JP4329343B2 - 低動倍率化可能なゴム組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【技術分野】
本発明は、低動倍率化可能なゴム組成物に係り、特に、所定のBET比表面積を有するシリカ粉末と共に、表面処理されたクレーを用いて、動特性を改良してなるゴム組成物に関するものである。
【0002】
【背景技術】
よく知られているように、振動伝達系を構成する2つの部材間に介装されて、両部材を防振連結する防振ゴムは、従来より、各種の分野において広く用いられており、例えば、自動車においては、エンジンマウントやボデーマウント、メンバーマウント、サスペンションブッシュ等として、用いられてきている。
【0003】
ところで、かかる自動車用防振ゴムの如き、周波数などの異なる複数種の振動伝達系において使用される防振ゴムにあっては、通常、入力される各振動に応じた防振特性を有効に発揮するものであることが求められる。具体的には、自動車用防振ゴムにおいては、一般に、100Hz以上の、比較的に高い周波数領域の振動が入力される場合には、低動ばね特性が要求されているのである。なお、ここで、低動ばね特性とは、100Hzにおける動的バネ定数(Kd100 )と静的バネ定数(Ks)との比である動倍率(=Kd100 /Ks)の値が小さいものであることを意味している。
【0004】
このため、そのような防振ゴムにおける動倍率を低くして(下げて)、小さくするために、従来から各種の検討が行われてきており、例えば、ゴムに配合せしめられるカーボンブラックの特定や架橋密度の増大、また特定のゴム状重合体の配合、更には液状ポリマーとの併用等の手法が提案されてはいるが、特定のソフト系カーボンブラックを配合せしめた場合にあっては、加硫ゴムの破断強度や破断伸び等の特性の低下が著しい問題があり、また、ゴムの架橋密度を上げる等の他の方策にあっても、同様に、破断強度や破断伸び等が低下する問題を内在しており、何れの方策にあっても、低動倍率化(低動ばね化)を図った場合において、他の物性が犠牲になるという問題を有するものであった。
【0005】
【特許文献1】
特開平3−227343号公報
【特許文献2】
特開昭61−225230号公報
【特許文献3】
特開昭63−227641号公報
【0006】
【解決課題】
ここにおいて、本発明は、かかる事情を背景にして為されたものであって、その解決課題とするところは、破断強度や破断伸び等の優れた物性を確保しつつ、動倍率を低下せしめることの出来るゴム組成物を提供することにある。
【0007】
【解決手段】
そして、本発明にあっては、そのような課題を解決するために、ジエン系ゴム材料の100重量部に対して、BET比表面積が70〜160m2 /gのシリカ粉末の10〜50重量部を配合し、更に、イオウ官能基変性クレーの10〜50重量部、含イオウ系シランカップリング剤を少なくとも含むシランカップリング剤を配合せしめてなることを特徴とする低動倍率化可能なゴム組成物を、その要旨とするものである。
【0008】
このように、本発明は、所定のBET比表面積を有するシリカ粉末を用いると共に、イオウ官能基変性クレーとシランカップリング剤を用い、それらをジエン系ゴム材料中に配合せしめるようにしたことにより、そのようなシリカ粉末が、従来からのゴム組成物中におけるカーボン分散粒径より細かく分散することとなることに加えて、鱗片状のクレーが、ゴムと相互作用を持ちながら、ゴム中に効果的に分散せしめられることによって、補強性が上がり、静バネ特性が向上せしめられ得、以て、それから得られる防振ゴム等のゴム製品における、優れた破断強度、破断伸び等の特性を確保しつつ、その低動倍率化を有利に実現せしめ得たのである。
【0009】
なお、かかる本発明に従うゴム組成物によれば、前記シランカップリング剤として、含イオウ系シランカップリング剤が少なくとも用いられ、これによって、目的とするゴム製品のより一層有効な低動倍率化が実現され得ることとなる。
【0010】
【発明の実施の形態】
ところで、本発明に従うゴム組成物を与えるジエン系ゴム材料としては、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)等の、公知のゴム材料を挙げることが出来、それらゴム材料が単独にて用いられ得る他、NRとBRのブレンド物、NRとSBRとブレンド物等、適宜に組み合わせた形態において、用いられることとなる。
【0011】
また、かかるジエン系ゴム材料に配合せしめられて、均一に分散せしめられるシリカ粉末は、従来より、防振ゴム用のゴム組成物中に一般的に添加されているカーボンブラックと同様に、補強剤乃至は充填剤として機能するものであるが、本発明にあっては、そのようなシリカ粉末として、BET比表面積が70〜160m2 /gの範囲内にあるものが必要とされ、これによって、ゴム中に微細に分散せしめられ得て、低動倍率化に寄与し得ることとなるのである。なお、かかるBET比表面積が70m2 /g未満となると、補強効果が低下する等の問題を惹起し、また、BET比表面積が160m2 /gを超えるようになると、動倍率を悪化せしめ、所望とする防振特性が得られなくなる等の問題を生じる。更に、そのようなBET比表面積の範囲内においても、90〜150m2 /gの範囲のものが、より好ましく用いられることとなる。
【0012】
なお、かくの如きシリカ粉末のBET比表面積は、JIS−K−6217−1997の「ゴム用カーボンブラックの基本性能の試験方法」における、「7.窒素吸着比表面積」の「D法:流動式比表面積自動測定装置2300型を用いる方法」に準じて、測定されたものである。
【0013】
そして、本発明に係るゴム組成物においては、上述せる如きシリカ粉末が、有利には、ジエン系ゴム材料の100重量部に対して、10〜50重量部の割合で配合せしめられていることが望ましい。これは、その配合量が10重量部未満となると、シリカ粉末による補強効果が充分に得られず、ゴム物性の向上が望めなくなってしまうからであり、逆に、50重量部を超えて多すぎる場合には、疲労耐久性等の物性が悪くなると共に、シリカ粉末の凝集によって、ムーニー粘度が上昇し、練り加工性が悪くなってしまう等の問題を生じるからである。従って、シリカ粉末の配合割合は、上述せる如き範囲を満たしていることが望ましく、特に、そのような範囲の中でも、ジエン系ゴム材料の100重量部に対して、10〜40重量部であることが、より望ましいのである。
【0014】
また、本発明において、かかる所定のBET比表面積のシリカ粉末と共に用いられるイオウ官能基変性クレーは、ゴム組成物中において、そのようなシリカ粉末と同様な補強作用や充填効果を発揮するものであって、よく知られているように、クレーをイオウ官能基を有するシランカップリング剤等にて処理することによって得られるものであり、例えば、特開平10−88028号公報等に明らかにされている如く、ビス(トリアルコキシシリルアルキル)テトラサルファイド、メルカプトシラン、チオシアナートシラン等のイオウ官能性シランにて、含水カオリンクレーを表面処理して、得られるもの等を用いることが出来る。
【0015】
なお、そのようなイオウ官能基変性クレーの配合量としては、一般に、ジエン系ゴム材料の100重量部に対して10〜50重量部の範囲内において適宜に選定されることとなる。かかるイオウ官能基変性クレーの配合量が少なすぎると、動倍率の改善(低減)効果が充分でなくなる問題を生じ、また、その配合量が多くなりすぎると、耐久性が悪化する等の問題を惹起するようになる。
【0016】
さらに、本発明において、ジエン系ゴム材料に対して、所定のBET比表面積のシリカ粉末とイオウ官能基変性クレーと共に、配合せしめられるシランカップリング剤は、かかるシリカ粉末とジエン系ゴム材料とを化学的に結合せしめて、そのような補強剤とゴム材料とのなじみを著しく向上させて、防振ゴム等の最終ゴム製品の低動倍率化を効果的に向上せしめ得るものであって、従来から公知の各種のシランカップリング剤の中から適宜に選択使用され得るものであって、例えば、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−β−アミノプロピルメチルジメトキシシラン等を挙げることが出来る。
【0017】
そして、それらシランカップリング剤の中でも、特に、本発明にあっては、含イオウ系シランカップリング剤が好適に用いられ、少なくとも、この含イオウ系シランカップリング剤を含む一種または二種以上のシランカップリング剤が用いられることとなる。なお、そのような含イオウ系シランカップリング剤は、一般に、水素原子以外の二つの原子とそれぞれ結合するイオウ(−S−)を有するものであって、例えば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルファンや4,4,13,13−テトラエトキシ−3,14−ジオキサ−8,9−ジチア−4,13−ジチア−4,13−ジシラ−ヘキサデカンの他、4,4,15,15−テトラエトキシ−3,16−ジオキサ−8,9,10,11−テトラチア−4,15−ジシラ−オクタデカン、γ−トリメトキシシリルプロピルジメチルチオカルバミルテトラスルフィド、γ−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアジルテトラスルフィド等のポリスルフィド類等を挙げることが出来る。
【0018】
また、本発明にあっては、かくの如きシランカップリング剤は、一般に、前記したシリカ粉末の配合量に対して5〜15重量%の割合において配合せしめられることとなる。なお、このシランカップリング剤の配合量が5重量%未満となると、シリカとゴム材料との間の結合性が低下し、充分な補強効果を奏し得なくなる等の問題があり、また、15重量%を超えるようになると、耐熱老化性等の物性が悪化する問題を惹起するようになる。
【0019】
そして、上述せる如き、シリカ粉末、イオウ官能基変性クレー及びシランカップリング剤がジエン系ゴム材料に配合せしめられてなる、本発明に従うゴム組成物を加硫することによって、目的とする優れた特性を有する防振ゴム等のゴム製品が製造されることとなるのであるが、ここで、未加硫のゴム組成物の加硫に先立って配合される加硫剤としては、使用するゴム材料における加硫反応を良好に進行せしめ得るものであれば、公知の如何なるものをも採用することが出来、一般に、ゴム材料の種類や求められる特性等を考慮して、公知の各種の加硫剤の中から、適当なものが選択され、ゴム材料の使用量に応じた量において用いられることとなる。なお、そのような加硫剤としては、例えば、イオウや、酸化亜鉛、酸化マグネシウム等の金属酸化物、ヘキサメチレンジアミンカルバメート等のアミン化合物、ジクミルパーオキサイド等の過酸化物等を挙げることが出来る。
【0020】
また、前記したゴム組成物には、更に、上記の加硫剤と併せて、使用するゴム材料の種類に応じた、適当な加硫促進剤や加硫促進助剤を、それぞれ必要量において、ゴム材料に配合せしめることも可能である。ここで、そのような加硫促進剤としては、例えば、N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(BBS)、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(CBS)、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(OBS)等のスルフェンアミド類;ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛(ZnMDC)、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛(ZnEDC)等のジチオカルバミン酸塩類;テトラメチルチウラムジスルフィド(TMTD)、テトラエチルチウラムジスルフィド(TETD)、テトラブチルチウラムジスルフィド(TBTD)等のチウラム類等を挙げることが出来、また、加硫促進助剤としては、酸化亜鉛やステアリン酸等を例示することが出来るが、これらに何等限定されるものではないことは言うまでもないところである。
【0021】
さらに、かかる本発明に従うゴム組成物には、カーボンブラック等の補強剤、老化防止剤、軟化剤、ワックス、可塑剤等、従来から公知の各種のゴム用配合剤が、必要に応じて、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて、適宜に配合せしめられることとなる。
【0022】
なお、補強剤としてのカーボンブラックは、通常のゴム組成物において一般的に用いられているものであるが、本発明においては、そこで用いられるシリカ粉末とイオウ官能基変性クレーとが補強剤の如く作用して、ゴムの硬度や強度等を向上せしめる働きがあるところから、所望とするゴム硬度等が得られるように、カーボンブラック等の補強剤の配合量が調整されることとなる。特に、この補強剤としてのカーボンブラックは、その配合量が多くなると、動倍率を高くして、動ばね特性に悪影響をもたらすようになるところから、一般に、ジエン系ゴム材料の100重量部に対して、一般に20重量部以下、好ましくは10重量部以下の割合において、用いられることとなる。
【0023】
ところで、上記した所定のシリカ粉末やイオウ官能基変性クレー、シランカップリング剤、更にその他の必要なゴム用配合剤等をジエン系ゴム材料に配合せしめて、本発明に従う低動倍率ゴム組成物を調製するに際しては、従来から公知の手法が採用され得るのであり、例えば、ニーダーやバンバリーミキサー、ロール機等の公知の混錬装置を用いて、そのような装置内に、未加硫のジエン系ゴム材料、所定のシランカップリング剤にてコーティングされたシリカ粉末、更にはイオウ官能基変性クレー及びその他必要な各種のゴム用配合剤を導入した後、混錬することによって、目的とするゴム組成物が調製されるのである。
【0024】
そして、そのようにして得られたゴム組成物を、所定温度に加熱せしめて、かかるゴム組成物中のジエン系ゴム材料を加硫することにより、目的とするゴム製品が形成されることとなる。このようにして得られるゴム製品は、低動倍率、換言すれば低動バネ特性が必要とされる防振を目的とする防振ゴムとして有利に用いられることとなる。中でも、自動車用防振ゴムとして用いられる場合にあっては、エンジンマウント、ボデーマウント、キャブマウント、メンバーマウント、ストラットマウント、ストラットバークッション、サスペンションブッシュ等として、有利に用いられることとなるのである。
【0025】
【実施例】
以下に、本発明の代表的な実施例を示し、本発明を更に具体的に明らかにすることとするが、本発明が、そのような実施例の記載によって、何等の制約をも受けるものでないことは、言うまでもないところである。また、本発明には、以下の実施例の他にも、更には、上記の具体的記述以外にも、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて、種々なる変更、修正、改良等を加え得るものであることが、理解されるべきである。
【0026】
先ず、ゴム材料として、未加硫の天然ゴム(NR)を準備する一方、シリカ粉末として、BET比表面積が70〜120m2 /gであるシリカ−1(日本シリカ株式会社製、ニプシールER)及びBET比表面積が140〜160m2 /gであるシリカ−2(米国:J.M.ヒューバー・コーポレーション製、ヒューバーポール135)を準備すると共に、イオウ官能基変性クレーとして、メルカプトシラン変性タイプの表面処理クレー(米国:J.M.ヒューバー・コーポレーション製、ポリキャップTB)を準備し、また、比較のために、そのような表面処理の施されていない、通常のクレーを準備し、更に、シランカップリング剤として、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルファン(カップリング剤−1)と、ビニル・トリス(β−メトキシエトキシ)シラン(カップリング剤−2)を準備した。更に、その他の配合剤として、酸化亜鉛、ステアリン酸、老化防止剤[N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン]、カーボンブラックとしてのFEFカーボン、ジエチレングリコール(DEG)、促進剤−1(N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジル−スルフェンアミド)、促進剤−2(テトラメチルチウラムジスルフィド)及び加硫剤:イオウを準備した。
【0027】
そして、NR材料の100重量部に対して、それらシリカ粉末、表面処理クレー、シランカップリング剤等を、下記表1及び表2に示される組み合わせ並びに配合割合となるように、常法に従って配合し、各種のゴム組成物を調製した。
【0028】
【表1】
Figure 0004329343
【0029】
【表2】
Figure 0004329343
【0030】
次いで、それら得られた各種のゴム組成物を、170℃×30分の加硫条件を採用して加硫成形することにより、NR材料を加硫せしめて、引張試験、硬さ試験、圧縮永久歪試験及び動特性試験用の各種テストピースをそれぞれ作製し、そして、その得られたテストピースを用いて、以下の如き各種の評価試験を実施した。
【0031】
−引張試験−
JIS−K−6251−1993の「加硫ゴムの引張試験方法」に規定されるダンベル状5号形試験片を、引張試験用のテストピースとして用い、これを、同JIS−K−6251−1993の「加硫ゴムの引張試験方法」に規定される試験方法に従って、所定の引張試験機により、テストピースをそれが切断するまで引張せしめて、100%伸び時における引張応力(100%モジュラス:M100 )、切断に至るまでの最大応力(引張強さ)、及び切断時の伸び(破断時伸び)を測定し、その結果を、下記表3及び表4に示した。
【0032】
−硬さ試験−
JIS−K−6253−1997の「加硫ゴム及び熱可塑性ゴムの硬さ試験方法」における「デュロメータ硬さ試験」に定められる、厚さ:2mmの試験片を、硬さ試験用のテストピースとして用い、同JIS−K−6253−1997の「デュロメータ硬さ試験」に準じて、タイプAデュロメータにより、テストピースの硬さ(硬度)を測定し、その結果を、下記表3及び表4に示した。
【0033】
−圧縮永久歪試験−
JIS−K−6262−1997の「加硫ゴム及び熱可塑性ゴムの永久ひずみ試験方法」に規定される圧縮永久歪試験用大形試験片を、圧縮永久歪試験用のテストピースとして用い、同じくJIS−K−6262−1997の「5.圧縮永久ひずみ試験」に規定される試験方法に従って、所定の圧縮装置により、荷重を負荷して所定の割合で圧縮し、100℃×70時間にてその状態を維持した後、次いで、荷重を解除して室温にて所定時間放冷し、テストピースの中央部の厚さを測定することにより、圧縮永久歪を求めて、その結果を、下記表3及び表4に示した。
【0034】
−動特性試験−
動特性試験用のテストピースは、直径:50mm及び高さ:25mmの円柱形状を呈するゴム加硫物を作製した後、かかる加硫ゴム試料の上下面に対して、直径:60mm及び厚さ:6mm円板状金具の一対を、接着剤にて加硫接着せしめることにより、作製した。そして、そのようにして得られた各テストピースを用いて、JIS−K−6385−1995の「防振ゴムの試験方法」に準じて、静的バネ定数:Ks、動的バネ定数:Kdを求めた。即ち、JIS−K−6385−1995の「防振ゴムの試験方法」における「静的特性試験」に準じて、それぞれのテストピースに対して、軸方向に荷重を加えて、7mm圧縮せしめ、一旦、減荷した後、再度、7mm圧縮せしめることにより、その2回目の加荷過程(往路)における荷重−撓み特性を測定して、それに基づいて荷重−撓み曲線を作成し、そして、その曲線から、撓みが1.5mmと3.5mmの時の荷重値を、それぞれ読み取って、静的バネ定数:Ksを算出した。
【0035】
また、各テストピースを軸方向に2.5mmだけ圧縮せしめた後、かかる圧縮状態のテストピースの下方より、その2.5mm圧縮した位置を中心とする振幅:±0.05mmの定変位調和圧縮振動を、周波数:100Hzにおいて加える試験を行ない、JIS−K−6385−1995の「防振ゴムの試験方法」における「非共振方法(a)」に準拠して、100Hz時の動的バネ定数(貯蔵バネ定数):Kd100 を求めた。そして、かかるKd100 と、前記のKsとから、動倍率(=Kd100 /Ks)を算出し、それら結果を、下記表3及び表4に併せ示した。
【0036】
さらに、本実施例における動特性試験では、各テストピースを軸方向に2.5mmだけ圧縮せしめた状態で、そのテストピースの下方から、圧縮位置を中心とする振幅:±0.5mmの定変位調和圧縮振動を、周波数:15Hzにおいて加える試験を行ない、JIS−K−6385−1995の「防振ゴムの試験方法」における「非共振方法(a)」に準拠して、15Hz時の損失係数:L15を求め、その結果も、また、下記表3及び表4に併せ示した。
【0037】
【表3】
Figure 0004329343
【0038】
【表4】
Figure 0004329343
【0039】
かかる表3及び表4の結果と、前記した表1及び表2との対比から明らかなように、本発明に従って、BET比表面積が70〜160m2 /gのシリカ粉末を配合し、更にメルカプトシラン変性タイプの表面処理クレーとシランカップリング剤とを組み合わせて、配合せしめてなる実験No.7〜10のゴム組成物にあっては、そのようなシリカ粉末を用いない場合(実験No.5)やイオウ官能基変性クレーを配合せしめない場合(実験No.1〜4)のゴム組成物に比して、優れた常態物性を確保しつつ、低動倍率化が有利に実現され得ていることを認めることが出来るのである。
【0040】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明に従うゴム組成物にあっては、ジエン系ゴム材料に対して、所定のBET比表面積を有するシリカ粉末が配合せしめられ、更に、イオウ官能基変性クレーとシランカップリング剤が共に配合されているところから、高い破断強度や破断伸び等の優れた物性を確保しつつ、動倍率の小さなゴム製品が有利に実現され得るのであり、以て、優れた特性を有する低動倍率化ゴム製品の提供が可能となったのである。

Claims (2)

  1. ジエン系ゴム材料の100重量部に対して、BET比表面積が70〜160m2 /gのシリカ粉末の10〜50重量部を配合し、更に、イオウ官能基変性クレーの10〜50重量部、含イオウ系シランカップリング剤を少なくとも含むシランカップリング剤を配合せしめてなることを特徴とする低動倍率化可能なゴム組成物。
  2. 前記シランカップリング剤が、前記シリカ粉末の配合量に対して5〜15重量%の割合において配合せしめられている請求項1に記載の低動倍率化可能なゴム組成物。
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