以下、本発明の第1の実施形態を図面を参照して説明する。図1に示すように、スロットマシン10の前面には、表示窓11が設けられた前面扉12が設けられている。表示窓11の奥には、第1〜第3リール13a〜13cが回転自在に組み込まれたリールユニット26(図2参照)が配設されている。表示窓11の下方の部分には、MAXベットボタン15、1ベットボタン16、ストップボタン17a〜17c、スタートレバー18、ペイアウトボタン19等の各種の操作ボタンの他に、メダル29(図2参照)を投入するメダル投入口20が設けられている。なお、上記操作ボタンの機能については周知であるため、説明を省略する。前面扉12の下部には、スロットマシン10で遊技を行って当選役が入賞した場合に、メダル29の払い出しを行うためのメダル払出し口22及びメダル受け皿23と、遊技中に音楽や音声を発するスピーカ24が設けられている。
第1〜第3リール13a〜13cの外周には複数種類の絵柄が一定ピッチで配列され、第1〜第3リール13a〜13cが停止した状態では、表示窓11を通して1リール当たり3個の絵柄が観察可能となる。これにより、各リールの絵柄を1個ずつ組み合わせた直線状の入賞有効ラインが横3本、斜め2本の合計5本が設定される。遊技開始に先立ってメダル投入口20から1枚のメダル29を投入したときには、中央横1本の入賞有効ラインが有効化され、2枚では横3本、3枚ではさらに斜め2本を加えた5本の入賞有効ラインが有効化される。
スロットマシン10では50枚を限度に適正なメダル29(図2参照)をクレジット(貯留)することが可能になっている。表示窓の下方には貯留されているメダルの枚数が表示されるクレジット枚数表示窓13が設けられている。クレジット枚数表示窓13の奥には、クレジット枚数表示窓13を通してクレジットされているメダル29の枚数を表示させるクレジット枚数表示装置67(図6参照)が設けられている。クレジットされるメダル29の最大枚数は50枚であるので、クレジット枚数表示窓13には0〜50の数値が表示されるようになっている。クレジット枚数表示窓13の側方にはエラー表示窓14が設けられている。エラー表示窓14の奥には、エラー表示窓14を通してエラーコードを表示させるエラーコード表示装置68(図6参照)が設けられている。機械動作、遊技動作に異常がある場合等には、エラー表示窓14を通して異常に応じたエラーコードが表示されるようになっている。
図2に示すように、筐体10a内には、後述するCPU61(図6参照)が組み込まれているメイン基板25、リールユニット26、電源ボックス27、貯留タンク28等が設けられている。メイン基板25は、透明なプラスチックで形成された基板ケースに封入されて開放不能となっている。これにより、メイン基板25に不正な改造が施されることを防止している。リールユニット26は、第1〜第3リール13a〜13cと図示しない各リールに対応したステッピングモータ、バックランプ、第1〜第3リール13a〜13cの回転角を検出するフォトセンサ等が組み込まれて構成されている。バックランプは第1〜第3リール13a〜13cの内側で、縦方向に3個ずつ配置されており、遊技を行った結果、入賞有効ライン上に当選絵柄が3つ並んで、ビックボーナス(BB)又はレギュラーボーナス(RB)が入賞した場合には、表示窓11に停止表示された当選絵柄を予め設定された特定のパターンで点灯、消灯、点滅させ、遊技者にBB又はRBに当選したことを報知する。なお、バックランプの照明による報知は、BB又はRB以外の当選役が当選されたことの報知や特定の当選役に当選した可能性を示唆する報知などを行うようにしてもよい。
電源ボックス27には、電源スイッチ30、設定変更スイッチ31が設けられている。電源スイッチ30は、スロットマシン10の電源のオン/オフが行われ、設定変更スイッチ31は、6段階のペイアウト率が設定されており、1プッシュごとに順次に可変される。
貯留タンク28では、メダル投入口20から投入されたメダルが貯留される。さらに、遊技を行ってメダルの払い出しを伴う当選役が入賞した場合には、ホッパー装置32が駆動されて、当選役の種類に応じた枚数のメダル29がメダル出口28aから払出し口22に送り出され、受け皿23にメダル29が払い出される。さらに、前面扉12の裏には、メダル投入口20の下方にメダルセレクタ33及びメダル案内部材34が設けられている。メダルセレクタ33には通路カバー35が取り付けられている。
図3に示すように、メダルセレクタ33は、本体基部40、振分装置41、メダル通過検出センサ(メダル検出手段)42から構成されている。本体基部40は樹脂で形成されている。本体基部40には、メダル29の直径よりも幅がやや広い溝からなる第1メダル通路(案内通路)44が形成されている。第1メダル通路44は、メダル投入口20から投入されたメダル29の周縁の接触面となりメダル29を流下させる台座部44cと、台座部44cに立設している本体基部40の壁部44dと、この壁部44dに対向するように台座部44cに立設しているガイドレール44eとから構成されている。なお、本体基部40は、図中矢印Dに示す方向にやや傾くように前面扉12に取り付けられているため、流下するメダル29はガイドレール44eの方向に自重がかかるように構成されている。
メダルセレクタ33が前面扉12に取り付けられると、第1メダル通路44のメダル入口44aはメダル投入口20と連通するようになっており、メダル投入口20から投入されたメダル29はメダル入口44aから第1メダル通路44内に侵入する。第1メダル通路44は、略L字形に屈曲するように形成されており、メダル入口44aから第1メダル通路44に侵入したメダル29は、第1メダル通路44の屈曲した部分を通過すると、その進行方向がメダル29が第1メダル通路44内に侵入した方向(図中矢印Aに示す方向)と略直交した方向(図中矢印Bに示す方向)に変化するようになっている。
壁部44dで、メダル入口44aから見て第1メダル通路44の屈曲した部分よりも下流側の第1メダル通路44(図中矢印Bに示す方向にメダル29が進行する部分)の上方には、振分装置取付部40bが設けられている。振分装置取付部40bは、本体基部40に形成された略矩形状で凹状の溝からなり、この溝を取り囲む壁面のうちの第1メダル通路44に臨む壁面は一部が開放されている。振分装置取付部40bには振分装置41が設けられている。
振分装置41は、本体基部40に取り付けられる取り付け板41a、取り付け板41aに図中矢印Cに示す方向に回動自在に取り付けられる回動板41b、本体基部40に取り付けられている回動板41bに励磁作用を与えるソレノイド(図示せず)及び回動板41bを付勢する捩じりバネ(図示せず)から構成されている。
取り付け板41a及び回動板41bは、金属製の薄板で形成されている。取り付け板41aは矩形状に形成されており、本体基部40の振分装置取付部40bの取付面40cと直交して突出するように本体基部40に取り付けられている。回動板41bは略T字状に形成されており、取り付け板41aの突出方向と直交して振分装置取付部40bの取付面40c、及び壁部44dと対面するように取り付け板41aに回動自在に取り付けられている。回動板41bが取り付け板41aに取り付けられると、回動板41bの幅が広い部分であるメダル振り分け部41cの一部は、壁部44dと対向して突出し、振分装置取付部40bの前述した開放部分から第1メダル通路44内に侵入した後述する通過位置と、第1メダル通路44内に侵入しない後述する排出位置とに電気的な制御によって変位自在な状態となる。また、メダル振り分け部41cが第1メダル通路44内に侵入した状態では、メダル振り分け部41cの端縁と、台座部44cとの距離が、メダル29の直径よりも小さくなるように、回動板41bは取り付けられている。これにより、メダル振り分け部41cは、台座部44cの上を転動するメダル29の径方向上部面と接触してメダル29を支持することができるように配置され、投入されたメダル29は下流に位置する貯留タンク28へと案内される。
また、回動板41bは、前述したソレノイドの励磁作用とバネの復元力によって、取り付け板41bとの取付部分に設けられた軸を支点に、メダル29の通過を可能にする通過位置と、メダル振り分け部41cがメダル29の径方向上部面の支持を中止し、第1メダル通路44からメダル29を図中矢印Dに示す方向に落下させる排出位置との間で回動される。
メダル29が投入されると、前述したソレノイドによる励磁作用が働くことで、回動板41bは第1メダル通路44の壁部44dに向かう方向に付勢されて通過位置にセットされる。これにより、メダル29が正規の大きさであれば、回動板41bのメダル振り分け部41cによってメダル29の転動方向が図中矢印B方向に規制されるので、メダル29は第1メダル通路44を通過する。
図2に示すように、通路カバー35の第1メダル通路44の回動板41bが設けられている箇所には切り欠き35aが形成されている。この切り欠き35aから正規の大きさでないメダル29が払出しシュート36に排出される。メダル29が貯留されている枚数が上限枚数である50枚に達している場合や、遊技を行っている最中(スタートレバー18を操作して第1〜第3リール13a〜13cが回転してから、全ての第1〜第3リール13a〜13cが停止されるまでの状態)、メダル通過センサ42やメダルの材質または大きさ等の検知で不正なメダル29であると判断された場合などには、前述したソレノイドの励磁作用が断たれ、回動板41bはバネの復元力によってメダル29の径方向上部面を支持する通過位置からメダル29の径方向上部面を支持しない排出位置にセットされる。これにより支えを失った不正なメダル29が、通路カバー35の切り欠き35aから図3及び図4の矢印Dに示す本体基部40を傾斜させて取り付ける方向に落下して、払出しシュート36を介して払出し口22から払い出される。
なお、第1メダル通路44の回動板41bが設けられている箇所以外の部分は、通路カバー35によって塞がれている。そのため、第1メダル通路44の回動板41bが設けられている箇所以外の部分では投入されたメダル29が第1メダル通路44から脱落することはない。
メダル通過センサ42は、第1メダル通路44の振分装置41が設置されている箇所よりも下流側に設けられており、第1メダル通路44を転動してきたメダル29を検出する。
メダル通過センサ42は、第1メダルセンサ42a及び第2メダルセンサ42bから構成されている。第1及び第2メダルセンサ42a,42bは、例えば、投光部と受光部とを一体に備えた反射型の光電センサであって、第1メダル通路44の壁部44dに取り付けられている。第1及び第2メダルセンサ42a,42bは、メダル29の進行方向に沿って上流側に第1メダルセンサ42a、下流側に第2メダルセンサ42bが配置されている。
メダル29が、第1メダルセンサ42aや第2メダルセンサ42bを通過した場合(メダル29が、第1メダルセンサ42aや第2メダルセンサ42bの投光部の光路を遮蔽した状態)には、各センサの投光部から投光した光がメダル29で反射し、反射した光が受光部で受光され、各センサはオンとなる。これにより、メダル29の検出が開始される。また、メダル29が、第1メダルセンサ42aや第2メダルセンサ42bを通過していない場合(メダル29が第1メダルセンサ42aや第2メダルセンサ42bの投光部の光路を遮蔽していない状態)には、各センサの投光部から投光した光が反射されないため、各センサはオフとなる。これにより、メダル29の検出が終了される。
第1及び第2メダルセンサ42a,42bの配置についてさらに具体的に説明すると、第1及び第2メダルセンサ42a,42bは、メダル29が第1メダル通路44を転動する際に、必ず第1及び第2メダルセンサ42a,42bによりメダル29を順次に検出できる間隔となるように配置されており、さらに、メダル29が連続投入(複数枚のメダル29が連なって第1メダル通路44を通過するようにメダル投入口20からメダル29が投入された状態)された場合にも、1枚のメダル29を第1及び第2メダルセンサ42a,42bで順次に検出した後に、必ず第1及び第2メダルセンサ42a,42bが一度はオフになってから次のメダル29を検出できるような位置に配置されている。つまり、図10に示すように、壁部44dに設けられる第1及び第2メダルセンサ42a,42bは、流下する複数のメダル29の周面が互いに接触して連なった際のメダル29の直径高さ内の上下に生じる隙間部44jに収まるように配置され、第1及び第2メダルセンサ42a,42bが一度に2枚以上のメダル29を検出しないようにしている。
従って、メダル29の通過に要する予め定められた時間内において、第1メダルセンサ42a、第2メダルセンサ42bの順にメダル29の検出が行われずに、検出される順番が逆になっている場合には、メダル29の流下方向と逆流していることとなるため、エラーであると判断することができる。
なお、本実施形態では第1及び第2メダルセンサ42a,42bを反射型の光電センサとしたが、これに限らず、投光部と受光部とを対向して配置し、投光部からの光を受光部に当てて、該光を遮断することによりメダルを検出させる透過型の光電センサを用いても良い。
メダルセレクタ33の側方には、メダル案内部材34が隣接して配置されている。第1メダル通路44を転動してきたメダル29はメダル案内部材34によって貯留タンク28に導かれる。
メダル案内部材34にはその断面を略コの字形状とした溝からなる第2メダル通路51が形成されている。第2メダル通路51は第1メダル通路44とともに案内通路を構成する。メダル案内部材34はメダルセレクタ33に隣接して配置されているため、第2メダル通路51は第1メダル通路44と連通する。このため、第1メダル通路44を転動してきたメダル29は第2メダル通路51に進入する。
メダル案内部材34は第1メダル通路44内を図中矢印B方向に転動するメダル29が第2メダル通路51でスロットマシン10の背面側に向かう方向(図中矢印E方向)に進行方向を変更するように、屈曲して形成されている。そして、前面扉12が閉じられると、第2メダル通路51のメダル出口51aは貯留タンク28の上方に位置するようにメダル案内部材34の長さが設定されている。また、第2メダル通路51は第1メダル通路44からメダル29が侵入する方の端部からメダル出口51aにかけて下方に傾斜しており、第1メダル通路44から第2メダル通路51に侵入したメダル29はその傾斜によって第2メダル通路51を転動する。
図3〜図5に示すように、第1メダル通路44の壁部44dの、振分装置41と第1メダルセンサ42aとの間には、貫通孔(孔部)44fが形成されている。図4に示すように、貫通孔44fの上流側の縁には回動片(移動部材)52が設けられている。回動片52は、軸部52aにより貫通孔44fの縁に回動自在に軸着されている。
回動片52は、軸部52aを中心にして、貫通孔44fから第1メダル通路44の内側方向に突出している第1可動部52bと、第1可動部52bと一体に形成されており、貫通孔44fから第1メダル通路44の壁部44dの裏面部44gに突出している第2可動部52cと、第2可動部52cの先端に形成されているアルミニウム製の反射板52dとから構成されている。なお、反射板52dは、アルミニウム製に限定する必要はなく、後述する第2可動部センサ54の投光部からの光を反射させることができる素材で形成されていれば良い。
第1可動部52bは、貫通孔44fから第1メダル通路44の内側方向に突出し、第1メダル通路44を図中矢印方向に流下するメダル29と接触する第1位置と、第1メダル通路44を流下するメダル29と接触することにより、図5に示すように、第1位置から第1メダル通路44の外側方向に退避する第2位置との間で移動自在となっている。第1可動部52bが第1位置から第2位置に変位すると、これに伴って第2可動部52cが裏面部44gで反時計周りに移動する。第2可動部52cが移動すると、後述する第2可動部センサ54の投光部の光路が反射板52dで遮蔽される。
貫通孔44fの縁で、回動片52が設けられている箇所とは反対側の箇所には、回動片52の第1可動部52bを第1メダル通路44の内側方向に付勢する棒状の付勢部材53が設けられている。付勢部材53の端部には回動軸53aが設けられている。この回動軸53aは貫通孔44fの縁で、壁部44dの裏面部44g寄りに配置され、貫通孔44fの縁に設けられた図示しない軸穴に嵌入されている。このように付勢部材53は回動軸53aを中心に回動自在となっている。回動軸53aには捩じりバネ55が取り付けられている。捩じりバネ55は、その輪の部分を回動軸53aに挿入し、一端を壁部44dに固着し、他端を付勢部材53に形成された突起53bに当接させる。これにより付勢部材53には回動軸53aを中心に反時計方向に付勢力が働く。付勢部材53の回動軸53aが設けられている端部とは反対側の端部は第1可動部52bに当接している。このようにして第1可動部52bは付勢部材53により常に第2位置から第1位置に向けて付勢される。また、貫通孔44fは回動片52と付勢部材53とにより塞がれる。
第1メダル通路44の壁部44dの裏面部44g側には第2可動部52cの移動を検出するための第2可動部センサ(第2可動部検出手段)54が設けられている。第2可動部センサ54は、受光素子からなる受光部と、発光素子からなる投光部とを一体に備えた反射型の光電センサである。
図4に示すように、メダル29がまだ回動片52の第1可動部52bに接触していない状態では、第1可動部52bは付勢部材53から受ける付勢力によって、第1メダル通路44の内側方向に突出させた第1位置にある。このとき第2可動部センサ54の投光部から発せられる光は受光部で受光されないので、第2可動部センサ54はOFF状態になっている。
図5に示すように、メダル29が回動片52の第1可動部52bに接触した場合、第1可動部52bは第1メダル通路44を流下するメダル29によって上方に押され、第1位置から第2位置に回動する。第1可動部52bが第1位置から第2位置に移動すると、これに伴って第2可動部52cが反時計周りに回動する。第2可動部52cが回動して、第2可動部センサ54の投光部の光路が第2可動部52cの反射板52dによって遮蔽されると、投光部で発光された光が反射板52dで反射する。反射光が受光部で受光されると第2可動部センサ54はON状態となる。
メダル29が第1メダル通路44の回動片52が設置されている箇所を通過し終わると、回動片52は付勢部材53から受ける付勢力によって時計周りに回動し、図4に示すように、第2位置にあった第1可動部52bが第1位置に戻る。なお、付勢部材53の付勢力、すなわち、付勢部材53に取り付けられている捩じりバネ55から得られる付勢力は、投入されたメダル29によって回動片52を第1位置から第2位置に回動させることができ、メダル29が第1メダル通路44を通過後には素早く回動片52の第1可動部52bを第2位置から第1位置に回動させる強さを有している。また、第2可動部センサ54は、メダル投入口20から薄いセルロイド板などが挿入されて、回動片52を第1位置から第2位置に僅かに回動させても、第2可動部52cの移動を検出できる位置に設けられている。
上述したような構成にすることで、第1メダル通路44内で光が発せられたとしても、その光は、回動片52、付勢部材53、及び壁部44dによって遮蔽されるので第2可動部センサ54で検出されない。このように回動片53、付勢部材53、及び壁部44dは遮蔽手段として機能する。
図6に示すように、スロットマシン10には、このスロットマシン10の基本的な動作を制御する制御部60が設けられている。制御部60は、CPU61と、このCPU61が処理するデータが格納されているROM62とワークエリアとしてのRAM63、メダルカウンタ64、クレジット記憶部65、タイマ66などが設けられている。
第2可動部センサ54が第2可動部52cを検出してON状態になると、第2可動部センサ54からCPU61に第2可動部検出信号が出力される。第1及び第2メダルセンサ42a,42bが第1メダル通路44を転動するメダル29を検出すると、各センサからCPU61にメダル検出信号が出力される。第2可動部センサ54からの第2可動部検出信号、第1及び第2メダルセンサ42a,42bから後述するタイマ66によるメダル29の通過に要する予め定められた時間内にメダル検出信号が順次にCPU61に入力されると、メダルカウンタ64が作動され、投入されたメダル29の枚数を1枚ずつ計数する。CPU61は、第1及び第2メダルセンサ42a,42bで検知信号が検知された際に、メダル29を1枚計数してクレジット記憶部65に記憶させる。クレジット記憶部65に記憶されているメダル枚数は、クレジット枚数表示装置67によってクレジット枚数表示窓13を通して表示される。
このように、投入されたメダル枚数は、前記時間内における第2可動部センサ54、第1及び第2メダルセンサ42a,42bの順番で行われる検知信号の入力に基づき1枚ずつ計数され、クレジット記憶部65に加算して記憶される。また、CPU61は、MAXベットボタン15又は1ベットボタン16の押下により出力されるクレジット投入信号に基づいて、例えば、1枚から3枚のメダル29をクレジット記憶部65に記憶されたメダル枚数から減算し、減算されたメダル29をベットしてゲームを実行可能にする。
スタートレバー18が押下操作されると、CPU61に遊技の開始を示す遊技開始信号が出力される。これに応答してこれに応答してCPU61はリール駆動コントローラ70を作動し、リールユニット26の第1〜第3リール13a〜13cを回転させることで遊技を開始する。遊技者がストップボタン17a〜17cを押下すると、CPU61及びリール駆動コントローラ70は第1〜第3リール13a〜13cの停止制御を行う。
ペイアウトボタン19は、クレジット記憶部65に記憶されたメダル29を払い出すものである。メダルカウンタ64で計数され、クレジット記憶部65にメダル29が記憶されている状態で、ペイアウトボタン19が押下されると、CPU61は払出し部71に信号を送り、クレジット記憶部65に記憶されているメダル枚数に応じた貯留メダルが、すべて貯留タンク28からホッパー装置32によって払出し口22に払い出される。
タイマ66は、第2可動部センサ54が第2可動部52cを継続して検出している時間を計測するためのものである。第2可動部52cが第2可動部センサ54によって検出されると、第2可動部センサ54が第2可動部52cを検出している間、継続してCPU61に第2可動部検出信号が出力される。CPU61はタイマ66に第2可動部検出信号が継続して出力されている時間を計測させる。第2可動部センサ54がOFF状態になると、第2可動部センサ54は第2可動部検出信号の出力を停止する。第2可動部検出信号の出力が停止されると、CPU61はタイマ66の計時を停止させてリセットを行う。
CPU61では、ROM62に記憶されている予め定められた時間と、タイマ66によって計測されている時間との比較が行われ、タイマ66によって計測されている時間が予め定められた時間を経過したか否かが判定される。ROM62に記憶されている予め定められた時間としては、メダル29の連続投入を行い、連続投入されたメダル29が第1メダル通路44を通過する時間を予め計測しておき、この計測時間に基づいて決定することが好ましい。例えば、10枚のメダル29を連続して投入した時に、これらのメダル29全てが第1メダル通路44を通過するのに要する時間が1秒だとすると、1秒よりも僅かに長い時間の2〜3秒に設定すると良い。なお、本実施形態では、連続投入されたメダル29の枚数を10枚とし、これら全てが第1メダル通路44を通過するのに要する時間を1秒としたが、連続投入されるメダル29の枚数や第1メダル通路44を通過するのに要する時間は適宜に決定され、これに限定されるものではない。
CPU61が、タイマ66によって計測されている時間が予め定められた時間を経過していないと判定した場合、正規にメダル29が投入されたとして、CPU61はゲームの実行を可能にする処理を行う。また、CPU61が、タイマ66によって計測されている時間が予め定められた時間を経過したと判定した場合、メダル投入口20から正規にメダル29が投入された場合とは異なり、セルロイド板などの不正器具が第1メダル通路44内に侵入している可能性があるとして、CPU61はエラー処理を行う。具体的には、CPU61からスピーカ24及びエラー表示装置68に異常信号が出力される。この異常信号を受けて、スピーカ24は警告音を発し、エラー表示装置は不正行為が行われている可能性があることを報知するエラーコードをエラー表示窓14を通して表示させる。さらに、CPU61は、ホッパー装置32の動作を停止させるとともに、メダル29のベットを不能にして遊技を強制的に中止させる。
なお、遊技を中止させた後、再び遊技の実行を可能にするためのリセットボタン(不図示)は、筺体10aの奥に設置されており、リセットボタンを操作しない限り、遊技の有効化が行われないようになっている。
次に、上記構成によるスロットマシン10の作用について説明する。メダル投入口20からメダル29が投入され、貯留タンク28に案内される際に、第1メダル通路44を通過するメダル29が、第1メダル通路44内に突出している回動片52の第1可動部52bに接触し、第1可動部52bが第1位置から第2位置に回動する。この回動に伴って第2可動部52cが回動する。第2可動部52cが回動すると、第2可動部センサ54が第2可動部52cを検出する。第2可動部52cを検出すると第2可動部センサ54はCPU61に第2可動部検出信号を出力する。第1及び第2メダルセンサ42a、42bがそれぞれメダル29を検出するとメダル検出信号をCPU61に出力する。第2可動部検出信号及びメダル検出信号が、予め定められた順番でメダル29の通過に要する時間内にCPU61に入力されると、メダルカウンタ64によって1枚のメダル29が投入されたとカウントされる。カウントされたメダル29の枚数はクレジット枚数表示装置67によってクレジット枚数表示窓13に表示される。
メダル投入口20から赤外光LEDを搭載したフレキシブル基板(不図示)をメダル投入口20から挿入して第1メダル通路44内で赤外光LEDを発光させた場合、第2可動部センサ54は第1メダル通路44の壁部44dの裏面部44gに設置されており、さらに、貫通孔44fが回動片52と付勢部材53とにより常に塞がれているため、第1メダル通路44内で赤外光LEDから発せられた光は壁部44d、回動片52、及び付勢部材53で完全に遮断される。よって、仮に第1及び第2メダルセンサ42a、42bが第1メダル通路44内で発せられた光を検出したとしても、第2可動部センサ54では第1メダル通路44内で発せられた光が検出されないので、メダル29のカウントは行われない。つまり、第1及び第2メダルセンサ42a、42bからCPU61にメダル検出信号が入力されても、第2可動部センサ54からCPU61に第2可動部検出信号が入力されないので、メダルカウンタ64は作動されない。このようにして第1メダル通路44内に発光体を侵入させてその発光体を発光させることで、あたかもメダル29が第1メダル通路44を通過したかのようにメダルセンサを誤認識させるといった不正行為を確実に防止することができる。
図7のフローチャートに示すように、メダル投入口20からメダル29が投入されると、第2可動部センサ54がONとなり、第2可動部センサ54から第2可動部検出信号が出力される。第2可動部センサ54から第2可動部検出信号が出力され続けている間、CPU61はタイマ66に計時を行わせる。CPU61は、タイマ66による継続時間と予め定められた時間との比較を行い、タイマ66による継続時間が予め定められた時間を経過したか否かを判定する。タイマ66による継続時間が予め定められた時間を経過しなかった場合、CPU61は正規のメダル29であると判定し、タイマ66の計時を停止するとともにタイマ66をリセットする。タイマ66による継続時間が予め定められた時間を経過した場合、CPU61は第1メダル通路44に不正行為を行うための道具が挿入されている可能性があると判定し、スピーカ24から警告音を発生させ、エラ−コード表示装置68から不正行為が行われている可能性があることを報知するエラーコードをエラー表示窓14を通して表示させる。さらに、遊技を強制的に中止させる。なお、筺体10aの奥に設置されているリセットボタンを操作することにより、遊技が有効化され、再び遊技を行うことができるようになる。
このように、第2可動部センサ54によって第2可動部52cが検出されている時間を計測し、この時間が予め定められた時間を経過したか否かを判定することにより、メダル投入口20から投入されたものが正規のメダル29であるか、あるいは第1メダル通路44内に正規のメダル29以外のもの、例えば、セルロイド板や、上述したフレキシブル基板などの不正行為に用いられる道具であるかを判別できるようにし、正規のメダル29以外のものであった場合には報知するようにしたので、メダル投入口20からセルロイド板や上述したフレキシブル基板などを挿入して行う不正行為を確実に防止することができる。
上記実施形態では、第1メダル通路44の壁部44dの裏面部44gに第2可動部センサ54を設置したが、台座部44cに回動片を設け、台座部44cの裏面部に第2可動部センサ54を設置しても良く、第2可動部センサ54は、第1メダル通路44内で発せられた光が届かない位置に設けられていれば良い。
上記実施形態では、第2可動部センサ54を1つ設けたが、これに限ることなく、第2可動部センサ54を第1メダル通路44の上流側から下流側にかけた方向や、メダル29が第1メダル通路44を流下する方向と直交する方向に複数設けても良い。例えば、図8に示すように、壁部44dに形成されている貫通孔44fの真下に貫通孔44fと同様の貫通孔hを形成し、貫通孔hから回動片52と同様の構成をした回動片72の第1可動部72aを突出させる。壁部44dの裏面部44gに、回動片72の第1可動部72aの回動に伴って回動する回動片72の第2可動部(不図示)を検出する第2可動部センサ(不図示)を設ける。これにより、メダル投入口20からセルロイド板を挿入して、セルロイド板を第1メダル通路44内で動かして各センサを誤認識させるといった行為を行おうとした場合には、第1及び第2メダルセンサ42a、42bを誤認識させる操作に加え、回動片52、72を動かし、2つの第2可動部センサを誤認識させる操作を行わなければならず、セルロイド板の操作が非常に複雑になる。よって、セルロイド板を動かすことにより各センサを誤認識させるといった不正行為を抑止することができる。
上記実施形態では、回動片52を回動させることで第1メダル通路44を流下するメダル29や、セルロイド板などのメダル29以外の異物を検出し、また、回動片52と付勢部材53とで貫通孔44fを塞ぐようにしたが、図9に示すように、貫通孔44fを常に塞ぎ、且つメダル29が接触することにより貫通孔44f内で上下に移動する移動部材73を用いても良い。以下、移動部材73を用いた第2の実施形態を図9を参照しながら説明する。上記実施形態のものと同様の構成部材には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
壁部44dには貫通孔44iが形成されている。壁部44dの裏面部44g側の面には、移動部材73を支持するための支持板74が貫通孔44iを覆うように固着されている。支持板74には後述する移動部材73の軸部73bが挿通される軸孔74aが形成されている。移動部材73は第1可動部73aと、軸部73bと、第2可動部73cとから構成されている。軸部73bの一端には第2可動部73cが一体に形成されている。軸部7bの他端には第1可動部73aが後付けされる。
第2可動部73cはアルミニウム製の反射板73dと、この反射板73dの外周に形成されたフランジ73eとから構成されている。裏面部44g側から軸部73bが軸孔74aに挿通されるとフランジ73eが支持板74で係止され、第2可動部73cが裏面部44gに、軸部73bが貫通孔44i内に保持される状態となる。軸孔74aからメダル29が通過する第1メダル通路44内部側へと突出する軸部73bにはコイルバネ75が挿入される。
第1可動部73aは貫通孔44iよりもやや小さく形成されており、断面が台形状になっている。第1可動部73aは、第1可動部73aの傾斜面73fが貫通孔44iから第1メダル通路44内を流下するメダルと対向して突出するように、軸部73bの第1メダル通路44側の端部に固着される。第1可動部73aが軸部73bに取り付けられると貫通孔44iは第1可動部73aによって塞がれる。コイルバネ75は支持板74と第1可動部73aとで貫通孔44iに閉じ込められた状態となる。このように構成されることで、第1可動部73aは、第1メダル通路44を流下するメダル29と接触する第1位置と、第1位置から貫通孔44i内に退避する第2位置との間で移動自在となる。第1可動部73aの移動に伴って第2可動部73cも移動する。
メダル29が第1メダル通路44を通過する際に、第1可動部73aに接触すると、第1可動部73aは、コイルバネ75から受ける付勢に抗して貫通孔44iの縁に摺接しながら第1位置から第2位置(図中矢印α方向)に移動する。第1可動部73aが第1位置から第2位置に移動すると、この移動に伴って第2可動部73cは裏面部44g方向に移動し、反射板73dで裏面部44gに設置されている第2可動部センサ54の投光部から発せられている光を反射する。第2可動部センサ54の受光部が反射板73dで反射した光を受光するとOFF状態にあった第2可動部センサ54がON状態になる。メダル29が、第1メダル通路44の移動部材73が設置されている箇所を通過し終わると、コイルバネ75の付勢力を受けて第1可動部73aが第2位置から第1位置(矢印α方向とは反対方向)に、第2可動部73cは第1メダル通路44の内部側の方向に移動する。これにより、反射板73dで遮蔽されていた第2可動部センサ54の投光部の光路が開放され、ON状態にあった第2可動部センサ54がOFF状態となる。
また、第1可動部73aが常に貫通孔44iを塞いでいるので、第1メダル通路44内にLEDなどの発光体を侵入させて、その発光体を発光させても光が壁部44dや第1可動部73aで遮断されるので、裏面部44gに設置されている第2可動部センサ54を誤認識させるといった不正行為を行うことができなくなる。また、上述したメダル検出装置を用いた場合、第1の実施形態の構成と置換したり、または組み合わせたりすることができる。
上記実施形態では、振分装置41のソレノイドの励磁作用を断つことで、メダル29を第1メダル通路44から脱落させるようにしたが、メダル29の流下する方向と直交する方向に遮断部材を出没自在に設け、メダル29を貯留タンク28へ案内させることを遮断部材によって禁止するようにしても良い。遮断部材は、振分装置41のソレノイドと同期して駆動するように制御されているソレノイドの駆動鉄芯で構成することが好ましい。この場合、遮断部材として機能する駆動鉄芯を備えたソレノイドを裏面部44gに設け、ソレノイドの励磁作用とバネの復元力によって、駆動鉄芯が壁部44dを介して裏面部44gと第1メダル通路44内との間で移動自在となるように構成する。このように構成することで、振分装置41によって第1メダル通路44から脱落させることができなかったメダル29を駆動鉄芯に衝突させ、第1メダル通路44から確実に脱落させることができるようになる。なお、回動片52や移動部材73の可動を禁止して保持する保持機構を設けて、検知センサをブロッカーとして機能させるようにしても良い。