以下、本発明の実施例について図面を参照して説明する。図1は本発明の一実施例に係るスロットマシン100の斜視図である。
<全体の構成>
図1は、本発明の実施例に係る遊技台としてのスロットマシン100の外観を示す斜視図である。このスロットマシン100は、前面に開口部を形成した本体としてのキャビネット210と、前記開口部に開閉自在に取り付けられた前扉である前面扉102とで構成されている。
図1に示すスロットマシン100のキャビネット210の中央内部には、外周面に複数種類の絵柄が配置されたリールが3個(左リール110、中リール111、右リール112)収納され、スロットマシン100の内部で回転できるように構成されている。本実施例において、各絵柄は帯状部材に等間隔で適当数(例えば21絵柄)印刷され、この帯状部材が所定の円形枠材に貼り付けられて各リール110乃至112が構成されている。
前面扉102には絵柄表示窓113が設けられており、リール110乃至112上の絵柄は、遊技者から見ると、絵柄表示窓113から縦方向に概ね3つ表示され、合計9つの絵柄が見えるようになっている。そして、各リール110乃至112を回転させることにより、遊技者から見える絵柄の組み合せが変動することとなる。なお、本実施例では、3個のリールをスロットマシン100の中央内部に備えているが、リールの数やリールの設置位置はこれに限定されるものではない。
また、各々のリール110乃至112の背面には、絵柄表示窓113に表示される個々の絵柄を照明するためのバックライト(図示省略)が配置されている。バックライトは、各々の絵柄ごとに遮蔽されて個々の絵柄を均等に照射できるようにすることが望ましい。
なお、スロットマシン100内部において各々のリール110乃至112の近傍には、投光部と受光部から成る光学式センサ(図示せず)が設けられており、この光学式センサの投光部と受光部のあいだを、リールに設けられた一定の長さの遮光片が通過するように構成されている。このセンサの検出結果に基づいてリール上の絵柄の回転方向の位置を判断し、目的とする絵柄が入賞ライン114上に表示されるようにリール110乃至112を停止させる。
入賞ライン表示ランプ120は、有効となる入賞ラインを示すランプである。有効となる入賞ラインは、スロットマシン100に投入された遊技媒体(本実施例ではメダルを想定する。)の数によって予め定まっている。5本の入賞ライン114のうち、例えば、メダルが1枚投入された場合、中段の水平入賞ラインが有効となり、メダルが2枚投入された場合、上段水平入賞ラインと下段水平入賞ラインが追加された3本が有効となり、メダルが3枚投入された場合、右下り入賞ラインと右上り入賞ラインが追加された5本が入賞ラインとして有効になる。なお、入賞ライン114の数については5本に限定されるものではない。
スタートランプ121は、リール110乃至112が回転することができる状態にあることを遊技者に知らせるランプである。再遊技ランプ122は、前回の遊技において入賞役の一つである再遊技に入賞した場合に、今回の遊技が再遊技可能であること(メダルの投入が不要)を遊技者に知らせるランプである。
告知ランプ123は、後述する内部抽選において、特定の入賞役(具体的には、ビッグボーナスやレギュラーボーナス等のボーナス)に内部当選していることを遊技者に知らせるランプである。メダル投入ランプ124は、メダルの投入が可能であることを知らせるランプである。リールパネルランプ128は、演出用のランプである。メダル投入ボタン130、131は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダルを所定の枚数分投入するためのボタンである。
本実施例においては、メダル投入ボタン130が押下される毎に1枚ずつ最大3枚まで投入され、メダル投入ボタン131が押下されると3枚投入されるようになっている。メダル投入口134は、遊技を開始するにあたって遊技者がメダルを投入するための投入口である。すなわち、メダルの投入は、メダル投入ボタン130又は131により電子的に投入することもできるし、メダル投入口134から実際のメダルを投入することもできる。
払出枚数表示器125は、何らかの入賞役に入賞した結果、遊技者に払出されるメダルの枚数を表示するための表示器である。遊技回数表示器126は、ビッグボーナスゲーム中(BBゲーム中)の遊技回数や所定の入賞役の入賞回数等を表示するための表示器である。貯留枚数表示器127は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダルの枚数を表示するための表示器である。
スタートレバー135は、遊技の開始操作として、各リール110〜112の回転を開始させるレバー型のスイッチである。
ストップボタンユニット136には、ストップボタン137乃至139が設けられている。ストップボタン137乃至139は、スタートレバー135の操作によって回転を開始したリール110乃至112を個別に停止させるためのボタン型のスイッチである。なお、各ストップボタン137乃至139の内部に発光体を設けてもよく、ストップボタン137乃至139の操作が可能である場合、該発光体を点灯させて遊技者に知らせることもできる。
貯留/精算ボタン132は、スロットマシン100に電子的に貯留されたメダルを精算し、メダル払出口155よりメダル受皿170に排出するための精算機能と、メダル投入口134に投入された4枚以降のメダルや入賞により獲得したメダルを最大50枚まで電子的に貯留する貯留機能と、を切換えるためのボタンである。
メダル返却ボタン133は、投入されたメダルが詰まった場合に押下してメダルを取り除くためのボタンである。なお、前記スタートレバー135、ストップボタン137乃至139、貯留/精算ボタン132は、遊技者の操作を受け付けるための手段を構成する。
ドアキー140は、スロットマシン100の前面扉102のロックを解除するためのキーを挿入する孔である。メダル払出口155は、メダルを払出すための払出口である。メダル受皿170は、メダル払出口155から払出されたメダルを溜めるための器である。なお、メダル受皿170は、本実施例では発光可能な受皿を採用しており、以下受皿ランプ170と呼ぶこともある。
音孔160は、スロットマシン100内部に設けられているスピーカの音を外部に出力するための孔である。上部ランプ150、サイドランプ151、中央ランプ152、腰部ランプ153、下部ランプ154、受皿ランプ170は、遊技を盛り上げるための装飾用のランプであり、遊技状態に応じて点灯/消灯/点滅する。また、メダル受皿170には、着脱可能に構成した灰皿ユニット180が設けられている。
リールパネル161は、絵柄表示窓113を有するパネルであり、タイトルパネル162は、そのスロットマシンの機種名や各種のデザインが描かれるパネルである。演出装置600は、本実施例では扉付きの液晶表示装置である。
<制御部>
次に、図2を参照してスロットマシンの制御部の構成について説明する。
本実施例における制御部は、全体を制御する主制御部300と、遊技を盛り上げるための演出に関する制御等を遂行する副制御部400と、演出装置600を制御する液晶・扉制御部(図示省略)で構成されている。
<主制御部>
マイクロプロセッサ(以下、MainCPUと称す)310は、スロットマシン100における制御の中枢となるものであり、バス370を介して、周辺部との間で制御信号やデータの受渡が行われる。
乱数発生器311は、内部抽選等に用いられる乱数を発生するもので、複数のカウンタ、クロック発振器、分周器及びラッチ回路等で構成される。乱数発生器311が発生した乱数値は、バス370を介して、RAM313の乱数記憶領域に記憶され、必要に応じてMainCPU310へ送られる。
MainCPU310には、入力インターフェース360およびバス370を介して、メダル投入口ブロックの投入口134から投入されたメダルを検知するメダルセンサ320、スタートレバー135の操作を検知するスタートレバーセンサ321、ストップボタン137〜139のいずれかが押された場合、どのストップボタンが押されたかを検知するストップボタンセンサ322、及び、メダル投入ボタン130,131のいずれかが押下された場合、どのメダル投入ボタンが押されたかを検知するメダル投入ボタンセンサ323、精算ボタン132の押下に伴って動作する精算ボタンスイッチ324が接続されている。光センサ731はガイドカバー63の存在を検知しているが、詳細は後述する。
ROM(リード・オンリー・メモリ)312は、各種制御を行うためのプログラムや、後述する各種テーブルデータ等を記憶する記憶手段の一つである。RAM(ランダム・アクセス・メモリ)313は、MainCPU310によって処理されるプログラムのワークエリアを有し、可変データ等を記憶する記憶手段の一つである。
また、各リール110〜112の回転と停止を行うモーター(図示省略)を制御するモーター制御部330、及び、メダル払出装置510を制御するホッパー制御部331が、入出力インターフェース332及びバス370を介してMainCPU310に接続されている。
演出用ランプ・表示器類340とは、図1で示した入賞ライン表示ランプ120、スタートランプ121、再遊技ランプ122等のランプ類や、払出枚数表示器125、遊技回数表示器126等の各種表示器をまとめて表したもので、出力インターフェース342およびバス370を介してMainCPU310に接続されている。ブロッカソレノイド691は、メダルブロッカ692を移動させて投入されるメダルを強制的にメダル受皿170に返却することを可能とするものである。
出力インターフェース350は、MainCPU310の指示に基づき、各種のコマンドを副制御部400の入力インターフェース440へ送信する。コマンドには、例えば、メダルが投入されたことを示すコマンド、スタートレバー135が操作されたことを示すコマンド、押されたストップボタン137〜139を示すコマンド、演出の内容(バックライト、上部ランプ150、音声出力、演出装置600等による演出の内容)を規定したコマンド等がある。
<副制御部>
マイクロプロセッサ(以下、SubCPUと称す)410は、主制御部300から送信された各種コマンドを入力インターフェース440およびバス430を介して受信し、受信したコマンドの内容に応じて副制御部400全体を制御する。
ROM411は、副制御部400全体を制御するためのプログラムやデータ等を記憶する記憶手段の一つである。RAM412は、SubCPU410で処理されるプログラムのワークエリアを有し、可変データ等を記憶する記憶手段の一つである。
バックライト420は、リールの絵柄を照らすライトで、SubCPU410の指示に従って点灯/点滅/消灯する。演出用ランプ421は、上部ランプ150、サイドランプ151、中央ランプ152、腰部ランプ153、下部ランプ154、受皿ランプ(メダル受皿170に設置)をまとめて表したもので、SubCPU410の指示に従って点灯/点滅/消灯する。バックライト420および演出用ランプ421は、出力インターフェース422を介してバス430を経てSubCPU410と接続されている。
出力インターフェース450は、SubCPU410の指示に基づき、各種制御データを液晶・扉制御部(図示省略)へ送信する。この制御データに基づいて、液晶・扉制御部は、演出装置600を制御する。
楽音信号形成部460は、SubCPU410から受け渡された制御信号やデータに基づいて、楽音信号を形成して出力する。この楽音信号は、アンプ461で増幅された後、スピーカ(具体的には上部スピーカ及び中央スピーカ)462から音として出力される。
<遊技の基本的制御>
図3は、本実施例のスロットマシン100における遊技の基本的制御を示すフローチャートである。
遊技の基本的制御は、MainCPU310が中心になって行い、電源断等を検知しないかぎり、同図の処理を繰り返し実行する。
先ず、S101では、メダル投入処理として、メダルの投入数に応じた入賞ライン表示ランプ120の点灯等を行う。なお、メダル投入ボタン130,131によるクレジットによる投入も、メダル投入口ブロックの投入口134から、実際のメダルを投入する場合も同等に処理する。
S102では、遊技のスタート操作に関する処理を行う。スタートレバー135が操作された場合、投入されたメダル枚数を確定する。次いで、S103では、確定されたメダル枚数に基づいて、有効な入賞ライン114を確定する。
S104では、乱数発生器311で発生させた乱数値を取得する。
S105では、ROM312に格納されている抽選データテーブルと、S104で取得した乱数値を用いて、入賞役の内部当選の当否を定める内部抽選を行う。なお、抽選データテーブルには、あらかじめ、BB、RB、小役等の抽選確率に応じたデータが格納されている。
S106では、例えば、演出装置600においてどのような演出を行うか決めたり、ゲームを盛り上げるためキャラクター等を登場させる、演出抽選処理を行う。
S107では、S104で取得した乱数値を用いて、リール停止制御テーブルを選択し、各リール110〜112の回転を開始させる。
S108では、ストップボタン137〜139の受付が可能になり、いずれかのストップボタンが押されると、押されたストップボタンに対応するリールを、S105で選択したリール停止制御テーブルに基づいて停止させる。
S109では、入賞判定を行う。ここでは、有効化された入賞ライン114上に、入賞役に対応する絵柄組合せが表示された場合にその入賞役に入賞したと判定する。例えば、有効化された入賞ライン114上に、例えば「ベル−ベル−ベル」が揃っていたならば、ベル入賞と判定する。また、例えば「青7−青7−青7」が揃っていたならば、BB入賞と判定する。
S110では、払い出しのある何らかの入賞役に入賞していれば、その入賞役に対応する枚数のメダルを払い出す。
S111では、遊技状態を制御する。例えば、BB入賞時には、次の遊技からBBゲームが開始されるように準備をし、BB終了時には、次の遊技から通常の遊技が開始されるように準備させる。
<本体内部構造>
次に、本実施例のスロットマシン100の内部構成について簡単に説明する。図4は、スロットマシン100の内部構成の概略を示す前面扉102を開いた斜視図である。本体部としてのキャビネット210の内部には、基板収納ケース及びリールユニット220や、図示を省略した電源ボックス、メダル払出装置510、メダル補助収納部530、中央スピーカユニット、副制御基板、外部中継端子板等の諸装置が配設されている。
リールユニット220は、樹脂製のケース221内にステッピングモータで駆動されるリール110乃至112を個別に着脱可能に取り付けて構成している。そして、このリールユニット220は、前記ケース221により3本のリールをユニット化し、キャビネット210に設けたリールユニット載置台218に対する着脱を容易に行えるように構成している。
キャビネット210の内部には、隠れているが、透明な樹脂ケースからなる基板収納ケースが、キャビネット210を構成している後板の上部に取り付けられている。この基板収納ケースの内部空間には、スロットマシン100の全体的な制御を行う主制御部300を構成する電気部品を実装した主制御基板が収納されている。
また、図示を省略した電源ボックスは、キャビネット210の後板の壁面に装着され、金属製ケースの内部に、スロットマシン100の諸装置へ必要な電力を供給するための電源基板が収納されている。
さらに、キャビネット210の内部には、メダルを払い出すためのメダル払出装置510(以下、ホッパー510ということがある)が配設してある。メダル払出装置510は、DCモーターで駆動されメダルを1枚ずつ払い出すと共に、メダルを払い出す毎に検出信号を出力する払出装置本体511と、払出装置本体511にメダルを供給するとともにメダルを蓄積するメダルタンク512とで構成されている。そして、メダル払出装置510の横には、メダル補助収納部530が置かれており、前記メダル払出装置510がメダルでいっぱいになると、余分なメダルは流れ落ち、このメダル補助収納部530内に蓄積される。
そして、前記主制御基板及びリール110〜112の側方、即ち向って左側の側板には、サブ制御基板を収納した補助収納ケース520が配設してある。
一方、キャビネット210の側板にヒンジ装置230を介して蝶着された前面扉102には、演出装置600や、絵柄表示窓113を有するリールパネル161や、投入されたメダルを選別するための後述するメダルセレクタ6等が、設けてある。メダルセレクタ6は、投入されたメダルをメダルタンク512および通路80を通してメダル受皿170に移動させる。
<メダルセレクタ>
次に、投入されたメダルを選別するメダルセレクタ6について説明する。図5はメダルセレクタ6の斜視図、図6(a)はメダルセレクタの分解斜視図、図6(b)は後述するガイドカバー63の要部説明図、図7(a)はガイドカバー63を完全に閉じた状態の平面図、図7(b)はガイドカバー63を大きく開いた状態の平面図、図7(c)はガイドカバー63を閉じきる直前の状態の平面図、である。
メダルセレクタ6は、メダル投入口ブロックのメダル投入口134に投入されたメダルを選別するものであって、サイズの小さい不正なメダルを選別してメダル受皿170に排出すると共に、正規のメダルを取り込んでホッパー510のメダルタンク512に送り出すユニット化された装置である。即ち、このメダルセレクタ6は、例えば図5に示すように、メダル通路を形成するセレクタ本体ユニット61と、このセレクタ本体ユニット61に着脱自在に設けられる側面ガイドユニット62と、投入されたメダルMをメダル受皿170に案内する開閉可能なガイドカバー63と、から構成されている。なお、メダルセレクタ6は、従来と同様に、取付基板64を介してスロットマシン100の前面扉102の裏面側に、着脱可能に取り付けられる(図14)。
セレクタ本体ユニット61は、メダル選別口611を開設した平面形状がほゞコ字状のベース基板612を中心に構成してある。メダル選別口611は、底辺がメダルMの移送方向に沿って下り傾斜する斜めに開設した横長な開口であって、このメダル選別口611の下縁付近には、投入されたメダルMが転動しながらメダルタンク512の方向へ移動するメダル通路を形成する移送ガイド65が、ネジ等の止着手段651によって取り付けてある。
上記メダル選別口611の上縁付近には、スペーサ部材661を設ける(図8、図9。このスペーサ部材661は、例えば合成樹脂製の板材であって、ほゞメダルMと同じ厚さを有し、ベース基板612にネジ663等の止着手段で着脱可能に取り付けられている。また、スペーサ部材661は、投入されて転動するメダルMの上縁が係止する係止爪662を有し、転動するメダルMの上部一側をガイドする上部ガイド66を構成する。
前記メダル選別口611には、投入されたメダルMを、遊技者の操作に応じて、メダル受皿170に返却するためのメダル返却装置67が臨ませてある(図9)。このメダル返却装置67は、遊技者が操作した返却ボタン133に対応する受圧部671を有する返却プレート672が、軸673を支点に回動自在に装着され、この軸673に嵌装した戻りスプリング674により、前記返却プレート672の先端部675を、前記メダル選別口611から追い出す方向に付勢している。このため、通常では、返却プレート672の先端部675が前記メダル選別口611から外れているので、当該返却プレート672の影響を受けることなく、投入されたメダルMが、取付基板64に設けた断面ほゞJ字状の搬送樋641(図14)を介して、ホッパー510のメダルタンク512へ向けて移送される。
一方、遊技者が、メダル詰まりを解除するために、返却ボタン133を操作すると、当該ボタン133の押圧部(図示せず)が、返却プレート672の受圧部671を押圧し、返却プレート672が前記戻りスプリング674の付勢に抗して回動し、先端部675がメダル選別口611の中に突入する。すると、突入した先端部675により、メダル通路に詰まったメダルMが落下してメダル受皿170に返却される。このとき、後述するガイドカバー63が正しい位置にないと、メダルMを正しく通路80を介してメダル受皿170へ案内することができない。
前記メダル選別口611には、投入されたメダルMを側面からガイドする側面ガイドユニット62を臨ませる。この側面ガイドユニット62は、前記したベース基板612に対して回動自在且つ着脱自在に設けられている。即ち、前記したメダル返却装置67の軸673を、この側面ガイドユニット62も支軸621として共有し、当該軸621に嵌装した装着スプリング622により、着脱自在且つ回動自在に装着してある(図8)。
このため、側面ガイドユニット62は、装着時に、前記したベース基板612に対峙するガイド基板623を有し、このガイド基板623に軸受部624と、後述する押圧片625とが装着してある。上記軸受部624は、ガイド基板623の一部をほゞコ字状に屈曲成型し、屈曲先端部に軸受溝624aを形成したものである。ガイド基板623の上流側の上縁が外向きに屈曲されて、ベース基板612と対峙したときの間隔を拡げて、メダル投入口134に投入されたメダルMを、前記ベース基板612と間に案内して落とし込むようになっている。
また、前記装着スプリング622は、中央部分に係止端部622aが形成してあり、前記軸受溝624aに前記軸673を嵌着したときに、この係止端部622aが前記ガイド基板623に開設した係止口626に係止することにより、側面ガイドユニット62がセレクタ本体ユニット61に装着される(図5)。
側面ガイドユニット62は、可動型押出しガイド627を備える(図9)。即ち、この可動型押出しガイド627は、前記ガイド基板623に軸628により回動自在に設けられると共に、この軸628に巻装したトーションスプリング629によりメダルMを押圧する方向に緩く付勢され、当該可動型押出しガイド627の押圧片625の先端が、前記メダル選別口611に臨んでいる。
前記メダル選別口611の下縁付近には、投入されたメダルMが転動するメダル転動面652を有する移送ガイド65が、メダルMの下部一側をガイドするベース基板612に対して止着されている。
この移送ガイド65は、例えば図9に示すように、前記したスペーサ部材661とほゞ同じ厚さを有する板材であって、ネジ等の止着手段651によって、前記メダル選別口611の下縁から若干下がった位置に取り付けてある。また、この移送ガイド65は、メダルMが転動して流下するように下り傾斜が設けてある。そして、メダルセレクタ6を、従来と同様に、図14に示す取付基板64に装着した場合に、前記移送ガイド65の流下端が、前記した取付基板64の搬送樋641の入口に連絡し、投入されたメダルMをホッパー510のメダルタンク512へ移送するメダル通路を形成する。
次に、前記したような構成のメダルセレクタ6の動作を簡単に説明する。メダルセレクタ6を備えるスロットマシン100において、遊技を行うために、遊技者がメダルMをメダル投入ブロックのメダル投入口134へ投入する。
メダル投入口134から投入したされたメダルMは、メダル通路を例えば図8に二点鎖線で示すA〜Fの経路で流下する。このとき、メダルMの下縁を傾斜状に形成したメダル転動面652が支えると共に、側面ガイドユニット62の可動型の押出しガイド627が側方より緩く押圧する。このため、メダルMが正規のものであって規定の外径を有していれば、上縁が上部ガイド66である係止爪662に係止する。従って、当該メダルMは、メダル通路を形成する移送ガイド65の下り傾斜にしたがって、メダルタンク512へ連なる送り出し口へ向けて転動しながら流下する。
従って、ゲームに必要な規定枚数のメダルMを投入したにも拘らず、遊技者が望んだ入賞ラインにならなかったり、メダルMを再投入するために遊技のリズムを崩されることがない。
一方、遊技者が投入したメダルMが、規定の外径よりも小さい不正なメダルの場合には、メダルMの上縁が、上部ガイド66である係止爪662に係止しなかったり、係止しても係止幅が僅かなので、側面ガイドである押出しガイド627により側方を緩く押圧されると、容易にメダルMが転倒して、メダル選別口611から落下し、メダル受皿170に返却される(図8、図9)。
前記のようにして、メダル通路を転動して送り出し口に達した正規のメダルMは、メダル通路の終端付近に臨ませたメダル投入センサSによって検出される。さらに、メダル選別口611には、メダルブロッカ692と、このメダルブロッカ692をメダル選別口611内に突入または退避させるためのブロッカソレノイド691が設けられている。このブロッカソレノイド691が励磁されている場合は、メダルブロッカ692はメダル選別口611内から退避した退避位置にある。このブロッカソレノイド691が励磁されていない場合は、メダルブロッカ692はメダル選別口611内に突入した突入位置にある(図9)。これにより、投入されたメダルMが規定枚数に達したときには、ブロッカソレノイド691の励磁を停止させて、メダルブロッカ692をメダル選別口611内に突入させて、以後、投入されるメダルMを、強制的にメダル受皿170に返却するようになっている(図9参照)。また、ブロッカソレノイド691は、所定の絵柄が揃って、メダルMの再投入なしに再遊技が可能なときにも消磁されて、誤って投入されるメダルMを返却する(図9)。さらに、ブロッカソレノイド691は、スタートレバー135が操作されて(S102)から遊技が終了するまで(S111)の間は、誤って投入されるメダルMを返却する。つまり、ブロッカソレノイド691は、メダルの投入を受け付けている期間を除く期間において、メダルブロッカ692をメダル選別口611内に突入させて、投入されるメダルMを強制的にメダル受皿170に返却するようになっている。そして、前記メダル投入センサSを通過した正規のメダルMは、図14に示す取付基板64の搬送樋641を介してホッパー510のメダルタンク512へ貯留されることになる。なお、メダル投入センサSの接続コードS1の先端に設けたコネクタ端子S2が、制御基板に接続されることになる。また、このメダル投入センサSは、2つの検出器からなるものであって、メダルMを両検出器に作用させることによって、不正遊技を防止するようになっている。
ところで、前記したように、メダルMをメダル受皿170へ返却する際に、ガイドカバー63が正しく位置していないと、メダルをメダル受皿170へ誘導することができずに、メダルがキャビネット210の内部に溢れてしまう。通路80は、上部に略矩形に開口した開口部(図示せず)が設けられており、ガイドカバー63が通路80の開口部に案内できなかったメダルがキャビネット210の内部に落下するのである。
そこで、図示のメダルセレクタ6には、ガイドカバー63が確実に閉じるように、言い換えると、ガイドカバー63が開いたままになることを防止するように、開状態放置防止手段が設けてある。
この開状態放置防止手段は、図5及び図6に示すメダルセレクタ6によれば、セレクタ本体ユニット61に設けられて、ガイドカバー63を回動自在に保持する保持部71と、この保持部71に設けたガイドカバー63を閉じることによって、メダルMをメダル受皿170に案内可能な案内位置に移動させる付勢部72と、で構成されている。
即ち、図5及び図6において、セレクタ本体ユニット61を構成する平面形状がほゞコ字状のベース基板612の一方の端部、図示の場合は、向って右側の端部に軸受筒部711を設けると共に、ガイドカバー63の一端にも軸受筒部712を設け、これらの軸受筒部711、712に、回転軸棒713を一連に挿通することにより、ガイドカバー63を回転自在に保持する保持部71を形成している。
また、軸受筒部711、712及び回転軸棒713には、コイルバネ721を巻装することにより、ガイドカバー63を閉じる方向に付勢している。即ち、コイルバネ721によりガイドカバー63を案内位置に移動させる付勢部72を形成している。
一方、ベース基板612の他方の端部である向って左側の端部には、ガイドカバー63が閉じられて案内位置にあることを検知する検知手段73を設ける。この検知手段73は、例えば光学的に作動する光センサ731であって、検知空間にガイドカバー63の一部が嵌入して光軸を遮断することによって、ガイドカバー63が案内位置にあることを検知するように構成してある。
この光センサ731には、コネクタ端子732aを備える接続コード732が設けてあり、このコネクタ端子732aが、主制御基板(主制御部300)へ接続される。なお、接続は、中継基板を介して行なうようにしてもよいし、副制御基板(副制御部400)に接続されるようにしてもよい。
また、このガイドカバー63の前記した検知手段73により検知される側、即ち自由端側には、係止固定手段74が設けてある。この係止固定手段74は、ガイドカバー63が閉じた状態、言い換えると、ガイドカバー63が案内位置にあることを確実に維持するためのものであって、ガイドカバー63が不用意に開くことを防止するものである。
係止固定手段74は、例えば、一対の切欠溝741を開設することによって、両切欠溝741に挟まれた部分に、弾性片を形成し、この弾性片の先端に係止爪742aを形成することにより弾性係止片742としている。一方、この弾性係止片742に対応して、前記係止爪742aが嵌入して係止する係止孔743を、前記検知手段73である光センサ731を設けたベース基板612の端部に開設する。
そこで、図6(b)の右半に示すように、付勢部72を形成するコイルバネ721の付勢によって検知手段73の近傍に位置している、ガイドカバー63を手動によって回動させ、係止爪742aが係止孔743に係止するように押し込むと、図6(b)の左半に示すように、ガイドカバー63が案内位置に固定される。この状態では、検知手段73である光センサ731が、ガイドカバー63の存在を検知している。即ち、検知手段73は、ガイドカバー63が案内位置にあると判断している。
一方、何らかの原因で、係止片742の係止爪742aが係止孔743から外れて、図6(b)に示すように、光センサ731の検知空間からガイドカバー63が逸脱すると、即ち光センサ731の光軸を遮断するものがなくなると、検知手段73は、ガイドカバー63が案内位置にないものと判断することになる。そして、ガイドカバー63が案内位置にない場合には所定の報知を行なうようになっている。
具体的には、前記した検知手段73を構成する光センサ731は、図2に示すように、入力インターフェース360およびバス370を介してMainCPU310に接続されている。そして、主制御部300では、図10に示す割り込み処理を実行してガイドカバー63を監視し、ガイドカバー63が案内位置にないことを、例えば演出装置600を利用して報知させる。
即ち、S201において入力ポートデータを取得して、光センサ731の検出出力情報を取得する。S202では光センサ731の検出結果に基づいて、ガイドカバー63が開いているか否かを判断する。ガイドカバー63が開いている場合には、S203において、エラー処理を実行する。
このエラー処理は、ガイドカバー63が開状態にあることを表示するためのコマンドを副制御部400に送信する(S205)。このコマンドを受信した副制御部400では、このコマンドに対応する演出表示を、演出装置600において実行する。但し、このガイドカバー63が開いているというエラーは、遊技の進行に深刻な影響を及ぼすものではないので、主制御部300は、遊技を停止させることなく、遊技を進行させる。副制御部400は、通常遊技の演出を実行しつつ、ガイドカバー63が開いていることを報知する演出を実行する。ガイドカバー63が開いていることを報知する演出は、図11に示すようにLCD等の表示装置で表示することとしたが、光、音等の他の装置によって報知される演出でもよい。ガイドカバー63が開いていることが検知された場合には常にこの報知を実行することとしたが、これに限るものでなくてもよく、一遊技を実行中の何れかのタイミングで報知を実行するものや、ガイドカバー63が開いているままで複数遊技(例:10遊技)が実行された場合に報知を実行するものや、複数種類の報知態様を備えるようにし、複数遊技(例:10遊技)の報知が実行された場合に報知態様を他の報知態様に切り換えて実行するようにしてもよい。実行している報知は、ガイドカバー63が案内位置にあると判定された場合には終了させることとする。また、主制御部300は遊技の進行を停止させる他のエラー(例:ホッパーエンプティエラー)と同様の処理を行うようにしてもよい。この場合、副制御部400は、エラー演出のみを実行するようにし、その後に係員らによりエラーリセットボタン(図示しない)が操作されたことを検知した場合に、主制御部300および副制御部400は、処理を復帰させることとする。
一方、ガイドカバー63が閉じていたとき、或いはエラー処理を実行したときには、S204でカウンタタイマを更新し、S205でコマンドを送信し、S206では他の処理を実行するようになっている。なお、エラー処理が実行された場合には、ガイドカバー63を閉じると共に、リセットスイッチを操作しない限り、遊技を再開しないようにすることもできる。
前記した実施例では、付勢部72にコイルバネ721を利用しているが、付勢部72にはモータ等の駆動手段を利用することもできる。モータを用いれば、前面扉102を閉止するときに、この前面扉102の閉止に連動して、ガイドカバー63を案内位置に移動させるように構成することも可能である。なお、モータの駆動による移動は、図7(a)に示すように、ガイドカバー63を完全に閉じるようにしてもよいし、図7(c)に示すように、ガイドカバー63の係止片742が係止孔743に係止する直前までとし、後は手動で係止させてもよいし、前面扉102を閉止するときに、前面扉102に押されて係止するようにしてもよい。いずれにしても、前面扉102を閉止したときには、図7(a)に示すように、係止片742が係止孔743に係止し、光センサ731がガイドカバー63が案内位置にあることを検出する。
また、前記した実施例では、ガイドカバー63を横開きに構成しているが、ガイドカバー63の開く方向は、横開きに限定するものではない。即ち、上下方向に開いても、或いは前後方向に開くようにしてもよい。例えば、ガイドカバー63を横開きにした場合に、全開位置としたガイドカバー63が、閉じようとしていた前面扉102とキャビネット210との間に挟まることで前面扉102を閉止することができないようにしてもよい。この場合、図5に示す保持部71を光センサ731側(自由端側)に取り付けることとし、さらにガイドカバー63はほゞ180度まで開く移動を可能とし、ガイドカバー63が全開位置にある場合(または、この位置に近い位置にある場合)には、ガイドカバー63の一部が前面扉102の縁より外側に位置する形状に構成する。
図12は、他の実施例を示し、(a)はスロットマシン100の要部の側面図、(b)はホッパー510の斜視図である。この実施例においては、メダルセレクタ6のガイドカバー63を開いた状態のままで、前面扉102を閉じようとしても、ガイドカバー63がホッパー510(メダルタンク512)に当接して前面扉102を閉じることができないように構成してある。即ち、この実施例においては、ホッパー510のメダルタンク512の側壁部分にストッパ513が突設してある。従って、ガイドカバー63が開いた状態にあると、言い換えると、ガイドカバー63がメダルの案内位置にないと、このガイドカバー63とホッパー510のストッパ513とが干渉するため、前面扉102を閉止することができない。
一方、ホッパー510に設けるストッパ513をカム形状に形成することにより、前面扉102を閉じるときに、このカム形状のストッパ513が開いた状態にあるガイドカバー63に当接して、当該ガイドカバー63を閉じる方向へ誘導してさらに案内位置に納めるよう構成することも可能である。即ち、前記メダルタンク512に設けたストッパ513が本体に形成した所定部となり、前面扉102を閉じる際に、ガイドカバー63を案内位置に移動させることができる。なお、この所定部は、本体の適宜箇所に所望の形状で形成することができる。
図13は、他の実施例を示す要部の平面図である。即ち、図13(a)はガイドカバー63が閉じた状態を、(b)はガイドカバー63が開いた状態を示している。この実施例においては、ガイドカバー63を回動自在に保持する保持部71の外側に。当該ガイドカバー63の移動範囲を規制する移動範囲制限部75を設けたものである。具体的には、ほゞコ字状に形成した移動範囲制限部75の一端751をベース基板612の側面部に固定し、他端752を案内位置にある、即ち閉じた状態にあるガイドカバー63の外側に若干突出するように構成している。
このため、保持部71を支点にして、ガイドカバー63をほゞ90度まで開くことができるが、それ以上、即ち90度以上回動させようとしても、ガイドカバー63の外面が、移動範囲制限部75の他端752における内側端面に当接するため、ガイドカバー63の回動が制限される。なお、この実施例においても、付勢部72によって、ガイドカバー63は、閉じる方向に付勢されている。
以上、本発明を図示の実施例について説明したが、本発明は前記した各実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した構成を変更しない限り適宜に実施できる。例えば、前記した実施例では、メダルセレクタを備える遊技台としてスロットマシンについて説明したが、メダルを遊技媒体として使用する遊技台に容易に適用することができる。