JP4804143B2 - スロットマシン - Google Patents
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Description
クレジットとして貯留されたメダルは、BETスイッチやMAXBETスイッチの操作により、ゲームに賭けることができ、また、クレジット精算スイッチの操作により、払い出すことができる。
このクレジット精算は、通常、その台を離れるときに一回だけ実行される。
例えば、先端部に発光素子が設けられた樹脂製の特殊器具をメダル投入口から挿入し、その先端部をメダルセレクタ部のメダル通過センサ(例えばフォトインタラプタ)まで到達させた後、発光素子の点滅によってメダル通過センサを誤作動させ、クレジット枚数を瞬時に最大値(例えば50枚)まで上げる不正行為が知られている。
そこで、これまで、メダルセレクタに複数のメダル検出センサを菱形状に配置し、それぞれの出力を合成することによって適正なメダル投入と特殊器具による不正行為とを判別し得るようにしたスロットマシンが提案されている(特許文献2参照)。
具体的には、上述した複数のセンサの各位置に合うように発光素子が配置された特殊器具をメダル投入口から挿入し、正規なメダル通過タイミングに同期させて各発光素子を点滅させることにより、正規なメダル通過をよそおうことが可能であった。
また、スロットマシン内のセンサの数を増やすことは、コストの増加を招くだけでなく、プログラムが複雑化しバグ等の設計ミスを誘発するなど、信頼性を損なうおそれもあった。
このため、発光素子を用いた不正行為を検知できるだけでなく、これを防止することが可能となっている。具体的に不正行為を成立させるには、極小かつ一定の出力をもつ発光素子が必要で、かつ、特殊器具上の極小範囲内で2つの発光素子をそれぞれ異なる方向に向け設置しなければならず、実現化は非常に困難だからである。
したがって、センサの数を抑えつつも、正規なメダルの通過と発光素子を用いた不正行為との識別を確実に行い、かつ、このような不正行為を防止することが可能となる。
このため、不正判定に係るプログラムが簡素化され、不正判定処理にかかる速度を向上させるだけでなく、バグ等の設計ミスを防ぎ信頼性の高いスロットマシンを提供することができる。
このため、仮に、一方のセンサで不正行為を検知できなくても、他方のセンサによってこれを補うことができるだけでなく、メダルの逆流等も検知することができるので、正規なメダルに似せた異物の挿入による不正クレジット行為を発見することも可能である。
また、本発明のスロットマシンは、少なくとも前記第一メダル通過センサが、投入されたメダルの通過により生ずる反射光を検出することによってメダルの検知を行う構成とすることもできる。
例えば、透過型光センサによれば、発光部と受光部間の距離や角度を自由に設定することができる。
また、反射型光センサによれば、単に物の検知のみならず、距離も測定できるため、正規なメダルと異物を用いた不正行為との判定をより正確に行うことが可能となる。
このように、各センサの特性を活かすことにより、ケースに応じた最適なセキュリティが確保され、不正行為を効果的に防止できるスロットマシンを提供することが可能となる。
この様な構成からなる本発明のスロットマシンによれば、ホールの店員や周囲の遊技者に不正行為を報知できるので、不正行為の抑止効果を高めることができる。
また、メダルを検知するセンサを、メダル投入経路に沿って複数配置することにより、さらに不正判定の精度を高めることが可能である。
[第一実施形態]
まず、本発明のスロットマシンの第一実施形態について、図1〜図10を参照して説明する。
図1は、スロットマシンの正面図、図2は、スロットマシンの内部構成を示す斜視図である。
クレジットモードでは、メダル投入口11から投入されたメダルや、ゲームの入賞内容に応じて払い出すべきメダルが、最大クレジット枚数(例えば50枚)を限度として内部に貯留され、その枚数がクレジット表示部12に表示される。
なお、このようなクレジットモードの切換を行わず、最大クレジット枚数(例えば50枚)までは常にメダルが貯留されるように構成することもできる。
ストップボタン17a〜17cは、回胴31a〜31cと同数(通常は三つ)設けられている。これらのストップボタン17a〜17cが押されると、対応する回胴31a〜31cの回転が停止し、ゲームの入賞又は外れが決まる。
メダル返却ボタン19は、メダルセレクタ部20にメダルが滞留した場合に操作される。メダル返却ボタン19を操作すると、メダルセレクタ部20に滞留したメダルがメダル払出口18から返却される。
表示器Lは、液晶ディスプレイやランプ等によって構成され、様々な映像やランプ表示により遊技の演出を行う。
スピーカSPは、効果音、払出音、音声メッセージなどの出音により、遊技の演出を行う。
これらの図に示すように、メダルセレクタ部20は、メダル投入口11からホッパー装置40に至る傾斜したメダル投入経路を形成しており、具体的には、セレクタベース21と、下部メダルガイド22と、上部メダルガイド23と、セレクタカバー24と、ブロッカ25と、第一メダル通過センサ26を備えて構成されている。
セレクタベース21は、メダル投入経路の一側面を構成する板材であり、中間部には、長方形の開口部21aが形成されている。
一方、小径メダルは、上部メダルガイド23の通過規制を受けないが、セレクタベース21の開口部21a内に倒れ込むため、大径メダルと同様にメダルセレクタ部20の中間部から落下し、メダル払出口18から返却される。
ここで、本実施形態におけるメダル通過センサ26は、二組の発光部及び受光部で構成されており、通過するメダルを異なる角度から同時に検知することにより、正規メダルの投入と発光素子を用いた不正行為とを正確に識別することが可能となっている。
図5に示すように、第一メダル通過センサ26は、メダル投入経路に設置された二組の発光部(26a、26b)及び受光部(26a’、26b’)によって構成され、メダルが通過していない状態では、発光部26aから照射された光線を受光部26a’が受け、発光部26bから照射された光線を受光部26b’が受けるようになっている。
受光部26a’及び26b’では、これを検出することによって、メダル通過の判定を行っている。
なお、これら二次元的に交差する光線は、光線同士が衝突・干渉しないように、三次元的には交差しない位置、例えば、垂直方向にずれた位置を通過するよう、発光部26a及び受光部26a’と、発光部26b及び受光部26b’が配置されることが好ましい(図5(a)〜(c)参照)。
不正行為で用いられる発光素子は、メダル投入口11から挿入する必要があるため、通常は、小型のLED等が使用されるが、LEDは一般的に、指向性を有し、小型のものほど出力が小さいといった特性をもっている。したがって、本実施形態のスロットマシンに対し従来の方法で不正行為を行った場合には、どちらの受光部からも出力が検出されないか、一方の受光部からのみ出力が検出されるため、いずれの場合も正規なメダル通過とは判定されないことになる。
これにより、本実施形態では、正規なメダルと特殊器具等による不正行為とを確実に判別・判定することができ、不正行為を効果的に防止することができるようになる。
この図に示すように、ドラムユニット30は、複数の回胴31a〜31cと、モータ駆動回路32と、複数のステッピングモータ33a〜33cと、回胴位置検出部34とを有している。
回胴31a〜31cの外周面には、複数の図柄が描かれている。これらの図柄は、前扉10の表示窓10aを介して、遊技者に目視される。
回胴位置検出部34は、回胴31a〜31cの回転が停止すると、この回胴31a〜31cに記されたマーカにもとづいて、回胴31a〜31cの回転停止位置を検出し、これを制御部50へ送る。
ホッパー41は、メダル投入口11から投入されたメダルや、外部から補給されたメダルを蓄える部分である。
ホッパー駆動回路42は、制御部50から払い出し信号を受信すると、ホッパー41の底部に設けられるメダル排出部(図示せず)を駆動し、所定枚数のメダルを払い出させる。
メダル検出部43は、メダル排出部から払い出されるメダルの枚数をカウントし、これを制御部50へ送る。
表示駆動回路51は、CPU54からの信号に応じて、クレジット表示部12にクレジット枚数を表示させる。
サウンド回路52は、CPU54からの信号(コマンド)に応じて、スピーカSPに効果音、払出音、音声メッセージなどを出力させる。
ランプ駆動回路53は、CPU54からの信号(コマンド)に応じて、ランプLを点灯・点滅させる。
ROM57は、所定のプログラムを記憶しており、このプログラムにしたがってCPU54が動作される。
RAM58は、遊技に係る各種のデータを記憶する。ここには、クレジットとして貯留されるメダルの枚数データも含まれる。
図8は、メインルーチンを示すフローチャート、図9は、メダル投入処理を示すフローチャート、図10は、不正行為判定処理を示すフローチャートである。
クレジット精算処理(S102)は、クレジット精算スイッチ13の操作に応じて、貯留メダルの払い出しや、クレジットモードのON/OFF切り換えを行う。
メダル投入処理(S103)は、投入されたメダルや不正行為の判定処理、クレジット枚数をインクリメントする処理(クレジットモードON時)などを行う。
スタート処理(S105)は、スタートレバー16の操作に応じて、抽選用の乱数を取得するとともに、回胴31a〜回胴31cの回転を開始させる。
回胴停止処理(S106)は、ストップボタン17a〜17cの操作に応じて、回胴31a〜回胴31cの回転を停止させる。このとき、抽選用の乱数にもとづいて、回転停止時のすべり量が制御される。
賞メダル払出処理(S108)は、ホッパー装置40を制御し、メダルの払い出しを行う。このとき、クレジットモードがONであれば、払い出すべきメダルがクレジット枚数に加算される。
この図に示すように、メダル投入処理では、まず、ゲーム中であるか否かを判断するとともに(S201)、クレジット枚数が最大枚数よりも少ないか否かを判断する(S202)。ここで、ゲーム中である場合や、クレジット枚数が最大枚数である場合は、ブロッカ25をOFFとし(S203)、メダルの投入を規制する。
つぎに、投入信号ONカウンタのアドレスをセットした後(S204)、ブロッカ25のON/OFFを判断し(S205)、ここでブロッカ25がONである場合は、後述の不正判定処理(S206)を実行する(図10参照)。
また、クレジットモードがONの場合は(S213)、投入信号ONカウンタに応じて、クレジット枚数をインクリメントするクレジット処理(S214)も実行される。
不正判定処理では、第一メダル通過センサ26を構成する2つの受光部26a’、26b’からの検出信号に基づき判定を行う(S301)。
受光部26a’、26b’の両方が同時にON(メダル検知)の場合には、正規メダルの通過と判定される。したがって、この場合、メダル投入信号をONとして上位ルーチンへ復帰する(S302)。
また、受光部26a’、26b’ともにOFF(メダル非検知)の場合には、メダル通過がない状態と判定される。したがって、この場合、メダル投入信号をOFFとして上位ルーチンへ復帰する(S303)。
すなわち、従来のように発光素子等をメダル投入口11から挿入しておこなう不正行為では、一方の受光部のみから検出信号が入力されることが十分に想定されるため、このような不正行為を確実に判定するものである。
この場合、所定の警報を行い(S304)、メダル投入信号をOFFとして上位ルーチンへ復帰する(S305)。
このため、不正判定に係るプログラムが簡素化され、不正判定処理にかかる速度を向上させるだけでなく、バグ等の設計ミスを防ぎ信頼性の高いスロットマシンを提供することができる。
したがって、各種センサの特性を活かしつつ、最適な不正行為判定処理を実施しうるスロットマシンを提供することが可能となる。
次に、本発明のスロットマシンの第二実施形態について、図11〜図14を参照して説明する。
図11は、本発明の第二実施形態に係るスロットマシンのメダルセレクタ部20の正面図であり、図12は、本実施形態に係るスロットマシンの制御構成を示すブロック図、図13は、本実施形態に係る制御部50の制御手順のうち不正行為判定手段を示すフローチャート、図14は、第二実施形態に係るメダルの転動を示す説明図である。
具体的な不正判定方法については、図13を参照して説明する。
なお、第二メダル通過センサ27以外の構成、機能については、上述した第一実施形態(図1〜図9参照)と同様となっており、詳細な説明は省略する。
受光部26a’、26b’の両方が同時にON(メダル検知)の場合には、第二メダル通過センサ27にてメダルの検知を試みる(S402)。
一方、受光部26a’、26b’ともにOFF(メダル非検知)の場合、及び、いずれかの受光部がOFFの場合には、第一実施形態と同様に、メダル投入信号をOFFとして上位ルーチンへ復帰する(S406、S407、S408)。
一方、第二メダル通過センサ27によってメダルが検知されなかった場合には、不正行為と判定され、所定の警報を行い(S407)、メダル投入信号をOFFとしたうえで上位ルーチンへ復帰する(S408)。
ここで、メダルが正しく転動する際の各センサの検出パターンを、図14を参照して説明する。なお、図14(a)は、第一メダル通過センサ26及び第二メダル通過センサ27を上方から見た平面図、図14(b)は、正面から見た正面図である。
これにより、メダルの逆流等、不正な動きを検知できるため、メダルに似せた異物挿入による不正クレジット行為をも発見することが可能となる。
また、不正行為を報知する方法としては、スピーカSPから警報音を出音する方法、ランプLを通常とは異なるパターンで点灯させる方法、外部出力端子から警報信号を出力し、ホールコンピュータに通知する方法などを用いることができる。
なお、本実施形態に係る第二メダル通過センサ27を構成するセンサとしては、光センサの他、超音波センサ、渦電流センサ、静電容量センサなどメダル検知が可能なセンサであればよい。
このため、第一実施形態と同様の効果が発揮されるだけでなく、より確実にメダルの通過を判定し、様々なクレジット不正を防止することができる。
また、第二メダル通過センサ27としては、光センサの他、様々なセンサを用いることができるので、汎用性や拡張性に優れた不正行為判定手段を選択でき、ケースに応じて最適なセキュリティを提供することが可能である。
例えば、図15に示すように、本発明の第一メダル通過センサの各受光部側に遮光部品を取り付け、光軸を細くすることにより、発光素子を使った不正行為の成立をさらに困難にすることも可能である。
さらに、各発光部から照射される光の波長や周波数、パルスの位相等をそれぞれ変えることにより、受光部にて検出可能な位相又は周波数を限定でき、発光素子による不正行為をより効果的に防止することが可能となる。
11 メダル投入口
13 クレジット精算スイッチ
14 BETスイッチ
15 MAXBETスイッチ
18 メダル払出口
20 メダルセレクタ部
21 セレクタベース
26 第一メダル通過センサ
27 第二メダル通過センサ
40 ホッパー装置
50 制御部
Claims (3)
- メダル投入口から投入されたメダル及びゲームの入賞内容に応じて払い出すべきメダルをクレジットとして貯留し、この貯留されたメダルを、所定のクレジット精算操作に応じて払い出すスロットマシンにおいて、
前記メダル投入口から投入されたメダルを装置内部へ導くメダル投入経路と、
少なくとも二組の発光部及び受光部を有し、各発光部から照射される光線が前記メダル投入経路上において交差するよう各発光部が配置された第一メダル通過センサと、
前記各受光部からの検出信号にもとづいて、メダル投入の不正行為を判定する不正行為判定手段と、を備え、
前記第一メダル通過センサの二組の発光部及び受光部は、各発光部から照射される光線同士が衝突しない、各光線が二次元的に交差し、かつ、三次元的には交差しない位置に配置され、
前記不正行為判定手段が、前記第一メダル通過センサの一方の受光部から検出信号を入力することなく、他方の受光部から検出信号を入力したとき、メダル投入の不正行為を判定することを特徴とするスロットマシン。 - 前記第一メダル通過センサの上流側又は下流側に配置された第二メダル通過センサをさらに備え、
前記不正行為判定手段が、前記第一メダル通過センサ及び前記第二メダル通過センサからの検出信号パターンにもとづきメダル投入の不正行為を判定することを特徴とする請求項1に記載のスロットマシン。 - 第一メダル通過センサの各受光部に、受光する光線の光軸を細くする遮光部品を備えた請求項1又は2に記載のスロットマシン。
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