JP2004307820A - 耐熱性防振ゴム組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】 従来の耐熱性防振ゴム組成物では実現し得なかった、より一層の耐熱老化性と高温雰囲気中における優れた物性の確保と共に、低動倍率化と練り加工性の向上とを有利に図り得る、耐熱性に優れたエチレン−プロピレン−ジエン系ゴム材料を用いた耐熱性防振ゴム組成物を、提供すること。
【解決手段】 ムーニー粘度(ML1+4 :125℃、油展量:40phr)が70以上であるエチレン−プロピレン−ジエン系ゴム材料と、天然ゴム材料とを90/10〜50/50の配合割合(重量比)においてブレンドせしめる一方、そのブレンド物の100重量部に対して、BET比表面積が20〜70m2 /gのシリカ粉末を20〜80重量部の割合において配合し、更に、シランカップリング剤と共に、ベンゾイミダゾール系老化防止剤及びアミン系老化防止剤のうちの何れか一方又は両方を配合せしめて構成した。
【選択図】 なし
【解決手段】 ムーニー粘度(ML1+4 :125℃、油展量:40phr)が70以上であるエチレン−プロピレン−ジエン系ゴム材料と、天然ゴム材料とを90/10〜50/50の配合割合(重量比)においてブレンドせしめる一方、そのブレンド物の100重量部に対して、BET比表面積が20〜70m2 /gのシリカ粉末を20〜80重量部の割合において配合し、更に、シランカップリング剤と共に、ベンゾイミダゾール系老化防止剤及びアミン系老化防止剤のうちの何れか一方又は両方を配合せしめて構成した。
【選択図】 なし
Description
本発明は、耐熱性防振ゴム組成物に係り、特に、エチレン−プロピレン−ジエン系ゴム(EPDM)材料を主成分とする防振ゴム組成物において、その耐熱老化性と共に、高温物性のより一層の向上を図り、且つ優れた動特性を発揮せしめ得る技術に関するものである。
従来より、自動車や鉄道車両等においては、剛性部品への振動・衝撃の伝達防止を目的として、各種形態の防振ゴムが、振動或いは衝撃伝達系を構成する二つの部材間に介装されて、用いられてきている。
ところで、そのような防振ゴム、例えば自動車のエンジンマウント等には、防振特性及び耐久性に優れる等といった理由から、天然ゴム(NR)や、かかるNRに対してスチレン−ブタジエンゴム(SBR)若しくはブタジエンゴム(BR)等の合成ゴムをブレンドしたNRブレンド物が、主として用いられているのである。
一方、近年において、自動車に対して、その低燃費化や車外騒音の低減、或いは排ガス規制への対応等の要望がより一段と高まってきており、それに伴って、エンジンルーム内の熱環境が厳しくなる傾向、換言すればエンジンルーム内が今まで以上に高温となる傾向にあり、エンジンマウント等に用いられる防振ゴムにあっては、かかる高温環境下で使用されるようになってきている。このため、そのようなエンジンルーム内やその近傍に取り付けられる防振ゴムに対しては、特に優れた耐熱性(耐熱老化性)や高温雰囲気下での優れた物性の維持が要求されているのであるが、前記したようなNRやNRブレンド物が原料ゴムとされている従来の防振ゴムにあっては、その主原料たるNRが、熱に弱く、高温下に晒されると、物性の低下やヘタリ現象等が惹起されるといった欠点を有するものであるところから、優れた耐熱性や高温物性を実現することが極めて困難であったのである。
そのため、最近においては、ゴム材料として、従来より耐久性や防振特性に優れる等といった理由から使用されてきている天然ゴム(NR)に代えて、耐熱性の高いゴム材料として公知の、エチレン−プロピレン−ジエン系ゴム(EPDM)等の合成ゴムを用いた防振ゴム組成物乃至は防振ゴムが、各種検討されてきている。
しかしながら、EPDM材料にあっては、耐熱性には優れるものの、元々の分子量が低いこと等に起因して、耐疲労性が悪く、また動倍率が高く、防振ゴムに必要とされる耐久性や防振特性を充分に実現することは、非常に困難であったのである。そして、EPDM材料からなる防振ゴムの低動倍率化や耐久性の向上を実現するために、例えば、練り加工性に悪影響を与えない範囲内において、EPDM材料の高分子量化を図ったり(特許文献1参照)、また、補強剤として、高ストラクチャーのカーボンブラックを配合する(特許文献2参照)等といった手法等が、種々、提案されているのであるが、何れも、従来のNR系材料を原料ゴムとする防振ゴムと比較して、耐久性や動倍率は必ずしも充分なものではなかったのであり、それ故に、充分なる防振効果が発揮され得ない等の問題が未だ内在しているのが、実情である。また、上述せるように、高温雰囲気中の耐久性や動倍率、練り加工性等の問題を解決しようとすると、圧縮永久歪の悪化が招来される恐れもあったのである。
ここにおいて、本発明は、かかる事情を背景にして為されたものであって、その解決課題とするところは、耐熱性に優れたエチレン−プロピレン−ジエン系ゴム材料を用いた耐熱性防振ゴム組成物において、従来の耐熱性防振ゴム組成物では実現し得なかった、より一層の耐熱老化性と高温雰囲気中における優れた物性の確保と共に、低動倍率化と練り加工性の向上とを有利に図り得るゴム組成物を、提供することにある。
そして、本発明者らは、そのような課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、エチレン−プロピレン−ジエン系ゴム(EPDM)材料に対して天然ゴム(NR)材料をブレンドすることにより、練り加工性を改善して、かかるEPDM材料の高分子量化を可能ならしめ、以て、更なる高温物性の改良、加えて低動倍率化が可能となることを見出し、また、補強剤として従来より一般的に用いられているカーボンブラックにあっては、EPDM材料との親和性乃至は相互作用が弱いために、それらEPDM材料とカーボンブラックとの間の摩擦により、動倍率が高められてしまうことに鑑み、そのようなカーボンブラックに代えて、シリカを用いると共に、かかるシリカを、シランカップリング剤を用いて、EPDM材料に化学的に結合せしめることによって、補強剤とEPDM材料の親和性を向上せしめて、低動倍率化を効果的に図ることが出来ることを見出し、更に、そのようなシリカの中でも、特に、BET比表面積が比較的に小さなものを用いることによって、更なる低動倍率化を実現することが可能となり、しかも、各種物性の耐熱老化性も、天然ゴム材料を用いた場合に比して、著しく改善され得ることを見出したのであり、更には、所定の老化防止剤を、単独で、或いは組み合わせて、配合せしめることにより、ブレンドされたNR材料の熱劣化が効果的に抑制され、高温物性を高度に維持したまま、優れた耐熱性がより一層長期に亘って発現され得ることを見出したのである。
従って、本発明は、かかる知見に基づいて完成されたものであって、その第一の態様とするところは、天然ゴム材料と共に、ムーニー粘度(ML1+4 :125℃、油展量:40phr)が70以上であるエチレン−プロピレン−ジエン系ゴム材料を用い、それらエチレン−プロピレン−ジエン系ゴム材料と天然ゴム材料とを90/10〜50/50の配合割合(重量比)においてブレンドせしめる一方、そのブレンド物の100重量部に対して、BET比表面積が20〜70m2 /gであるシリカ粉末を20〜80重量部の割合において配合し、更に、シランカップリング剤の少なくとも1種と共に、ベンゾイミダゾール系老化防止剤及びアミン系老化防止剤のうちの何れか一方又は両方を配合せしめてなることを特徴とする耐熱性防振ゴム組成物にある。
なお、かかる本発明に従う耐熱性防振ゴム組成物における第二の態様にあっては、前記シランカップリング剤として、含イオウ系シランカップリング剤とメルカプト系シランカップリング剤とが組み合わされて、用いられることとなる。
また、本発明に従う耐熱性防振ゴム組成物の第三の態様においては、前記含イオウ系シランカップリング剤として、分子中の硫黄原子の数が1である化合物が用いられる。
そして、本発明に従う耐熱性防振ゴム組成物における、先述した第一の態様によれば、そのゴム材料としてEPDM材料に対してNR材料を所定割合においてブレンドせしめてなるブレンド物を用いていることによって、高温雰囲気中における物性(高温物性)が効果的に向上せしめられ得ることとなるのであり、またNR材料のブレンドにより、練り加工性が改良されることに伴い、EPDM材料の高分子量化が可能となり、それによって、高ムーニー粘度のEPDM材料を用いることにより、更なる高温物性(耐久性)の向上が図られ得、加えて低動倍率化も可能となるのである。
また、かかる本発明に従うゴム組成物にあっては、EPDM材料とNR材料のブレンド物に対して、BET比表面積の小さなシリカ粉末が所定の割合において配合、含有せしめられる一方、かかるシリカ粉末とゴム材料とを化学的に結合するためのシランカップリング剤が配合、含有せしめられているところから、そのようなゴム組成物を加硫して得られる防振ゴムにあっては、EPDM材料による耐熱性は勿論のこと、低動倍率化が有利に図られ得て、優れた防振特性を実現し得ることとなるのである。
加えて、所定の老化防止剤の使用によって、ブレンドされたNR材料の熱劣化が更に効果的に抑制され、高温物性をより一層高度に確保しつつ、更に優れた耐熱老化性が発現され得るようになる。
つまり、本発明に従う耐熱防振ゴム組成物にあっては、高度な耐熱性(耐熱老化特性)が極めて有利に確保されつつ、従来の耐熱性防振ゴム組成物では実現し得なかった、低動倍率化と高温物性の向上とを同時に実現し得るものである。従って、そのような耐熱防振ゴム組成物は、エンジンマウントをはじめとする各種自動車用防振ゴムの構成材料として、特に好適に用いられ得ることとなるのである。
また、本発明に従う耐熱防振ゴム組成物の第二の態様に従って、前記シランカップリング剤として、含イオウ系シランカップリング剤とメルカプト系シランカップリング剤とを組み合わせて用いると、上述せる如き効果がより一層有利に発揮され得るのである。
さらに、本発明に従う耐熱防振ゴム組成物における第三の態様によれば、含イオウ系シランカップリング剤として、分子中の硫黄の含有量が減量されたものが用いられているところから、高温に対する圧縮永久歪特性の悪化が、有利に防止乃至は抑制され得ることとなる。より具体的には、上述せる如き老化防止剤を添加して、高温雰囲気中の耐久性や動倍率、練り加工性等の問題を解消しようとすると、高温時乃至は高温耐久時における圧縮永久歪が悪化する場合があるが、この特定の含イオウ系シランカップリング剤を採用すると、そのような圧縮永久歪特性が向上せしめられ得るのである。
ところで、このような本発明に従う防振ゴム組成物において、主成分として使用されるエチレン−プロピレン−ジエン系ゴム(EPDM)材料としては、特に限定されるものではなく、従来から公知のエチレン−プロピレン−ジエン系三元共重合体が、そのまま用いられ得るのである。例えば、EPDM材料中の第3成分(ジエン成分)としては、従来より公知の各種のもの、例えば、1,4−ペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、1,5−ヘキサジエン、2,5−ジメチル−1,5−ヘキサジエン、1,4−オクタジエン、1,4−シクロヘキサジエン、シクロオクタジエン、ジシクロペンタジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−ブチリデン−2−ノルボルネン、2−メタリル−5−ノルボルネン、2−イソプロペニル−5−ノルボルネン等が挙げられ、それらの何れもを採用することが出来るのであり、また、このEPDM材料におけるエチレン成分、プロピレン成分、ジエン成分の組成割合等にあっても、何等限定されるものではなく、ゴム組成物の要求特性等に応じて、適宜に決定され得ることとなる。
そして、このようなEPDM材料のうち、特に高分子量のもの、換言すれば、ムーニー粘度(ML1+4 :125℃)が、油展量:40phr(ポリマー100重量部に対してオイルが40重量部の割合において配合されたもの)において、70以上であるものが、本発明においては用いられ、これによって、高温物性(耐久性)のより一層の向上が実現され、加えて、更なる低動倍率化も可能となっているのである。これに対し、そのようなムーニー粘度(ML1+4 :125℃、油展量:40phr)が70よりも小さなEPDM材料を用いた場合にあっては、動倍率が高くなり、また高温雰囲気中の物性も低く、本発明の目的を充分に達成し得なくなるのである。
また、かかるEPDM材料のムーニー粘度(ML1+4 :125℃)は、よく知られているように、JIS−K−6300に規定される未加硫ゴム物理試験方法に従って、油展量が40phrのEPDM材料において、L型ローターを使用し、予熱時間:1分、ローターの作動時間:4分、試験温度:125℃の条件にて測定されたムーニー粘度として表されるものであり、本発明においては、そのようなムーニー粘度が70以上の高分子量のものを用いるものであるが、そのような高分子量のEPDM材料としては、適宜に選択され得るものであって、例えば、住友化学工業株式会社の製品である、エスプレン601F、エスプレン606F等を挙げることが出来る。
そして、このような高ムーニー粘度のEPDM材料に対して、本発明にあっては、天然ゴム(NR)材料を所定割合においてブレンドせしめ、そのブレンド物をゴム材料として用いて、目的とするゴム組成物を構成するようにしたものであって、そのようなNR材料のブレンドによって、ゴム組成物、ひいては最終製品となる防振ゴムの高温物性(耐久性)が効果的に改良せしめられ得るのである。即ち、そのようなNR材料のブレンドによって、ゴム組成物の練り加工性が改良され得るところから、高分子量(高ムーニー粘度)のEPDM材料を用いることが出来、それによって、更なる高温物性(耐久性)の向上、加えて低動倍率化が可能となるのである。
ここで、そのような高ムーニー粘度のEPDM材料とNR材料の配合比(重量比)としては、EPDM/NR=90/10〜50/50の範囲内において選定され、これによって、本発明の目的が有利に実現され得ることとなる。なお、NR材料の配合割合が、ブレンド物の100重量部中、10重量部よりも少なくなると、高温物性の改良効果が認められなくなる等の問題を生じ、また50重量部を超えるようになると、耐熱性が悪化し、熱老化後の物性が悪くなる等の問題を惹起する。
ところで、本発明に従うゴム組成物にあっても、防振ゴムに必要とされる物性や振動特性を実現すべく、従来と同様に、補強剤乃至は充填剤が配合、含有せしめられることとなるのであるが、上記したEPDM材料とNR材料とのブレンド物、特にEPDM材料は、前述せるように、カーボンブラックとの親和性が低く、それらゴム材料(EPDM材料)とカーボンブラックとの間の摩擦によって、100Hzにおける動的バネ定数(Kd100 )と静的バネ定数(Ks)との比である、動倍率(=Kd100 /Ks)が高められて、防振特性の一つとしての、100Hz以上の比較的に高い周波数領域の振動の入力時に必要とされる低動バネ特性が確保され得なくなってしまうところから、補強剤として、従来より防振ゴム用のゴム組成物中に一般的に添加されているカーボンブラックに代えて、シリカ粉末を用いると共に、かかるシリカ粉末を、シランカップリング剤にて、ゴム材料(EPDM材料)に化学的に結合せしめるようにしているのであり、これによって、補強剤とゴム材料との馴染みが著しく向上して、防振ゴムの低動倍率化を図ることが出来るようになっているのである。
ここにおいて、上記したシリカ粉末としては、各種の大きさのものが市販されているのであるが、シリカ粉末の粒子径が大きい程、換言すればBET比表面積が小さい程、低動倍率化を図ることが出来るところから、所望とする動倍率を得るべく、本発明においては、それらの中でも、BET比表面積が比較的に小さな20〜70m2 /gの範囲にあるものが必要とされるのである。けだし、かかるBET比表面積が20m2 /g未満のものは、粒子が大きくなり過ぎて、ゴム材料との混合性に問題を生じる他、その製造も困難であるからであり、逆に、BET比表面積が70m2 /gを超えるようになると、動倍率が高くなって、所望とする防振特性が得られなくなるからである。
なお、かかるシリカ粉末のBET比表面積は、JIS−K−6217−1997の「ゴム用カーボンブラックの基本性能の試験方法」における「7.窒素吸着比表面積」の「D法:流動式比表面積自動測定装置2300型を用いる方法」に準じて測定されるものである。
また、本発明に係るゴム組成物においては、上述せる如きシリカ粉末が、EPDM材料とNR材料とのブレンド物の100重量部に対して、20〜80重量部の割合で配合せしめられている必要がある。これは、その配合量が20重量部未満となると、シリカ粉末による補強効果が充分に得られず、耐久性等の物性の向上が望めなくなってしまうからであり、逆に、80重量部を超えて多過ぎる場合には、動倍率が著しく高くなってしまうと共に、シリカ粉末の凝集によって、ムーニー粘度が上昇し、練り加工性が悪くなってしまうからである。従って、シリカ粉末の配合割合は、上述せる如き範囲を満たしていなければならないのであるが、そのような範囲の中でも、より好ましくは、ブレンド物の100重量部に対して、30〜50重量部であることが望ましい。
一方、本発明において、上述せる如きシリカ粉末とゴム材料とを結合するシランカップリング剤としては、従来から公知の各種のシランカップリング剤の中から、その少なくとも1種以上が適宜に選択されて、用いられることとなる。そして、そのようなシランカップリング剤として、例えば、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロプルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−β−アミノプロピルメチルジメトキシシラン等を例示することが出来る。
しかして、本発明にあっては、そのようなシランカップリング剤の中でも、特に、水素原子以外の2つの原子ととそれぞれ結合する硫黄(−S−)を有する含イオウ系シランカップリング剤と、メルカプト基(−SH)を有するメルカプト系シランカップリング剤の両者を併用することが望ましく、それら2種のシランカップリング剤の併用によって、動倍率が効果的に改善され、しかも、耐久性や耐ヘタリ性等の物性を、従来のNR材料をゴム原料としたものに比して、遜色のない程度に、充分高度に確保することが可能となるのである。
ここにおいて、本発明において有利に採用されるシランカップリング剤としては、上述せるように、硫黄の2価基(−S−)又はメルカプト基(−SH)を有するものであれば、特に限定されるものではなく、従来から公知の各種の含イオウ系シランカップリング剤とメルカプト系シランカップリング剤のそれぞれ1種以上が適宜に選択され、それらが組み合わされて用いられることとなる。例えば、含イオウ系シランカップリング剤としては、3−オクタノイルチオ−1−プロピルトリエトキシシラン、4,4,13,13−テトラエトキシ−3,14−ジオキサ−8,9−ジチア−4,13‐ジシラ−ヘキサデカンや、4,4,15,15−テトラエトキシ−3,16−ジオキサ−8,9,10,11−テトラチア−4,15−ジシラ−オクタデカン、γ−トリメトキシシリルプロピルジメチルチオカルバミルテトラスルフィド、γ−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアジルテトラスルフィド等のポリスルフィド類等を例示することが出来る一方、メルカプト系シランカップリング剤としては、下記一般式(I)にて表される、例えば、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等を例示することが出来る。
(RO)3SiCnH2nSH ・・・(I)
〔但し、Rは、メチル基又はエチル基であり、nは、1〜8の整数である。〕
(RO)3SiCnH2nSH ・・・(I)
〔但し、Rは、メチル基又はエチル基であり、nは、1〜8の整数である。〕
なお、上記した含イオウ系シランカップリング剤とメルカプト系シランカップリング剤とは、重量比で、1:9〜9:1、より好ましくは2:8〜8:2となるように配合されることが望ましく、これによって、それら含イオウ系シランカップリング剤とメルカプト系シランカップリング剤の併用による相乗的な効果が極めて有利に発揮され得ることとなる。更に、含イオウ系シランカップリング剤として、分子中の硫黄原子の含有量が少ない化合物、具体的には、分子中の硫黄原子の数が1である、3−オクタノイルチオ−1−プロピルトリエトキシシラン等のシランカップリング剤を採用すると、圧縮永久歪が効果的に改善されるようになるのである。
そして、前述せる如きシランカップリング剤は、それが単独で用いられる場合においては、その単独の配合量において、また、併用される場合にあっては、それぞれのシランカップリング剤の配合量において、前記したシリカ粉末の配合量の1〜10重量%、より好ましくは、2〜5重量%程度となる割合において添加されることが望ましい。けだし、かかる配合割合が多過ぎる場合には、物性が悪化するようになるからであり、逆に少なすぎる場合には、シランカップリング剤の添加による効果が得られなくなるからである。
また、上記したシランカップリング剤は、通常、前述せる如き所定のBET比表面積を有するシリカ粉末にコーティングされ、そのコーティングされたシリカ粉末が、ゴム材料中に分散,含有せしめられることとなるのである。
さらに、本発明に従うゴム組成物には、高温雰囲気下における物性を高度に確保しつつ、より一層優れた耐熱老化性を長期に亘って持続し得るように、更に、ベンゾイミダゾール系老化防止剤及びアミン系老化防止剤のうちの何れか一方、又は両方が組み合わされて、更に配合せしめられることとなる。
ここにおいて、上述せる如き老化防止剤のうち、ベンゾイミダゾール系老化防止剤としては、例えば、2−メルカプトベンゾイミダゾールや、2−メルカプトベンゾイミダゾール亜鉛塩等の2−メルカプトベンゾイミダゾール骨格を有するものが挙げられ、その中でも、2−メルカプトベンゾイミダゾール亜鉛塩が好適に採用され得る。なお、かかるベンゾイミダゾール系老化防止剤の縮合ベンゼン環は、メチル基等の低級アルキル基で置換されていても良い。
また、アミン系老化防止剤としては、例えば、2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリンの多量体等のジヒドロキノリン骨格を有するものや、N−(1,3−ジメチルブチル)−N′−フェニル−p−フェニレンジアミン、4,4′−ビス(4−α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン等のジフェニルアミン骨格を有するもの、N,N′−ジ−β−ナフチル−p−フェニレンジアミン等のフェニレンジアミン骨格を有するものが挙げられる。これらの中でも、揮発性が低い、N,N′−ジ−β−ナフチル−p−フェニレンジアミンや4,4′−ビス(4−α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミンが、特に好適に採用され得る。
なお、上述せる如きベンゾイミダゾール系老化防止剤とアミン系老化防止剤は、単独で用いられる場合においては、その単独の配合量において、また、併用される場合にあっては、その合計量において、前記したNR材料の100重量部に対して、1〜10重量部の割合となるように配合されることが望ましい。何故ならば、かかる配合量が、1重量部未満となると、所定の老化防止剤を添加することによる効果が充分に得られず、耐熱性の更なる向上が望めなくなってしまうからであり、逆に、10重量部を超えて多過ぎる場合には、EPDM材料の加硫が阻害される傾向があるからである。
また、ベンゾイミダゾール系老化防止剤とアミン系老化防止剤とを併用する場合にあっては、特に、ベンゾイミダゾール系老化防止剤のベンゾイミダゾール基の1モルに対して、アミン系老化防止剤を、0.5〜3モルとなるように用いることが、より一層望ましい。このような割合で併用することによって、耐熱性がより一層長期に亘って維持せしめられ、極めて優れた耐熱老化性が実現されるようになる。
かくして、上述せる如き老化防止剤や、前述のシランカップリング剤にてコーティングされたシリカ粉末が分散,含有せしめられることによって、本発明に従う耐熱性ゴム組成物が調製され、次いで、そのようにして調製されたゴム組成物を加硫することによって、耐熱性に優れた防振ゴムが製造されることとなるのであるが、ここで、未加硫のゴム組成物の加硫に先立って配合される加硫剤(架橋剤)としては、ゴム材料の加硫反応を良好に進行せしめ得るものであれば、何れのものをも採用することが出来、公知の各種の加硫剤の中から、適当なものが選択され、ゴム材料の使用量に応じた量において用いられるのである。なお、かかる加硫剤としては、特に、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキシジイソプロピルベンゼン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、t−ブチルクミルパーオキサイド等の過酸化物が好ましい。
また、本発明に従うゴム組成物には、更に必要に応じて、加硫促進剤や架橋助剤、パラフィン系オイル等の軟化剤、可塑剤、安定剤、加工助剤、着色剤等の公知の各種のゴム用配合剤を、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて、配合せしめても、何等差支えない。
ところで、前記した所定のシリカ粉末やシランカップリング剤や、所定の老化防止剤、その他の必要なゴム用配合剤等を、EPDM材料とNR材料のブレンド物(ゴム材料)に配合せしめて、本発明に従う耐熱性防振ゴム用のゴム組成物を調製するに際しては、従来から公知の手法が採用され得るのであり、例えば、ニーダーや、バンバリーミキサー、ロール機等の公知の混練装置を用いて、かかる装置内に、未加硫のゴム材料、所定のカップリング剤にてコーティングされたシリカ粉末、所定の老化防止剤、及びその他必要な各種のゴム用配合剤を導入した後、混練することによって、調製するのである。
そして、そのようにして得られたゴム組成物を、所定温度に加熱せしめて、かかるゴム組成物中のゴム材料を加硫することにより、耐熱性に優れた防振ゴムが製造されるのであり、更に、このようにして得られた防振ゴムは、エンジンマウント、ストラットマウント、ストラットバークッション、サスペンションブッシュ等の各種自動車用防振ゴムとして、それらの中でも、特に、高温環境下で使用されるエンジンマウント等の自動車用防振ゴムとして、有利に用いられることとなる。
以下に、本発明の幾つかの実施例を示し、本発明を更に具体的に明らかにすることとするが、本発明が、そのような実施例の記載によって、何等の制約をも受けるものでないことは、言うまでもないところである。また、本発明には、以下の実施例の他にも、更には上記の具体的記述以外にも、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて、種々なる変更、修正、改良等を加え得るものであることが、理解されるべきである。
先ず、ゴム材料として、未加硫のNR材料と共に、油展量が40phrであるときのムーニー粘度(ML1+4 :125℃)が異なる、未加硫のEPDM材料の2種を準備した。2種のEPDM材料のうち、EPDM−Aは、ムーニー粘度(ML1+4 :125℃、油展量:40phr)が60である住友化学工業株式会社製エスプレン673製品であり、EPDM−Bは、ムーニー粘度(ML1+4 :125℃、油展量:40phr)が82である住友化学工業株式会社製エスプレン606F製品である。また、シリカ粉末として、そのBET比表面積の平均値が、50m2 /gであるシリカ粉末を準備し、更に、シランカップリング剤として、下記表1に示される如きa〜dの4種のシランカップリング剤を準備した。また、老化防止剤として、次の老化防止剤A〜Cの3種を準備した。3種の老化防止剤のうち、老化防止剤Aは、2−メルカプトベンゾイミダゾール亜鉛塩であり、老化防止剤Bは、N,N′−ジ−β−ナフチル−p−フェニレンジアミンであり、老化防止剤Cは、4,4′−ビス(4−α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミンである。
その他、架橋剤としては、ジクミルパーオキサイド(DCP)を準備する一方、軟化剤としては、パラフィンオイルを準備した。また、比較のために、加硫剤:硫黄、加硫促進剤:CBS,TMTD、カーボンブラック:FEFカーボンブラックを、別途準備した。
そして、上記で準備された各種材料乃至は配合剤を、下記表2に示される組み合わせ並びに配合割合となるように、常法に従って配合し、実施例1〜6及び比較例1〜6に係る各種ゴム組成物を調製した。なお、それぞれのゴム組成物の調製に際して、練り加工性の基準となるロール加工性について判断し、その結果を、下記表2に併せ示した。
次いで、かかる得られた各種のゴム組成物を、170℃×30分の加硫条件を採用して、加硫成形することにより、ゴム材料を加硫乃至は架橋せしめて、引張試験、硬さ試験及び動特性試験用の各種テストピースをそれぞれ作製し、そして、その得られたテストピースを用いて、以下の如き各種の評価試験を実施し、得られた結果を、初期物性として、下記表3に示した。
−引張試験−
JIS−K−6251−1993の「加硫ゴムの引張試験方法」に規定されるダンベル状5号形試験片を、引張試験用のテストピースとして用い、これを、同JIS−K−6251−1993の「加硫ゴムの引張試験方法」に規定される試験方法に従って、所定の引張試験機により、テストピースをそれが切断するまで引張せしめて、切断に至るまでの最大応力(破断強度)、及び切断時の伸び(破断伸び)を測定した。
JIS−K−6251−1993の「加硫ゴムの引張試験方法」に規定されるダンベル状5号形試験片を、引張試験用のテストピースとして用い、これを、同JIS−K−6251−1993の「加硫ゴムの引張試験方法」に規定される試験方法に従って、所定の引張試験機により、テストピースをそれが切断するまで引張せしめて、切断に至るまでの最大応力(破断強度)、及び切断時の伸び(破断伸び)を測定した。
−硬さ試験−
硬さ試験用のテストピースとして、JIS−K−6253−1997の「加硫ゴム及び熱可塑性ゴムの硬さ試験方法」における「デュロメータ硬さ試験」に定められる、厚さ:6mmの試験片を作製して、同じくJIS−K−6253−1997に規定される「デュロメータ硬さ試験」に準じて、タイプAデュロメータにより、テストピースの硬さ(硬度)を測定した。
硬さ試験用のテストピースとして、JIS−K−6253−1997の「加硫ゴム及び熱可塑性ゴムの硬さ試験方法」における「デュロメータ硬さ試験」に定められる、厚さ:6mmの試験片を作製して、同じくJIS−K−6253−1997に規定される「デュロメータ硬さ試験」に準じて、タイプAデュロメータにより、テストピースの硬さ(硬度)を測定した。
−動特性試験−
動特性試験用のテストピースは、直径:50mm及び高さ:25mmの円柱形状を呈するゴム加硫物を作製した後、かかる加硫ゴム試料の上下面に対して、直径:60mm及び厚さ:6mm円板状金具の一対を、接着剤にて加硫接着せしめることにより、作製した。そして、そのようにして得られた各テストピースを用いて、JIS−K−6385−1995の「防振ゴムの試験方法」に準じて、静的バネ定数:Ks、動的バネ定数:Kdを求めた。即ち、JIS−K−6385−1995の「防振ゴムの試験方法」における「静的特性試験」に準じて、それぞれのテストピースに対して、軸方向に荷重を加えて、7mm圧縮せしめ、一旦、減荷した後、再度、7mm圧縮せしめることにより、その2回目の加荷過程(往路)における荷重−撓み特性を測定して、それに基づいて荷重−撓み曲線を作成し、そして、その曲線から、撓みが1.5mmと3.5mmの時の荷重値を、それぞれ読み取って、静的バネ定数:Ksを算出した。
動特性試験用のテストピースは、直径:50mm及び高さ:25mmの円柱形状を呈するゴム加硫物を作製した後、かかる加硫ゴム試料の上下面に対して、直径:60mm及び厚さ:6mm円板状金具の一対を、接着剤にて加硫接着せしめることにより、作製した。そして、そのようにして得られた各テストピースを用いて、JIS−K−6385−1995の「防振ゴムの試験方法」に準じて、静的バネ定数:Ks、動的バネ定数:Kdを求めた。即ち、JIS−K−6385−1995の「防振ゴムの試験方法」における「静的特性試験」に準じて、それぞれのテストピースに対して、軸方向に荷重を加えて、7mm圧縮せしめ、一旦、減荷した後、再度、7mm圧縮せしめることにより、その2回目の加荷過程(往路)における荷重−撓み特性を測定して、それに基づいて荷重−撓み曲線を作成し、そして、その曲線から、撓みが1.5mmと3.5mmの時の荷重値を、それぞれ読み取って、静的バネ定数:Ksを算出した。
また、各テストピースを軸方向に2.5mmだけ圧縮せしめた後、かかる圧縮状態のテストピースの下方より、その2.5mm圧縮した位置を中心とする振幅:±0.05mmの定変位調和圧縮振動を、周波数:100Hzにおいて加える試験を行ない、JIS−K−6385−1995の「防振ゴムの試験方法」における「非共振方法(a)」に準拠して、100Hz時の動的バネ定数(貯蔵バネ定数):Kd100 を求めた。そして、かかるKd100 と、前記のKsとから、動倍率(=Kd100 /Ks)を算出した。
さらに、前記と同様な引張試験、硬さ試験及び動特性試験用の各種テストピースをそれぞれ作製した後、その得られたテストピースを用い、高温時及び高温耐久時において、前記した各種の評価試験を実施して、高温物性、耐熱性(耐熱老化性)を調べ、得られた結果を下記表3に示した。なお、高温物性については、120℃の雰囲気中において、それぞれのテストピースについての引張試験を行い、破断強度及び破断伸びを求めたものであり、また耐熱性(耐熱老化性)については、それぞれのテストピースに対して、120℃×250時間、120℃×500時間、135℃×70時間、及び135℃×250時間の熱老化試験を実施し、それぞれの熱老化試験後のテストピースについて、前記と同様な引張試験及び硬さ試験を行い、その熱老化試験前の物性に対する熱老化試験後の物性の変化の程度を表したものである。具体的には、下記表3中における耐熱性において、ΔTBとΔEBは、熱老化試験前の破断強度と破断伸びに対する熱老化試験後におけるそれらの変化率を、百分率において、またΔHsは、熱老化試験前後における硬度の差を、それぞれ表している。
加えて、上記得られた各種のゴム組成物を、170℃×30分の加硫条件を採用して、加硫成形することにより、ゴム材料を加硫乃至は架橋せしめて、以下に示す圧縮永久歪試験用のテストピースを作製し、そして、その得られたテストピースを用いて、圧縮永久歪試験を実施し、得られた結果を、下記表3に併せて示した。
−圧縮永久歪試験−
JIS−K−6262−1997の「加硫ゴム及び熱可塑性ゴムの永久ひずみ試験方法」に規定される圧縮永久歪試験用大形試験片を、圧縮永久歪試験用のテストピースとして用い、同JIS−K−6262−1997の「5.圧縮永久ひずみ試験」に規定される試験方法に従って、所定の圧縮装置により、荷重を負荷して所定の割合で圧縮し、120℃×250時間又は120℃×500時間の条件にてその状態を維持した後、次いで、荷重を解除して室温にて所定時間放冷し、テストピースの中央部の厚さを測定することにより、圧縮永久歪を求めて、その結果を下記表3に示した。
JIS−K−6262−1997の「加硫ゴム及び熱可塑性ゴムの永久ひずみ試験方法」に規定される圧縮永久歪試験用大形試験片を、圧縮永久歪試験用のテストピースとして用い、同JIS−K−6262−1997の「5.圧縮永久ひずみ試験」に規定される試験方法に従って、所定の圧縮装置により、荷重を負荷して所定の割合で圧縮し、120℃×250時間又は120℃×500時間の条件にてその状態を維持した後、次いで、荷重を解除して室温にて所定時間放冷し、テストピースの中央部の厚さを測定することにより、圧縮永久歪を求めて、その結果を下記表3に示した。
かかる表3に示される結果からも明らかなように、実施例1〜6に係るゴム組成物にあっては、所定の老化防止剤が添加せしめられていない比較例1に係るゴム組成物に比して、耐熱性(耐熱老化性)が有利に向上せしめられていることが理解されるのである。中でも、含イオウ系シランカップリング剤とメルカプト系シランカップリング剤を併用した実施例5,6にあっては、耐熱性が更に有利に高められていることが、分かる。
また、含イオウ系シランカップリング剤として、分子中に含有される硫黄が減量されたシランカップリング剤(シランカップリング剤d)を用いた実施例6では、圧縮永久歪が、効果的に改善されていることが、認められる。
なお、NR材料の単独系(比較例2)においては、耐熱老化性において破断強度や破断伸び、ゴム硬度の劣化が著しく、また、ムーニー粘度の低いEPDM材料単独系(比較例3)においては、高温物性において劣り、且つ動倍率(Kd100 /Ks)の値も高くなっており、また、高ムーニー粘度のEPDM材料を用いた単独系(比較例4)の場合にあっては、高温物性が低下することに加えて、ゴム組成物のロール加工性が悪いという問題を内在していることを認めることが出来る。更に、NR材料の配合量が少ない場合(比較例5)にあっては、ロール加工性が悪く、また、高温物性が不十分となる問題があり、更に、NR材料の配合割合が大となる場合(比較例6)にあっては、熱老化試験後の物性が著しく悪化する問題があることが認められる。
Claims (3)
- 天然ゴム材料と共に、ムーニー粘度(ML1+4 :125℃、油展量:40phr)が70以上であるエチレン−プロピレン−ジエン系ゴム材料を用い、それらエチレン−プロピレン−ジエン系ゴム材料と天然ゴム材料とを90/10〜50/50の配合割合(重量比)においてブレンドせしめる一方、そのブレンド物の100重量部に対して、BET比表面積が20〜70m2 /gであるシリカ粉末を20〜80重量部の割合において配合し、更に、シランカップリング剤の少なくとも1種と共に、ベンゾイミダゾール系老化防止剤及びアミン系老化防止剤のうちの何れか一方又は両方を配合せしめてなることを特徴とする耐熱性防振ゴム組成物。
- 前記シランカップリング剤として、含イオウ系シランカップリング剤とメルカプト系シランカップリング剤とが組み合わされて、用いられる請求項1に記載の耐熱性防振ゴム組成物。
- 前記含イオウ系シランカップリング剤として、分子中の硫黄原子の数が1である化合物が用いられる請求項2に記載の耐熱性防振ゴム組成物。
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