図1に本発明を用いた遊技機の1実施例であるスロットマシン10の外観を示す。スロットマシン10は、収納箱11及び前面扉12からなる筐体13を備えている。前面扉12は、収納箱11の前面側に開閉自在に取り付けられている。前面扉12には、表示窓14が設けられており、表示窓14の奥には、第1リール15a、第2リール15b、第3リール15cが回転自在に組み込まれたリールユニット32が配設されている(図2参照)。表示窓14の下方の部分には、MAXベットボタン16、1ベットボタン17、ストップボタン18a,18b,18c、スタートレバー19、精算ボタン20等の各種の操作ボタンの他に、メダル(遊技媒体)30を投入するメダル投入口21が設けられている。なお、上記操作ボタンの機能については周知であるため、説明を省略する。前面扉12の下部には、スロットマシン10で遊技を行って当選役が入賞した場合に、メダル30の払い出しを行うためのメダル払出し口22及びメダル受け皿23と、遊技中に音楽や音声を発するスピーカ24が設けられている。
第1〜第3リール15a〜15cの外周には複数種類の絵柄が一定ピッチで配列され、第1〜第3リール15a〜15cが停止した状態では、表示窓14を通して1リール当たり3個の絵柄が観察可能となる。これにより、各リールの絵柄を1個ずつ組み合わせた直線状の入賞有効ラインが横3本、斜め2本の合計5本が設定される。遊技開始に先立ってメダル投入口21から1枚のメダル30を投入したときには、中央横1本の入賞有効ラインが有効化され、2枚では横3本、3枚ではさらに斜め2本を加えた5本の入賞有効ラインが有効化される。
スロットマシン10では、50枚を限度に適正なメダル30をクレジット記憶部62(図7参照)にクレジット(貯留)することが可能になっている。表示窓14の下方には貯留されているメダル30の枚数が表示されるクレジット枚数表示窓25が設けられている。クレジット枚数表示窓25の奥には、クレジット枚数表示窓25を通してクレジットされているメダル30の枚数を表示させるクレジット枚数表示装置65(図7参照)が設けられている。クレジットされるメダル30の最大枚数は50枚であるので、クレジット枚数表示窓25には0〜50の数値が表示されるようになっている。クレジット枚数表示窓25の側方にはエラー表示窓26が設けられている。エラー表示窓26の奥には、エラー表示窓26を通してエラーコードを表示させるLCDからなるエラーコード表示装置(報知手段)66(図7参照)が設けられている。機械動作、遊技動作に異常がある場合等には、エラーコード表示装置66に異常に応じたエラーコードが表示されるようになっている。遊技者や遊技場の管理者は、この表示されたエラーコードをエラー表示窓26を通して視認することができる。
図2に示すように、筐体13内には、CPU31a(図7参照)が組み込まれたメイン基板31、リールユニット32、電源ボックス33、貯留タンク34等が設けられている。メイン基板31は、透明なプラスチックで形成された基板ケースに封入されて開放不能となっている。これにより、メイン基板31に不正な改造が施されることを防止している。リールユニット32は、第1〜第3リール15a〜15cと図示しない各リールに対応したステッピングモータ、バックランプ、第1〜第3リール15a〜15cの回転角を検知するフォトセンサ等が組み込まれて構成されている。バックランプは第1〜第3リール15a〜15cの内側で、縦方向に3個ずつ配置されており、遊技を行った結果、入賞有効ライン上に当選絵柄が3つ並んで、ビックボーナス(BB)又はレギュラーボーナス(RB)が入賞した場合には、表示窓14に停止表示された当選絵柄を予め設定された特定のパターンで点灯、消灯、点滅させ、遊技者にBB又はRBに当選したことを報知する。なお、バックランプの照明による報知は、BB又はRB以外の当選役が当選されたことの報知や特定の当選役に当選した可能性を示唆する報知などを行うようにしても良い。
電源ボックス33には、電源スイッチ36、設定変更スイッチ37、解除スイッチ(遊技停止解除手段)38が設けられている。電源スイッチ36、設定変更スイッチ37及び解除スイッチ38は、押下することにより操作する押下タイプのボタンから構成されている。電源スイッチ36の押下操作により、スロットマシン10の電源のオン/オフが行われる。スロットマシン10は、6段階のペイアウト率が設定されており、設定変更スイッチ37を1プッシュするごとに、6段階のペイアウト率が順次に変更される。解除スイッチ(遊技停止解除手段)38は、詳しくは後述するように、遊技停止部(遊技停止手段)63による遊技の停止を解除する際に操作される。
なお、本実施形態では、解除スイッチ38を電源ボックス33に設けたが、解除スイッチ38は遊技場の管理者しか操作することができない位置(好ましくは筺体13の内部)に設けられていれば良く、設置箇所は適宜可能である。これにより、遊技場の管理者以外の者が不正に解除スイッチ38を操作することが困難になり、不正行為を防止することができる。また、前面扉12に設けられたキー孔12a(図1参照)に、前面扉12を開放するための扉開放キー(図示せず)を差し込み、前面扉12を開放する方向(例えば、時計方向)とは逆方向(反時計方向)に扉開放キーを回すことによって、遊技停止部63による遊技の停止を解除するようにしてもよい。この場合にも、遊技場の管理者以外は操作不能であり、さらには、前面扉12を開放する手間を省くことができる。
貯留タンク34では、メダル投入口21から投入されたメダル30が貯留される。さらに、遊技を行ってメダル30の払い出しを伴う当選役が入賞した場合には、払出し部67(図7参照)を介してホッパー装置39が駆動されて、当選役の種類に応じた枚数のメダル30がメダル出口34aからメダル払出し口22に送り出され、メダル受け皿23に払い出される。さらに、前面扉12の裏には、メダル投入口21の下方にメダルセレクタ41及びメダル案内部材42が設けられている。メダルセレクタ41には通路カバー43が取り付けられている。
図3に示すように、メダルセレクタ41は、本体基部45、振分装置46、メダル通過センサ(検出手段)47から構成されている。本体基部45は樹脂で形成されている。本体基部45には、メダル30の直径よりも幅がやや広い溝からなる第1メダル通路(流下通路)51が形成されている。メダルセレクタ41が前面扉12に取り付けられると、第1メダル通路51のメダル入口51aはメダル投入口21と連通するようになっており、メダル投入口21から投入されたメダル30はメダル入口51aから第1メダル通路51内に侵入する。
第1メダル通路51は、略L字形に屈曲するように形成されており、メダル30の周面と接触する接触底面51bと、メダル30の径方向の面である前面、または裏面と接触する接触壁面51cと、接触壁面51cと対向した位置に配置され、メダル30の径方向の下部面と接触する接触壁面51dとから構成されている。なお、本体基部45は、図3中D方向にやや傾くように前面扉12に取り付けられているため、流下するメダル30は接触壁面51dの方向に自重がかかるように構成されている。
メダル入口51aから第1メダル通路51に侵入したメダル30は、第1メダル通路51の屈曲した部分を通過すると、その進行方向がメダル30が第1メダル通路51内に侵入した方向(図3中A方向)と略直交した方向(図3中B方向)に変化するようになっている。
本体基部45の第1メダル通路51が形成されている面で、メダル入口51aから見て第1メダル通路51の屈曲した部分よりも下流側の部分(図3中B方向にメダル30が進行する部分)の上方には、振分装置取付部45aが設けられている。振分装置取付部45aは、本体基部45に形成された略矩形状で凹状の溝からなり、この溝を取り囲む壁面のうちの第1メダル通路51に臨む壁面は一部が開放されている。振分装置取付部45aには振分装置46が設けられている。
振分装置46は、本体基部45に取り付けられる取付板46a、取付板46aに図3中C方向に回動自在に取り付けられる回動板46b、回動板46bに励磁作用を与えるソレノイド(図示せず)及び回動板46bを付勢する捩じりバネ(図示せず)から構成されている。
取付板46a及び回動板46bは、金属製の薄板で形成されている。取付板46aは矩形状に形成されており、本体基部45の振分装置取付部45aの取付面45bと直交して突出するように本体基部45に取り付けられている。
回動板46bは略T字状に形成されており、取付板46aの突出方向と直交して振分装置取付部45aの取付面45b、及び接触壁面51cと対面するように取付板46aに回動自在に取り付けられている。回動板46bが取付板46aに取り付けられると、回動板46bの幅が広い部分であるメダル振り分け部46cの一部は、接触壁面51cと対向して突出し、振分装置取付部45aの前述した開放部分から第1メダル通路51内に侵入した後述する通過位置と、第1メダル通路51内に侵入しない後述する排出位置とに電気的な制御によって変位自在な状態となる。また、メダル振り分け部46cが第1メダル通路51内に侵入した状態では、メダル振り分け部46cの端縁と、接触底面51bとの距離が、メダル30の直径よりも小さくなるように、回動板46bは取り付けられている。これにより、メダル振り分け部46cは、接触底面51bの上を転動するメダル30の径方向上部面と接触してメダル30を支持することができるように配置され、投入されたメダル30は下流に位置する貯留タンク34へと案内される。
また、回動板46bは、前述したソレノイドの励磁作用とバネの復元力によって、取付板46aとの取付部分に設けられた軸を支点に、メダル30の通過を可能にする通過位置と、メダル振り分け部46cがメダル30の径方向上部面の支持を中止し、第1メダル通路51からメダル30を図3中D方向に落下させる排出位置との間で回動される。
メダル30が投入されると、前述したソレノイドによる励磁作用が働くことで、回動板46bは第1メダル通路51の接触壁面51cに向かう方向に付勢されて通過位置にセットされる。これにより、メダル30が正規の大きさであれば、回動板46bのメダル振り分け部46cによってメダル30の転動方向が図3中B方向に規制されるので、メダル30は第1メダル通路51を通過する。
図2に示すように、通路カバー43の回動板46bが設けられている箇所には切り欠き43aが形成されている。この切り欠き43aから正規の大きさでないメダル30が払出しシュート54に排出される。メダル30が貯留されている枚数が上限枚数である50枚に達している場合や、遊技を行っている最中(スタートレバー19を操作して第1〜第3リール15a〜15cが回転してから、全ての第1〜第3リール15a〜15cが停止されるまでの状態)、メダル通過センサ47やメダルの材質または大きさ等の検知で不正なメダル30であると判断された場合などには、前述したソレノイドの励磁作用が断たれ、回動板46bはバネの復元力によってメダル30の径方向上部面を支持する通過位置からメダル30の径方向上部面を支持しない排出位置にセットされる。これにより支えを失った不正なメダル30が、通路カバー43の切り欠き43aから図3中D方向に落下して、払出しシュート54を介してメダル払出し口22から払い出される。
なお、第1メダル通路51の回動板46bが設けられている箇所以外の部分は、通路カバー43によって塞がれている。そのため、第1メダル通路51の回動板46bが設けられている箇所以外の部分では投入されたメダル30が第1メダル通路51から脱落することはない。
図3に示すように、メダル通過センサ47は、第1メダル通路51の振分装置46が設置されている箇所よりも下流側に設けられており、第1メダル通路51を転動してきたメダル30を検出する。
メダル通過センサ47は、第1メダルセンサ47a及び第2メダルセンサ47bから構成されている。第1及び第2メダルセンサ47a,47bは、例えば、投光部と受光部とを一体に備えた反射型の光電センサであって、第1メダル通路51の接触壁面51cに取り付けられている。第1及び第2メダルセンサ47a,47bは、メダル30の進行方向に沿って上流側に第1メダルセンサ47a、下流側に第2メダルセンサ47bが配置されている。
メダル30が、第1メダルセンサ47aや第2メダルセンサ47bを通過した場合(メダル30が、第1メダルセンサ47aや第2メダルセンサ47bの投光部の光路を遮蔽した状態)には、各センサの投光部から投光した受光部で受光されず、各センサはオフとなる。これにより、メダル30の検出が開始される。また、メダル30が、第1メダルセンサ47aや第2メダルセンサ47bを通過していない場合(メダル30が第1メダルセンサ47aや第2メダルセンサ47bの投光部の光路を遮っていない状態のとき)には、各センサの投光部から投光した光が受光部で受光され、各センサはオンとなる。
第1及び第2メダルセンサ47a,47bの配置についてさらに具体的に説明すると、第1及び第2メダルセンサ47a,47bは、メダル30が第1メダル通路51を転動する際に、必ず第1及び第2メダルセンサ47a,47bによりメダル30を順次に検出できる間隔となるように配置されており、さらに、メダル30が連続投入(複数枚のメダル30が連なって第1メダル通路51を通過するようにメダル投入口21からメダル30が投入された状態)された場合にも、1枚のメダル30を第1及び第2メダルセンサ47a,47bで順次に検出した後に、必ず第1及び第2メダルセンサ47a,47bが一度はオフになってから次のメダル30を検出できるような位置に配置されている。つまり、第1及び第2メダルセンサ47a,47bが一度に2枚以上のメダル30を検出しないようにしている。従って、メダル30の通過に要する予め定められた時間内において、第1メダルセンサ47a、第2メダルセンサ47bの順にメダル30の検出が行われずに、検出される順番が逆になっている場合には、メダル30の流下方向と逆流していることとなるため、エラーであると判断することができる。
メダルセレクタ41の下流側の側方には、メダル案内部材42が隣接して配置されている。第1メダル通路51を転動してきたメダル30はメダル案内部材42によって貯留タンク34に導かれる。
メダル案内部材42にはその断面を略コの字形状とした溝からなる第2メダル通路52が形成されている。メダル案内部材42はメダルセレクタ41に隣接して配置されているため、第2メダル通路52は第1メダル通路51と連通する。このため、第1メダル通路51を転動してきたメダル30は第2メダル通路52に侵入する。
メダル案内部材42は第1メダル通路51内を図3中B方向に転動するメダル30が第2メダル通路52でスロットマシン10の背面側に向かう方向(図3中E方向)に進行方向を変更するように、屈曲して形成されている。そして、前面扉12が閉じられると、第2メダル通路52のメダル出口52aは貯留タンク34の上方に位置するようにメダル案内部材42の長さが設定されている。また、第2メダル通路52は第1メダル通路51からメダル30が侵入する方の端部からメダル出口52aにかけて下方に傾斜しており、第1メダル通路51から第2メダル通路52に侵入したメダル30はその傾斜によって第2メダル通路52を転動する。
図3及び図4に示すように、本体基部45のメダル通過センサ47よりも上流側であって左側面には、貫通孔45cが形成されている。本体基部45の左側面には、貫通孔45cに挿入される駆動鉄板(シャッタ)55bを有するソレノイド(駆動手段)55が取り付けられている。ソレノイド55は、スロットマシン10の動作を制御しているメイン基板31のCPU31aに接続されている。なお、図3においては、ソレノイド55のケース55aの図示を省略している。また、図4(A)は正面図であり、図4(B)は正面断面図である。
ソレノイド55は、ケース55aと駆動鉄板(シャッタ)55bとを備えている。ソレノイド55は通電が行われると、ケース55aに巻かれたコイル(図示せず)によって磁界が発生し、駆動鉄板55bをケース55aの内部に引き込む。図5及び図6に示すように、ソレノイド55への通電が停止されると、図示しないバネの復帰力により、ケース55aに引き込まれた駆動鉄板55bがケース55aの内部から引き出される。駆動鉄板55bは、図5中B方向に移動可能に設けられている。すなわち、駆動鉄板55bは、メダル30の流下方向(図5中A方向)に直交する方向に移動する。
貯留されているメダル30の枚数が40枚(予め設定された枚数)に達する(所定の契機)前や、遊技が行われる前には、常にソレノイド55に通電が行われており、駆動鉄板55bはケース55aの内部に引き込まれた開放位置に位置する(図4参照)。このとき、第1メダル通路51は開放されており、メダル30の通過が可能な状態となっている。
貯留されているメダル30の枚数が40枚(予め設定された枚数)に達すると、ソレノイド55への通電が停止されて、駆動鉄板55bがケース55aから引き出されると、図5及び図6に示すように、駆動鉄板55bは、貫通孔45cを通して第1メダル通路51に侵入する閉鎖位置に移動する。これにより第1メダル通路51は駆動鉄板55bによって閉鎖される。
このように、ソレノイド55は、駆動鉄板55bを、ケース55aの内部に引き込んでおくことより、第1メダル通路51を開放してメダル30の流下を許容する開放位置(図4参照)と、ケース55aの内部から引き出すことにより、第1メダル通路51を閉鎖してメダル30の流下を禁止する閉鎖位置(図6参照)との間で移動させる駆動手段として機能する。
ソレノイド55のケース55aの後方には、駆動鉄板55bの位置を検出する駆動鉄板センサ(シャッタ検出手段)56が設けられている。この駆動鉄板センサ56はCPU31aに接続されている。駆動鉄板センサ56は透過型の光電センサであり、投光部56aと受光部56bとから構成されている。投光部56aと受光部56bとは対向して設けられている。投光部56aは受光部56bに向けて継続的に投光しており、投光部56aからの光を受光部56bが受光すると、受光部56bからCPU31aに検知信号が送られる。なお、投光部56a及び受光部56bは、光線の送受が行われて、受光及び遮光を検知できるものであればどのようなものでもよい。一般的には、LEDとフォトダイオードからなる光センサが用いられる。このようなLEDとフォトダイオードからなる光センサは高性能かつ非常に小型化されており、設置スペースがきわめて限定されたスロットマシン10の内部に設定する光センサとして好適である。
ソレノイド55の後部には、駆動鉄板55bに連動する遮光板55cが設けられている。この遮光板55cは駆動鉄板センサ56の投光部56aからの光路を遮るためのものである。遮光板55cは駆動鉄板55bと一体化されており、ケース55aの図4における左側端部から左方に向けて突出した状態になっている。図4に示すように、駆動鉄板55bがケース55aの内部に引き込まれているとき、つまり、駆動鉄板55bが開放位置にあるとき、遮光板55cはケース55aから左方に向けて引き出されており、駆動鉄板センサ56の投光部56aの光路は遮光板55cによって遮られる。図6に示すように、ケース55aの内部に引き込まれていた駆動鉄板55bがケース55aから引き出されたとき、つまり、駆動鉄板55bが開放位置から閉鎖位置に移動したとき、遮光板55cは駆動鉄板55bに連動してケース55aの内部に引き込まれる。遮光板55cによって遮られていた投光部56aの光路は開放され、受光部56bで受光される。このときオフ状態にあった駆動鉄板センサ56がオン状態となる。駆動鉄板センサ56は、オン状態になると、メイン基板31のCPU31aに駆動オン信号を送る。
図7に示すように、スロットマシン10の作動は基本的にメイン基板31によって管制される。メイン基板31には、CPU31a、ROM31bの他に、メダルカウンタ61、クレジット記憶部62、遊技停止部(遊技停止手段)63等が設けられている。ROM31bには、CPU31aで実行する、例えば遊技実行プログラム等の制御プログラムや、これらプログラムを実行する際に必要な制御データ等が記憶されている。
メダル通過センサ47が第1メダル通路51を転動するメダル30を検出すると、検出信号がCPU31aに入力される。メダルカウンタ61はメダル通過センサ47からメダル30の通過に要する予め定められた時間内に順次に検出信号が入力されると作動され、投入されたメダル30の枚数を1枚ずつ計数する。CPU31aは、メダル通過センサ47で検知信号が検知された際に、メダル30を1枚計数してクレジット記憶部62に記憶させる。クレジット記憶部62に記憶されているメダル枚数は、クレジット枚数表示装置65によってクレジット枚数表示窓25を通して表示される。また、CPU31aにはエラーコード表示装置66が接続されている。
このように、投入されたメダル枚数は、前記時間内における第1メダルセンサ47a、第2メダルセンサ47bの順番で行われる検知信号の入力に基づき1枚ずつ計数され、クレジット記憶部62に加算して記憶される。また、CPU31aは、MAXベットボタン16または1ベットボタン17の押下により出力されるクレジット投入信号に基づいて、例えば、1枚から3枚のメダル30をクレジット記憶部62に記憶されたメダル枚数から減算し、減算されたメダル30をベットしてゲームを実行可能にする。なお、本実施形態では、クレジット記憶部62に記憶可能なメダル枚数の上限は50枚であるものとする。
CPU31aは、クレジット記憶部62に記憶されたメダル枚数を常時監視しており、40枚(予め設定された枚数)に達したことを契機に、ソレノイド55への通電の停止及び通電開始を2回行う。これにより、駆動鉄板55bは、開放位置と閉鎖位置との間で2回(複数回)往復移動する。遊技停止部63は、ソレノイド55への通電の停止及び通電開始を2回行った際に、その2回の全ての回において駆動鉄板センサ56からCPU31aに駆動オン信号が入力されない場合には、不正行為を行うためのゴト具(メダル通過センサ47による検知を不正に行わせるもの)がメダル投入口21から挿入されていると判断し、CPU31aに遊技停止信号を送る。
CPU31aは、遊技停止信号が入力されたことに応答して、ソレノイド55への通電を停止して駆動鉄板55bが閉鎖位置に移動させるとともに、エラーコード表示装置66に遊技停止状態である旨のエラーコードを表示し、スロットマシン10を遊技不能な状態にする。本実施形態では、遊技停止部63は、ソレノイド55が駆動鉄板55bを2回(複数回)移動させたときに、その2回の各回において駆動鉄板センサ56による検出が行われたか否かを判定する判定手段としても機能する。さらに、遊技停止部63は、2回の全ての回において動鉄板センサ56による検出が行われていないと判定したときに、異常信号を出力する異常信号出力手段としても機能する。
ROM31bには、上記した予め設定された枚数として5パターン(10枚、20枚、30枚、40枚、50枚)記憶されており、CPU31aは、所定時間(例えば、5分)毎に、これら5パターンの中からランダムに1パターンを引き出して、予め設定された枚数として用いる。本実施形態では、CPU31aは、予め設定された枚数を変更する設定枚数変更手段としても機能する。なお、本実施形態では、予め設定された枚数を40枚としたときの実施形態について説明する。
スタートレバー19が押下操作されると、CPU31aに遊技の開始を示す遊技開始信号が入力される。CPU31aは、遊技開始信号が入力されたことに応答してリール駆動コントローラ68を作動し、リールユニット32の第1〜第3リール15a〜15cを回転させることで遊技を開始する。遊技者がストップボタン18a〜18cを押下操作すると、CPU31a及びリール駆動コントローラ68は第1〜第3リール15a〜15cの停止制御を行う。
遊技を行ってメダル30の払い出しを伴う当選役が入賞した場合には、CPU31aは、払出し部67を介してホッパー装置39を駆動して、当選役の種類に応じた枚数のメダル30をメダル出口34a及びメダル払出し口22を介してメダル受け皿23に払い出す。
解除スイッチ38はCPU31aに接続されており、解除スイッチ38を押下操作すると、CPU31aに遊技停止解除信号が入力される。CPU31aは、遊技停止解除信号が入力されたことに応答して、ソレノイド55への通電を開始して駆動鉄板55bを開放位置に移動させ、エラーコード表示装置66のエラーコード表示を停止するとともに、遊技停止状態を解除してスロットマシン10を遊技可能な状態にする。
次に、上記構成のスロットマシン10の作用について、図8のフローチャートを用いて説明を行う。CPU31aは、クレジット記憶部62に記憶されたメダル枚数が40枚に達したことを契機に、ソレノイド55への通電の停止及び通電開始を2回行う。これにより、駆動鉄板55bは、開放位置と閉鎖位置との間で2回(複数回)往復移動する。遊技停止部63は、ソレノイド55への通電の停止及び通電開始を2回行った際に、その2回の全ての回において駆動鉄板センサ56からCPU31aに駆動オン信号が入力されない場合には、ゴト具がメダル投入口21から挿入されていると判断し、CPU31aに遊技停止信号を送る。CPU31aは、遊技停止信号が入力されたことに応答して、ソレノイド55への通電を停止して駆動鉄板55bが閉鎖位置に移動させるとともに、エラーコード表示装置66に遊技停止状態である旨のエラーコードを表示する。さらに、CPU31aは、遊技停止信号が入力されたことに応答して、スロットマシン10を遊技不能な状態にする。この遊技不能な状態を解除するには、解除スイッチ38を押下操作する。解除スイッチ38を操作すると、CPU31aに遊技停止解除信号が入力される。CPU31aは、遊技停止解除信号が入力されたことに応答して、ソレノイド55への通電を開始して駆動鉄板55bを開放位置に移動させ、エラーコード表示装置66のエラーコード表示を停止するとともに、遊技停止状態を解除してスロットマシン10を遊技可能な状態にする。
このように、クレジット記憶部62に記憶されたメダル枚数が40枚に達したことを契機に、ソレノイド55への通電停止及び通電開始を2回行い、その2回の全ての回において駆動鉄板センサ56からCPU31aに駆動オン信号が入力されない場合には、ソレノイド55への通電を停止して駆動鉄板55bを閉鎖位置に移動させるから、ゴト具をメダル投入口21から挿入された場合に、クレジット記憶部62に記憶されたメダル枚数が40枚に達したときには、駆動鉄板55bによりゴト具を保持させ証拠隠蔽を防ぐことができ、不正行為による被害を確実に軽減することができる。さらには、駆動鉄板55bを開放位置から閉鎖位置に移動させたときに、駆動鉄板55bの移動範囲をメダル30が流下している場合には、前記2回のうちの1回は、駆動鉄板センサ56は駆動オン信号を出力しない(駆動鉄板55bが閉鎖位置に位置することを検出しない)が、残りの1回では、確実に駆動鉄板センサ56は駆動オン信号を出力するため、通常の遊技に影響を与えることなく、不正行為による被害を確実に軽減することができる。
また、CPU31aは5分毎に、ROM31bに記憶された5パターン(10枚、20枚、30枚、40枚、50枚)の中から、ランダムに1パターンを引き出して、予め設定された枚数として用いるから、駆動鉄板55bを移動させる契機を、ゴト行為を行う者に把握されることを防ぐことができる。
さらに、ソレノイド55への通電停止を解除するための解除スイッチ38を、筐体13内部に配設された電源ボックス33に設けたから、不正行為を行う者は解除スイッチ38を操作することができない。これにより、ゴト具の証拠隠滅を確実に防ぐことができる。
また、クレジット記憶部62に記憶されたメダル枚数が40枚に達したことを契機に、ソレノイド55への通電の停止及び通電開始を2回行い、その2回の全ての回において駆動鉄板センサ56からCPU31aに駆動オン信号が入力されない場合には、エラーコード表示装置66に遊技停止状態である旨のエラーコードを表示するから、遊技場の管理者は、スロットマシン10がエラー状態であることを容易に判断することができる。また、エラーコード表示装置66にエラーコードが表示された場合には、解除スイッチ38を操作しない限りは、表示を停止することができないため、遊技場の管理者は、スロットマシン10がエラー状態であることを確実に判断することができる。
さらに、クレジット記憶部62に記憶されたメダル枚数が40枚に達したことを契機に、ソレノイド55への通電の停止及び通電開始を2回行い、その2回の全ての回において駆動鉄板センサ56からCPU31aに駆動オン信号が入力されない場合には、スロットマシン10を遊技不能な状態にするから、不正行為による被害を軽減することができる。また、スロットマシン10が遊技不能な状態にされた場合には、解除スイッチ38を操作しない限りは、遊技不能な状態を解除することができないため、遊技場の管理者は、スロットマシン10が遊技不能な状態であることを確実に判断することができる。
なお、上記実施形態では、ソレノイド55によりシャッタとしての駆動鉄板55bを移動させたが、これに限定されることなく、メダル30が流下する方向と交錯する方向に移動可能に設けられたシャッタを、第1メダル通路(流下通路)51を閉鎖する閉鎖位置と開放する開放位置との間で移動させることができればよく、例えば、モータと、モータの駆動により移動する移動レバーとを設け、モータの駆動により移動レバーを閉鎖位置と開放位置との間で移動させるようにしてもよい。
また、上記実施形態では、CPU31aは5分毎に、ROM31bに予め設定された枚数として記憶された5パターン(10枚、20枚、30枚、40枚、50枚)の中から、ランダムに1パターンを引き出して、予め設定された枚数として用いたが、この時間は5分に限定されることなく、適宜変更可能である。