図1に示すように、本発明を実施したスロットマシン(遊技機)10の前面には、表示窓11が設けられた前面扉12が設けられている。表示窓11の奥には、第1〜第3リール13a〜13cが回転自在に組み込まれたリールユニット26が配設されている(図2参照)。表示窓11の下方の部分には、MAXベットボタン15、1ベットボタン16、ストップボタン17a〜17c、スタートレバー18、ペイアウトボタン19等の各種の操作ボタンの他に、メダルを投入するメダル投入口20が設けられている。なお、上記操作ボタンの機能については周知であるため、説明を省略する。前面扉12の下部には、スロットマシン10で遊技を行って当選役が入賞した場合に、メダルの払い出しを行うためのメダル払出し口22及びメダル受け皿23と、遊技中に音楽や音声を発するスピーカ24が設けられている。
第1〜第3リール13a〜13cの外周には複数種類の絵柄が一定ピッチで配列され、第1〜第3リール13a〜13cが停止した状態では、表示窓11を通して1リール当たり3個の絵柄が観察可能となる。これにより、各リールの絵柄を1個ずつ組み合わせた直線状の入賞有効ラインが横3本、斜め2本の合計5本が設定される。遊技開始に先立ってメダル投入口20から1枚のメダルを投入したときには、中央横1本の入賞有効ラインが有効化され、2枚では横3本、3枚ではさらに斜め2本を加えた5本の入賞有効ラインが有効化される。また、メダルは50枚を限度にクレジット(貯留)することが可能になっている。
図2に示すように、筐体10a内には、メイン基板25、リールユニット26、電源ボックス27、貯留タンク28等が設けられている。メイン基板25は、透明なプラスチックで形成された基板ケースに封入されて開放不能となっている。これにより、メイン基板25に不正な改造が施されることを防止している。リールユニット26は、第1〜第3リール13a〜13cと図示しない各リールに対応したステッピングモータ、バックランプ、第1〜第3リール13a〜13cの回転角を検出するフォトセンサ等が組み込まれて構成されている。バックランプは第1〜第3リール13a〜13cの内側で、縦方向に3個ずつ配置されており、遊技を行った結果、入賞有効ライン上に当選絵柄が3つ並んで、ビックボーナス(BB)又はレギュラーボーナス(RB)が入賞した場合には、表示窓11に停止表示された当選絵柄を予め設定された特定のパターンで点灯、消灯、点滅させ、遊技者にBB又はRBに当選したことを報知する。なお、バックランプの照明による報知は、BB又はRB以外の当選役が当選されたことの報知や特定の当選役に当選した可能性を示唆する報知などを行うようにしてもよい。
電源ボックス27には、電源スイッチ30、設定変更ボタン31が設けられている。電源スイッチ30は、スロットマシン10の電源のオン/オフが行われ、設定変更ボタン31は、6段階のペイアウト率が設定されており、1プッシュごとに順次に可変される。
貯留タンク28では、メダル投入口20から投入されたメダルが貯留される。さらに、遊技を行ってメダルの払い出しを伴う当選役が入賞した場合には、図示しない払出しモータが駆動されて、当選役の種類に応じた枚数のメダルがメダル出口28aからメダル払出し口22に送り出され、メダルが払い出される。さらに、前面扉12の裏には、メダル投入口20の下方にメダルセレクタ32及びメダル案内部材33が設けられている。
図3に示すように、メダルセレクタ32は、本体基部40、振分装置41、上接片(第1接片)42、下接片(第2接片)43、通過検知センサ(光電検知器)44を備える。本体基部40は樹脂で形成されている。本体基部40には、導電性の部材からなるメダル45の直径よりも幅がやや広い溝からなる第1メダル通路(メダル通路)46が形成されている。メダルセレクタ32が前面扉12に取り付けられると、第1メダル通路46のメダル入口46aはメダル投入口20と連通するようになっており、メダル投入口20から投入されたメダル45はメダル入口46aから第1メダル通路46内に侵入する。第1メダル通路46は、略L字形に屈曲するように形成されており、メダル入口46aから第1メダル通路46に侵入したメダル45は、第1メダル通路46の屈曲した部分を通過すると、その進行方向がメダル45が第1メダル通路46内に侵入した方向(図中矢印Aに示す方向)と略直交した方向(図中矢印Bに示す方向)とに変化するようになっている。
本体基部40の第1メダル通路46を形成する一方の壁面で、メダル入口46aから見て第1メダル通路46の屈曲した部分よりも下流側の第1メダル通路46(図中矢印Bに示す方向にメダル45が進行する部分)の上方には、振分装置取付部40aが設けられている。振分装置取付部40aは、前記壁面の上方部に、凹状の溝空間を形成し、この溝空間に第1メダル通路46に臨むように振分装置41が設けられている。
振分装置41は、本体基部40の壁面に取り付けられる取り付け板41a、取り付け板41aに図中矢印Cに示す方向に回動自在に取り付けられる回動板41b、この回動板41bに励磁作用を与えて回動させるソレノイド(図示せず)及び回動板41bを付勢するバネ(図示せず)から構成されている。
取り付け板41a及び回動板41bは、金属製の薄板で形成されている。取り付け板41aは矩形状に形成されており、本体基部40の振分装置取付部40aの壁面と直交して突出するように本体基部40に取り付けられている。回動板41bは、下方に向かって広がる略T字状に形成されており、取り付け板41aの突出方向の先端を回動軸にして、振分装置取付部40aの壁面と対面するように取り付け板41aに取り付けられている。回動板41bが取り付け板41aに取り付けられると、回動板41bの幅が広い部分であるメダル振り分け部41cと振分装置取付部40aの壁面とによって、1枚のメダル45が通過可能な隙間を形成する。メダル振り分け部41cが、振分装置取付部40aの壁面と略平行に対峙した状態では、メダル振り分け部41cの下側端縁と第1メダル通路46の底面となるメダル45の接触面46bとの距離が、メダル45の直径よりも小さくなり、メダル45の上部を支持できるように、回動板41bが取り付けられている。
これにより、メダル45が正規の大きさの場合は、メダル振り分け部41cが第1メダル通路46におけるメダル45の転動を支持するため、メダル45は第1メダル通路46を通過可能となるが、メダル45が正規の大きさでない場合は、メダル振り分け部41cが第1メダル通路46におけるメダル45の転動を支持しないため、メダル45が図中矢印Dに示す方向に落下して図2に示す通路カバー34と本体基部40の間から払出しシュート35を介してメダル払出し口22に排出される。
また、回動板41bは、前述したソレノイドの励磁作用とバネの復元力によって、取り付け板41aの突出方向の先端を回動軸にして、メダル45の通過を可能にする通過位置(図3中の実線で示す位置)と、第1メダル通路46からメダル45を図中矢印Dに示す方向に落下させる排出位置(図3中の二点鎖線で示す位置)との間で回動される。
スロットマシン10の電源がオンされると、ソレノイドによる励磁作用が働くことで、回動板41bの回動駆動が行われて通過位置にセットされる。これにより、メダル45が正規の大きさであれば、メダル45は第1メダル通路46を通過可能となる。
また、メダル45が貯留されている枚数が貯留数上限(例えば、50枚)に達している場合や、遊技を行っている最中(スタートレバー18を操作して第1〜第3リール13a〜13cが回転してから、全ての第1〜第3リール13a〜13cが停止されるまでの状態)などにはソレノイドの励磁作用が断たれ、回動板41bはバネの復元力によって通過位置から排出位置に回動される。これにより、メダル45は、図3中矢印Dに示す方向に落下して、通路カバー34と本体基部40の間から払出しシュート35を介してメダル払出し口22から払い出される(図2参照)。なお、第1メダル通路46の回動板41bが設けられている箇所よりも上流側は、通路カバー34によって塞がれているために、投入されたメダル45が第1メダル通路46から脱落することはない。
図3及び図4に示すように、上接片(第1接片)42及び下接片(第2接片)43は、導電性を有し弾性変形する薄板金属から構成され、振分装置41よりも下流側に設けられている。本体基部40の図3における前面には、上下リブ40bが形成されている。上下リブ40bは、その前面が第1メダル通路46を形成する前面リブ40cから第1メダル通路46の上面部に亘って設けられる板状のものであり、前面リブ40cの前面と同一面となり、厚みは前面リブ40cの略半分の厚みで形成されている。上接片42は、略L字状に形成され、長い方の一辺となる上長辺部42aと、短い方の一辺となる上短辺部42bとを有する。上接片42は、上短辺部42bの端部が上下リブ40bに固定され、上長辺部42aの図3における右側端部が、第1メダル通路46を通過するメダル45の側面の上部に接触するように、配設されている。下接片43は、略L字状に形成され、長い方の一辺となる下長辺部43aと、短い方の一辺となる下短辺部43bとを有する。下接片43は、下短辺部43bの端部が本体基部40の振分装置取付部40aを有する壁面に固定され、下長辺部43aの図3における右側端部が、第1メダル通路46を通過するメダル45の側面の下部に接触するように、配設されている。
図4(A)に示すように、上接片42と下接片43とは、上長辺部42aと上短辺部42bとに屈曲される上屈曲部42cと、下長辺部43aと下短辺部43bとに屈曲される下屈曲部43cとの間隔L1が、メダル45の厚みT1よりも大きく、上長辺部42aの先端部(図4における右側端部)と、下長辺部43aの先端部(図4における右側端部)との間隔L2が、メダル45の厚みT1よりも僅かに小さくなるように設けられており、図4(B)に示すように、メダル45が上接片42及び下接片43が設けられた位置を通過するときに、メダル45の一方の側面(図4(B)中の下面)が上長辺部42aに接触するとともに、他方の側面(図4(B)中の上面)が下長辺部43aに接触する。メダル45は、勢いを持って第1メダル通路46を転動してくるため、上接片42は図4(B)中E方向に、下接片43は図4(B)中F方向に、それぞれ変形する。これにより、メダル45の通過が可能となる。上接片42と下接片43とは、弾性変形する薄板金属から構成されており、メダル45が通過したあとに、図4(C)に示すように、元の形状(間隔L2が、メダル45の厚みT1よりも僅かに小さい)に戻る。上接片42と下接片43とは、スロットマシン10の基本的な動作を制御する制御部60(図6参照)に接続ワイヤ(図示せず)を介して電気的に接続されている。導電性の部材からなるメダル45が上接片42と下接片43とに接触すると、導電性を有する上接片42と下接片43とが導通可能な状態となり、詳しくは後述するように、この導通の有無によりメダル45の通過を検知する。
図5に示すように、上接片42と下接片43とは、第1メダル通路46内の図5中の高さ方向において上下に対峙するように設けられている。図5(A)に示すように、第1メダル通路46を複数枚のメダル45が連なって通過するようにメダル投入口20からメダル45が投入された場合、先行して投入されたメダル45Aが、上接片42の上長辺部42aと下接片43の下長辺部43aとに接触し、上接片42と下接片43とが導通可能な状態となっているときには、後続して投入されたメダル45Bは、上接片42及び下接片43に接触することはない。図5(B)に示すように、先行して投入されたメダル45Aと上接片42及び下接片43との接触が終了した直後も、後続して投入されたメダル45Bは、上接片42及び下接片43に接触しない。そして、図5(C)に示すように、後続して投入されたメダル45Bと上接片42及び下接片43とが接触するときには、先行して投入されたメダル45Aは、上接片42及び下接片43に接触しない。これにより、上接片42、下接片43及びメダル通過検知部(メダル通過検知手段)66により、1枚毎のメダル45の検知を行うことができる。
図3に示すように、上接片42及び下接片43の下流側に配置される通過検知センサ(光電検知器)44は、上接片42及び下接片43を通過して転動してきたメダル45を検知する。通過検知センサ44は、第1メダルセンサ51と第2メダルセンサ52とを備え、通常時には、その機能が無効化されている。また、通過検知センサ44は、上接片42と下接片43との導通に基づくメダル通過検知部66の電流検知によるメダル45の検知が終了した後に、メダル45の検知を行う位置に配設されている。
本体基部40の振分装置取付部40aを有する壁面の下流側であってメダル45の上端部よりも高い位置の上部取付面40dには、透過型の光電センサである第1メダルセンサ51の投光部51aと、同じく透過型の光電センサである第2メダルセンサ52の投光部52aとが設けられ、上部取付面40dの下方に位置し、メダル45の上端部よりも低い位置の下部取付面40eには、第1メダルセンサ51の受光部51bと第2メダルセンサ52の受光部52bとが設けられている。さらに、投光部51a、52aに対向した位置であってメダル45に接触しない位置には、鏡53が設けられている。鏡面53aの向きは、投光部51aからの光が受光部51bで、投光部52aからの光が受光部52bで受光されるような角度に設定する。このような構成にすることで、メダル45が第1メダル通路46を通過していない場合には受光部51b、52bでは常に受光が行われており、メダル45が第1メダル通路46を通過した場合には、メダル45の径方向の面で光が遮られるので、そのときに限り受光部51b、52bでは受光が行われなくなる。受光部51b、52bで受光が行われたか否かを検知することによって、第1メダル通路46をメダル45が通過したか否かを判別することができる。
なお、第1及び第2メダルセンサ51,52は、メダル45が第1メダル通路46を転動する際に、必ず第1及び第2メダルセンサ51,52によって1枚のメダル45を同時に検知できる間隔となるように配置されており、さらに、メダル45が連続投入(複数枚のメダル45が連なって第1メダル通路46を通過するようにメダル投入口20からメダル45が投入された状態)された場合にも、1枚のメダル45を第1及び第2メダルセンサ51,52で同時に検知した後に、必ず第1及び第2メダルセンサ51,52が順次に一度はオフとなってから次のメダル45を検知できるような位置に配置されている。また、第1及び第2メダルセンサ51,52を、反射型の光電センサから構成し、メダル45が第1メダル通路46を通過したときには、投光部51aから投光された光がメダル45により反射して、受光部51bで受光され、この受光部51bでの受光によりメダル45の通過を検知するようにしてもよい。
下部取付面40eの受光部51b、52bよりも下方には、この下部取付面40eの内部に収納された収納位置(図3中の実線で示す位置)と、下部取付面40eから突出して転動してきたメダル45と衝突させることにより、メダル45を図3中矢印Dに示す方向に落下させる突出位置(図3中の点線で示す位置)との間で変位可能なブロッカー54が、組み付けられている。ブロッカー54は、図示しないソレノイドにより、収納位置と突出位置との間で変位し、通常時には収納位置に位置する。このソレノイドは、第1及び第2メダルセンサ51,52によるメダル45の検知に基づきエラーとなったときに作動され、ブロッカー54を収納位置から突出位置に変位する。これにより、メダル45を第1メダル通路46から落下させることができる。
メダルセレクタ32の下流側には、メダル案内部材33が隣接して配置されている。通過検知センサ44を通過して転動してきたメダル45はメダル案内部材33によって貯留タンク28に導かれる。
メダル案内部材33にはその断面を略コの字形状とした樋状の溝からなる第2メダル通路(メダル通路)55が形成されている。メダル案内部材33はメダルセレクタ32に隣接して配置されているため、第2メダル通路55は第1メダル通路46と連通する。このため、第1メダル通路46を転動してきたメダル45は第2メダル通路55に侵入する。
メダル案内部材33は、第1メダル通路46内を図3中矢印B方向に転動するメダル45が第2メダル通路55を転動することでスロットマシン10の背面側に向かう方向(図3中矢印G方向)に進行方向を変更するように、屈曲して形成されている。そして、前面扉12が閉じられると、第2メダル通路55のメダル出口55aが貯留タンク28の上方に位置するようにメダル案内部材33の長さが設定されている。また、第2メダル通路55は、第1メダル通路46からメダル45が侵入する方の端部からメダル出口55aにかけて下方に傾斜しており、第1メダル通路46から第2メダル通路55に侵入したメダル45はその傾斜によって第2メダル通路55を転動する。
図6はスロットマシン10の電気的構成を示すブロック図である。スロットマシン10には、このスロットマシン10の基本的な動作を制御する制御部60が設けられている。制御部60には、CPU61、CPU61が処理するデータが格納されたメモリ62、メダルカウンタ63、クレジット記憶部64、メダル通過検知部(メダル通過検知手段)66、電流供給部(電流供給手段)67、などが設けられている。メダル検知装置68は、上接片42、下接片43、通過検知センサ44、メダル通過検知部66、電流供給部67を備えた構成となっている。
上接片42は電流供給部67に接続され、下接片43はメダル通過検知部66に接続されている。電流供給部67は、CPU61からの命令によって上接片42に電流を流しており、導電性の部材からなるメダル45が上接片42の上長辺部42aと下接片43の下長辺部43aとに接触した場合、上接片42に流れる電流が、上接片42、メダル45、下接片43を介して、メダル通過検知部66に流れる。これにより、メダル通過検知部66は、電流が流れ込んできたか否かによって、メダル45の通過を検知する。そして、メダル通過検知部66は、電流が流れ込んできた(電流検知)ことに応じて、メダル検知信号をCPU61に出力する。なお、メダル45が連続投入された場合も、上接片42と下接片43との導通に基づくメダル通過検知部66の電流検知によってメダル45が1枚ずつ検知される。また、CPU61は、メダル検知信号が入力され続ける時間が予め設定した入力時間(例えば、0.5秒)を超えていないかを判定し、0.5秒を超えたことが判定された場合には、エラー(異常な状態)と判定してエラー処理を行う。エラー処理では、スピーカ24を制御してエラー音声を出力させるとともに、スロットマシン10を遊技不能な状態(電源オフや、全ての操作を無効にする等の遊技の無効化)にする。これにより、導電性の鉄板などをメダル投入口20より第1メダル通路46に挿入し、上接片42と下接片43とを導通することによってメダル45を投入したようにするゴト行為が行われても、上接片42と下接片43とが0.5秒を超えて導通状態となっているとエラーとなり、スピーカ24からエラー音声が出力されるとともに、スロットマシン10が遊技不能な状態(遊技の無効化)になるため、確実にゴト行為を防止することができる。
CPU61は、メダル検知信号が入力されると、通過検知センサ44を有効化する。通過検知センサ44の第1及び第2メダルセンサ51,52によってメダル45の通過が検知されると、CPU61にメダル通過信号が入力される。CPU61は、メダル通過信号が入力されると、メダルカウンタ63のカウント値をメダル1枚分カウントアップする。メダルカウンタ63によって計数された枚数はクレジット記憶部64に入力される。クレジット記憶部64は入力されたメダル45の枚数を積算して記憶していく。そして、CPU61は、通過検知センサ44を無効化するとともに、ストップボタン17a〜17cを有効化して遊技を行うことが可能な状態(遊技の有効化)する。
スタートレバー18が押下されると、CPU61に遊技の開始を示す遊技開始信号が送信される。これに応答してCPU61は、ベットされた分だけカウントメダルを減少させ、リール駆動コントローラ71を作動し、リールユニット26の第1〜第3リール13a〜13cを回転させることで遊技を開始する。遊技者がストップボタン17a〜17cを押下すると、CPU61及びリール駆動コントローラ71は第1〜第3リール13a〜13cの停止制御を行う。
ペイアウトボタン19は、クレジット記憶部64に記憶された分の枚数のメダル45を払い出させるとともに、クレジット記憶部64の記憶を消去させるものである。メダルカウンタ63で計数され、クレジット記憶部64にメダル45が記憶されている状態で、ペイアウトボタン19が押下されると、CPU61は払出し部72に信号を送り、クレジット記憶部64に記憶されているメダル枚数が、すべて貯留タンク28からメダル払出し口22に払い出される。
次に、上記構成のスロットマシンの作用について、図7のフローチャートを用いて説明を行う。メダル投入口20からメダル45を投入すると、投入されたメダル45が第1メダル通路46を転動する。第1メダル通路46を転動するメダル45は、上接片42と下接片43とに接触する。メダル45が上接片42の上長辺部42aと下接片43の下長辺部43aとに接触すると、電流供給部67から上接片42に流れる電流が下接片43へ流れて、メダル通過検知部66によって電流検知が行われる。メダル通過検知部66は、電流検知を行うと、メダル検知信号をCPU61に出力する。CPU61は、入力されるメダル検知信号に基づき、メダル検知信号が入力され続けた時間が0.5秒を超えていないかを判定し、0.5秒を超えたことが判定された場合には、エラーと判断し、エラー処理を行い、遊技不能な状態(遊技の無効化)にする。CPU61でメダル検知信号が入力され続けた時間が0.5秒を超えていないことが判定された場合には、CPU61は、通過検知センサ44を有効化する。
通過検知センサ44の第1及び第2メダルセンサ51,52によってメダル45の通過が検知されると、CPU61にメダル通過信号が入力される。CPU61は、メダル通過信号が入力されると、メダルカウンタ63のカウント値をメダル1枚分カウントアップする。メダルカウンタ63によって計数された枚数はクレジット記憶部64に入力される。クレジット記憶部64は入力されたメダル45の枚数を積算して記憶していく。そして、CPU61は、通過検知センサ44を無効化する。その後、CPU61は、MAXベットボタン15、1ベットボタン16の入力に基づいて、スタートレバー18、ストップボタン17a〜17cを有効化して遊技を行うことが可能な状態(遊技の有効化)する。
通過検知センサ44が有効化されてから、予め設定された時間(例えば、1秒)以内に通過検知センサ44の第1及び第2メダルセンサ51,52によってメダル45の通過が検知されなかった場合には、エラーと判断し、エラー処理を行い、遊技不能な状態(遊技の無効化)にする。
このように、上接片42と下接片43との導通に基づくメダル通過検知部66の電流検知が行われた後に、通過検知センサ44による検知が行われたことによってメダル45の検知を行うから、導電性の鉄板などをメダル投入口20より第1メダル通路46に挿入し、上接片42と下接片43とを導通した後に、この鉄板を引き抜くことによってメダル45を投入したようにするゴト行為が行われても、1秒を超えて通過検知センサ44によるメダル45の検知が開始されずにエラーとなり、スピーカ24からエラー音声が出力されるとともに、スロットマシン10が遊技不能な状態(遊技の無効化)になるため、確実にゴト行為を防止することができる。
また、セルロイドなどで形成された非導電性の長い薄板をメダル投入口20より第1メダル通路46に挿入し、通過検知センサ44による検知を行わせてメダル45を投入したようにするゴト行為が行われても、上接片42と下接片43とが導通せずに、メダル通過検知部66による電流検知が行われないため、通過検知センサ44は無効化されたままであり、これにより、セルロイドなどの非導電性の部材を用いて通過検知センサ44による検知を行わせるゴト行為を、確実に防止することができる。
なお、上記実施形態では、上接片42と下接片43とを、メダル45の表裏の面にそれぞれ接触するように配置したが、これに限定されることなく、上接片42と下接片43とを、メダル45の同一の面に接触するようにしてもよく、適宜変更されるものである。
また、上記実施形態では、上接片42と下接片43とを、第1メダル通路46内の上下方向において縦列的な位置にそれぞれ配設し、且つ上接片42がメダル45の上側端部に接触するように、下接片43がメダル45の下側端部に接触するように設けたが、これに限定されることなく、上接片42と下接片43とは、第1メダル通路46内の図5中B方向においてメダル45の直径以下となる間隔で、且つ複数のメダル45が連なって通過するときの先行するメダル45と後続するメダル45との接点に接触しない位置に設けられていればよく、例えば、上接片42がメダル45の下側端部に接触するように、下接片43がメダル45の上側端部に接触するように設けてもよい。また、上接片42と下接片43との両方が、メダル45の上側端部または下側端部に接触するように設けてもよい。
さらに、上記実施形態では、上接片42、下接片43及び第1,第2メダルセンサ51,52をメダルセレクタ32の第1メダル通路46に設けたが、これに限定されることなく、メダル案内部材33の第2メダル通路55に設けてもよい。
また、上記実施形態では、導電性の部材からなるメダル45を介して上接片42と下接片43とが導通したことにより、メダル45の通過を検知したが、メダル45を非導電性の部材から構成し、通常時(メダル45が通過していないとき)に上接片42と下接片43とを接触させて導通させておき、上接片42と下接片43との間を通過するメダル45によって上接片42と下接片43との導通が解除されたことにより、メダル45の通過を検知するようにしてもよい。
図8、図9及び図10に他の実施形態を示す。上記実施形態のものと同様の構成部材には同一の符号を付し、その詳細な説明を簡略化する。図8に示すように、この実施形態では、制御部60には、フラグ記憶部70が設けられている。図9に示すように、メダル通過検知部66での電流検知が終了(上接片42と下接片43との導通が終了し、メダル通過検知部66からCPU61へのメダル検知信号の出力が停止)すると、CPU61はフラグデータをフラグ記憶部70に書き込む。また、第1メダルセンサ51がオンになって第1メダルセンサ51によるメダル45の検知が開始されると、CPU61はフラグ記憶部70に記録されているフラグデータを消去する。このため、メダル通過検知部66に電流が流れるのが停止して、メダル通過検知部66からCPU61へのメダル検知信号の出力が停止したときには、CPU61はフラグ記憶部70を参照し、フラグ記憶部70にフラグデータが記録されているか否かを判定する。そして、CPU61は、フラグ記憶部70にフラグデータが記録されていない場合には、正常な状態と判定し、フラグ記憶部70にフラグデータが記録されている場合には、エラー(異常な状態)と判定してエラー処理を行う。
これにより、導電性の鉄板などをメダル投入口20より第1メダル通路46に挿入し、上接片42と下接片43とを導通した後に、この鉄板を引き抜くことによってメダル45を投入したようにするゴト行為が行われても、第1メダルセンサ51によるメダル45の検知が開始されず、フラグ記憶部70のフラグデータが消去されずにエラーとなり、スピーカ24からエラー音声が出力されるとともに、スロットマシン10が遊技不能な状態(遊技の無効化)になるため、確実にゴト行為を防止することができる。
第1メダル通路46を複数枚のメダル45が連なって通過するようにメダル投入口20からメダル45が投入された場合、後続して投入されたメダル45によるメダル通過検知部66での電流検知が終了(上接片42と下接片43との導通が終了し、メダル通過検知部66からCPU61へのメダル検知信号の出力が停止)する前に、先行して投入されたメダル45の第1メダルセンサ51による検知が開始(第1メダルセンサ51がオンになること)されるように、上接片42、下接片43及び第1メダルセンサ51は配置されている。これにより、メダル45が連続投入されても、先行して投入されたメダル45に対するフラグデータが消去される前に、後続して投入されたメダル45に対するフラグデータの書き込みが行われてエラーとなることを防ぐことができる。
なお、フラグ記憶部70に記録されているフラグデータを消去するタイミングとしては、第1メダルセンサ51がオンになるときに限らず、第1メダルセンサ51によるメダル45の検知が終了(第1メダルセンサ51がオフになること)されるとき、第2メダルセンサ52による検知が開始(第2メダルセンサ52がオンになること)されるときのいずれかのタイミング又はこれら3回のタイミングのうちから適宜に選択した複数回のタイミングにするなど、第2メダルセンサ52がオフになる前であれば適宜に設定してよい。また、通過検知センサ44を構成するセンサの個数は適宜の個数にしてよい。
次に、上記構成のスロットマシンの作用について、図10のフローチャートを用いて説明を行う。メダル投入口20からメダル45を投入すると、投入されたメダル45が第1メダル通路46を転動する。第1メダル通路46を転動するメダル45が、上接片42と下接片43とに接触すると、電流供給部67から上接片42に流れる電流が下接片43へ流れて、メダル通過検知部66によって電流検知が行われる。メダル通過検知部66は、電流検知を行うと、メダル検知信号をCPU61に出力する。CPU61は、入力されるメダル検知信号に基づき、メダル検知信号が入力され続けた時間が0.5秒を超えていないかを判定し、0.5秒を超えたことが判定された場合には、エラーと判断し、エラー処理を行い、遊技不能な状態(遊技の無効化)にする。CPU61でメダル検知信号が入力され続けた時間が0.5秒を超えていないことが判定された場合には、メダル通過検知部66での電流検知が終了(上接片42と下接片43との導通が終了し、メダル通過検知部66からCPU61へのメダル検知信号の出力が停止)すると、CPU61はフラグ記憶部70を参照する。フラグ記憶部70にフラグデータが書き込まれている場合には、CPU61はエラー処理を行い、遊技不能な状態(遊技の無効化)にする。
フラグ記憶部70にフラグデータが書き込まれていない場合には、CPU61は、フラグデータをフラグ記憶部70に書き込む。
上接片42と下接片43とを通過したメダル45は、第1メダル通路46を転動し、第1及び第2メダルセンサ51,52によって検知される。CPU61は、第1メダルセンサ51がオンになって第1メダルセンサ51によるメダル45の検知が開始されると、フラグ記憶部70に記録されているフラグデータを消去するとともに、メダルカウンタ63を作動し、投入されたメダル45の枚数をカウントさせ、さらに、カウントされた枚数をクレジット記憶部64に書き込む。そして、CPU61は、MAXベットボタン15、1ベットボタン16の入力に基づいて、スタートレバー18、ストップボタン17a〜17cを有効化して遊技を行うことが可能な状態(遊技の有効化)する。