JP4869388B2 - ラケットフレーム - Google Patents
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Description
Rg=(Wg/Wm)×100
・フレーム全体の厚みを小さくする。
・フレーム全体に用いられている繊維の弾性率を低くする。
・フレーム全体において、繊維の重量割合を小さくし、樹脂の重量割合を大きくする。
・フレーム全体の厚みを大きくする。
・フレーム全体に用いられている繊維の弾性率を高くする。
・フレーム全体において、繊維の重量割合を大きくし、樹脂の重量割合を小さくする。
・スロート部の厚みを小さくする。
・弾性率の低い繊維をスロート部に配置する。
・スロート部において、繊維の重量割合を小さくし、樹脂の重量割合を大きくする。
・ラケットの正面視において、スロート部の曲率半径Ksを小さくする。
・スロート部の厚みを大きくする。
・弾性率の高い繊維をスロート部に配置する。
・スロート部において、繊維の重量割合を大きくし、樹脂の重量割合を小さくする。
・ラケットの正面視において、スロート部の曲率半径Ksを大きくする。
RL1=(Mg/Mm)×100
コアシェルポリマーは、コア部とシェル部とを有する。好ましくは、コア部は、エラストマー及び/又はゴム状のポリマーを主成分とするポリマーからなる。好ましくは、シェル部は、コア部にグラフト重合されたポリマー成分からなる。好ましいシェル部は、グラフト成分を構成するモノマーをコア成分にグラフト重合することにより形成される。シェル部は、コア部の一部又は全体を覆っている。
(Pa):共役ジエン系モノマー及び(メタ)アクリル酸エステル系モノマーからなる群より選ばれる一種以上のモノマーを50重量%以上含有する単量体が重合されてなるポリマー
(Pb):ポリシロキサンゴム
(Pc):上記ポリマー(Pa)と上記ポリマー(Pb)との混合物
[工程A1]ゴム粒子と、エポキシ樹脂と、硬化剤とを含むエポキシ樹脂組成物を用意する工程。
[工程A2]炭素繊維(カーボン繊維)を、上記エポキシ樹脂組成物に浸漬しながらドラムに巻き付けて、巻回体を得る工程。
[工程A3]上記ドラムから上記巻回体を切り取り、80℃以上100℃以下の熱をかけて、半硬化状態のプリプレグを得る工程。
[工程A4]上記プリプレグを切断する工程。
[工程A5]マンドレルをチューブ(ナイロン製又はシリコーン製等)に通し、このチューブ上に切断された上記プリプレグを巻き付けた後、マンドレルをチューブから抜き取って、チューブにプリプレグが巻き付けられたプリプレグ中間体を得る工程。
[工程A6]上記プリプレグ中間体をラケットフレームの金型にセットし、上記チューブ内に圧力をかけて、上記プリプレグ中間体が金型に沿うようにした後、加熱してマトリクスを硬化させる成形工程。
[工程B1]ゴム粒子と、エポキシ樹脂と、硬化剤とを含むエポキシ樹脂組成物を用意する工程。
[工程B2]マンドレルが通されたチューブを用意する工程。
[工程B3]フィラメントワインディング(FW)法により、炭素繊維に上記エポキシ樹脂組成物を付着させながら、上記マンドレルが通されたチューブに炭素繊維を巻き付ける工程。
[工程B4]マンドレルをチューブから抜き取って、FW中間体を得る工程。
[工程B5]上記FW中間体をラケットフレームの金型にセットし、上記チューブ内に圧力をかけてチューブ等が金型に沿うようにした後、加熱してマトリクスを硬化させる成形工程。
[製造方法C]は、以下の[工程C1]、[工程C2]、[工程C3]、[工程C4]、[工程C5]及び[工程C6]を含む。
[工程C1]ゴム粒子と、エポキシ樹脂と、硬化剤とを含むエポキシ樹脂組成物を用意する工程。
[工程C2]編まれた繊維よりなるブレードを用意する工程。
[工程C3]マンドレルが通されたチューブを用意する工程。
[工程C4]上記ブレードに上記エポキシ樹脂組成物を付着させながら、上記マンドレルが通されたチューブに、上記ブレードを積層し、レイアップC(繊維成形体)を得る工程。
[工程C5]マンドレルをチューブから抜き取って、樹脂含侵レイアップCを得る工程。
[工程C6]上記樹脂含侵レイアップCをラケットフレームの金型にセットし、上記チューブ内に圧力をかけて上記樹脂含侵レイアップCが金型に沿うようにした後、加熱してマトリクスを硬化させる成形工程。
[製造方法D]は、以下の[工程D1]、[工程D2]、[工程D3]、[工程D4]、[工程D5]及び[工程D6]を含む。
[工程D1]ゴム粒子と、エポキシ樹脂と、硬化剤とを含むエポキシ樹脂及び/又は希釈剤を含んでいてもよいエポキシ樹脂組成物を用意する工程。
[工程D2]編まれた繊維よりなるブレードを用意する工程。
[工程D3]マンドレルが通されたチューブを用意する工程。
[工程D4]上記マンドレルが通されたチューブに、上記ブレードを積層し、レイアップD(繊維成形体)を得る工程。
[工程D5]マンドレルをチューブから抜き取った後、このチューブ付きレイアップDに樹脂を付着させて、樹脂含侵レイアップDを得る工程。
[工程D6]上記樹脂含侵レイアップDをラケットフレームの金型にセットし、上記チューブ内に圧力をかけて上記樹脂含侵レイアップDが金型に沿うようにした後、加熱してマトリクスを硬化させる成形工程。
このラケットフレームの作製では、上記[製造方法A]が用いられた。[工程A1]の「ゴム粒子を含むエポキシ樹脂」として、株式会社カネカ製の商品名「MX−156」が用いられた。この「MX−156」は、上記コアシェルポリマーを含む。この「MX−156」では、ゴム成分、即ち、上記コアシェルポリマーの重量が、25重量%を占めている。この「MX−156」を用いることにより、ラケットフレームのマトリクスにおいて、コアシェルポリマーが一次粒子の状態で分散する。
エポキシ樹脂組成物の配合が表1に示された通りとされた他は実施例1と同様にして、実施例2から6のラケットフレーム及びラケットを得た。
表1に記載されている層(L1)の配合により、ゴム成分を含むエポキシ樹脂組成物1を得た。このエポキシ樹脂組成物1を用いて、上記[工程A2]及び[工程A3]により、プリプレグ1を得た。このプリプレグ1を、上記[工程A4]により切断した。また、表1に記載されている層(L2)の配合により、ゴム成分を含まないエポキシ樹脂組成物2を得た。このエポキシ樹脂組成物2を用いて、上記[工程A2]及び[工程A3]により、プリプレグ2を得た。このプリプレグ2を、上記[工程A4]により切断した。
エポキシ樹脂組成物の配合が表2に示される通りとされた他は実施例1と同様にして、比較例1から4のラケットフレーム及びラケットを得た。
の表2に示される。表1及び表2において、配合の単位は、重量部である。
得られたラケットフレームについて、平圧剛性Rh、スロート剛性Rs及び振動減衰率が評価された。また得られたラケット(ストリング張設済み)について、強度、耐熱性及び打球フィーリングが評価された。評価方法は次の通りである。
図2に示すように、ラケットフレームを水平に配置し、そのヘッド部12を治具31で下方から支持すると共に、グリップ部9を治具32で下方から支持した。グリップエンドから治具32の接点までの距離d1は、43mmとされた。治具31と治具32との距離は、600mmであった。治具31の上面の形状は、ラケット長手方向に沿った断面における曲率半径が15(mm)とされ、ラケット長手方向に対して垂直な方向(図2の紙面に対して垂直な方向)に沿った断面における曲率半径は無限大(即ち直線)とされた。治具32の上面の形状は、治具31と同じとされた。治具31と治具32との間の中央点に圧子34を設置し、この圧子34により、上方から下方へと向かう80kgfの力を加えた。圧子34の下面の形状は、ラケット長手方向に沿った断面における曲率半径が10(mm)とされ、ラケット長手方向に対して垂直な方向(図2の紙面に対して垂直な方向)に沿った断面における曲率半径は無限大(即ち直線)とされた。この圧子34が接している中間地点の鉛直方向における変位量で荷重を除して、平圧剛性(kgf/cm)を算出した。この結果が下記の表1及び表2に示されている。
図3(A)は、スロート剛性Rsの測定の様子を側方から見た図であり、図3(B)は、スロート剛性Rsの測定の様子を上方から見た図である。図3に示すように、ラケットフレームを水平に配置し、そのヨーク部20近傍を治具40で下方から支持すると共に、グリップ部9を治具42で下方から支持した。グリップエンドから治具42の接点までの距離d2は、25mmとされた。治具40と治具42との距離は、340mmとされた。治具40の上面の形状は、ラケット長手方向に沿った断面における曲率半径が15mmとされ、ラケット長手方向に対して垂直な方向(図3の紙面に対して垂直な方向)に沿った断面における曲率半径は無限大(即ち直線)とされた。治具42の上面の形状は、治具40と同じとされた。治具40と治具42との間に圧子46を設置した。圧子46の接点と圧子42の接点との距離は、220mmとされた。この圧子46により、上方から下方へと向かう80kgfの力を加えた。圧子46の下面の形状は、ラケット長手方向に沿った断面における曲率半径が10mmとされ、ラケット長手方向に対して垂直な方向(図3の紙面に対して垂直な方向)に沿った断面における曲率半径は無限大(即ち直線)とされた。この圧子46が接している地点の鉛直方向における変位量で荷重を除して、スロート剛性Rs(kgf/cm)を算出した。この結果が下記の表1及び表2に示されている。
図4は振動減衰率の測定の様子を示す図であり、図5はこの測定に用いられた装置の概略構成を示す図である。図4が示すように、ヘッド部12の上端を紐50で吊り下げ、スロート部14とシャフト部16との境界部に加速度ピックアップ54を固定した。加速度ピックアップ54は、その測定方向がフレーム面に対して垂直となるように取り付けられた。この状態で、加速度ピックアップ54の裏側58をインパクトハンマー62で叩いて加振した。インパクトハンマー62には、フォースピックアップ計が取り付けられている。このフォースピックアップ計で計測された応答振動(F)と加速度ピックアップ54で計測された応答振動(α)とが、アンプ64、66を介して周波数解析装置68に入力され、解析された。上記応答振動(F)は、入力加振力である。上記応答振動(α)は、応答加速度である。この周波数解析装置68として、ヒューレットパッカード社製のダイナミックシングルアナライザーHP3562Aが用いられた。解析で得られた周波数領域での伝達関数を求め、ラケットフレームの振動数を得た。得られた伝達関数のグラフの一例が、図6に示される。図6のグラフでは、横軸が周波数(Hz)であり、縦軸が伝達関数である。伝達関数は、[応答振動(α)/応答振動(F)]である。上記の位置に加速度ピックアップ54を取り付け、この位置の裏側58を加振した場合、面外2次振動が測定される。よって、この伝達関数の1次の極大値は、面外2次振動における1次の極大値である。面外2次振動の減衰率である振動減衰率Rvは、以下の式(1)及び式(2)により計算された。
Rv= (1/2)× (Δω/ωn) ・・・(1)
T0=Tn/√2 ・・・(2)
ただし、図6のグラフが示すように、ωnは1次の極大値の周波数であり、Δω、Tn及びT0の意味は、図6のグラフに示す通りである。
ストリングが貼られたラケットのストリング面に、速度が50m/sであるボールを衝突させ、ラケットフレームにひび割れ等の破損が生じるまでの衝突回数N1がカウントされた。回数N1が100以下の場合が×とされ、回数N1が100を超えて200以下の場合が△とされ、回数N1が200を超える場合が○とされた。この評価結果が下記の表1及び表2に示される。
ストリングが張られたラケットを、庫内温度が90℃とされたオーブンに2時間放置し、ラケットフレームの変形を確認した。変形がない場合が○とされ、わずかに変形している場合が△とされ、変形がより大きい場合が×とされた。この評価結果が下記の表1及び表2に示される。
テニス歴が10年以上であり且つ現在週3日以上プレーしているテスター10名が、評価を行った。評価項目は、振動吸収性及び食いつき感の2項目とされた。いずれの項目も、1点から5点までの5段階で評価された。最も良好な場合が5点とされ、最も悪い場合が1点とされた。10名のテスターの評価値の平均点が、下記の表1及び表2に示される。
12・・・ヘッド部
14・・・スロート部
16・・・シャフト部
18・・・グリップ部
20・・・ヨーク部
Claims (4)
- 繊維強化樹脂層を備えており、
この繊維強化樹脂層の少なくとも一つが、ゴム成分を含む層(L1)であり、
ラケットフレーム全体でのマトリクスの総重量がWm(g)とされ、ラケットフレーム全体でのゴム成分の総重量がWg(g)とされるとき、重量Wgの、重量Wmに対する割合Rg(%)が、2.5(%)以上17.5(%)以下であり、
平圧剛性Rh(kgf/cm)の、スロート剛性Rs(kgf/cm)に対する比[Rh/Rs]が、0.05以上0.2以下であるラケットフレーム。
ただし、上記平圧剛性Rhとは、上記ラケットフレームを水平に配置し、ヘッド部及びグリップ部を下方から支持し、これらの支持点の中央点に下方への力を加えたときの剛性であり、
上記スロート剛性Rsとは、上記ラケットフレームを水平に配置し、ヨーク部近傍及びグリップ部を下方から支持し、これら支持点の間に下方への力を加えたときの剛性である。 - 上記平圧剛性Rhが、30(kgf/cm)以上70(kgf/cm)以下であり、
上記スロート剛性Rsが、250(kgf/cm)以上800(kgf/cm)以下である請求項1に記載のラケットフレーム。 - 上記繊維強化樹脂層として、ゴム成分を含む上記層(L1)と、ゴム成分を含まない層(L2)とが併用されている請求項1又は2に記載のラケットフレーム。
- 上記ゴム成分が、コアシェルポリマーであり、
上記層(L1)のマトリクスにおいて、このコアシェルポリマーが、一次粒子の状態で分散している請求項1から3のいずれかに記載のラケットフレーム。
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