JP4563149B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、パチンコ店等の遊技場に設置して使用されるスロットマシン等の遊技機に関するものである。
パチンコ店などの遊技場に設置して使用されるスロットマシンはパチスロ機と称されている。このようなスロットマシンでは、一般に、メダルが起立された状態で一枚ずつメダル投入口に投入される。
ところで、近年、正規の方法とは異なる方法によってメダルの投入を行う、いわゆる、ゴト行為が行われることがある。このゴト行為と1つとして、メダル投入口からメダルの投入を不正に行う際に用いられる器具(以下、「ゴト器具」と称する)を挿入することがある。このゴト器具をメダル投入口から挿入し、メダルを検知する光電センサを誤作動させ、実際にメダルの投入を行うことなくメダルを投入することができる。ゴト器具を用いてメダルの投入を行った遊技者は、クレジットされたメダルを引き出す、あるいは、投入したメダルによって遊技を行うなどの行為によって不正に利益を得ることができる。ゴト行為によって一部の遊技者が不正に利益を得ることは、遊技場の利益に損失が生じるばかりか、公平な遊技を行うことができないことを理由に遊技者の遊技への興味を失わせてしまうこともあり、ゴト行為を防止する機能をスロットマシンに付加することは、スロットマシンメーカーにとって大きな課題の1つとなっている。
そこで、上記のようなゴト行為を防止するため、メダル投入口から投入されたメダルの通過を検出するメダルセンサを2個設け、その検出出力から、投入されたメダルが正規のものか否かを判定するスロットマシンが提案されている(例えば、特許文献1等)。
ゴト器具の1つとして、例えばメダル投入口に挿入することが可能な板状の部材に複数のLEDを直列に配置し、複数のLEDがそれぞれ異なるタイミングで点滅するように制御されるものがある。このゴト器具をメダル投入口から挿入してLEDを光電センサと対面させると、LEDの点滅によって光電センサにメダルが通過したことを誤って検知させることができ、これにより、実際にメダルの投入を行うことなくメダルを投入することができる。このようなゴト器具が使用された場合には、上記した特許文献1においてもゴト行為を防止することができない。
そこで、本出願人は、特許文献2で、メダルの案内通路を遮蔽する移動自在な移動部材を備え、この移動部材がメダルの通過を可能にする退避位置にいる時間が所定時間を超えた場合(ゴト器具が挿入された場合)には、スピーカから警報音を発するスロットマシンや、案内通路を遮蔽する揺動自在な揺動部材を備え、この揺動部材のメダルの通過時に接触する部分に爪を設けて、ゴト器具が挿入された場合にはゴト器具を爪で破損させるスロットマシンを提案している。また、本出願人は、特許文献3で、検出したメダルが50枚に達するとシャッタを閉鎖位置に移動させてメダル通路を閉鎖し、ゴト器具が挿入された場合にはゴト器具をシャッタによって保持させるスロットマシンを提案している。
しかしながら、上記した特許文献2及び特許文献3においても、警報音を発する契機(移動部材が退避位置にいる時間が所定時間を超えた場合)や、揺動部材の爪形状や、シャッタの形状を、ゴト行為を行う者が把握した場合にはゴト行為を防止することができない。
一方、特許文献4では、メダルの貯留数を変更することができるスロットマシンが提案されており、このようなスロットマシンにおいて、クレジットされているメダル数を表示するクレジット数表示部と、精算時のクレジット数を表示する精算数表示部とを備え、精算時に、精算されるメダルの総数(精算数表示部での表示数)と、精算途中のクレジットの残数(クレジット数表示部での表示数)と、その時までに払い出されているメダルの量とを比較することにより、精算状況を把握することができ、精算に関する不正行為を防止することができるスロットマシンが提案されている(例えば、特許文献5等)。さらに、特許文献6では、精算時にクレジットされているメダル数(例えば、250枚)を全て精算する場合には、5回精算操作を行わなければならいようにし(一度の精算操作では50枚のメダルのみ精算)、一遍に大量のメダルを払い出す不正行為を目立つようにしたスロットマシンが提案されている。
特開2000−325549号公報 特願2004−181468号 特願2004−198500号 特開2002−331071号公報 特開2003−52894号公報 特開2003−52897号公報
しかしながら、多数のスロットマシンを設置したパチンコ店では、遊技場の管理者が全てのスロットマシンを監視するのは難しく、上記した特許文献5及び特許文献6においても、不正行為が行われた場合に発見するまでに時間がかかる、さらには、発見することができないという問題があった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、メダル投入口に異物を挿入することによるゴト行為の被害を確実に軽減することができる遊技機を提供することを目的とする。
本発明の遊技機は、投入された遊技媒体の数量をクレジットするクレジット手段と、クレジットした数量の遊技媒体を払い出す精算操作手段とを備えた遊技機において、前記精算操作手段が操作され、且つ前記精算操作手段の操作により前記遊技媒体が払い出されたときに、前記クレジット手段によるクレジットを禁止するクレジット禁止手段と、前記クレジットの禁止を解除するための操作を受け付けるクレジット禁止解除手段とを備えたことを特徴とする。なお、前記遊技媒体は、遊技を開始するときに遊技者が投入するものであり、例えば、メダル、コイン、パチンコ球、クレジットカード等が挙げられる。また、前記精算操作手段、前記クレジット禁止解除手段としては、押下タイプのボタン、回動タイプのジョグダイヤル、スライドタイプのレバー、タッチセンサ、光電センサのいずれか1つを備えるもの等が挙げられる。
なお、前記精算操作手段が操作され、且つ前記精算操作手段の操作により前記遊技媒体が払い出されたときに、時間計測を開始するタイマーを備え、前記クレジット禁止手段は、前記タイマーによって計測された時間が予め設定された時間に達する前に再度前記精算操作手段が操作され、且つ前記精算操作手段の操作により前記遊技媒体が払い出された場合にのみ、クレジットを禁止することが好ましい。なお、前記予め設定された時間は、前記精算操作手段が1度操作されてから再度操作されるまでに要する時間で、正しく遊技を行っている場合には通常起こり得ないような時間にすることが好ましい。また、前記クレジット禁止解除手段を、筐体内部に設けることが好ましい。
さらに、前記タイマーは、前記タイマーによって計測された時間が予め設定された時間に達する前に再度精算操作手段が操作され、且つ前記精算操作手段の操作により前記遊技媒体が払い出された場合に、前記クレジット禁止解除手段の操作に応答して時間計測を開始するとともに、前記タイマーによって計測された時間が予め設定された時間に達した後に再度精算操作手段が操作され、且つ前記精算操作手段の操作により前記遊技媒体が払い出された場合に、前記クレジット禁止解除手段の操作に応答して時間計測を開始することが好ましい。また、前記クレジット禁止手段によりクレジットが禁止されたことに応答してその状態を報知する報知手段を備えることが好ましい。なお、前記報知手段としては、LED、スピーカ、LCDのいずれか1つを備えるもの等が挙げられる。さらに、前記報知手段は、前記クレジット禁止解除手段の操作に応答して状態の報知を停止することが好ましい。
本発明の遊技機によれば、投入された遊技媒体の数量をクレジットするクレジット手段と、クレジットした数量の遊技媒体を払い出す精算操作手段と、精算操作手段の操作による遊技媒体の払い出しに応答し、クレジット手段によるクレジットを禁止するクレジット禁止手段と、クレジットの禁止を解除するための操作を受け付けるクレジット禁止解除手段を備えたから、精算操作手段を操作し、遊技媒体が払い出されると、クレジット禁止手段によりクレジットを禁止し、クレジット禁止解除手段を操作しない限りは、クレジットの禁止を解除することができないため、不正にクレジット手段に遊技媒体の数量をクレジットさせる不正行為による被害を確実に軽減することができる。
また、精算操作手段の操作に応答して作動するタイマーを備え、クレジット禁止手段は、精算操作手段の操作後予め設定された所定時間以内に再び前記精算操作手段の操作により前記遊技媒体が払い出された場合にのみ、クレジットを禁止するから、予め設定された所定時間を、精算操作手段が1度操作されてから再度操作されるまでに要する時間で、正しく遊技を行っている場合には通常起こり得ないような時間にすることにより、通常の遊技に影響を与えることなく、不正行為が行われたときのみにクレジットを禁止することができる。
さらに、クレジット禁止解除手段を、筐体内部に設けたから、不正行為を行う者はクレジット禁止解除手段を操作することができないため、メダル投入口に異物を挿入して行う不正行為による被害を確実に軽減することができる。
図1に本発明を用いた遊技機の1実施例であるスロットマシン10の外観を示す。スロットマシン10は、収納箱11及び前面扉12からなる筐体13を備えている。前面扉12は、収納箱11の前面側に開閉自在に取り付けられている。前面扉12には、表示窓14が設けられており、表示窓14の奥には、第1〜第3リール15a〜15cが回転自在に組み込まれたリールユニット32が配設されている(図2参照)。表示窓14の下方の部分には、MAXベットボタン16、1ベットボタン17、ストップボタン18a〜18c、スタートレバー19、精算ボタン(精算操作手段)20等の各種の操作ボタンの他に、メダル(遊技媒体)30を投入するメダル投入口21が設けられている。精算ボタン20は、押下することにより操作する押下タイプのボタンから構成されている。精算ボタン20は、クレジット記憶部52(図3参照)にクレジットされたメダル30を精算するものであり、精算ボタン20を押下操作すると、クレジット記憶部52にクレジットされた枚数のメダル30がメダル払出し口22に払い出される。なお、その他の上記操作ボタンの機能については周知であるため、説明を省略する。前面扉12の下部には、スロットマシン10で遊技を行って当選役が入賞した場合に、メダル30の払い出しを行うためのメダル払出し口22及びメダル受け皿23と、遊技中に音楽や音声を発するスピーカ24が設けられている。
第1〜第3リール15a〜15cの外周には複数種類の絵柄が一定ピッチで配列され、第1〜第3リール15a〜15cが停止した状態では、表示窓14を通して1リール当たり3個の絵柄が観察可能となる。これにより、各リールの絵柄を1個ずつ組み合わせた直線状の入賞有効ラインが横3本、斜め2本の合計5本が設定される。遊技開始に先立ってメダル投入口21から1枚のメダル30を投入したときには、中央横1本の入賞有効ラインが有効化され、2枚では横3本、3枚ではさらに斜め2本を加えた5本の入賞有効ラインが有効化される。
スロットマシン10では、50枚を限度に適正なメダル30をクレジット記憶部52にクレジット(貯留)することが可能になっている。表示窓14の下方には貯留されているメダル30の枚数が表示されるクレジット枚数表示窓25が設けられている。クレジット枚数表示窓25の奥には、クレジット枚数表示窓25を通してクレジットされているメダル30の枚数を表示させるクレジット枚数表示装置63(図3参照)が設けられている。クレジットされるメダル30の最大枚数は50枚であるので、クレジット枚数表示窓25には0〜50の数値が表示されるようになっている。クレジット枚数表示窓25の側方にはエラー表示窓26が設けられている。エラー表示窓26の奥には、エラー表示窓26を通してエラーコードを表示させるLCDからなるエラーコード表示装置(報知手段)64(図3参照)が設けられている。機械動作、遊技動作に異常がある場合等には、エラーコード表示装置(報知手段)64に異常に応じたエラーコードが表示されるようになっている。遊技者や遊技場の管理者は、この表示されたエラーコードをエラー表示窓26を通して視認することができる。
図2に示すように、筐体13内には、CPU31a(図3参照)が組み込まれたメイン基板31、リールユニット32、電源ボックス33、貯留タンク34等が設けられている。メイン基板31は、透明なプラスチックで形成された基板ケースに封入されて開放不能となっている。これにより、メイン基板31に不正な改造が施されることを防止している。リールユニット32は、第1〜第3リール15a〜15cと図示しない各リールに対応したステッピングモータ、バックランプ、第1〜第3リール15a〜15cの回転角を検知するフォトセンサ等が組み込まれて構成されている。バックランプは第1〜第3リール15a〜15cの内側で、縦方向に3個ずつ配置されており、遊技を行った結果、入賞有効ライン上に当選絵柄が3つ並んで、ビックボーナス(BB)又はレギュラーボーナス(RB)が入賞した場合には、表示窓14に停止表示された当選絵柄を予め設定された特定のパターンで点灯、消灯、点滅させ、遊技者にBB又はRBに当選したことを報知する。なお、バックランプの照明による報知は、BB又はRB以外の当選役が当選されたことの報知や特定の当選役に当選した可能性を示唆する報知などを行うようにしても良い。
電源ボックス33には、電源スイッチ36、設定変更スイッチ37、解除スイッチ(クレジット禁止解除手段)38が設けられている。電源スイッチ36、設定変更スイッチ37及び解除スイッチ38は、押下することにより操作する押下タイプのボタンから構成されている。電源スイッチ36の押下操作により、スロットマシン10の電源のオン/オフが行われる。スロットマシン10は、6段階のペイアウト率が設定されており、設定変更スイッチ37を1プッシュするごとに、6段階のペイアウト率が順次に変更される。解除スイッチ(クレジット禁止解除手段)32は、詳しくは後述するように、クレジット禁止部(クレジット禁止手段)53によるクレジットの禁止を解除する際に操作される。
なお、本実施形態では、解除スイッチ38を電源ボックス33に設けたが、解除スイッチ38は遊技場の管理者しか操作することができない位置(好ましくは筺体10aの内部)に設けられていれば良く、設置箇所は適宜可能である。これにより、遊技場の管理者以外の者が不正に解除スイッチ38を操作することが困難になり、不正行為を防止することができる。また、前面扉12に設けられたキー孔12a(図1参照)に、前面扉12を開放するための扉開放キー(図示せず)を差し込み、前面扉12を開放する方向(例えば、時計方向)とは逆方向(反時計方向)に扉開放キーを回すことによって、クレジット禁止部53によるクレジットの禁止を解除するようにしてもよい。この場合にも、遊技場の管理者以外は操作不能であり、さらには、前面扉12を開放する手間を省くことができる。
貯留タンク34では、メダル投入口21から投入されたメダル30が貯留される。さらに、遊技を行ってメダル30の払い出しを伴う当選役が入賞した場合には、ホッパー装置39が駆動されて、当選役の種類に応じた枚数のメダル30がメダル出口34aからメダル払出し口22に送り出され、受け皿23に払い出される。さらに、前面扉12の裏には、メダル投入口21の下方にメダルセレクタ41及びメダル案内部材42が設けられている。メダルセレクタ41には通路カバー43が取り付けられている。
メダルセレクタ41は、メダル投入口21から投入されたメダル30が正規のものか否かをメダルの材質または大きさ等によりセレクトするものであり、正規のメダル30は、メダルセレクタ41、メダル案内部材42を通って貯留タンク34に送られる。メダルセレクタ41には、通過検知センサ45(図3参照)が設けられており、通過検知センサ45は、メダル投入口21から正規のメダル30が投入された場合には、その通過を検知する。通過検知センサ45は、メイン基板31のCPU31aに接続されており、メダル30の通過を検知すると、メダル検知信号をCPU31aに送る。
不正なメダルがメダル投入口21から投入された場合には、メダルセレクタ41は、不正なメダルを外部に排出する。メダルセレクタ41から排出された不正なメダルは、通路カバー43に形成された切欠き43aから払出しシュート46に排出される。また、メダル30が貯留されている枚数が上限枚数である50枚に達している場合や、遊技を行っている最中(スタートレバー19を操作して第1〜第3リール15a〜15cが回転してから、全ての第1〜第3リール15a〜15cが停止されるまでの状態)には、メダル投入口21から正規のメダル30が投入されたときにも、メダルセレクタ41は、メダル30を払出しシュート46に排出する。払出しシュート46に排出されたメダル30は、メダル払出し口22から払い出される。
図3に示すように、スロットマシン10の作動は基本的にメイン基板31によって管制される。メイン基板31には、CPU31a、ROM31bの他に、メダルカウンタ51、クレジット記憶部52、クレジット禁止部(クレジット禁止手段)53、タイマー54等が設けられている。ROM31bには、CPU31aで実行する、例えば遊技実行プログラム等の制御プログラムや、これらプログラムを実行する際に必要な制御データ等が記憶されている。本実施形態では、CPU31aは、メダル投入口21から投入されたメダル30の数量をクレジットするクレジット手段としても機能する。
通過検知センサ45によってメダル30の通過が検知されると、CPU31aにメダル検知信号が送られる。CPU31aは、メダル検知信号が入力されたことに応答して、メダルカウンタ51のカウント値をメダル1枚分カウントアップし、メダルカウンタ51によって計数された枚数のメダル30をクレジット記憶部52にクレジットする。
クレジット禁止部(クレジット禁止手段)53は、CPU31aによるメダルカウンタ51のカウント値のカウントアップ及びクレジット記憶部52へのメダル30のクレジットを禁止するものであり、詳しくは後述するように、予め設定された時間(例えば300秒)とタイマー54による計測時間との比較を行い、計測時間が300秒を超えていないと判定した場合には、不正行為が行われている可能性があると判断し、CPU31aにクレジット禁止信号を送る。CPU31aは、クレジット禁止信号が入力さると、メダルカウンタ51のカウント値のカウントアップ及びクレジット記憶部52へのメダル30のクレジットが禁止された状態となる。
スタートレバー19が押下操作されると、CPU31aに遊技の開始を示す遊技開始信号が入力される。CPU31aは、遊技開始信号が入力されたことに応答してリール駆動コントローラ61を作動し、リールユニット32の第1〜第3リール15a〜15cを回転させることで遊技を開始する。遊技者がストップボタン18a〜18cを押下操作すると、CPU31a及びリール駆動コントローラ61は第1〜第3リール15a〜15cの停止制御を行う。
精算ボタン20は、クレジット記憶部52にクレジットされたメダル30を払い出すものである。メダルカウンタ51で計数され、クレジット記憶部52にメダル30がクレジットされている状態で、精算ボタン20を操作すると、CPU31aに精算ボタン操作信号が入力され、CPU31aは、精算ボタン操作信号が入力されたことに応答して払出し部62に信号を送る。この信号が払出し部62に入力されると、クレジット記憶部52にクレジットされているメダル枚数に応じたメダル30が、貯留タンク34からホッパー装置39によってメダル払出し口22に払い出される。また、CPU31aは、精算ボタン操作信号が入力されたことに応答してタイマー54に計時開始信号を送り、タイマー54を作動させて計時を開始させる。
タイマー54によって計測されている時間は、クレジット禁止部53に送られている。CPU31aは、精算ボタン操作信号が入力されたことに応答して、クレジット禁止部53に時間比較信号を送る。クレジット禁止部53は、時間比較信号が入力されたことに応答して、予め設定された時間(例えば300秒)とタイマー54による計測時間との比較を行い、計測時間が300秒を超えているか否かを判定する。スロットマシン10で遊技を行う際、精算ボタン20を操作するのは遊技を終了するときのみであり、正しく遊技を行っている場合には精算ボタン20が1度操作されてから300秒以内に再度操作されることは通常起こり得ない。一方、不正行為(通過検知センサ45による検知を不正に行わせて不正にメダル30をクレジット(最大50枚)させる)を行う者は、精算ボタン20を操作してクレジットされたメダル30を払い出すことにより不正にメダル30を得るため、50枚を超えたメダル30を不正に得るために精算ボタン20を1度操作してから300秒以内に再度操作することが多い。このため、クレジット禁止部53は、計測時間が300秒を超えていないと判定した場合には、不正行為が行われている可能性があると判断し、CPU31aにクレジット禁止信号を送る。CPU31aは、クレジット禁止信号が入力されると、メダルカウンタ51のカウント値のカウントアップ及びクレジット記憶部52へのメダル30のクレジットが禁止された状態となるとともに、エラーコード表示装置64にクレジット禁止状態である旨のエラーコードを表示する。なお、予め設定された時間は、300秒に限定されることなく、精算ボタン20が1度操作されてから再度操作されるまでに要する時間で、正しく遊技を行っている場合には通常起こり得ないような時間にすれば良く、適宜変更可能である。
クレジット禁止部53でタイマー54による計測時間が300秒を超えていると判定した場合には、クレジット禁止部53は、CPU31aにタイマーリセット信号を送り、CPU31aは、タイマーリセット信号が入力されたことに応答して、タイマー54をリセットして新たにゼロ秒から計時を開始させる。
解除スイッチ38はCPU31aに接続されており、解除スイッチ38を押下操作すると、CPU31aにクレジット禁止解除信号が入力される。CPU31aは、クレジット禁止解除信号が入力されたことに応答して、メダルカウンタ51のカウント値のカウントアップの禁止及びクレジット記憶部52へのメダル30のクレジットの禁止を解除するとともに、エラーコード表示装置64のエラーコード表示を停止する。また、CPU31aは、クレジット禁止解除信号が入力されたことに応答して、タイマー54の計時を停止させてリセットを行う。
次に、上記構成のスロットマシン10の作用について、図4のフローチャートを用いて説明を行う。精算ボタン20を操作すると、CPU31aは払出し部62を介してホッパー装置39を作動してメダルカウンタ51にクレジットされている枚数分のメダル30の払い出しを行うとともに、クレジット禁止部53を作動してタイマー54による計測時間が300秒を超えているか否かを判定する。そして、計測時間が300秒を超えていないと判定した場合には、不正行為が行われている可能性があると判断し、クレジット禁止部53は、CPU31aをメダルカウンタ51のカウント値のカウントアップ及びクレジット記憶部52へのメダル30のクレジットが禁止された状態にするとともに、CPU31aは、エラーコード表示装置64にクレジット禁止状態である旨のエラーコードを表示する。この禁止を解除するには、解除スイッチ38を押下操作する。解除スイッチ38を操作すると、メダルカウンタ51のカウント値のカウントアップの禁止及びクレジット記憶部52へのメダル30のクレジットの禁止を解除するとともに、エラーコード表示装置64のエラーコード表示を停止する。また、CPU31aは、タイマー54をリセットして新たにゼロ秒から計時を開始させる。
タイマー54による計測時間が300秒を超えていると判定した場合には、タイマー54をリセットして新たにゼロ秒から計時を開始させる。
このように、精算ボタン20を操作したことに応答してクレジット禁止部53を作動してタイマー54による計測時間が300秒を超えているか否かを判定し、計測時間が300秒を超えていないと判定した場合には、クレジット禁止部53は、CPU31aをメダルカウンタ51のカウント値のカウントアップ及びクレジット記憶部52へのメダル30のクレジットが禁止された状態にするから、この状態のときに、メダル投入口21から不正行為を行うための道具(通過検知センサ45による検知を不正に行わせるもの)を挿入することにより不正にメダル検知信号がCPU31aに入力されても、CPU31aは、メダルカウンタ51のカウント値のカウントアップ及びクレジット記憶部52へのメダル30のクレジットを行わない。これにより、不正行為が行われた場合にも、クレジット禁止部53にクレジットされた枚数(最大50枚)を超えた枚数のメダル30の払い出しを確実に防止することができるため、不正行為による被害を軽減することができる。
また、メダルカウンタ51のカウント値のカウントアップの禁止及びクレジット記憶部52へのメダル30のクレジットの禁止を解除するための解除スイッチ38を、筐体13内部に配設された電源ボックス33に設けたから、不正行為を行う者は解除スイッチ38を操作することができない。これにより、不正行為による被害を確実に軽減することができる。
さらに、クレジット禁止部53が、CPU31aをメダルカウンタ51のカウント値のカウントアップ及びクレジット記憶部52へのメダル30のクレジットが禁止された状態にしたときには、CPU31aは、エラーコード表示装置64にクレジット禁止状態である旨のエラーコードを表示するから、遊技場の管理者は、スロットマシン10がクレジット禁止状態であることを容易に判断することができる。また、エラーコード表示装置64にエラーコードが表示された場合には、解除スイッチ38を操作しない限りは、表示を停止することができないため、遊技場の管理者は、スロットマシン10がクレジット禁止状態であることを確実に判断することができる。
なお、上記実施形態では、クレジット禁止部53は、CPU31aにクレジット禁止信号を送り、CPU31aをメダルカウンタ51のカウント値のカウントアップ及びクレジット記憶部52へのメダル30のクレジットが禁止された状態にするようにしたが、これに限定されることなく、クレジット禁止部53は、CPU31aによるメダルカウンタ51のカウント値のカウントアップ及びクレジット記憶部52へのメダル30のクレジットを禁止することができればよく、クレジット禁止部53からメダルカウンタ51及びクレジット記憶部52に禁止信号を送り、メダルカウンタ51をカウント値のカウントアップを行わない状態にし、クレジット記憶部52をメダル30のクレジットを行わない状態にするようにしてもよい。
また、上記実施形態では、タイマー54は、精算ボタン20の操作による計時開始信号の入力に応答して計時を開始するようにしたが、タイマー54は、メダル30の払い出しに応答して計時を開始するようにされていればよく、例えば、メダル払出し口22から払い出されるメダル30を検知する検知センサを設け、この検知センサでメダル30を検知したことに応答してタイマー54による計時を開始するようにしてもよく、さらには、精算ボタン20を操作すると、CPU31aによりクレジット記憶部52にメダルがクレジットされているか否かを判定するようにし、クレジットされていると判定したことに応答してタイマー54による計時を開始するようにしてもよい。
さらに、上記実施形態では、精算ボタン20を操作したことに応答してクレジット禁止部53を作動してタイマー54による計測時間が300秒を超えているか否かを判定し、計測時間が300秒を超えていないと判定した場合には、クレジット禁止部53は、CPU31aをメダルカウンタ51のカウント値のカウントアップ及びクレジット記憶部52へのメダル30のクレジットが禁止された状態にするようにしたが、タイマー54を設けない構成にし、クレジット禁止部53は、精算ボタン20を操作したことに応答して、CPU31aをメダルカウンタ51のカウント値のカウントアップ及びクレジット記憶部52へのメダル30のクレジットが禁止された状態にするようにしてもよい。
本発明を実施したスロットマシンの外観を示す斜視図である。 スロットマシンの内部を示す斜視図である。 スロットマシン内部の電気的構成を示す機能ブロック図である。 精算ボタンが操作されたときの処理を行う手順を示すフローチャートである。
符号の説明
10 スロットマシン
11 収納箱
12 前面扉
13 筐体
20 精算ボタン(精算操作手段)
30 メダル(遊技媒体)
31 メイン基板
31a CPU(クレジット手段)
38 解除スイッチ(クレジット禁止解除手段)
45 通過検知センサ
51 メダルカウンタ
52 クレジット記憶部
53 クレジット禁止部(クレジット禁止手段)
54 タイマー
64 エラーコード表示装置(報知手段)

Claims (6)

  1. 投入された遊技媒体の数量をクレジットするクレジット手段と、クレジットした数量の遊技媒体を払い出す精算操作手段とを備えた遊技機において、
    前記精算操作手段が操作され、且つ前記精算操作手段の操作により前記遊技媒体が払い出されたときに、前記クレジット手段によるクレジットを禁止するクレジット禁止手段と、
    前記クレジットの禁止を解除するための操作を受け付けるクレジット禁止解除手段とを備えたことを特徴とする遊技機。
  2. 前記精算操作手段が操作され、且つ前記精算操作手段の操作により前記遊技媒体が払い出されたときに、時間計測を開始するタイマーを備え、
    前記クレジット禁止手段は、前記タイマーによって計測された時間が予め設定された時間に達する前に再度前記精算操作手段が操作され、且つ前記精算操作手段の操作により前記遊技媒体が払い出された場合にのみ、クレジットを禁止することを特徴とする請求項1記載の遊技機。
  3. 前記タイマーは、
    前記タイマーによって計測された時間が予め設定された時間に達する前に再度精算操作手段が操作され、且つ前記精算操作手段の操作により前記遊技媒体が払い出された場合に、前記クレジット禁止解除手段の操作に応答して時間計測を開始するとともに、
    前記タイマーによって計測された時間が予め設定された時間に達した後に再度精算操作手段が操作され、且つ前記精算操作手段の操作により前記遊技媒体が払い出された場合に、時間計測を開始することを特徴とする請求項2記載の遊技機。
  4. 前記クレジット禁止解除手段を、筐体内部に設けたことを特徴とする請求項1ないし3いずれか1つ記載の遊技機。
  5. 前記クレジット禁止手段によりクレジットが禁止されたことに応答してその状態を報知する報知手段を備えたことを特徴とする請求項1ないし4いずれか1つ記載の遊技機。
  6. 前記報知手段は、前記クレジット禁止解除手段の操作に応答して状態の報知を停止することを特徴とする請求項5記載の遊技機。
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