JP3949509B2 - 高比重epdm組成物、該組成物を用いたダイナミックダンパー、及び該ダイナミックダンパーを取り付けたテニスラケット、及び該組成物を用いた放射線遮蔽材 - Google Patents
高比重epdm組成物、該組成物を用いたダイナミックダンパー、及び該ダイナミックダンパーを取り付けたテニスラケット、及び該組成物を用いた放射線遮蔽材 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は高比重EPDM組成物、該組成物を用いたダイナミックダンパー、及び該ダイナミックダンパーを取り付けたテニスラケット、及び該組成物を用いた放射線遮蔽材に関し、詳しくは、高比重EPDM組成物の成形性と耐候性を改良し、特に、スポーツ用具等に取り付けるダイナミックダンパーや、放射線検査用具等における放射線の遮蔽材として好適に用いられるものである。
【0002】
【従来の技術】
通常、スポーツ用の打球具等の使用時に発生する衝撃、振動を低減・緩和する場合、ダイナミックダンパー(振動抑止材)がよく用いられる。例えば、テニスラケットの場合、ダイナミックダンパーをラケットフレームに取り付けることにより、打球時に生じるラケットフレームの振動にダイナミックダンパーを共振させて衝撃振動を緩和し、よって、プレーヤーの手に伝わる振動を低減して、テニスエルボーの発生を抑制している。
【0003】
例えば、本出願人は、特願2000−287034号、特願2000−232166号において、テニスラケットに取り付けるダイナミックダンパーを提案している。その中で、ダイナミックダンパーの質量付加材部分の材料として、鉛やタングステンを分散させた熱可塑性エラストマーやクロロプレンゴムを提案している。しかし、従来一般的に最も多く使用されてきた鉛は、安価ではあるが環境上の問題より、使用形態や使用量が規制されている。
【0004】
また、ダイナミックダンパーをテニスプレーヤーが手に触ったり、プレー中に人体にぶつけたりする恐れがあるため、ダイナミックダンパーを金属の様な硬い材料から形成すると、怪我をする恐れがあり、好ましくない。また、通常の金属では、比重が比較的小さいため、質量付加材として使用する際に、体積が大きくなり、使用時に邪魔になるという問題もある。また、見た目を良くするためにもダイナミックダンパーを小さくすることが好ましい。
【0005】
従って、環境に対して安全で、軟らかくて高比重であり、かつ、落としたり、ぶつけたりして壊れることがないように、ある程度の強度を有する材料が望まれている。例えば、具体的には、ダイナミックダンパーの質量付加材部分の厚みを0.6mm程度の薄いシート状にし体積を減少させるようにすると、高比重材料が成形型内で流れやすい軟らかさや、薄いシート状にしても破れたりしない強度を有する必要がある。また、ダイナミックダンパーの場合、一般に質量付加材と粘弾性材の2種類の材料を組み合わせて作製するため、他の材料との接着性も必要となる。
【0006】
一方、ダイナミックダンパー以外の用途においても、高比重(4〜13程度)で軟らかい材料が望まれていおり、近時、高比重であるゴムや樹脂材料が数多く提案されている。
【0007】
例えば、特開2000−27331号では、高比重充填剤及びゴムのエマルジョンを多量に含有するスラリーを塗工する制振遮音シートが提案されている。
【0008】
また、放射線遮蔽の分野においては、医療用途の放射線遮蔽用防護服の他に、例えば、放射線治療及び測定において目的とする部位のみに必要量の放射線を照射し、放射線照射の必要のない部位には放射線照射を行わないようにして、正常細胞の破壊や必要以上の被爆を防ぐことが要求されており、放射線照射対象となる部位以外では、放射線を遮蔽するための遮蔽材が用いられている。また、医療以外の分野でも、食品検査や税関の検査、部品の非破壊での解析技術において放射線の遮蔽を行う用途にも用いられている。
【0009】
従来、このような放射線遮蔽材として、放射線防護服等には、鉛、鉛化合物、若しくは鉛合金またはアンチモンを樹脂またはゴムに配合した材料が一般的に使用され、また比較的放射線が弱い場合にはアクリル板等が用いられてきた。さらには、タングステン及びその合金板が用いられている。
【0010】
特開平8−122492号では、タングステンを含む可塑剤を含有する樹脂からなる放射線遮蔽材が提案されている。
さらに、特開平10−153687号ではタングステンを分散させた加硫フッ素ゴムとEPDMゴムが提案されていると共に、タングステンをクロロプレンゴムに分散させたものも提案されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記特開2000−27331号のエマルジョンを塗工する方法では、塗膜を成形することはできるが、肉厚の成形物や複雑形状の成形物ができないという問題がある。
また、特開平8−122492号では、溶剤を乾燥除去する過程でタングステンが沈降することがあるため、耐熱性や強度において未だ改良の余地がある。
【0012】
上記のように、放射性遮蔽材、制振遮音シート、防音材等に使用する材料としても、高比重で軟らかい材料が望まれているが、上記提案されている材料は、いずれも硬くて取り扱い性に難がある上に、環境性、成形性、加工性等の改善の余地がある。
【0013】
さらに、放射線遮蔽分野においては、鉛やその合金を用いると、所定の形状にするために鋳型を作製し、この鋳型に鉛又は鉛合金を溶解して鋳込みを行う必要があり、鉛の鋳込み作業は溶解や鋳型の製造のために非常にコスト高になる上に、溶解においては作業環境の悪化や人体への悪影響などが問題となっている。
【0014】
また、放射線遮蔽材を食品検査等の遮蔽材用途に用いる場合等、人体に直接又は間接に接するような用途に用いる場合には、遮蔽用鉛の剥離等による汚染の心配がある。さらに、鉛合金の融点は約80℃と低く、医療用として用いる場合には、滅菌するために湯中100℃前後での加熱処理が行えない等の問題がある上に、200℃前後の耐熱性が要求される原子力発電所等の配管等には用いることができないという問題がある。このように、特に、放射線遮蔽分野においては、比重が高く、放射線遮蔽性能が優れる上に、強度や成形性、作業性等に優れた材料が望まれている。
【0015】
また、タングステンを分散させたクロロプレンゴムは耐候性がやや悪く、厳しい条件下での屋外暴露試験(太陽光)や紫外線を浴びせるサンシャインウェザオメータ試験において、タングステンや添加剤がブルーミングを起こしたり白化しやすい。
【0016】
さらに、特開平10−153687号では、フッ素ゴムはゴム弾性をもって軟らかく、ある程度の強度があり、耐候性が優れてはいるが、接着性や他の材料と組み合わせた加工の点で未だ改良の余地がある。EPDMゴムは一般にゴム弾性を持ち、強度・耐候性に優れており、接着性もフッ素ゴムより優れているため、接着剤や他の材料との加工が可能であるが、高比重金属粉末を分散させた場合の成形性、加工性や耐候性に未だ改良の余地がある。
【0017】
本発明は上記した問題に鑑みてなされたものであり、
第1に、比重が高く、軟らかく、成形性、加工性に優れると共に、耐候性にも優れ、かつ、十分な強度を有する高比重EPDM組成物を提供することを課題としている。
第2に、小さな体積で振動減衰性能に優れ、スポーツ用品に好適に付設されるダイナミックダンパーを提供することを課題としている。
第3に、小さいと共に薄く、プレーヤーの妨げにならず、操作性に優れたダイナミックダンパーを取り付けたテニスラケットを提供することを課題としている。
第4に、環境上の問題がなく、成形性、加工性に優れ、十分な強度を有すると共に、高い放射線遮蔽性能を有する放射線遮蔽材を提供することを課題としている。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記第1の課題を解決するため、本発明は、ジエン量が4.5重量%以下、エチレン量が58重量%以上80重量%以下で、125℃におけるムーニー粘度:ML1+4(125℃)が50以上170以下であるEPDMに、タングステン、タングステン化合物またはタングステン基合金のいずれかである粉末材料を、全重量の80重量%以上97.5重量%以下で混合してなることを特徴とする高比重EPDM組成物を提供している。
【0019】
上記請求項1の発明は、EPDMには分子量、ジエン量やエチレン量により特性の異なる種類があるが、実験を積み重ねた結果、ジエン量、エチレン量、ムーニー粘度を上記範囲に規定したEPDMを使用し、このEPDMに対して、比重12以上の粉末材料を主とする粉末材料を上記範囲内の重量で添加することにより、耐候性、成形性、強度面に優れ、かつ軟らかい高比重EPDM組成物を得ることができることを見出したことに基づく。
【0020】
EPDMのジエン量は4.5重量%以下(EPDMの原料全体におけるジエン成分の重量%)の範囲であり、好ましくは3.5重量%以下である。
ジエン量が多いEPDMを使用すると、屋外暴露試験(太陽光)や紫外線を浴びせるサンシャインウェザオメータ試験において、タングステン等の粉末材料や添加剤がブルーミングするが、EPDM中のジエン量を上記4.5重量%以下に低減することにより、ブルーミングの発生を抑制でき、耐候性を向上させることができる。
【0021】
高比重EPDMゴムを所要の強度で成形するためには、特に、EPDM中のエチレン量とムーニー粘度の値の範囲の最適化が重要であり、エチレン量が多く、上記ムーニー粘度が高いEPDMを使用するのが好ましい。
【0022】
よって、EPDMの原料全体におけるエチレン成分の重量%が、58重量%以上80重量%以下の範囲とし、好ましくは64重量%以上80重量%以下、さらに好ましくは64重量%以上70重量%以下、最適範囲は64重量%以上66重量%以下とする。
エチレン量を上記範囲としているのは、58重量%未満のEPDMではより強度が低くなるため、粉末材料を分散させた後に、シートとして成形する場合に、その成形性が低下することに因る。一方、80重量%よりも大きいEPDMでは、より硬くなるためにタングステン等の粉末材料の均一な混合分散がより難しくなり、薄いシート状に成形する場合に、その成形性が低下しやすくなるとともに、成形後の高比重材料はより硬くなり人体への当たりがきつくなり易いためである。
【0023】
EPDMの125℃におけるムーニー粘度:ML1+4(125℃)は50以上170以下の範囲とし、好ましくは100以上170以下、さらに好ましくは150以上165以下とする。
なお、ここで、ムーニー粘度とは、JIS K6300に規定された方法によって測定され、粘度を表す指標として用いられる。ML1+4において、MはムーニーのM、Lはローター形状のL、(1+4)は予熱時間の1分とローターの回転時間の4分を意味している。
上記範囲としているのは、125℃でのムーニー粘度が50未満であるEPDMでは、強度がより小さくなるためにタングステン等の粉末材料を分散させた後の成形性が低下し易くなるからである。
一方、125℃でのムーニー粘度が170よりも大きいEPDMでは、より硬くなるために粉末材料の均一な混合分散がより難しくなり薄いシート状に成形する際の成形性が低下しやすくなるとともに、成形後の高比重材料はより硬くなり人体への当たりがきつくなり易いことに因る。
EPDMの分子量の大きさは、ムーニー粘度の大きさである程度判断可能であり、上記ムーニー粘度が大きいほど、分子量は大きくなり、上記ムーニー粘度が50の場合、分子量は30万〜40万、上記ムーニー粘度が170の場合、分子量は約60万となる。
【0024】
上記EPDMに対して、比重12以上の粉末材料、即ち、タングステン、タングステン化合物またはタングステン基合金の粉末を主とする粉末材料を混合し、その混合量は、高比重EPDM組成物全体(EPDMと、その他の添加剤、粉末材料を含めた)重量に対して、85重量%以上97.5重量%以下とする。
上記範囲としているのは、高比重EPDM組成物全体重量に対して、比重が12以上の上記タングステン等の粉末材料が85重量%よりも小さいと、組成物全体の比重があまり高くならないために、ダイナミックダンパーの質量付加材等に必要な質量を付加する際に、大きい形状にする必要があり、体積がより大きくなるためである。
一方、高比重EPDM組成物全体重量に対して、比重が12以上の上記タングステン等の粉末材料が97.5重量%よりも多くなると、粉末材料の表面をEPDMが覆うことができなくなり、組成物の強度が低下すると共に、成形性が低下し易くなるためである。
【0025】
比重が12以上の粉末材料を主とする粉末材料を含有することにより、EPDM組成物の比重を効率よく高めることができるため、成形時の体積をより小さくすることができる。また、上記観点より、比重が12以上の粉末材料は、粉末材料全体の重量の70重量%以上、好ましくは80重量%以上とするのが良い。
【0026】
EPDMに上記粉末材料を良く分散させ、より強度を上げるためには、粉末材料の平均粒子径は50μm以下が好ましい。より好ましくは、20μm以下が良い。また、粒子径が小さいものと大きいものを併用することにより、例えば、5μm以下のものと27μm以上のものを併用することにより、流動性や成形性を上げることができる。
【0027】
上記のように、比重が12以上の粉末材料を主とする粉末材料としては、タングステン、タングステン化合物、またはタングステン基合金のいずれかを用いている。
タングステンは、金属材料の中でも高比重である上に、人体にも害がなく、安価で入手しやすいため、好適に用いることができる。高比重となることから、粉末材料は、タングステン(100%)であることが好ましいが、上記タングステン化合物、タングステン基合金とすることもでき、あるいは、これらの混合物を用いることもできる。なお、タングステンの比重は19.3である。
【0028】
上記タングステン等の粉末材料は、カップリング剤による化学的な表面処理を行っていないもの、例えば、粉末材料に物理的処理を行った状態、あるいは粉末材料を粉末化したそのままの状態で好適に用いることができる。
なお、上記粉末材料にカップリング剤による化学的な表面処理を行うと、ブルーミングを起こしたり、組成物の強度が低下する場合がある。
【0029】
上記高比重EPDMを軟らかくするためには、EPDMに適量のオイル等からなる軟化剤を添加することが好ましい。
上記EPDMに軟化剤を添加する場合、EPDMを100重量部とすると、軟化剤の添加量は150重量部以下の割合とする。
これは、軟化剤は必ずしも加える必要はないが、EPDM100重量部に対して、軟化剤が150重量部よりも多くなると、耐候性試験においてブルーミングが生じやすいためである。
【0030】
本発明の高比重EPDM組成物においては、その比重は4.5以上13.1以下の範囲とし、好ましくは5.0以上9.5以下である。
上記範囲としているのは、比重が4.5より小さいと、ダイナミックダンパー等として用いる際に、比重が小さいため体積が大きくなり使用の邪魔になることに因る。一方、比重が13.1より大きいと、粉末材料を多く含有させることが必要となり、そのため加工が困難となることに因る。
【0031】
また、本発明の高比重EPDM組成物において、JIS K−6253(試験機デュロメータタイプA)に規定された方法によって測定された上記高比重EPDM組成物の加硫後の表面硬度は90以下であるのが好ましい。
上記硬度が90よりも大きいと、硬すぎて、ダイナミックダンパーを構成する粘弾性体等の他の部材との一体成形が難しくなるためである。なお、他の要求特性を満たせば、上記硬度の値は小さいほどよい。
【0032】
また、本発明の高比重EPDM組成物において、その引張強度は3MPa以上とするのが望ましい。これは、引張強度が3MPaよりも小さいと、ダイナミックダンパー等への成形時や使用時にひび割れや破壊が生じ易くなるためである。なお、他の要求特性を満たせば3MPa以上であれば大きいほど良い。
【0033】
EPDMは主鎖が飽和炭化水素からなり、主鎖に二重結合を含まないため、高濃度オゾン雰囲気、光線照射等の環境下に長時間曝されても、分子主鎖切断が起こりにくく、耐候性を高めることができる。なお、EPDMには、ジエン成分の種類等が異なるものがあるが、種類は特に限定されるものではない。
【0034】
耐候性の観点からは、ジエン量は少ない方が良く、ジエンを含まないEPMの方が優れている。しかしながら、EPMは硫黄加硫ができないためパーオキサイド加硫に変える必要があり、このパーオキサイド加硫は硫黄加硫よりも加硫速度が遅いため、パーオキサイド加硫したEPMを用いたのでは作業性が悪くなる。従って、硫黄加硫のできるEPDMが、耐候性と作業性の両立の点より好ましい。
【0035】
EPDMには、ゴム成分のみからなる非油展タイプのEPDMと、ゴム成分と共にオイルを含む油展タイプのEPDMとが存在するが、いずれのタイプのものも使用可能である。ただし、油展タイプのEPDM中のオイルの添加重量は、軟化剤の添加重量(オイル量)として扱う。
【0036】
上記軟化剤として用いるオイルは特に限定しないが、EPDMと相溶性の高いパラフィン系オイルやナフテン系オイルが好ましい。その他、例えば芳香族系等の鉱物油や炭化水素系オリゴマーからなるそれ自体公知の合成油、またはプロセスオイルを用いることができる。合成油としては、例えば、α−オレフィンとのオリゴマー、ブテンのオリゴマー、エチレンとα−オレフィンとの非晶質オリゴマーが好ましい。
【0037】
また、加硫系としては、加硫速度が速く作業性に優れるため、硫黄加硫系が適している。促進剤の種類としては、2−メルカプト・ベンゾチアゾール、テトラエチルチウラムジスルフィド、ジブチル・ジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸テルル等を適宜組み合わせていることが好ましい。これによりゴム成分を効率良く架橋することができる。
【0038】
また、上記第2の課題を解決するため、本発明は、粘弾性材と質量付加材とからなるダイナミックダンパーであって、
上記質量付加材として、上記本発明の高比重EPDM組成物を用いているダイナミックダンパーを提供している。
【0039】
質量付加材として、上記高比重EPDM組成物を用いているため、本発明のダイナミックダンパーは、体積を小さく薄くすることができ、質量付加材と粘弾性材とを夫々シート状として積層した一体化させていることが好ましい。質量付加材は厚みを0.3mm〜2.0mm、好ましくは0.5mm〜1.0mmとし、質量付加材と粘弾性材とを合わせた厚さを3mm〜5mm、好ましくは4mmとしている。
このように、薄いシート状にすると、使用時にプレーヤーの邪魔にならない上に、見た目にも目立つことがなく、プレーの妨げとなることがない。また、軟らかい材料からなるため、プレーヤーが怪我することもなく、かつ、物体にぶつけた場合でも壊れることがない十分な強度のダイナミックダンパーを得ることができる。また、耐候性にも優れるため、太陽光が当たる、炎天下でも使用可能である。
【0040】
上記ダイナミックダンパーの粘弾性材としては、質量付加材の高分子材料であるEPDMと同じか又は近い高分子材料が用いられるのが好ましい。EPDMと同じか近いゴム材料の場合は、加硫温度や加硫時間の条件が近いので、金型内で粘弾性材と質量付加材を加硫接着することもでき、一体成形に向くのでより好ましい。なお、粘弾性材は発泡体であってもよく、また、粘弾性材と質量付加材は接着剤を用いて接着してもよい。
【0041】
以上の観点より、粘弾性材の高分子材料としては、EPDMが好適に用いられる。EPDM単独でもよいし、他の成分との混合物としてもよい。
その他、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンーブタジエンゴム(SBR)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリルーブタジエンゴム(NBR)、カルボキシル化ニトリルゴム、ブチルゴム(IIR)、ハロゲン化ブチルゴム(X−IIR)、エチレンープロピレンゴム(EPM)、エチレンー酢酸ビニルゴム(EVA)、アクリルゴム(ACM,ANM)エチレンーアクリルゴム、クロロスルホン化ポリエチレン(CSM)、塩化ポリエチレン(CM),エピクロルヒドリンゴム(CO)、ウレタン系ゴム、シリコーン系ゴム、フッ素系ゴム等から選ばれる1種又は複数種のゴム成分を用いることができる。振動吸収が優れている点ではブチルゴム(IIR)が好ましい。
【0042】
また、粘弾性材に用いられる高分子材料用樹脂としては、例えば、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ABS系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリアセテート系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリイミド系樹脂などの熱可塑性樹脂や、エポキシ系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、フェノール系樹脂、メラミン系樹脂、ユリア系樹脂、ジアリルフタレート系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリイミド系樹脂などの熱硬化性樹脂等が挙げられる。成形性やリサイクル性から熱硬化性樹脂よりも熱可塑性樹脂の方が好ましい。さらには、スチレン系、オレフィン系、ウレタン系、エステル系等の熱可塑性エラストマーも用いることができる。
【0043】
ダイナミックダンパーの形状は、例えば、横枠部と該横枠部の両側の縦枠部とからなる格子形状とされ、これら横枠部と縦枠部とが一体的に設けられ、あるいは別体を接合して設けられ、上記横枠部がラケットの厚み方向の少なくとも一面に取り付けられ、縦枠部がラケットの幅方向両面に取り付けられるようにすることが好ましい。
【0044】
また、上記横枠部はコ字形状に屈折し、両側屈折部の先端が縦枠部と一体あるいは接合し、該横枠部の両側屈折部がラケットの幅方向両面に取り付けられるものであることが好ましい。さらに、上記横枠部は2本以上あり、ガット挿通穴を挟んで配置されるものであることが好ましい。
【0045】
このように横枠部と縦枠部とが、連続して一体的に設けられ、格子状に配置されているので、該ダイナミックダンパーをテニスラケットに取り付けると、縦枠部がラケットフレームの面外方向の揺れに主として共振する一方で、横枠部はラケットフレームの面内方向の揺れに主に共振するため、面内、面外両方向の振動を効果的に抑止することができる。このように、格子状配置としたことで、あらゆる方向に対して、振動減衰性が向上するため、振動・衝撃の低減を図ることができる。
なお。上記ラケットの厚み方向とはガット面に対して垂直方向を指し、幅方向とはガット面と平行な水平方向を指す。
【0046】
さらに、格子状に一体成形した場合には、縦枠部と横枠部とが一体につながっているので、面内方向の揺れと共に、格子全体も共振するため、面内方向の振動を抑止する効果がより優れている。
【0047】
本発明のダイナミックダンパーは、粘弾性材と質量付加材の材料を積層して金型に仕込み、加硫接着して、所望のダイナミックダンパー形状に成形してもよいし、一枚の平らなシート状に成形して、打ち抜き刃等で打ち抜いて所望の形状として接着剤を用いて粘弾性材と質量付加材とを積層してもよい。
【0048】
さらに、本発明は、上記第3の課題を解決するため、上記ダイナミックダンパーを、ラケットフレームの打球面を囲むヘッド部あるいは/及びスロート部の少なくとも一部に取り付けている、ダイナミックダンパーを取り付けたテニスラケットを提供している。
【0049】
上記ダイナミックダンパーを取り付けたテニスラケットは、プレーヤーがダイナミックダンパーを気にすることなく、プレーが可能であり、ラケットの操作性を向上することができる。また、不快な振動やテニスエルボー等の傷害に悩まされることなく、快適にプレーすることができる。
【0050】
上記ダイナミックダンパーを、ラケットフレームの打球面を囲むヘッド部において、打球面を時計面と見てトップ位置を12時とすると、3時位置を中心とする±15度の角度範囲および9時位置を中心とする±15度の角度範囲の少なくとも一部に取り付けたすることが特に好ましい。ラケットフレームの3時と9時の位置は面内振動の最大振動幅位置であり、かつ,面外2次振動の最大振動幅位置であるので、これにより、テニスラケットの操作性に悪影響を及ぼすことなく、面内および面外方向の両振動をより効率的に抑制することができる。
また、ヘッド部の横幅が大きい部分(3時と9時の位置)に質量が加わるため、グリップ回りの慣性モーメントが大きくなり、打球面の中央以外にボールが当たった場合に、ラケットが回転するのを抑制するという効果も達成でき、テニスラケット使用者のひじ等にかかる負担を減少することができる。
【0051】
なお、本発明のダイナミックダンパーは、バランスの観点から、ラケットフレームの左右対称位置に取り付けられるのが好ましいが、限定されるものではない。また、ラケットフレームの左右1個ずつに限らず、複数個取り付けても良い。さらに、ダイナミックダンパー取り付け位置には、ラケットフレームにくぼみをもたせていることが好ましい。
【0052】
上記ラケットフレームは繊維強化樹脂製とすることが好ましく、特に、繊維強化プリプレグの積層体を中空パイプ状としたものから形成することが好ましい。なお、ラケットフレームは、その他の材質、製法により形成されてもよく、金属製等あらゆる種類のラケットフレームを用いることができる。
【0053】
また、上記第4の課題を解決するため、本発明は、上記本発明の高比重EPDM組成物を用いていることを特徴とする放射線遮蔽材を提供している。
【0054】
本発明の放射線遮蔽材は、上記のように本発明の高比重EPDM組成物を用いているため、環境上の問題がなく、成形性、加工性、耐熱性に優れ、十分な強度を有すると共に、高い放射線遮蔽性能を有している。具体的には、比重が高い粉末材料を配合することで放射線遮蔽性能を向上させつつ、配合されるEPDMの物性を規定することで、材料全体として弾性を有しながら、優れた成形性、加工性、耐久性を実現している。
【0055】
このように、本発明の放射線遮蔽材は、加工性に優れるため、はさみ等により容易に切断可能であり、穴開け等も容易に行うことができ、様々な形状とすることができる。また、可撓性を有し、材料全体の弾性変形が可能であるため、放射線の遮蔽が要求される隙間等の形状に合わせて塊状、シート状等として容易に詰め込むことができる。よって、隙間等から漏れてくる放射線を遮蔽することができる。さらに、凹凸形状を有する部位においても、その弾性変形性能を利用して容易に装着させ、放射線を遮蔽することができる。さらには、十分な強度を有しているため、隙間等に詰め込む際や、加工時等に、遮蔽材が破損することもなく、確実に所望の放射線遮蔽性能を得ることができる。
【0056】
また、放射線の遮蔽効果は、材料の比重が高ければ高いほど遮蔽能力が高いが、その点、本発明の放射線遮蔽材は、混合する粉末材料において、タングステン粉末(比重19.3)等の混合割合を上げることにより比重を高くすることができる。よって、例えば、鉛、鉛合金以上(12以上)の比重にすれば鉛並みあるいはそれ以上の放射線遮蔽効果を得ることができる。
【0057】
特に、タングステンのγ線吸収係数(cm−1)は、γ線のエネルギーが1.5MeVにて、約1という大きいものである。これに対して、鉛は、γ線のエネルギーが1.5MeVにて約0.6である。従って、高い遮蔽能を有するタングステン粉末を混合してなる高比重EPDMを用いた放射線遮蔽材は、そのタングステンの配合割合に応じた高い遮蔽能力を有する。
【0058】
本発明の放射線遮蔽材は、具体的には、原子力発電所等の配管や壁等のシール材、原子力発電所の補修工事の際のパネル等として、所要箇所に埋め込んだり、巻きつけたりして用いることができる。また、食品中の異物混入検査や税関の手荷物検査等で使用されるX線検査機の周囲を取り囲むガード材として用いることもでき、シートにスリット加工を施したのれん状等の形態で用いることができる。さらには、医療用の注射器、手袋、防護服等、あるいは放射性物質のカバー材等に用いることもできる。
【0059】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
本発明の第一実施形態の高比重EPDM組成物は、ジエン量が4.0重量%、エチレン量が66重量%、125℃におけるムーニー粘度が165であるEPDMを用いている。
【0060】
上記EPDMを200重量部、軟化剤としてオイルを100重量部、その他、粉末硫黄、加硫促進剤、カーボン、酸化亜鉛、ステアリン酸、老化防止剤を所要量配合し、密閉型混練機で混練し、ベース材を得ている。
【0061】
さらに、上記ベース材25gに対し、平均粒子径9μm、比重19.3のタングステン粉末を表面処理を行わずに400g添加し、密閉型混練機で練り、高比重EPDM組成物を得ている。高比重EPDM組成物中のタングステンの重量割合は94.1%としている。高比重EPDM組成物の比重は9.2である。
また、この高比重EPDM組成物は、6MeVのX線における放射線吸収特性は、同一厚みの鉛板の約96%であり、同一厚みの市販の鉛シート(比重4)の2倍である。このように、鉛とほぼ同等、または含鉛シートよりも優れた放射線遮蔽性能を有している。
【0062】
JIS K−6253(試験機デュロメータタイプA)に規定された方法によって測定された上記高比重EPDM組成物の加硫後の表面硬度が72であり、引張強度が5.1MPaである。
【0063】
図1から図3は本発明に係るダイナミックダンパー10を示し、上記高比重EPDM組成物をダイナミックダンパーの質量付加材11として使用している。
【0064】
ダイナミックダンパー10は、図1に示すように、それぞれシート状とした質量付加材11と粘弾性材12とを積層して一体化させたシートからなる。このシートを断面コ字形状に折り曲げたコ字形状の3個の横枠部13が、各々略平行に間隔を開けて位置している。これらの横枠部の両端に互いに平行な上記シートからなる2個の縦枠部14が位置して格子形状を呈している。
【0065】
質量付加材11は、上記高比重EPDM組成物を用い、粘弾性材12は、EPDMを主成分とするゴム材料を用いている。
質量付加材11と粘弾性材12とを合わせた厚みは2.8mm〜7.5mmとし、本実施形態では4mmとし、質量付加材11の厚みは0.6mm、粘弾性材12の厚みは3.4mmとしている。
【0066】
また、ダイナミックダンパー10は、図2(A)(B)(C)に示すように、コ字形状の横枠部13の幅W1は5mm、横枠部13同士の間隔W2は5.5mmであり、短冊形状の縦枠部14の長さL2は26mm、コ字形状の横枠部13の長さL1(ラケットに取り付けた際の打球面に垂直な方向の長さ)は41mmである。
【0067】
上記ダイナミックダンパー10を、図3、図4に示すように、ラケットフレーム2の打球面Fを囲むヘッド部3において、打球面Fを時計面と見てトップ位置を12時とすると、ラケットフレーム2の3時位置および9時位置に取り付けている。ダイナミックダンパー10の縦枠部14の長さ方向がラケットフレーム2の長手方向と平行に位置するようにダイナミックダンパー10を取り付けている。
【0068】
具体的には、上記ダイナミックダンパー10は、図3に示される様にコ字形状の横枠部13の中央部をラケットフレーム2の厚み方向内面に配置し、該横枠部13の両側屈折部をラケットフレーム2の幅方向両面に配置し、短冊形状の縦枠部14をラケットフレーム2の幅方向両面に配置しながら、粘弾性材12側の表面をラケットフレーム2の内側(ガットの張設側)の表面に当てた状態でテニスラケット1に取り付けている。上記3本の横枠部13はガット挿通穴gを挟んで互いに平行配置して取り付けている。
【0069】
上記テニスラケット1において、ラケットフレーム2は、図4に示すように、打球面Fを囲むヘッド部3、スロート部4、シャフト部5、グリップ部6を連続して構成している。上記ヘッド部3は、別部材からなるヨーク7をスロート側でラケットフレーム2と連続して打球面Fを囲む環状としている。
【0070】
ラケットフレーム2は、繊維強化樹脂製の中空パイプからなり、カーボン繊維をマトリクス樹脂のエポキシ樹脂で含浸している繊維強化プリプレグの積層体からなる。
【0071】
テニスラケット1は、本実施形態では、図4に示すように、全長を699mm、打球面Fを囲むヘッド部3の厚みを24mm、スロート部4の厚みを21mmとしている。ヘッド部3の幅を12mm、スロート部4の幅を14mmとしている。ダイナミックダンパー10を取り付ける部分は、厚み21mm、幅12mmとし、その両側は、厚み24mm、幅14.5mmにややふくらませている。
【0072】
上記のように、本発明のダイナミックダンパーを取り付けたテニスラケットは、高比重EPDM組成物を質量付加材として用いたダイナミックダンパーを取り付けているため、ダイナミックダンパーは体積を小さく薄くでき、使用時にプレーヤーがダイナミックダンパーを気にすることなくプレーでき、抵抗も少なくなるためスイング時のラケットの操作性も向上する。また、従来のダイナミックダンパーに比べて小さなダイナミックダンパーとしても、十分な振動減衰性能を得ることができる。
【0073】
本発明のダイナミックダンパーは、下記の工程で製造している。
まず、高比重EPDM組成物を十分に混練した後、熱プレスにより加熱加圧してシート化してから必要な寸法に切り抜くことにより、質量付加材用の混合物ピースを得る。ついで、得られた混合物ピースを所望形状のダイナミックダンパー用金型にセットするとともに粘弾性材用の材料を充填して加熱加圧成形すると、上記質量付加用の混合ピースと粘弾性材用の材料が加硫接着して、上記積層したシート形状のダイナミックダンパーが得られる。
或いは、ミルの混練物を質量付加材用金型のキャビティに仕込み、加熱下でプレス成形して得た質量付加材をダイナミックダンパー用金型にセットするようにしてもよい。
【0074】
本実施形態では、ラケットフレームのヘッド部の3時位置および9時位置にダイナミックダンパーを取り付けているが、その他、ラケットフレームの打球面を囲むヘッド部あるいは/及びスロート部の少なくとも一部に取り付けることができる。
【0075】
なお、ラケットフレームの組成は、繊維強化樹脂製、金属製等が挙げられるが、これらに限定されるものではなく、その他あらゆる種類のテニスラケットに適応可能である。
【0076】
なお、本実施形態では、横枠部は3本であるためダイナミックダンパーは“日”字状となっているが、横枠部を2本とし、ダイナミックダンパーをロ字状としてもよく、横枠部を4本とし、“目”字状としてもよい。また、質量付加材と粘弾性材からなればよく、格子状に限定されるものではないことはいうまでもない。
【0077】
以下、本発明の高比重EPDM組成物の実施例1〜7、及び比較例1〜5について詳述する。
【0078】
EPDM、その他添加剤等の各成分を、下記の表1に記載の各重量部にて配合した。EPDMについては、後述するように各実施例において種類を変えて用いた。下記の表1以外の成分として配合した軟化剤、タングステンの配合量については後述する。なお、表中の単位は重量部とした。
【0079】
【表1】
【0080】
なお、上記表1中、
IRGANOX 1010は、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニート)プロピオネート]、
IRGANOX MD1024は、2’,3−ビス[[3−[3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル]プロピオニル]]プロピオノヒドラシド、
Mは、2−メルカプト・ベンゾチアゾール、
TETは、テトラエチルチウラムジスルフィド、
BZは、ジブチル・ジチオカルバミン酸亜鉛、
TTTEは、ジエチルジチオカルバミン酸テルルを示す。
【0081】
上記各成分に、各実施例及び比較例について、後述するように各々種類と量を変えて軟化剤としてオイルを添加し、小型の密閉型混練機(ミックスラボSW、株式会社モリヤマ製)で練った。これをベース材とした。
さらに、上記ベース材25gに対し、平均粒子径9μm、比重19.3のタングステン粉末(SG50−W、東京タングステン(株)製)を400g添加した。タングステン粉末にはカップリング剤による表面処理をしておらず、タングステン粉末を粉末化したそのままの状態で使用した。上記ベース材と上記タングステン粉末とを密閉型混練機で練り高比重EPDM組成物を得た。高比重EPDM組成物全体重量に対して、タングステン粉末の重量割合は94.1%とした。
上記高比重EPDM組成物を金型に仕込んで、170℃で15分間プレスし、厚み0.5mmのシートを作成した。
【0082】
(実施例1)
EPDMとして、住友化学工業(株)製エスプレン670Fを使用した。ジエン量は4.0重量%、エチレン量は66重量%、125℃におけるムーニー粘度は165であった。なお、エスプレン670F中にはEPDM100重量部に対してオイル100重量部が添加されている。高比重EPDM組成物の比重は9であった。
【0083】
(実施例2)
EPDMとして、住友化学工業(株)製エスプレン512Fを使用した。ジエン量は4.0重量%、エチレン量は65重量%、125℃におけるムーニー粘度は66であった。軟化剤としてオイル(ダイアナプロセスオイルPW380、出光興産(株)製)を30重量部添加した。高比重EPDM組成物の比重は9であった。
【0084】
(実施例3)
EPDMとして、住友化学工業(株)製エスプレン601Fを使用した。ジエン量は3.5重量%、エチレン量は59重量%、125℃におけるムーニー粘度は160であった。なお、エスプレン601F中にはEPDM100重量部に対してオイル70重量部が添加されている。高比重EPDM組成物の比重は9であった。
【0085】
(実施例4)
EPDMとして、住友化学工業(株)製エスプレン673を使用した。ジエン量は4.5重量%、エチレン量は64重量%、125℃におけるムーニー粘度は110であった。なお、エスプレン673中にはEPDM100重量部に対してオイル40重量部が添加されている。さらに、軟化剤としてオイル(ダイアナプロセスオイルPW380、出光興産(株)製)を40重量部添加した。高比重EPDM組成物の比重は9であった。
【0086】
(実施例5)
EPDMとして、住友化学工業(株)製エスプレン553を使用した。ジエン量は4.5重量%、エチレン量は58重量%、125℃におけるムーニー粘度は100であった。軟化剤としてオイル(ダイアナプロセスオイルPW380、出光興産(株)製)を40重量部添加した。高比重EPDM組成物の比重は9であった。
【0087】
(実施例6)
EPDMとして、実施例1と同じエスプレン512Fを使用した。軟化剤としてオイル(ダイアナプロセスオイルPW380、出光興産(株)製)を50重量部添加した。高比重EPDM組成物の比重は9であった。
【0088】
(比較例1)
EPDMとして、住友化学工業(株)製エスプレン522を使用した。ジエン量は5.0重量%、エチレン量は56重量%、125℃におけるムーニー粘度は58であった。オイルは無添加とした。高比重EPDM組成物の比重は9であった。
【0089】
(比較例2)
EPDMとして、住友化学工業(株)製エスプレン582Fを使用した。ジエン量は6.0重量%、エチレン量は71重量%、125℃におけるムーニー粘度は67であった。軟化剤としてオイル(ダイアナプロセスオイルPW380、出光興産(株)製)を30重量部添加した。高比重EPDM組成物の比重は9であった。
【0090】
(比較例3)
EPDMとして、住友化学工業(株)製エスプレン524を使用した。ジエン量は4.5重量%、エチレン量は63重量%、125℃におけるムーニー粘度は25であった。オイルは無添加とした。高比重EPDM組成物の比重は9であった。
【0091】
(比較例4)
EPDMとして、住友化学工業(株)製エスプレン505Aを使用した。ジエン量は9.5重量%、エチレン量は50重量%、125℃におけるムーニー粘度は34であった。オイルは無添加とした。高比重EPDM組成物の比重は9であった。
【0092】
(実施例7)
EPDMとして、住友化学工業(株)製エスプレン670Fを使用した。ジエン量は4重量%、エチレン量は66重量%、125℃におけるムーニー粘度は165であった。軟化剤としてオイル(ダイアナプロセスオイルPW380、出光興産(株)製)を170重量部添加した。高比重EPDM組成物の比重は9であった。
【0093】
(比較例5)
市販品のタングステン入りクロロプレンゴムとして、ヘビイメタルシート(HMS−09C、住友電気工業(株)製)を用いた。
【0094】
上記実施例1〜7及び、比較例1〜5の内、シートを作成することができた実施例、比較例について、硬度(規格A)を測定し、及び、引張試験により引張強度と引張伸びを測定した。また、耐候性テストを行いブルーミングの有無を評価した。各試験・評価方法については、後述する。各実施例、比較例のEPDMの種類等の配合内容、及び各評価結果を下記の表2に示す。
【0095】
【表2】
【0096】
(硬度測定)
JIS K−6253(試験機デュロメータタイプA)に規定された方法によって、加硫後の高比重EPDM組成物の表面硬度を測定した。
【0097】
(引張試験)
JIS3号ダンベル形状にて、引張速度500mm/minの条件下で引張試験を行い、破壊時の強度と伸びを測定した。
【0098】
(耐候性テスト)
サンシャインスーパーロングウェザーメーター(WEL−SUN−HC・B型、スガ試験機(株)製)試験機で120時間の耐候性テストを行い、ブルーミングの有無を確認した。
【0099】
実施例1〜6は、ジエン量、エチレン量が規定範囲内にあるEPDMを使用し、オイル量が規定範囲で添加されているために、加硫後の表面硬度が90以下であり、引張強度が3MPa以上であり、ブルーミングも起こらず耐候性も良いのでダイナミックダンパーの質量付加材の材料として最適であることが確認できた。
【0100】
実施例7は、実施例1、実施例6と同じEPDMを使用しているが、軟化剤であるオイル量がやや多かったために強度がやや低下し、ブルーミングも実施例1〜6に比べてやや劣るものの、使用に問題のないレベルであり、ダイナミックダンパーの質量付加材の材料として適していることが確認できた。
【0101】
比較例1は、エチレン量が58重量%よりも少ないために、強度が低い。また、ジエン量が4.5重量%よりも多いために、ブルーミングが発生し、耐候性が悪かった。
【0102】
比較例2は、強度には問題はないが、ジエン量が比較例1よりも多いために、ブルーミングがより多く発生し、耐候性が悪かった。
【0103】
比較例3のEPDMは、ムーニー粘度が小さいために強度が低い結果となった。
【0104】
比較例4は、エチレン量が少なく、ムーニー粘度も小さすぎるため、成形性が悪く、シート加工できずにぼろぼろになった。破片を耐候性テストしたところ、ブルーミングが発生し、耐候性も悪かった。
【0105】
比較例5は、硬度、強度は問題ないが、耐候性テストにて表面が劣化し、ブルーミングが発生し、耐候性がやや劣った。
【0106】
以上より、最適な条件のEPDMを用い、最適な量の軟化剤を添加し、タングステン粉末を規定重量用いることにより、ダイナミックダンパーの質量付加材の材料として適度に軟らかく、他の材料との加工が可能であり、強度に問題がなく、ブルーミングが発生しない高比重材料を作成可能であることが確認できた。
【0107】
次に、本発明の高比重EPDM組成物を用いたダイナミックダンパーの実施例8、及び比較例6について詳述する。
【0108】
(実施例8)
質量付加材として、上記実施例1で作成したシートを使用した。
粘弾性材として、下記の表3に記載の配合からなる材料を用い、密閉型混練機で練った。
【0109】
【表3】
【0110】
なお、上記表3中、M、TET、BZ、TTTEは、表1と同様であり、右段の数字は重量部を示す。
【0111】
以上の質量付加材と粘弾性材とを積層して金型に仕込み、170℃で20分間プレスし、ダイナミックダンパー形状に加硫した。ダイナミックダンパーの形状は上記第一実施形態と同様とした。
【0112】
(比較例6)
質量付加材として、住友電気工業(株)製、ヘビイメタルシートを厚さ0.6mmとして使用した。上記ヘビイメタルシートの構成は、タングステン入りクロロプレンゴムとした。粘弾性材は実施例8と同様とし、上記同様の方法により実施例7と同一形状のダイナミックダンパーを作成した。
【0113】
上記実施例8及び、比較例6のダイナミックダンパーをテニスラケットのヘッド部の3時と9時の部分に取り付けた。各ダイナミックダンパーを取り付けたテニスラケットについて、面外2次固有振動数とその減衰比、面内3次固有振動数とその減衰比を測定した。また、屋外暴露試験により耐候性評価を行った。各試験・測定方法については、後述する。各評価結果を下記の表4に示す。
【0114】
【表4】
【0115】
(固有振動数、減衰比の測定)
テニスラケット1の固有振動数及びその減衰比の測定方法を図5および図6に示す。 精度良く測定するために、 各振動モードの最大振動幅位置に加速度ピックアップ73を取り付け、 同様に最大振幅位置にインパクトハンマー71で加振した。ラケットフレームのヘッド部にはガットを張らず、図7又は図8で示される様に紐でつるす自由支持法により測定した。インパクトハンマー71に取り付けたフォースピックアップで計測した入力振動(F) と加速度ピックアップ73で計測した応答振動(α)をアンプ72と70を介して周波数解析装置74( ヒューレットパッカード製 ダイミックシグナルアナライザーHP3562A)により解析した。これは、ラケットフレームの剛性が線形性であると仮定した評価方法である。各実施例及び比較例のテニスラケットについて測定された結果を上記表4に示す。
【0116】
上記解析で周波数領域での伝達関数を求めて、ラケットフレームの面外2次振動数及び面内3次振動数を得た。減衰比 (ζ) は図6から下記の数式によって求めた。
【0117】
ζ= (1/2)× (Δω/ωn)
To=Tn/√2
【0118】
(面外2次固有振動数の測定)
上記面外2次固有振動数とは、図7で示される様にテニスラケット1を紐で吊るす自由支持状態にセットし、裏からインパクトした場合に低周波から2つめに現れるピークであり、図9(A)の未振動(変形前)のテニスラケット1に、図9(B)に示すように(テニスラケットの側面図),面外2次モードの振動(変形)が起こる場合の振動数である。
【0119】
(面内3次固有振動数の測定)
上記面内3次固有振動数とは図8で示される様にテニスラケット1を紐で吊るす自由支持状態にセットし、外側からインパクトした場合に低周波から3つめに現れるピークであり、図10(A)の未振動(変形前)のテニスラケット1に、図10(B)に示すように,面内3次モードの振動(変形)が起こる場合の振動数である。
【0120】
(屋外暴露試験)
上記実施例8及び、比較例6のダイナミックダンパーを取り付けたテニスラケットについて、8月と9月の2ヶ月間、雨、風、太陽光が当たる場所にて、屋外暴露試験を行った。評価結果を上記表4に示す。
【0121】
実施例8の高比重EPDM組成物を質量付加材として使用したダイナミックダンパーも、比較例6の市販されているタングステン入りクロロプレンゴムを使用したダイナミックダンパーも、振動を減衰させる性能は同じであるが、夏の炎天下に2ヶ月間暴露すると、実施例8はブルーミングが発生せず耐候性に優れているが、比較例6では表面がやや劣化した。これにより、本発明の高比重EPDM組成物を用いたダイナミックダンパーは耐候性に優れる上に、振動減衰性能にも優れることが確認できた。
【0122】
次に、本発明の実施例1〜7の高比重EPDM組成物を用いた放射線遮蔽材の放射線遮蔽性能について評価を行った。具体的には、実施例1〜7の高比重EPDM組成物(全て比重は9)を用い、厚さ1mmのシートを作製した。
また、比較例7として実施例1〜7と同形状の鉛板を用いた。比較例8として実施例1〜7と同形状の含鉛シート(比重4)を用いた。
【0123】
(放射線遮蔽性能の測定)
実施例1〜7の高比重EPDM組成物を用いたシート、及び比較例7、8の鉛板、鉛シートについて、6MeVのX線における放射線吸収特性を測定した。
【0124】
上記測定の結果、実施例1〜7のシートは、比較例7の鉛板の95%の放射線遮蔽性能を有していた。また、実施例1〜7のシートは、比較例8の鉛シートの1.9倍の放射線遮蔽性能を有していた。このように、実施例1〜7のシートは、従来の鉛板、鉛シートと同等あるいはそれ以上の放射線遮蔽性能を有していることが確認できた。
【0125】
【発明の効果】
以上の説明より明らかなように、本発明によれば、ジエン量、エチレン量、125℃におけるムーニー粘度を規定したEPDMと、比重12以上の粉末材料を主とする粉末材料とを混合し、該粉末材料を80重量%〜97.5重量%とした高比重EPDM組成物は、ブルーミングの発生を抑制でき、耐候性が向上すると共に、成形性、加工性をも向上させることができる。
また、比重が高く、軟らかい上に、十分な強度を有しており、かつ、環境に対しても安全であるため、テニスラケットに取り付けるダイナミックダンパーをはじめ、放射性遮蔽材、制振遮音シート、防音材等に好適に使用することができる。
【0126】
さらに、適度に軟らかく、他の材料との加工が可能であり、強度に問題がなく、ブルーミングが発生しないために、ダイナミックダンパーの質量付加材の材料として用い、粘弾性材と積層した状態で好適に用いることができる。高比重であるため、ダイナミックダンパーの体積を小さく、薄くすることができ、使用時に邪魔にならない上に、見た目も良くすることができる。また、軟らかいため、テニスプレーヤーがダイナミックダンパーを手に触ったり、人体にぶつけたりしても怪我をする恐れがない。
【0127】
さらには、ダイナミックダンパーは薄いシート状にできるため、使用時にプレーヤーがダイナミックダンパーを気にすることなくプレーでき、スイング時の抵抗も少なくなるためラケットの操作性も向上する。また、従来のダイナミックダンパーに比べて小さなダイナミックダンパーとしても、十分な振動減衰性能を得ることができる。
【0128】
また、本発明の放射線遮蔽材は、環境上の問題がなく、成形性、加工性、耐熱性に優れ、十分な強度を有すると共に、高い放射線遮蔽性能を有しているため、容易に様々な形状とすることができ、鉛等の金属の代用として、放射線治療用、原子力関係、その他工業・医療用放射線検査機等に好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の高比重EPDM組成物を用いたダイナミックダンパーを示す斜視図である。
【図2】 本発明のダイナミックダンパーの(A)は正面図、(B)は側面図、(C)は平面図である。
【図3】 本発明のダイナミックダンパーをラケットフレームに取り付けた状態の斜視図である。
【図4】 本発明のダイナミックダンパーをラケットフレームの3時と9時の位置に取り付けた状態を示すテニスラケットの平面図である。
【図5】 テニスラケットの固有振動数、減衰比の測定システムを示すブロック図である。
【図6】 固有振動数、減衰比の測定システムによる解析における周波数と伝達関数の関係を示すグラフである。
【図7】 テニスラケットの面外2次モードの振動に対する測定位置を示す概略図である。
【図8】 テニスラケットの面内3次モードの振動に対する測定位置を示す概略図である。
【図9】 (A)(B)は、テニスラケットの面外2次モードの振動を説明する模式図である。
【図10】 (A)(B)は、テニスラケットの面内3次モードの振動を説明する模式図である。
【符号の説明】
1 テニスラケット
2 ラケットフレーム
3 ヘッド部
10 ダイナミックダンパー
11 質量付加材
12 粘弾性材
13 横枠部
14 縦枠部
F 打球面
g ガット挿通穴
Claims (10)
- ジエン量が4.5重量%以下、エチレン量が58重量%以上80重量%以下で、125℃におけるムーニー粘度:ML1+4(125℃)が50以上170以下であるEPDMに、タングステン、タングステン化合物またはタングステン基合金のいずれかである粉末材料を、全重量の80重量%以上97.5重量%以下で混合してなることを特徴とする高比重EPDM組成物。
- 上記EPDM100重量部に対して軟化剤を150重量部以下の割合で添加している請求項1に記載の高比重EPDM組成物。
- 上記高比重EPDM組成物の比重が4.5以上13.1以下である請求項1または請求項2に記載の高比重EPDM組成物。
- JIS K−6253(試験機タイプA)に規定された方法によって測定された上記高比重EPDM組成物の加硫後の表面硬度が90以下であり、
引張強度が3MPa以上である請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の高比重EPDM組成物。 - 請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の高比重EPDM組成物を用いて成形される質量負荷材と、下記のゴム材料、樹脂材料あるいはエラストマー材料から選択される材料を用いて成形される粘弾性材からなるダイナミックダンパー。
ゴム材料:EPDM、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、カルボキシル化ニトリルゴム、ブチルゴム(IIR)、ハロゲン化ブチルゴム(X−IIR)、エチレン−プロピレンゴム(EPM)、エチレン−酢酸ビニルゴム(EVA)、アクリルゴム(ACM、ANM)、エチレン−アクリルゴム、クロロスルホン化ポリエチレン(CSM)、塩化ポリエチレン(CM)、エピクロルヒドリンゴム(CO)、ウレタン系ゴム、シリコーン系ゴム、フッ素系ゴムから選ばれる1種または複数種のゴム
樹脂材料:ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ABS系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリアセテート系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリイミド系樹脂、エポキシ系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、フェノール系樹脂、メラミン系樹脂、ユリア系樹脂、ジアリルフタレート系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリイミド系樹脂から選ばれる1種または複数種の樹脂
エラストマー:スチレン系、オレフィン系、ウレタン系、エステル系からなる熱可塑性エラストマーから選ばれる1種または複数種のエラストマー。 - 上記粘弾性材はEPDMあるいはブチルゴムを主成分とし、かつ、該粘弾性材と上記質量負荷材とは夫々シート状に成形されて積層された物からなり、積層された合計厚さが3mm〜5mmである請求項5に記載のダイナミックダンパー。
- 請求項5または請求項6に記載のダイナミックダンパーを、ラケットフレームの打球面を囲むヘッド部あるいは/及びスロート部の少なくとも一部に取り付けていることを特徴とするダイナミックダンパーを取り付けたテニスラケット。
- 上記高比重EPDM組成物からなる質量付加材はシート状に成形されたものからなり、上記粘弾性材と積層されて一体化されている請求項7に記載のダイナミックダンパーを取り付けたテニスラケット。
- 上記シート状とする質量付加材の厚みを0.3mm〜1.7mmとしている請求項8に記載のダイナミックダンパーを取り付けたテニスラケット。
- 請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の高比重EPDM組成物を用いていることを特徴とする放射線遮蔽材。
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