図1に本発明を用いた遊技機の1実施例であるスロットマシン10の外観を示す。スロットマシン10は、収納箱11及び前面扉12からなる筐体13を備えている。前面扉12は、収納箱11の前面側に開閉自在に取り付けられている。前面扉12は、上扉12aと下扉12bとを備え、それぞれ図示しないヒンジにより収納箱11の前面側に取り付けられ、回動させることができるようになっている。上扉12aには表示窓14が設けられ、表示窓14の奥に第1リール15a、第2リール15b、第3リール15cが回転自在に組み込まれたリールユニット23(図2参照)が配設されている。周知のように、第1〜第3リール15a〜15cの外周には複数種類の図柄が一定ピッチで配列され、リールが停止した状態では表示窓14を通して1リール当たり3個の図柄が観察可能になる。これにより、各リールの図柄を1個ずつ組み合わせた直線状の入賞有効ラインが横3本斜め2本の合計5本が設定される。表示窓14の下方には、メダル(遊技媒体)20(図2参照)の払い出し枚数を表示するメダル払出枚数表示部16が設けられており、遊技を行い、メダル20の払い出しを伴う当選役に当選した場合には、払出枚数表示装置55(図5参照)に当選役に応じたメダル枚数が表示され、メダル払出枚数表示部16を介して視認可能となる。
遊技の開始に先立ってメダル投入口17から1枚のメダル20(図2参照)を投入したときには中段の入賞有効ラインが一本有効化され、2枚では中段の入賞有効ラインに上段及び下段の入賞有効ラインを加えた横3本、3枚ではさらに斜めの入賞有効ラインを2本加えた5本の入賞有効ラインが有効化される。また、メダル20は50枚を限度にクレジット(貯留)することが可能になっている。なお、表示窓14から1リール当たり例えば4個ずつの図柄を観察できるようにしておき、横4本の入賞有効ラインのほかに、各リールごとに図柄を一個ずつ組み合わせるように折れ曲がった別の入賞有効ラインを設定することも可能である。
前面扉12の下扉12bには、第1〜第3リール15a〜15cを回転するためのスタートレバー18が設けられており、スタートレバー18の操作により第1〜第3リール15a〜15cが回転する。前面扉12の下扉12bに設けられたストップボタン19a、19b、19cは、これらを操作することにより、各ボタンに対応した第1〜第3リール15a〜15cが個別に停止される。すなわち、ストップボタン19a〜19cの操作はリールの停止操作となる。ストップボタン19a〜19cは、押下することにより操作する押下タイプのボタンから構成されている。ストップボタン19a〜19cの上方の操作パネルには、メダル20がクレジットされた状態で遊技を行うときに操作される1ベットボタン、MAXベットボタン、ペイアウトボタン等の各種の操作ボタンが設けられている。これらの操作ボタンの機能はいずれも周知であるのでその詳細については省略する。
下扉12bの下部にはメダル受け皿21が設けられており、このメダル受け皿21には、遊技でメダルの払い出しを伴う当選役が入賞されたときに配当メダルが払い出し口22から払い出される。下扉12bの前面には、図示しない鍵を挿入するための鍵孔12cが形成されており、この鍵孔12cに鍵を挿入し鍵を反時計方向に回動することにより、前面扉12を開放する。
図2に示すように、収納箱11は、略中央部に収納箱11の内部を上下2つに仕切るための仕切り板11aが形成されており、この仕切り板11aにより、収納箱11の内部は、上収納部11bと下収納部11cとに仕切られている。上収納部11bには、第1〜第3リール15a〜15cが回転自在に組み込まれたリールユニット23が組み付けられている。
リールユニット23は、第1〜第3リール15a〜15cに対応したステッピングモータ及びバックランプ(図示せず)、第1〜第3リール15a〜15cの回転角を検知するフォトセンサ(図示せず)等が組み込まれて構成されており、後述する主制御基板50のCPU50aにより駆動が制御される。バックランプは第1〜第3リール15a〜15cの内側で、縦方向に3個ずつ配置されており、遊技を行った結果、入賞有効ライン上に当選絵柄が3つ並んで、ビックボーナス(BB)又はレギュラーボーナス(RB)が入賞した場合には、表示窓14に停止表示された当選絵柄を予め設定された特定のパターンで点灯、消灯、点滅させ、遊技者にBB又はRBに当選したことを報知する。なお、バックランプの照明による報知は、BB又はRB以外の当選役が当選されたことの報知や特定の当選役に当選した可能性を示唆する報知などを行うようにしても良い。
収納箱11の前面の右下側端部には、前面扉12の下扉12bの開閉検知を行う扉検知スイッチ(開閉検知手段)24が取り付けられている。扉検知スイッチ24は、円盤状の本体部24aと、本体部24a内部に収納されるオン位置と外部に突出するオフ位置との間で移動自在な円柱状の移動部24bとを備え、CPU50aに接続されている。移動部24bは、図示しないバネによりオフ位置に向けて付勢されている。本体部24aは、収納箱11に埋め込まれており、移動部24bのみが収納箱11の前面から突出した状態となっている。下扉12bが開放された状態では、移動部24bはオフ位置に位置し、下扉12bが閉じられた状態では、移動部24bはオン位置に位置する(図1参照)。移動部24bがオフ位置に位置するときには、扉検知スイッチ24からCPU50aに下扉12bが開放されていることを示す扉開信号が出力され(開検知)、移動部24bがオン位置に位置するときには、CPU50aに下扉12bが閉じられていることを示す扉閉信号が出力される(閉検知)。
図2及び図3に示すように、下収納部11cの内部には、電源ボックス25が設けられている。電源ボックス25の前面には、主電源のオン/オフの切換えを行う電源スイッチ26、キーシリンダ27、設定変更スイッチ28、後述する複数のエラー信号の出力を停止しエラーの報知を停止するエラー停止スイッチ(停止操作手段)29、複数のエラー信号のうちの扉検知スイッチ24による開検知の後の閉検知に応答して出力を停止するエラー信号を選択する選択スイッチ(選択手段)30が設けられている。電源スイッチ26、設定変更スイッチ28、エラー停止スイッチ29及び選択スイッチ30は、押下することにより操作する押下タイプのボタンから構成されている。電源スイッチ26の押下操作により、スロットマシン10の電源のオン/オフが行われる。
スロットマシン10は、ハズレ及び複数種類の当選役に対する当選確率が互いに異なるように設けられた複数の設定値(例えば、設定値「1」〜「6」)が選択可能にされている。設定変更スイッチ28は、上記した複数の設定値のうちいずれの設定値を選択するかを変更する際に操作するものであり、設定変更スイッチ28の操作により、設定値を変更する。
キーシリンダ27は、回動可能な回動部27aを備える。本実施形態では、回動部27aをオン位置まで回動した後に、電源スイッチ26を操作してスロットマシン10の主電源をオンすると、設定変更スイッチ28による設定値の変更が有効化され、この状態で設定変更スイッチ28を操作することにより、設定値を変更するようにされている。
エラー停止スイッチ(停止操作手段)29は、詳しくは後述する7種類(複数)のエラー信号の出力を停止し、エラーの報知を停止するものであり、エラー停止スイッチ29を操作するとエラー信号の出力が停止される。
選択スイッチ(選択手段)30は、7種類(複数)のエラー信号としてのメダル逆流エラー信号(エラー表示(以下、省略):「E1」)、エンプティーエラー信号(「E2」)、払い出しメダル詰まりエラー信号(「E3」)、ホッパーペイアウトスイッチエラー信号(「E4」)、オーバーフローエラー信号(「E5」)、投入メダル滞留エラー信号(「E6」)、CPUエラー信号(「E.E」)のうちの扉検知スイッチ24による開検知の後の閉検知に応答してCPU50a(図5参照)が出力を停止するエラー信号を選択するものであり、例えば5秒間の間に選択スイッチ30を何回操作したかにより、選択を行う。例えば、1回操作するとメダル逆流エラー信号が選択され、2回操作するとエンプティーエラー信号が選択され、3回操作すると払い出しメダル詰まりエラー信号が選択され、4回操作するとホッパーペイアウトスイッチエラー信号が選択され、5回操作するとオーバーフローエラー信号が選択され、6回操作すると投入メダル滞留エラー信号が選択され、7回操作するとCPUエラー信号が選択される。本実施形態では、エンプティーエラー信号とオーバーフローエラー信号とが選択された形態について説明する。すなわち、遊技場の管理者は、5秒間の間に選択スイッチ30を2回操作し、5秒経過した後、5秒間の間に選択スイッチ30を5回操作する。
下収納部11cの電源ボックス25の下方には、メダル投入口17から投入されたメダル20を貯留する貯留タンク31が設けられている。貯留タンク31は、メダル20を略1500枚貯留することができるサイズで形成されている。貯留タンク31の下方には、スロットマシン10で遊技を行ってメダル20の払い出しを伴う当選役が入賞されたときに作動し、メダル20をメダル受け皿21に払い出すメダルホッパー32が設けられている。メダルホッパー32は、後述する主制御基板50に接続されており、主制御基板50により駆動が制御される。
貯留タンク31には、払い出し口22にメダル20を送り出すメダル出口31aが設けられている。遊技を行ってメダル20の払い出しを伴う当選役が入賞した場合には、メダルホッパー32が駆動されて、当選役の種類に応じた枚数のメダル20がメダル出口31aから払い出し口22に送り出され、メダル受け皿21に払い出される。
メダル出口31aには、メダル20を検知する払出検知センサ33(図5参照)が設けられている。払出検知センサ33は、主制御基板50のCPU50aに接続されており、メダル20を検知したことに応答して払出検知信号をCPU50aに送る。
貯留タンク31の右側面には、貯留したメダル20が所定量以上に達すると、溢れたメダル20を、外部へ排出する四角筒状のメダル排出部34が設けられている。下収納部11cの貯留タンク31の右側には、メダル排出部34から排出されたメダル20を貯留するオーバーフロー貯留タンク35が設けられている。オーバーフロー貯留タンク35は、メダル20を略500枚貯留することができるサイズで形成されている。
図4に示すように、貯留タンク31の右側外壁面には非接触型検出器である反射型フォトセンサ36が設けられている。反射型フォトセンサ36は、投光部と受光部とから構成されており、投光部から発光されメダル20またはオーバーフロー貯留タンク35の内壁面で反射した反射光を受光部で受光する。反射型フォトセンサ36は、主制御基板50のCPU50aに接続されている。
オーバーフロー貯留タンク35は、メダル排出部34から排出されるメダル20が、落下中に反射型フォトセンサ36から発せられる光に当たることがないように配置される。オーバーフロー貯留タンク35の左側面には、反射型フォトセンサ36から発せられる光を通過するための光通過孔35aが形成されている。光通過孔35aは、オーバーフロー貯留タンク35に貯留されたメダル20の容量が所定容量(例えば、オーバーフロー貯留タンク35の貯留可能容量の80%である400枚分のメダル20の容量)に達したときに、通過した光がメダル20で反射するような位置に形成されている。また、光通過孔35aの径は、メダル20の径よりも小さくなるように形成されている。
図2に示すように、下扉12bの裏には、メダル投入口17の下方にメダルセレクタ41及びメダル案内部材42が設けられている。メダルセレクタ41には通路カバー43が取り付けられている。
メダルセレクタ41は、メダル投入口17から投入されたメダル20が正規のものか否かをメダル20の大きさ等によりセレクトするものであり、正規のメダルは、メダルセレクタ41、メダル案内部材42を通って貯留タンク31に送られる。メダルセレクタ41には、通過検知センサ44が設けられており、通過検知センサ44は、メダル投入口17から正規のメダルが投入された場合には、その通過を検知する。通過検知センサ44は、CPU50aに接続されており、メダル20を検知したことに応答して通過検知信号をCPU50aに送る。
通過検知センサ44は、第1メダルセンサ44a及び第2メダルセンサ44bから構成されている。第1及び第2メダルセンサ44a,44bは、例えば、投光部と受光部とを一体に備えた反射型の光電センサである。第1及び第2メダルセンサ44a,44bは、メダル20の進行方向に沿って上流側に第1メダルセンサ44a、下流側に第2メダルセンサ44bが配置されている。
メダル20が、第1メダルセンサ44aや第2メダルセンサ44bを通過した場合(メダル20が、第1メダルセンサ44aや第2メダルセンサ44bの投光部の光路を遮蔽した状態)には、各センサの投光部から投光した光が受光部で受光されず、各センサはオフとなる。これにより、メダル20の検出が開始される。また、メダル20が、第1メダルセンサ44aや第2メダルセンサ44bを通過していない場合(メダル20が第1メダルセンサ44aや第2メダルセンサ44bの投光部の光路を遮っていない状態のとき)には、各センサの投光部から投光した光が受光部で受光され、各センサはオンとなる。すなわち、第1及び第2メダルセンサ44a,44bがオンからオフとなるとメダル20の検出を開始し、オフからオンになると1枚のメダル20が検出される。
第1及び第2メダルセンサ44a,44bの配置についてさらに具体的に説明すると、第1及び第2メダルセンサ44a,44bは、メダル20がメダルセレクタ41を通過する際に、必ず第1及び第2メダルセンサ44a,44bによりメダル20を順次に検出できる間隔となるように配置されており、さらに、メダル20が連続投入(複数枚のメダル20が連なって通過するようにメダル投入口17からメダル20が投入された場合にも、1枚のメダル20を第1及び第2メダルセンサ44a,44bで順次に検出した後に、必ず第1及び第2メダルセンサ44a,44bが一度はオンになってから次のメダル20を検出できるような位置に配置されている。つまり、第1及び第2メダルセンサ44a,44bが一度に2枚以上のメダル20を検出しないようにしている。従って、メダル20の通過に要する予め定められた時間内において、第1メダルセンサ44a、第2メダルセンサ44bの順にメダル20の検出が行われずに、検出される順番が逆になっている場合には、メダル20の流下方向と逆流していることとなるため、メダル逆流エラーであると判断することができる。
不正なメダルがメダル投入口17から投入された場合には、メダルセレクタ41は、不正なメダルを外部に排出する。メダルセレクタ41から排出された不正なメダルは、通路カバー43に形成された切欠き43aから払出しシュート45に排出される。また、メダルが貯留されている枚数が上限枚数である50枚に達している場合や、遊技を行っている最中(スタートレバー18を操作して第1〜第3リール15a〜15cが回転してから、全ての第1〜第3リール15a〜15cが停止されるまでの状態)には、メダル投入口17から正規のメダルが投入されたときにも、メダルセレクタ41は、メダル20を払出しシュート45に排出する。払出しシュート45に排出されたメダル20は、払い出し口22から払い出される。
下扉12bの裏面の下側端部には、遊技中等に音声を発生することにより、遊技を興趣に溢れたものにするスピーカ(報知手段)46が2個設けられている。スピーカ46は、主制御基板50のCPU50aに接続されている。
図3に示すように、主制御基板50は基板収納ケース51に収納されており、基板収納ケース51は、上収納部11bの内部の背面に配設されている。これにより、主制御基板50に対して何人も接触できないよう防護している。
図5に示すように、スロットマシン10の作動は基本的に主制御基板50によって管制される。主制御基板50には、CPU50aの他に、ROM50b、電子抽選部50c、当選役決定部50dが設けられている。ROM50bには、CPU50aで実行する、例えば遊技実行プログラム等の制御プログラムや、これらプログラムを実行する際に必要な制御データ等が記憶されている。
通過検知センサ44は、メダル投入口17から投入されたメダル20を検知し、通過検知信号をCPU50aに送る。CPU50aは、メダル投入口17から投入された1〜3枚のメダルの枚数を通過検知センサ44からの通過検知信号に基づいて計数し、入賞有効ラインを有効化する本数を決定する。なお、クレジットの枚数は図示を省略した別のクレジットメダルカウンタで計数される。
メダル20の通過に要する予め定められた時間内において、第1メダルセンサ44a、第2メダルセンサ44bの順にメダル20の検出が行われずに、検出される順番が逆になっている場合には、メダル20が流下方向に対して逆流していることとなるため、通過検知センサ44は通過エラー信号をCPU50aに送る。CPU50aは、これに応答して、払出枚数表示装置55及びスピーカ46にメダル逆流エラー信号を出力して、払出枚数表示装置55にメダル逆流エラーである旨のエラー表示(「E1」)を表示するとともに、スピーカ46から警告音を発する。
CPU50aは、スロットマシン10を常時監視しており、メダル20が詰まってメダル出口31aから払い出されないときには、払出枚数表示装置55及びスピーカ46に払い出しメダル詰まりエラー信号を出力して、払出枚数表示装置55にメダル詰まりエラーである旨のエラー表示(「E3」)を表示するとともに、スピーカ46から警告音を発する。メダル払い出し中以外に、払い出しスイッチがオンになったときには、CPU50aは、払出枚数表示装置55及びスピーカ46にホッパーペイアウトスイッチエラー信号を出力して、払出枚数表示装置55にホッパーペイアウトスイッチエラーである旨のエラー表示(「E4」)を表示するとともに、スピーカ46から警告音を発する。メダル20が通過検知センサ44に滞留したときには、CPU50aは、払出枚数表示装置55及びスピーカ46に投入メダル滞留エラー信号を出力して、払出枚数表示装置55に投入メダル滞留エラーである旨のエラー表示(「E6」)を表示するとともに、スピーカ46から警告音を発する。メイン基板関係の不具合が発生したときには、CPU50aは、払出枚数表示装置55及びスピーカ46にCPUエラー信号を出力して、払出枚数表示装置55にCPUエラーである旨のエラー表示(「E.E」)を表示するとともに、スピーカ46から警告音を発する。
これら複数のエラー信号の出力を停止するには、エラー停止スイッチ29を操作する。エラー停止スイッチ29を操作すると、CPU50aにエラー停止信号が入力され、CPU50aは、これに応答してエラー信号の出力を停止し、エラーの報知を停止する。
また、上記した7種類のエラー信号とは別に、設定を打ち替える(変更し直す)必要のあるメイン基板関係の不具合が発生したときには、CPU50aは、払出枚数表示装置55及びスピーカ46にCPUエラー信号を出力して、払出枚数表示装置55にCPUエラーである旨のエラー表示(「E.C」)を表示するとともに、スピーカ46から警告音を発する。この場合には、エラー停止スイッチ29を操作してもエラー信号の出力を停止することができず、設定を打ち替えることに応答して、CPU50aは、エラー信号の出力を停止し、エラーの報知を停止する。
スタート信号センサ52は、1〜3枚のメダルが投入された後、スタートレバー18が操作されたときに、スタートレバー18が操作されたことを示す遊技スタート信号をCPU50aに入力する。遊技スタート信号を受けて、CPU50aはROM50bに記憶された遊技を実行させるためのプログラムに基づいて第1〜第3リール15a〜15cを回転させるとともに遊技の処理を開始する。
第1〜第3リール15a〜15cが回転自在に組み込まれたリールユニット23の駆動及び停止制御は、CPU50aとリール駆動コントローラ53とによって行われる。第1〜第3リール15a〜15cは、それぞれ個別のステッピングモータの駆動軸に取り付けられており、CPU50aは、各ステッピングモータの駆動を制御することにより第1〜第3リール15a〜15cの制御を行う。
ストップボタンセンサ54a、54b、54cは、ストップボタン19a〜19cが操作されたときに、ストップボタン19a〜19cが操作されたことを示すストップ信号をCPU50aに入力する。スタートレバー18を操作して第1〜第3リール15a〜15cの回転が始まり、これらの回転が定常速度に達した時点で、CPU50aはストップボタン19a〜19cの操作を有効化する。この後、ストップボタン19a〜19cを操作すると、ストップボタン19a〜19cに対応する第1〜第3リール15a〜15cの停止制御が開始される。
CPU50aは、スタート信号センサ52から送られてくる遊技スタート信号を受けて電子抽選部50cを作動させる。電子抽選部50cは乱数発生器と乱数値サンプリング回路とを備え、遊技が開始されるごとに1つの乱数値を抽選する。抽選された乱数値は当選役決定部50dに入力される。当選役決定部50dでは、入力された値に応じて現在実行された遊技でどのような当選役を与えるかが決定される。
当選役決定部50dは、電子抽選部50cで抽選された乱数値がハズレ及び複数種類の当選役のいずれかとなるかを、ROM50bに記憶された当選テーブルを参照して決定する。ROM50bには、通常モード用の第1〜第6当選テーブルの他に、BBモードでの遊技、RBモードでの遊技等で用いられる当選テーブルが設けられており、BBモード及びRBモードでは、当選役決定部50dは対応した当選テーブルを参照して当選判定を行う。
メダルホッパー32は、当選役の種類に応じて規定枚数の配当メダルをメダル受け皿21に払い出すか、あるいはクレジットカウンタにその規定枚数を加算する。なお、当選役の種類ごとに配当メダルの枚数を決めた配当テーブルはROM50bに格納されており、CPU50aがこれを読み取って対応した電気信号をメダルホッパー32に送り、メダルホッパー32を駆動する。
CPU50aは、メダルホッパー32を駆動して、上記した配当メダルの枚数分のメダル20を払いだすとともに、払出枚数表示装置(報知手段)55に配当メダルの枚数(例えば、15枚)を表示する。
払出検知センサ33は、主制御基板50のCPU50aに接続されており、メダルホッパー32の駆動によりメダル出口31aから払い出されたメダル20を検知したことに応答して払出検知信号をCPU50aに送る。CPU50aは、上記した配当メダルの枚数と払出検知センサ33により検知されたメダル20の枚数とを比較し、払出検知センサ33の検知枚数が少ない場合(例えば、配当メダルが15枚で、検知メダル枚数が10枚)には、貯留タンク31内にメダル20が貯留されていないエンプティーエラーが発生したと判断し、払出枚数表示装置55及びスピーカ46にエンプティーエラー信号を出力して、払出枚数表示装置55にエンプティーエラーである旨のエラー表示(「E2」)を表示するとともに、スピーカ46から警告音を発する。本実施形態では、貯留タンク31内のメダル20の有無を検知する遊技媒体検知手段は、払出検知センサ33とCPU50aとから構成され、CPU50aは、エンプティーエラー信号を含む複数のエラー信号を出力するエラー信号出力手段としても機能する。
エンプティーエラーが発生した場合には、遊技場の管理者は、鍵孔12cに鍵を挿入し鍵を反時計方向に回動して前面扉12の下扉12bを開放し、貯留タンク31にメダル20を補給し、下扉12bを閉じ鍵孔12cから鍵を抜く。下扉12bを開放すると、扉検知スイッチ24からCPU50aへ扉開信号が出力される(開検知)。そして、下扉12bを閉じると、扉検知スイッチ24からCPU50aへ扉閉信号が出力される(閉検知)。CPU50aは、扉開信号が入力された後に扉閉信号が入力されたことに応答して、払出枚数表示装置55及びスピーカ46へのエンプティーエラー信号の出力を停止し、払出枚数表示装置55の「E2」表示を停止するとともに、スピーカ46からの警告音を停止する。本実施形態では、CPU50aは、エンプティーエラー信号の出力を停止するエラー信号出力停止手段としても機能する。
図4(A)に示すように、CPU50aは、反射型フォトセンサ36の受光部の出力レベルを所定間隔で監視しており、出力レベルが予め設定された所定レベルを上回った時、つまり、図4(B)に示すように、光がメダル20で反射した時に、オーバーフロー貯留タンク35に貯留されたメダル20の容量が400枚(所定容量)に達したと判定する。これに応答して、CPU50aは、払出枚数表示装置55及びスピーカ46にオーバーフローエラー信号を出力して、払出枚数表示装置55にオーバーフローエラーである旨のエラー表示(「E5」)を表示するとともに、スピーカ46から警告音を発する。本実施形態では、貯留タンク31からメダル20がオーバーフローしたことを検知するオーバーフロー検知手段は、オーバーフロー貯留タンク35と、反射型フォトセンサ36と、CPU50aとから構成される。
オーバーフローエラーが発生した場合には、遊技場の管理者は、前面扉12の下扉12bを開放し、オーバーフロー貯留タンク35からメダル20を取り除き、下扉12bを閉じる。オーバーフロー貯留タンク35からメダル20を取り除くと、反射型フォトセンサ36の受光部の出力レベルが予め設定された所定レベルよりも低くなるため、CPU50aは、貯留されたメダル20の容量が400枚に達していないと判定するが、払出枚数表示装置55及びスピーカ46へのオーバーフローエラー信号の出力は継続する。下扉12bを開放すると、扉検知スイッチ24からCPU50aへ扉開信号が出力される(開検知)。そして、下扉12bを閉じると、扉検知スイッチ24からCPU50aへ扉閉信号が出力される(閉検知)。CPU50aは、扉開信号が入力された後に扉閉信号が入力されたことに応答して、払出枚数表示装置55及びスピーカ46へのオーバーフローエラー信号の出力を停止し、払出枚数表示装置55の「E5」表示を停止するとともに、スピーカ46からの警告音を停止する。
上記のように構成されたスロットマシン10の作用について、図6のフローチャートを用いて説明を行う。エンプティーエラーが発生すると、CPU50aは、払出枚数表示装置55及びスピーカ46にエンプティーエラー信号を出力して、払出枚数表示装置55にエンプティーエラーである旨のエラー表示(「E2」)を表示するとともに、スピーカ46から警告音を発する。また、オーバーフローエラーが発生した場合には、CPU50aは、払出枚数表示装置55及びスピーカ46にオーバーフローエラー信号を出力して、払出枚数表示装置55にオーバーフローエラーである旨のエラー表示(「E5」)を表示するとともに、スピーカ46から警告音を発する。遊技場の管理者は、エンプティーエラーが発生した場合には、前面扉12の下扉12bを開放し、留タンク31にメダル20を補給し、下扉12bを閉じ、オーバーフローエラーが発生した場合には、下扉12bを開放し、オーバーフロー貯留タンク35からメダル20を取り除き、下扉12bを閉じる。CPU50aは、下扉12bを開放した後に閉じると、払出枚数表示装置55のエラー表示(「E2」及び「E5」)を停止するとともに、スピーカ46からの警告音を停止する。また、エラー停止スイッチ29を操作した場合にも、CPU50aは、払出枚数表示装置55のエラー表示(「E2」及び「E5」)を停止するとともに、スピーカ46からの警告音を停止する。
メダル逆流エラー(「E1」)、払い出しメダル詰まりエラー(「E3」)、ホッパーペイアウトスイッチエラー(「E4」)、投入メダル滞留エラー(「E6」)、CPUエラー(「E.E」)が発生すると、CPU50aは、払出枚数表示装置55及びスピーカ46に対応したエラー信号を出力して、払出枚数表示装置55に対応したエラー表示を表示するとともに、スピーカ46から警告音を発する。これら複数のエラー信号の出力を停止するには、エラー停止スイッチ29を操作する。遊技場の管理者は、前面扉12の下扉12bを開放し、各エラーに対応した処理を施し、エラー停止スイッチ29を操作する。エラー停止スイッチ29を操作すると、CPU50aは、払出枚数表示装置55のエラー表示を停止するとともに、スピーカ46からの警告音を停止する。そして、遊技場の管理者は、下扉12bを閉じる。
このように、ゴト(不正)行為による危険度が低いエラーであるエンプティーエラー及びオーバーフローエラーが発生した場合には、下扉12bを開放した後に閉じるだけで、払出枚数表示装置55の「E2」及び「E5」表示を停止するとともに、スピーカ46からの警告音を停止することができ、エラー停止スイッチ29を操作する必要がなく、遊技場の管理者の手間を軽減することができる。
さらに、ゴト行為による被害の危険度が高いエラーであるメダル逆流エラー(「E1」)、払い出しメダル詰まりエラー(「E3」)、ホッパーペイアウトスイッチエラー(「E4」)、投入メダル滞留エラー(「E6」)、CPUエラー(「E.E」)が発生した場合には、下扉12bの開閉では、払出枚数表示装置55のエラー表示及びスピーカ46からの警告音の停止を行わずに、遊技場の管理者以外に操作することができないエラー停止スイッチ29を操作してエラー表示及び警告音の停止を行うから、ゴト行為に対するセキュリティを維持することができる。
図7及び図8に他の実施形態を示す。上記実施形態のものと同様の構成部材には同一の符号を付し、その詳細な説明を簡略化する。図7に示すように、この実施形態では、収納箱11の下収納部11cの左内壁面には、非接触型検出器である反射型フォトセンサ60が設けられている。反射型フォトセンサ60は、投光部と受光部とから構成されており、投光部から発光されメダル20または貯留タンク31の内壁面で反射した反射光を受光部で受光する。反射型フォトセンサ60は、主制御基板50のCPU50aに接続されている(図8参照)。
貯留タンク31は、メダルセレクタ41、メダル案内部材42を通って送られてくるメダル20が、落下中に反射型フォトセンサ60から発せられる光に当たることがないように配置される。貯留タンク31の左側面には、反射型フォトセンサ60から発せられる光を通過するための光通過孔31bが形成されている。光通過孔31bは、貯留タンク31に貯留されたメダル20の容量が所定容量(例えば、貯留タンク31の貯留可能容量の80%である1200枚分のメダル20の容量)に達したときに、通過した光がメダル20で反射するような位置に形成されている。また、光通過孔31bの径は、メダル20の径よりも小さくなるように形成されている。
図7(A)に示すように、CPU50aは、反射型フォトセンサ60の受光部の出力レベルを所定間隔で監視しており、出力レベルが予め設定された所定レベルを上回った時、つまり、図7(B)に示すように、光がメダル20で反射した時に、貯留されたメダル20の容量が1200枚(所定容量)に達したと判定する。これに応答して、CPU50aは、払出枚数表示装置55及びスピーカ46へのエンプティーエラー信号の出力を停止し、払出枚数表示装置55の「E2」表示を停止するとともに、スピーカ46からの警告音を停止する。本実施形態では、貯留タンク31内のメダル20の容量が1200枚(所定容量)に到達したか否かを検知する容量検知手段は、貯留タンク31と、CPU50aと、反射型フォトセンサ60とから構成される。
このように、エンプティーエラーが発生した場合には、貯留タンク31に1200枚(所定容量)以上のメダル20を貯留するだけで、払出枚数表示装置55の「E2」表示を停止するとともに、スピーカ46からの警告音を停止することができ、これらを停止するための停止スイッチを操作する必要がなく、遊技場の管理者の手間を軽減することができる。
なお、上記実施形態では、貯留タンク31を、メダル20を1500枚貯留することができるサイズで形成し、CPU50aは、貯留タンク31の貯留容量が1200枚分のメダル20の容量以上となったことに応答して、払出枚数表示装置55及びスピーカ46へのエンプティーエラー信号の出力を停止するようにしたが、貯留タンク31のサイズは適宜変更可能であり、それに応じて、払出枚数表示装置55及びスピーカ46へのエンプティーエラー信号の出力を停止する契機となる容量も適宜変更されるものであるが、貯留タンク31のサイズが小さい(例えば、メダル20を100枚程度しか貯留することができない)場合には、頻繁にエンプティーエラーが発生してしまうため、貯留タンク31のサイズは、1000枚以上のメダル20を貯留可能なサイズであることが好ましい。