JP3716713B2 - 防振ゴム及びその製造法 - Google Patents
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Description
【技術分野】
本発明は、防振ゴム及びその製造法に係り、低動バネ特性と高減衰特性とを両立して実現する防振ゴム、並びにそのような防振ゴムを有利に製造する方法に関するものである。
【0002】
【背景技術】
よく知られているように、振動伝達系を構成する2つの部材間に介装されて、両部材を防振連結する防振ゴムは、従来より、各種の分野において、広く用いられており、例えば、自動車においては、エンジンマウントやボデーマウント、メンバマウント、サスペンションブッシュ等として、用いられてきている。
【0003】
ところで、上記の自動車用防振ゴムの如き、周波数等の異なる複数種の振動の伝達系において使用される防振ゴムにあっては、通常、入力される各振動に応じた防振特性を有効に発揮するものであることが、求められる。具体的には、自動車用防振ゴムにおいては、一般に、100Hz以上の比較的に高い周波数領域の振動が入力される場合には、低動バネ特性が要求され、また、10〜20Hz程度の低周波振動の入力時においては、高い減衰特性が必要とされている。
【0004】
そして、このような低動バネ−高減衰という防振特性を備えた防振ゴムを得るために、従来から、例えば、防振ゴムを構成するゴム材料として、低動バネ特性に優れる天然ゴム(NR)を用い、それにカーボンブラックを添加することにより、高減衰化を図る等の、ゴム材料の改質やその配合手法の改良等といった材質面における改善策が、各種検討されてきているのであるが、それらの何れにあっても、その特性要求を充分に満足するまでには、到底、到るものではなかったのである。
【0005】
すなわち、バネ特性の発現機構は、ゴム材料を構成するポリマー分子間の結合・拘束や絡み合い、或いはポリマー分子と材料に添加される補強剤との間の結合・拘束に基づくものである一方、減衰性の発現機構は、ポリマー分子同士、若しくはポリマー分子と補強剤との間の摩擦に基づくものであるところから、減衰性を高めると、それに伴って、バネ特性も高くなってしまい、逆に、低動バネ特性を実現すると、減衰性も、また、低下してしまうといった問題があったのであり、従って、そのような低動バネと高減衰という相反する特性を共に実現し得るゴム材料は、未だ開発されていないのが、現状である。
【0006】
一方、そのような材質面からではなく、構造面からのアプローチの一つとして、これまでに、流体封入式防振ゴムの採用が、検討されてきている。かかる流体封入式防振ゴムは、一般的には、所定のゴム材料からなる弾性体内に、複数の流体室が設けられると共に、それら各流体室を互いに連通するオリフィス流路(狭窄流路)が設けられた構造を有しており、かかるオリフィス流路を通じて流動せしめられる流体の共振作用等に基づいて、入力振動の周波数域に応じて求められる各種防振性能が、効果的に発揮され得るように構成されているのであるが、このような流体封入式防振ゴムにあっては、その構造が必然的に複雑なものとなり、また、それを構成する部品点数が多くなるところから、製造コストの高騰や製作性の悪化といった不具合が惹起される等の問題が、内在している。
【0007】
【解決課題】
ここにおいて、本発明は、かかる事情を背景にして為されたものであって、その解決課題とするところは、低動バネ特性と高減衰特性とを両立的に実現することが出来ると共に、良好なコスト性及び製作性の実現を可能にする防振ゴム、並びにそのような防振ゴムを有利に製造する方法を、提供することにある。
【0008】
【解決手段】
そして、本発明にあっては、そのような課題を解決するために、低動バネ特性を与える加硫されたゴム材料Aからなるマトリックス中に、高減衰特性を与える加硫されたゴム材料Bが島相として微細に分散せしめられてなる、海島構造を呈する防振ゴムにして、かかる島相たる加硫ゴム材料Bが、未加硫の前記ゴム材料A中に未加硫の該ゴム材料Bを均一に混練、分散せしめた状態下において、該ゴム材料Bの加硫を行なうことによって、形成されている一方、該未加硫のゴム材料Aが、そのような加硫されたゴム材料Bの分散状態下において、加硫せしめられていることを特徴とする防振ゴムを、その要旨とするものである。
【0009】
すなわち、この本発明に従う防振ゴムにあっては、低動バネ特性を与える加硫ゴム材料Aからなる海相と、高減衰特性を与える加硫ゴム材料Bからなる島相とにて構成される海島構造を呈していると共に、かかる海島構造が、前述の如くして形成されているところに、大きな特徴を有しているのであって、このような防振ゴムにあっては、海島構造の海相としての加硫ゴム材料Aにおいて、優れた低動バネ特性が発現され得る一方、そのような加硫ゴム材料Aからなるマトリックス中に、微細な粒子形態をもって均一に分散せしめられた、島相たる加硫ゴム材料Bにより、高い減衰特性が発現され得るのである。
【0010】
要するに、本発明に従う防振ゴムは、加硫ゴム材料Aと加硫ゴム材料Bのそれぞれにおいて、低動バネ特性と高減衰特性とを、各別に高度に発揮し得るのであって、従来のゴム材料とは異なり、それらの特性を両立して実現することが出来るものなのである。
【0011】
従って、本発明製品は、自動車用防振ゴム等、周波数の異なる複数種の振動の伝達系において取り付けられる防振ゴムとして、特に好適に用いられ得て、それら振動に対して、有効な防振効果を発揮することが出来るのである。
【0012】
加えて、このような防振ゴムにあっては、流体封入式防振ゴム等のように、複雑な構造を必要としないものであるところから、低コストにて、且つ比較的容易に製造することが出来るといった利点もある。
【0013】
なお、上述の如き本発明に従う防振ゴムの好ましい態様の一つによれば、前記加硫されたゴム材料Bは、前記加硫されたゴム材料A中に、平均粒子径が0.1〜100μmの大きさの粒子として、微細に分散せしめられることが、望ましく、これによって、所期の防振特性(低動バネ−高減衰)が、より効果的に発揮され得ると共に、防振ゴムとして求められる物性も、また、良好に確保され得るのである。
【0014】
また、本発明における別の好ましい態様の一つによれば、前記ゴム材料Aとして、低動バネ特性に優れる、NRまたはNRとBR若しくはSBRとのブレンド物が採用され、また、前記ゴム材料Bとしては、減衰性能の高いハロゲン化IIR、マレイン酸変性EPM、CR、カルボキシル変性NBR、CSM、FRまたはアクリルゴムが採用されることが、望ましい。このような構成を採用することによって、より有効な防振特性が一層有利に実現され得る。
【0015】
さらに、本発明にあっては、低動バネ特性を与える加硫されたゴム材料Aからなるマトリックス中に、高減衰特性を与える加硫されたゴム材料Bが島相として微細に分散せしめられてなる、海島構造を呈する防振ゴムにして、前記ゴム材料Aが天然ゴム、前記ゴム材料Bがアクリルゴムである一方、それらゴム材料Aとゴム材料Bとが重量比において90/10〜60/40の割合で配合せしめられていると共に、前記島相たる加硫ゴム材料Bが、未加硫の前記ゴム材料A中に未加硫の該ゴム材料Bを均一に分散せしめた状態下において、該ゴム材料Bの加硫を行なうことによって、0.1〜100μmの大きさの微細な粒子として形成されている一方、該未加硫のゴム材料Aが、そのような加硫されたゴム材料Bの分散状態下において、加硫せしめられていることを特徴とする防振ゴムをも、要旨としている。
【0016】
この本発明に従う防振ゴムにあっては、低動バネ特性を与える加硫された天然ゴム材料からなる海相に、所定量の高減衰特性を与える加硫されたアクリルゴムゴム材料が0.1〜100μmの大きさの微粒子状の島相として均一に分散せしめられているものであるところから、上述の如き良好なる防振特性(低動バネ−高減衰)が有利に発揮され得ると共に、かかる島相たるアクリルゴムによって、防振ゴムに負荷される応力が効果的に分散、緩和せしめられ、以て、優れた耐久性も実現され得ることとなるのである。
【0017】
そして、本発明は、低動バネ特性を与える未加硫のゴム材料Aと高減衰特性を与える未加硫のゴム材料Bとを、かかるゴム材料Bのみを加硫し得る加硫剤と共に、均一に混練せしめる一方、加熱して、該ゴム材料A中に微細に分散せしめた該ゴム材料Bの加硫を行なった後、更に、該ゴム材料Aを加硫し得る加硫剤を配合せしめて、所望の形状と為し、そして加熱することによって該ゴム材料Aを加硫せしめることにより、かかる加硫されたゴム材料Aからなるマトリックス中に、前記加硫されたゴム材料Bが島相として微細に分散せしめられてなる、海島構造を呈する防振ゴムを得ることを特徴とする防振ゴムの製造法も、また、その要旨とするものである。
【0018】
このような本発明に従う防振ゴムの製造法によれば、低動バネ特性を発現する加硫ゴム材料Aのマトリックス(海相)中に、高減衰特性を発現する加硫ゴム材料Bを、微細な島相として均一に分散せしめてなる海島構造を、有利に形成することが出来るところから、低動バネ特性と高減衰特性とを両立的に実現して、有効な防振効果を奏し得る防振ゴムを、有利に製造することが出来るのである。
【0019】
しかも、本発明手法によれば、前記せる如き優れた防振性能を発揮する防振ゴムを、比較的に簡単な作業にて、低廉に作製することが出来るといった利益をも、享受することが出来る。
【0020】
なお、この本発明に従う防振ゴムの製造法の望ましい態様の一つにおいては、前記未加硫のゴム材料Bに対して、該ゴム材料Bのみを加硫し得る加硫剤を配合せしめた後、前記未加硫のゴム材料Aとの均一な混練を行なうこととなる。このような手法を採用することによって、ゴム材料A、ゴム材料B及びゴム材料Bのみを加硫し得る加硫剤の混練時間が、有利に短縮化され得ることとなり、また、ゴム材料A中における、それらゴム材料B及び加硫剤の分散性が、より一層均一なものとなるところから、特に高減衰特性に一段と優れる防振ゴムの製造が、可能となる。
【0021】
また、本発明手法における他の望ましい態様の一つによれば、前記ゴム材料Aの加硫は、硫黄加硫系において実施される一方、前記ゴム材料Bの加硫は、樹脂加硫系、金属酸化物加硫系またはアミン加硫系において実施されるのであり、このように、ゴム材料A,Bの加硫を互いに異なる加硫系において実施することによって、目的とする海島構造が一層有利に実現され得、以て、より良好な防振特性を有する防振ゴムを得ることが出来る。
【0022】
【発明の実施の形態】
ところで、かくの如き本発明に従う防振ゴムは、低動バネ特性を与えるゴム材料Aと、高減衰特性を与えるゴム材料Bとから形成されるものであって、より詳細には、先ず、そのようなゴム材料Aの未加硫物にゴム材料Bの未加硫物を均一に混練せしめて、その未加硫のゴム材料A中に未加硫のゴム材料Bを微細に分散せしめた状態下、かかるゴム材料Bの加硫を実施し、その後に、未加硫ゴム材料Aを加硫成形せしめることによって、加硫されたゴム材料A及びBからなる特定の構造をもって形成されるものであり、そこに、本発明の大きな特徴が存しているのである。
【0023】
すなわち、前記せる如き特徴的な本発明手法にて形成される防振ゴムにあっては、加硫ゴム材料Aと加硫ゴム材料Bとが相互に相溶するのではなく、加硫ゴム材料Aのマトリックス(海相)中において、加硫ゴム材料Bが、細かな粒子状の島相として極めて均一に分散する、所謂、海島構造をもって構成されることとなるのであるが、このような特定の海島構造を採用することによって、その海相たる加硫ゴム材料Aにおいて、優れた低動バネ特性を充分に確保しつつ、島相としての加硫ゴム材料Bにおいて、高い減衰特性を良好に得ることが、可能となったのである。
【0024】
要するに、本発明に従う防振ゴムは、それを構成する加硫ゴム材料Aと加硫ゴム材料Bとのそれぞれにおいて、低動バネ特性と高減衰特性とを、機能分離的に、且つそれぞれ高度に発現し得る、換言すれば、従来のゴム材料では為し得なかった、それら低動バネ特性と高減衰特性との両立を、有利に実現することが出来るものなのである。
【0025】
ところで、このような本発明に従う防振ゴムにおいて、その海相を与えるゴム材料Aとしては、その加硫後において、特に高周波数領域の振動に有効な低動バネ特性を有利に発現し得るものであれば良く、そのような性質を有する公知の各種のゴム材料の中から、要求特性に応じて、適宜なものが選択されて、用いられるのであるが、本発明においては、そのようなゴム材料の中でも、天然ゴム(NR)、NRとブタジエンゴム(BR)とのブレンド物(混合物)、若しくはNRとスチレンブタジエンゴム(SBR)とのブレンド物等の、NRを必須の成分として含むゴム材料(以下、かかるゴム材料をNR系材料と呼称する)が、好適に採用されるのであり、それによって、加硫ゴム材料Aにおいて、より優れた低動バネ性能が発揮され得るのである。
【0026】
一方、防振ゴムの島相を与えるゴム材料Bとしては、加硫後の特性として、特に低周波振動に対して高い減衰効果を発揮するものであると共に、その加硫が、前記ゴム材料Aとは異なる加硫系において行なわれ得るものであることが必要とされ、従って、従来より高減衰性材料として知られている各種のゴム材料の中で、そのような加硫系に関する条件を満足するものが、求められる特性に応じて適宜に選ばれて、用いられることとなる。例えば、前述せる如く、ゴム材料AとしてNR系材料を用いるような場合には、塩素化ブチルゴム等のハロゲン化ブチルゴム(ハロゲン化IIR)、マレイン酸変性エチレンプロピレンゴム(マレイン酸変性EPM)、クロロプレンゴム(CR)、カルボキシル変性ニトリルゴム(カルボキシル変性NBR)、クロロスルホン化ポリエチレン(CSM)、フッ素ゴム(FR)、またはアクリルゴムの使用が、特に推奨されるのである。けだし、それら例示した各ゴム材料は、その何れにあっても、加硫後において、有効な高減衰効果を奏し得るものであり、また、後述するように、NR系材料とは別の加硫系が採用可能なものであることは、勿論のこと、それぞれが、下記表1に示されるように、耐ガス透過性や耐候性、耐熱性、耐オゾン性、耐油性、耐薬品性等の各種特性を、防振ゴムに対して効果的に付与することが出来るからである。
【0027】
【表1】
【0028】
なお、かかるゴム材料Bとしてアクリルゴムを採用する場合にあっては、従来から公知のアクリル酸アルキルエステルを主成分とする合成ゴムであれば、如何なるものでも採用することが出来、要求される特性に応じて適宜に選択されて用いられることとなるが、その中でも、特に、後述するアミン系加硫系にて加硫せしめられ得るアクリルゴム、即ち、アクリル酸アルキルエステルと2−クロロエチルビニルエーテルの共重合体(ACM)や、アクリル酸アルキルエステルとアクリロニトリルの共重合体(ANM)、アクリル酸アルキルエステルとエチレンの共重合体(AEM)等が、好適に用いられ、このようなアクリルゴムを採用することで、防振ゴムの耐久性が有利に高められ得ることとなる。
【0029】
そして、本発明においては、そのようなゴム材料A及びゴム材料Bの未加硫物を用いて、目的とする特定の海島構造を呈する防振ゴムを形成することとなるのであるが、そこでは、先ず、未加硫のゴム材料Aと未加硫のゴム材料Bと共に、ゴム材料Aには作用せず、ゴム材料Bだけに作用して、その加硫を進行させる働きのある加硫剤(以下、加硫剤Bと記す)を、均一に混練せしめつつ、加熱することとなるのであり、それによって、ゴム材料Aを加硫することなく、その未加硫のゴム材料A中に、未加硫のゴム材料Bを微細に且つ均一に分散せしめた状態において、かかるゴム材料Bを加硫することが出来るのである。
【0030】
ここにおいて、ゴム材料Bの加硫に用いられる加硫剤Bとしては、前記したように、ゴム材料Aを加硫せず、ゴム材料Bのみを加硫し得るものであることが必須とされることから、一般的には、公知の各種の加硫剤の中から、そのような条件を満たすものが、ゴム材料A,Bの種類等を考慮しつつ、適宜選択されて、使用されることとなる。具体的には、例えば、上述した如くNR系材料からなるゴム材料Aを採用する場合では、下記表2に示されるように、加硫剤Bとして、NR系材料には作用しないアルキルフェノール樹脂,変性アルキルフェノール樹脂等の樹脂や、酸化亜鉛,酸化マグネシウム等の金属酸化物、ヘキサメチレンジアミンカルバメート等のポリアミン類などの中から、ゴム材料Bの種類に応じて適切なものを選定、使用して、そのような加硫剤を含んでなる樹脂加硫系、金属酸化物加硫系、或いはアミン加硫系において、ゴム材料Bの加硫を実施することが、望ましいのである。なお、下記表2には、ゴム材料Bとして、上記でその好適なものとして例示したハロゲン化IIR、マレイン酸変性EPM、CR、カルボキシル変性NBR、CSM、FRまたはアクリルゴムを採用する場合について、それぞれ、示した。
【0031】
【表2】
【0032】
なお、本発明においては、前記加硫剤Bに対して、ゴム材料Aには作用しない所定の加硫促進剤や加硫促進助剤を組み合わせてなる加硫系において、ゴム材料Bの加硫を実施することも可能であり、例えば、上記表2に併せ示されるように、採用するゴム材料B及び加硫剤Bの種類に応じて、適切な加硫促進剤,加硫促進助剤を選択し、そして、それらを加硫剤Bと組み合わせて未加硫のゴム材料A,Bに混練せしめることによって、より効果的な加硫が実現され得るのである。また、ゴム材料Bの加硫に際しては、この他にも、ゴム材料Aを加硫しないものである限りにおいて、公知の各種のゴム用配合剤を適宜に用いて、ゴム材料A,B及び加硫剤B等と共に混練せしめることも、可能である。
【0033】
そして、このような加硫剤B等と共に、未加硫のゴム材料A,Bを均一に混練しながら加熱せしめて、ゴム材料Bにおける加硫反応を進行せしめるには、通常、加熱条件下においてポリマーの混練を行なうことの出来る、バンバリー等の公知の混練装置を用いて、かかる装置内に、未加硫のゴム材料A,B及び加硫剤B等を、それぞれ所要量において組み合わせて、ゴム原料として導入した後、所定の混練・加熱操作を実施することとなるのであるが、その際、混練装置に供されるゴム原料において、未加硫のゴム材料Aとゴム材料Bとにあっては、最終的に得られる防振ゴムにおいて、所望の特性乃至は物性が有利に実現され得るように、それぞれ、適度な量において用いられることが、好ましく、一般には、重量比(ゴム材料A/ゴム材料B)で、95/5〜30/70となるようにして、用いられるのである。これは、ゴム材料Bの使用量が、ゴム材料Aに比して余りにも少なくなる場合には、得られる加硫ゴム材料Bにより、高減衰効果が充分に奏され得なくなり、逆に、ゴム材料Bの使用量が、ゴム材料Aに比べて多くなり過ぎると、防振ゴムにおける物性、例えば引張性や硬さ等が悪化することとなるからである。尤も、本発明において、ゴム材料Bの使用量がゴム材料Aのそれよりも多くなる場合には、防振ゴムの物性が大きく低下する恐れがあるところから、防振ゴムとしての物性を良好に確保するために、ゴム材料Aとゴム材料Bとを、重量比で、95/5〜50/50となるように用いることが、より望ましいのである。ただし、ゴム材料Bとしてアクリルゴムを採用する場合には、重量比(ゴム材料A/ゴム材料B)で、90/10〜60/40となるように配合することが望ましい。けだし、アクリルゴムの使用量が、この範囲よりも少なくなる場合には、アクリルゴムを配合することによる効果(高減衰、耐久性等)が充分に奏され得なくなるからであり、逆に、アクリルゴム材料の使用量が、かかる範囲よりも多くなると、圧縮永久歪等の他の物性が悪化するようになるからである。
【0034】
また、かかるゴム材料A及びBの未加硫物と共に、ゴム原料として混練装置に導入される加硫剤Bや加硫促進剤、加硫促進助剤にあっては、ゴム材料Bにおいて所望の加硫反応を有利に進めるべく、それぞれ、ゴム材料Bの使用量に対応した適量において、用いられることとなる。
【0035】
さらに、未加硫ゴム材料A,B及び加硫剤B等のゴム原料を、それぞれ、前述せる如き量において、混練装置に導入するに際しては、それらゴム材料A,B及び加硫剤B等を、同時に装置に供給するようにしても、何等問題はないのであるが、本発明において、有利には、未加硫のゴム材料Bに対して、予め、加硫剤B等をその所定量において配合せしめて、マスターバッチの如き混合物を調製,準備した後、未加硫のゴム材料Aと、かくして得られた混合物とを、該ゴム材料Aと該混合物に含まれる未加硫ゴム材料Bとの重量比が所望の値となるように組み合わせて、ゴム原料として装置に供給する手法が、好適に用いられるのである。このような手法を採用することによって、混練時間の短縮化が、有利に図られ得るのみならず、未加硫ゴム材料A中でのゴム材料Bや加硫剤B等の分散状態を、一段と均一なものと為し得ることから、加硫ゴム材料Bにおける減衰特性が、大幅に向上せしめられ得るのである。
【0036】
更にまた、かくの如くして所定のゴム原料を混練装置に導入した後に実施する混練操作にあっては、本発明では、未加硫のゴム材料A中において、ゴム材料Bが、所期の特性を発揮し得る程度にて細かく、しかも均一に分散するまで行なう必要があることから、混練時間は、普通、かくの如きゴム材料Bの分散状態が有利に得られるように、ゴム材料A,Bの種類や使用量の他、混練装置の性能等を加味して、適宜設定される一方、その混練時の加熱温度としては、ゴム原料の混練が容易に為され得ると共に、加硫反応が充分に進行せしめられ得る程度の温度が、有利に採用される。
【0037】
而して、そのような混練・加熱操作によって得られる加硫ゴム材料Bは、未加硫のゴム材料A中において、微細な粒子形態をもって均一に分散した状態で、存在せしめられることとなるのであるが、その加硫ゴム材料Bの粒子サイズとしては、要求される高減衰特性が良好に発現され得るように、上記した混練操作等によって、適宜に調整されるものであり、一般に、加硫ゴム材料Bは、0.1〜100μmの平均粒子径、好適には0.1〜30μmの平均粒子径をもって形成されることが、望ましいのである。これは、かかる平均粒子径が小さくなり過ぎると、所期の減衰特性を充分に実現し得なくなり、逆に、平均粒子径が余りにも大きくなる場合には、防振ゴムにおける物性に影響を与える等の不具合を惹起するからである。なお、加硫ゴム材料Bの平均粒子径は、各種の測定手法にて求められるものであるが、有利には、かかる平均粒子径として、走査形電子顕微鏡(SEM)または走査形プローブ顕微鏡(SPM)により、加硫ゴム材料Bからなる各粒子を観察して、その径を測定し、それら粒子径の平均値を求めることによって得られるものが、好適に採用される。
【0038】
そして、本発明にあっては、上述の如くしてゴム材料Bの加硫を行なった後、更に、その加硫されたゴム材料Bが内部に分散した状態の未加硫ゴム材料Aに対して、該ゴム材料Aを加硫し得る加硫剤(以下、加硫剤Aと記す)を添加,配合せしめた後、かかる未加硫ゴム材料Aを加硫成形せしめることにより、目的とする防振ゴムを形成するのである。
【0039】
ところで、この本発明に従う防振ゴムの形成において、未加硫ゴム材料Aの加硫成形に先立って、該ゴム材料Aに配合せしめられる前記加硫剤Aとしては、ゴム材料Aにおける加硫反応を良好に進行せしめ得るものであれば、何等支障はなく、通常、ゴム材料Aの種類や求められる防振特性等を考慮して、公知の各種の加硫剤の中から、適当なものが選択されて、ゴム材料Aの使用量に応じた量において用いられるのであるが、特に、先述せる如く、ゴム材料AとしてNR系材料を使用する際には、加硫剤Aとして硫黄を用いて、そのような硫黄加硫系においてゴム材料Aの加硫を実施することが、好ましいのである。
【0040】
なお、本発明においては、このような加硫剤Aと併せて、適当な加硫促進剤や加硫促進助剤を、それぞれ必要量においてゴム材料Aに配合せしめることによって、加硫系を、それら加硫促進剤や加硫促進助剤を含んだ態様において構成しても、何等差し支えない。なお、かかる加硫促進剤の代表的なものとしては、例えば、N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(BBS),N−シクロルヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド(CBS),N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド(OBS)等のスルフェンアミド類;ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛(ZnMDC),ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛(ZnEDC)等のジチオカルバミン酸塩類;テトラメチルチウラムジスルフィド(TMTD),テトラエチルチウラムジスルフィド(TETD),テトラブチルチウラムジスルフィド(TBTD)等のチウラム類等を挙げることが出来、また加硫促進助剤としては、酸化亜鉛やステアリン酸等を例示することが出来る。
【0041】
また、ゴム材料Aには、更に必要に応じて、カーボンブラック等の補強剤、アセトンとジフェニルアミンとの反応生成物,N−フェニル−N′−イソプロピル−p−フェニレンジアミンといったフェニレンジアミン類,ワックス等の如き老化防止剤、鉱物油等の軟化剤等、各種のゴム用配合剤を配合せしめることも、可能である。なお、それらの配合剤は、目的とする低動バネ特性を阻害しないものであり、そしてその特性を損なわない量において、使用される必要があることは、言うまでもないところである。例えば、カーボンブラックを用いる場合には、その使用量(配合量)が多くなると、ゴム材料Aにおける動バネ特性に大きな影響を与えることとなるところから、カーボンブラックの使用量としては、未加硫のゴム材料Aの100重量部に対して、60重量部以下の割合となる量が、有利に採用される。
【0042】
さらに、そのような加硫剤Aや各種添加剤を、前記加硫ゴム材料Bを分散状に含む未加硫ゴム材料Aに配合せしめるに際しては、ゴム材料Aに対して、それら加硫剤A等を添加した後、更にロール機等による混練り作業にて練り込んで、均一に配合せしめることが好ましいのであり、これによって、かかる配合操作の後において実施されるゴム材料Aの加硫操作により、ゴム材料Aの加硫が、その全体において万遍なく、良好に行なわれ得るのである。なお、そのような混練り作業においては、一般に、適度な混練り時間と適切な温度条件が、採用される。
【0043】
更にまた、その加硫剤A等の未加硫ゴム材料Aへの配合後においては、先述せる如く、ゴム材料Aの加硫成形を行なうこととなるのであるが、かかる加硫成形の具体的方法としては、金型成形等の成形手法にて成形せしめて、所望の形状と為す一方、所定温度で加熱せしめることにより、ゴム材料Aを加硫せしめる公知の各種の手法が、有利に採用され得るのであり、中でも、成形と同時に加硫を行なうプレス加硫が、より好適に用いられるのである。なお、かかる加硫成形において、加硫時の温度や圧力,時間等の加硫条件は、ゴム材料Aの加硫が良好に行なわれ得るように、ゴム材料Aや加硫剤Aの種類等を加味して、適宜に決定されるものである。また、このようなゴム材料Aの加硫成形においては、その加硫時において、或いは加硫後において、鉄材質やアルミ材質からなる所定の金具の接着操作を行なっても、何等支障はないのであり、従って、本発明は、金具を有しない防振ゴムは、勿論のこと、そのような金具付きの防振ゴムも、また、その適用対象とするものであることが、理解されなければならない。更に、かくの如く、ゴム材料Aを加硫成形せしめることにより得られる防振ゴムの形状、サイズ等は、特に限定されるものではなく、望まれる防振特性の程度や用途に応じて、適宜に設定され得るものである。
【0044】
要するに、かくの如く、本発明に従って形成される防振ゴムにあっては、加硫ゴム材料Aにて構成される海相中に、加硫ゴム材料Bが、微粒子状(一般に、0.1〜100μm)の島相として、均一に分散した状態において存在してなる、海島構造を呈することとなるのであり、結果的に、そのような特定の海島構造により、低動バネ特性と高減衰特性とを共に発揮し得るのである。換言すれば、本発明に従う防振ゴムにあっては、特定の加硫ゴム材料A,Bにて構成される比較的簡単な構造によって、低動バネ−高減衰という防振特性を奏し得るものであるところから、上記せる如き本発明手法によって、容易に、しかも低コストにて、製造することが出来るのである。
【0045】
従って、このような本発明においては、防振すべき振動の周波数領域に応じて、その目的とする振動に対して有効な防振特性(低動バネ、若しくは高減衰)を発現し得るゴム材料を選択し、ゴム材料A、或いはゴム材料Bとして採用すること等によって、周波数の異なる複数種類の振動にも充分に対応し得る防振ゴムを、有利に形成することが出来るのであり、それ故に、そのようにして得られる本発明製品にあっては、自動車のような複数種の振動に対する防振が要求される振動伝達系において、好適に用いられ得て、極めて優れた防振効果を発揮し得るのである。
【0046】
【実施例】
以下に、本発明の幾つかの実施例を示し、本発明を更に具体的に明らかにすることとするが、本発明が、そのような実施例の記載によって、何等の制約をも受けるものでないことは、言うまでもないところである。また、本発明には、以下の実施例の他にも、更には上記の具体的記述以外にも、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて種々なる変更、修正、改良等を加え得るものであることが、理解されるべきである。
【0047】
(1)動特性試験,引張試験,硬さ試験
先ず、本発明に従って、低動バネ特性を与えるゴム材料Aとして、未加硫の天然ゴム(NR)を準備する一方、下記表3に示される配合組成において、高減衰特性を与えるゴム材料Bとしての塩素化ブチルゴム(Cl−IIR)の未加硫物に、加硫剤Bとしての酸化亜鉛を配合せしめてなるマスターバッチを調製,準備した。なお、このマスターバッチの調製においては、加硫促進剤として、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛(ZnEDC)を用いる一方、加硫促進助剤として、ステアリン酸を用いた。
【0048】
【表3】
【0049】
次いで、上記で準備したNR及びマスターバッチを用いて、そのNRとマスターバッチ中のCl−IIRとが、重量比(NR/Cl−IIR)で、下記表4に示される各ブレンド比となるように、NRとマスターバッチとを組み合わせて、ゴム原料を調製し、それを加熱混練の可能なバンバリー内に仕込んだ後、5〜10分間、均一に混練せしめつつ、150〜160℃の温度で加熱せしめることにより、NRを加硫することなく、Cl−IIRのみを加硫せしめて、本発明例1〜6の予備試料を得た。なお、その得られた予備試料のそれぞれについて、試料(NR)中に分散するCl−IIRの粒子径を測定して、その平均値を求めたところ、かかる平均粒子径にあっては、何れも、0.5〜5μm程度であることを確認した。
【0050】
さらに、かくの如くして得られた各予備試料を用いて、その予備試料を構成する未加硫のNRの100重量部に対して、加硫剤Aとしての硫黄を始めとする、下記表4に示される如き各種成分を、該表4に示される割合となるように添加し、更にロール機にて混練りして、均一に配合せしめた後、プレス加硫により、160℃×20分の加硫条件で、加硫成形せしめて、動特性試験、引張試験、及び硬さ試験のためのテストピース(本発明例1〜6)を、それぞれ作製した。
【0051】
なお、上記において、NRに配合せしめられるN−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド(CBS)は、加硫促進剤であり、また、酸化亜鉛及びステアリン酸は、加硫促進助剤として用いられている。また、本実施例においては、老化防止剤として、N−フェニル−N′−イソプロピル−p−フェニレンジアミンを採用し、更に、カーボンブラックは、補強剤として用いる一方、鉱物油は、軟化剤として用いた。
【0052】
また、前記動特性試験のためのテストピースは、先ず、上記加硫成形により、直径:50mm及び高さ:25mmの円柱形状を呈する加硫ゴム試料を作製した後、かかる加硫ゴム試料の上下面に対して、直径:60mm及び厚さ:6mmの鉄製円盤金具の一対を、接着剤にて接着せしめることにより、作製した。その一方、引張試験用のテストピースとしては、JIS−K−6301−1995の「加硫ゴム物理試験方法」における「3.引張試験」に規定されるダンベル状試験片(3号形)を作製し、また、硬さ試験用のテストピースとしては、JIS−K−6301−1995の「加硫ゴム物理試験方法」における「5.硬さ試験」に定められる、厚さ:2mmの試験片を作製した。
【0053】
【表4】
【0054】
一方、比較のために、先ず、下記表5に示される各配合組成に従って、ゴム材料としてNR(未加硫物)のみを配合せしめてなるゴム原料(比較例1及び2)を調製,準備した。次に、かかるゴム原料をそれぞれ用いて、160℃×20分の条件下、プレス加硫により、加硫成形を行ない、上記の本発明例1〜6のテストピースと同様の、動特性試験、引張試験、及び硬さ試験のためのテストピース(比較例1,2)を、それぞれ作製した。
【0055】
なお、前記比較例に係るゴム原料の調製において、NRに添加される各成分の機能乃至は働きについては、上述した本発明例の場合と同様であるが、比較例2において、比較的多い量にて用いられるカーボンブラックにあっては、従来と同様、高減衰化成分としての働きも、また、発揮するものである。
【0056】
【表5】
【0057】
そして、このようにして得られた本発明例1〜6及び比較例1,2に係る各テストピースを用いて、以下の動特性試験、引張試験、並びに硬さ試験を行なった。
【0058】
−動特性試験−
上記で得た動特性試験用の各テストピースを用いて、それぞれのテストピースに対して、軸方向の荷重を加えて、軸方向に5.5mm圧縮せしめ、一旦、減荷した後、再度、5.5mm圧縮せしめることにより、その2回目の加荷過程における荷重−撓み特性を測定して、それに基づいて荷重−撓み曲線を作成し、そして、その曲線から、撓みが1.25mmと3.75mmの時の荷重値:P1 ,P2 (単位は、N)を、それぞれ読み取って、それより、次式:
Ks=(P2 −P1 )/2.5
に従って、静的バネ定数:Ks(N/mm)を算出した。また、これとは別に、各テストピースを軸方向に2.5mmだけ圧縮せしめた後、かかる圧縮状態のテストピースの下方より、その2.5mm圧縮した位置を中心とする振幅:±0.05mmの定変位調和圧縮振動を、周波数:100Hzにおいて加える試験を行ない、JIS−K−6385−1995の「防振ゴムの試験方法」における「非共振方法(a)」に準拠して、100Hz時の動的バネ定数(貯蔵バネ定数):Kd100 (N/mm)を求めた。そして、かかるKd100 と、前記で得たKsとから、動倍率(=Kd100 /Ks)を算出し、その結果を、下記表6及び表7に併せ示した。なお、この動倍率の値が小さいということは、対象とするテストピースが、100Hzの振動に対する動バネ特性において、低いものであるということを、意味している。
【0059】
また、本実施例における動特性試験では、更に、各テストピースを軸方向に2.5mmだけ圧縮せしめた状態で、そのテストピースの下方から、圧縮位置を中心とする振幅:±0.5mmの定変位調和圧縮振動を、周波数:15Hzにおいて加える試験を行ない、JIS−K−6385−1995の「防振ゴムの試験方法」における「非共振方法(a)」に準拠して、15Hz時の損失係数:tanδを求め、その結果も、また、下記表6及び表7に併せ示した。なお、かかる損失係数の値が大きいということは、対象とするテストピースにおいて、15Hzの振動に対して高い減衰性が発揮されているものと、解することが出来る。
【0060】
さらに、上記の如くして得られた、各テストピースにおける動倍率:Kd100 /Ksと損失係数:tanδ〔15Hz〕との関係を、図1おいて、グラフにて示した。なお、かかる図1において、□は本発明例のテストピースについて表わしている一方、●は比較例のテストピースについて表わしている。
【0061】
−引張試験−
上記において得られた各引張試験用テストピースを用いて、JIS−K−6301−1995の前記「3.引張試験」に規定される試験方法に従って、所定の引張試験機により、テストピースを、それが破断するまで引張せしめて、100%伸び時における引張応力(100%モジュラス)、破断に至るまでの最大応力(引張強さ:Tb)、及び破断時の伸び(破断伸び:Eb)を測定し、その結果を下記表6及び表7に示した。また、本発明例1〜6に係るテストピースについては、かくして得られたTb及びEbと、上記表4に示したブレンド比とを対比させて、その結果を、棒線グラフ(Tb)及び折れ線グラフ(Eb)にて、図2に示した。なお、かかる図2には、比較例1のテストピースにおけるTb及びEbの値を、ブレンド比が100/0の時の値として、併せ示した。
【0062】
−硬さ試験−
上記において得られた硬さ試験用の各テストピースを用いて、JIS−K−6301−1995の前記「5.硬さ試験」に準じて、スプリング式硬さ試験機:A型により、テストピースの硬さを測定し、その結果を、下記表6及び表7において、JIS−A硬度として、併せ示した。
【0063】
【表6】
【0064】
【表7】
【0065】
かかる表6,7及び図1に示される動特性試験の結果からも明らかなように、NRからなる比較例1のテストピースにあっては、低い動バネ特性(動倍率)を有するものの、減衰性(損失係数)も、また、低いものであり、また、NRに対して、比較例1の場合よりも多い量のカーボンブラックを配合せしめてなるゴム原料を用いて形成された比較例2のテストピースにあっては、かかるカーボンブラックにて、比較例1よりも減衰性が高められ得ているものの、図1に実線で示される如く、それに伴って、動バネ特性も、また、急激に高くなっていることが、認められる。従って、比較例2のものよりも一段と高い減衰性を実現するべく、従来と同様に、更に多量のカーボンブラックを使用するような場合には、図1において破線で示されるように、最早、低い動バネ特性を有利に実現し得なくなるということは、容易に予測され得るところであり、そのような従来手法は、有効とは言い難いものであることが、分かる。
【0066】
これに対して、本発明例1〜6の各テストピースにあっては、何れも、前記せる如き比較例2のものとは異なり、動バネ特性(動倍率)を低く保ちつつ、減衰性(損失係数)を効果的に高め得ているものであることが、認められるのであり、これより、本発明は、低動バネ−高減衰という防振特性を、極めて有利に実現し得るものであるということが、理解される。
【0067】
一方また、上記表6,7及び図2において示される引張試験及び硬さ試験の結果からも明らかなように、本発明例1〜6のテストピースの殆どは、100%モジュラス、引張強さ(Tb)、破断伸び(Eb)といった引張性や硬さといった物性を、従来例たる比較例のものに比して遜色のない程度において、達成するものであることが、認識される。特に、本発明においては、図2に示される如く、ゴム材料BたるCl−IIRを、ゴム材料AたるNRよりも少ない量において用いれば、TbやEbといった物性が、充分高度に確保され得ることが、分かる。
【0068】
(2)耐久性試験
上記の各種の試験と同様に、先ず、低動バネ特性を与えるゴム材料Aとして、未加硫の天然ゴム(NR)を準備する一方、下記表8に示される配合組成において、高減衰特性を与えるゴム材料Bとしてのアクリルゴム(AEM:VAMAC−G:三井デュポンポリケミカル株式会社製)の未加硫物に、加硫剤Bとしてのヘキサメチレンジアミンカルバメートを配合せしめてなるマスターバッチ(以下、マスターバッチAEMと呼称する)を調製,準備した。なお、このマスターバッチAEMの調製においては、加硫促進剤として、ジオルトトリルグアニジン(DT)を用いる一方、加硫促進助剤として、ステアリン酸を用いた。
【0069】
【表8】
【0070】
次いで、上記で準備されたNR及びマスターバッチAEMを用いて、それらNRとマスターバッチAEM中のAEMとが、下記表9に示される配合割合となるように組み合わせて、ゴム原料を調製し、それを加熱混練の可能なバンバリーミキサー内に仕込んだ後、均一に混練せしめつつ、150〜160℃の温度で5〜10分間、加熱せしめることにより、NRを加硫することなく、アクリルゴムのみを加硫せしめて、実施例7〜9及び比較例4の予備試料をそれぞれ得た。
【0071】
そして、この得られた各予備試料(比較例3については、未加硫のNR)を用いて、その予備試料に対して、硫黄を始めとする、下記表9に示される如き各種成分、酸化亜鉛+ステアリン酸、HAFカーボンブラック(ASTM−N330)、軟化剤:アロマティック系プロセスオイルを、下記表9に示される割合となるように添加し、更にロール機にて混練りして、均一に配合せしめた後、プレス加硫成形操作により、加硫成形することにより、NRを加硫せしめて、耐久性試験及び圧縮永久歪試験のための各種のテストピース(実施例7〜9、比較例3,4)を、それぞれ作製した。なお、かかる加硫条件としては、耐久性試験用のテストピースには160℃×20分、圧縮永久圧縮歪試験用のテストピースには160℃×30分を、それぞれ採用した。さらに、かくの如くして得られた各テストピース(実施例7〜9)を用いて、それぞれについて、NR中に分散するアクリルゴムの粒子径を測定したところ、何れも、0.5〜3μm程度であることを確認した。
【0072】
なお、前記耐久性試験のためのテストピースとしては、JIS−K−6251−1993の「加硫ゴムの引張試験方法」に規定されるダンベル状5号形試験片を作製し、また圧縮永久歪試験用のテストピースとしては、JIS−K−6262−1997の「加硫ゴム及び熱可塑性ゴムの永久ひずみ試験方法」に規定される圧縮永久歪試験用大形試験片を作製した。
【0073】
【表9】
【0074】
そして、このようにして得られた実施例7〜9及び比較例3,4に係る各テストピースを用いて、以下の耐久性試験及び圧縮永久歪試験を行なった。
【0075】
−耐久性試験−
上記で得られた耐久性試験用の各テストピースを用いて、所定の引張試験機により、それぞれのテストピースに対し、軸方向に、0〜100%の引張歪みを、300回/分の速度にて、それが破断するまで繰り返し与え、破断に至るまでの回数を測定して、その結果を、耐久性(ダンベル疲労)として、下記表10に示した。
【0076】
−圧縮永久歪試験−
上記において得られた各圧縮永久歪試験用テストピースを用いて、JIS−K−6262−1997の「5.圧縮永久ひずみ試験」に規定される試験方法に従って、所定の圧縮装置により、荷重を負荷して所定の割合で圧縮し、100℃×22時間にてその状態を維持した後、次いで、荷重を解除して室温にて所定時間放冷し、テストピースの中央部の厚さを測定することにより、圧縮永久歪を求めて、その結果を下記表10に示した。
【0077】
【表10】
【0078】
かかる表10の結果からも明らかなように、低動バネ特性を与えるゴム材料Aとして天然ゴムを採用する一方、高減衰特性を与えるゴム材料Bとしてアクリルゴムを採用した、本発明に従う実施例7〜9の各テストピースにあっては、何れも、NRのみからなる比較例3のものに比して、耐久性が効果的に高められ得ていることが、わかる。しかしながら、高減衰特性を与えるゴム材料Bとしてアクリルゴムを採用しても、その配合量が本発明の範囲外とされる比較例4のテストピースにあっては、耐久性が向上せしめられてはいるものの、防振ゴムに必要とされる物性である圧縮永久歪の値が大きくなり、悪化してしまうのである。
【0079】
【発明の効果】
以上の説明より明らかなように、本発明に従う防振ゴムにあっては、低動バネ特性と高減衰特性とを両立して実現することが出来るものであることから、エンジンマウント等といった自動車用防振ゴムの如き、周波数の異なる複数種の振動に応じて種々の防振性能が求められる防振ゴムとして、特に有利に適用され得るのである。そして、本発明に従う防振ゴムの製造法によれば、そのような優れた効果を奏し得る防振ゴムを、安価に且つ容易に作製することが、可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例において得られた、動倍率と損失係数との関係を示すグラフである。
【図2】実施例において得られた引張強さ及び破断伸びと、天然ゴムと塩素化ブチルゴムとのブレンド比とを対比して示すグラフである。
Claims (10)
- 低動バネ特性を与える加硫されたゴム材料Aからなるマトリックス中に、高減衰特性を与える加硫されたゴム材料Bが島相として微細に分散せしめられてなる、海島構造を呈する防振ゴムにして、
前記ゴム材料Aが、NRまたはNRとBR若しくはSBRとのブレンド物であり、且つ前記ゴム材料Bが、ハロゲン化IIR、マレイン酸変性EPM、CR、カルボキシル変性NBR、CSM、FRまたはアクリルゴムであると共に、かかる島相たる加硫ゴム材料Bが、未加硫の前記ゴム材料A中に未加硫の該ゴム材料Bを均一に混練、分散せしめた状態下において、該ゴム材料Bの加硫を行なうことによって、形成されている一方、該未加硫のゴム材料Aが、そのような加硫されたゴム材料Bの分散状態下において、加硫せしめられていることを特徴とする防振ゴム。 - 前記加硫されたゴム材料Bが、前記加硫されたゴム材料A中に、平均粒子径が0.1〜100μmの大きさの粒子として、微細に分散せしめられている請求項1記載の防振ゴム。
- 前記ゴム材料Aと前記ゴム材料Bとが、重量比で、95/5〜50/50となるように用いられている請求項1又は請求項2に記載の防振ゴム。
- 低動バネ特性を与える加硫されたゴム材料Aからなるマトリックス中に、高減衰特性を与える加硫されたゴム材料Bが島相として微細に分散せしめられてなる、海島構造を呈する防振ゴムにして、
前記ゴム材料Aが天然ゴム、前記ゴム材料Bがアクリルゴムである一方、それらゴム材料Aとゴム材料Bとが重量比において90/10〜60/40の割合で配合せしめられていると共に、
前記島相たる加硫ゴム材料Bが、未加硫の前記ゴム材料A中に未加硫の該ゴム材料Bを均一に分散せしめた状態下において、該ゴム材料Bの加硫を行なうことによって、0.1〜100μmの大きさの微細な粒子として形成されている一方、該未加硫のゴム材料Aが、そのような加硫されたゴム材料Bの分散状態下において、加硫せしめられていることを特徴とする防振ゴム。 - 低動バネ特性を与える未加硫のゴム材料Aと高減衰特性を与える未加硫のゴム材料Bとを、かかるゴム材料Bのみを加硫し得る加硫剤と共に、均一に混練せしめる一方、加熱して、該ゴム材料A中に微細に分散せしめた該ゴム材料Bの加硫を行なった後、更に、該ゴム材料Aを加硫し得る加硫剤を配合せしめて、所望の形状と為し、そして加熱することによって該ゴム材料Aを加硫せしめることにより、かかる加硫されたゴム材料Aからなるマトリックス中に、前記加硫されたゴム材料Bが島相として微細に分散せしめられてなる、海島構造を呈する防振ゴムを得ることを特徴とする防振ゴムの製造法。
- 前記未加硫のゴム材料Bに対して、該ゴム材料Bのみを加硫し得る加硫剤を配合せしめた後、前記未加硫のゴム材料Aとの均一な混練が行なわれる請求項5記載の防振ゴムの製造法。
- 前記ゴム材料Aの加硫が硫黄加硫系において実施される一方、前記ゴム材料Bの加硫が樹脂加硫系、金属酸化物加硫系またはアミン加硫系において実施される請求項5または請求項6記載の防振ゴムの製造法。
- 前記ゴム材料Aが、NRまたはNRとBR若しくはSBRとのブレンド物であり、前記ゴム材料Bが、ハロゲン化IIR、マレイン酸変性EPM、CR、カルボキシル変性NBR、CSM、FRまたはアクリルゴムである請求項5乃至請求項7の何れかに記載の記載の防振ゴムの製造法。
- 前記加硫されたゴム材料Bが、前記未加硫のゴム材料A中において、平均粒子径が0.1〜100μmの大きさの粒子として、微細に分散せしめられている請求項5乃至請求項8の何れかに記載の防振ゴムの製造法。
- 前記未加硫のゴム材料Aと前記未加硫のゴム材料Bとが、重量比で、95/5〜30/70となるように用いられる請求項5乃至請求項9の何れかに記載の防振ゴムの製造法。
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