作成用データには、一のリールの停止状況(及び停止済みのリールの停止位置)に対応する停止制御テーブルの格納領域のアドレスとして1つのアドレスのみが格納されている。すなわち一の遊技状態における一の内部当選状態に対応するテーブル作成用データ、及びリールの停止状況(及び停止済みのリールの停止位置)に対応する停止制御テーブルが一意的に定められており、これらを参照して作成される停止制御テーブルも、一の遊技状態における一の内部当選状態、及びリールの停止状況(及び停止済みのリールの停止位置)に対して一意となる。このため、遊技状態、内部当選状態、リールの停止状況(及び停止済みのリールの停止位置)の全てが同一条件となった際に、同一の停止制御テーブル、すなわち同一の制御パターンに基づいてリールの停止制御が行われることとなる。
また、本実施例では、滑りコマ数として0〜4の値が定められており、停止操作を検出してから最大4コマ図柄を引き込んでリールを停止させることが可能である。すなわち停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5コマの範囲から図柄の停止位置を指定できるようになっている。また、1図柄分リールを移動させるのに1コマの移動が必要であるので、停止操作を検出してから最大4図柄を引き込んでリールを停止させることが可能であり、停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5図柄の範囲から図柄の停止位置を指定できることとなる。
本実施例では、いずれかの役に当選している場合には、当選役を入賞ライン上に4コマの範囲で最大限引き込み、当選していない役が入賞ライン上に揃わないように引き込む滑りコマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行う一方、いずれの役にも当選していない場合には、いずれの役も揃わない滑りコマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行う。これにより、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、当選していない役は、最大4コマの引込範囲で揃えずに停止させる制御が行われることとなる。
また、特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で小役が当選した場合など、特別役と小役が同時に当選している場合には、当選した小役を入賞ラインに4コマの範囲で最大限に引き込むように滑りコマ数が定められているとともに、当選した小役を入賞ラインに最大4コマの範囲で引き込めない停止操作位置については、当選した特別役を入賞ラインに4コマの範囲で最大限に引き込むように滑りコマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行う。これにより、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している小役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している小役を引き込めない場合には、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している特別役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、当選していない役は、4コマの引込範囲で揃えずに停止させる制御が行われることとなる。すなわちこのような場合には、特別役よりも小役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、小役を引き込めない場合にのみ、特別役を入賞させることが可能となる。尚、特別役と小役を同時に引き込める場合には、小役のみを引き込み、特別役と同時に小役が入賞ライン上に揃わないようになる。
また、特別役と小役が同時に当選している場合に、小役よりも特別役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、特別役を引き込めない場合にのみ、小役を入賞ライン上に揃える制御を行っても良い。
また、特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で再遊技役が当選した場合など、特別役と再遊技役が同時に当選している場合には、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で再遊技役の図柄を揃えて停止させる制御が行われる。尚、この場合、再遊技役を構成する図柄または同時当選する再遊技役を構成する図柄は、リール2L、2C、2Rのいずれについても5図柄以内、すなわち4コマ以内の間隔で配置されており、4コマの引込範囲で必ず任意の位置に停止させることができるので、特別役と再遊技役が同時に当選している場合には、遊技者によるストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングに関わらずに、必ず再遊技役が揃って入賞することとなる。すなわちこのような場合には、特別役よりも再遊技役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、必ず再遊技役が入賞することとなる。尚、特別役と再遊技役を同時に引き込める場合には、再遊技役のみを引き込み、再遊技役と同時に特別役が入賞ライン上に揃わないようになる。
また、本実施例では、停止操作が行われたタイミング別の滑りコマ数を特定可能な停止制御テーブルを用いてリールの停止制御を行う構成であるが、停止可能な位置を特定可能な停止位置テーブルから停止位置を特定し、特定した停止位置にリールを停止させる停止制御を行う構成、停止制御テーブルや停止位置テーブルを用いずに、停止操作がされたタイミングで停止可能な停止位置を検索・特定し、特定した停止位置にリールを停止させる停止制御を行う構成、停止制御テーブルを用いた停止制御、停止位置テーブルを用いた停止制御、停止制御テーブルや停止位置テーブルを用いずに停止可能な停止位置を検索・特定することによる停止制御を併用する構成、停止制御テーブルや停止位置テーブルを一部変更して停止制御を行う構成としても良い。
本実施例においてメイン制御部41は、リール2L、2C、2Rの回転が開始した後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されるまで、停止操作が未だ検出されていないリールの回転を継続し、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行うようになっている。尚、リール回転エラーの発生により、一時的にリールの回転が停止した場合でも、その後リール回転が再開した後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されるまで、停止操作が未だ検出されていないリールの回転を継続し、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行うようになっている。
尚、本実施例では、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行うようになっているが、リールの回転が開始してから、予め定められた自動停止時間が経過した場合に、リールの停止操作がなされない場合でも、停止操作がなされたものとみなして自動的に各リールを停止させる自動停止制御を行うようにしても良い。この場合には、遊技者の操作を介さずにリールが停止することとなるため、例え、いずれかの役が当選している場合でもいずれの役も構成しない表示結果を導出させることが好ましい。
本実施例においてメイン制御部41は、ゲームの開始後、リールの回転を開始させる毎にその時点、すなわちリールの回転を開始させた時点から経過した時間であるゲーム時間を計時するようになっており、1ゲームの終了後、メダルの投入等により規定数の賭数が設定され、ゲームの開始操作が有効となった状態でゲームの開始操作がされたときに、前のゲームのリール回転開始時点から計時を開始したゲーム時間が所定の規制時間(本実施例では4.1秒)以上であれば、すなわち前のゲームのリール回転開始時点から所定の規制時間が経過していれば、その時点で当該ゲームにおけるリールの回転を開始させる。
一方、1ゲームの終了後、メダルの投入等により規定数の賭数が設定され、ゲームの開始操作が有効となった状態でゲームの開始操作がされたときに、前のゲームのリール回転開始時点から計時を開始したゲーム時間が所定の規制時間未満であれば、すなわち前のゲームのリール回転開始時点から所定の規制時間が経過していなければ、その時点ではリールの回転を開始させず、前のゲームのリール回転開始時点から計時を開始したゲーム時間が所定の規制時間に到達するまで待機し、所定の規制時間に到達した時点で当該ゲームにおけるリールの回転を開始させる。
すなわちメイン制御部41は、前のゲームにおけるリールの回転開始から所定の規制時間が経過していない場合には、この所定の規制時間が経過するまでゲームの進行を規制することで、1ゲームの最短時間が所定の規制時間以上となるようにゲームの進行を規制するようになっている。
次に、メイン制御部41がサブ制御部91に対して送信するコマンドについて説明する。
本実施例では、メイン制御部41がサブ制御部91に対して、投入枚数コマンド、クレジットコマンド、内部当選コマンド、リール回転開始コマンド、リール停止コマンド、入賞番号コマンド、払出開始コマンド、払出終了コマンド、復帰コマンド、遊技状態コマンド、待機コマンド、打止コマンド、エラーコマンド、設定コマンド、設定確認コマンド、ドアコマンド、操作検出コマンドを含む複数種類のコマンドを送信する。
これらコマンドは、コマンドの種類を示す1バイトの種類データとコマンドの内容を示す1バイトの拡張データとからなり、サブ制御部91は、種類データからコマンドの種類を判別できるようになっている。
投入枚数コマンドは、メダルの投入枚数、すなわち賭数の設定に使用されたメダル枚数を特定可能なコマンドであり、ゲーム終了後(設定変更後)からゲーム開始までの状態であり、電断復帰時、または規定数の賭数が設定されていない状態においてメダルが投入されるか、MAXBETスイッチ6が操作されて賭数が設定されたとき、再遊技役の入賞により賭数が設定されたときに送信される。また、投入枚数コマンドは、賭数の設定がされたときに送信されるので、投入枚数コマンドを受信することで賭数が設定されたことを特定可能である。
クレジットコマンドは、クレジットとして記憶されているメダル枚数を特定可能なコマンドであり、ゲーム終了後(設定変更後)からゲーム開始までの状態であり、規定数の賭数が設定されている状態において、メダルが投入されてクレジットが加算されたときに送信される。
内部当選コマンドは、内部抽選結果を特定可能なコマンドであり、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始したときに送信される。また、内部当選コマンドは、スタートスイッチ7が操作されたときに送信されるので、内部当選コマンドを受信することでスタートスイッチ7が操作されたことを特定可能である。
リール回転開始コマンドは、リールの回転の開始を通知するコマンドであり、リール2L、2C、2Rの回転が開始されたときに送信される。
リール停止コマンドは、停止するリールが左リール、中リール、右リールのいずれかであるか、該当するリールの停止操作位置の領域番号、該当するリールの停止位置の領域番号、を特定可能なコマンドであり、各リールの停止操作に伴う停止制御が行われる毎に送信される。また、リール停止コマンドは、ストップスイッチ8L、8C、8Rが有効に操作された際に送信されるので、リール停止コマンドを受信することでストップスイッチ8L、8C、8Rのいずれかが有効に操作されたことを特定可能である。
入賞番号コマンドは、入賞ラインLNに揃った図柄の組み合わせ、入賞の有無、並びに入賞の種類、入賞時のメダルの払出枚数を特定可能なコマンドであり、全リールが停止して入賞判定が行われた後に送信される。
払出開始コマンドは、メダルの払出開始を通知するコマンドであり、入賞やクレジット(賭数の設定に用いられたメダルを含む)の精算によるメダルの払出が開始されたときに送信される。また、払出終了コマンドは、メダルの払出終了を通知するコマンドであり、入賞及びクレジットの精算によるメダルの払出が終了したときに送信される。
復帰コマンドは、メイン制御部41が電断前の制御状態に復帰した旨を示すコマンドであり、メイン制御部41の起動時において電断前の制御状態に復帰した際に送信される。
遊技状態コマンドは、次ゲームの遊技状態を特定可能なコマンドであり、ゲームの終了時に送信される。
待機コマンドは、待機状態へ移行する旨を示すコマンドであり、1ゲーム終了後、賭数が設定されずに一定時間経過して待機状態に移行するとき、クレジット(賭数の設定に用いられたメダルを含む)の精算によるメダルの払出が終了し、払出終了コマンドが送信された後に送信される。
打止コマンドは、打止状態の発生または解除を示すコマンドであり、RT2終了後、打止状態が開始した時点で打止状態の発生を示す打止コマンドが送信され、リセット操作がなされて打止状態が解除された時点で、打止状態の解除を示す打止コマンドが送信される。
エラーコマンドは、エラー状態の発生または解除、エラー状態の種類を示すコマンドであり、エラーが判定され、エラー状態に制御された時点でエラー状態の発生及びその種類を示すエラーコマンドが送信され、エラー状態が解除された時点で、エラー状態の解除を示すエラーコマンドが送信される。
設定コマンドは、設定変更状態の開始または終了、設定変更後設定値を示すコマンドであり、設定変更状態に移行する時点で設定変更状態の開始を示す設定コマンドが送信され、設定変更状態の終了時に設定変更状態の終了及び設定変更後の設定値を示す設定コマンドが送信される。また、設定変更状態への移行に伴ってメイン制御部41の制御状態が初期化されるため、設定開始を示す設定コマンドによりメイン制御部41の制御状態が初期化されたことを特定可能である。
設定確認コマンドは、設定確認状態の開始または終了を示すコマンドであり、設定確認状態に移行する際に設定確認開始を示す設定確認コマンドが送信され、設定確認状態の終了時に設定確認終了を示す設定確認コマンドが送信される。
ドアコマンドは、ドア開放検出スイッチ25の検出状態、すなわちon(開放状態)/off(閉状態)を示すコマンドであり、電源投入時、1ゲーム終了時(ゲーム終了後、次のゲームの賭数の設定が開始可能となる前までの時点)、ドア開放検出スイッチ25の検出状態が変化(onからoff、offからon)した時に送信される。
操作検出コマンドは、操作スイッチ類(MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R)の検出状態(on/off)を示すコマンドであり、一定時間毎に送信される。
これらコマンドのうちドアコマンド及び操作検出コマンド以外のコマンドは、基本処理において生成され、RAM41cに設けられたコマンドキューに一時格納され、前述したタイマ割込処理(メイン)のコマンド送信処理おいて送信される。
一方、ドアコマンドは、タイマ割込処理(メイン)のドア監視処理においてに生成され、RAM41cに設けられたコマンドキューに一時格納され、その後のタイマ割込処理(メイン)のコマンド送信処理おいて送信される。
また、操作検出コマンドは、タイマ割込処理(メイン)のスイッチ入力判定処理において生成され、RAM41cに設けられたコマンドキューに一時格納され、その後のコマンド送信処理おいて送信される。
次に、メイン制御部41が演出制御基板90に対して送信するコマンドに基づいてサブ制御部91が実行する演出の制御について説明する。
サブ制御部91は、メイン制御部41からのコマンドを受信した際に、コマンド受信割込処理を実行する。コマンド受信割込処理では、RAM91cに設けられた受信用バッファに、コマンド伝送ラインから取得したコマンドを格納する。
受信用バッファには、最大で16個のコマンドを格納可能な領域が設けられており、複数のコマンドを蓄積できるようになっている。
サブ制御部91は、タイマ割込処理(サブ)において、受信用バッファに未処理のコマンドが格納されているか否かを判定し、未処理のコマンドが格納されている場合には、そのうち最も早い段階で受信したコマンドに基づいてROM91bに格納された制御パターンテーブルを参照し、制御パターンテーブルに登録された制御内容に基づいて液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等の各種演出装置の出力制御を行う。
制御パターンテーブルには、複数種類の演出パターン毎に、コマンドの種類に対応する液晶表示器51の表示パターン、演出効果LED52の点灯態様、スピーカ53、54の出力態様、リールLED55の点灯態様等、これら演出装置の制御パターンが登録されており、サブ制御部91は、コマンドを受信した際に、制御パターンテーブルの当該ゲームにおいてRAM91cに設定されている演出パターンに対応して登録された制御パターンのうち、受信したコマンドの種類に対応する制御パターンを参照し、当該制御パターンに基づいて演出装置の出力制御を行う。これにより演出パターン及び遊技の進行状況に応じた演出が実行されることとなる。
尚、サブ制御部91は、あるコマンドの受信を契機とする演出の実行中に、新たにコマンドを受信した場合には、実行中の制御パターンに基づく演出を中止し、新たに受信したコマンドに対応する制御パターンに基づく演出を実行するようになっている。すなわち演出が最後まで終了していない状態でも、新たにコマンドを受信すると、受信した新たなコマンドが新たな演出の契機となるコマンドではない場合を除いて実行していた演出はキャンセルされて新たなコマンドに基づく演出が実行されることとなる。
演出パターンは、内部当選コマンドを受信した際に、内部当選コマンドが示す内部抽選の結果に応じた選択率にて選択され、RAM91cに設定される。演出パターンの選択率は、ROM91bに格納された演出テーブルに登録されており、サブ制御部91は、内部当選コマンドを受信した際に、内部当選コマンドが示す内部抽選の結果に応じて演出テーブルに登録されている選択率を参照し、その選択率に応じて複数種類の演出パターンからいずれかの演出パターンを選択し、選択した演出パターンを当該ゲームの演出パターンとしてRAM91cに設定するようになっており、同じコマンドを受信しても内部当選コマンドの受信時に選択された演出パターンによって異なる制御パターンが選択されるため、結果として演出パターンによって異なる演出が行われることがある。
本実施例においてメイン制御部41は、メダルの投入を許可する状態と、メダルの投入を許可しない状態と、に制御する。詳しくは、ゲームの終了後、規定数の賭数が未だ設定されていない状態、規定数の賭数が設定された後、クレジットが上限値(50枚)に到達していない状態においては、メダルの投入が許可され、ゲーム開始後、ゲーム終了までの状態、ゲーム開始前であっても、クレジットが上限値(50枚)に到達後の状態においては、メダルの投入が許可されないようになっている。
メイン制御部41は、メダルの投入を許可しない状態において流路切替ソレノイド30をoff(駆動しない状態)に制御する。流路切替ソレノイド30がoffの状態では、メダルセレクタ29に設けられた流路切替板150が、メダル投入部4から投入されたメダルがメダルセレクタ29の下方に設けられたメダル返却通路191内に落下する返却位置となり、メダルの投入を許可しない状態においてメダル投入部4からメダルが投入されると、投入されたメダルはメダル返却通路191内に落下し、メダル払出口9から返却されるようになっている。
また、メイン制御部41は、メダルの投入を許可しない状態からメダルの投入を許可する状態に切り替わると流路切替ソレノイド30をon(駆動した状態)に制御する。流路切替ソレノイド30がonの状態では、流路切替板150が、メダル投入部4から投入されたメダルが、投入メダルセンサ31a〜cにて検出された後、メダルシュート200に流出されるように案内する流下位置となり、メダルの投入を許可する状態においてメダル投入部4からメダルが投入されると、投入されたメダルは投入メダルセンサ31a〜cにて検出された後、メダルシュート200に流出し、ホッパータンク34aに誘導され、ホッパータンク34aに貯留されるようになっている。
また、メイン制御部41は、メダルの投入を許可する状態からメダルの投入を許可しない状態に切り替わると再び流路切替ソレノイド30をoffに制御し、これにより流路切替板150が、後述の圧縮バネ152により返却位置に戻るようになっており、メダル投入部4から投入されたメダルがメダル返却通路191内に落下し、メダル払出口9から返却される状態に戻るようになっている。
尚、メダルセレクタ29の構造及び流路切替板150の動作については後に詳述する。
本実施例においてメイン制御部41は、ゲームの終了後、次ゲームの開始前であり、1以上の賭数が設定されている状態(前のゲームにおいて再遊技役が入賞したことに伴って賭数が設定されている状態を除く)において精算スイッチ10が操作されたときに、ホッパーモータ34bを駆動して、メイン制御部41のRAMに設定されている賭数分のメダルを払い出してメダル払出口9から返却し、設定されている賭数をクリアする賭数の精算制御を行う。
また、メイン制御部41は、ゲームの終了後、次ゲームの開始前であり、賭数が設定されておらず、かつクレジットが残存している状態において精算スイッチ10が操作されたときに、ホッパーモータ34bを駆動して、クレジットとしてメイン制御部41のRAMに記憶されているメダル数分のメダルを払い出してメダル払出口9から返却し、クレジットとして記憶されているメダル数をクリアするクレジットの精算制御を行う。
本実施例のスロットマシン1では、前述のように遊技の制御を行うメイン制御部41が設けられた遊技制御基板40などの各種基板が搭載されており、これらの基板には、図5(A)に示すように、遊技者による遊技の進行操作が可能なスイッチ類等からなる電気部品がケーブルを介して接続されている。
遊技制御基板40には、前述したように、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10、投入メダルセンサ31a〜cが接続されている。
具体的には、図5(A)に示すように、スタートスイッチ7及び精算スイッチ10は遊技制御基板40と配線接続され、MAXBETスイッチ6、ストップスイッチ8L、8C、8R、投入メダルセンサ31a〜cは、操作部中継基板110を経由して遊技制御基板40と配線接続されている。
操作部中継基板110には、遊技制御基板40と各電気部品とを接続するための配線パターン(図示略)が設けられており、各電気部品から遊技制御基板40に対して出力される検出信号または遊技制御基板40から供給(入力)される電力や信号等を中継可能とされている。
このようにスタートスイッチ7及び精算スイッチ10を除く各種電気部品と遊技制御基板40とを、スロットマシン1の本体(本実施例では、筐体1a)所定箇所に取り付けた操作部中継基板110を経由して配線接続することで、遊技制御基板40からスロットマシン1の本体所定箇所に個々に配設される複数の電気部品との配線の取りまとめが容易になるとともに、コネクタ接続部が常に中継基板または遊技制御基板40に設けられることになり、これにより各電気部品それぞれのコネクタ接続部が固定されるため、配線接続作業時においてコネクタ接続部を探したり、接続する配線の種類を間違うこと等が防止される。
MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10、投入メダルセンサ31a〜cは、ゲームの進行に関わる信号を遊技制御基板40に入力する遊技用電気部品である。
遊技用電気部品と基板とはケーブルを介して接続されており、遊技用電気部品と基板とを接続するケーブルは、スロットマシンの製造時における組み付け作業や配線作業を容易にするため、コネクタ同士の接続を解除することで分離可能とされている。
遊技用電気部品のうち精算スイッチ10を遊技制御基板40に直接配線接続するとともに、遊技制御基板40と精算スイッチ10との間のコネクタ接続、すなわち遊技制御基板40の基板側コネクタ620aとケーブル600aのケーブル側コネクタ610aとの接続及び精算スイッチ10の部品側コネクタ640aとケーブル側コネクタ630aとの接続について、コネクタ同士の接続の解除をコネクタ規制部材650a、650bによって規制されるようになっている。
基板側コネクタ620aとケーブル600aのケーブル側コネクタ610aとの接続の解除を規制するコネクタ規制部材650aは、図5(B)に示すように、一面が開口する箱形状に形成され、基板側コネクタ620aに接続されたケーブル側コネクタ610aの上方から覆った状態でコネクタ規制部材650aに設けられた係合部651を、遊技制御基板40を収容する基板ケース660に設けられた係合筒661内に嵌合することで、該係合筒661内に設けられた弾性爪662がコネクタ規制部材650a側の係合部651に設けられた係合穴(図示略)に係合されて基板ケース660に取り付けられるようになっている。
コネクタ規制部材650aの係合部651を係合筒661に嵌合することで、その内部で弾性爪662が係合穴(図示略)に係合され、これにより、基板ケース660を開封するか係合部651を破壊しない限りコネクタ規制部材650aと基板ケース660との係合状態を解除することができなくなる。
精算スイッチ10の部品側コネクタ640aとケーブル600aのケーブル側コネクタ630aとの解除を規制するコネクタ規制部材650bは、コネクタ規制部材650bと同様に一面が開口する箱形状に形成され、部品側コネクタ640aに接続されたケーブル側コネクタ630aの上方から覆った状態でコネクタ規制部材650bに設けられた係合部を、精算スイッチ10に設けられた係合筒内に嵌合することで、該係合筒内に設けられた弾性爪がコネクタ規制部材650b側の係合部に設けられた係合穴に係合されて精算スイッチ10に取り付けられるようになっている。
コネクタ規制部材650bを係合筒に嵌合することで、その内部で弾性爪が係合穴に係合され、これにより、係合部を破壊しない限りコネクタ規制部材650bと精算スイッチ10との係合状態を解除することができなくなる。
また、コネクタ規制部材650bが精算スイッチ10に取り付けられると、精算スイッチ10を前面扉1bの裏面から固定するためのネジ(図示略)がコネクタ規制部材650bにより被覆されるようになっており、係合部を破壊しない限り精算スイッチ10を前面扉1bから取り外すこともできなくなる。
このため、遊技制御基板40と精算スイッチ10との間のコネクタ接続を解除したり、精算スイッチ10を前面扉1bから取り外すためには、コネクタ規制部材650aの係合部またはコネクタ規制部材650bの係合部を破壊しなければならず、これにより、遊技制御基板40と精算スイッチ10との間のコネクタ接続が解除されたり、精算スイッチ10が前面扉1bから取り外されたりすると、その痕跡が残るようになっている。
また、図5(A)に示すように、遊技用電気部品のうちスタートスイッチ7を遊技制御基板40に直接配線接続するとともに、遊技制御基板40とスタートスイッチ7との間のコネクタ接続、すなわち遊技制御基板40の基板側コネクタ620bとケーブル600bのケーブル側コネクタ610bとの接続及びスタートスイッチ7の部品側コネクタ640bとケーブル側コネクタ630bとの接続についても、コネクタ同士の接続の解除をコネクタ規制部材650a、コネクタ規制部材650bと同様に構成された650cによって規制されるようになっており、遊技制御基板40とスタートスイッチ7との間のコネクタ接続を解除するためには、コネクタ規制部材650aの係合部またはコネクタ規制部材650cの係合部を破壊しなければならず、これにより、遊技制御基板40とスタートスイッチ7との間のコネクタ接続が解除されると、その痕跡が残るようになっている。
この際、基板側コネクタ620bとケーブル600bのケーブル側コネクタ610bとの接続の解除が、コネクタ規制部材650aによって基板側コネクタ620aとケーブル600aのケーブル側コネクタ610aとの接続の解除とともに規制されるようになっている。すなわち1つのコネクタ規制部材650aにより、精算スイッチ10に接続されるケーブル600aのケーブル側コネクタ610aと基板側コネクタ620aとの接続の解除、スタートスイッチ7に接続されるケーブル600bのケーブル側コネクタ610bと基板側コネクタ620bとの接続の解除が同時に規制されるようになっている。
本実施例では、精算スイッチ10を操作することで、賭数の設定に使用され、未だゲームに使用されていないメダルを返却する賭数の精算や、クレジットとして記憶されているメダルを返却するクレジットの精算を行うことが可能とされている。
一方、精算スイッチ10は、ケーブル600aを介して遊技制御基板40に接続されるが、精算スイッチ10と遊技制御基板40との配線の接続不良や、遊技店による不正により敢えて精算スイッチ10と遊技制御基板40との配線を外すことや精算スイッチ自体を取り外すこと(これにより遊技者はクレジットを精算することができず、遊技への使用が強いられることとなる)により、精算スイッチ10を操作しても賭数の精算やクレジットの精算ができなくなってしまうこと、そもそも精算スイッチ10の操作することができなくなってしまうことがあり、このような場合には、本来は遊技者所有のメダルが返却されなくなることから遊技者に不利益が生じてしまうこととなる。
これに対して本実施例では、遊技制御基板40と精算スイッチ10との間のコネクタ接続について、コネクタ同士の接続の解除をコネクタ規制部材650a、650bによって規制され、遊技制御基板40と精算スイッチ10との間の配線が外れたり、故意に外したりすることが防止されるので、本来は遊技者所有のメダルが返却されなくなることから遊技者に不利益が生じてしまうこと防止できる。
また、精算スイッチ10の前面扉1bからの取り外しがコネクタ規制部材650bによって規制され、精算スイッチ10を故意に取り外すことが防止されるので、本来は遊技者所有のメダルが返却されなくなることから遊技者に不利益が生じてしまうこと防止できる。
また、本実施例では、遊技制御基板40と精算スイッチ10との間のコネクタ接続を解除するためには、コネクタ規制部材650aの係合部またはコネクタ規制部材650bの係合部を破壊しなければならず、これにより、遊技制御基板40と精算スイッチ10との間のコネクタ接続が解除されると、その痕跡が残るようになっているので、故意に遊技制御基板40と精算スイッチ10との間のコネクタ接続が解除されることを効果的に防止することができる。
また、本実施例では、精算スイッチ10を前面扉1bから取り外すためには、コネクタ規制部材650bの係合部を破壊しなければならず、これにより、精算スイッチ10が取り外されると、その痕跡が残るようになっているので、精算スイッチ10を故意に取り外すことを効果的に防止することができる。
尚、本実施例では、係合部を破壊しなければコネクタ接続を解除することができないコネクタ規制部材650a、650bを用いることにより、遊技制御基板40と精算スイッチ10との間のコネクタ接続が解除された場合に、その痕跡が残る構成であるが、接続の解除に関連する痕跡が残る構成であれば、他の方法を用いて遊技制御基板40と精算スイッチ10との間のコネクタ接続が解除されることを規制する構成としても良く、このような構成であっても、故意に遊技制御基板40と精算スイッチ10との間のコネクタ接続が解除されることを効果的に防止することができる。
また、本実施例では、係合部を破壊しなければ精算スイッチ10を取り外すことができないコネクタ規制部材650bを用いることにより、精算スイッチ10を取り外した場合に、その痕跡が残る構成であるが、精算スイッチ10の取り外しに関連する痕跡が残る構成であれば、他の方法を用いて精算スイッチ10の取り外しを規制する構成としても良く、このような構成であっても、精算スイッチ10を故意に取り外すことを効果的に防止することができる。
また、本実施例では、遊技用電気部品のうち精算スイッチ10及びスタートスイッチ7を遊技制御基板40に直接配線接続するとともに、1つのコネクタ規制部材650aにより、精算スイッチ10に接続されるケーブル600aのケーブル側コネクタ610aと基板側コネクタ620aとの接続の解除、スタートスイッチ7に接続されるケーブル600bのケーブル側コネクタ610bと基板側コネクタ620bとの接続の解除が同時に規制されるようになっている。
遊技制御基板40とスタートスイッチ7との間のコネクタ接続について、コネクタ同士の接続の解除を規制するのは、打込器具などの不正機器を接続することを防止することを目的としており、遊技制御基板40とスタートスイッチ7との間のコネクタ接続全ての解除を規制する必要があり、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、投入メダルセンサ31a〜cと同様に操作部中継基板110を介して接続すると、コネクタ接続箇所が多くなりコネクタカバーなどの規制部材をその分多く必要となるが、スタートスイッチ7を遊技制御基板40に直接配線接続することで規制部材が2箇所で済むこととなる。
一方、遊技制御基板40と精算スイッチ10との間のコネクタ接続について、コネクタ同士の接続の解除を規制するのは、精算スイッチ10だけが外れるのを防止することを目的としており、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、投入メダルセンサ31a〜cと同様に操作部中継基板110を介して接続した場合でも、操作部中継基板110と遊技制御基板40との接続を解除した場合、精算スイッチ10だけ外すことは不可能であり、遊技自体行えなくなってしまうことから、精算スイッチ10と操作部中継基板110との間のコネクタ接続についてのみコネクタ同士の接続の解除を規制することで足り、この場合も規制部材は2箇所で済むこととなる。
スタートスイッチ7が遊技制御基板40に直接接続され、精算スイッチ10が操作部中継基板110を介して遊技制御基板40と接続される構成とした場合には、それぞれ2箇所ずつ計4箇所の規制部材が必要となるが、本実施例では、精算スイッチ10及びスタートスイッチ7を遊技制御基板40に直接配線接続することで、1つの規制部材にて精算スイッチ10に接続されるケーブル600aのケーブル側コネクタ610aと基板側コネクタ620aとの接続の解除、スタートスイッチ7に接続されるケーブル600bのケーブル側コネクタ610bと基板側コネクタ620bとの接続の解除を同時に規制することが可能となり、規制部材の数を削減することができる。
尚、本実施例では、精算スイッチ10を遊技制御基板40に直接配線接続する構成であるが、精算スイッチ10を操作部中継基板110を介して遊技制御基板40に接続する構成としても良く、このような構成とした場合には、少なくとも精算スイッチ10と操作部中継基板110との間のコネクタ接続についてのみコネクタ同士の接続の解除を規制することで、遊技制御基板40と精算スイッチ10との間のコネクタ接続が解除されることを防止することができる。
尚、本実施例では、遊技制御基板40と精算スイッチ10との間のコネクタ接続について、コネクタ同士の接続の解除をコネクタ規制部材650a、650bによって規制され、遊技制御基板40と精算スイッチ10との間の配線が外れたり、故意に外したりすることが防止される構成であるが、例えば、精算スイッチ10の部品側コネクタ640aとケーブル600aのケーブル側コネクタ630aとの接続箇所が他の部材(例えば、操作部中継基板110等)により隠れる位置となるように配置し、ケーブル600aのケーブル側コネクタ610aと基板側コネクタ620aとの接続箇所が他の部材(例えば、基板ケース660)により隠れる位置となるように配置することにより、接続の解除が困難となる構成としても良く、このような構成とした場合でも、遊技制御基板40と精算スイッチ10との間のコネクタ接続が故意に解除されることを防止することができる。
また、遊技制御基板40と精算スイッチ10との間のコネクタ接続の解除を物理的に規制する構成に限らず、遊技制御基板40と精算スイッチ10との接続が解除された旨を検知する解除検知センサ(例えば、遊技制御基板40からケーブル600a、精算スイッチ10、ケーブル600aを経由する配線を設け、この配線の導通が途切れることをメイン制御部41にて検出する手段等)を設け、解除検知センサにより遊技制御基板40と精算スイッチ10との接続が解除された旨が検知された場合に、メイン制御部41やサブ制御部91の制御によりその旨を報知する構成としても良く、このような構成とした場合でも、遊技制御基板40と精算スイッチ10との間のコネクタ接続が故意に解除されることを防止することができる。また、この構成においては、接続が解除された旨の報知だけでなく、遊技の制御が不能化されるエラー状態に制御されることが好ましく、これにより遊技制御基板40と精算スイッチ10との間のコネクタ接続が故意に解除されることをより効果的に防止することができる。
また、本実施例では、精算スイッチ10の前面扉1bからの取り外しがコネクタ規制部材650bによって規制され、精算スイッチ10を故意に取り外すことが防止される構成であるが、例えば、精算スイッチ10の取付箇所が他の部材(例えば、操作部中継基板110等)により隠れる位置となるように配置することにより、精算スイッチ10の前面扉1bからの取り外しが困難となる構成としても良く、このような構成とした場合でも、精算スイッチ10を故意に取り外すことを防止することができる。
また、精算スイッチ10の前面扉1bからの取り外しを物理的に規制する構成に限らず、精算スイッチ10が取り外された旨を検知する取り外し検知センサ(例えば、遊技制御基板40からケーブル600a、精算スイッチ10、ケーブル600aを経由する配線を設け、この配線の導通が途切れることをメイン制御部41にて検出する手段等)を設け、取り外し検知センサにより精算スイッチ10が取り外された旨が検知された場合に、メイン制御部41やサブ制御部91の制御によりその旨を報知する構成としても良く、このような構成とした場合でも、精算スイッチ10を故意に取り外すことを防止することができる。また、この構成においては、精算スイッチ10が取り外された旨の報知だけでなく、遊技の制御が不能化されるエラー状態に制御されることが好ましく、これにより精算スイッチ10を故意に取り外すことをより効果的に防止することができる。
次に、メダルセレクタ29について、図6〜図13に基づいて説明する。図6は、(A)はメダルセレクタを示す背面図、(B)は正面図である。図7は、メダルセレクタ及びカバー部材を示す斜視図である。図8は、メダルがホッパータンクに誘導される状態を示す説明図である。図9は、メダルがメダル返却通路に誘導される状態を示す説明図である。図13は、(A)は図6(A)のA−A断面図、(B)は図13(A)のB−B断面図、(C)は図13(A)のC−C断面図である。尚、以下においては、スロットマシンを正面から見たときの上下左右方向を基準として各部を説明する。
図6〜図9に示すように、メダル判別装置としてのメダルセレクタ29は、背面視略正方形状をなす前通路板141と、前通路板141の上辺に形成される上板142と、前通路板141の左右側辺に形成される左右の側板143a、143bと、により主に本体が構成されている。前通路板141の前面側には、前通路板141に取り付けられた揺動軸144を中心として揺動可能に設けられた後通路板145が、前通路板141の背面に対し所定の隙間(メダルMの板厚寸法よりも大きな隙間)を隔てて配置されており(図8参照)、これら前通路板141と後通路板145との間に、メダルMが流下可能なメダル流下通路146が形成されている(図6(A)中斜線領域)。
メダル流下通路146は、上下方向を向く垂直通路部146aと該垂直通路部146aの下端から右側に向けて下方に傾斜する傾斜通路部146bとにより正面視略L字状に形成され、上板142における垂直通路部146aの上流側端部に対応する位置には流入口147が形成されているとともに、右側の側板143bにおける傾斜通路部146bの下流側端部に対応する位置には流出口148が形成されている。
前通路板141の背面側における傾斜通路部146bの下方位置には、メダル流下通路146を流下するメダルの流路を、メダルシュート200またはメダル返却通路191に切り替えるための流路切替板150が、前通路板141に該前通路板141の背面に沿うように上下方向の略中央位置に設けられた揺動軸151を中心として揺動可能に設けられている。流路切替板150の上端面は、傾斜通路部146bの下辺に沿うように配置され、傾斜通路部146bを流下するメダルMが流下する流下底面150aを形成している。
流路切替板150は、図8に示すように、流下底面150aが前通路板141と後通路板145との間に配置されて傾斜通路部146bの底面を構成し、メダル流下通路146を流下するメダルMをメダルシュート200へ流下させる流下位置と、図9に示すように、流下底面150aが前通路板141と後通路板145との間から前面側に退避して、メダル流下通路146を通路を流下するメダルMを落下させてメダル返却通路191へ流下させる返却位置と、の間で揺動可能とされている。
流路切替板150の前面下部と前通路板141との間には、圧縮バネ152が設けられており、常に流路切替板150の前面下部を後側に向けて付勢している。つまり、流路切替板150を図9に示す返却位置に維持するように付勢している。また、流路切替板150の前面上部には当接部153が突設され、前通路板141に形成された貫通孔154に挿入されており、流路切替板150が返却位置にあるときにおいて貫通孔154を介して前通路板141の前面側に突出するようになっている。
前通路板141の背面における流路切替板150の直上位置には収容凹部155が形成されており、メダルMが前面側に傾倒可能としている。また、この収容凹部155の上辺部には、メダルMの背面上端縁をガイドするガイド板156が設けられており、このガイド板156の下辺と流下位置にある流路切替板150の流下底面150aとの離間距離L1は、メダルMの直径よりも若干短寸とされている。よって、流路切替板150が流下位置にあるときには、傾斜通路部146bを流下するメダルMは、底面が流下底面150aに支持され、表裏面上部がガイド板156と後通路板145とにより挟持されることで、略起立姿勢に維持される。一方、流路切替板150が返却位置にあるときには、流下底面150aが背面側に退避することによりメダルMが下方に落下し、これにより該メダルMの上端がガイド板156から下方に離れ、メダルMの上部は後通路板145のみしか支持されなくなって不安定な状態となるため、収容凹部155側に傾倒しやすくなる(図9参照)。
後通路板145は、図6(a)、図8及び図10に示すように、前通路板141に取り付けられた揺動軸144に対して、後通路板145の前面により流下するメダルの側面が支持される支持位置(図8に示す位置)と、揺動軸144を中心として下端側が前通路板141から離間し、後通路板145の前面により流下するメダルの側面が支持されない非支持位置(図10に示す位置)と、の間で揺動可能に取り付けられている。また、後通路板145は、図6(a)に示すように、揺動軸144に取り付けられたトーションバネ144aの付勢力により支持位置側に付勢されている。
前通路板141の前面には、返却ソレノイド27が取り付けられている。返却ソレノイド27は、非励磁状態で退避しているプランジャ27aが励磁状態となることで突出するいわゆるプッシュ型のソレノイドであり、前通路板141に前後方向に貫通するように形成された挿通孔141aを介して、プランジャ27aの先端が前通路板141の後側、すなわち後通路板145側に臨むように配置されている。
そして、図8に示すように、返却ソレノイド27が非励磁状態のときには、プランジャ27aが前方に退避した状態で付勢されており、後通路板145がトーションバネ144aの付勢力により支持位置に付勢されることで、前通路板141と後通路板145との間にメダルMが流下可能なメダル流下通路146が形成され、図10に示すように、返却ソレノイド27が励磁状態のときには、プランジャ27aが後方に突出することによりプランジャ27aの先端が後通路板145の前面を押圧し、後通路板145がトーションバネ144aの付勢力に抗して非支持位置に移動することで、前通路板141と後通路板145との間に大きな空間が形成され、メダル流下通路146内に詰まったメダルを下部に排出可能とされている。
また、前通路板141における傾斜通路部146bの下流側端部には、メダルシュート200に導かれるメダルMを検出する投入メダルセンサ31a〜31cが配設されている。投入メダルセンサ31a、31bは傾斜通路部146bの上部に並設され、投入メダルセンサ31cは傾斜通路部146bの下部に配設されている。尚、投入メダルセンサ31cは、傾斜通路部146bに対し出退可能に設けられた検出片31dを介してメダルMを検出する。
前通路板141の前面には、流路切替ソレノイド30が取り付けられている。また、流路切替ソレノイド30の上方位置には、背面側に向けて支持板160が突設されており、この支持板160の先端には、側面視略L字形の金属板からなる作動板161の上端が吊支され、前後方向に揺動可能に支持されている。作動板161の先端には、流路切替板150の当接部153に当接可能な当接片162が形成されている。また、上端には突出片163が形成されており、この突出片163には、支持板160に形成された突出片164に後端が取り付けられた引っ張りバネ165の前端が取り付けられている。
作動板161は、図9に示すように、流路切替ソレノイド30が非励磁状態であるときに、引っ張りバネ165により上端が後側に付勢されることにより、流路切替ソレノイド30の磁石部から離間され当接片162が前面側に退避する非励磁位置と、図8に示すように、流路切替ソレノイド30が励磁状態であるときに、引っ張りバネ165による付勢力に抗して流路切替ソレノイド30の磁石部に吸着されて当接片162が前通路板141に当接する励磁位置と、の間で揺動可能とされている。そして、作動板161が非励磁位置にあるときには、当接片162が当接部153から離れるまたは当接しても後側に押圧しないため、流路切替板150は圧縮バネ152により返却位置に維持され、作動板161が励磁位置にあるときには、当接片162が当接部153に当接して圧縮バネ152の付勢力に抗して後側に押圧するため、流路切替板150は流下位置に維持されるようになっている。
尚、作動板161が非励磁位置にあるときには、流路切替板150は圧縮バネ152が取り外された状態において、当接部153側の重みによって返却位置に倒れる重心となるように、揺動軸151が設けられており、仮に圧縮バネ152が取り外された状態であっても、流路切替板150が返却位置に維持され、流路切替ソレノイド30が励磁状態から非励磁状態となり、作動板161が非励磁位置に退避すると、流路切替板150が自重により流下位置から返却位置に移動するようになっている。
また、引っ張りバネ165が取り外されると、流路切替ソレノイド30が非励磁状態であっても作動板161を非励磁位置へ移動させる付勢力が働かなくなるが、圧縮バネ152が取り外されていなければ、圧縮バネ152の付勢力により流路切替板150が返却位置に移動し、それに押し出されて作動板161も非励磁位置へ移動するようになっている。また、引っ張りバネ165及び圧縮バネ152の双方が取り外された場合であっても、流路切替板150が自重により作動板161を押し出し、流下位置から返却位置へ移動するようになっている。
また、左右の側板143a、143bには、ネジ孔171a〜171dが形成された取付片170a〜170dが突設されているとともに、これら取付片170a〜170dの近傍位置には、ネジ孔172a〜172dが形成されている。
このように構成されたメダルセレクタ29は、流路切替ソレノイド30が励磁状態であるときには、作動板161が励磁位置、流路切替板150が流下位置にあることで、メダル投入部4に投入され流入口147からメダル流下通路146に流入したメダルMは、該メダル流下通路146の垂直通路部146aを通過した後、流下底面150a上を流下して傾斜通路部146bを流下した後、流出口148から流出してメダルシュート200に流入してホッパータンク34aに誘導される。
また、流路切替ソレノイド30が非励磁状態であるときには、作動板161が非励磁位置、流路切替板150が返却位置にあることで、メダル投入部4に投入され流入口147からメダル流下通路146に流入したメダルMは、該メダル流下通路146の垂直通路部146aを通過した後、流下底面150aが退避して存在しないことで傾斜通路部146bの上流部にて下方に落下し、メダル返却通路191に誘導される。
つまり、メダル投入部4から投入され、投入通路としての垂直通路部146aを流下したメダルMは、流路切替ソレノイド30が励磁状態であるときには、本発明の内方側通路を構成する傾斜通路部146b及びメダルシュート200を流下してスロットマシンの内方であるホッパータンク34aに導かれ、流路切替ソレノイド30が非励磁状態であるときには、メダル流下通路146から下方に分岐して、本発明の外方側通路を構成するメダル返却通路191を介して外部に排出する返却口としてのメダル払出口9に導かれるようになっている。
また、メダルセレクタ29の後側には、後カバー部材180が取り付けられるとともに、メダルセレクタ29の前側には、前カバー部材181が取り付けられる。後カバー部材180は、主に流路切替板150の後面及び下面の一部と、圧縮バネ152、トーションバネ144aを後側から被覆可能に形成され、左右には、取付孔183a、183bが形成された取付片182a、182bが突設されている。また、流路切替板150の下方に対応する位置には、メダルMを落下させるための開口184が形成されている。前カバー部材181は、主に流路切替ソレノイド30の前面、引っ張りバネ165及び返却ソレノイド27を前側から被覆可能に形成され、左右には、取付孔183c、183dが形成された取付片182c、182dが突設されている。
後カバー部材180及び前カバー部材181は、それぞれの取付孔183a〜183dに取り付けたネジ184a〜184dを対応するネジ孔171a〜171dに螺入することで、メダルセレクタ29に取り付けられる。ネジ184a〜184dにより締結された取付片170a〜170dと取付片182a、182b及びネジ184a〜184dは、取り外しを規制するための規制部材290a〜290dにより被覆されるようになっている。
規制部材290a〜290dは、図13に示すように、取付片170a〜170d及び取付片182a、182bを被覆可能な大きさを有する一面が開口する箱状に形成された被覆部291と、被覆部291に対し連結片292を介して連結され、取付孔294を有する有底円筒状をなす取付部293と、から構成されている。
このように構成された規制部材290a〜290dは、被覆部291により各取付片170a〜170d、取付片182a、182b及びネジ184a〜184dを被覆した状態で、各取付孔294に、締め付け方向にしかネジを回すことができない従来公知のワンウェイネジ295a〜295dを取り付け、ネジ孔172a〜172dに螺入することで、側板143a、143bに取り外し不能に取り付けられる。これにより、各取付片170a〜170d、取付片182a、182b及びネジ184a〜184dが被覆部291により被覆されるので、規制部材290a〜290dを取り外さない限りネジ184a〜184dにアクセスして後カバー部材180、前カバー部材181を取り外すことが困難となる。
また、側板143a、143bから規制部材290a〜290dを取り外すには、ワンウェイネジ295a〜295dを取り外すことができないため、連結片292を切断して取付部293を被覆部291から切り離す、あるいは取付部293や被覆部291を破壊する必要がある。よって、側板143a、143bから規制部材290a〜290dが取り外されたときには、切断や破壊により側板143a、143bから規制部材290a〜290dを取り外された痕跡、すなわち後カバー部材180、前カバー部材181が取り外された痕跡が残るようになっている。
本実施例においてメイン制御部41は、ゲームの終了後、次ゲームの開始前の状態において返却スイッチ26が操作されたときに、返却ソレノイド27を励磁状態に駆動して後通路板145を非支持位置に移動させることで、メダルセレクタ29内に詰まったメダルを排出してメダル払出口9から返却させる返却制御を行う。
図11は、ゲームの終了後、次ゲームの開始前の状態においてメイン制御部41が実行するメダル返却処理の制御内容を示すフローチャートである。
メダル返却処理では、まず、返却スイッチ26の操作が検出されたか否かを判定する(S1)。S1のステップにおいて返却スイッチ26の操作が検出され場合には、返却中LED28を点灯させ(S2)、返却ソレノイド27の駆動パターンを予め定められた複数のパターンからランダムに選択する(S3)。返却ソレノイド27の駆動パターンは、返却ソレノイドを非励磁状態から励磁状態に制御し、その後、励磁状態から非励磁状態に制御するパターン、すなわち後通路板145を支持位置から非支持位置に移動させる制御を行い、その後、非支持位置から支持位置に移動させる制御を行うパターンである。
そして、S3のステップでランダムに選択された駆動パターンに基づいて返却ソレノイド27を駆動させる制御(S4)を行った後、返却中LED28が点灯状態となってから一定時間が経過するまで待機し(S5)、一定時間が経過した後に、返却中LED28を消灯させて(S6)、メダル返却処理を終了する。
本実施例における返却ソレノイド27の駆動パターンは、図12(a)に示すように、駆動パターン1〜3からなり、駆動パターン1〜3では、返却ソレノイドを駆動させる期間、すなわち後通路板145が非支持位置となる期間は同じ期間であるが、返却ソレノイドの駆動を開始させるタイミング(駆動開始時間)がそれぞれ異なるように設定されており、これらの駆動パターンがランダムに選択されるようになっている。このため、返却スイッチ26が操作されてから後通路板145が非支持位置となるタイミングがランダムに変化することとなる。
また、図12(a)に示すように、返却スイッチ26が操作され、返却ソレノイド27を駆動させるときには、返却中LED28が点灯するようになっている。また、返却中LED28は、いずれの駆動パターンが選択されても返却スイッチ26が操作されたタイミングで点灯し、その後一定時間にわたり点灯するようになっており、返却中LED28が点灯するタイミングと、返却ソレノイドが駆動するタイミングとが同期しないようになっている。
次に、メダル通路部材190について、図14〜図19に基づいて説明する。図14は、(A)はメダル通路部材を示す正面図、(B)は(A)のD−D断面図である。図15は、メダル通路部材を示す背面図である。図16は、(A)はメダル通路部材及び保護板を斜め後ろから見た状態を示す斜視図、(B)はメダル通路部材及び保護板を斜め前から見た状態を示す斜視図である。図17は、(A)は規制部材を示す要部拡大断面図、(B)は(A)のE−E断面図である。図18は、メダル通路部材が前面扉の背面に取り付けられた状態を示す一部破断背面図である。図19は、メダル通路部材が前面扉の背面に取り付けられた状態を示す一部破断側面図である。
図14〜図16に示すように、メダル通路部材190は、合成樹脂材により前方に向けて開口する背面視で略Y字形をなす箱状に形成されてなる。メダル通路部材190は、前面扉1bの背面におけるメダルセレクタ29の下方位置に複数のネジ190n(図17参照)により取り付けられることで、メダル通路部材190の左側に、該メダル通路部材190と前面扉1bの背面とによってメダル返却通路191が構成される。具体的には、メダル通路部材190の縁辺における複数個所に形成された取付片250a〜250cに形成された取付孔251a〜251c及び取付孔251dに取り付けたネジ190nを前面扉1bの背面に形成されたネジ孔252(図17(B)参照)に螺入することで、前面扉1bに取り付けられる。また、このメダル返却通路191の上端部には、メダル通路部材190と前面扉1bの背面によってメダルセレクタ29の背面下部から流出したメダルが通過可能な上端開口190aが形成されている。
一方、メダル通路部材190の左部には、メダルセレクタ29の下方において前面扉1bの背面に複数のネジ190nにより取り付けられることで、該メダル通路部材190と前面扉1bの背面とによってホッパーユニット34から払い出されたメダルをメダル払出口9に誘導するメダル払出通路192が構成される。
また、メダル通路部材190の下部は、メダル返却通路191とメダル払出通路192とが合流する構造となっており、該メダル通路部材190の下部には、正面視略Y字形状の金属板である保護板380が、複数のワンウェイネジ380a〜380cにより前方から取り付けられる。このように、メダル通路部材190の下部は、保護板380が前方から取り付けられることで、メダル返却通路191とメダル払出通路192が合流する合流路195を構成する。このように合流路195を流下するメダルMが前面扉1bの背面に衝突することにより前面扉1bが破損しないように保護板380により保護されている。
また、保護板380は複数のワンウェイネジ380a〜380cによりメダル通路部材190の下部に取り付けられることで、メダル通路部材190が前面扉1bから取り外されたとしても、メダル払出通路192及びメダル返却通路191の下部に容易にアクセスすることができないようになっている。つまり、メダル払出通路192及びメダル返却通路191の下部にアクセスするには保護板380を取り外さなければならないが、ワンウェイネジ380a〜380cにより取り付けられていることで、例えば、保護板380の取付部を切断するなどしない限り該保護板380を取り外すことができないため、メダル払出通路192及びメダル返却通路191の下部にアクセスすることが困難とされている。また、仮に保護板380が取り外されたときには、切断などによりその痕跡が残るようになっている。
尚、保護板380の下部には、前方に向けて開口する開口部381が貫通形成されている。この開口部381は、メダル通路部材190に保護板380が取り付けられた状態で前面扉1bの背面に取り付けられたときにメダル払出口9に連通するようになっている。このため、メダル返却通路191またはメダル払出通路192を流下してくるメダルMは、いずれにおいても合流路195から開口部381を通過してメダル払出口9に誘導されるようになっている。
メダル返却通路191内の上部には、メダル通路部材190に一体形成された第1抑制板部191a及び第2抑制板部191bが配設されている。このうち、第1抑制板部191aは、メダル返却通路191内の上部におけるメダル通路部材190の右内壁から左下方に向けて傾斜している。一方、第2抑制板部191bは、メダル返却通路191内の上部におけるメダル通路部材190の左内壁から右下方に向けて傾斜している。
また、図16(A)(B)に示すように、メダル通路部材190の右上端部には、蓋体382が取り付けられている。この蓋体382は、上端開口190aの平面視の形状と略同一形状に形成されているとともに、前端部には、前方に向けて開口し、メダルセレクタ29の後カバー部材180を収容可能な凹部382aが形成されている。また、蓋体382の左右両端部には、メダル通路部材190の右上端部の左右外周面に形成された被係止突部190bに係止するための係止部382bが下方に向けて突出形成されている。蓋体382は、メダル通路部材190の右上端部に対して上方から配置されることでこれら係止部382bを被係止突部190bに対して係止され、上端開口190aの後半部を被覆するようにメダル通路部材190に取り付けられる。
メダルセレクタ29の背面下部から落下したメダルMは、第1抑制板部191a、第2抑制板部191bのうち少なくともいずれかに落下することで流下速度が減衰されてからメダル返却通路191から合流路195を経てメダル払出口9に誘導されるようになっているため、メダルセレクタ29から流出したメダルMがメダル通路部材190に衝突することによりメダル通路部材190が破損してしまうことが防止されている。
メダル通路部材190におけるメダル払出通路192の背面からは、後方に向けて接続部196が突出形成されている。この接続部196は、メダル通路部材190が前面扉1bの背面に取り付けられた状態で前面扉1bを閉塞したときに、ホッパーユニット34の排出口34d(図2、図19参照)に接続されるようになっている。このため、ホッパーユニット34の排出口34dから払い出されるメダルMは、連通口196bを通過することで、メダル払出通路192及び合流路195を流下し、メダル払出口9に誘導されるようになっている。また、この連通口196bの前面側には保護板380が配置されているので、排出口34dから払い出されるメダルMは保護板380に衝突されるようになっている。
このように構成されたメダル通路部材190は、各取付孔251a〜251c及び取付孔251dに取り付けたネジ190nを前面扉1bの背面に形成されたネジ孔252(図17(B)参照)に螺入することで、前面扉1bに取り付けられる。ネジ190nにより取り付けられた各取付片250a〜250cとネジ190nは、取り外しを規制するための規制部材260a〜260cにより被覆されるようになっている。
規制部材260a〜260cは、図18に示すように、取付片250a〜250c及びネジ190nを被覆可能な大きさを有する一面が開口する箱状に形成された被覆部261と、被覆部261に対し連結片262を介して連結され、取付孔264を有する有底円筒状をなす取付部263と、から構成されている。
このように構成された規制部材260a〜260cは、被覆部261により各取付片250a〜250c及びネジ190nを被覆した状態で、各取付孔294に、締め付け方向にしかネジを回すことができない従来公知のワンウェイネジ265を取り付け、前面扉1bに形成されたネジ孔266に螺入することで、前面扉1bに取り外し不能に取り付けられる。これにより、各取付片250a〜250c及びネジ190nが被覆部261により被覆されるので、規制部材260a〜260cを取り外さない限りネジ190nにアクセスしてメダル通路部材190を取り外すことが困難となる。
また、前面扉1bから規制部材260a〜260cを取り外すには、ワンウェイネジ265を取り外すことができないため、連結片262を切断して取付部263を被覆部261から切り離す、あるいは取付部263や被覆部261を破壊する必要がある。よって、前面扉1bから規制部材260a〜260cが取り外されたときには、切断や破壊により前面扉1bから規制部材260a〜260cを取り外された痕跡、すなわちメダル通路部材190が取り外された痕跡が残るようになっている。
次に、メダルセレクタ29、メダルシュート200、メダル通路部材190、ホッパータンク34aの配置位置関係について、図18及び図19に基づいて説明する。図19に示すように、メダルセレクタ29は、流出口148がホッパータンク34aよりも上方に位置するようにホッパータンク34aよりも上方位置に配設されている。また、メダルシュート200は、メダルMの流下底面の下流側端部がホッパータンク34aよりも上方に位置するようにホッパータンク34aよりも上方位置に配設されている。
メダル通路部材190は、メダルセレクタ29の下部から下方のメダル払出口9に向けて下方に延設されている。より詳しくは、メダル通路部材190の上端開口190a、つまり、メダルセレクタ29の背面下部から流出するメダルMを受け入れる受入口は、メダルセレクタ29の下部を背面側から覆うように収容可能な大きさに形成され、かつ、メダルセレクタ29を前面扉1bに対して着脱するときに、メダルセレクタ29を手前側に傾倒させることができるように手前側に大きく開放されている。したがって、メダルセレクタ29の下部背面側には、上端開口190aが上方に開放するように設けられるため、メダル通路部材190とメダルセレクタ29の本体との間に形成される上端開口190aからメダルMを流入させることができるようになっている。
但し、このメダル通路部材190の上端開口190aは、メダルセレクタ29の下部、つまり、メダル返却通路191に誘導されたメダルMが流出する流出部である、流路切替板150の背面側を被覆可能な位置に配置されているため、メダル返却通路191に誘導されたメダルMが勢い余って上端開口190aの外側に飛散して、筐体1a内に残存してしまうことが防止されている。
このように、本実施例のメダルセレクタ29にあっては、投入通路としてのメダル流下通路146を流下するメダルMを内方側通路としてのメダルシュート200へ流下させる流下位置(第1の位置)と、メダル流下通路146を流下するメダルMを返却側通路としてのメダル返却通路191側へ落下させる返却位置(第2の位置)と、に移動可能な流路切替板150が本発明の切替部材を構成している。
また、駆動手段としての流路切替ソレノイド30による駆動が解除されたときに、切替部材としての流路切替板150を流下位置(第1の位置)から返却位置(第2の位置)へ移動させる圧縮バネ152、駆動手段としての流路切替ソレノイド30による駆動が解除されたときに、切替部材としての流路切替板150が流下位置(第1の位置)から返却位置(第2の位置)へ移動するのに邪魔とならない位置に作動板161を移動させる引っ張りバネ165が本発明の動作部材を構成している。
本実施例のように、投入されたメダルをセンサで検知することによりメダルの投入を判定するスロットマシンにおいては、通路内に不正器具を挿入し、挿入した不正器具を用いてセンサを誤検知させることで、実際にはメダルが投入されていないにも関わらず、メダルの投入を判定させる不正行為がされる発生している。
また、一般的なスロットマシンでは、メダルセレクタ内にメダルが詰まった場合に、返却ボタンの動力を直接伝達することで通路の側面が開放するようにして、通路内に詰まった遊技媒体を取り除けるようにしているが、遊技者により任意に通路の側面が開放した状態を維持することが可能となることから、上記のような不正器具の挿入が容易となってしまう虞がある。
これに対して本実施例では、前通路板141と後通路板145との間にメダルMが流下可能なメダル流下通路146が形成される支持位置と、前通路板141と後通路板145との間に大きな空間が形成され、メダル流下通路146内に詰まったメダルを下部に排出可能とされる非支持位置と、の間で揺動可能な後通路板145を備え、通常時は後通路板145が支持位置に付勢されるとともに、ゲームの終了後、次ゲームの開始前の状態において返却スイッチ26が操作されたときに、メイン制御部41が、返却ソレノイド27を励磁状態に駆動して後通路板145を非支持位置に移動させ、その後返却ソレノイドを非励磁状態として後通路板145を支持位置に戻す制御を行うことにより、メダルセレクタ29内に詰まったメダルを排出してメダル払出口9から返却させるようになっており、遊技者により任意に後通路板145を非支持位置に維持することができないため、メダル流下通路146内へ不正器具を進入させることが困難となる。
尚、本実施例では、返却スイッチ26の1回の操作で後通路板145を非支持位置に移動させ、その後支持位置に戻す制御を1回のみ行う構成であるが、図12(b)に示すように、返却スイッチ26の1回の操作で後通路板145を非支持位置に移動させ、その後支持位置に戻す制御を複数回行う構成としても良く、このような構成とすることで後通路板145が何度も往復することによりメダル詰まりを確実に解消することができるうえに、後通路板145が非支持位置となる時間を短くしてもメダル詰まりを解消することが可能となるため、メダル流下通路146内への不正器具の進入を一層困難とすることができる。
また、本実施例では、後通路板145をプッシュ型のソレノイドで駆動するようになっており、返却ソレノイド27を励磁状態とするか非励磁状態とするだけの簡易な構成によって後通路板145を駆動することができることから好ましいが、ソレノイド以外の駆動手段にて後通路板145を駆動する構成としても良く、例えば、モータ等を用いて後通路板145を駆動する構成としても良い。
また、メダルセレクタ29を前面扉1bに取り付けた際に、返却ソレノイド27が前面扉1b側となることで隠れた位置となり、返却ソレノイド27へのアクセスが困難となり、返却ソレノイド27に細工を施すことで任意に作動させることによりメダル流下通路146内へ不正器具を進入させやすい状況とすることを防止できる。
また、図7〜図10に示すように、メダルセレクタ29の前側に取り付けられる前カバー部材181によっても、返却ソレノイド27へのアクセスが困難となり、返却ソレノイド27に細工を施すことで任意に作動させることによりメダル流下通路146内へ不正器具を進入させやすい状況とすることを防止できる。
また、図7〜図10に示すように、メダルセレクタ29の後側に取り付けられる後カバー部材180によりトーションバネ144aが被覆されるので、トーションバネ144aへのアクセスが困難となり、トーションバネ144aを取り外すことで、返却ソレノイド27が非励磁状態であっても後通路板145が少ない力で非支持位置に移動可能となることによりメダル流下通路146内へ不正器具を進入させやすい状況とすることを防止できる。
また、後カバー部材180及び前カバー部材181は、規制部材290a〜290dを取り外さない限り取り外すことができず、返却ソレノイド27に細工を施したり、トーションバネ144aを取り外すことが困難となるので、返却ソレノイド27に細工を施したり、トーションバネ144aを取り外すことを効果的に規制することができる。
また、規制部材290a〜dを取り外すと、切断や破壊により側板143a、143bから規制部材290a〜290dを取り外された痕跡、すなわち後カバー部材180、前カバー部材181が取り外された痕跡が残るようになっているので、故意に返却ソレノイド27に細工を施したり、トーションバネ144aを取り外した場合に、その痕跡が残ってしまうので、返却ソレノイド27に細工を施したり、トーションバネ144aを取り外すことをさらに効果的に規制することができる。
尚、本実施例では、規制部材290a〜290dを利用することで、返却ソレノイド27に細工を施したり、トーションバネ144aを取り外した痕跡が残る構成であるが、例えば、一度貼ると剥がした際に、剥がした痕跡が残る特殊なシールを利用する等、他の方法で後カバー部材180、前カバー部材181が取り外された痕跡が残る構成としても良く、このような構成とした場合でも、故意に返却ソレノイド27に細工を施したり、トーションバネ144aを取り外した場合に、その痕跡が残ってしまうので、返却ソレノイド27に細工を施したり、トーションバネ144aを取り外すことをさらに効果的に規制することができる。
また、本実施例では、返却スイッチ26が操作されたときに、返却スイッチ26が操作されてから後通路板145が非支持位置となるタイミングがランダムに変化するようになっており、返却スイッチ26が操作されたときに、後通路板145が支持位置から非支持位置へ移動するタイミングを図ることが困難となるため、メダル流下通路146内へ不正器具を進入させることが一層困難となる。
また、返却スイッチ26の1回の操作で後通路板145を非支持位置に移動させ、その後支持位置に戻す制御を複数回行う構成とした場合でも、図12(b)に示すように、返却スイッチ26が操作されたときに、返却スイッチ26が操作されてから後通路板145が非支持位置となるタイミングがランダムに変化する構成とすることが好ましく、この場合でも、返却スイッチ26が操作されたときに、後通路板145が支持位置から非支持位置へ移動するタイミングを図ることが困難となるため、メダル流下通路146内へ不正器具を進入させることが一層困難となる。
また、本実施例では、返却スイッチ26が操作され、返却ソレノイド27を駆動させるときには、返却中LED28が点灯するようになって返却ソレノイド27が駆動していること、すなわち後通路板145を非支持位置に移動させる制御が行われていることを外部から認識することが可能となり、返却ソレノイド27を駆動させて不正器具を進入させようとしても外部から認識されるため、このような不正を効果的に防止できる。
また、返却中LED28が点灯するタイミングと、返却ソレノイドが駆動するタイミングとが同期しないようになっており、返却中LED28の点灯タイミングから後通路板145が支持位置から非支持位置へ移動するタイミングを図ることが困難となるため、メダル流下通路146内へ不正器具を進入させることが困難となる。
本実施例では、メダルの投入を許可する状態からメダルの投入を許可しない状態に切り替わると流路切替ソレノイド30をonに制御し、これにより流路切替板150が、圧縮バネ152により返却位置に戻るようになっており、メダル投入部4から投入されたメダルがメダル返却通路191内に落下し、メダル払出口9から返却される状態に戻るようになっている。
このため、圧縮バネ152が破損して外れたり、経年劣化により流路切替板150の動作不良が発生することもあり、また、遊技店による不正によって圧縮バネ152が外されたり、異物を詰められたりすることでも、流路切替板150の動作不良が発生することがあり、これら動作不良が発生すると、メダルの投入を許可しない状態、すなわち外部から投入されたメダルが本来遊技者に返却されるべき状態にも関わらず、投入されたメダルが遊技者に返却されずにホッパータンク34a側へ向かうメダルシュート200に排出されてしまうことで遊技者に不利益が生じてしまう虞がある。
これに対して本実施例では、メダルの投入を許可しない状態において投入されたメダルがメダルシュート200に流下してしまうことが防止されるので、メダルの投入を許可しない状態において投入された遊技者に返却されるべきメダルが返却されないことで遊技者に不利益が生じてしまうことを防止できるようになっている。
具体的には、図18及び図19に示すように、メダルセレクタ29を前面扉1bに取り付けた際に、圧縮バネ152が前面扉1b側となることで隠れた位置となり、また引っ張りバネ165がメダル返却通路191及び蓋体382により被覆されることで隠れた位置となり、圧縮バネ152及び引っ張りバネ165へのアクセスが困難となり、圧縮バネ152や引っ張りバネ165が取り外されることが規制され、流路切替ソレノイド30が非励磁状態となったときには、圧縮バネ152及び引っ張りバネ165の付勢力によって流路切替板150が返却位置に移動するのでメダルの投入を許可しない状態において投入されたメダルがメダルシュート200に流下してしまうことが防止されるようになっている。
また、メダルセレクタ29を前面扉1bに取り付けた際に、流路切替板150の前面が前面扉1b側となることで隠れた位置となり、また流路切替板150の後面がメダル返却通路191及び蓋体382により被覆されることで隠れた位置となり、流路切替板150へのアクセスが困難となり、流路切替板150と作動板161との間に異物を詰める等することにより、流路切替板150を流下位置に留まらせる細工を行うことが防止されるのでメダルの投入を許可しない状態において投入されたメダルがメダルシュート200に流下してしまうことが防止されるようになっている。
また、図7〜図9に示すように、メダルセレクタ29の後側に取り付けられる後カバー部材180により圧縮バネ152が被覆されるとともに、メダルセレクタ29の前側に取り付けられる前カバー部材181により引っ張りバネ165が被覆されるので、圧縮バネ152及び引っ張りバネ165へのアクセスが困難となり、圧縮バネ152や引っ張りバネ165が取り外されることが規制され、流路切替ソレノイド30が非励磁状態となったときには、圧縮バネ152及び引っ張りバネ165の付勢力によって流路切替板150が返却位置に移動するので、メダルの投入を許可しない状態において投入されたメダルがメダルシュート200に流下してしまうことを防止できるようになっている。
また、メダルセレクタ29の後側に取り付けられる後カバー部材180により流路切替板150の後面が被覆されるとともに、メダルセレクタ29の前側に取り付けられる前カバー部材181により流路切替板150の前面が被覆されるので、流路切替板150へのアクセスが困難となり、流路切替板150と作動板161との間に異物を詰める等することにより、流路切替板150を流下位置に留まらせる細工を行うことが防止されるので、メダルの投入を許可しない状態において投入されたメダルがメダルシュート200に流下してしまうことを防止できるようになっている。
また、後カバー部材180及び前カバー部材181は、規制部材290a〜290dを取り外さない限り取り外すことができず、後カバー部材180及び前カバー部材181の取り外しが困難となるので、圧縮バネ152及び引っ張りバネ165を取り外したり、流路切替板150を流下位置に留まらせる細工を施すことを効果的に規制することができる。
また、規制部材290a〜dを取り外すと、切断や破壊により側板143a、143bから規制部材290a〜290dを取り外された痕跡、すなわち後カバー部材180、前カバー部材181が取り外された痕跡が残るようになっているので、故意に圧縮バネ152及び引っ張りバネ165を取り外したり、流路切替板150を流下位置に留まらせる細工を施した場合に、その痕跡が残ってしまうので、圧縮バネ152及び引っ張りバネ165を取り外したり、流路切替板150を流下位置に留まらせる細工を施すことをさらに効果的に規制することができる。
尚、本実施例では、規制部材290a〜290dを利用することで、後カバー部材180、前カバー部材181が取り外された痕跡が残る構成であるが、例えば、一度貼ると剥がした際に、剥がした痕跡が残る特殊なシールを利用する等、他の方法で後カバー部材180、前カバー部材181が取り外された痕跡が残る構成としても良く、このような構成とした場合でも、故意に圧縮バネ152及び引っ張りバネ165を取り外したり、流路切替板150を流下位置に留まらせる細工を施した場合に、その痕跡が残ってしまうので、圧縮バネ152及び引っ張りバネ165を取り外したり、流路切替板150を流下位置に留まらせる細工を施すことをさらに効果的に規制することができる。
また、本実施例では、作動板161が非励磁位置にあるときには、流路切替板150は圧縮バネ152が取り外された状態において、当接部153側の重みによって返却位置に倒れる重心となるように、揺動軸151が設けられており、仮に圧縮バネ152が取り外された状態であっても、流路切替板150が返却位置に維持され、流路切替ソレノイド30が励磁状態から非励磁状態となり、作動板161が非励磁位置に退避すると、流路切替板150が自重により流下位置から返却位置に移動するようになっているので、圧縮バネ152が取り外された場合でも、メダルの投入を許可しない状態において投入されたメダルがメダルシュート200に流下してしまうことを防止できるようになっている。
また、引っ張りバネ165が取り外されると、流路切替ソレノイド30が非励磁状態であっても作動板161を非励磁位置へ移動させる付勢力が働かなくなるが、圧縮バネ152が取り外されていなければ、圧縮バネ152の付勢力により流路切替板150が返却位置に移動し、それに押し出されて作動板161も非励磁位置へ移動するようになっており、さらに引っ張りバネ165及び圧縮バネ152の双方が取り外された場合であっても、流路切替板150が自重により作動板161を押し出し、流下位置から返却位置へ移動するようになっているので、圧縮バネ152だけでなく、引っ張りバネ165が取り外された場合でも、メダルの投入を許可しない状態において投入されたメダルがメダルシュート200に流下してしまうことを防止できるようになっている。
尚、本実施例では、後カバー部材180、前カバー部材181を取り付け、圧縮バネ152や引っ張りバネ165が取り外されるのを規制したり、流路切替板150へのアクセスを規制することなどにより、メダルの投入を許可しない状態において投入されたメダルがメダルシュート200に流下してしまうことを防止する構成であるが、構造的にメダルの投入を許可しない状態において投入されたメダルがメダルシュート200に流下してしまうことを防止する構成に限らず、例えば、流路切替板150が返却位置に移動していないことを検知する返却位置検出センサを設け、メダルの投入を許可していない状態において返却位置検出センサにより流路切替板150が返却位置に移動していないことが検知された場合に、メイン制御部41やサブ制御部91の制御によりその旨を報知する構成としても良く、このような構成とすることで、メダルの投入を許可しない状態において投入されたメダルがメダルシュート200に流下してしまう虞があることを認識させることができるので、メダルの投入を許可しない状態において投入されたメダルがメダルシュート200に流下してしまうことを事前に防止できる。また、この構成においては、流路切替板150が返却位置に移動していない旨の報知だけでなく、遊技の制御が不能化されるエラー状態に制御されることが好ましく、これによりメダルの投入を許可しない状態において投入されたメダルがメダルシュート200に流下してしまう虞のある状況で遊技が行われてしまうことにより、実際にメダルの投入を許可しない状態において投入されたメダルがメダルシュート200に流下してしまうことを確実に防止することができる。
また、流路切替板150の流下位置への移動を許可する状態と、阻止する状態と、に動作することが可能な阻止部材を設け、例えば、流路切替ソレノイド30と連動して、メダルの投入を許可しない状態において、阻止部材が流路切替板150の流下位置への移動を阻止する状態に動作する構成としても良く、このような構成とした場合でも、メダルの投入を許可しない状態において阻止部材により流路切替板150が流下位置へ移動することが阻止されるため、メダルの投入を許可しない状態において投入されたメダルがメダルシュート200に流下してしまうことを防止できる。
また、本実施例では、上記のようにメダルの投入を許可しない状態において投入されたメダルがメダルシュート200に流下してしまうことを防止するための構成を複数備える構成であり、より確実にメダルの投入を許可しない状態において投入された遊技者に返却されるべきメダルが返却されないことで遊技者に不利益が生じてしまうことを防止できることから好ましいが、これら複数の構成のうち少なくとも1つ備えるだけであっても、メダルの投入を許可しない状態において投入された遊技者に返却されるべきメダルが返却されないことで遊技者に不利益が生じてしまうことを防止できるものである。
本実施例では、メダルの投入を許可しない状態においてメダル投入部4から投入されたメダルをメダルセレクタ29においてメダル返却通路191内に落下させることで、メダル払出口9から返却させるようになっている。
このため、メダルの投入を許可しない状態において投入されたメダルが勢い余ってメダル返却通路191外に飛散してスロットマシン1の内部に留まってしまうことがあり、このような場合にも、投入されたメダル、すなわち本来遊技者に返却されるべきメダルが遊技者に返却されないことから遊技者に不利益が生じてしまう虞がある。
これに対して本実施例では、メダルの投入を許可しない状態において投入されたメダルがメダル返却通路191外に飛散することを防止し、メダルの投入を許可しない状態において投入された遊技者に返却されるべきメダルが返却されないことで遊技者に不利益が生じてしまうことを防止できるようになっている。
具体的には、図7〜図9に示すように、メダルセレクタ29の後側に、流路切替板150が被覆されるように後カバー部材180を取り付けることにより、メダルの投入を許可しない状態において投入されたメダルがメダル返却通路191外に飛散することを防止できるようになっている。
また、遊技店の不正により、後カバー部材180等のメダルの飛散を防止する部材を敢えて取り外すことによりメダルが飛散しやすい状況を作り出し、飛散したメダルをスロットマシン1の内部に留まらせることも考えられるが、後カバー部材180は、規制部材290a、290bを取り外さない限り取り外すことができず、後カバー部材180の取り外しが困難となるので、後カバー部材180を故意に取り外すことにより、メダルの投入を許可しない状態において投入されたメダルがメダル返却通路191外に飛散しやすい状況とすることを防止できる。
また、規制部材290a、290bを取り外すと、切断や破壊により側板143a、143bから規制部材290a、290bを取り外された痕跡、すなわち後カバー部材180が取り外された痕跡が残るようになっているので、後カバー部材180を故意に取り外した場合に、その痕跡が残ってしまうので、メダルの投入を許可しない状態において投入されたメダルがメダル返却通路191外に飛散しやすい状況とすることを効果的に防止できる。
尚、本実施例では、規制部材290a、290bを利用することで、後カバー部材180が取り外された痕跡が残る構成であるが、例えば、一度貼ると剥がした際に、剥がした痕跡が残る特殊なシールを利用する等、他の方法で後カバー部材180が取り外された痕跡が残る構成としても良く、このような構成とした場合でも、後カバー部材180を故意に取り外した場合に、その痕跡が残ってしまうので、メダルの投入を許可しない状態において投入されたメダルがメダル返却通路191外に飛散しやすい状況とすることを効果的に防止できる。
また、本実施例では、図18及び図19に示すように、メダル返却通路191を構成するメダル通路部材190を前面扉1bに取り付けた際に、メダルセレクタ29の後側がメダル通路部材190により被覆されるようになっており、メダルの投入を許可しない状態において投入されたメダルがメダル返却通路191外に飛散することを防止できるようになっている。
また、上記のように遊技店の不正により、メダル通路部材190を敢えて取り外すことによりメダルが飛散しやすい状況を作り出し、飛散したメダルをスロットマシン1の内部に留まらせることも考えられるが、メダル通路部材190は、規制部材260a〜260cを取り外さない限り取り外すことができず、メダル通路部材190の取り外しが困難となるので、メダル通路部材190を故意に取り外すことにより、メダルの投入を許可しない状態において投入されたメダルがメダル返却通路191外に飛散しやすい状況とすることを防止できる。
また、規制部材260a〜260cを取り外すと、切断などによりその痕跡、すなわちメダル通路部材190が取り外された痕跡が残るようになっているので、メダル通路部材190を故意に取り外した場合に、その痕跡が残ってしまうので、メダルの投入を許可しない状態において投入されたメダルがメダル返却通路191外に飛散しやすい状況とすることを効果的に防止できる。
尚、本実施例では、規制部材260a〜260cを利用することで、メダル通路部材190が取り外された痕跡が残る構成であるが、例えば、一度貼ると剥がした際に、剥がした痕跡が残る特殊なシールを利用する等、他の方法でメダル通路部材190が取り外された痕跡が残る構成としても良く、このような構成とした場合でも、メダル通路部材190を故意に取り外した場合に、その痕跡が残ってしまうので、メダルの投入を許可しない状態において投入されたメダルがメダル返却通路191外に飛散しやすい状況とすることを効果的に防止できる。
また、本実施例では、メダル通路部材190が、メダルセレクタ29の後側を被覆する部分からメダル払出口9に接続する部分にかけて一体成形された部材であり、メダルの投入を許可しない状態において投入されたメダルがメダル返却通路191外に飛散しやすい状況とするために、メダル通路部材190を取り外すと、メダルの投入を許可しない状態において投入されたメダルが全てメダル払出口9から返却されず、内部に留まってしまうこととなり、メダル通路部材190が取り外されたことが容易に特定されてしまうこととなるため、メダル通路部材190を取り外すことによりメダルの投入を許可しない状態において投入されたメダルがメダル返却通路191外に飛散しやすい状況とすることを効果的に防止できる。
尚、本実施例では、メダルセレクタ29の後側を被覆する部分からメダル払出口9に接続する部分にかけて一体成形されたメダル通路部材190を用いることにより、メダルの投入を許可しない状態において投入されたメダルが全てメダル払出口9から返却されなくする構成であるが、例えば、メダル返却通路191外に飛散しないようにメダルセレクタ29の周辺を被覆する部材を取り外した場合に、それに連動してメダル払出口9への経路が閉塞される構成としたり、メダル返却通路191外に飛散しないようにメダルセレクタ29の周辺を被覆する部材がメダル通路部材190の一部を構成し、当該部材を取り外すことにより、メダル払出口9への経路が構成されず、全てのメダルがメダル返却通路191外に排出されるようにことで、メダルの投入を許可しない状態において投入されたメダルが全てメダル払出口9から返却されなくなる構成としても良く、このような構成とした場合でも、メダル返却通路191外に飛散しないようにメダルセレクタ29の周辺を被覆する部材を取り外すと、メダルの投入を許可しない状態において投入されたメダルが全てメダル払出口9から返却されず、内部に留まってしまうこととなり、当該部材が取り外されたことが容易に特定されてしまうこととなるため、当該部材を取り外すことによりメダルの投入を許可しない状態において投入されたメダルがメダル返却通路191外に飛散しやすい状況とすることを効果的に防止できる。
尚、本実施例では、後カバー部材180やメダル通路部材190が取り外されることを規制することなどにより、メダルの投入を許可しない状態において投入されたメダルがメダル返却通路191外に飛散しやすい状況とすることを防止する構成であるが、構造的にメダルの投入を許可しない状態において投入されたメダルがメダル返却通路191外に飛散しやすい状況とすることを防止する構成に限らず、例えば、後カバー部材180やメダル通路部材190が取り外されたことを検出するカバー検出センサを設け、カバー検出センサにより後カバー部材180やメダル通路部材190が取り外されたことが検知された場合に、メイン制御部41やサブ制御部91の制御によりその旨を報知する構成としても良く、このような構成とすることで、後カバー部材180やメダル通路部材190が取り外されたことを容易に特定することが可能となるので、メダルの投入を許可しない状態において投入されたメダルがメダル返却通路191外に飛散しやすい状況のまま放置されることを防止できる。また、この構成においては、後カバー部材180やメダル通路部材190が取り外された旨の報知だけでなく、遊技の制御が不能化されるエラー状態に制御されることが好ましく、これによりメダルの投入を許可しない状態において投入されたメダルがメダル返却通路191外に飛散しやすい状況で遊技が行われてしまうことにより、実際にメダルの投入を許可しない状態において投入されたメダルがメダル返却通路191外に飛散してしまうことを確実に防止することができる。
また、本実施例では、上記のようにメダルの投入を許可しない状態において投入されたメダルがメダル返却通路191外に飛散してしまうことを防止するための構成を複数備える構成であり、より確実にメダルの投入を許可しない状態において投入された遊技者に返却されるべきメダルが返却されないことで遊技者に不利益が生じてしまうことを防止できることから好ましいが、これら複数の構成のうち少なくとも1つ備えるだけであっても、メダルの投入を許可しない状態において投入された遊技者に返却されるべきメダルが返却されないことで遊技者に不利益が生じてしまうことを防止できるものである。
本実施例では、ホッパーユニット34から排出されたメダルが、保護板380の連通口196bを通過することで、メダル通路部材190により構成されるメダル払出通路192及び合流路195を流下し、メダル払出口9に誘導され外部に払い出されるようになっている。
このため、メダル通路部材190と前面扉1bとの間に隙間ができることでホッパーユニット34から排出されたメダルがメダル払出通路192や合流路195から外に排出されてしまったり、メダル払出通路192内または合流路195内に留まってしまうこと、すなわちスロットマシンの内部に留まってしまうことがある。さらに、遊技店の不正によって敢えてメダル通路部材190と前面扉1bとの間に隙間ができるようにしたり、メダル払出通路192内または合流路195内にメダルが留まるように細工することにより、スロットマシンの内部に留まってしまうことがある。このような場合、遊技者に対して付与されたメダルが払い出されないことから遊技者に不利益が生じてしまう虞がある。
これに対して本実施例では、ホッパーユニット34から排出されたメダルがメダル払出口9から払い出されずスロットマシン1内部に留まることが防止されるので、遊技者に付与されたメダルが払い出されないことによって遊技者に不利益が生じてしまうことを防止できるようになっている。
具体的には、メダル払出通路192及び合流路195を構成するメダル通路部材190が、規制部材260a〜260cを取り外さない限り取り外すことができないようにすることで、メダル通路部材190の取り外しが規制されるようになっており、メダル通路部材190と前面扉1bとの間に隙間ができることでホッパーユニット34から排出されたメダルがメダル払出通路192や合流路195から外に排出されてしまうことを防止でき、メダル払出通路192や合流路195の内部に一部のメダルが詰まるように細工を施すことも困難となるので、ホッパーユニット34から排出されたメダルがメダル払出口9から払い出されずスロットマシン1内部に留まることを防止できるようになっている。
また、規制部材260a〜260cを取り外すと、切断などによりその痕跡、すなわちメダル通路部材190が取り外された痕跡が残るようになっているので、メダル通路部材190を故意に取り外した場合に、その痕跡が残ってしまうので、メダル通路部材190と前面扉1bとの間に隙間ができるようにしたり、メダル払出通路192や合流路195の内部に一部のメダルが詰まるように細工が施されることを防止できる。
尚、本実施例では、規制部材260a〜260cを利用することで、メダル通路部材190が取り外された痕跡が残る構成であるが、例えば、一度貼ると剥がした際に、剥がした痕跡が残る特殊なシールを利用する等、他の方法でメダル通路部材190が取り外された痕跡が残る構成としても良く、このような構成とした場合でも、メダル通路部材190を故意に取り外した場合に、その痕跡が残ってしまうので、メダル通路部材190と前面扉1bとの間に隙間ができるようにしたり、メダル払出通路192や合流路195の内部に一部のメダルが詰まるように細工が施されることを防止できる。
また、本実施例では、規制部材260a〜260cを利用することによりメダル払出通路192及び合流路195を構成するメダル通路部材190の取り外しが規制される構成であるが、メダル通路部材190、またはメダル通路部材190の各取付片250a〜250cが、他の部材により隠れる位置となる構成とすることで、メダル払出通路192及び合流路195を構成するメダル通路部材190の取り外しが規制される構成としても良く、このような構成であっても、メダル通路部材190と前面扉1bとの間に隙間ができることでホッパーユニット34から排出されたメダルがメダル払出通路192や合流路195から外に排出されてしまうことを防止でき、メダル払出通路192や合流路195の内部に一部のメダルが詰まるように細工を施すことも困難となるので、ホッパーユニット34から排出されたメダルがメダル払出口9から払い出されずスロットマシン1内部に留まることを防止できる。
また、本実施例では、図16(A)(B)に示すように、メダル通路部材190の下部に、保護板380が取り付けられ、メダル通路部材190を前面扉1bから取り外した場合でも、メダル払出通路192及び合流路195へのアクセスが規制されるとともに、メダル通路部材190と前面扉1bとの間に隙間ができた場合に通路内のメダルが外部に排出されることも防止されるようになっているので、メダル通路部材190と前面扉1bとの間に隙間ができることでホッパーユニット34から排出されたメダルがメダル払出通路192や合流路195から外に排出されてしまうことを防止でき、また、メダル通路部材190が取り外された場合でも、メダル払出通路192や合流路195の内部に一部のメダルが詰まるように細工を施すことも困難となるので、ホッパーユニット34から排出されたメダルがメダル払出口9から払い出されずスロットマシン1内部に留まることを防止できるようになっている。
また、保護板380は、メダル通路部材190を取り外さない限り取り外すことができず、保護板380の取り外しが困難となるので、保護板380を故意に取り外すことにより、メダル通路部材190と前面扉1bとの間に隙間ができるようにしたり、メダル払出通路192や合流路195の内部に一部のメダルが詰まるように細工が施されることを防止できる。
また、保護板380を取り外すと、取付部の切断などによりその痕跡、すなわち保護板380が取り外された痕跡が残るようになっているので、保護板380を故意に取り外した場合に、その痕跡が残ってしまうので、保護板380を故意に取り外すことにより、メダル通路部材190と前面扉1bとの間に隙間ができるようにしたり、メダル払出通路192や合流路195の内部に一部のメダルが詰まるように細工が施されることを効果的に防止できる。
尚、本実施例では、ワンウェイネジ380a〜380cを利用することで、保護板380が取り外された痕跡が残る構成であるが、例えば、一度貼ると剥がした際に、剥がした痕跡が残る特殊なシールを利用したり、前述した規制部材を利用する等、他の方法で保護板380が取り外された痕跡が残る構成としても良く、このような構成とした場合でも、保護板380を故意に取り外した場合に、その痕跡が残ってしまうので、保護板380を故意に取り外すことにより、メダル通路部材190と前面扉1bとの間に隙間ができるようにしたり、メダル払出通路192や合流路195の内部に一部のメダルが詰まるように細工が施されることを効果的に防止できる。
尚、本実施例では、メダル通路部材190や保護板380が取り外されるのを規制することなどにより、メダル通路部材190と前面扉1bとの間に隙間ができるようにしたり、メダル払出通路192や合流路195の内部に一部のメダルが詰まるように細工が施されることを防止する構成であるが、構造的にメダル通路部材190と前面扉1bとの間に隙間ができるようにしたり、メダル払出通路192や合流路195の内部に一部のメダルが詰まるように細工が施されることを防止する構成に限らず、例えば、メダル通路部材190や保護板380が取り外されたこと、メダル通路部材190と前面扉1bとの間に隙間が形成されていること、メダル払出通路192や合流路195の内部に一部のメダルが詰まるように細工がされていることなど、払出通路内に異常が生じたことを検出する払出通路異常検出センサを設け、払出通路異常検出センサにより払出通路内に異常が生じたことが検知された場合に、メイン制御部41やサブ制御部91の制御によりその旨を報知する構成としても良く、このような構成とすることで、払出通路内に異常が生じたことを認識させることができるので、ホッパーユニット34から排出されたメダルがメダル払出口9から払い出されずスロットマシン1内部に留まることを事前に防止できる。また、この構成においては、払出通路内に異常が生じた旨の報知だけでなく、遊技の制御が不能化されるエラー状態に制御されることが好ましく、これによりホッパーユニット34から排出されたメダルがメダル払出口9から払い出されずスロットマシン1内部に留まってしまう虞のある状況で遊技が行われてしまうことにより、実際にホッパーユニット34から排出されたメダルがメダル払出口9から払い出されずスロットマシン1内部に留まってしまうことを確実に防止することができる。
次に、本発明の変形例としてのメダルセレクタ29Aについて、図20は、(A)は変形例としてのメダルセレクタを示す背面図、(B)は正面図である。図21は、変形例としてのメダルセレクタ及びカバー部材を示す斜視図である。図22は、メダルがホッパータンクに誘導される状態を示す説明図である。図23は、メダルが返却通路に誘導される状態を示す説明図である。図24は、(A)はメダルがホッパータンクに誘導される状態を示す平面図、(B)〜(D)はメダルが返却通路に誘導される状態を示す平面図である。尚、本変形例において、上記の実施例に記載のメダルセレクタ29と同様の構成部位については同一の符号を付すことにより詳細な説明は省略し、以下、主に相違点について説明する。
図20〜図23に示すように、本変形例のメダルセレクタ29Aは、流路切替板150がなく、傾斜通路部146bの流下底面150aは後通路板145の下端に形成されている。また、後通路板145における傾斜通路部146bに対応する位置には、後開口300がメダルMの流下方向に向けて延設されている。図22に示すように、この後開口300の上辺は、流下底面150a上を流下するメダルMの上端よりも高い位置にあり、該メダルMが下端を中心として後開口300側に傾倒可能とされている。
また、前通路板141における後開口300に対応する位置には、前開口301が形成されており、作動板161Aの下端に形成された当接片162Aが後側に向けて屈曲形成されている。尚、変形例では、流路切替ソレノイド30は、磁石部を後側に向けた状態で前通路板141の前面に対し所定の隙間を隔てて配設され、作動板161Aは、流路切替ソレノイド30と前通路板141との間に前後方向に揺動可能に吊支されている。よって、作動板161は、図23に示すように、流路切替ソレノイド30が非励磁状態であるときに、引っ張りバネ165Aにより上端が前側に付勢されることにより、流路切替ソレノイド30の磁石部から離間され当接片162Aが傾斜通路部146bを横切るように突出する非励磁位置と、図22に示すように、流路切替ソレノイド30が励磁状態であるときに、引っ張りバネ165Aによる付勢力に抗して流路切替ソレノイド30の磁石部に吸着されて当接片162Aが傾斜通路部146bから前面側に退避する励磁位置と、の間で揺動可能とされている。
よって、図24(A)に示すように、流路切替ソレノイド30が励磁状態であるときには、作動板161Aが励磁位置に維持され、当接片162Aは傾斜通路部146bから前面側に退避することで、メダルMは、流下底面150a上を起立姿勢のまま流下してメダルシュート200に誘導される。また、図24(B)〜(D)に示すように、流路切替ソレノイド30が励磁状態であるときには、作動板161Aが非励磁位置に維持され、当接片162Aは傾斜通路部146bを横切るように突出することで、流下底面150a上を起立姿勢で流下するメダルMは、当接片162Aに到達したときに(図24(B)参照)、該当接片162Aに接触することで起立姿勢が維持しにくくなる。このとき、メダルMの前側は前通路板141の一部にて支持されているので、メダルMの上部が後開口300側に傾倒する(図24(C)参照)。そして、傾倒角度が大きくなることで、メダルMの下部が流下底面150aから前側に外れて、流下底面150aと前通路板141との間に形成された隙間から下方に向けて滑り落ち(図24(D)参照)、メダル返却通路191に誘導される。
尚、流路切替ソレノイド30が非励磁状態であるときには、作動板161Aは引っ張りバネ165Aが取り外された状態において、当接片162A側の重みによって当接片162Aが傾斜通路部146bを横切るように突出する非励磁位置となる重心となるように、吊支されており、仮に引っ張りバネ165Aが取り外された状態であっても、作動板161Aが非励磁位置に維持され、流路切替ソレノイド30が励磁状態から非励磁状態となると、作動板161Aが自重により励磁位置から当接片162Aが傾斜通路部146bを横切るように突出する非励磁位置に移動するようになっている。
このように、本変形例としてのメダルセレクタ29Aにあっては、投入通路としてのメダル流下通路146を流下するメダルMを内方側通路としてのメダルシュート200へ流下させる励磁位置(第1の位置)と、メダル流下通路146を流下するメダルMを返却側通路としてのメダル返却通路191側へ落下させる非励磁位置(第2の位置)と、に移動可能な作動板161Aが本発明の切替部材を構成している。
また、駆動手段としての流路切替ソレノイド30による駆動が解除されたときに、切替部材としての作動板161Aを励磁位置(第1の位置)から非励磁位置(第2の位置)へ移動させる引っ張りバネ165Aが本発明の動作部材を構成している。
また、本変形例においても、メダルセレクタ29Aの後側には、後カバー部材180Aが取り付けられるとともに、メダルセレクタ29Aの前側には、前カバー部材181Aが取り付けられる。後カバー部材180Aは、主に作動板161Aの後側から被覆可能に形成されている。前カバー部材181Aは、主に作動板161Aの前部及び引っ張りバネ165Aを前側から被覆可能に形成されている。
また、被覆部291により各取付片170a〜170d、取付片182a、182b及びネジ184a〜184dを被覆した状態で、各取付孔294に、締め付け方向にしかネジを回すことができない従来公知のワンウェイネジ295a〜295dを取り付け、ネジ孔172a〜172dに螺入することで、側板143a、143bに取り外し不能に取り付けられる。これにより、各取付片170a〜170d、取付片182a、182b及びネジ184a〜184dが被覆部291により被覆されるので、規制部材290a〜290dを取り外さない限りネジ184a〜184dにアクセスして後カバー部材180A、前カバー部材181Aを取り外すことが困難となる。
また、側板143a、143bから規制部材290a〜290dを取り外すには、ワンウェイネジ295a〜295dを取り外すことができないため、連結片292を切断して取付部293を被覆部291から切り離す、あるいは取付部293や被覆部291を破壊する必要がある。よって、側板143a、143bから規制部材290a〜290dが取り外されたときには、切断や破壊により側板143a、143bから規制部材290a〜290dを取り外された痕跡、すなわち後カバー部材180A、前カバー部材181Aが取り外された痕跡が残るようになっている。
また、本変形例においても、メダルセレクタ29Aを前面扉1bに取り付けた際に、引っ張りバネ165Aが前面扉1b側となることで隠れた位置となり、引っ張りバネ165Aへのアクセスが困難となり、引っ張りバネ165Aが取り外されることが規制され、流路切替ソレノイド30が非励磁状態となったときには、引っ張りバネ165Aの付勢力によって作動板161Aの当接片162Aが傾斜通路部146bを横切るように突出する非励磁位置に移動するのでメダルの投入を許可しない状態において投入されたメダルがメダルシュート200に流下してしまうことが防止されるようになっている。
また、メダルセレクタ29Aを前面扉1bに取り付けた際に、作動板161Aの前部が前面扉1b側となることで隠れた位置となり、また作動板161Aの後部がメダル返却通路191及び蓋体382により被覆されることで隠れた位置となり、作動板161Aへのアクセスが困難となり、異物を詰める等することにより、作動板161Aを励磁位置に留まらせる細工を行うことが防止されるのでメダルの投入を許可しない状態において投入されたメダルがメダルシュート200に流下してしまうことが防止されるようになっている。
また、メダルセレクタ29Aの前側に取り付けられる前カバー部材181Aにより引っ張りバネ165Aが被覆されるので、引っ張りバネ165Aへのアクセスが困難となり、引っ張りバネ165Aが取り外されることが規制され、流路切替ソレノイド30が非励磁状態となったときには、引っ張りバネ165Aの付勢力によって作動板161Aが非励磁位置に移動するので、メダルの投入を許可しない状態において投入されたメダルがメダルシュート200に流下してしまうことを防止できるようになっている。
また、メダルセレクタ29Aの後側に取り付けられる後カバー部材180Aにより作動板161Aの後部が被覆されるとともに、メダルセレクタ29Aの前側に取り付けられる前カバー部材181Aにより作動板161Aの前部が被覆されるので、作動板161Aへのアクセスが困難となり、異物を詰める等することにより、作動板161Aを励磁位置に留まらせる細工を行うことが防止されるので、メダルの投入を許可しない状態において投入されたメダルがメダルシュート200に流下してしまうことを防止できるようになっている。
また、後カバー部材180A及び前カバー部材181Aは、規制部材290a〜290dを取り外さない限り取り外すことができず、後カバー部材180A及び前カバー部材181Aの取り外しが困難となるので、引っ張りバネ165Aを取り外したり、作動板161Aを励磁位置に留まらせる細工を施すことを効果的に規制することができる。
また、規制部材290a〜dを取り外すと、切断や破壊により側板143a、143bから規制部材290a〜290dを取り外された痕跡、すなわち後カバー部材180、前カバー部材181が取り外された痕跡が残るようになっているので、故意に引っ張りバネ165Aを取り外したり、作動板161Aを励磁位置に留まらせる細工を施した場合に、その痕跡が残ってしまうので、引っ張りバネ165Aを取り外したり、作動板161Aを励磁位置に留まらせる細工を施すことをさらに効果的に規制することができる。
尚、本変形例では、規制部材290a〜290dを利用することで、後カバー部材180A、前カバー部材181Aが取り外された痕跡が残る構成であるが、例えば、一度貼ると剥がした際に、剥がした痕跡が残る特殊なシールを利用する等、他の方法で後カバー部材180A、前カバー部材181Aが取り外された痕跡が残る構成としても良く、このような構成とした場合でも、故意に引っ張りバネ165Aを取り外したり、作動板161Aを励磁位置に留まらせる細工を施した場合に、その痕跡が残ってしまうので、引っ張りバネ165Aを取り外したり、作動板161Aを励磁位置に留まらせる細工を施すことをさらに効果的に規制することができる。
また、本変形例では、流路切替ソレノイド30が非励磁状態であるときには、作動板161Aは引っ張りバネ165Aが取り外された状態において、当接片162A側の重みによって当接片162Aが傾斜通路部146bを横切るように突出する非励磁位置となる重心となるように、吊支されており、仮に引っ張りバネ165Aが取り外された状態であっても、作動板161Aが非励磁位置に維持され、流路切替ソレノイド30が励磁状態から非励磁状態となると、作動板161Aが自重により励磁位置から当接片162Aが傾斜通路部146bを横切るように突出する非励磁位置に移動するようになっているので、引っ張りバネ165Aが取り外された場合でも、メダルの投入を許可しない状態において投入されたメダルがメダルシュート200に流下してしまうことを防止できるようになっている。
尚、本変形例では、後カバー部材180A、前カバー部材181Aを取り付け、引っ張りバネ165Aが取り外されるのを規制したり、作動板161Aへのアクセスを規制することなどにより、メダルの投入を許可しない状態において投入されたメダルがメダルシュート200に流下してしまうことを防止する構成であるが、構造的にメダルの投入を許可しない状態において投入されたメダルがメダルシュート200に流下してしまうことを防止する構成に限らず、例えば、作動板161Aが励磁位置に移動していないことを検知する励磁位置検出センサを設け、メダルの投入を許可していない状態において励磁位置検出センサにより作動板161Aが励磁位置に移動していないことが検知された場合に、メイン制御部41やサブ制御部91の制御によりその旨を報知する構成としても良く、このような構成とすることで、メダルの投入を許可しない状態において投入されたメダルがメダルシュート200に流下してしまう虞があることを認識させることができるので、メダルの投入を許可しない状態において投入されたメダルがメダルシュート200に流下してしまうことを事前に防止できる。また、この構成においては、作動板161Aが励磁位置に移動していない旨の報知だけでなく、遊技の制御が不能化されるエラー状態に制御されることが好ましく、これによりメダルの投入を許可しない状態において投入されたメダルがメダルシュート200に流下してしまう虞のある状況で遊技が行われてしまうことにより、実際にメダルの投入を許可しない状態において投入されたメダルがメダルシュート200に流下してしまうことを確実に防止することができる。
また、作動板161Aの励磁位置への移動を許可する状態と、阻止する状態と、に動作することが可能な阻止部材を設け、例えば、流路切替ソレノイド30と連動して、メダルの投入を許可しない状態において、阻止部材が作動板161Aの励磁位置への移動を阻止する状態に動作する構成としても良く、このような構成とした場合でも、メダルの投入を許可しない状態において阻止部材により作動板161Aが励磁位置へ移動することが阻止されるため、メダルの投入を許可しない状態において投入されたメダルがメダルシュート200に流下してしまうことを防止できる。
また、本変形例では、上記のようにメダルの投入を許可しない状態において投入されたメダルがメダルシュート200に流下してしまうことを防止するための構成を複数備える構成であり、より確実にメダルの投入を許可しない状態において投入された遊技者に返却されるべきメダルが返却されないことで遊技者に不利益が生じてしまうことを防止できることから好ましいが、これら複数の構成のうち少なくとも1つ備えるだけであっても、メダルの投入を許可しない状態において投入された遊技者に返却されるべきメダルが返却されないことで遊技者に不利益が生じてしまうことを防止できるものである。
また、本変形例では、メダルセレクタ29Aの後側に、流路切替板150が被覆されるように後カバー部材180Aを取り付けることにより、メダルの投入を許可しない状態において投入されたメダルがメダル返却通路191外に飛散することを防止できるようになっている。
また、後カバー部材180Aは、規制部材290a、290bを取り外さない限り取り外すことができず、後カバー部材180Aの取り外しが困難となるので、後カバー部材180を故意に取り外すことにより、メダルの投入を許可しない状態において投入されたメダルがメダル返却通路191外に飛散しやすい状況とすることを防止できる。
また、規制部材290a〜dを取り外すと、切断や破壊により側板143a、143bから規制部材290a、290bを取り外された痕跡、すなわち後カバー部材180が取り外された痕跡が残るようになっているので、後カバー部材180Aを故意に取り外した場合に、その痕跡が残ってしまうので、メダルの投入を許可しない状態において投入されたメダルがメダル返却通路191外に飛散しやすい状況とすることを効果的に防止できる。
尚、本変形例では、規制部材290a、290bを利用することで、後カバー部材180Aが取り外された痕跡が残る構成であるが、例えば、一度貼ると剥がした際に、剥がした痕跡が残る特殊なシールを利用する等、他の方法で後カバー部材180が取り外された痕跡が残る構成としても良く、このような構成とした場合でも、後カバー部材180Aを故意に取り外した場合に、その痕跡が残ってしまうので、メダルの投入を許可しない状態において投入されたメダルがメダル返却通路191外に飛散しやすい状況とすることを効果的に防止できる。
また、本変形例においても、メダル返却通路191を構成するメダル通路部材190を前面扉1bに取り付けた際に、メダルセレクタ29Aの後側がメダル通路部材190により被覆されるようになっており、メダルの投入を許可しない状態において投入されたメダルがメダル返却通路191外に飛散することを防止できるようになっている。
尚、本変形例では、後カバー部材180Aやメダル通路部材190が取り外されることを規制することなどにより、メダルの投入を許可しない状態において投入されたメダルがメダル返却通路191外に飛散しやすい状況とすることを防止する構成であるが、構造的にメダルの投入を許可しない状態において投入されたメダルがメダル返却通路191外に飛散しやすい状況とすることを防止する構成に限らず、例えば、後カバー部材180Aやメダル通路部材190が取り外されたことを検出するカバー検出センサを設け、カバー検出センサにより後カバー部材180Aやメダル通路部材190が取り外されたことが検知された場合に、メイン制御部41やサブ制御部91の制御によりその旨を報知する構成としても良く、このような構成とすることで、後カバー部材180Aやメダル通路部材190が取り外されたことを容易に特定することが可能となるので、メダルの投入を許可しない状態において投入されたメダルがメダル返却通路191外に飛散しやすい状況のまま放置されることを防止できる。また、この構成においては、後カバー部材180Aやメダル通路部材190が取り外された旨の報知だけでなく、遊技の制御が不能化されるエラー状態に制御されることが好ましく、これによりメダルの投入を許可しない状態において投入されたメダルがメダル返却通路191外に飛散しやすい状況で遊技が行われてしまうことにより、実際にメダルの投入を許可しない状態において投入されたメダルがメダル返却通路191外に飛散してしまうことを確実に防止することができる。
また、本変形例では、上記のようにメダルの投入を許可しない状態において投入されたメダルがメダル返却通路191外に飛散してしまうことを防止するための構成を複数備える構成であり、より確実にメダルの投入を許可しない状態において投入された遊技者に返却されるべきメダルが返却されないことで遊技者に不利益が生じてしまうことを防止できることから好ましいが、これら複数の構成のうち少なくとも1つ備えるだけであっても、メダルの投入を許可しない状態において投入された遊技者に返却されるべきメダルが返却されないことで遊技者に不利益が生じてしまうことを防止できるものである。
また、上記の実施例では、流路切替板150が、メダルの投入を許可する状態ではメダル流下通路146の下面を形成する流下位置となり、メダルの投入を許可しない状態ではメダル流下通路146の下面を形成せず、投入されたメダルが落下することとなる返却位置に移動することで、メダルの投入を許可しない状態で投入されたメダルをメダル返却通路191に落下させるメダルセレクタ29を例示し、上記の変形例では、作動板161Aが、メダルの投入を許可する状態では作動板161Aの当接片162Aが通路内から退避する励磁位置となり、メダルの投入を許可しない状態では、当接片162Aが通路内を横切るように突出し、投入されたメダルが当接片162Aに接触して落下することとなる非励磁位置に移動することで、メダルの投入を許可しない状態で投入されたメダルをメダル返却通路191に落下させるメダルセレクタ29Aを例示しているが、少なくとも投入されたメダルをスロットマシン内部(ホッパータンク34a)へ導く通路へ流下させる第1の位置と、スロットマシン外部(メダル払出口9)へ導く通路へ落下させる第2の位置と、に移動可能な切替部材と、切替部材を第1の位置に移動させる駆動手段と、駆動手段の駆動が解除されたときに、切替部材を第2の位置に移動させる動作部材と、を備える構成であれば、本発明を適用可能である。
例えば、流下するメダルの一部(例えばメダルの上部または側部等)を支持する第1の位置に移動する案内部材を備え、駆動手段の駆動により案内部材が第1の位置となることで、流下するメダルがスロットマシン内部(ホッパータンク34a)へ導く通路へ案内されるとともに、駆動手段の駆動が解除されることで、動作部材の付勢力により、流下するメダルを支持しない位置に退避する第2の位置に移動し、流下するメダルが支持されず、メダルの姿勢を維持することが困難となることで、投入されたメダルをスロットマシン外部(メダル払出口9)へ導く通路へ落下させるメダルセレクタを適用しても良い。
すなわち上記実施例では、メダルの投入を許可しない状態において通路の下面がなくなる状態とすることでメダルをスロットマシン外部へ導く通路へ落下させる構成であったが、通路の下面以外の一部が支持されなくなる状態とすることでメダルをスロットマシン外部へ導く通路へ落下させる構成としても良い。
このようなメダルセレクタを適用した場合にも、上記と同様に動作部材の取り外しを規制したり、案内部材へのアクセスを規制することで、メダルの投入を禁止する状態において投入されたメダルがスロットマシン内部に流下してしまうことを防止できる。
また、通路の下面以外の一部が支持されなくなる状態とすることでメダルをスロットマシン外部へ導く通路へ落下させる構成において、常時通路内に突出するように動作部材によって付勢され、通過するメダルによって押圧されることで通路外に退避可能な押圧片を備え、案内部材が第1の位置の状態では、メダルが押圧片に押されても案内部材に支持されてそのまま流下する一方、案内部材が第2の位置の状態では、メダルが押圧片に押されることでスロットマシン外部へ導く通路に落下する構成としても良く、これにより確実にメダルを落下させることができる。
また、押圧片を備える構成においては、押圧片の取り外し、押圧片を付勢する動作部材の取り外し、押圧片へのアクセスを規制することで、メダルの投入を禁止する状態において投入されたメダルがスロットマシン内部に流下してしまうことを防止できる。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、本発明はこの実施例に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれることは言うまでもない。
前記実施例では、本発明を遊技用価値としてメダル並びにクレジットを用いて賭数が設定されるスロットマシンに適用した例について説明したが、遊技用価値として遊技球を用いて賭数を設定するスロットマシンや、遊技用価値としてクレジットのみを使用して賭数を設定する完全クレジット式のスロットマシンに適用しても良い。遊技球を遊技用価値として用いる場合は、例えば、メダル1枚分を遊技球5個分に対応させることができ、前記実施例1で賭数として3を設定する場合は、15個の遊技球を用いて賭数を設定するものに相当する。
さらに、メダル及び遊技球等の複数種類の遊技用価値のうちいずれか1種類のみを用いるものに限定されるものではなく、例えば、メダル及び遊技球等の複数種類の遊技用価値を併用できるものであっても良い。すなわち、メダル及び遊技球等の複数種類の遊技用価値のいずれを用いても賭数を設定してゲームを行うことが可能であり、かつ入賞の発生によってメダル及び遊技球等の複数種類の遊技用価値のいずれをも払い出し得るスロットマシンを適用しても良い。