以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
<全体構成>
図1は、本発明の一実施形態に係るスロットマシン100の外観斜視図である。スロットマシン100は、メダルの投入により遊技が開始され、遊技の結果によりメダルが払い出されるものである。
スロットマシン100は、略箱状の本体101と、この本体101の前面開口部に取り付けられた前面扉102とを有して構成されている。スロットマシン100の本体101の中央内部には、外周面に複数種類の図柄が所定コマ数だけ配置されたリールが3個(左リール110、中リール111、右リール112)収納され、スロットマシン100の内部で回転できるように構成されている。各図柄は帯状部材に等間隔で適当数印刷され、この帯状部材が所定の円形枠材に貼り付けられて各リール110〜112が構成されている。リール110〜112上の図柄は、遊技者から見ると、図柄表示窓113から縦方向に概ね3つ表示され、合計9つの図柄が見えるようになっている。そして、各リール110〜112を回転させることにより、遊技者から見える図柄の組み合せが変動することとなる。なお、本実施形態では、3個のリールをスロットマシン100の中央内部に備えているが、リールの数やリールの設置位置はこれに限定されるものではない。
また、図柄表示窓113の外枠には、点滅や点灯などの点灯制御によって、後述する有効ラインや入賞ラインを報知するためのライン表示LED(図示省略)が配置されている。
さらに、スロットマシン100内部において各々のリール110〜112の近傍には、投光部と受光部からなる光学式センサ(図示省略)が設けられており、この光学式センサの投光部と受光部の間を、リールに設けられた一定の長さの遮光片が通過するように構成されている。このセンサの検出結果に基づいてリール上の図柄の回転方向の位置を判断し、目的とする図柄が入賞ライン114上に表示されるようにリール110〜112を停止させる。
入賞ライン表示ランプ120は、有効となる入賞ラインを示すランプである。有効となる入賞ラインは、スロットマシン100に投入されたメダルの数によって予め定まっている。5本の入賞ライン114のうち、例えば、メダルが1枚投入された場合、中段の水平入賞ラインが有効となり、メダルが2枚投入された場合、上段水平入賞ラインと下段水平入賞ラインが追加された3本が有効となり、メダルが3枚投入された場合、右下り入賞ラインと右上り入賞ラインが追加された5本が入賞ラインとして有効になる。なお、入賞ライン114の数については5本に限定されるものではない。
スタートランプ121は、リール110〜112が回転することができる状態にあることを遊技者に知らせるランプである。再遊技ランプ122は、前回の遊技において入賞役の一つである再遊技役に入賞した場合に、今回の遊技が再遊技可能であること(メダルの投入が不要であること)を遊技者に知らせるランプである。告知ランプ123は、後述する内部抽選において、特定の入賞役(例えば、BB(ビッグボーナス)やRB(レギュラーボーナス)等のボーナス)に内部当選していることを遊技者に知らせるランプである。メダル投入ランプ124は、メダルの投入が可能であることを知らせるランプである。
払出枚数表示器125は、何らかの入賞役に入賞した結果、遊技者に払出されるメダルの枚数を表示するための表示器である。遊技回数表示器126は、メダル投入時のエラー表示や、ビッグボーナスゲーム中(BBゲーム中)の遊技回数、所定の入賞役の入賞回数等を表示するための表示器である。貯留枚数表示器127は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダルの枚数を表示するための表示器である。リールパネルランプ128は、演出用のランプである。
メダル投入ボタン(ベットボタン)130、131は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダル(クレジットという)を所定の枚数分投入するためのボタンである。本実施形態においては、メダル投入ボタン130が押下される毎に1枚ずつ最大3枚まで投入され、メダル投入ボタン131が押下されると3枚投入されるようになっている。メダル投入口134は、遊技を開始するに当たって遊技者がメダルを投入するための投入口である。すなわち、メダルの投入は、メダル投入ボタン130又は131により電子的に投入することもできるし、メダル投入口134から実際のメダルを投入することもできる。
精算ボタン132は、スロットマシン100に電子的に貯留されたメダル及びベットされたメダル(ベットされているが、未だ遊技に使用されていないメダル)を精算し、メダル払出口155よりメダル受皿156に排出するためのボタンである。メダル返却ボタン133は、投入されたメダルが詰まった場合に押下してメダルを取り除くためのボタンである。
スタートレバー135は、遊技の開始操作を行うためのレバー型のスイッチである。すなわち、メダル投入口134に所望する枚数のメダルを投入して、スタートレバー135を操作すると、これを契機としてリール110〜112が回転し、遊技が開始される。ストップボタン137〜139は、スタートレバー135の操作によって回転を開始したリール110〜112を個別に停止させるためのボタン型のスイッチであり、各リール110〜112に対応して設けられている。そして、いずれかのストップボタン137〜139を操作すると対応するいずれかのリール110〜112が停止することになる。
ドアキー孔140は、スロットマシン100の前面扉102のロックを解除するためのキーを挿入する孔である。メダル払出口155は、メダルを払出すための払出口である。メダル受皿156は、メダル払出口155から払出されたメダルを溜めるための器である。なお、メダル受皿156は、本実施形態では発光可能な受皿を採用している。
上部ランプ150、サイドランプ151、中央ランプ152、腰部ランプ153、下部ランプ154は、遊技を盛り上げるための装飾用のランプである。演出装置190は、例えば開閉自在な扉装置(シャッター)163が前面に取り付けられた液晶表示装置157を含み、この演出装置190には、例えば小役告知等の各種の情報が表示される。音孔160は、スロットマシン100内部に設けられているスピーカの音を外部に出力するための孔である。タイトルパネル162には、スロットマシン100を装飾するための図柄が描かれている。
また、本実施形態では、スロットマシン100にエラーが生じた場合には、上述したスピーカ、上部ランプ150、サイドランプ151、中央ランプ152、腰部ランプ153、下部ランプ154等のランプ、及び液晶表示装置157を介して、後述するエラーの報知を行う。
<筐体内部の構成>
次に、スロットマシン100の筐体内部の構成について簡単に説明する。図2は、スロットマシン100の前面扉102を開放した状態の斜視図である。本体101の内部には、主基板収納ケース210、副制御基板収納ケース220及びリールユニット185や、図示を省略した電源ボックス、メダル払出装置180、メダル補助収納部240、中央スピーカユニット、外部中継端子板等の諸装置が配設されている。
リールユニット185は、樹脂製のケース221内にステッピングモータで駆動されるリール110〜112を個別に着脱可能に取り付けて構成している。そして、このリールユニット185は、ケース221により3本のリールをユニット化し、本体101に設けたリールユニット載置台278に対する着脱を容易に行えるように構成している。また、リールユニット載置台278の下部には、音通路277が取り付けられ、前面扉102が本体101に閉じられた状態で前面扉102に取り付けられた音通路268と組み合わさるように構成している。中央スピーカユニットから出力された音は、この音通路277および音通路268を通過して外部に出力される。
本体101の内部には、透明な樹脂ケースからなる基板収納ケースが、本体101を構成している後板の上部に取り付けられている。この主基板収納ケース210の内部空間には、スロットマシン100の全体的な制御を行う主制御部300を構成する電気部品を実装した主制御基板が収納されている。
また、図示を省略した電源ボックスは、本体101の後板の壁面に装着され、金属製ケースの内部に、スロットマシン100の諸装置へ必要な電力を供給するための電源基板が収納されている。
さらに、本体101の内部下方には、メダルを払い出すためのメダル払出装置180(以下、ホッパー180ということがある)が配設されている。メダル払出装置180は、DCモータで駆動されメダルを1枚ずつ払い出すと共に、メダルを払い出す毎に検出信号を出力する払出装置本体20と、払出装置本体20にメダルを供給するとともにメダルを蓄積するメダルタンク10とで構成される。そして、メダル払出装置180の横には、メダル補助収納ケース240が置かれており、メダル払出装置180がメダルでいっぱいになると、余分なメダルは流れ落ち、このメダル補助収納ケース240内に蓄積される。
また、前記主制御基板及びリール110〜112の側方、すなわち向って左側の側板には、副制御部400を構成する電気部品を実装した副制御基板を収納した副基板収納ケース220が配設してある。
一方、本体101の側板にヒンジ装置276を介して蝶着された前面扉102には、演出装置190、この演出装置190を制御する演出制御基板を収納した演出制御基板収納ケース274、上部スピーカ272、図柄表示窓113を有するリールパネル270、投入されたメダルを選別するためのメダルセレクタ170、このメダルセレクタ170が不正なメダル等をメダル受皿156に落下させる際にメダルが通過する通路266等が設けてある。メダルセレクタ170は、さらに、投入されたメダルをメダルタンク10に案内する通路267を備えている。
<メダル払出装置の構成>
次に、図3〜図6を参照して、メダル払出装置180の構成について詳しく説明する。ここで、図3は、メダル払出装置180の外観斜視図であり、図4は、メダル払出装置180の一部を欠截した断面斜視図である。また、図5は、メダル払出装置180の払出装置本体20のメインディスク22及びサブディスク23の一部を破断して表した上面図、図6は、メダル払出装置180の払出装置本体20をメダル払出口27方向から見た側面図である。
メダル払出装置180は、上述したように、概略、メダルを蓄積するメダルタンク10と、メダルタンク10に蓄積したメダルを払い出す払出装置本体20を備える。
メダルタンク10は、上方が開口するとともに、底面12が傾斜する箱状を有し、蓄積したメダルを払出装置本体20に導くようになっている。また、メダルタンク10の側面には、メダルタンク10に収容しきれなくなったメダルを、メダル補助収納ケース240に排出するための排出口13が開設してある。
払出装置本体20は、メダルタンク10の基台となり、メダルタンク10を上部に取り付け可能なユニット装置である。払出装置本体20の傾斜する上面には、メダルタンク10に貯留したメダルを捕捉する円孔である複数の嵌入孔21が周方向に等間隔に配置された円板上のメインディスク22と、メインディスク22の下底面に当接するサブディスク23とを備えている。メインディスク22とサブディスク23は、ディスク回転軸32を中心に一体的に回転するように設けられている(メインディスク22とサブディスク23を合わせてディスク24と称する)。すなわち、払出装置本体20の内部には、モータ31が内蔵されるとともに、このモータ31のディスク回転軸32がディスク24の中心を突出して形成されているので、このディスク回転軸32と係合したディスク24が、傾斜した状態でモータ31により回転駆動されるようになっている。
メインディスク22に形成されたそれぞれの嵌入孔21は、メダルより若干大きな開口径を有し、メダルタンク10に貯留する1枚のメダルを捕捉するようになっている。また、サブディスク23には、嵌入孔21とほぼ同一の曲率を有する湾入部23aと、隣接する各湾入部23a間の位置から半径方向に伸長し、かつ回転方向とは逆方向に緩やかに曲がる突起部23bが形成されている。すなわち、メインディスク22の嵌入孔21を介して湾入部23aに捕捉されたメダルは、モータ31を駆動することにより、突起部23bに押圧されながら回転に同調して搬送路面28上を周回するように搬送される。
一方、搬送路面28の一端にはメダル払出口27が形成され、メダル払出口27の一側には搬送路面28上に突出するローラ部25が設けられている。
また、搬送路面28の裏面側のメダル払出口27近傍には、検出レバー33が検出レバー回転軸34を中心に回動自在に取り付けられている。検出レバー33には図示しない長孔を介して搬送路面28上に突出するローラ26が設けられており、ローラ26は、サブディスク23により搬送されたメダルが当接して、押圧されると、検出レバー回転軸34を中心に回動するようになっている。すなわち、検出レバー33は、第1の位置(ローラ26がローラ25に対して最も近い位置であり、後述する遊技メダル払出センサ35が検出レバー33の検知片33aを検知する位置)と第2の位置(ローラ26がローラ25に対して最も遠い位置であり、後述する遊技メダル払出センサ35が検出レバー33の検知片33aを検知しない位置)との間を往復運動するようになっている。そして、搬送されて、ローラ部25及び26に当接したメダルは、検出レバー33のこの往復運動により、方向を転換してメダル払出口27に向けて押し出される。なお、検出レバー33はバネ等により常時、検出レバー33を第2の位置から第1の位置の方向に付勢されているので、メダルがメダル払出口27から払い出された後、メダルが検出レバー33に当接していない状態では、検出レバー33は第1の位置に位置付けられる。
また、搬送路面28の裏面側のメダル払出口27近傍には、遊技メダル払出センサ35、36が設けられている。遊技メダル払出センサ35は、検出レバー33の回動位置を検出する、投光部と受光部からなる透過型光センサであり、スロットマシン100は、遊技メダル払出センサ35の検出結果に基づいて、メダルの払出があるか否かを判断する。
具体的には、検出レバー33が第1の位置から第2の位置、そして第2の位置から第1の位置に戻る1往復運動を遊技メダル払出センサ35が検出することにより、スロットマシン100は1枚のメダルが払い出されたと判断する。本実施形態では、遊技メダル払出センサ35が検出レバー33の一端に設けられた検知片33aを検知している状態(投光部から出射された光が検知片33aにより遮光されている状態)では、ハイレベルの信号(H信号)を出力し、遊技メダル払出センサ35が検知片33aを検知していない状態(投光部から出射された光が検知片33aにより遮光されず、受光部で受光している状態)では、ローレベルの信号(L信号)を出力するようになっている。したがって、スロットマシン100は、遊技メダル払出センサ35から出力される信号が、H信号→L信号に変化し、さらにL信号→H信号に変化したときに1枚のメダルの払出完了と判断する。
遊技メダル払出センサ36は、遊技メダル払出センサ35と同様に、投光部と受光部からなる透過型光センサであり、メダル払出装置180とスロットマシン100本体を接続するコネクタの挿抜(遊技メダル払出センサ36の電圧変化監視:L信号→H信号)を検出する。なお、本実施形態では、遊技メダル払出センサ36の信号をメダルの払出の判断に用いていないが、遊技メダル払出センサ35、36の各々の検出結果や、検出結果の組合せに基づいて、メダルの払出があるか否かを判断するようにしてもよい。すなわち、遊技メダル払出センサ36が検知片33aを検知している状態(投光部から出射された光が検知片33aにより遮光されている状態)で出力する信号(H信号)と検知片33aを検知していない状態(投光部から出射された光が検知片33aにより遮光されず、受光部で受光している状態)で出力する信号(L信号)を加味することにより、メダル払出を判断してもよい。例えば、上述した遊技メダル払出センサ35から出力される信号のH信号→L信号→H信号の一連の流れの中で、遊技メダル払出センサ35から出力される信号がL信号に変化したときに、遊技メダル払出センサ36から出力される信号がH信号であるかの条件も加えて、メダル払出を判断してもよい。この場合には、より厳格に1枚のメダルの払出完了を判断することができるので、メダル払出装置180に対する不正行為をより行いにくい構成とすることができる。
<メダル払出装置の払出処理>
次に、図7及び図8を参照して、メダル払出装置180のメダル払出動作について説明する。図7及び図8は、メダル払出装置180のディスク24が回転することにより、メダルが移動し払い出されていく様子を払出装置本体20のメインディスク22を破断して表した上面図である。
以下、嵌入孔21にメダルM1、M2、M3が収納され、先頭のメダルM1が排出されるまでの場合を例にとって説明する。なお、メダルM1は払出要求枚数(詳細は後述)の最後の1枚であるとする(例えば、所定の入賞役に入賞して5枚払い出される場合において、5枚目のメダルが払い出されるときの払出処理)。
まず、ディスク24が回転駆動し、メダルM1、M2、M3が搬送されている状態で、メダルM1がローラ25及びローラ26に当接すると、メダルM1がローラ26を介して検出レバー33の回動を開始させる(図7(a)の状態;第1の位置)。次いで、この状態から、ディスク24がさらに回転すると、メダルM1はディスク24の回転に伴い移動するので、さらにローラ26を押圧し続け、検出レバー33はさらに回動する(図7(b)の状態)。なお、図7(a)及び図7(b)の状態では、遊技メダル払出センサ35は検知片33aを検知しているので、H信号を出力している。
次いで、この状態から、ディスク24がさらに回転すると、メダルM1はさらに移動して、検出レバー33は最大回動位置まで移動して、回動を停止する(図7(c)の状態:第2の位置)。なお、図7(c)の状態では、遊技メダル払出センサ35は検知片33aを検知していないので、L信号を出力している。
次いで、この状態から、ディスク24がさらに回転すると、検出レバー33は第2の位置から第1の位置に向かって回動を開始するとともに、メダルM1は、サブディスク23、ローラ25、及びローラ26の押圧とメダルの慣性により、メダル払出口27方向に押し出され始める(図8(a)の状態)。なお、図8(a)の状態では、遊技メダル払出センサ35は検知片33aを検知していないので、L信号を出力している。
次いで、この状態から、ディスク24がさらに回転すると、検出レバー33はさらに第1の位置に向かって回動し、遊技メダル払出センサ35が検知片33aを検知可能な位置までくると、再びH信号を出力するので、スロットマシン100は、L信号→H信号の変化からメダル1枚の払出完了、すなわち、5枚目のメダル払出完了を判断して、モータ31は駆動停止する(図8(b)の状態)。
ここで、メダル払出装置180のモータ31は、駆動停止を行う際に短絡ブレーキを使用しているため、ディスク24は駆動停止位置で停止するのではなく、若干惰性で移動後、停止することとなる。すなわち、図8(b)の状態から若干移動した図8(c)の状態でディスク24は停止する。なお、図8(c)において、実線で表されたサブディスク23は、ディスク停止位置、破線で表されたサブディスク23は駆動停止時のディスク位置を示している。本実施形態においては、ディスク24が1回転するのに要する時間は約690ms、駆動停止からディスク停止までに要する時間は22ms〜25ms、サブディスク半径は約69mmであるので、駆動停止後、約14mm〜15mm移動してディスク24が停止する。
そして、サブディスク23、ローラ25、及びローラ26の押圧とメダルの慣性によりメダル払出口27方向に押し出されたメダルM1は、メダル払出口27から排出される。
<メダル払出装置のメダル払出検出機能>
次に、図9〜図14を参照して、メダル払出装置180のメダル払出検出機能について詳しく説明する。図9〜図14はそれぞれ、メダル払出処理において、遊技メダル払出センサ35が出力する信号、メダル空検知タイマ及びメダル滞留タイマのタイマ値、メダル払出装置180の駆動状態、並びにエラー状態を対比させたタイミングチャート図である。
ここで、メダル空検知タイマは、メダル切れを検知するためのタイマであり、具体的には、メダル払出装置180が駆動している状態(モータ31が駆動している状態)において、遊技メダル払出センサ35がH信号を継続して出力している時間を計測している。また、メダル滞留タイマは、メダル詰まりを検知するためのタイマであり、具体的には、メダル払出装置180が駆動している状態(モータ31が駆動している状態)において、遊技メダル払出センサ35がL信号を継続して出力している時間を計測している。
なお、メダル空検知タイマの初期タイマ値は100であり、1枚のメダル払出が完了したとき、つまり、遊技メダル払出センサの信号がL信号→H信号に変化したときに、メダル空検知タイマに初期タイマ値100を設定し、1枚のメダル払出が開始したとき、つまり、遊技メダル払出センサの信号がH信号→L信号に変化したときに、メダル空検知タイマのタイマ値をゼロクリアする。一方、メダル滞留タイマの初期タイマ値は53であり、1枚のメダル払出が完了したとき、つまり、遊技メダル払出センサの信号がL信号→H信号に変化したときに、メダル滞留タイマのタイマ値をゼロクリアし、1枚のメダル払出が開始したとき、メダル滞留タイマの信号がH信号→L信号に変化したときに、メダル滞留タイマに初期タイマ値53を設定する。
上述したメダル空検知タイマ及びメダル滞留タイマのタイマ値は、21.056msごとにデクリメントされていき、スロットマシン100は、各タイマ値が1になったときにそれぞれメダル切れエラー(エンプティエラーとも言う)及びメダル詰まりエラー(滞留エラーとも言う)と判断する。本実施形態では、メダル空検知時間を約2秒(21.056ms×95)、メダル滞留検知時間を約1秒(21.056ms×48)としており、上記検知時間を経過したときは、メダル払出装置180の駆動を停止するようにしている。しかしながら、メダル払出装置180の駆動を停止しても、メダル空検知タイマ及びメダル滞留タイマの稼働は停止せず、メダル払出装置180の駆動停止後もさらに払出装置反応遅延時間(以下、遅延時間という)84.224ms(21.056ms×4)、メダルの払出の有無を検出しており、遅延時間の間もメダルの払出がない場合には、エラーとしている。すなわち、従来においては、上記検知時間の経過時をメダル払出装置180の駆動を停止するとともに、エラーとするタイミングとしていたが、本実施形態では、上記検知時間の経過時をメダル払出装置180の駆動を停止するタイミング、さらに遅延時間経過時をエラーとするタイミングとしている。
これは、従来においては、図26に示す場合のように、特定のタイミングでメダル払出装置180にエラーが発生した場合には、メダル払出装置180の駆動を停止するとともに、メダル払出検出機能も停止させていたため、メダルの払出過多という事態が生じていたが、このメダルの払出過多の不具合を防止するためになされた改善策である。すなわち、図26(a)〜(c)のようなタイミングでメダル払出装置180の駆動を停止したとしても、さらに遅延時間(84.224ms)の間は、メダルの払出があるか否かを監視しているので、メダルM1の払出を確実に検出することができるものである。
なお、本実施形態において遅延時間を84.224msとしたのは、少なくとも、駆動停止からディスク停止までに要する時間より長い時間が必要であるからであり(例えば、20ms〜110ms)、当該時間の約4倍程度が好適であると考えたためである。また、本実施形態のメダル空検知タイマは上述した2秒に限定されず、2秒〜3秒程度が好適である。また、メダル滞留検知時間をメダル空検知時間よりも短い1秒に設定したのは、モータ31の焼き付き等を考慮したためである。
以上から、メダル空検知タイマは、95タイマ値分のメダル空検知時間(約2秒)を計時可能であるとともに、4タイマ値分の遅延時間(84.224ms)を計時可能であり、メダル空検知タイマが99タイマ値(95+4)の時間経過(2秒84.224ms)を計時することにより、スロットマシン100はメダル切れエラーと判断する。一方、メダル滞留検知タイマは、48タイマ値分のメダル滞留検知時間(約1秒)を計時可能であるとともに、4タイマ値分の遅延時間(84.224ms)を計時可能であり、メダル滞留検知タイマが52タイマ値(48+4)の時間経過(1秒84.224ms)を計時することにより、スロットマシン100はメダル滞留エラーと判断する。すなわち、本実施形態では、1つのタイマで2つの時間を計時可能な構成を採用している。勿論、これとは別の構成を採用して、メダル空検知時間、メダル空検知時間後の遅延時間、メダル滞留検知時間、メダル滞留検知時間後の遅延時間を計時するようにしてもよい。例えば、4つのタイマを使用して、上記4つの時間をそれぞれ計時するようにしてもよい。
以下、具体例を挙げて説明する。
まず、図9を用いて、3枚役の入賞に対して、順当に3枚のメダル払出が行われた場合について説明する。
まず、メダル払出処理が開始されると、メダル払出装置180の駆動が開始され、メダル空検知タイマのタイマ値に初期値である100(上述したメダル空検知タイマの99タイマ値と判定に用いる1タイマ値からなる100タイマ値)がセットされる。次いで、遊技メダル払出センサ35から出力される信号がH信号→L信号に変化すると、メダル空検知タイマのタイマ値は0クリアされるとともに、メダル滞留タイマのタイマ値に初期値である53(上述したメダル滞留検知タイマの52タイマ値と判定に用いる1タイマ値からなる53タイマ値)がセットされる。次いで、遊技メダル払出センサ35から出力される信号がL信号→H信号に変化すると、メダル空検知タイマのタイマ値に初期値である100がセットされるとともに、メダル滞留タイマのタイマ値は0クリアされる。この結果、スロットマシン100は、遊技メダル払出センサ35から出力される信号の変化から1枚目のメダル払出完了を把握する。同様にして、2枚目及び3枚目のメダル払出完了を把握する。そして、3枚目のメダル払出完了を把握したときは、メダル払出装置180の駆動を停止する。図9に示す場合には、メダル空検知時間及びメダル滞留検知時間内にそれぞれのメダルが支払われているので、エラーステータスは正常状態を示している。
次に、図10を用いて、2枚役の入賞に対して、1枚目のメダルが通常よりも時間を要したが、メダル空検知時間内にメダル払出が行われた場合について説明する。
まず、メダル払出処理が開始されると、メダル払出装置180の駆動が開始され、メダル空検知タイマのタイマ値に初期値である100がセットされる。次いで、遊技メダル払出センサ35から出力される信号はH信号のまま継続して出力される(78タイマ値分)が、H信号→L信号に変化すると、メダル空検知タイマのタイマ値は0クリアされるとともに、メダル滞留タイマのタイマ値に初期値である53がセットされる。次いで、遊技メダル払出センサ35から出力される信号がL信号→H信号に変化すると、メダル空検知タイマのタイマ値に初期値である100がセットされるとともに、メダル滞留タイマのタイマ値は0クリアされる。この結果、スロットマシン100は、遊技メダル払出センサ35から出力される信号の変化から1枚目のメダル払出完了を把握する。なお、2枚目のメダル払出は図9に示した通常動作と同じなので説明は省略する。図10に示す場合には、遊技メダル払出センサ35のH信号の継続出力が長かったが(78タイマ値分)、メダル空検知時間(95タイマ値分:約2秒)よりも短かったので、1枚目のメダル払出に関しては、エラー状態とはしていない。なお、図10においては、メダル空検知時間内のメダル払出について説明したが、メダル滞留検知時間内にメダル払出が行われた場合についても同様であり、通常よりも時間を要してもメダル滞留検知時間(48タイマ値分:約1秒)内にメダル払出があれば、エラー状態とはしない。
次に、図11を用いて、3枚のメダル払出に対して、1枚目のメダル払出でメダル切れとなり、エンプティエラーとなった場合について説明する。
メダル払出処理が開始されてから1枚目のメダル払出完了までは、図9に示す通常動作と同じなので説明は省略する。1枚目のメダル払出完了した時点でL信号からH信号に変化した遊技メダル払出センサの信号は、その後もH信号のまま継続して出力される(95タイマ値分)。この結果、メダル空検知時間内(約2秒)にメダル払出を検出しなかったので、メダル払出装置180の駆動を停止する。次いで、さらにメダル空検知タイマによるメダル払出の監視を続けるが、遊技メダル払出センサの信号は、その後もH信号のまま継続して出力される(4タイマ値分)。この結果、さらに遅延時間(84.224ms)内にもメダル払出を検出しなかったので、エラーステータスをエンプティエラーとし、メダル滞留タイマのタイマ値は0クリアされる。
次に、図12を用いて、3枚のメダル払出に対して、2枚目のメダル払出でメダル滞留となり、滞留エラーとなった場合について説明する。
メダル払出処理が開始されてから1枚目のメダル払出完了までは、図9に示す通常動作と同じなので説明は省略する。1枚目のメダル払出完了した時点でL信号→H信号に変化した遊技メダル払出センサの信号が、H信号→L信号に変化すると、メダル空検知タイマのタイマ値は0クリアされるとともに、メダル滞留タイマのタイマ値に初期値である53がセットされる。次いで、遊技メダル払出センサ35から出力される信号は、その後もL信号のまま継続して出力される(48タイマ値分)。この結果、メダル滞留検知時間内(約1秒)にメダル払出を検出しなかったので、メダル払出装置180の駆動を停止する。次いで、さらにメダル滞留タイマによるメダル払出の監視を続けるが、遊技メダル払出センサの信号は、その後もL信号のまま継続して出力される(4タイマ値分)。この結果、さらに遅延時間(84.224ms)内にもメダル払出を検出しなかったので、エラーステータスをメダル滞留エラーとし、メダル滞留タイマのタイマ値は0クリアされる。
次に、図13を用いて、3枚のメダル払出に対して、2枚目のメダル払出でメダル空検知タイマの遅延時間内にメダルが払い出された場合について説明する。
メダル払出処理が開始されてから1枚目のメダル払出完了までは、図9に示す通常動作と同じなので説明は省略する。1枚目のメダル払出完了した時点でL信号→H信号に変化した遊技メダル払出センサの信号は、その後もH信号のまま継続して出力される(95タイマ値分)。この結果、メダル空検知時間内(約2秒)にメダル払出を検出しなかったので、メダル払出装置180の駆動を停止する。次いで、さらにメダル空検知タイマによるメダル払出の監視を続けると、遊技メダル払出センサから出力される信号は、H信号からL信号に変化するので、メダル払出装置180の駆動を再度開始し、メダル空検知タイマのタイマ値は0クリアされるとともに、メダル滞留タイマのタイマ値に初期値である53がセットされる。次いで、遊技メダル払出センサ35から出力される信号がL信号からH信号に変化するので、メダル空検知タイマのタイマ値に初期値である100がセットされるとともに、メダル滞留タイマのタイマ値は0クリアされる。この結果、スロットマシン100は、遊技メダル払出センサ35から出力される信号の変化から、遅延時間(84.224ms)内に2枚目のメダル払出完了を把握する。
図13に示す場合には、メダル空検知時間後の遅延時間内にメダルが支払われているので、エラーステータスは正常状態のままである。これは、図26に示すようなタイミングでメダル払出装置180の駆動を停止したとしても、エラー状態とすることなく、メダルの払出過多を防止することができることを示すものである。上述したように遅延時間内にメダル払出の開始を認識することができたとき(遊技メダル払出センサ35から出力される信号がH信号→L信号となったとき)は、メダル払出が可能な状態であるため、駆動を停止しているメダル払出装置180を再駆動させる。なお、3枚目のメダル払出に関しては、図9に示す通常動作と同じなので説明は省略する。
次に、図14を用いて、3枚のメダル払出に対して、2枚目のメダル払出でメダル滞留検知タイマの遅延時間内にメダルが払い出された場合について説明する。
メダル払出処理が開始されてから1枚目のメダル払出完了までは、図9に示す通常動作と同じなので説明は省略する。1枚目のメダル払出完了した時点でL信号→H信号に変化した遊技メダル払出センサの信号が、H信号→L信号に変化すると、メダル空検知タイマのタイマ値は0クリアされるとともに、メダル滞留タイマのタイマ値に初期値である53がセットされる。次いで、遊技メダル払出センサ35から出力される信号は、その後もL信号のまま継続して出力される(48タイマ値分)。この結果、メダル滞留検知時間内(約1秒)にメダル払出を検出しなかったので、メダル払出装置180の駆動を停止する。次いで、さらにメダル滞留タイマによるメダル払出の監視を続けると、遊技メダル払出センサから出力される信号は、L信号からH信号に変化するので、メダル払出装置180の駆動を再度開始し、メダル空検知タイマのタイマ値に初期値である100がセットされるとともに、メダル滞留タイマのタイマ値は0クリアされる。この結果、スロットマシン100は、遊技メダル払出センサ35から出力される信号の変化から、遅延時間(84.224ms)内に2枚目のメダル払出完了を把握する。
図14に示す場合には、メダル滞留検知時間後の遅延時間内にメダルが支払われているので、エラーステータスは正常状態のままである。これは、図26に示すようなタイミングでメダル払出装置180の駆動を停止したとしても、エラー状態とすることなく、メダルの払出過多を防止することができることを示すものである。上述したように遅延時間内にメダル払出の終了を認識することができたとき(遊技メダル払出センサ35から出力される信号がL信号→H信号となったとき)は、メダル払出が可能な状態であるため、駆動を停止しているメダル払出装置180を再駆動させる。なお、3枚目のメダル払出に関しては、図9に示す通常動作と同じなので説明は省略する。
<制御部の回路構成>
次に、図15および図16を用いて、このスロットマシン100の制御部の回路構成について詳細に説明する。
スロットマシン100の制御部は、大別すると、遊技の中枢部分の制御、すなわち、スロットマシン100の遊技進行に関する処理を実行する主制御部300と、主制御部300より送信された信号(制御コマンド)に応じて各種機器を制御、すなわち、演出に関する処理を実行する副制御部400と、によって構成されている。
<主制御部>
まず、図15を用いて、スロットマシン100の主制御部300について説明する。なお、同図は主制御部300の回路ブロック図を示したものである。
主制御部300は、主制御部300の全体を制御するための演算処理装置であるCPU310や、CPU310が各ICや各回路と信号の送受信を行うためのデータバス及びアドレスバスを備え、その他、以下に述べる構成を有する。クロック補正回路314は、水晶発振器311から発振されたクロックを分周してCPU310に供給する回路である。例えば、水晶発振器311の周波数が12MHzの場合に、分周後のクロックは6MHzとなる。CPU310は、クロック補正回路314により分周されたクロックをシステムクロックとして受け入れて動作する。
また、CPU310には、センサやスイッチの状態を常時監視するためのタイマ割り込み処理の周期やモータの駆動パルスの送信周期を設定するためのタイマ回路315がバスを介して接続されている。CPU310は、電源が投入されると、データバスを介してROM312の所定エリアに格納された分周用のデータをタイマ回路315に送信する。タイマ回路315は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに、割り込み要求をCPU310に送信する。CPU310は、この割込み要求を契機に、各センサ等の監視や駆動パルスの送信を実行する。例えば、CPU310のシステムクロックを8MHz、タイマ回路315の分周値を1/256、ROM312の分周用のデータを47に設定した場合、この割り込みの基準時間は、256×47÷8MHz=1.504msとなる。上述したメダル空検知タイマ及びメダル滞留タイマは、14割り込みの時間(21.056ms=1.504×14)で、タイマ値を1減算している。
さらに、CPU310には、各ICを制御するためのプログラム、入賞役の内部抽選時に用いる抽選データ、リールの停止位置等の各種データを記憶しているROM312や、一時的なデータを保存するためのRAM313が接続されている。これらのROM312やRAM313については他の記憶手段を用いてもよく、この点は後述する副制御部400においても同様である。また、CPU310には、外部の信号を受信するための入力インタフェース360が接続され、割込み時間ごとに入力インタフェース360を介して、メダル投入センサ320、スタートレバーセンサ321、ストップボタンセンサ322、メダル投入ボタンセンサ323、精算スイッチセンサ324、メダル払い出しセンサ326、及び電源判定回路327の状態を検出し、各センサを監視している。
メダル投入センサ320は、メダル投入口141の内部の通路に設置されており、メダル投入口134に投入されたメダルを検出するためのセンサである。スタートレバーセンサ321はスタートレバー135の操作を検出するためのセンサである。ストップボタンセンサ322はストップボタン137〜139のいずれかが押された場合、どのストップボタンが押されたかを検出するためのセンサである。メダル投入ボタンセンサ323はメダル投入ボタン130、131のいずれかが押下された場合、どのメダル投入ボタンが押されたかを検出するためのセンサである。精算スイッチセンサ324は、精算ボタン132に設けられており、精算ボタン132が一回押されると、貯留されているメダル及びベットされているメダルが精算されて払い出されることになる。メダル払い出しセンサ326は、払い出されるメダルを検出するためのセンサであり、具体的には、上述した遊技メダル払出センサ35及び36を意味する。電源判定回路327は、スロットマシン100に供給される電源の遮断を検出するための回路である。
CPU310には、更に、入力インタフェース361、出力インタフェース370、371がアドレスデコード回路350を介してアドレスバスに接続されている。CPU310は、これらのインタフェースを介して外部のデバイスと信号の送受信を行っている。
入力インタフェース361には、インデックスセンサ325が接続されている。インデックスセンサ325は、各リール110〜112の取付台の所定位置に設置されており、リール110〜112に設けた遮光片がこのインデックスセンサ325を通過するたびにハイレベルになる。CPU310は、この信号を検出すると、リールが1回転したものと判断し、リールの回転位置情報をゼロにリセットする。
出力インタフェース370には、リールを駆動させるためのモータを制御するリールモータ駆動部330と、ホッパー(メダル払出装置)180のモータ31を駆動するためのホッパーモータ駆動部331と、遊技ランプ340(具体的には、入賞ライン表示ランプ120、スタートランプ121、再遊技ランプ122、告知ランプ123、メダル投入ランプ124等)と、7セグメント(SEG)表示器341(払出枚数表示器125、遊技情報表示器126、貯留枚数表示器127等)が接続されている。
また、CPU310には、乱数発生回路317がデータバスを介して接続されている。乱数発生回路317は、水晶発振器311及び水晶発振器316から発振されるクロックに基づいて、一定の範囲内で値をインクリメントし、そのカウント値をCPU310に出力することのできるインクリメントカウンタであり、後述する入賞役の内部抽選をはじめ各種抽選処理に使用される。
CPU310のデータバスには、副制御部400にコマンド(例えば、後述するエラー報知コマンドやエラー復旧コマンドなど)を送信するための出力インタフェース371が接続されている。主制御部300と副制御部400との情報通信は一方向の通信であり、主制御部300は副制御部400へコマンドを送信するが、副制御部400から主制御部300へ何らかのコマンド等を送信することはできない。
<副制御部>
次に、図16を用いて、スロットマシン100の副制御部400について説明する。なお、同図は副制御部400の回路ブロック図を示したものである。
副制御部400は、主制御部300より送信された主制御コマンド等に基づいて副制御部400の全体を制御する演算処理装置であるCPU410や、CPU410が各IC、各回路と信号の送受信を行うためのデータバス及びアドレスバスを備え、以下に述べる構成を有する。クロック補正回路414は、水晶発振器411から発振されたクロックを補正し、補正後のクロックをシステムクロックとしてCPU410に供給する回路である。
また、CPU410にはタイマ回路415がバスを介して接続されている。CPU410は、所定のタイミングでデータバスを介してROM412の所定エリアに格納された分周用のデータをタイマ回路415に送信する。タイマ回路415は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに、割り込み要求をCPU410に送信する。CPU410は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
また、CPU410には、副制御部400の全体を制御するための命令及びデータ、ライン表示LEDの点灯パターンや各種表示器を制御するためのデータが記憶されたROM412や、データ等を一時的に保存するためのRAM413が各バスを介して接続されている。
さらに、CPU410には、外部の信号を送受信するための入出力インタフェース460が接続されており、入出力インタフェース460には、図柄表示窓113の外枠に配設され、点滅や点灯などの点灯制御によって有効ラインや入賞ラインを報知するためのライン表示LED420、前面扉102の開閉を検出するための扉センサ421、RAM413に記憶されている情報を初期化するリセットスイッチ422が接続されている。
CPU410には、データバスを介して主制御部300から主制御コマンドを受信するための入力インタフェース461が接続されており、入力インタフェース461を介して受信したコマンド(例えば、後述するエラー報知コマンドやエラー復旧コマンドなど)に基づいて、遊技全体を盛り上げる演出処理や後述するエラー報知処理等が実行される。また、CPU410のデータバスとアドレスバスには、音源IC480が接続されている。音源IC480は、CPU410からの命令に応じて音声の制御を行う。また、音源IC480には、音声データが記憶されたROM481が接続されており、音源IC480は、ROM481から取得した音声データをアンプ482で増幅させてスピーカ483から出力する。CPU410には、主制御部300と同様に、外部ICを選択するためのアドレスデコード回路450が接続されており、アドレスデコード回路450には、主制御部300からのコマンドを受信するための入力インタフェース461、時計IC423、7セグメント表示器440への信号を出力するための出力インタフェース472等が接続されている。
時計IC423が接続されていることで、CPU410は、現在時刻を取得することが可能である。7セグメント表示器440は、スロットマシン100の内部に設けられており、たとえば副制御部400に設定された所定の情報を遊技店の係員等が確認できるようになっている。更に、出力インタフェース470には、デマルチプレクサ419が接続されている。デマルチプレクサ419は、出力インタフェース470から送信された信号を各表示部等に分配する。すなわち、デマルチプレクサ419は、CPU410から受信されたデータに応じて上部ランプ150、サイドランプ151、中央ランプ152、腰部ランプ153、下部ランプ154、リールパネルランプ128、タイトルパネルランプ170、払出口ストロボ171を制御する。タイトルパネルランプ170は、タイトルパネル162を照明するランプであり、払出口ストロボ171は、メダル払出口155の内側に設置されたストロボタイプのランプである。なお、CPU410は、扉・液晶画面制御部490への信号送信は、デマルチプレクサ419を介して実施する。扉・液晶画面制御部490は、液晶表示装置157及び扉装置163を制御する制御部である。
<メイン処理>
次に、図17を用いて、遊技の基本的制御である主制御部300のメイン処理について説明する。なお、図17は、主制御部300のメイン処理の流れを示すフローチャートである。
遊技の基本的制御は、主制御部300のCPU310が中心になって行い、電源断等を検知しないかぎり、ステップS102〜ステップS111の処理を繰り返し実行する。
ステップS101では、電源投入が行われると、まず、各種の初期化処理が行われる。これにより、主制御部300のRAM313に記憶されている情報はクリアされる。ステップS101の処理終了後はステップS102に進む。
ステップS102では、メダル投入に関する処理を行う。ここでは、メダルの投入の有無をチェックし、投入されたメダルの枚数に応じて入賞ライン表示ランプ120を点灯させる。なお、前回の遊技で再遊技に入賞した場合はメダルの投入が不要である。また、ステップS102では、遊技のスタート操作に関する処理を行う。ここでは、スタートレバー135が操作されたか否かのチェックを行い、スタート操作されたと判断した場合は、投入されたメダル枚数を確定する。ステップS102の処理終了後はステップS103に進む。
ステップS103では、有効な入賞ラインを確定する。ステップS103の処理終了後はステップS104に進む。
ステップS104では、乱数発生器311で発生させた乱数を取得する。ステップS104の処理終了後はステップS105に進む。
ステップS105では、ステップS104で取得した乱数値と、ROM312に格納されている入賞役抽選テーブルの抽選データを用いて、入賞役の内部抽選を行う。内部抽選の結果、いずれかの入賞役に内部当選した場合、その入賞役のフラグが内部的にONになる。ステップS105の処理終了後はステップS106に進む。
ステップS106では、内部抽選結果等に基づき、リール停止制御データを選択する。ステップS106の処理終了後はステップS107に進む。
ステップS107では、リール回転開始処理により、全リール110〜112の回転を開始させる。ステップS107の処理終了後はステップS108に進む。
ステップS108では、ストップボタン137〜139の受け付けが可能となり、リール停止制御処理により、押されたストップボタン137〜139に対応するリール110〜112の回転を停止させる。この際、各リール110〜112を、ステップS106で選択したリール停止制御データに基づいて停止させる。ステップS108の処理終了後はステップS109に進む。
ステップS109では、ストップボタン137〜139が押されることによって停止した図柄の入賞判定を行う。ここでは、有効ライン上に、内部当選した入賞役またはフラグ持越し中の入賞役に対応する入賞図柄組合せが揃った(表示された)場合にその入賞役に入賞したと判定する。例えば、有効ライン上に、「リプレイ−リプレイ−リプレイ」が揃っていたならばリプレイ入賞と判定する。ステップS109の処理終了後はステップS110に進む。
ステップS110では、払出処理を行う。この払出処理では、メダル払出(配当)のある何らかの入賞役に入賞していれば、その入賞役に対応する枚数のメダルを払い出す。払出処理については、詳しくは後述する。ステップS110の処理終了後はステップS111に進む。
ステップS111では、遊技状態制御処理を行う。遊技状態制御処理では、遊技状態を移行するための制御が行われ、例えば、BB入賞の場合に次回からBB遊技を開始できるよう準備し、それらの最終遊技では、次回から通常遊技が開始できるよう準備する。ステップS111終了後は、ステップS102に戻る。
<払出処理>
次に、図18を参照して、払出処理について詳しく説明する。図18は、図17のステップS110の払出処理の流れを詳しく示すフローチャートである。
ステップS201では、払出要求枚数を取得する。ここで、払出要求枚数は、具体的には、(1)メダル払出のある何らかの入賞役に入賞した場合の当該入賞役に対応するメダル枚数、(2)精算ボタン有効期間に精算ボタン132の押下がある場合の払い出される合計メダル枚数を意味する。メダル払出のある何らかの入賞役に入賞した場合においては、例えば、払出枚数が5枚の入賞役に入賞したときには、払出要求枚数は5である。また、精算ボタン有効期間に精算ボタン132の押下がある場合においては、例えば、貯留枚数50枚、ベット枚数が3枚のときには、払出要求枚数は53である。ステップS201終了後は、ステップS202に進む。
ステップS202では、払出要求枚数の取得があったか否か、すなわち、払出要求枚数の数値が0より大きいか否かを判断する。ステップS202において払出要求枚数の取得があったときは、ステップS203に進み、払出要求枚数の取得がなかったときは、払出処理を終了する。なお、上述した(2)の場合(精算ボタン132の押下の場合)に基づいて、払出要求枚数の取得があったときは、精算ボタン132の押下を示す精算要求フラグを設定する。
ステップS203では、メダルの貯留枚数を加減算する貯留処理を実行する。ステップS203の処理終了後はステップS204に進む。なお、貯留処理に関しては、詳しくは後述する。
ステップS204では、メダル払出装置180を駆動開始させる駆動処理を実行する。ステップS204の処理終了後はステップS205に進む。なお、駆動処理に関しては、詳しくは後述する。
ステップS205では、メダル空検知タイマ及びメダル滞留タイマのタイマ値を設定するタイマ設定処理を実行する。ステップS205の処理終了後はステップS206に進む。なお、タイマ設定処理に関しては、詳しくは後述する。
ステップS206では、メダル空検知タイマ及びメダル滞留タイマのタイマ値を確認し、エラー発生を判断するタイマ確認処理を実行する。ステップS206の処理終了後はステップS207に進む。なお、タイマ確認処理に関しては、詳しくは後述する。
ステップS207では、メダル払出装置180の駆動を停止させる駆動停止処理を実行する。ステップS207の処理終了後はステップS208に進む。なお、駆動停止処理に関しては、詳しくは後述する。
ステップS208では、遊技進行を停止して、エラー報知をするとともに、エラー解除がなされた場合には、元の状態に復旧するエラー処理を実行する。ステップS208の処理終了後はステップS209に進む。なお、エラー処理に関しては、詳しくは後述する。
ステップS209では、払出要求枚数が0であるか否かを判定する。払出要求枚数が0であるときは、精算要求フラグが設定されていれば精算要求フラグをクリアして、払出処理を終了し、精算要求フラグが設定されていなければ、そのまま払出処理を終了する。一方、払出要求枚数が0でないときは、ステップS203に戻る。
<貯留処理>
次に、図19を参照して、貯蓄処理について詳しく説明する。図19は、図18のステップS203の貯蓄処理の流れを詳しく示すフローチャートである。
ステップS301では、精算中であるか否かを判定する。ここで、精算中であるか否かは、精算要求フラグが設定されているか否かで判断する。精算要求フラグが設定され、精算中であるときは、ステップS302に進み、精算要求フラグが設定されてなく、精算中でないときは、ステップS304に進む。
ステップS302では、払出要求枚数の減算があったか否かを判定する。これは、後述する「タイマ設定処理」のステップS505において払出要求枚数が1減算されて、実際にメダルが1枚払い出された否かを判定するものである。払出要求枚数の減算があったときは、ステップS303に進み、払出要求枚数の減算がなかったときは、貯留処理を終了する。
ステップS303では、1枚のメダルの払出があったので、貯留枚数を1減算する。この結果、減算された貯留枚数が貯留枚数表示器127に表示される。ステップS303の処理終了後は、貯留処理を終了する。
ステップS304では、貯留枚数が50であるか否かを判定する。貯留枚数が50であるときは、これ以上の貯留はできないので(本実施形態において、貯留可能な最大枚数は50枚である)、貯留処理を終了し、貯留枚数が50枚でないときは、ステップS305に進む。
ステップS305では、メダル払出のある何らかの入賞役に入賞しているので、貯留枚数に1加算をする。この結果、加算された貯留枚数が貯留枚数表示器127に表示される。ステップS305の処理終了後は、ステップS306に進む。
ステップS306では、貯留枚数に1加算したことに伴い、払出要求枚数を1減算する。ステップS306の処理終了後は、ステップS307に進む。
ステップS307では、払出要求枚数が0であるか否かを判定する。払出要求枚数が0であるときは、貯留処理を終了し、払出要求枚数が0でないときは、ステップS304に戻る。
<駆動処理>
次に、図20を参照して、駆動処理について詳しく説明する。図20は、図18のステップS204の貯蓄処理の流れを詳しく示すフローチャートである。
ステップS401では、メダル払出装置180が駆動状態(モータ31が駆動状態)にあるか否かを判定する。メダル払出装置180が駆動状態にあるときは、駆動処理を終了し、駆動状態にないときは、ステップS402に進む。
ステップS402では、駆動開始タイミングであるか否かを判定する。駆動開始タイミングである場合とは、具体的には、(1)払出要求枚数>0であって、かつ、(2)精算ボタン132が押下された場合、貯留枚数が最大であってメダル払出が行われる場合、又はドアキーのリセット操作がされ、リセットフラグが設定された場合のいずれかを意味する。駆動開始タイミングであるときは、ステップS407に進み、駆動開始タイミングでないときは、ステップS403に進む。
ステップS403では、遊技メダル払出センサ35が出力する信号がH信号からL信号に変化したか否かを判定する。遊技メダル払出センサ35が出力する信号がH信号からL信号に変化したときは、ステップS404に進み、そうでないときには、ステップS405に進む。
ステップS404では、メダル空検知タイマのタイマ値が6未満であるか否かを判定する。メダル空検知タイマのタイマ値が6未満であるときは、ステップS407に進み、そうでないときは、ステップS408に進む。
ステップS405では、遊技メダル払出センサ35が出力する信号がL信号からH信号に変化したか否かを判定する。遊技メダル払出センサ35が出力する信号がL信号からH信号に変化したときは、ステップS406に進み、そうでないときは、駆動処理を終了する。
ステップS406では、メダル滞留タイマのタイマ値が6未満であるか否かを判定する。メダル滞留タイマのタイマ値が6未満であるときは、ステップS407に進み、そうでないときは、ステップS408に進む。
ステップS407では、メダル払出装置180を駆動状態に設定して、駆動させる。すなわち、(1)駆動開始タイミングである場合、(2)駆動開始タイミングではないが、払出要求枚数>0であって、遊技メダル払出センサ35の信号H信号からL信号に変化し、かつメダル空検知タイマのタイマ値が6未満である場合、(3)駆動開始タイミングではないが、払出要求枚数>0であって、遊技メダル払出センサ35の信号L信号からH信号に変化し、かつメダル滞留タイマのタイマ値が6未満である場合には、メダル払出装置180を駆動させる。ここで、(2)の場合は、図13に示すように、メダル空検知時間を経過した後の遅延時間内にメダル払出があるので、一旦停止していたメダル払出装置180を再び駆動させる場合であり、(3)の場合は、図14に示すように、メダル滞留検知時間を経過した後の遅延時間内にメダル払出があるので、一旦停止していたメダル払出装置180を再び駆動させる場合である。ステップS407の処理終了後は、駆動処理を終了する。
ステップS408では、ホッパー異常フラグを設定し、駆動処理を終了する。ホッパー異常は、不正行為や遊技台の故障など通常には起こらない異常エラーである。
<タイマ設定処理>
次に、図21を参照して、タイマ設定処理について詳しく説明する。図21は、図18のステップS205のタイマ設定処理の流れを詳しく示すフローチャートである。
ステップS501では、払出要求枚数が0であるか否かを判定する。払出要求枚数が0であるときは、タイマ設定処理を終了し、払出要求枚数が0でないときは、ステップS502に進む。
ステップS502では、駆動開始タイミングであるか否かを判定する。駆動開始タイミングである場合とは、上述したように、具体的には、(1)払出要求枚数>0であって、かつ、(2)精算ボタン132が押下された場合、貯留枚数が最大であってメダル払出が行われる場合、又はドアキーのリセット操作がされ、リセットフラグが設定された場合のいずれかを意味する。駆動開始タイミングであるときは、ステップS507に進み、駆動開始タイミングでないときは、ステップS503に進む。
ステップS503では、遊技メダル払出センサ35が出力する信号がL信号からH信号に変化したか否かを判定する。遊技メダル払出センサ35が出力する信号がL信号からH信号に変化したときは、ステップS504に進み、そうでないときには、ステップS508に進む。
ステップS504では、メダル滞留タイマのタイマ値を0クリアする。ステップS504の処理終了後はステップS505に進む。
ステップS505では、払出要求枚数を1減算する。すなわち、駆動開始タイミングでなく、遊技メダル払出センサ35が出力する信号がL信号からH信号に変化したときは、メダル1枚の払出が完了したので、メダル滞留タイマのタイマ値を0クリアするとともに、払出要求枚数を1減算する。ステップS505の処理終了後は、ステップS506に進む。
ステップS506では、払出要求枚数が0であるか否かを判定する。払出要求枚数が0であるときは、タイマ設定処理を終了し、払出要求枚数が0でないときは、ステップS507に進む。
ステップS507では、メダル空検知タイマのタイマ値に初期値である100を設定する。具体的には、駆動開始タイミングである場合、メダル1枚の払出が完了かつ払出要求枚数>0の場合には、メダル空検知タイマのタイマ値に100を設定する。ステップS507の処理終了後は、タイマ設定処理を終了する。
ステップS508では、遊技メダル払出センサ35が出力する信号がH信号からL信号に変化したか否かを判定する。遊技メダル払出センサ35が出力する信号がH信号からL信号に変化したときは、ステップS509に進み、そうでないときには、タイマ設定処理を終了する。
ステップS509では、メダル空検知タイマのタイマ値を0クリアする。ステップS509の処理終了後はステップS510に進む。
ステップS510では、メダル滞留タイマのタイマ値に初期値である53を設定する。すなわち、駆動開始タイミングでなく、遊技メダル払出センサ35が出力する信号がH信号からL信号に変化したときは、メダル1枚の払出を開始したので、メダル空検知タイマのタイマ値を0クリアするとともに、メダル滞留タイマのタイマ値に53を設定する。ステップS510の処理終了後は、タイマ設定処理を終了する。
<タイマ確認処理>
次に、図22を参照して、タイマ確認処理について詳しく説明する。図22は、図18のステップS206のタイマ確認処理の流れを詳しく示すフローチャートである。
ステップS601では、メダル空検知タイマのタイマ値が1であるか否かを判定する。メダル空検知タイマのタイマ値が1であるときは、ステップS602に進み、メダル空検知タイマのタイマ値が1でないときは、ステップS604に進む。
ステップS602では、メダル切れを示すエンプティー異常フラグを設定する。ステップS602の処理終了後は、ステップS603に進む。
ステップS603では、メダル空検知タイマのタイマ値を0クリアする。すなわち、メダル空検知タイマのタイマ値が1であるときは、エンプティー異常フラグを設定して、メダル空検知タイマのタイマ値を0クリアする。ステップS603の処理終了後は、タイマ確認処理を終了する。
ステップS604では、メダル滞留タイマのタイマ値が1であるか否かを判定する。メダル滞留タイマのタイマ値が1であるときは、ステップS605に進み、メダル滞留タイマのタイマ値が1でないときは、タイマ確認処理を終了する。
ステップS605では、メダル詰まりを示すメダル滞留異常フラグを設定する。ステップS605の処理終了後は、ステップS606に進む。
ステップS606では、メダル滞留タイマのタイマ値を0クリアする。すなわち、メダル滞留タイマのタイマ値が1であるときは、メダル滞留異常フラグを設定して、メダル滞留タイマのタイマ値を0クリアする。ステップS606の処理終了後は、タイマ確認処理を終了する。
<駆動停止処理>
次に、図23を参照して、駆動停止処理について詳しく説明する。図23は、図18のステップS207の駆動停止処理の流れを詳しく示すフローチャートである。
ステップS701では、メダル払出装置180が駆動状態(モータ31が駆動状態)にあるか否かを判定する。メダル払出装置180が駆動状態にあるときは、ステップS702に進み、駆動状態にないときは、駆動停止処理を終了する。
ステップS702では、払出要求枚数が0であるか否かを判定する。払出要求枚数が0であるときは、ステップS704に進み、払出要求枚数が0でないときは、ステップS703に進む。
ステップS703では、メダル空検知タイマ、又はメダル滞留タイマのタイマ値が5以下であるか否かを判定する。メダル空検知タイマ、又はメダル滞留タイマのタイマ値が5以下であるときは、ステップS704に進み、そうでないときは、駆動停止処理を終了する。
ステップS704では、メダル払出装置180(モータ31)を駆動停止する。すなわち、(1)払出要求枚数が0の場合(払出要求枚数のメダルがすべて払い出された場合)、(2)メダル空検知タイマ、又はメダル滞留タイマのタイマ値が5以下である場合には、メダル払出装置180の駆動を停止させる。ここで、(2)の場合は、図11〜図14に示すように、メダル空検知時間又はメダル滞留検知時間を経過した後にメダル払出装置の駆動を停止させる場合である。
<エラー処理>
次に、図24を参照して、エラー処理について詳しく説明する。図24は、図18のステップS208のエラー処理の流れを詳しく示すフローチャートである。
ステップS801では、エンプティー異常フラグ、メダル滞留異常フラグ、又はホッパー異常フラグのいずれかが設定されているか否かを判定する。エンプティー異常フラグ、メダル滞留異常フラグ、又はホッパー異常フラグのいずれかが設定されているときは、ステップS802に進み、そうでないときは、エラー処理を終了する。
ステップS802では、遊技状態を遊技無効状態に設定する。遊技無効状態は、スロットマシン100のすべての機能を停止して、遊技を行えない状態であり、具体的には、メダルセレクタ170を返却状態、スタートレバー135やストップボタン137〜139を無効状態とする。ステップS802の処理終了後は、ステップS803に進む。
ステップS803では、エラーが発生したことを報知するエラー報知コマンドを副制御部400に送信する。すなわち、メダル切れエラー、メダル詰まりエラー、またはホッパー異常を検知したときは、遊技を行えない状態にするとともに、エラー報知コマンドを副制御部400に送信する。ステップS803の処理終了後は、ステップS804に進む。
ステップS804では、遊技無効状態を解除するリセット操作があるか否かを判定する。具体的には、ドアキーのリセット操作があるか否かを判定する。リセット操作があるときは、ステップS805に進み、リセット操作がないときは、ステップS804を繰り返す。
ステップS805では、リセット操作があったことを示すリセットフラグを設定するとともに、異常フラグ(エンプティー異常フラグ、メダル滞留異常フラグ、ホッパー異常フラグ)をリセットする。ステップS805の処理終了後は、ステップS806に進む。
ステップS806では、遊技状態を遊技有効状態に設定する。これにより、スロットマシン100では遊技を行うことが可能となる。ステップS806の処理終了後は、ステップS807に進む。
ステップS807では、エラーが復旧したことを報知するエラー復旧コマンドを副制御部400に送信する。すなわち、リセット操作があったときには、リセットフラグを設定し、遊技を実行可能な状態にするとともに、エラー復旧コマンドを副制御部400に送信する。ステップS807の処理終了後は、エラー処理を終了する。
<副制御メイン処理>
次に、図25を参照して、副制御部メイン処理について詳しく説明する。図25は、副制御400のメイン処理の流れを示すフローチャートである。
副制御部メイン処理は、副制御部400のCPU410が中心になって行い、電源断等を検知しないかぎり、ステップS901〜ステップS904の処理を繰り返し実行する。
ステップS901では、主制御部300からコマンドを受信したか否かを判定する。主制御部300からコマンドを受信したときは、ステップS902に進み、主制御部300からコマンドを受信しなかったときは、ステップS901を繰り返す。
ステップS902では、受信したコマンドを解析する。ステップS902の処理終了後は、ステップS903に進む。
ステップS903では、受信したコマンドに応じた演出処理を実行する。具体的には、通常遊技中、ボーナス中、デモ等におけるスピーカ音、ランプ(例えば、上部ランプ150、サイドランプ151、中央ランプ152、腰部ランプ153、下部ランプ154など)、液晶表示装置157等による演出処理を実行する。ステップS903の処理終了後は、ステップS904に進む。
ステップS904では、受信したコマンドに応じたエラー報知処理を実行する。詳しくは、エラー報知コマンドを受信した場合には、現時点の状態をRAM413に記憶し、スピーカ音、ランプ(例えば、上部ランプ150、サイドランプ151、中央ランプ152、腰部ランプ153、下部ランプ154など)、液晶表示装置157等を用いたエラー報知を行う。一方、エラー復旧コマンドを受信した場合には、実行しているエラー報知を終了し、RAM413に記憶した状態に基づいて、エラー報知前の状態に復旧させる。ステップS904の処理終了後は、ステップS901に戻る。
以上、述べたように本実施形態のスロットマシン100によれば、メダル空検知タイマによるメダル空検知時間経過後、及びメダル滞留タイマによるメダル滞留検知時間経過後にメダル払出装置の駆動を停止するとともに、メダル空検知時間及びメダル滞留検知時間経過後にさらに遅延時間を設けて、遊技メダル払出センサによるメダルの払出を検出するので、メダル払出処理において、いかなるタイミングでメダル払出装置180の駆動を停止しても、メダルの払出過多を防止することができる。
すなわち、メダル払出装置180の駆動停止のタイミングが悪く、ディスクの惰性やメダルの慣性によるメダル払出が行われても、当該メダルの払出を確実に把握することができる。
なお、本実施形態では、遅延時間内にメダルの払出を検出しないときは、遅延時間経過時にエラーと判断し、エラー報知を行ったが、メダル払出装置180の駆動停止時にエラーを報知し、その後、さらに遅延時間の間、メダルの払出を検出するようにしてもよい。
また、本実施形態では、メダル空検知タイマ及びメダル滞留タイマのタイマ値を減算することにより、予め定めた検知時間を検知したが、タイマ値を加算することにより、予め定めた検知時間を検知するようにしてもよい。
また、本実施形態のメダル払出装置180では、検出レバー33の検知片33aの動作を検出することにより、間接的にメダルの払出を検出する方法を採用したが、メダル自体を直接的に検出する方法(例えば、フォトセンサ)により、メダルの払出の有無を判断するようにしてもよい。
また、本実施形態で述べたメダル払出装置180は、スロットマシン100に搭載された形態で商取引されるほか、メダル払出装置180単体としても商取引可能である。すなわち、上述したメダル払出装置180に当該装置の制御を行う制御回路を設けた形態の商品として商取引可能である。
また、本実施形態においてはメダルの払出が行われるスロットマシンに対して本発明を適用したが、本発明はこれに限定されるものではなく、メダルの払出が行われる遊技台であればいずれであっても適用可能である。例えば、封入式パチンコやカジノゲーム等にも適用可能である。
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は、上述した実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、本発明の実施の形態に対して種々の変形や変更を施すことができ、そのような変形や変更を伴うものもまた、本発明の技術的範囲に含まれるものである。また、発明の実施の形態に記載された、作用及び効果は、本発明から生じる最も好適な作用及び効果を列挙したに過ぎず、本発明による作用及び効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。