以下、図面を用いて、本発明の一実施の形態に係る遊技台(例えば、スロットマシン100等の回胴遊技機や弾球遊技機)について詳細に説明する。まず、図1を用いてスロットマシン100の基本構成を説明する。図1は、スロットマシン100を正面側(遊技者側)から見た外観斜視図である。
図1に示すスロットマシン100は、本体101と、本体101の正面に取り付けられ、本体101に対して開閉可能な前面扉102と、を備える。本体101の中央内部(図示省略)には、外周面に複数種類の図柄が配置されたリールが3個(左リール110、中リール111、右リール112)収納され、スロットマシン100の内部で回転できるように構成されている。これらのリール110〜112はステッピングモータ等の駆動装置により回転駆動される。
本実施形態において、各図柄は帯状部材に等間隔で適当数印刷され、この帯状部材が所定の円形筒状の枠材に貼り付けられて各リール110〜112が構成されている。リール110〜112上の図柄は、遊技者から見ると、図柄表示窓113から縦方向に概ね3つ表示され、合計9つの図柄が見えるようになっている。そして、各リール110〜112を回転させることにより、遊技者から見える図柄の組み合せが変動することとなる。つまり、各リール110〜112は複数種類の図柄の組合せを変動可能に表示する表示装置として機能する。なお、このような表示装置としてはリール以外にも液晶表示装置等の電子画像表示装置も採用できる。また、本実施形態では、3個のリールをスロットマシン100の中央内部に備えているが、リールの数やリールの設置位置はこれに限定されるものではない。
各々のリール110〜112の背面には、図柄表示窓113に表示される個々の図柄を照明するためのバックライト(図示省略)が配置されている。バックライトは、各々の図柄ごとに遮蔽されて個々の図柄を均等に照射できるようにすることが望ましい。なお、スロットマシン100内部において各々のリール110〜112の近傍には、投光部と受光部から成る光学式センサ(図示省略)が設けられており、この光学式センサの投光部と受光部の間をリールに設けられた一定の長さの遮光片が通過するように構成されている。このセンサの検出結果に基づいてリール上の図柄の回転方向の位置を判断し、目的とする図柄が入賞ライン上に表示されるようにリール110〜112を停止させる。
入賞ライン表示ランプ120は、有効となる入賞ラインを示すランプである。有効となる入賞ラインは、遊技媒体としてベットされたメダルの数によって予め定まっている。入賞ラインは5ラインあり、例えば、メダルが1枚ベットされた場合、中段の水平入賞ラインが有効となり、メダルが2枚ベットされた場合、上段水平入賞ラインと下段水平入賞ラインが追加された3本が有効となり、メダルが3枚ベットされた場合、右下り入賞ラインと右上り入賞ラインが追加された5ラインが入賞ラインとして有効になる。なお、入賞ラインの数については5ラインに限定されるものではなく、また、例えば、メダルが1枚ベットされた場合に、中段の水平入賞ライン、上段水平入賞ライン、下段水平入賞ライン、右下り入賞ラインおよび右上り入賞ラインの5ラインを有効な入賞ラインとして設定してもよく、ベット数に関係なく、一律に同一数の入賞ラインを有効な入賞ラインとして設定してもよい。
告知ランプ123は、例えば、後述する内部抽選において特定の入賞役(具体的には、ボーナス)に内部当選していること、または、ボーナス遊技中であることを遊技者に知らせるランプである。遊技メダル投入可能ランプ124は、遊技者が遊技メダルを投入可能であることを知らせるためのランプである。再遊技ランプ122は、前回の遊技において入賞役の一つである再遊技に入賞した場合に、今回の遊技が再遊技可能であること(メダルの投入が不要であること)を遊技者に知らせるランプである。リールパネルランプ128は演出用のランプである。
ベットボタン130〜132は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダル(クレジットという)を所定の枚数分投入するためのボタンである。本実施形態においては、ベットボタン130が押下される毎に1枚ずつ最大3枚まで投入され、ベットボタン131が押下されると2枚投入され、ベットボタン132が押下されると3枚投入されるようになっている。以下、ベットボタン132はMAXベットボタンとも言う。なお、遊技メダル投入ランプ129は、投入されたメダル数に応じた数のランプを点灯させ、規定枚数のメダルの投入があった場合、遊技の開始操作が可能な状態であることを知らせる遊技開始ランプ121が点灯する。
メダル投入口141は、遊技を開始するに当たって遊技者がメダルを投入するための投入口である。すなわち、メダルの投入は、ベットボタン130〜132により電子的に投入することもできるし、メダル投入口141から実際のメダルを投入(投入操作)することもでき、投入とは両者を含む意味である。貯留枚数表示器125は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダルの枚数を表示するための表示器である。遊技情報表示器126は、各種の内部情報(例えば、ボーナス遊技中のメダル払出枚数)を数値で表示するための表示器である。払出枚数表示器127は、何らかの入賞役に入賞した結果、遊技者に払出されるメダルの枚数を表示するための表示器である。貯留枚数表示器125、遊技情報表示器126、および払出枚数表示器127は、7セグメント(SEG)表示器とした。
スタートレバー135は、リール110〜112の回転を開始させるためのレバー型のスイッチである。即ち、メダル投入口141に所望するメダル枚数を投入するか、ベットボタン130〜132を操作して、スタートレバー135を操作すると、リール110〜112が回転を開始することとなる。スタートレバー135に対する操作を遊技の開始操作と言う。
ストップボタンユニット136には、ストップボタン137〜139が設けられている。ストップボタン137〜139は、スタートレバー135の操作によって回転を開始したリール110〜112を個別に停止させるためのボタン型のスイッチであり、各リール110〜112に対応づけられている。以下、ストップボタン137〜139に対する操作を停止操作と言い、最初の停止操作を第1停止操作、次の停止操作を第2停止操作、最後の停止操作を第3停止操作という。なお、各ストップボタン137〜139の内部に発光体を設けてもよく、ストップボタン137〜139の操作が可能である場合、該発光体を点灯させて遊技者に知らせることもできる。
メダル返却ボタン133は、投入されたメダルが詰まった場合に押下してメダルを取り除くためのボタンである。精算ボタン134は、スロットマシン100に電子的に貯留されたメダル、ベットされたメダルを精算し、メダル排出口155から排出するためのボタンである。ドアキー孔140は、スロットマシン100の前面扉102のロックを解除するためのキーを挿入する孔である。
ストップボタンユニット136の下部には、機種名の表示と各種証紙の貼付とを行うタイトルパネル162が設けられている。タイトルパネル162の下部には、メダル排出口155、メダル受け皿161が設けられている。メダル受け皿161、およびメダル排出口155の詳細については後述する。
音孔180はスロットマシン100内部に設けられているスピーカの音を外部に出力するための孔である。前面扉102の左右各部に設けられたサイドランプ144は遊技を盛り上げるための装飾用のランプである。前面扉102の上部には演出装置160が配設されており、演出装置160の上部には音孔143が設けられている。この演出装置160は、水平方向に開閉自在な2枚の右シャッタ163a、左シャッタ163bからなるシャッタ(遮蔽装置)163と、このシャッタ163の奥側に配設された液晶表示装置157(演出画像表示装置)を備えており、右シャッタ163a、左シャッタ163bが液晶表示装置157の手前で水平方向外側に開くと液晶表示装置157の表示画面がスロットマシン100正面(遊技者側)に出現する構造となっている。なお、液晶表示装置でなくとも、種々の演出画像や種々の遊技情報を表示可能な表示装置であればよく、例えば、複数セグメントディスプレイ(7セグディスプレイ)、ドットマトリクスディスプレイ、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ、リール(ドラム)、或いは、プロジェクタとスクリーンとからなる表示装置等でもよい。また、表示画面は、方形をなし、その全体を遊技者が視認可能に構成している。本実施形態の場合、表示画面は長方形であるが、正方形でもよい。また、表示画面の周縁に不図示の装飾物を設けて、表示画面の周縁の一部が該装飾物に隠れる結果、表示画面が異形に見えるようにすることもできる。表示画面は本実施形態の場合、平坦面であるが、曲面をなしていてもよい。
次に、図2を用いて、スロットマシン100の制御部の回路構成について詳細に説明する。なお、同図は制御部の回路ブロック図を示したものである。
スロットマシン100の制御部は、大別すると、遊技の進行を制御する主制御部300と、主制御部300が送信するコマンド信号(以下、単に「コマンド」と呼ぶ)に応じて、主な演出の制御を行う第1副制御部400と、第1副制御部400より送信されたコマンドに基づいて各種機器を制御する第2副制御部500と、によって構成されている。
<主制御部>
まず、スロットマシン100の主制御部300について説明する。主制御部300は、主制御部300の全体を制御する基本回路302を備えており、この基本回路302には、CPU304と、制御プログラムデータ、入賞役の内部抽選時に用いる抽選データ、リールの停止位置等を記憶するためのROM306と、一時的にデータを記憶するためのRAM308と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O310と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ312と、WDT(ウォッチドックタイマ)314を搭載している。なお、ROM306やRAM308については他の記憶装置を用いてもよく、この点は後述する第1副制御部400や第2副制御部500についても同様である。この基本回路302のCPU304は、水晶発振器316bが出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。さらには、CPU304は、電源が投入されるとROM306の所定エリアに格納された分周用のデータをカウンタタイマ312に送信し、カウンタタイマ312は受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をCPU304に送信する。CPU304は、この割込み要求を契機に各センサ等の監視や駆動パルスの送信を実行する。例えば、水晶発振器316bが出力するクロック信号を8MHz、カウンタタイマ312の分周値を1/256、ROM306の分周用のデータを47に設定した場合、割り込みの基準時間は、256×47÷8MHz=1.504msとなる。
主制御部300は、水晶発振器316aが出力するクロック信号を受信する度に0〜65535の範囲で数値を変動させるハードウェア乱数カウンタとして使用している乱数値生成回路318(この回路には2つのカウンタを内蔵しているものとする)と、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路338を備えており、CPU304は、この起動信号出力回路338から起動信号が入力された場合に、遊技制御を開始する(後述する主制御部メイン処理を開始する)。
また、主制御部300には、センサ回路322を備えており、CPU304は、割り込み時間ごとに各種センサ320(ベットボタン130センサ、ベットボタン131センサ、ベットボタン132センサ、メダル投入口141から投入されたメダルのメダル受付センサ、スタートレバー135センサ、ストップボタン137センサ、ストップボタン138センサ、ストップボタン139センサ、精算ボタン134センサ、メダル払出装置280から払い出されるメダルのメダル払出センサ、リール110のインデックスセンサ、リール111のインデックスセンサ、リール112のインデックスセンサ、等)の状態を監視している。
なお、センサ回路322がスタートレバーセンサのHレベルを検出した場合には、この検出を示す信号を乱数値生成回路318に出力する。この信号を受信した乱数値生成回路318は、そのタイミングにおける値をラッチし、抽選に使用する乱数値を格納するレジスタに記憶する。
メダル受付センサは、メダル投入口141の内部通路に2個設置されており、メダルの通過有無を検出する。スタートレバー135センサは、スタートレバー135内部に2個設置されており、遊技者によるスタート操作を検出する。ストップボタン137センサ、ストップボタン138センサ、およびストップボタン139は、各々のストップボタン137〜139に設置されており、遊技者によるストップボタンの操作を検出する。
ベットボタン130センサ、ベットボタン131センサ、およびベットボタン132センサは、メダル投入ボタン130〜132のそれぞれに設置されており、RAM308に電子的に貯留されているメダルを遊技への投入メダルとして投入する場合の投入操作を検出する。精算ボタン134センサは、精算ボタン134に設けられている。精算ボタン134が一回押されると、電子的に貯留されているメダルを精算する。メダル払出センサは、メダル払出装置280が払い出すメダルを検出するためのセンサである。なお、以上の各センサは、非接触式のセンサであっても接点式のセンサであってもよい。
リール110のインデックスセンサ、リール111のインデックスセンサ、およびリール112のインデックスセンサは、各リール110〜112の取付台の所定位置に設置されており、リールフレームに設けた遮光片が通過するたびにLレベルになる。CPU304は、この信号を検出すると、リールが1回転したものと判断し、リールの回転位置情報をゼロにリセットする。
主制御部300は、リール装置110〜112に設けたステッピングモータを駆動する駆動回路324、投入されたメダルを選別するメダルセレクタ170に設けたソレノイドを駆動する駆動回路326、メダル払出装置280に設けたモータを駆動する駆動回路328、各種ランプ330(入賞ライン表示ランプ120、告知ランプ123、遊技メダル投入可能ランプ124、再遊技ランプ122、遊技メダル投入ランプ129、遊技開始ランプ121、貯留枚数表示器125、遊技情報表示器126、払出枚数表示器127)を駆動する駆動回路332を備えている。
また、基本回路302には、情報出力回路336(図8に示す外部集中端子板248)を接続しており、主制御部300は、この情報出力回路336を介して、外部のホールコンピュータ(図示省略)等が備える情報入力回路652にスロットマシン100の遊技情報(例えば、遊技状態)を出力する。
また、主制御部300は、電源管理部(図示しない)から主制御部300に供給している電源の電圧値を監視する電圧監視回路334を備えており、電圧監視回路334は、電源の電圧値が所定の値(本実施形態では9v)未満である場合に電圧が低下したことを示す低電圧信号を基本回路302に出力する。
また、主制御部300は、第1副制御部400にコマンドを送信するための出力インタフェースを備えており、第1副制御部400との通信を可能としている。なお、主制御部300と第1副制御部400との情報通信は一方向の通信であり、主制御部300は第1副制御部400にコマンド等の信号を送信できるように構成しているが、第1副制御部400からは主制御部300にコマンド等の信号を送信できないように構成している。
<副制御部>
次に、スロットマシン100の第1副制御部400について説明する。第1副制御部400は、主制御部300が送信した制御コマンドを入力インタフェースを介して受信し、この制御コマンドに基づいて第1副制御部400の全体を制御する基本回路402を備えており、この基本回路402は、CPU404と、一時的にデータを記憶するためのRAM408と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O410と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ412を搭載している。基本回路402のCPU404は、水晶発振器414が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。ROM406は、第1副制御部400の全体を制御するための制御プログラム及びデータ、バックライトの点灯パターンや各種表示器を制御するためのデータ等を記憶する。
CPU404は、所定のタイミングでデータバスを介してROM406の所定エリアに格納された分周用のデータをカウンタタイマ412に送信する。カウンタタイマ412は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をCPU404に送信する。CPU404は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
また、第1副制御部400には、音源IC416を設けており、音源IC416に出力インタフェースを介してスピーカ272、277を設けている。音源IC416は、CPU404からの命令に応じてアンプおよびスピーカ272、277から出力する音声の制御を行う。音源IC416には音声データが記憶されたS−ROM(サウンドROM)が接続されており、このROMから取得した音声データをアンプで増幅させてスピーカ272、277から出力する。
また、第1副制御部400には、駆動回路418が設けられ、駆動回路418に入出力インタフェースを介して各種ランプ420(上部ランプ、下部ランプ、サイドランプ144、タイトルパネル162ランプ、等)が接続されている。
また、第1副制御部400には、シャッタ163のモータを駆動する駆動回路422を設けており、駆動回路422には出力インタフェースを介してシャッタ163を設けている。この駆動回路422は、CPU404からの命令に応じてシャッタ163に設けたステッピングモータ(図示省略)に駆動信号を出力する。
また、第1副制御部400には、センサ回路424を設けており、センサ回路424には入力インタフェースを介してシャッタセンサ426を接続している。CPU404は、割り込み時間ごとにシャッタセンサ426の状態を監視している。
また、CPU404は、出力インタフェースを介して第2副制御部500へ信号の送受信を行う。第2副制御部500は、演出画像表示装置157の表示制御を含む演出装置160の各種制御を行う。なお、第2副制御部500は、例えば、液晶表示装置157の表示の制御を行う制御部、各種演出用駆動装置の制御を行う制御部(例えば、シャッタ163のモータ駆動を制御する制御部)とするなど、複数の制御部で構成するようにしてもよい。
第2副制御部500は、第1副制御部400が送信した制御コマンドを入力インタフェースを介して受信し、この制御コマンドに基づいて第2副制御部500の全体を制御する基本回路502を備えており、この基本回路502は、CPU504と、一時的にデータを記憶するためのRAM508と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O510と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ512と、を搭載している。基本回路502のCPU504は、水晶発振器514が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。ROM506は、第2副制御部500の全体を制御するための制御プログラム及びデータ、画像表示用のデータ等を記憶する。
CPU504は、所定のタイミングでデータバスを介してROM506の所定エリアに格納された分周用のデータをカウンタタイマ512に送信する。カウンタタイマ512は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をCPU404に送信する。CPU504は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
また、第2副制御部500には、VDP516(ビデオ・ディスプレイ・プロセッサー)を設けており、このVDP516には、バスを介してROM506、VRAM518が接続されている。VDP516は、CPU504からの信号に基づいてROM506に記憶された画像データ等を読み出し、VRAM518のワークエリアを使用して表示画像を生成し、演出画像表示装置157に画像を表示する。
図3(a)を用いて、上述の各リール110〜112に施される図柄配列について説明する。なお、同図は、各リール(左リール110、中リール111、右リール112)に施される図柄の配列を平面的に展開して示した図である。
<図柄配列>
各リール110〜112には、同図の右側に示す複数種類(本実施形態では8種類)の図柄が所定コマ数(本実施形態では、番号0〜20の21コマ)だけ配置されている。また、同図の左端に示した番号0〜20は、各リール110〜112上の図柄の配置位置を示す番号である。例えば、本実施形態では、左リール110の番号1のコマには「リプレイ」の図柄、中リール111の番号0のコマには「ベル」の図柄、右リール112の番号2のコマには「スイカ」の図柄、がそれぞれ配置されている。
<入賞役の種類>
次に、図3(b)を用いて、スロットマシン100の入賞役の種類について説明する。なお、同図は入賞役(作動役を含む)の種類、各入賞役に対応する図柄組合せ、各入賞役の作動または払出を示している。
本実施形態における入賞役のうち、ビッグボーナス(BB1、BB2)および、レギュラーボーナス(RB)はボーナス遊技に移行する役として、また、再遊技(リプレイ)は新たにメダルを投入することなく再遊技が可能となる役として、それぞれ入賞役とは区別され「作動役」と呼ばれる場合があるが、本実施形態における「入賞役」には、作動役である、ビッグボーナス、レギュラーボーナス、再遊技が含まれる。また、本実施形態における「入賞」には、メダルの配当を伴わない(メダルの払い出しを伴わない)作動役の図柄組合せが有効ライン上に表示される場合も含まれ、例えば、ビッグボーナス、レギュラーボーナス、再遊技への入賞が含まれる。
スロットマシン100の入賞役には、ビッグボーナス(BB1、BB2)と、レギュラーボーナス(RB)と、小役(チェリー、スイカ、ベル)と、再遊技(リプレイ)がある。なお、入賞役の種類は、これに限定されるものではなく、任意に採用できることは言うまでもない。
「ビッグボーナス(BB1、BB2)」(以下、単に、「BB」と称する場合がある)は、入賞により特別遊技であるビッグボーナス遊技(BB遊技)が開始される特別役(作動役)である。対応する図柄組合せは、BB1が「白7−白7−白7」、BB2が「青7−青7−青7」である。また、BB1、BB2についてはフラグ持越しを行う。すなわち、BB1、BB2に内部当選すると、これを示すフラグが立つ(主制御部300のRAM308の所定のエリア内に記憶される)が、その遊技においてBB1、BB2に入賞しなかったとしても、入賞するまで内部当選を示すフラグが立った状態が維持され、次遊技以降でもBB1、BB2に内部当選中となり、BB1に対応する図柄組み合わせ「白7−白7−白7」、BB2に対応する図柄組み合わせ「青7−青7−青7」が、揃って入賞する状態にある。
「レギュラーボーナス(RB)」は、入賞によりレギュラーボーナス遊技(RB遊技)が開始される特殊役(作動役)である。対応する図柄組合せは、「ボーナス−ボーナス−ボーナス」である。なお、RBについても上述のBBと同様にフラグ持越しを行う。但し、(詳細は後述するが)ビッグボーナス遊技(BB遊技)においては、レギュラーボーナス遊技(RB遊技)が内部当選することや、図柄組み合わせが入賞ライン上に表示されること、を開始条件とせずに、ビッグボーナス遊技の開始後からレギュラーボーナス遊技を開始し、1回のレギュラーボーナス遊技を終了した場合には次のレギュラーボーナス遊技をすぐに開始するような自動的にレギュラーボーナス遊技を開始させる設定としてもよい。
「小役(チェリー、スイカ、ベル)」(以下、単に、「チェリー」、「スイカ」、「ベル」と称する場合がある)は、入賞により所定数のメダルが払い出される入賞役で、対応する図柄組合せは、チェリーが「チェリー−ANY−ANY」、スイカが「スイカ−スイカ−スイカ」、ベルが「ベル−ベル−ベル」である。また、対応する払出枚数は同図に示す通りである。なお、「チェリー−ANY−ANY」の場合、左リール110の図柄が「チェリー」であればよく、中リール111と右リール112の図柄はどの図柄でもよい。
「再遊技(リプレイ)」は、入賞により次回の遊技でメダル(遊技媒体)の投入を行うことなく遊技を行うことができる入賞役(作動役)であり、メダルの払出は行われない。なお、対応する図柄組合せは、再遊技は「リプレイ−リプレイ−リプレイ」である。
<遊技状態の種類>
次に、スロットマシン100の遊技状態の種類について説明する。遊技状態とは、抽選などにおいて選択する抽選データの種別を識別するための情報である。本実施形態では、スロットマシン100の遊技状態は、通常遊技と、BB遊技と、RB遊技と、ビッグボーナス(BB)およびレギュラーボーナス(RB)の内部当選遊技と、に大別した。但し、内部当選遊技は、通常遊技に含まれる区分けであってもよい。
<通常遊技>
通常遊技に内部当選する入賞役には、ビッグボーナス(BB)と、レギュラーボーナス(RB)と、再遊技(リプレイ)と、小役(チェリー、スイカ、ベル)がある。
「ビッグボーナス(BB)」は、入賞により特別遊技であるビッグボーナス遊技(BB遊技)が開始される特別役(作動役)である。レギュラーボーナス(RB)」は、入賞によりレギュラーボーナス遊技(RB遊技)を開始する特殊役(作動役)である。「再遊技(リプレイ)」は、入賞により次回の遊技でメダルの投入を行うことなく遊技を行うことができる入賞役(作動役)であり、メダルの払出も行われない。「小役」は、入賞により所定数のメダルが払い出される入賞役である。なお、各々の役の内部当選確率は、通常遊技に用意された抽選データから、各々の役に対応付けされた抽選データの範囲に該当する数値データを、内部抽選時に取得される乱数値の範囲の数値データ(例えば65535)で除した値で求められる。通常遊技に用意された抽選データは、予めいくつかの数値範囲に分割され、各数値範囲に各々の役やハズレを対応付けしている。内部抽選を実行した結果得られた乱数値が、何れの役に対応する抽選データに対応する値であったかを判定し、内部抽選役を決定する。この抽選データは少なくとも1つの役の当選確率を異ならせた設定1〜設定6が用意され、遊技店の係員等はいずれかの設定値を任意に選択し、設定することができる。
通常遊技は、内部抽選の結果が概ねハズレ(ビッグボーナス(BB)、レギュラーボーナス(RB)、再遊技(リプレイ)および小役に当選していない)となる設定、又は、停止表示結果がいずれの役の図柄組合せに該当しないハズレの停止表示結果が概ね導出される設定がされており、獲得するメダルの総数が、投入したメダルの総数に満たない遊技状態になっている。よって、遊技者にとっては不利益となる遊技状態である。但し、予め定めた条件を満たした場合(例えば、特定の図柄組み合わせが表示された場合)には、再遊技の内部当選の確率を上昇させる変動をさせてもよい遊技状態であり、この場合、遊技に用いられるメダルの消費が抑えられ、小役の入賞によって所定数のメダルが払い出されることにより、獲得するメダルの総数が、投入したメダルの総数を超える遊技状態になり、遊技者にとっては利益となる遊技状態になる場合がある。
<BB遊技>
BB遊技は、遊技者にとっては利益となる遊技状態になるように設定されている。つまり、BB遊技は、獲得するメダルの総数が、投入したメダルの総数を超える遊技状態となる。BB遊技は、本実施形態では、ビッグボーナス(BB)の入賞により開始され、RB遊技(後述する)を連続して繰り返し実行可能になっており、遊技中に予め定められた一の数(例えば、465枚)を超えるメダルが獲得された場合に終了する。但し、BB遊技はRB遊技を複数回数実行可能であればよく、例えば、RB遊技を開始する役(図柄組み合わせは例えば、リプレイ−リプレイ−リプレイ)を設定し、この役が内部当選した場合、または、入賞した場合に、RB遊技を開始するように設定してもよい。さらには、BB遊技は、BB遊技中のRB遊技を除くBB一般遊技を予め定めた回数(例えば、30回)実行した場合、または、BB遊技中に実行したRB遊技の回数が予め定めた回数に達した場合(例えば、3回)に終了するようにしてもよい。
<RB遊技>
RB遊技は、遊技者にとっては利益となる遊技状態になるように設定されている。つまり、RB遊技は、獲得するメダルの総数が、投入したメダルの総数を超える遊技状態となる。RB遊技は、本実施形態では、レギュラーボーナス(RB)の入賞により開始され、予め定めた一の役が内部当選の確率を上昇させる変動(例えば、「設定1」「通常遊技」に設定された「小役1」の内部当選確率1/15を、予め定めた一の値である内部当選確率1/1.2に上昇させる)をし、予め定めた一の数(例えば、8回)の入賞があった場合に終了する。RB遊技は、予め定めた回数(少なくとも2回)の入賞があった場合(例えば、8回)、または、RB遊技中に実行したRB遊技の回数が予め定めた回数に達した場合(例えば、8回)に終了するようにしてもよい。上述したBB遊技は、RB遊技を複数回数実行可能であるので、一回のRB遊技を行った場合には、BB遊技で得られるメダルの総数よりも少ないメダル数を獲得して終了することとなる。
<ビッグボーナス(BB)およびレギュラーボーナス(RB)の内部当選遊技>
ビッグボーナス(BB)およびレギュラーボーナス(RB)の内部当選遊技に内部当選する入賞役には、再遊技(リプレイ)と、小役がある。ビッグボーナス(BB)およびレギュラーボーナス(RB)は内部当選することはなく、ビッグボーナス(BB)かレギュラーボーナス(RB)に対応する図柄組み合わせを入賞させることが可能となっている遊技状態である。
但し、ビッグボーナス(BB)およびレギュラーボーナス(RB)に内部当選した次遊技から、再遊技の内部当選の確率を変動させてもよく、例えば、再遊技の内部当選の確率を上昇させる変動をさせて、ビッグボーナス(BB)およびレギュラーボーナス(RB)対応する図柄組み合わせが入賞するまでの間は、獲得するメダルの総数が、投入したメダルの総数とほぼ同じとなる遊技状態とし、通常遊技と比べると遊技者にとっては利益となる遊技状態としてもよい。なお、BB遊技、RB遊技は両者とも遊技者にとって利益となる遊技状態であるため、総じて、ボーナス遊技、又は、特別遊技と称する場合がある。
<主制御部メイン処理>
図4を用いて、主制御部300のCPU304が実行する主制御部メイン処理について説明する。なお、同図は主制御部メイン処理の流れを示すフローチャートである。
上述したように、主制御部300には、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路(リセット信号出力回路)338を設けている。この起動信号を入力した基本回路302のCPU304は、リセット割込によりリセットスタートしてROM306に予め記憶している制御プログラムに従って図4に示す主制御部メイン処理を実行する。
電源投入が行われると、まず、ステップS101で各種の初期設定を行う。この初期設定では、CPU304のスタックポインタ(SP)へのスタック初期値の設定、割込禁止の設定、I/O310の初期設定、RAM308に記憶する各種変数の初期設定、WDT314への動作許可及び初期値の設定等を行う。ステップS103ではメダル投入・スタート操作受付処理を実行する。ここではメダルの投入の有無をチェックし、メダルの投入に応じて入賞ライン表示ランプ120を点灯させる。なお、前回の遊技で再遊技に入賞した場合は、前回の遊技で投入されたメダル枚数と同じ数のメダルを投入する処理を行うので、遊技者によるメダルの投入が不要となる。ステップS105ではスタートレバー135が操作されたか否かのチェックを行い、スタートレバー135の操作があればステップS107へ進む。
ステップS107では投入されたメダル枚数を確定し、有効な入賞ラインを確定する。ステップS109では乱数値生成回路318で発生させた乱数を取得する。ステップS111では、現在の遊技状態に応じてROM306に格納されている入賞役抽選テーブルを読み出し、これとステップS109で取得した乱数値とを用いて内部抽選を行う。内部抽選の結果、いずれかの入賞役(作動役を含む)に内部当選した場合、その入賞役のフラグがONになる。ステップS113では内部抽選結果に基づき、リール停止データを選択する。
ステップS115では全リール110〜112の回転を開始させる。ステップS117では、ストップボタン137〜139の受け付けが可能になり、いずれかのストップボタンが押されると、押されたストップボタンに対応するリール110〜112の何れかをステップS113で選択したリール停止制御データに基づいて停止させる。全リール110〜112が停止するとステップS119へ進む。ステップS119では、入賞判定を行う。ここでは、有効化された入賞ライン114上に、何らかの入賞役に対応する絵柄組合せが表示された場合にその入賞役に入賞したと判定する。例えば、有効化された入賞ライン上に「ベル−ベル−ベル」が揃っていたならばベル入賞と判定する。ステップS121では払い出しのある何らかの入賞役に入賞していれば、その入賞役に対応する枚数のメダルを入賞ライン数に応じて払い出す。ステップS123では遊技状態制御処理を行う。遊技状態制御処理では、通常遊技、BB遊技、RB遊技、内部当選遊技、の各遊技状態の移行に関する処理を行い、それらの開始条件、終了条件の成立により、遊技状態を移行する。以上により1ゲームが終了する。以降ステップS103へ戻って上述した処理を繰り返すことにより遊技が進行することになる。
<主制御部300タイマ割込処理>
図5を用いて、主制御部300のCPU304が実行する主制御部タイマ割込処理について説明する。なお、同図は主制御部タイマ割込処理の流れを示すフローチャートである。
主制御部300は、所定の周期(本実施形態では約2msに1回)でタイマ割込信号を発生するカウンタタイマ312を備えており、このタイマ割込信号を契機として主制御部タイマ割込処理を所定の周期で開始する。
ステップS201では、タイマ割込開始処理を行う。このタイマ割込開始処理では、CPU304の各レジスタの値をスタック領域に一時的に退避する処理などを行う。
ステップS203では、WDT314のカウント値が初期設定値(本実施形態では32.8ms)を超えてWDT割込が発生しないように(処理の異常を検出しないように)、WDT314を定期的に(本実施形態では、主制御部タイマ割込の周期である約2msに1回)リスタートを行う。
ステップS205では、入力ポート状態更新処理を行う。この入力ポート状態更新処理では、I/O310の入力ポートを介して、各種センサ320のセンサ回路322の検出信号を入力して検出信号の有無を監視し、RAM308に各種センサ320ごとに区画して設けた信号状態記憶領域に記憶する。
ステップS207では、各種遊技処理を行う。具体的には、割込みステータスを取得し(各種センサ320からの信号に基づいて各種割込みステータスを取得する)、このステータスに従った処理を行う(例えば、取得した各ストップボタン137〜139の割込みステータスに基づいて、停止ボタン受付処理を行う)。
ステップS209では、タイマ更新処理を行う。各種タイマをそれぞれの時間単位により更新する。
ステップS211では、コマンド設定送信処理を行い、各種のコマンドが第1副制御部400に送信される。なお、第1副制御部400に送信する出力予定情報は本実施形態では16ビットで構成しており、ビット15はストローブ情報(オンの場合、データをセットしていることを示す)、ビット11〜14はコマンド種別(本実施形態では、基本コマンド、スタートレバー受付コマンド、演出抽選処理に伴う演出コマンド、リール110〜112の回転を開始に伴う回転開始コマンド、ストップボタン137〜139の操作の受け付けに伴う停止ボタン受付コマンド、リール110〜112の停止処理に伴う停止位置情報コマンド、メダル払出処理に伴う払出枚数コマンド及び払出終了コマンド、遊技状態を示すコマンド等)、ビット0〜10はコマンドデータ(コマンド種別に対応する所定の情報)で構成されている。
第1副制御部400では、受信した出力予定情報に含まれるコマンド種別により、主制御部300における遊技制御の変化に応じた演出制御の決定が可能になるとともに、出力予定情報に含まれているコマンドデータの情報に基づいて、演出制御内容を決定することができるようになる。
ステップS213では、外部出力信号設定処理を行う。この外部出力信号設定処理では、RAM308に記憶している遊技情報を、情報出力回路336を介してスロットマシン100とは別体の情報入力回路652に出力する。
ステップS215では、デバイス監視処理を行う。このデバイス監視処理では、まずはステップS205において信号状態記憶領域に記憶した各種センサ320の信号状態を読み出して、メダル投入異常及びメダル払出異常等に関するエラーの有無を監視し、エラーを検出した場合には(図示省略)エラー処理を実行させる。さらに、現在の遊技状態に応じて、メダルセレクタ170(メダルセレクタ170内に設けたソレノイドが動作するメダルブロッカ)、各種ランプ330、各種の7セグメント(SEG)表示器の設定を行う。
ステップS217では、低電圧信号がオンであるか否かを監視する。そして、低電圧信号がオンの場合(電源の遮断を検知した場合)にはステップS221に進み、低電圧信号がオフの場合(電源の遮断を検知していない場合)にはステップS219に進む。
ステップS219では、タイマ割込終了処理を終了する各種処理を行う。このタイマ割込終了処理では、ステップS201で一時的に退避した各レジスタの値を元の各レジスタに設定等行う。その後、図4に示す主制御部メイン処理に復帰する。
一方、ステップS221では、復電時に電断時の状態に復帰するための特定の変数やスタックポインタを復帰データとしてRAM308の所定の領域に退避し、入出力ポートの初期化等の電断処理を行い、その後、図4に示す主制御部メイン処理に復帰する。
<第1副制御部400の処理>
図6を用いて、第1副制御部400の処理について説明する。なお、図6(a)は、第1副制御部400のCPU404が実行するメイン処理のフローチャートである。図6(b)は、第1副制御部400のコマンド受信割込処理のフローチャートである。図6(c)は、第1副制御部400のタイマ割込処理のフローチャートである。
まず、図6(a)のステップS301では、各種の初期設定を行う。電源投入が行われると、まずステップS301で初期化処理が実行される。この初期化処理では、入出力ポートの初期設定や、RAM408内の記憶領域の初期化処理等を行う。
ステップS303では、タイマ変数が10以上か否かを判定し、タイマ変数が10となるまでこの処理を繰り返し、タイマ変数が10以上となったときには、ステップS305の処理に移行する。
ステップS305では、タイマ変数に0を代入する。
ステップS307では、コマンド処理を行う。コマンド処理では第1副制御部400のCPU404は、主制御部300からコマンドを受信したか否かを判別する。
ステップS309では、演出制御処理を行う。例えば、ステップS307で新たなコマンドがあった場合には、このコマンドに対応する処理を行う。この処理には、例えば、演出データをROM406から読み出す等の処理を行い、演出データの更新が必要な場合には演出データの更新処理を行うことが含まれる。
ステップS311では、ステップ309の処理結果に基づいて音制御処理を行う。例えば、ステップS309で読み出した演出データの中に音源IC416への命令がある場合には、この命令を音源IC416に出力する。
ステップS313では、ステップ309の処理結果に基づいてランプ制御処理を行う。例えば、ステップS309で読み出した演出データの中に各種ランプ420への命令がある場合には、この命令を駆動回路418に出力する。
ステップS315では、ステップS309の処理結果に基づいてシャッタ制御処理を行う。例えば、ステップS309で読み出した演出データの中にシャッタ163への命令がある場合には、この命令を駆動回路422に出力する。
ステップS317では、ステップ309の処理結果に基づいて第2副制御部500に制御コマンドを送信する設定を行う情報出力処理を行う。例えば、ステップS309で読み出した演出データの中に第2副制御部500に送信する制御コマンドがある場合には、この制御コマンドを出力する設定を行い、ステップS303へ戻る。
次に、図6(b)を用いて、第1副制御部400のコマンド受信割込処理について説明する。このコマンド受信割込処理は、第1副制御部400が、主制御部300が出力するストローブ信号を検出した場合に実行する処理である。コマンド受信割込処理のステップS401では、主制御部300が出力したコマンドを未処理コマンドとしてRAM408に設けたコマンド記憶領域に記憶する。
次に、図6(c)を用いて、第1副制御部400のCPU404によって実行する第1副制御部タイマ割込処理について説明する。第1副制御部400は、所定の周期(本実施形態では2msに1回)でタイマ割込を発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割込を契機として、タイマ割込処理を所定の周期で実行する。
ステップS501では、図6(a)に示す第1副制御部メイン処理におけるステップS303において説明したRAM408のタイマ変数記憶領域の値に、1を加算して元のタイマ変数記憶領域に記憶する。従って、ステップS303において、タイマ変数の値が10以上と判定されるのは20ms毎(2ms×10)となる。
ステップS503では、ステップS317で設定された第2副制御部500への制御コマンドの送信や、演出用乱数値の更新処理等を行う。
<第2副制御部500の処理>
図7を用いて、第2副制御部500の処理について説明する。なお、図7(a)は、第2副制御部500のCPU504が実行するメイン処理のフローチャートである。図7(b)は、第2副制御部500のコマンド受信割込処理のフローチャートである。図7(c)は、第2副制御部500のタイマ割込処理のフローチャートである。図7(d)は、第2副制御部500の画像制御処理のフローチャートである。
まず、図7(a)のステップS601では、各種の初期設定を行う。電源投入が行われると、まずステップS601で初期化処理が実行される。この初期化処理では、入出力ポート初期設定や、RAM508内の記憶領域の初期化処理等を行う。
ステップS603では、タイマ変数が10以上か否かを判定し、タイマ変数が10となるまでこの処理を繰り返し、タイマ変数が10以上となったときには、ステップS605の処理に移行する。
ステップS605では、タイマ変数に0を代入する。
ステップS607では、コマンド処理を行う。コマンド処理では第2副制御部500のCPU504は、第1副制御部400のCPU404からコマンドを受信したか否かを判別する。
ステップS609では、演出制御処理を行う。例えば、ステップS607で新たなコマンドがあった場合には、このコマンドに対応する処理を行う。この処理には、例えば、演出データをROM506から読み出す等の処理を行い、演出データの更新が必要な場合には演出データの更新処理を行うことが含まれる。
ステップS611では、ステップS609の処理結果に基づいて画像制御処理を行う。例えば、ステップS609読み出した演出データの中に画像制御の命令がある場合には、この命令に対応する画像制御を行い(詳細は後述する)、ステップS603へ戻る。
次に、図7(b)を用いて、第2副制御部500のコマンド受信割込処理について説明する。このコマンド受信割込処理は、第2副制御部500が、第1副制御部400が出力するストローブ信号を検出した場合に実行する処理である。コマンド受信割込処理のステップS701では、第1副制御部400が出力したコマンドを未処理コマンドとしてRAM508に設けたコマンド記憶領域に記憶する。
次に、図7(c)を用いて、第2副制御部500のCPU504によって実行する第2副制御部タイマ割込処理について説明する。第2副制御部500は、所定の周期(本実施形態では2msに1回)でタイマ割込を発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割込を契機として、タイマ割込処理を所定の周期で実行する。
ステップS801では、図7(a)に示す第2副制御部メイン処理におけるステップS603において説明したRAM508のタイマ変数記憶領域の値に、1を加算して元のタイマ変数記憶領域に記憶する。従って、ステップS603において、タイマ変数の値が10以上と判定されるのは20ms毎(2ms×10)となる。ステップS803では、演出用乱数値の更新処理等を行う。
次に、図7(d)を用いて、第2副制御部500のメイン処理におけるステップS611の画像制御処理について説明する。同図は、画像制御処理の流れを示すフローチャートを示した図である。
ステップS901では、画像データの転送指示を行う。ここでは、CPU504は、まず、VRAM518の表示領域Aと表示領域Bの描画領域の指定をスワップする。これにより、描画領域に指定されていない表示領域に記憶された1フレームの画像が演出画像表示装置157に表示される。次に、CPU504は、VDP516のアトリビュートレジスタに、位置情報等テーブルに基づいてROM座標(ROM506の転送元アドレス)、VRAM座標(VRAM518の転送先アドレス)などを設定した後、ROM506からVRAM518への画像データの転送開始を指示する命令を設定する。VDP516は、アトリビュートレジスタに設定された命令に基づいて画像データをROM506からVRAM518に転送する。その後、VDP516は、転送終了割込信号をCPU504に対して出力する。
ステップS903では、VDP516からの転送終了割込信号が入力されたか否かを判定し、転送終了割込信号が入力された場合はステップS905に進み、そうでない場合は転送終了割込信号が入力されるのを待つ。
ステップS905では、演出シナリオ構成テーブルおよびアトリビュートデータなどに基づいて、パラメータ設定を行う。ここでは、CPU504は、ステップS901でVRAM518に転送した画像データに基づいてVRAM518の表示領域AまたはBに表示画像を形成するために、表示画像を構成する画像データの情報(VRAM518の座標軸、画像サイズ、VRAM座標(配置座標)など)をVDP516に指示する。VDP516はアトリビュートレジスタに格納された命令に基づいてアトリビュートに従ったパラメータ設定を行う。
ステップS907では、描画指示を行う。この描画指示では、CPU504は、VDP516に画像の描画開始を指示する。VDP516は、CPU504の指示に従ってフレームバッファにおける画像描画を開始する。
ステップS909では、画像の描画終了に基づくVDP516からの生成終了割込み信号が入力されたか否かを判定し、生成終了割込み信号が入力された場合はステップS911に進み、そうでない場合は生成終了割込み信号が入力されるのを待つ。ステップS911では、RAM508の所定の領域に設定され、何シーンの画像を生成したかをカウントするシーン表示カウンタをインクリメント(+1)して処理を終了する。
図8は、前面扉102を開けた状態のスロットマシン100を示す正面図である。本体101は、上面板261、左側の側面板260、右側の側面板260、下面板264および背面板242で囲われ、前面に開口する箱体である。本体101の内部には、背面板242の上部に設けた通風口249と重ならない位置に、内部に主制御基板を収納した主制御基板収納ケース210が配置され、この主制御基板収納ケース210の下方に、3つのリール110乃至112が配置されている。主制御基板収納ケース210及びリール110乃至112の側方、即ち向って左側の側面板260には、内部に副制御基板を収納した副制御基板収納ケース220が配設してある。また、向かって右側の側面板260には、主制御基板に接続されて、スロットマシン100の情報を外部装置に出力する外部集中端子板248が取り付けられている。
そして、下面板264には、ホッパーユニット280(バケットに溜まったメダルを払出す装置)が配設され、このホッパーユニット280の上方、即ちリール110乃至112の下方には、電源基板を有する電源装置252が配設され、電源装置252正面には電源スイッチ244を配設している。電源装置252は、スロットマシン100に外部から供給される交流電源を直流化し、所定の電圧に変換して主制御部300、副制御部400、500等の各制御部、各装置に供給する。さらには、外部からの電源が断たれた後も所定の部品(例えば主制御部300のRAM308等)に所定の期間(例えば10日間)電源を供給するための蓄電回路(例えばコンデンサ)を備えている。
ホッパーユニット280の右側には、メダル補助収納庫240が配設してあり、この背後にはオーバーフロー端子が配設されている(図示省略)。電源装置252には、電源コード265を接続する電源コード接続部が設けられ、ここに接続された電源コード265が、本体101の背面板242に開設した電源コード用穴262を通して外部に延出している。
前面扉102は、本体101の左側の側面板260にヒンジ装置276を介して蝶着され、図柄表示窓113の上部には、演出装置160、および、この演出装置160を制御する演出制御基板(図示省略)、上部スピーカ272、を設けている。図柄表示窓113の下部には、投入されたメダルを選別するためのメダルセレクタ170、およびメダル誘導路266を設けている。メダル誘導路266は、メダルセレクタ170の下方にメダルセレクタ170に連なるように配設されている。メダルセレクタ170は、メダル投入口141から投入されたメダルの大きさや真贋、現在の遊技の進行状況等に応じて投入されたメダルをホッパーユニット280およびメダル誘導路266のいずれかに振り分ける。メダル誘導路266は、メダルセレクタ170から送出された不正なメダルやホッパーユニット280から払い出されたメダルをメダル受皿161まで誘導する通路である。メダル誘導路266の詳細については後述する。さらに、音孔180に対応する位置には低音スピーカ277を設けている。
次に、図9乃至図27を用いて本実施形態におけるスロットマシン100で用いられるメダル誘導路266、メダル排出口155、およびこれらの変形例について説明する。図9乃至図27を用いたメダル誘導路266、メダル排出口155、およびこれらの変形例の説明において、鉛直方向(上下方向と称する場合もある)あるいは水平方向はスロットマシン100を設置場所に設置した状態での鉛直方向あるいは水平方向を指す。同様に、左右方向は水平方向のうち、3つのリール110〜112が並ぶ方向を指す。また、前後方向は水平方向のうち、上下方向と左右方向に直交する方向であって遊技者に向かう方向を前方向、その逆を後方向と呼ぶ。
また、図9乃至図27において「上」と「下」の表記がある両矢印は鉛直方向を示しており、「上」は鉛直上方を示し「下」は鉛直下方を示している。また、「左」と「右」の表記がある両矢印は左右方向を示しており、「左」は左方向を示し、「右」は右方向を示している。また、「前」と「後」の表記がある両矢印は前後方向を示しており、「前」は前方向を示し、「後」は後方向を示している。これらの矢印は、スロットマシン100が遊技店の島設備等に設置された場合に、メダル誘導路266、およびメダル排出口155の状態を示すものである。
図9を用いて本実施形態におけるメダル誘導路266について説明する。図9は、前面扉102とメダル誘導路266を右前上から左後下に向かって見た分解斜視図である。メダル誘導路266は、キャンセルシュート部材266aと払出メダル受け部材266bとを備え、キャンセルシュート部材266aに払出メダル受け部材266bを収容して、前面扉102の背面に取り付けられる。
メダル誘導路266は、例えば、合成樹脂で形成されている。メダル誘導路266を前面扉102のメダル排出口155の背面に取り付けることで、メダルが流通する通路が構成される。
図10を用いて本実施形態におけるメダル排出口155を構成するメダル排出口構成部材1550とメダル受け皿161について説明する。図10は、メダル排出口構成部材1550とメダル受け皿161の分解斜視図である。メダル排出口構成部材1550は、板状のメダル排出口板金部材1550a、扉部材1550b、およびシャーシ部材1550cで構成されている。最も前側にあるメダル受け皿161は、メダル排出口板金部材1550aの前側に取り付けられ、メダル受け皿161が取り付けられたメダル排出口板金部材1550aは、前面扉102の扉部材1550bの前面と扉部材1550bの背面に取り付けるシャーシ部材1550cに取り付けられる。メダル排出口板金部材1550a、扉部材1550b、およびシャーシ部材1550cのそれぞれは、板状部材を開口して形成されたメダル排出口(メダル排出口155a、155b、155c)を備えている。メダル排出口板金部材1550aのメダル排出口155aとシャーシ部材1550cのメダル排出口155cを扉部材1550bのメダル排出口155bに合わせるようにそれぞれを扉部材1550bに取り付けることで、メダル排出口155が構成される。メダル排出口155の形状については後述する。また、メダル排出口板金部材1550aには、45個の小孔で構成されている音孔180が設けられている。扉部材1550bの音孔180に対応する位置に音孔180よりも大きい円形状の開口部180aが設けられ、シャーシ部材1550cの音孔180に対応する位置に音孔180よりも大きい円形状の開口部180bが設けられている。
図11乃至図14を用いて本実施形態におけるメダル誘導路266について説明する。図11は、メダル誘導路266の正面図である。図中に示す実線矢印は、メダルセレクタ170から送出された不正なメダルや遊技中に投入されたメダルや最大貯留数と最大ベット数を足し合わせた数を超えて投入されたメダルや再遊技入賞時に投入されたメダルの流通方向と流通経路の概略を示している。遊技中に投入されたメダルや最大貯留数と最大ベット数を足し合わせた数を超えて投入されたメダルや再遊技入賞時に投入されたメダル等がメダル誘導路266に流入する。また、図中に示す破線矢印は、ホッパーユニット280から払い出されたメダルの流通方向と流通経路の概略を示している。なお、実際の遊技では、実線矢印で示す流通経路を通るメダルの枚数よりも、破線矢印で示す流通経路を通るメダルの枚数の方が多くなりやすい。
メダル誘導路266の上部には、メダル流入口が設けられている。キャンセルシュート部材266aを前面扉102の背面に取り付けることでメダル流入口が構成される。メダル流入口より流入したメダルは、メダル通過領域a2を通過する。メダル通過領域a2には、への字状に右上から左下に向けて傾斜している仕切り壁部s1があり、メダル通過領域a2を通過するメダルは、仕切り壁部s1を滑走や転動することで、右上から左下に向けて移動する。
メダル通過領域a2の左方にメダル通過領域a2と連なるメダル通過領域a3がある。メダル通過領域a3では、左右の幅がメダル通過領域a2の左右の幅よりも狭くなるように左右の仕切り壁が設けられている。このため、メダル通過領域a3を通過するメダルの左右方向の移動が制限される。また、メダル通過領域a3には、後上から前下に向けて傾斜している傾斜面k1がある。メダル通過領域a3を通過するメダルは、傾斜面k1を滑走や転動することで、後上から前下に向けて移動することになる。
メダル通過領域a3の下方にメダル通過領域a3と連なるメダル滞留領域a4がある。メダル滞留領域a4は、メダル通過領域a3よりも左右の幅と奥行が大きく、下方が内壁(底壁)に突き当たっている。また、メダル滞留領域a4は、メダル排出口155の背面に位置し、メダル滞留領域a4に流入したメダルは、メダル排出口155を介してメダル受け皿161に排出される。このように、キャンセルシュート部材266aを通過するメダルの流通経路を折れ曲がらせることで、メダルを単なる自由落下によってメダル受け皿に排出する場合よりも、メダル受け皿に排出されるメダルの移動速度を遅くすることができるうえ、メダル投入口141からメダル排出口155までの経路を直線でない形状とし、メダル排出口155からの経路に対して返しを付けることで不正行為を防ぎやすくしている。
キャンセルシュート部材266aは、メダル滞留領域a4の左後上方にホッパーユニット280から払い出されたメダル射入口a5(図22において後述する。)を有している。メダル射入口a5から入ってきたメダルは、メダル受け部材266bとキャンセルシュート部材266aの一部の内壁面で構成されたメダル誘導通路b1を通過して、メダル誘導通路b1の右下方にあるメダル滞留領域a4に流入する。
図12は、キャンセルシュート部材266aとメダル受け部材266bを右前上から左後下に向かって見た分解斜視図である。キャンセルシュート部材266aは、左下部に払出メダル受け部材266bを収容する空間領域を有している。当該空間領域に払出メダル受け部材266bを収容して組み合わせることでメダル誘導路266が構成される。また、キャンセルシュート部材266aは、メダル滞留領域a4とメダル誘導通路b1の周囲の一部に平板状の前面部m1を有している。前面部m1が前面扉102の背面のシャーシ部材155bに接するようにキャンセルシュート部材266aを取り付ける。
キャンセルシュート部材266aは、上部にメダル受け領域a1を有している。メダル受け領域a1は、左側の左側壁部s1の上部と右側の右側壁部s2の上部と後壁部u1の上部に囲まれた領域であり、上方から落下してくるメダルの受け口として機能している。メダル受け領域a1の後壁部u1は、前下から後上に向けて、後方に張り出すように緩やかに湾曲した内壁面を有している。
メダル受け部材266bは、ホッパーユニット280から払出されたメダルの移動方向を変えるために取り付けられる。メダル受け部材266bは、ホッパーユニット280から勢いよく払出されたメダルを内壁に衝突させることでメダル滞留領域a4に誘導するため、メダルの衝突による消耗が激しい。このため、メダル受け部材266bは、キャンセルシュート部材266aよりも硬度の高い材質で形成されており、キャンセルシュート部材266aとは別部品にすることで、消耗の激しいメダル受け部材266bのみを取り替えることが可能となっている。また、メダル受け部材266bは、外壁と内壁の間が空洞であり、メダルが衝突した際のメダルによる衝撃を吸収しやすい構造になっている。
メダル滞留領域a4は、ホッパーユニット280から払出されたメダルをメダル受け皿161に排出できない場合に、メダルを滞留させておくことが可能な領域である。メダル滞留領域a4は、キャンセルシュート部材266aの内壁の一部である左壁部h1、右壁部h2、後壁部h3、右上壁部h4、底壁部h6、およびメダル受け部材266bの外壁の一部である左上壁部h5で構成されている。本実施形態におけるメダル滞留領域a4は、メダル受け皿161内のメダル排出口155の近くの領域にメダルが滞留することで、ホッパーユニット280から排出されたメダルがメダル受け皿161まで移動することができなくなるため、このような場合でもすぐにメダル詰まりが発生しないようにするための高さと横幅を有している。また、本実施形態ではキャンセルシュート部材266aを通過するメダルの多くが衝突することとなる仕切り壁部s1をキャンセルシュート部材266aの別部品としない構成としているが、例えば、仕切り壁部s1をメダル受け部材266bのようにキャンセルシュート部材266aの別部品として、より硬度の高い材質とする構成としてもよい。
図13は、メダル誘導路266を右前下から左後上に向かって見た斜視図である。図中に示す破線矢印は、ホッパーユニット280から払い出されたメダルの流通方向と流通経路の概略を示している。ホッパーユニット280から払い出されたメダルは、キャンセルシュート部材266aの内壁面a6とメダル受け部266bの内部に設けられた内壁面c1、c2とで構成されたメダル誘導通路b1を通過する。ホッパーユニット280から払い出されたメダルは、図中に示す破線矢印のような軌跡を通って、メダル滞留領域a4に流入する。
図14を用いてメダル受け部材266bを詳細に説明する。図14(a)は、キャンセルシュート部材266aに取り付けられた状態のメダル受け部材266bの正面図である。本実施形態におけるメダル受け部材266bは、透明な合成樹脂で形成されている。メダル受け部266bの内壁面c1は、左後上から右前下に向けて前方に張り出すような湾曲面を有している。また、メダル受け部266bの内壁面c2は、内壁面c1に対して直交し後方に延びる壁面を有している。
図14(b)は、キャンセルシュート部材266aに取り付けられた状態のメダル受け部材266bの右側面図であり、図14(c)は、図14(b)のA−A線で切断して矢印方向に見た切断部の端面図である。図14(c)に示すように、メダル受け部材266bには内壁面と外壁面との間に空洞があるため、メダル受け部材266bは、メダルが内壁面c1や内壁面c2に衝突した際のメダルによる衝撃を吸収しやすい構造になっている。
図15を用いて、本実施形態のスロットマシン100が解決する課題の一部について説明する。図15(a)は、開口部を小さくしたメダル排出口1500を備えたメダル排出口構成部材2500を示している。メダル排出口1500から不正部材の侵入による不正行為を防ぐためには、開口部をできるだけ小さくすることが求められる。一方、メダル排出口は複数枚のメダルが一度に通過するため、メダル排出口におけるメダル詰まりの発生を防ぐには開口部を大きくする必要がある。
図15(b)は、キャンセルシュート部材1600のメダル滞留領域a40にメダルが滞留している状態を示している。メダル排出口1500の奥には、メダル受け皿にあるメダルによってメダルをメダル受け皿に排出することができない場合を想定し、予定枚数のメダルを滞留させておくためのメダル滞留領域を設けておく必要がある。また、メダル滞留領域a40は、メダル詰まりの発生を防ぐために大きくする必要もあるが、メダル滞留領域a40を大きくすると、滞留しているメダルがその中でさまざまな姿勢(例えば、起立状態)となり得る。
図15(c)は、図15(a)に示すメダル排出口1500を備えたメダル排出口構成部材2500と図15(b)に示すメダル滞留領域a40を備えたキャンセルシュート部材1600を組み合わせた場合において、メダル詰まりが発生した状況を示している。図15(c)では、キャンセルシュート部材1600とメダル排出口1500の位置関係を把握できるようにするために、扉部材の図示を省略している。図15(c)に示すように、メダル排出口1500の開口部の一辺の長さがメダルの直径よりも短い場合には、メダル滞留領域a40内にあるメダルをメダル受け皿に排出しきれないという状況が発生し得る。メダル滞留領域a40内にあるメダルをメダル受け皿に排出しきれない場合には、メダル滞留領域a40内に排出されていないメダルがあることに気付かなかった遊技者が損をしてしまうという問題が生じる。
このように、メダル排出口の開口部を狭くするとメダル詰まりが発生するため、メダル排出口の開口部を広くする必要がある。しかし、メダル排出口の開口部を広くすると、外部から内部へ通じる穴が広くなってしまうため、不正部材の侵入を防止することが難しくなる。
図16乃至図23を用いて本実施形態におけるメダル誘導路266とメダル排出口155について詳細に説明する。図16は、メダル排出口155を備えたメダル排出口構成部材1550とメダル誘導路266を組み合わせた状態の正面図である。なお、図16では、メダル排出口155とメダル誘導路266の位置関係を示すため、メダル排出口構成部材1550においては扉部材1550bとシャーシ部材1550cの図示を省略し、メダル排出口板金部材1550aのみを図示している。
図16に示すように、メダル排出口構成部材1550は、開口部が略凹状のメダル排出口155を有している。メダル排出口155の左端は、メダル滞留領域a4の左前端とほぼ一致し、メダル排出口155の右端は、メダル滞留領域a4の右前端とほぼ一致し、メダル排出口155の下端は、メダル滞留領域a4の下前端とほぼ一致するようにメダル誘導路266とメダル排出口構成部材1550を組み合わせる。また、メダル滞留領域a4を水平方向に分割すると、左方領域a41、左中間領域a42、中央領域a43、右中間領域a44、および右方領域a45に分けられる。メダル滞留領域a4の左壁部h1に隣接した領域が左方領域a41であり、メダル滞留領域a4の右内壁部h2に隣接した領域が右方領域a45である。左方領域a41と右方領域a45の間に中央領域a43がある。左方領域a41と中央領域a43の間に左中間領域a42があり、右方領域a45と中央領域a43の間に右中間領域a44がある。中央領域a43の左端は左方領域a41の右端に近接し、中央領域a43の右端は右方領域a45の左端に近接している。また、メダル滞留領域a4の中央領域a43の底面h63は、左奥の位置(中央領域a43内においてメダル誘導通路b1に最も近い位置)で底面の高さが最も高い最高部h60を有し、左上から右下に向けて連続的に傾斜している。
ホッパーユニット280から払出されたメダルは、メダル滞留領域a4の左方領域a41、あるいは右方領域a45まで到達した場合には、これらに隣接する壁部に支えられることで起立状態となる場合がある。このため、メダル滞留領域a4の左方領域a41と右方領域a45からメダルを排出できるように、これらの領域にあるメダル排出口155の高さを起立状態のメダルが通過可能となる高さとして、これら以外の領域においてはメダル排出口155の高さを低くしている。
図17(a)は、図16のA−A線とB−B線でメダル排出口155を備えたメダル排出口構成部材1550とメダル誘導路266を切断して矢印方向に見た切断部端面図であり、メダル滞留領域a4の右方領域a45の切断部端面図である。図17(b)は、図16のB−B線でメダル排出口155を備えたメダル排出口構成部材1550とメダル誘導路266を切断して矢印方向に見た切断部端面図であり、メダル滞留領域a4の中央領域a43の切断部端面図である。また、図中に示す2点鎖線の円は、起立状態のメダルを表している。また、図中に示す、右上から左下に延びる斜め線のハッチングは、キャンセルシュート部材266aの切断部の端面を表し、クロスハッチングと左上から右下に延びる斜め線のハッチングは、扉部材1550bの切断部の端面を表している(後述する切断部端面図においても同様である。)。なお、図17(a)、および図17(b)に示す切断部端面図は、メダル排出口板金部材1550aとシャーシ部材1550cの図示を省略している。
図17(a)に示すように、メダル滞留領域a4の右方領域a45は、メダル排出口155の上端からメダル滞留領域a4の底壁部h6の底面h65までの最短距離(L1)がメダルの直径Dよりも長くなるように構成された領域である。また、図18(b)で後述するように、メダル滞留領域a4の右方領域a45の横幅は、メダルの厚みよりも長くなるように構成されている。このため、メダル滞留領域a4の右方領域a45は、起立状態のメダルを排出することが可能である。一方、図17(b)に示すように、メダル滞留領域a4の中央領域a43は、メダル排出口155の上端からメダル滞留領域a4の底壁部h6の底面h63までの最短距離(L2)がメダルの直径Dよりも短くなるように構成された領域である。このため、メダル滞留領域a4の中央領域a43は、起立状態のメダルを排出することが不可能である。図16や後述する図18(b)に示すように、メダル滞留領域a4の右方領域a45は、メダル滞留領域a4の右壁部h2際に設けられ、メダル滞留領域a4の中央領域a43の底面h63にはメダルの姿勢が起立状態となりづらくするための左上から右下に向けた傾斜が設けられている。また、左方領域a41においては、メダル排出口155の上端から底面までの最短距離がメダルの直径Dよりも長くなり、左方領域a41の横幅は、メダルの厚みよりも長くなるように構成されている。このため、メダル滞留領域a4の左方領域a41は、起立状態のメダルを排出することが可能である。
図17(a)、図17(b)に示すように、メダル滞留領域a4の底面h63および底面h65を有する底壁部h6は、メダル受け皿161に向かって連続的に下方に傾斜している。このため、メダル滞留領域a4内にあるメダルがメダル受け皿161に移動しやすくなるため、メダル滞留領域内a4でのメダル詰まりが発生しづらくなる。また、メダル滞留領域a4の底壁部h6は、本実施形態のような構成に限らず別の構成であってもよい。例えば、メダル滞留領域の底面が平らになっているものや、ホッパーユニット280の設置方向に向かって傾斜しているものであってもよい。
このように、本実施形態におけるメダル排出口155を備えたメダル排出口構成部材1550とメダル誘導路266の組み合せは、メダル滞留領域a4の中央領域a43から起立状態のメダルを排出できない高さまでメダル排出口155を低くして、外部からの不正部材の侵入をできるだけ防ぐことができ、なおかつ壁際のようにメダルが起立状態になりやすい位置のメダル滞留領域a4の左方領域a41、および右方領域a45では、起立状態のメダルが通過可能な高さまでメダル排出口155を高くして、メダル排出口155でのメダル詰まりを防止している。
図18(a)は、キャンセルシュート部材266aの右側面図である。メダル滞留領域a4は、少なくとも最大払出数と同数のメダルを合算した体積よりも大きな容積となるように横幅と高さと奥行きが設けられている。本実施形態におけるメダル誘導路266は、メダル滞留領域a4において最大払出数と同数(例えば、15枚)のメダルを滞留させておくことが可能であり、一度に払出されるメダルをメダル滞留領域a4に滞留させておくことができるため、メダル詰まりを防ぎやすい構成である。また、メダル滞留領域a4は、これ以外の構成であってもよい。例えば、メダル滞留領域a4は、最大払出数のメダルを滞留させておくことができる領域でなくてもよい。
図18(b)は、図18(a)のC−C線でキャンセルシュート部材266aを切断して矢印方向に見た切断部端面図である。図中に示す破線は、上述の左方領域a41、左中間領域a42、中央領域a43、右中間領域a44、および右方領域a45の境界を示す仮想線を表している(後述の切断部端面図においても同様である。)。図18(b)に示すように、メダル滞留領域a4は、切断部端面において左右の端部が窪み中央部が盛り上がっている底壁部h6を有している。図中において、左端の窪んでいる底面h61と左壁部h1の内壁面と破線で囲まれた領域は左方領域a41であり、右端の窪んでいる底面h65と右壁部h2の内壁面と右上壁部h4の内壁面と破線で囲まれた領域は右方領域a45であり、中央の盛り上がっている底面h63と右上壁部h4の内壁面と破線で囲まれた領域は中央領域a43である。中央領域a43の底面h63は、右方領域a45の底面h65に向けて一方向に緩やかな角度(θ1)で傾斜している。従来は、メダル滞留領域に多くのメダルを滞留させた場合に、壁際以外の領域でもメダルの姿勢が起立状態になってしまう場合があったが、本実施形態のようにメダル滞留領域a4は、中央領域a43の底面h63を左右方向にも傾斜させることで、メダル滞留領域a4に多くのメダルを滞留させた場合においても、中央領域a43にあるメダルの姿勢が起立状態になりづらくしている。
また、メダル滞留領域a4の左方領域a41の横幅と右方領域a45の横幅は、メダルの厚みよりも長くなるように構成されている。このため、左方領域a41内にあるメダルは、左方領域a41の窪んだ底面h61と左壁部h1の内壁面に支えられて起立状態になりやすく、右方領域a45内にあるメダルは、右方領域a41の窪んだ底面h65と右壁部h2の内壁面に支えられて起立状態になりやすくなっている。
図18(b)に示すように、メダル滞留領域a4に係る中央領域a43の底面h63は、左上から右下に向けて一方向に緩やかに傾斜している。図16で示したように、底面h63は、メダル受け部材266bに最も近い位置となるメダル滞留領域a4の左奥の位置で底面の高さが最も高い最高部h60を有している。また、本実施形態におけるメダル滞留領域a4は、メダル滞留領域a4の左方領域a41と右方領域a45の底面を窪ませることで、左方領域a41と右方領域a45にあるメダル排出口155の上端の位置を低く抑えることができる。また、本実施形態におけるメダル誘導路266のメダル滞留領域a4は、メダルが起立状態になりやすい領域(a41、a45)とメダルが倒れた状態になりやすい領域(a43)を分けることによって、メダル滞留領域a4内のメダルが様々な姿勢になることを抑制することができる。
図19は、本実施形態のメダル排出口155を備えたメダル排出口構成部材1550とメダル誘導路266を組み合わせた状態においてホッパーユニット280から払出されたメダルMの移動状態の一例を示している。なお、メダル排出口155とメダル誘導路266の位置関係を示すため、メダル排出口構成部材1550においては扉部材1550bとシャーシ部材1550cの図示を省略し、メダル排出口板金部材1550aのみを図示している。また、ホッパーユニット280から払出されたメダルの移動状態を分かり易くするために、メダル排出口構成部材1550によって隠されているメダル誘導通路b1を構成しているメダル受け部材266bの一部とキャンセルシュート部材266aの一部を点線で表している。
ホッパーユニット280から払出されたメダルMは、メダル誘導通路b1の図中に示すAの位置まで移動する。Aの位置に到達したメダルMは、キャンセルシュート部材266aの内壁面a6を滑走や転動して、メダル滞留領域a4の図中に示すBの位置まで移動する。Bの位置は、上述の中央領域a43の左後方の位置である。また、中央領域a43の底面は、左後上から右前下に向けて連続的に傾斜している。このため、Bの位置に到達したメダルMは、メダル滞留領域a4の中央領域a43の底面h63を滑走や転動して、図中に示すCの位置まで移動する。Cの位置は、メダル滞留領域a4の右方領域a45の位置である。Cの位置にあるメダルMは、メダル滞留領域a4の右壁部h2に支えられて起立状態となり、メダル排出口155を介して、メダル受け皿161に排出される。
このように、本実施形態のメダル排出口155を備えたメダル排出口構成部材1550とメダル誘導路266を組み合わせることで、ホッパーユニット280から払出されたメダルは、遊技者から見て左方から右方に移動するようになっており、メダル滞留領域a4に到達したメダルは、遊技者から見て左方から右方に移動しやすい。また、メダル滞留領域a4の中央領域a43のように壁による支えがないためメダルが起立状態になりづらく、メダル滞留領域a4の右方領域a45のように壁による支えがある場合はメダルが起立状態になる可能性が高くなる。
図20は、メダル排出口155を備えたメダル排出口構成部材1550とメダル誘導路266を組み合わせた状態において、メダル排出口155とメダル滞留領域a4の開口部の位置関係を示している。メダル排出口155の上部の点線は、メダル滞留領域a4の開口部の上端を示す仮想線である。なお、メダル排出口155とメダル誘導路266の位置関係を示すため、メダル排出口構成部材1550においては扉部材1550bとシャーシ部材1550cの図示を省略し、メダル排出口板金部材1550aのみを図示している。
図20に示すように、メダル滞留領域a4の開口部の左端は、メダル排出口155の左端とほぼ一致し、メダル滞留領域a4の開口部の右端は、メダル排出口155の右端とほぼ一致し、メダル滞留領域a4の開口部の下端は、メダル排出口155の下端とほぼ一致している。これに対して、メダル滞留領域a4の開口部の高さ(L3)は、メダル排出口155の高さ(L4)よりも高い。このように、メダル滞留領域a4の開口部は、メダル排出口155の上方向にのみ拡がっているため、遊技者の視認しづらい位置でのメダル詰まりを発生しづらくすることができる。
図21(a)は、キャンセルシュート部材266aの右側面図であり、図21(b)は、図21(a)のC−C線でキャンセルシュート部材266aを切断して矢印方向に見た切断部端面図である。また、図中の右下に示す円は、メダルの大きさを表している。図21(b)に示すように、メダル滞留領域a4の右方領域a45の横幅(L5)は、少なくともメダルの直径Dよりも短いが、これに限られず、例えば、右方領域a45の横幅はメダルの直径Dよりも長い場合があってもよい。本実施形態においては、メダル滞留領域a4の右方領域a45では、底面h65の横幅(L5)がメダルの直径Dよりも短いため、メダル滞留領域a4の右方領域a45では、メダルが倒れづらいように構成されている。このため、本実施形態におけるメダル誘導路266は、メダル滞留領域a4の壁際の領域で倒れたメダルの上に起立状態のメダルが滞留することによるメダル詰まりの発生する確率を抑えることができる。また、メダル滞留領域a4の左方領域a41の横幅(L51)も、少なくともメダルの直径Dよりも短くなるように構成されている。
図21(b)に示すように、メダル滞留領域a4の中央領域a43と右方領域a45の間の右中間領域a44の底面h64は、中央領域a43の右端から右方領域a45の左端に向かって下方向に壁面h63の傾斜よりも大きい角度で傾斜しているがこれに限られず、例えば、右中間領域a44を設けない構成であってもよい。本実施形態におけるメダル誘導路266では、メダル滞留領域a4の右中間領域a44の底面h64の傾斜によって、右方領域a45の左側では起立状態のメダルが左方に傾きやすくなり、メダルの姿勢が直立の起立状態になりづらいように構成されている。このため、右方領域a45の左側においては、メダル排出口155の高さを低くしてもよい。また、左中間領域a42の底面h62は、左中間領域a42の左下端から中央領域a43の左下端に向かって上方向に傾斜しているがこれに限られず、例えば、左中間領域a42を設けない構成であってもよい。
図22は、キャンセルシュート部材266aの正面図である。メダル滞留領域a4の左上方にメダル滞留領域a4と連なる払出メダル受け部材収容領域a7を有している。払出メダル受け部材収容領域a7の後壁部には、ホッパーユニット280から払い出されたメダルのメダル射入口a5がある。メダル射入口a5は、左上から右下に向けて約45°傾いた長方形状の開口部を有している。また、払出メダル受け部材収容領域a7は、後ろから前に向けて延びる3本の長細い突起部を有した内壁面と後ろから前に向けて延びる4本の長細い突起部を有した内壁面とを有している。一方、払出メダル受け部材266bには、これらの細長い突起部を嵌めこむ溝が形成されている。このため、払出メダル受け部材266bを払出メダル受け部材収容領域a7に嵌めこむことで、払出メダル受け部材266bが払出メダル受け部材収容領域a7に固定される。
図22に示すように、本実施形態におけるキャンセルシュート部材266aは、中央領域a43のうち、メダル射入口a5に最も近い位置で高さが最も高くなるように構成されている。このような構成とすることにより、ホッパーユニット280から払い出されたメダルがメダル射入口a5、中央領域a43のうち高さが最も高い部分、中央領域a43のうち高さが最も低い部分を経由して、右方領域a45の方向に移動する。このため、本実施形態におけるキャンセルシュート部材266aによると、ホッパーユニット280から払い出されたメダルが移動速度を落とさない状態でメダル滞留領域a4に移動し、メダル滞留領域a4においても、底面の傾斜によって移動速度を落とさない状態でメダル滞留領域a4の右方領域a45から排出されるようになり、メダル滞留領域a4においてメダル詰まりが発生しづらくなっている。
図23(a)は、キャンセルシュート部材266aの右側面図であり、図23(b)は、図23(a)のD−D線でキャンセルシュート部材266aを切断して矢印方向に見た切断部端面図である。図23(b)に示すように、メダル滞留領域a4の右方領域a45に隣接する右壁部h2は、受け皿161の設置方向に向かってメダル滞留領域a4の開口部が拡がるように所定の角度(θ2)で傾斜している。このため、メダル滞留領域a4の右方領域a45にあるメダルは、メダル排出口155から右方向に拡がるようにメダル受け皿161に排出される場合があり、メダル排出口155の前にメダルが貯まることによるメダル詰まりが発生しづらくなっている。なお、メダル滞留領域a4の左方領域a41に隣接する左壁部h1(図18(b)参照)は、受け皿161の設置方向に向かってメダル滞留領域a4の開口部が拡がるように所定の角度で傾斜するように構成される場合があってもよい。
図24乃至図26を用いて、メダル排出口155を備えたメダル排出口構成部材1550とメダル誘導路266を組み合わせた例の変形例を説明し、図27を用いてメダル誘導路266の変形例を説明する。なお、以下に示す各変形例において、上述のメダル誘導路266やメダル排出口155と同じ構成についてはその説明を省略する場合がある。
<変形例A>
図24を用いて、変形例Aについて説明する。変形例Aは、メダル誘導路266の変形例1とメダル排出口155の変形例1を組み合わせた例である。図24(a)は、変形例1のメダル誘導路266におけるキャンセルシュート部材266aの右側面図である。本例のキャンセルシュート部材266aの右側面は、上述のキャンセルシュート部材266aの右側面と同じ形状である。
図24(b)は、変形例1のメダル誘導路266の正面図であり、図24(c)は、図24(a)のE−E線でキャンセルシュート部材266aを切断して矢印方向に見た切断部端面図である。図24(b)および図24(c)に示すように、キャンセルシュート部材266aは、メダル滞留領域a4の左壁部h1に隣接する左方領域a41の底面が窪んでいない。変形例1のメダル誘導路266では、メダル滞留領域a4の左方領域a41の底面が窪んでいないため、上述のメダル誘導路266よりも左壁部h1の底面からの高さが低くなる。このため、変形例1のメダル誘導路266では、メダル滞留領域a4の左方領域a41において、メダルの姿勢が起立状態になりづらいように構成されている。また、メダル滞留領域a4の左壁部h1の壁面を左後上から右前下に向けて傾斜させてもよい。この場合は、メダル滞留領域a4の左方領域a41において、よりメダルが起立状態になりづらくなる。なお、上記実施の形態のメダル排出口155を備えたメダル排出口構成部材1550とメダル誘導路266の組み合わせでは、左方領域a41、および右方領域a45のいずれの領域でもメダルが起立状態になりやすく、起立状態のメダルを排出可能である。
図24(d)は、変形例1のメダル排出口155を備えたメダル排出口構成部材1550と変形例1のメダル誘導路266を組み合わせた状態の正面図であり、メダル排出口155とメダル誘導路266の位置関係を示すため、メダル排出口構成部材1550においては扉部材1550bとシャーシ部材1550cの図示を省略し、メダル排出口板金部材1550aのみを図示している。変形例1のメダル排出口155は、ローマ字のLの字を反時計回りに90°回転した形状である。左方領域a41における変形例1のメダル排出口155の上端は、左方領域a41における上記実施の形態のメダル排出口155の上端よりも低くなっているため、変形例1のメダル排出口155は、上記実施の形態のメダル排出口155よりも狭くなっている。このため、変形例1のメダル排出口155を備えたメダル排出口構成部材1550と変形例1のメダル誘導路266を組み合わせることで、外部から不正部材を侵入させる開口部を狭くすることができ、より不正部材の侵入を防ぎやすい構成となっている。なお、本実施形態のような構成とした場合、メダル滞留領域a4のうち、メダル射入口a5に近い部分を広くすることができるため、メダル射入口a5の近くでのメダル詰まりの発生を防ぎやすくすることができる。
<変形例B>
図25を用いて、変形例Bについて説明する。変形例Bは、上記実施の形態に係るメダル排出口155を備えたメダル排出口構成部材1550とメダル誘導路266の変形例2を組み合わせた例である。図25(a)は、変形例2のメダル誘導路266におけるキャンセルシュート部材266aの右側面図である。本例のキャンセルシュート部材266aの右側面は、上述のキャンセルシュート部材266aの右側面と同じ形状である。
図25(b)は、変形例2のメダル誘導路266の正面図であり、図25(c)は、図25(a)のF−F線でキャンセルシュート部材266aを切断して矢印方向に見た切断部端面図である。図25(c)に示すように、変形例2のメダル誘導路266は、中央領域a43の底壁の切断部の端面が、中央領域a43の左右方向の略中心を頂点として、左側は左方領域a41の底面に向かって下方に一方向に傾斜し、右側は右方領域a45の底面に向かって下方に一方向に傾斜するように構成されている。
図25(d)は、上記実施の形態のメダル排出口155を備えたメダル排出口構成部材1550と変形例2のメダル誘導路266を組み合わせた状態の正面図であり、メダル排出口155とメダル誘導路266の位置関係を示すため、メダル排出口構成部材1550においては扉部材1550bとシャーシ部材1550cの図示を省略し、メダル排出口板金部材1550aのみを図示している。変形例2のメダル誘導路266のメダル滞留領域a4は、左方領域a41と右方領域a45の両方にメダルが移動しやすいように構成されているため、起立状態のメダルが通過不可能な中央領域a43からメダルが排出されづらい構成となっている。また、変形例2のメダル誘導路266では、メダル滞留領域a4内のメダルが右方領域a45と左方領域a41に分散されやすくなっている。なお、本実施形態では、メダル射入口a5がメダル滞留領域a4の左側に設けられているため、メダル射入口a5から入ってきたメダルの移動速度を落とさない状態で右方領域a45に向かって移動させるために中央領域a43は右方領域a45に向かって一方的に傾斜するように構成されている。
<変形例C>
図26を用いて、変形例Cについて説明する。変形例Cは、変形例2のメダル排出口155を備えたメダル排出口構成部材1550と上記実施の形態のメダル誘導路266を組み合わせた例である。図26(a)は、変形例2のメダル排出口155を備えたメダル排出口構成部材1550と上記実施の形態のメダル誘導路266を組み合わせた状態の正面図であり、メダル排出口155とメダル誘導路266の位置関係を示すため、メダル排出口構成部材1550においては扉部材1550bとシャーシ部材1550cの図示を省略し、メダル排出口板金部材1550aのみを図示している。図26(b)は、図26(a)のG−G線でメダル誘導路266を切断して矢印方向に見た切断部端面図であり、メダル滞留領域a4の右方領域a45を含んでいる。図26(c)は、図26(a)のH−H線でメダル誘導路266を切断して矢印方向に見た切断部端面図であり、メダル滞留領域a4の中央領域a43を含んでいる。図26(a)乃至図26(c)に示すように、変形例2のメダル排出口155は、メダル排出口155の上端が一律の高さとなるように構成されている。また、本例では、上記実施の形態のメダル滞留領域a4が用いられているため、メダル排出口155の上端の高さは変わらないで、図18(b)で示したようにメダル滞留領域a4の底面の高さが変わる構成である。このため、変形例2のメダル排出口155の高さを、メダル滞留領域a4の左方領域a41、および右方領域a45からは起立状態のメダルが排出可能であり、かつこれら以外の領域(左中間領域a42、中央領域a43、右中間領域a44)からは起立状態のメダルが排出不可能となる高さにまで低くしたとしても、図18(b)で示したように、左方領域a41および右方領域a45以外の領域ではメダルが起立状態になりづらいように構成されているため、メダル詰まりが発生しづらくなっている。なお、変形例2のメダル排出口155は、左中間領域a42、中央領域a43、右中間領域a44からも起立状態のメダルを排出可能とするように構成されていてもよい。
<変形例D>
図27を用いて、変形例3に係るメダル誘導路266について説明する。図27(a)は、変形例3のメダル誘導路266におけるキャンセルシュート部材266aの右側面図である。図27(b)は、変形例3のメダル誘導路266の正面図であり、図27(c)は、図27(a)のI−I線でキャンセルシュート部材266aを切断して矢印方向に見た切断部端面図である。図27(c)に示すように、変形例3に係るメダル誘導路266のメダル滞留領域a4の右壁部h2は、メダル滞留領域a4の開口部に対して垂直に後方に延び、傾斜していない。変形例3のメダル誘導路266では、メダル排出口155の前方にメダルが排出されやすくなり、メダル受け皿161においてメダルが分散しづらい。このため、変形例3のメダル誘導路266を用いることで、メダル受け皿161に貯まったメダルが集められやすくなる場合がある。
上記実施の形態や変形例に係るメダル誘導路266は、遊技者から見てメダル滞留領域a4の左側にホッパーユニットから払出されたメダルの通路となるメダル誘導通路b1を有しているが、これに限られず、メダル滞留領域a4とメダル誘導通路b1の位置関係はどのようなものであってもよい。また、メダル誘導通路b1は、キャンセルシュート部材266aとメダル受け部材266bの2部品によって構成されているが、メダル誘導通路b1はどのような部品で構成されてもよい。
上記実施の形態や変形例に係るメダル誘導路266のメダル滞留領域a4は、底面がメダル受け皿161に向かって下方に傾斜する構成であるが、これに限られない。例えば、メダル滞留領域a4の底面は水平になるように構成されていてもよい。なお、上記実施の形態に係るメダル誘導路266では、メダル滞留領域a4内にあるメダルをメダル受け皿161に排出しやすくなるメダル滞留領域a4の底面を有しているため、メダル滞留領域a4内でのメダル詰まりが発生しづらくなっている。
上記実施の形態や変形例に係るメダル誘導路266のメダル滞留領域a4の開口部は、メダル排出口155よりも狭くなる構成であるが、これに限られず、メダル滞留領域a4の開口部とメダル排出口155の大きさの関係はいかなるものであってもよい。メダル滞留領域a4の開口部とメダル排出口155は、壁際の領域において起立状態のメダルが通過可能となるようにして、壁際以外の領域においては起立状態のメダルが通過不可能となるように構成されていればどのようなものであってもよい。
次に、以上説明した本実施形態におけるスロットマシン100の特徴的構成について再度図1乃至図27を参照しつつ説明する。
(1)
メダルを払い出すホッパーユニット(例えば、ホッパーユニット280)と、
前記ホッパーユニットから払い出されたメダルを受け皿(例えば、メダル受け皿161)に誘導するメダル誘導路(例えば、メダル誘導路266)と、
前記メダル誘導路によって誘導されたメダルを前記受け皿に排出するための排出口(例えば、メダル排出口155)と、
を備えた遊技台であって、
前記メダル誘導路は、メダルを滞留させておくことが可能なメダル滞留領域(例えば、メダル滞留領域a4)を有し(例えば、図12参照)、
前記メダル滞留領域は、
メダルが起立した状態で前記排出口を介して前記受け皿に排出することが可能な第一の領域(例えば、右方領域a45、または左方領域a41)と(例えば、図16乃至図18参照)、
メダルが起立した状態で前記排出口を介して前記受け皿に排出することが不可能な第二の領域(例えば、中央領域a43)と、を有し(例えば、図16乃至図18参照)、
前記第一の領域は、前記メダル滞留領域を形成する壁部のうちの第一の壁部(例えば、右壁部h2、または左壁部h1)に隣接して設けられ、メダルの厚さよりも長い横幅を有する領域であり(例えば、段落「0143」、図18(b)参照)、
前記第二の領域は、前記第一の領域に近接して設けられ、前記第一の領域の底面である第一の底面(例えば、底壁面h65、または底壁面h61)よりも高い第二の底面(例えば、底壁面h63)を有する領域である(例えば、図18(b)参照)、
ことを特徴とする遊技台。
上記遊技台によれば、メダル滞留領域の第二の領域によってメダル排出口を狭くすることが可能となり、メダル排出口からの不正部材の侵入を防ぎやすくし、メダルが起立状態となり得る壁際にメダルが起立状態で排出可能となる第一の領域を設けることで、メダル排出口を狭くした場合であってもメダル詰まりを発生させづらくすることができる。
(2)
上記(1)に記載の遊技台であって、
前記第二の底面は、前記第一の領域(例えば、右方領域a45)に向かって下方に傾斜している(例えば、図18(b)、図24(c)、または図25(c)参照)、
ことを特徴とする遊技台。
上記遊技台によれば、起立状態のメダルが通過不可能な第二の領域の底面を傾斜させることにより、第二の領域内でメダルが起立状態となることを防ぎやすく、第二の領域を第一の領域に向かって下方に傾斜させることで、メダル詰まりが発生しづらくなる。
(3)
上記(2)に記載の遊技台であって、
前記メダル誘導路は、前記ホッパーユニットから払い出されたメダルを前記メダル滞留領域に誘導する誘導通路(例えば、メダル誘導通路b1)を有し(例えば、図11参照)、
前記第一の壁部(例えば、右壁部h2)は、前記第一の領域および前記第二の領域を挟んで前記誘導通路の反対側に配置され(例えば、図16、および図18(b)参照)、
前記第二の底面は、前記誘導通路に最も近い位置(例えば、中央領域a43の左奥部の位置)で高さが最も高い最高部(例えば、最高部h60)を有しており(例えば、図16参照)、
前記第二の底面は、前記誘導通路から該第二の底面に誘導されたメダルが前記第一の領域に誘導されるように、前記最高部から前記第一の底面に向かって一方向に傾斜している(例えば、図18(b)参照)、
ことを特徴とする遊技台。
上記遊技台によれば、ホッパーユニットから払出されたメダルの移動速度を落とさないようにしつつ、起立状態のメダルが通過可能となる第一の領域にメダルが集まり易くなるため、起立状態のメダルが通過不可能となる第二の領域からのメダルの排出頻度を抑えることができ、メダル詰まりが発生しづらくなる。
(4)
上記(1)乃至(3)のいずれか一項に記載の遊技台であって、
前記メダル滞留領域は、少なくとも一遊技で払い出される可能性のある枚数(例えば、15枚)のメダルを滞留させることが可能な容積を有している(例えば、段落「0141」参照)、
ことを特徴とする遊技台。
上記遊技台によれば、少なくとも一遊技で払い出される可能性のある枚数のメダルを滞留させることで、狭くしたメダル排出口でもメダル詰まりが発生しづらくなる。
(5)
上記(1)乃至(4)のいずれか一項に記載の遊技台であって、
前記第一の底面および前記第二の底面は、前記受け皿に向かって下方に傾斜している(例えば、図17参照)、
ことを特徴とする遊技台。
上記遊技台によれば、メダル滞留領域内のメダルを受け皿に排出しやすくさせることで、メダル詰まりが発生しづらくなる。
(6)
上記(1)乃至(5)のいずれか一項に記載の遊技台であって、
前記排出口は、板状部材(例えば、メダル排出口板金部材1550a、扉部材1550b、およびシャーシ部材1550c)を開口して形成されており(例えば、図10参照)、
前記メダル滞留領域は、
少なくとも前記第一の壁部(例えば、右壁部h2)と第二の壁部(例えば、左壁部h1)と底壁部(例えば、底壁部h6)で構成され(例えば、図12参照)、
前記第一の壁部のうちの前記受け皿に近い側の端部と、前記第二の壁部のうちの該受け皿に近い側の端部と、前記底壁部のうちの該受け皿に近い側の端部とで囲まれて前記排出口に対面する側に開口する開口領域を有し(例えば、図12参照)、
前記開口領域の前記底壁部の端部は、前記排出口の底辺部にほぼ一致して配置され(例えば、図16または図20参照)、
前記開口領域のうちの少なくとも一部の領域は、前記板状部材で塞がれている(例えば、図20参照)、
ことを特徴とする遊技台。
(6a)
メダルを払い出すホッパーユニット(例えば、ホッパーユニット280)と、
前記ホッパーユニットから払い出されたメダルを受け皿(例えば、メダル受け皿161)に誘導するメダル誘導路(例えば、メダル誘導路266)と、
前記メダル誘導路によって誘導されたメダルを前記受け皿に排出するための排出口(例えば、メダル排出口155)と、
を備えた遊技台であって、
前記メダル誘導路は、メダルを滞留させておくことが可能なメダル滞留領域(例えば、メダル滞留領域a4)を有し(例えば、図12参照)、
前記メダル滞留領域は、
メダルが起立した状態で前記排出口を介して前記受け皿に排出することが可能な第一の領域(例えば、右方領域a45、または左方領域a41)と(例えば、図16乃至図18参照)、
メダルが起立した状態で前記排出口を介して前記受け皿に排出することが不可能な第二の領域(例えば、中央領域a43)と、を有し(例えば、図16乃至図18参照)、
前記第二の領域は、前記第一の領域に近接して設けられ、前記第一の領域の底面である第一の底面(例えば、底壁面h65、または底壁面h61)よりも高い第二の底面(例えば、底壁面h63)を有する領域であり(例えば、図18(b)参照)、
前記排出口は、板状部材(例えば、メダル排出口板金部材1550a、扉部材1550b、およびシャーシ部材1550c)を開口して形成されており(例えば、図10参照)、
前記メダル滞留領域は、
少なくとも第一の壁部(例えば、右壁部h2)と、第二の壁部(例えば、左壁部h1)と、前記第一の底面および前記第二の底面を含む底壁部(例えば、底壁部h6)と、で構成され(例えば、図12参照)、
前記第一の壁部のうちの前記受け皿に近い側の端部と、前記第二の壁部のうちの該受け皿に近い側の端部と、前記底壁部のうちの該受け皿に近い側の端部とで囲まれて前記排出口に対面する側に開口する開口領域を有し(例えば、図12参照)、
前記開口領域の前記底壁部の端部は、前記排出口の底辺部にほぼ一致して配置され(例えば、図16または図20参照)、
前記開口領域のうちの少なくとも一部の領域は、前記板状部材で塞がれている(例えば、図20参照)、
ことを特徴とする遊技台。
上記遊技台によれば、内部でメダル詰まりが発生することを防ぐためにメダル滞留領域を広くしても、メダル排出口を狭くすることで、外部からの不正部材の侵入を防ぐことができる。
(7)
上記(1)乃至(6)のいずれか一項に記載の遊技台であって、
前記第一の領域(例えば、右方領域a45)の前記横幅(例えば、横幅(L5))は、メダルの直径よりも短い(例えば、図21(b)参照)、
ことを特徴とする遊技台。
上記遊技台によれば、メダル滞留領域の第一の領域において、メダルが倒れるという状態を発生させないようにすることで、第一の領域でのメダル詰まりを防止している。
(8)
上記(1)乃至(7)のいずれか一項に記載の遊技台であって、
前記メダル滞留領域は、
前記第一の領域と前記第二の領域との間に設けられた第三の領域(例えば、右中間領域a44)を有し、
前記第三の領域の底面である第三の底面(例えば、底壁面h64)は、前記第二の底面から前記第一の底面に向かって下方に傾斜している(例えば、図21(b)参照)、
ことを特徴とする遊技台。
上記遊技台によれば、第一の領域にある起立状態のメダルを傾けやすくすることができる。
(9)
上記(1)乃至(8)のいずれか一項に記載の遊技台であって、
前記第一の壁部の壁面は、前記メダル滞留領域が前記受け皿に向かって拡がるように構成されている(例えば、図23(b)参照)、
ことを特徴とする遊技台。
上記遊技台によれば、受け皿に排出されるメダルがメダル排出口の前方で滞留しづらくなる。メダル誘導通路がメダル滞留領域よりも相対的に左側に設けられている場合には、第一の壁部の壁面は、メダル滞留領域が受け皿に向かって右方向に拡がるように構成され、メダル誘導通路がメダル滞留領域よりも相対的に右側に設けられている場合には、第一の壁部の壁面は、メダル滞留領域が受け皿に向かって左方向に拡がるように構成される場合があってもよい。
また、例えば、上述においてランプと称したものは、発光手段の一例であり、ランプは、LED、冷陰極管等の光を発するものであれば置換可能である。
なお、上記詳細な説明で説明した事項は組み合わせることが可能である。
上記実施の形態では、遊技台の例としてスロットマシンを用いたが本発明はこれに限られない。
上記実施の形態の遊技台は、例えば以下のように表現される。
(付記1)
メダルを払い出すホッパーユニットと、
前記ホッパーユニットから払い出されたメダルを受け皿に誘導するメダル誘導路と、
前記メダル誘導路によって誘導されたメダルを前記受け皿に排出するための排出口と、を備えた遊技台であって、
前記メダル誘導路は、メダルを滞留させておくことが可能なメダル滞留領域を有し、
前記メダル滞留領域は、
メダルが起立した状態で前記排出口を介して前記受け皿に排出することが可能な第一の領域と、
メダルが起立した状態で前記排出口を介して前記受け皿に排出することが不可能な第二の領域と、を有し、
前記第一の領域は、前記メダル滞留領域を形成する壁部のうちの第一の壁部に隣接して設けられ、メダルの厚さよりも長い横幅を有する領域であり、
前記第二の領域は、前記第一の領域に近接して設けられ、前記第一の領域の底面である第一の底面よりも高い第二の底面を有する領域である、
ことを特徴とする遊技台。
(付記2)
付記1に記載の遊技台であって、
前記第二の底面は、前記第一の領域に向かって下方に傾斜している、
ことを特徴とする遊技台。
(付記3)
付記2に記載の遊技台であって、
前記メダル誘導路は、前記ホッパーユニットから払い出されたメダルを前記メダル滞留領域に誘導する誘導通路を有し、
前記第一の壁部は、前記第一の領域および前記第二の領域を挟んで前記誘導通路の反対側に配置され、
前記第二の底面は、前記誘導通路に最も近い位置で高さが最も高い最高部を有しており、
前記第二の底面は、前記誘導通路から該第二の底面に誘導されたメダルが前記第一の領域に誘導されるように、前記最高部から前記第一の底面に向かって一方向に傾斜している、
ことを特徴とする遊技台。
(付記4)
付記1乃至3のいずれか一項に記載の遊技台であって、
前記メダル滞留領域は、少なくとも一遊技で払い出される可能性のある枚数のメダルを滞留させることが可能な容積を有している、
ことを特徴とする遊技台。
(付記5)
付記1乃至4のいずれか一項に記載の遊技台であって、
前記第一の底面および前記第二の底面は、前記受け皿に向かって下方に傾斜している、ことを特徴とする遊技台。
(付記6)
付記1乃至5のいずれか一項に記載の遊技台であって、
前記排出口は、板状部材を開口して形成されており、
前記メダル滞留領域は、
少なくとも前記第一の壁部と第二の壁部と底壁部で構成され、
前記第一の壁部のうちの前記受け皿に近い側の端部と、前記第二の壁部のうちの該受け皿に近い側の端部と、前記底壁部のうちの該受け皿に近い側の端部とで囲まれて前記排出口に対面する側に開口する開口領域を有し、
前記開口領域の前記底壁部の端部は、前記排出口の底辺部にほぼ一致して配置され、
前記開口領域のうちの少なくとも一部の領域は、前記板状部材で塞がれている、
ことを特徴とする遊技台。
(付記7)
付記1乃至6のいずれか一項に記載の遊技台であって、
前記第一の領域の前記横幅は、メダルの直径よりも短い、
ことを特徴とする遊技台。
(付記8)
付記1乃至7のいずれか一項に記載の遊技台であって、
前記メダル滞留領域は、
前記第一の領域と前記第二の領域との間に設けられた第三の領域を有し、
前記第三の領域の底面である第三の底面は、前記第二の底面から前記第一の底面に向かって下方に傾斜している、
ことを特徴とする遊技台。
(付記9)
付記1乃至8のいずれか一項に記載の遊技台であって、
前記第一の壁部の壁面は、前記メダル滞留領域が前記受け皿に向かって拡がるように構成されている、
ことを特徴とする遊技台。
(付記10)
メダルを払い出すホッパーユニットと、
前記ホッパーユニットから払い出されたメダルを受け皿に誘導するメダル誘導路と、
前記メダル誘導路によって誘導されたメダルを前記受け皿に排出するための排出口と、を備えた遊技台であって、
前記メダル誘導路は、メダルを滞留させておくことが可能なメダル滞留領域を有し、
前記メダル滞留領域は、
メダルが起立した状態で前記排出口を介して前記受け皿に排出することが可能な第一の領域と、
メダルが起立した状態で前記排出口を介して前記受け皿に排出することが不可能な第二の領域と、を有し、
前記第二の領域は、前記第一の領域に近接して設けられ、前記第一の領域の底面である第一の底面よりも高い第二の底面を有する領域であり、
前記排出口は、板状部材を開口して形成されており、
前記メダル滞留領域は、
少なくとも第一の壁部と、第二の壁部と、前記第一の底面および前記第二の底面を含む底壁部と、で構成され、
前記第一の壁部のうちの前記受け皿に近い側の端部と、前記第二の壁部のうちの該受け皿に近い側の端部と、前記底壁部のうちの該受け皿に近い側の端部とで囲まれて前記排出口に対面する側に開口する開口領域を有し、
前記開口領域の前記底壁部の端部は、前記排出口の底辺部にほぼ一致して配置され、
前記開口領域のうちの少なくとも一部の領域は、前記板状部材で塞がれている、
ことを特徴とする遊技台。