まず、図1を用いて、本発明の第1実施例に係るスロットマシン100の全体構成について説明する。なお、同図はスロットマシン100の外観斜視図を示したものである。
スロットマシン100は、略箱状の本体101と、この本体101の前面開口部に取り付けられた前面扉102とを有して構成されている。スロットマシン100の本体101の中央内部には、外周面に複数種類の図柄が所定コマ数だけ配置されたリールが3個(左リール110、中リール111、右リール112)収納され、スロットマシン100の内部で回転できるように構成されている。各図柄は帯状部材に等間隔で適当数印刷され、この帯状部材が所定の円形枠材に貼り付けられて各リール110乃至112が構成されている。リール110乃至112上の図柄は、遊技者から見ると、図柄表示窓113から縦方向に概ね3つ表示され、合計9つの図柄が見えるようになっている。そして、各リール110乃至112を回転させることにより、遊技者から見える図柄の組み合せが変動することとなる。なお、本実施例では、3個のリールをスロットマシン100の中央内部に備えているが、リールの数やリールの設置位置はこれに限定されるものではない。
また、図柄表示窓113の外枠には、点滅や点灯などの点灯制御によって、後述する有効ラインや入賞ラインを報知するためのライン表示LED(図示省略)が配置されている。
さらに、スロットマシン100の内部において、各々のリール110乃至112の近傍には、投光部と受光部からなる光学式センサ(図示省略)が設けられており、この光学式センサの投光部と受光部の間を、リールに設けられた一定の長さの遮光片が通過するように構成されている。このセンサの検出結果に基づいてリール上の図柄の回転方向の位置を判断し、目的とする図柄が入賞ライン114上に表示されるようにリール110乃至112を停止させる。
入賞ライン表示ランプ120は、有効となる入賞ラインを示すランプである。有効となる入賞ラインは、スロットマシン100に投入されたメダルの数によって予め定まっている。5本の入賞ライン114のうち、例えば、メダルが1枚投入された場合、中段の水平入賞ラインが有効となり、メダルが2枚投入された場合、上段水平入賞ラインと下段水平入賞ラインが追加された3本が有効となり、メダルが3枚投入された場合、右下り入賞ラインと右上り入賞ラインが追加された5本が入賞ラインとして有効になる。なお、入賞ライン114の数については5本に限定されるものではない。
スタートランプ121は、リール110乃至112が回転することができる状態にあることを遊技者に知らせるランプである。再遊技ランプ122は、前回の遊技において入賞役の一つである再遊技役に入賞した場合に、今回の遊技が再遊技可能であること(メダルの投入が不要であること)を遊技者に知らせるランプである。告知ランプ123は、内部抽選において、特定の入賞役(例えば、BB(ビッグボーナス)やRB(レギュラーボーナス)等のボーナス)に内部当選していることを遊技者に知らせるランプである。メダル投入ランプ124は、メダルの投入が可能であることを知らせるランプである。払出枚数表示器125は、何らかの入賞役に入賞した結果、遊技者に払出されるメダルの枚数を表示するための表示器である。遊技回数表示器126は、メダル投入時のエラー表示や、ビッグボーナスゲーム中(BBゲーム中)の遊技回数、所定の入賞役の入賞回数等を表示するための表示器である。貯留枚数表示器127は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダルの枚数を表示するための表示器である。リールパネルランプ128は、演出用のランプである。
メダル投入ボタン130、131は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダルを所定の枚数分投入するためのボタンである。本実施例においては、メダル投入ボタン130が押下される毎に1枚ずつ最大3枚まで投入され、メダル投入ボタン131が押下されると3枚投入されるようになっている。メダル投入口134は、遊技を開始するに当たって遊技者がメダルを投入するための投入口である。すなわち、メダルの投入は、メダル投入ボタン130又は131により電子的に投入することもできるし、メダル投入口134から実際のメダルを投入することもできる。精算ボタン132は、スロットマシン100に電子的に貯留されたメダル及びベットされたメダルを精算し、メダル払出口155よりメダル受皿156に排出するためのボタンである。メダル返却ボタン133は、投入されたメダルが詰まった場合に押下してメダルを取り除くためのボタンである。
スタートレバー135は、遊技の開始操作を行うためのレバー型のスイッチである。即ち、メダル投入口134に所望する枚数のメダルを投入して、スタートレバー135を操作すると、これを契機としてリール110乃至112が回転し、遊技が開始される。ストップボタン137乃至139は、スタートレバー135の操作によって回転を開始したリール110乃至112に対する停止操作を行うためのボタンであり、各リール110乃至112に対応して設けられている。そして、いずれかのストップボタン137乃至139を操作すると対応するいずれかのリール110乃至112が停止することになる。
ドアキー孔140は、スロットマシン100の前面扉102のロックを解除するためのキーを挿入する孔である。メダル払出口155は、メダルを払出すための払出口である。メダル受皿156は、メダル払出口155から払出されたメダルを溜めるための器である。なお、メダル受皿156は、本実施例では発光可能な受皿を採用している。
上部ランプ150、サイドランプ151、中央ランプ152、腰部ランプ153、下部ランプ154は、遊技を盛り上げるための装飾用のランプである。演出装置190は、例えば開閉自在な扉(シャッター)163が前面に取り付けられた液晶表示装置を含み、この演出装置190には、例えば小役告知等の各種の情報が表示される。音孔160は、スロットマシン100内部に設けられているスピーカの音を外部に出力するための孔である。タイトルパネル162には、スロットマシン100を装飾するための図柄が描かれる。
次に、スロットマシン100の内部構成について説明する。
図2は、スロットマシン100の内部構成の概略を示す前面扉102を開いた斜視図である。
本体部としてのキャビネット101の内部には、主基板収納ケース210、副制御基板収納ケース220及びリールユニット185や、図示を省略した電源ボックス、メダル払出装置180、メダル補助収納部240、中央スピーカユニット、外部中継端子板等の諸装置が配設されている。
リールユニット185は、樹脂製のケース221内にステッピングモータで駆動されるリール110乃至112を個別に着脱可能に取り付けて構成している。そして、このリールユニット185は、ケース221により3本のリールをユニット化し、キャビネット101に設けたリールユニット載置台278に対する着脱を容易に行えるように構成している。また、リールユニット載置台278の下部には、音通路277が取り付けられ、前面扉102がキャビネット101に閉じられた状態で前面扉102に取付られた音通路268と組み合わさるように構成している。中央スピーカユニットから出力された音は、この音通路277および音通路268を通過して外部に出力される。
キャビネット101の内部には、透明な樹脂ケースからなる基板収納ケースが、キャビネット101を構成している後板の上部に取り付けられている。この主基板収納ケース210の内部空間には、スロットマシン100の全体的な制御を行う主制御部300を構成する電気部品を実装した主制御基板が収納されている。
また、図示を省略した電源ボックスは、キャビネット101の後板の壁面に装着され、金属製ケースの内部に、スロットマシン100の諸装置へ必要な電力を供給するための電源基板が収納されている。
さらに、キャビネット101の内部には、メダルを払い出すためのメダル払出装置180(以下、ホッパー180ということがある)が配設してある。メダル払出装置180は、DCモータで駆動されメダルを1枚ずつ払い出すと共に、メダルを払い出す毎に検出信号を出力する払出装置本体515と、払出装置本体515にメダルを供給するとともにメダルを蓄積するメダルタンク510とで構成されている。そして、メダル払出装置180の横には、メダル補助収納部240が置かれており、前記メダル払出装置180がメダルでいっぱいになると、余分なメダルは流れ落ち、このメダル補助収納部240内に蓄積される。
そして、前記主制御基板及びリール110乃至112の側方、即ち向って左側の側板には、副制御基板を収納した副基板収納ケース220が配設してある。
一方、キャビネット101の側板にヒンジ装置276を介して蝶着された前面扉102には、演出装置290、この演出装置を制御する演出制御基板を収納した演出制御基板収納ケース274、上部スピーカ272、図柄表示窓113を有するリールパネル270、投入されたメダルを選別するためのメダルセレクタ170、このメダルセレクタ170が不正なメダルや遊技者に返却すべきメダル等をメダル受皿156に落下させる際にメダルが通過する通路266等が設けてある。メダルセレクタ170は、さらに、投入されたメダルをメダルタンク510に案内する通路641を備えている。また、前面扉102には扉中継基板280が設けられ、この扉中継基板280には、詳しくは後述するメダルセレクタ170のブロッカソレノイド691を駆動するブロッカソレノイド駆動部328等が実装される。
<制御部の回路構成>
次に、図3および図4を用いて、このスロットマシン100の制御部の回路構成について詳細に説明する。
スロットマシン100の制御部は、大別すると、遊技の中枢部分を制御する主制御部300と、主制御部300より送信されたコマンドに応じて各種機器を制御する副制御部400と、によって構成されている。
<主制御部300>
まず、図3を用いて、スロットマシン100の主制御部300について説明する。なお、同図は主制御部300の回路ブロック図を示したものである。
主制御部300は、主制御部300の全体を制御するための演算処理装置であるCPU310や、CPU310が各ICや各回路と信号の送受信を行うためのデータバス及びアドレスバスを備え、その他、以下に述べる構成を有する。クロック補正回路314は、水晶発振器311から発振されたクロックを分周してCPU310に供給する回路である。例えば、水晶発振器311の周波数が12MHzの場合に、分周後のクロックは6MHzとなる。CPU310は、クロック補正回路314により分周されたクロックをシステムクロックとして受け入れて動作する。
また、CPU310には、センサやスイッチの状態を常時監視するためのタイマ割り込み処理の周期やモータの駆動パルスの送信周期を設定するためのタイマ回路315がバスを介して接続されている。CPU310は、電源が投入されると、データバスを介してROM312の所定エリアに格納された分周用のデータをタイマ回路315に送信する。タイマ回路315は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに、割り込み要求をCPU310に送信する。CPU310は、この割込み要求を契機に、各センサ等の監視や駆動パルスの送信を実行する。例えば、CPU310のシステムクロックを6MHz、タイマ回路315の分周値を1/256、ROM312の分周用のデータを44に設定した場合、この割り込みの基準時間は、256×44÷6MHz=1.877msとなる。
さらに、CPU310には、各ICを制御するためのプログラム、入賞役の内部抽選時に用いる抽選データ、リールの停止位置等の各種データを記憶しているROM312や、一時的なデータを保存するためのRAM313が接続されている。これらのROM312やRAM313については他の記憶手段を用いてもよく、この点は後述する副制御部400においても同様である。また、CPU310には、外部の信号を受信するための入力インタフェース360が接続され、割込み時間ごとに入力インタフェース360を介して、スタートレバーセンサ321、ストップボタンセンサ322、メダル投入ボタンセンサ323、精算スイッチセンサ324、メダル払い出しセンサ326、電源判定回路327の状態を検出し、各センサを監視している。
メダル投入センサ320は、メダル投入口134に投入されたメダルを検出するためのセンサである。スタートレバーセンサ321はスタートレバー135の操作を検出するためのセンサである。ストップボタンセンサ322はストップボタン137乃至139のいずれかが押された場合、どのストップボタンが押されたかを検出するためのセンサである。メダル投入ボタンセンサ323はメダル投入ボタン130、131のいずれかが押下された場合、どのメダル投入ボタンが押されたかを検出するためのセンサである。精算スイッチセンサ324は、精算ボタン132に設けられており、精算ボタン132が一回押されると、貯留されているメダル及びベットされているメダルが精算されて払い出されることになる。メダル払い出しセンサ326は、払い出されるメダルを検出するためのセンサである。電源判定回路327は、スロットマシン100に供給される電源の遮断を検出するための回路である。
CPU310には、更に、入力インタフェース361、出力インタフェース370、371がアドレスデコード回路349を介してアドレスバスに接続されている。CPU310は、これらのインタフェースを介して外部のデバイスと信号の送受信を行っている。入力インタフェース361には、インデックスセンサ325が接続されている。インデックスセンサ325は、各リール110乃至112の取付台の所定位置に設置されており、リール110乃至112に設けた遮光片がこのインデックスセンサ325を通過するたびにハイレベルになる。CPU310は、この信号を検出すると、リールが1回転したものと判断し、リールの回転位置情報をゼロにリセットする。出力インタフェース370には、メダルセレクタ170のブロッカソレノイド691を駆動するブロッカソレノイド駆動部328と、リールを駆動させるためのモータを制御するリールモータ駆動部330と、ホッパー(バケットにたまっているメダルをメダル払出口155から払出すための装置。)のモータを駆動するためのホッパーモータ駆動部331と、遊技ランプ340(具体的には、入賞ライン表示ランプ120、スタートランプ121、再遊技ランプ122、告知ランプ123、メダル投入ランプ124等)と、7セグメント(SEG)表示器341(払出枚数表示器125、遊技情報表示器126、貯留枚数表示器127等)が接続されている。
また、CPU310には、乱数発生回路317がデータバスを介して接続されている。乱数発生回路317は、水晶発振器311及び水晶発振器316から発振されるクロックに基づいて、一定の範囲内で値をインクリメントし、そのカウント値をCPU310に出力することのできるインクリメントカウンタであり、後述する入賞役の内部抽選をはじめ各種抽選処理に使用される。CPU310のデータバスには、副制御部400にコマンドを送信するための出力インタフェース371が接続されている。主制御部300と副制御部400との情報通信は一方向の通信であり、主制御部300は副制御部400へコマンドを送信するが、副制御部400から主制御部300へ何らかのコマンド等を送信することはできない。
<副制御部400>
次に、図4を用いて、スロットマシン100の副制御部400について説明する。なお、同図は副制御部400の回路ブロック図を示したものである。
副制御部400は、主制御部300より送信された主制御コマンド等に基づいて副制御部400の全体を制御する演算処理装置であるCPU410や、CPU410が各IC、各回路と信号の送受信を行うためのデータバス及びアドレスバスを備え、以下に述べる構成を有する。クロック補正回路414は、水晶発振器411から発振されたクロックを補正し、補正後のクロックをシステムクロックとしてCPU410に供給する回路である。
また、CPU410にはタイマ回路415がバスを介して接続されている。CPU410は、所定のタイミングでデータバスを介してROM412の所定エリアに格納された分周用のデータをタイマ回路415に送信する。タイマ回路415は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに、割り込み要求をCPU410に送信する。CPU410は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
また、CPU410には、副制御部400の全体を制御するための命令及びデータ、ライン表示LEDの点灯パターンや各種表示器を制御するためのデータが記憶されたROM412や、データ等を一時的に保存するためのRAM413が各バスを介して接続されている。
さらに、CPU410には、外部の信号を送受信するための入出力インタフェース460が接続されており、入出力インタフェース460には、図柄表示窓113の外枠に配設され、点滅や点灯などの点灯制御によって有効ラインや入賞ラインを報知するためのライン表示LED420、前面扉102の開閉を検出するための扉センサ421、RAM413のデータをクリアにするためのリセットスイッチ422が接続されている。
CPU410には、データバスを介して主制御部300から主制御コマンドを受信するための入力インタフェース461が接続されており、入力インタフェース461を介して受信したコマンドに基づいて、遊技全体を盛り上げる演出処理等が実行される。また、CPU410のデータバスとアドレスバスには、音源IC480が接続されている。音源IC480は、CPU410からの命令に応じて音声の制御を行う。また、音源IC480には、音声データが記憶されたROM481が接続されており、音源IC480は、ROM481から取得した音声データをアンプ482で増幅させてスピーカ483から出力する。CPU410には、主制御部300と同様に、外部ICを選択するためのアドレスデコード回路450が接続されており、アドレスデコード回路450には、主制御部300からのコマンドを受信するための入力インタフェース461、時計IC423、7セグメント表示器440への信号を出力するための出力インタフェース472等が接続されている。
時計IC423が接続されていることで、CPU410は、現在時刻を取得することが可能である。7セグメント表示器440は、スロットマシン100の内部に設けられており、たとえば副制御部400に設定された所定の情報を遊技店の係員等が確認できるようになっている。更に、出力インタフェース470には、デマルチプレクサ419が接続されている。デマルチプレクサ419は、出力インタフェース470から送信された信号を各表示部等に分配する。即ち、デマルチプレクサ419は、CPU410から受信されたデータに応じて上部ランプ150、サイドランプ151、中央ランプ152、腰部ランプ153、下部ランプ154、リールパネルランプ128、タイトルパネルランプ170、払出口ストロボ171を制御する。タイトルパネルランプ170は、タイトルパネル162を照明するランプであり、払出口ストロボ171は、メダル払い出し口155の内側に設置されたストロボタイプのランプである。なお、CPU410は、扉・液晶画面制御部490への信号送信は、デマルチプレクサ419を介して実施する。扉・液晶画面制御部490は、液晶表示装置157及び扉装置163を制御する制御部である。
<主制御部300の処理>
図5はスロットマシン100における遊技の基本的制御を示すフローチャートである。遊技の基本的制御は主制御部300のCPU310が中心になって行い、電源断等を検知しないかぎり、同図の処理を実行する。また、各処理の実行によって得られた情報は副制御部400に送信する。
以下、この処理について説明する。
電源投入が行われると、まず、S101で初期処理が実行される。ここでは各種の初期化処理が行われる。また、ブロッカソレノイド駆動部328によってブロッカソレノイド691を励磁して、後述のメダルブロッカ692をメダル通路内から退避位置へと移動させて(メダル通過状態にして)、投入されたメダルをスロットマシン100内に導いてその数がカウントされるようにする。このブロッカソレノイド駆動部328の制御は、後述の主制御部300のタイマ割込処理で出力ポートにデータ出力されて行われる。
S102ではメダル投入・スタート操作受付処理を実行する。ここではメダルの投入の有無をチェックし、メダルの投入に応じて入賞ライン表示ランプ120を点灯させる。なお、前回の遊技で再遊技に入賞した場合は、前回の遊技で投入されたメダル枚数と同じ数のメダルを投入する処理を行うので、遊技者によるメダルの投入が不要となる。また、スタートレバー135が操作されたか否かのチェックを行い、スタートレバー135の操作があればS103へ進む。このとき、ブロッカソレノイド駆動部328は、ブロッカソレノイド691(図14(b)参照)の励磁を解除して、メダルブロッカ692(図14(b)参照)を退避位置からメダル通路内へと移動させて(メダル返却状態にして)、投入されたメダルをメダル受皿156へと導く。このブロッカソレノイド駆動部328の制御は、後述の主制御部300のタイマ割込処理で出力ポートにデータ出力されて行われる。
S103では投入されたメダル枚数を確定し、有効な入賞ラインを確定する。S104では乱数発生器で発生させた乱数を取得する。S105では、現在の遊技状態に応じてROMに格納されている入賞役抽選テーブルを読み出し、これとS104で取得した乱数値とを用いて内部抽選を行う。内部抽選の結果、いずれかの入賞役(作動役を含む)に内部当選した場合、その入賞役のフラグがONになる。S106では内部抽選結果に基づき、リール停止データを選択する。
S107では全リール110乃至112の回転を開始させる。S108では、ストップボタン137乃至139の受け付けが可能になり、いずれかのストップボタンが押されると、押されたストップボタンに対応するリール110乃至112の何れかをS106で選択したリール停止制御データに基づいて停止させる。全リール110乃至112が停止するとS109へ進む。
S109では、入賞判定を行う。ここでは、有効化された入賞ライン114上に、何らかの入賞役に対応する絵柄組合せが表示された場合にその入賞役に入賞したと判定する。例えば、有効化された入賞ライン上に、「ベル−ベル−ベル」が揃っていたならばベル入賞と判定する。但し、ビッグボーナス(BB)およびレギュラーボーナス(RB)については、今回の遊技で入賞しなかった場合は、次回の遊技に内部当選フラグがONの状態が維持される。所謂フラグの持ち越しが行われる。
S110では払い出しのある何らかの入賞役に入賞していれば、その入賞役に対応する枚数のメダルを入賞ライン数に応じて払い出す。S111では遊技状態制御処理を行う。以上により1ゲームが終了し、メダルブロッカ692は退避位置からメダル通路内へと移動させる。以降S102へ戻って上述した処理を繰り返すことにより遊技が進行することになる。
ところで、このS111からS102の間では、ブロッカソレノイド駆動部328によってブロッカソレノイド691を励磁して、後述のメダルブロッカ692をメダル通路内から退避位置へと移動させて(メダル通過状態にして)、投入されたメダルをスロットマシン100内に導いてその数がカウントされるようにする。このブロッカソレノイド駆動部328の制御は、後述の主制御部300のタイマ割込処理で出力ポートにデータ出力されて行われる。なお、メダル通路内にあったメダルブロッカ692を退避位置へ移動させる処理は、S101およびS111で行うようにしたが、S102でメダルの投入の有無をチェックする処理の前に行うようにしてもよい。
<主制御部300タイマ割込処理>
次に、図6を用いて、主制御部300のタイマ割込処理について説明する。なお、図6(a)はこの主制御部タイマ割込処理で行われる出力ポートデータ出力の内容の一例を示す図であり、図6(b)は、主制御部300のタイマ割込処理の流れを示すフローチャートである。
主制御部300は、所定の周期(本実施形態では約2msに1回)でタイマ割込信号を発生するタイマ回路315を備えており、このタイマ割込信号を契機として、主制御部メイン処理に割り込んで主制御部タイマ割込処理を所定の周期で開始し、主制御部タイマ割込処理の終了後には主制御部メイン処理の割り込まれた処理の時点に戻る。
図6(b)を参照すると、ステップS201では、CPU310の各レジスタの値をスタック領域に一時的に退避するタイマ割込開始処理や、入力ポートのデータを取得して実行する処理などの各種処理を行う。
ステップS202では、割り込み処理が実行されたときの状態に応じてパネル更新処理を行う。
ステップS203では、主制御部CPU310の出力ポートにデータを出力する。なお、本実施例では、図6(a)を参照して分かるように、出力ポート1のビットD5に、メダルセレクタ170のブロッカソレノイド691の駆動を指示するセレクタ_ON信号を割り当てており、この信号を、出力インタフェース370を介してブロッカソレノイド駆動部328に出力し、これを受けたブロッカソレノイド駆動部328はブロッカソレノイド691の駆動を制御する。すなわち、遊技状態に応じて、投入されたメダルをスロットマシン100内に受け入れて受け付けるメダル通過状態と、投入されたメダルを受皿156に返却するメダル返却状態とを切り替える。
ステップS204では、副制御部400に対して各種コマンドを出力する。
ステップS205では、電断判定回路327による低電圧信号がオンであるか否かを監視する。そして、低電圧信号がオンの場合(電源の遮断を検知した場合)にはステップS206に進み、低電圧信号がオフの場合(電源の遮断を検知していない場合)には、ステップS201で一時的に退避した各レジスタの値を元の各レジスタに設定等を行うタイマ割込終了処理などの各種処理を実行し、その後、図5に示した主制御部300メイン処理に復帰する。
一方、ステップS206では、復電時に電断時の状態に復帰するための特定の変数やスタックポインタを復帰データとしてRAM313の所定の領域に退避し、入出力ポートの初期化等の電断時処理を行う。
<副制御部400の処理>
次に、副制御部400の処理について説明する。図7(a)は副制御部400のCPU410が実行するメイン処理のフローチャートである。
まず、ステップS301では、各種の初期設定を行う。電源投入が行われると、まずS301で初期化処理が実行される。この初期化処理では、入出力ポートの初期設定や、RAM内の記憶領域の初期化処理等を行う。
ステップS302では、コマンド入力処理(詳細は後述する)を行う。
ステップS303では、演出データの更新処理を行う。この演出データの更新処理では、演出を制御するための動作制御データの更新を行う。S304では、S303で更新した演出データの中に副制御部400の各演出デバイスのドライバに出力するデータがあるか否かを判定する。該当する場合はS305へ進み、該当しない場合はS306へ進む。S305では副制御部400の演出デバイスのドライバにデータをセットする。データのセットにより演出デバイスがそのデータに応じた演出を実行する。S306ではS303で更新した演出データの中に扉・液晶画面制御部490に送信する制御コマンドがあるか否かを判定する。該当する場合はS307へ進み、該当しない場合はS302へ戻る。S307では扉・液晶画面制御部490に制御コマンドを送信してS302へ戻る。
次に、図7(b)を用いて、副制御部400のコマンド入力処理について説明する。
S401ではコマンド格納エリアに少なくとも1つの制御コマンドが格納されているか否かを判定する。該当する場合はS402へ進み、該当しない場合はS401へ戻る。S402では、コマンド格納エリアから制御コマンドを一つ取得し、制御コマンドに応じた処理を実行する。取得した制御コマンドはコマンド格納エリアから消去する。
次に、図7(c)を用いて、副制御部400のストローブ割込み処理について説明す
る。
このストローブ割込み処理は、副制御部400が、主制御部300が出力するストローブ信号を検出した場合に実行する処理である。ストローブ割込み処理のステップS501では、主制御部300が出力したコマンドを未処理コマンドとしてRAM413に設けたコマンド記憶領域に記憶する。
次に、図7(d)を用いて、副制御部400のタイマ割込み処理について説明する。
副制御部400は所定の周期(本実施例では2msに1回)でタイマ割込みを発生するハードウェアタイマであるタイマ回路415を備えており、このタイマ割込みを契機として、副制御部400タイマ割込み処理を実行する。なお、副制御部400は汎用タイマの設定(10ms)としており、S601ではこの汎用タイマの更新を行う。
<メダルセレクタ170の構造>
続いて、本実施例のメダルセレクタ170の構造について説明する。
図8はメダルセレクタの組立斜視図、図9は分解斜視図である。また、図10はメダルセレクタの正面説明図、図11は図10におけるX−X′線断面図、図12は図10におけるY−Y′線断面図、図13は図10におけるZ−Z′線断面図である。
メダルセレクタ170は、メダル投入口134に投入されたメダルを選別し、サイズの小さい不正なメダルを選別してメダル受皿156に排出すると共に、正規のメダルを取り込んでホッパー180のメダルタンク510に送り出すユニット化された装置である。即ち、このメダルセレクタ170は、図8、図9に示すように、メダル通路を形成するセレクタ本体ユニット681と、このセレクタ本体ユニット681に着脱自在に設けられる側面ガイドユニット682と、投入されたメダルMをメダル受皿156に案内する開閉及び着脱可能なカバーガイド683と、から構成されている。尚、メダルセレクタ170は、取付基板684を介してスロットマシン100の前面扉102の裏面側に、着脱可能に取り付られる。
セレクタ本体ユニット681は、メダル選別口611を開設した平面形状がほぼコ字状のベース基板612を中心に構成してある。上記メダル選別口611は、底辺がメダルMの移送方向に沿って下り傾斜する斜めに開設した横長な開口であって、このメダル選別口611の下縁付近には、投入されたメダルMが転動しながらメダルタンク510の方向へ移動するメダル通路を形成する移送ガイド685が、ネジ等の止着手段651によって取り付けてある。
上記メダル選別口611の上縁付近には、スペーサ部材661を設ける。このスペーサ部材661は、例えば合成樹脂製の板材であって、ほぼメダルMと同じ厚さを有し、前記ベース基板612にネジ663等の止着手段で着脱可能に取り付けられている。また、上記スペーサ部材661は、投入されて転動するメダルMの上縁が係止する係止爪662を有し、転動するメダルMの上部一側をガイドする上部ガイド666を構成する。
前記メダル選別口611には、投入されたメダルMを、遊技者の操作に応じて、メダル受皿156に返却するためのメダル返却装置687が臨ませてある。このメダル返却装置687は、図11に示すように、遊技者が操作した返却ボタン133に対応する受圧部671を有する返却プレート672が、軸673を支点に回動自在に装着され、この軸673に嵌装した戻りスプリング674により、前記返却プレート672の先端部675を、前記メダル選別口611から追い出す方向に付勢している。このため、通常では、返却プレート672の先端部675が前記メダル選別口611から外れているので、当該返却プレート672の影響を受けることなく、投入されたメダルMが、図9に示す取付基板684に設けた断面ほぼJ字状の搬送樋641を介して、ホッパー180のメダルタンク510へ向けて移送される。
一方、遊技者が、メダル詰まりを解除するために、メダル返却ボタン133を操作すると、当該ボタン133の押圧部133aが、返却プレート672の受圧部671を押圧し、返却プレート672が前記戻りスプリング674の付勢に抗して回動し、先端部675がメダル選別口611の中に突入する。すると、突入した先端部675により、メダル通路に詰まったメダルMが落下してメダル受皿156に返却される。
前記メダル選別口611には、投入されたメダルMを側面からガイドする側面ガイドユニット682を臨ませる。この側面ガイドユニット682は、前記したベース基板612に対して回動自在且つ着脱自在に設けられている。即ち、前記したメダル返却装置687の軸673を、この側面ガイドユニット682も支軸621として共有し、当該軸621に嵌装した装着スプリング622により、着脱自在且つ回動自在に装着してある。
このため、側面ガイドユニット682は、装着時に、前記したベース基板612に対峙するガイド基板623を有し、このガイド基板623に軸受部624と、後述する押圧片625とが装着してある。上記軸受部624は、ガイド基板623の一部をほぼコ字状に屈曲成型し、屈曲先端部に軸受溝624aを形成したものである。尚、ガイド基板623の上流側の上縁が外向きに屈曲されて、ベース基板612と対峙したときの間隔を拡げて、メダル投入口134に投入されたメダルMを、前記ベース基板612と間に落とし込むようになっている。
また、前記装着スプリング622は、中央部分に係止端部622aが形成してあり、前記軸受溝624aに前記軸673を嵌着したときに、この係止端部622aが前記ガイド基板623に開設した係止口626に係止することにより、側面ガイドユニット682がセレクタ本体ユニット681に装着される。
側面ガイドユニット682は、可動型押出しガイド627を備える。即ち、この可動型押出しガイド627は、前記ガイド基板623に軸628により回動自在に設けられると共に、この軸628に巻装したトーションスプリング629によりメダルMを押圧する方向に緩く付勢され、当該可動型押出しガイド627の押圧片625の先端が、前記メダル選別口611に臨んでいる。
前記メダル選別口611の下縁付近には、投入されたメダルMが転動するメダル転動面652を有する移送ガイド685が、メダルMの下部一側をガイドするベース基板612に対して止着されている。
この移送ガイド685は、例えば図12、13等に示すように、前記したスペーサ部材661とほぼ同じ厚さを有する板材であって、ネジ等の止着手段651によって、前記メダル選別口611の下縁から若干下がった位置に取り付けてある。また、この移送ガイド685は、メダルMが転動して流下するように下り傾斜が設けてある。そして、メダルセレクタ170を、図9に示す取付基板684に装着した場合に、前記移送ガイド685の流下端が、前記した取付基板684の搬送樋641の入口に連絡し、投入されたメダルMをホッパー180のメダルタンク510へ移送するメダル通路を形成する。
そして、前記移送ガイド685のメダル転動面652を、メダルMの下部一側をガイドする下部ガイド688としてのベース基板612側が低くなるように、傾斜させている。
遊技者が投入したメダルMが、規定の外径よりも小さい不正なメダルの場合には、メダルMの上縁が、上部ガイド66である係止爪662に係止しなかったり、係止しても係止幅が僅かなので、側面ガイドである押出しガイド627により側方を緩く押圧されると、容易にメダルMが転倒して、メダル選別口611から落下し、受皿156に返却される(図12参照)。
前記のようにして、メダル通路を転動して送り出し口に達した正規のメダルMは、メダル通路の終端付近に臨ませたメダル投入センサSによって検出される。これにより、投入されたメダルMが規定枚数に達したときには、ブロッカソレノイド691を作動させて、メダルブロッカ692をメダル選別口611内に突入させて、以後、投入されるメダルMを、強制的にメダル受皿156に返却するようになっている(図13参照)。また、前記ブロッカソレノイド691は、所定の絵柄が揃って、メダルMの再投入なしに再遊技が可能なときにも作動して、誤って投入されるメダルMを返却する(図13参照)。そして、前記メダル投入センサSを通過した正規のメダルMは、図9に示す取付基板684の搬送樋641を介してホッパー180のメダルタンク510へ貯留されることになる。
<ブロッカソレノイド691およびメダルブロッカ692の動作>
ここで、ブロッカソレノイド691およびメダルブロッカ692の動作について、図14を参照しながら説明する。
図14(a)はブロッカソレノイド691の通電状態を示すタイムチャートであり、図14(b)はブロッカソレノイド691が通電されていない場合のメダルブロッカ692の位置を示す側断面図であり、図14(c)はブロッカソレノイド691が通電された場合のメダルブロッカ692の位置を示す側断面図であり、図14(d)はブロッカソレノイド691が通電されている場合のメダルブロッカ692の位置を示す側断面図であり、図14(e)はブロッカソレノイド691が通電されなくなった場合のメダルブロッカ692の位置を示す側断面図である。なお、この図に示している動作タイミングはオン/オフの瞬間に切り替わる理論上の動きであり、実際の動作タイミングは回路構成に応じてずれが生じる。
本実施例では、ブロッカソレノイド691は鉄心691aにコイル691bを巻き回してなる電磁石で構成されており、ブロッカソレノイド691が通電されていない場合には消勢し、断面L字状の鉄板であるメダルブロッカ692は、たとえばコイルばねである弾性部材692aの収縮力によって鉄心691aから引き離された状態になる。一方、ブロッカソレノイド691が通電されると付勢し、弾性部材692aの収縮力に対抗してメダルブロッカ692を吸引し、鉄心691aにメダルブロッカ692を吸着する。
たとえばスロットマシン100の電源を落としている場合のようにブロッカソレノイド691が通電されていないとき(図14(a)がOFFのとき)には、図14(b)のように、メダルブロッカ692の上部先端がメダル通路すなわちメダル選別口611内に突入して、メダルMをメダル受皿156に返却する。
その後、メダルMを受け付ける場合には、ブロッカソレノイド691が通電され(図14(a)がONになり)、図14(c)のように、メダルブロッカ692が鉄心691aに吸着して、メダルブロッカ692の上部先端はメダル通路すなわちメダル選別口611内から退避し、メダルMはメダル通路を転動してメダル投入センサSの位置を通過してホッパー180へと誘導される。
その後、ブロッカソレノイド691が通電され続けているときには(図14(a)がONのままのときには)、図14(d)のように、メダルブロッカ692は鉄心691aに吸着したままで、メダルブロッカ692の上部先端はメダル通路すなわちメダル選別口611内から退避したままになり、メダルMはメダル通路を転動してメダル投入センサSの位置を通過してホッパー180へと誘導される。
ここで、本発明では、ブロッカソレノイド691が長時間に渡って吸着状態となった場合に、電力消費や発熱の問題が生じることを鑑み、比較的大きな電力を必要とするブロッカソレノイド691の駆動時(及びその後一定期間)である期間Aにおいては24V線から電力供給し、吸着状態となった後の励磁状態保持期間Bにおいては12V線から電力供給するように構成した。詳細は後述する。
さらにその後、メダルMを受け付けずに返却する事由が生じた場合には、ブロッカソレノイド691の通電を停止し(図14(a)がOFFになり)、図14(e)のように、弾性部材692aの収縮力によってメダルブロッカ692は鉄心691aから引き離され、メダルブロッカ692の上部先端がメダル通路すなわちメダル選別口611内に突入して、メダルMをメダル受皿156に返却する。
<ブロッカソレノイド駆動部>
次に、図15を用いてブロッカソレノイドの機能構成の説明をする。
ブロッカソレノイド駆動部328は、メダルセレクタ170のブロッカソレノイド691を駆動するための駆動回路353を備える。この駆動回路353は、クロック回路351からのクロックパルスによって作動するロジック回路(後述)に対し、CPU310から出力インターフェイス370を介して制御信号が送られ、ブロッカソレノイド691に供給される電圧線の種別が切り替えられる。
次に、図16を用いて、本発明の特徴部分である電力供給手段の切り替え(異なる電圧線の切り替え)の概念を説明する。
本実施形態では、電源部500にて24Vと12Vの2種類の電圧に分圧された24V電圧線501と12V電圧線502を設けており、24V電圧線から電力を供給されるデバイスの一例として、駆動に比較的大きな電力を必要とするリールモータ駆動部330を、また12V電圧線から電力を供給されるデバイスの一例として扉装置157を、それぞれの電圧線に接続している。そして、24V電圧線501から分岐された24V分岐線503及び12V電圧線から分岐された12V分岐線504がブロッカソレノイド691に接続されている。そしてこれらの24V分岐線503及び12V分岐線504に流れる電力を切替制御するためのロジック回路A352a及びロジック回路B352bが設けられている。
また、これらのロジック回路A352a及びロジック回路B352bによって制御されるスイッチング素子として、FET(Field Effect Transistor:電界効果型トランジスタ)F1、F2、F3、F4がそれぞれ2箇所ずつ設けられており、CPU310から出力インターフェイス370を介してロジック回路A352a及びロジック回路B352bに接続された制御線によってスイッチング素子のオン、オフが制御される。
次に、図17を用いて、供給電力切り替え制御の具体例の説明をする。
まず図17(a)において、24V線から電力が供給される場合を説明する。これは上述した図14(a)のタイムチャートに示した期間Aにおける制御であり、ロジック回路A352aの出力端子G1をHIGH、G2をLOW、またロジック回路B352bの出力端子G3をLOW、G4をHIGHとすることで、FETF1及びFETF4がオンとなり、ソレノイドブロッカ691に対し24V線から電力が供給される。その後、図17(b)において示すように、上述した図14(a)のタイムチャートに示した期間Bにおける制御が行われ、ロジック回路B352bの出力端子G3をHIGH、G3をLOW、またロジック回路A352aの出力端子G1をLOW、G2をHIGHとすることで、FETF3及びFETF2がオンとなり、ソレノイドブロッカ691に対し12V線から電力が供給される。
このように、既存の電圧線を利用して、励磁制御されるデバイスの制御態様によって電力供給線を切替制御することで、異なる電力供給手段を新たに設けなくとも、適切なデバイス制御を行うことができる。
なお、上記実施形態ではメダルセレクタの例を挙げたが、パチンコ機の入賞装置や可動体に用いられる駆動手段などにも適用できることは言うまでもない。
なお、上述の各実施例では、メダルセレクタ170として、ブロッカソレノイド691やメダルブロッカ692を有するとともにメダル通路を形成するセレクタ本体ユニット681と、セレクタ本体ユニット681に着脱自在に設けられる側面ガイドユニット682と、投入されたメダルをメダル受皿156に案内するカバーガイド683と、からなる構成を開示したが、本発明はこれに限られるものではなく、メダルセレクタが、ブロッカソレノイド駆動部328や356を含む構成通してもよい。
以上のように、本発明では、入力された電力を分圧する電圧変更手段を備えた電源部と、前記電源部にて第1の電圧に分圧された第1電圧線と、該第1電圧線に接続される第1デバイスと、前記電源部にて前記第1の電圧とは異なる第2の電圧に分圧された第2電圧線と、該第2電圧線に接続される第2デバイスと、前記第1デバイス又は前記第2デバイスとは異なる第3デバイスと、前記第1電圧線から分岐し、前記第3デバイスに接続される第1電圧分岐線と、前記第1電圧線と前記第1電圧分岐線とを接続/遮断する第1切替部と、前記第2電圧線から分岐し、前記第3デバイスに接続される第2電圧分岐線と、前記第2電圧線と前記第2電圧分岐線とを接続/遮断する第2切替部と、前記第1切替部及び前記第2切替部の接続/遮断を制御する切替制御手段を備えたことを特徴とした。
上述した実施形態では、電源部500から分圧された24V線にリールモータ駆動部330を、12V線に対し扉装置157を接続すると共に、それぞれの電圧線からの分岐線503、504にメダルセレクタ170のブロッカソレノイド691を接続した。そしてこの2つの分岐線503、504に対する電力供給をロジック回路352a、352bを用いて切替制御するように構成した。
よって、デバイスの励磁状態を変更制御したい場合に、既存の電力供給回路を利用して行うことができるので、簡易な回路設計が可能となり、コストダウンできる。
また本発明の別の態様では、更に、前記第3デバイスは、前記第1電圧線又は前記第2電圧線からの給電の有無で、可動体を第1位置から第2位置に移動制御する励磁駆動装置であることを特徴とした。
上述した実施形態では、励磁駆動手段として、初期位置から励磁された位置に移動制御されるブロッカソレノイド691を用いた。
よって、供給される電力の高低により、駆動態様を異ならせることが可能となり、簡易な駆動制御が可能となる。
また本発明の別の態様では、更に、前記切替制御手段は、前記第1電圧線又は前記第2電圧線からの給電により、前記可動体が第1位置から第2位置に移動制御された後、前記第1切替部又は前記第2切替部を切替制御することを特徴とした。
上述した実施形態では、励磁駆動手段が備えた可動体を、待機位置から駆動させるような比較的大きな電力を必要とする場合においては第1電圧線である24V電圧線501から電力を供給し、駆動後に、その駆動状態を保持するような比較的小さな電力で済む場合においては、第2電圧線である12V電圧線502から電力を供給するように構成した。
よって、可動体の移動制御と、移動した後の保持制御を適切なタイミングで切り替えることができる。
また本発明の別の態様では、更に、前記第1電圧線に設けられた第1スイッチング素子及び第2スイッチング素子と、前記第2電圧線に設けられた第3スイッチング素子及び第4スイッチング素子と、前記第1スイッチング素子及び第2スイッチング素子を制御する第1制御回路と、前記第3スイッチング素子及び第4スイッチング素子を制御する第2制御回路を備えたことを特徴とした。
上述した実施形態では、24V電圧線501にロジック回路A352a及びFETF1、F2を、また12V電圧線501にロジック回路B352b及びFETF3、F4を設けて切替制御するように構成した。
よって、簡易な構成で供給電力の切替制御を行うことが可能となる。
また本発明の別の態様では、更に、前記切替制御手段は、前記第1スイッチング素子及び前記第4スイッチング素子をオンとすることで前記第1電圧線から前記第3デバイスに電力を供給し、その後、前記第3スイッチング素子及び前記第2スイッチング素子をオンとすることで前記第2電圧線から前記第3デバイスに電力を供給することを特徴とした。
よって、簡易な構成で供給電力の切替制御を行うことが可能となる。
また本発明の別の態様では、更に、前記第3デバイスは、ソレノイドコイルに給電することで、メダルを受け入れる第1位置と、メダルを排出する第2位置に移動制御されるメダル選別手段を備えたメダルセレクタであることを特徴とした。
上述した実施形態では、第3デバイスとしてメダルセレクタ170を取り上げ、ブロッカソレノイド691をメダル受け入れ位置とメダル排出位置に切替制御するようにすると共に、励磁状態となった後に、供給電力を切り替える制御を行うように構成した。
よって、励磁状態となった後の励磁保持状態が長期間に渡ったとしても、消費電力を抑え、発熱を抑制することができる。